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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141714
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】自動車補修用塗料価格算出システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241003BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q30/0601 310
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053509
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】523116468
【氏名又は名称】櫟田 裕樹
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】櫟田 裕樹
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB55
5L049BB55
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】適切な自動車補修用塗料価格を算出する自動車補修用塗料価格算出システムを提供することを目的とする。
【解決手段】自動車補修用塗料価格算出システム1は、各塗料の原価を用いて算出される自動車補修用塗料の塗料価格を、自動車補修用塗料原価算出部150A、塗料料率別原価テーブル、基準原価算出部144、料率・目標仕入価格決定部145、自動車補修用塗料請求額算出部151Aによって、適切な価格とする。各塗料の原価を足し合わせて算出された自動車補修用塗料原価から、塗料メーカーまたは専門商社から自動車補修用塗料を仕入れた場合の仕入価格に基づいて定まる目標仕入価格を決定し、決定された目標仕入価格に基づいて、自動車補修用塗料の塗料価格を算出するので、算出された自動車補修用塗料の塗料価格が、塗料メーカーまたは専門商社から自動車補修用塗料を仕入れた場合に比べて高くなり過ぎたり低くなりすぎたりしない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車塗装補修にかかる自動車補修用塗料の塗料価格を算出する自動車補修用塗料価格算出システムであって、
少なくとも、前記自動車塗装補修にて使用される複数種類の塗料に関する塗料情報と、前記塗料情報によって特定される塗料の単価を示す塗料単価情報とを予め対応付けて記憶する塗料情報記憶手段と、
前記塗料情報の中から前記自動車塗装補修の塗装行程において前記自動車補修用塗料を作るために配合される各塗料の前記塗料情報をユーザーの入力に基づき取得する配合塗料取得手段と、
前記自動車補修用塗料を作るために必要な前記各塗料の個別必要量をユーザーの入力に基づき取得する個別必要量取得手段と、
前記個別必要量取得手段により取得された前記各塗料の個別必要量と、前記配合塗料取得手段によって取得された前記各塗料に対応する前記塗料単価情報とに基づき、前記自動車補修用塗料を作るための前記各塗料の原価を算出する塗料原価算出手段と、
前記塗料原価算出手段により算出された前記各塗料の原価を足し合わせた自動車補修用塗料原価を算出する自動車補修用塗料原価算出手段と、
自動車補修用塗料を仕入れた場合の仕入価格に基づいて定まる目標仕入価格を自動車補修用塗料の種類ごとに複数記憶し、その複数の目標仕入価格のそれぞれに、各目標仕入価格を採る自動車補修用塗料を作る場合にかかる自動車補修用塗料原価の範囲である基準原価帯を対応付けて記憶する基準原価帯記憶手段と、
前記自動車補修用塗料原価算出手段により算出された前記自動車補修用塗料原価に基づいて基準原価を算出する基準原価算出手段と、
前記基準原価算出手段により算出された前記基準原価が属する前記基準原価帯に応じて前記目標仕入価格を決定する目標仕入価格決定手段と、
前記目標仕入価格決定手段により決定された前記目標仕入価格に基づいて、前記自動車補修用塗料の塗料価格を決定する自動車補修用塗料価格決定手段と、を備える
ことを特徴とする自動車補修用塗料価格算出システム。
【請求項2】
請求項1に記載の自動車補修用塗料価格算出システムにおいて、
前記自動車補修用塗料原価を前記目標仕入価格に近付けることが可能な目標仕入価格近似倍率を算出する目標仕入価格近似倍率算出手段を備え、
前記自動車補修用塗料価格決定手段は、前記目標仕入価格近似倍率に基づいて、前記自動車補修用塗料原価に対応する前記自動車補修用塗料の塗料価格を算出する自動車補修用塗料価格算出手段である
ことを特徴とする自動車補修用塗料価格算出システム。
【請求項3】
請求項1に記載の自動車補修用塗料価格算出システムにおいて、
前記自動車補修用塗料を必要とする合計必要量をユーザーの入力に基づき取得する必要量取得手段と、
塗料メーカーに指定された配合基準に基づく前記各塗料の基準量をユーザーの入力に基づき取得する基準量取得手段と、
前記個別必要量取得手段は、前記必要量取得手段により取得された前記合計必要量と、前記基準量取得手段によって取得された前記基準量とに基づき、前記各塗料の個別必要量を算出する
ことを特徴とする自動車補修用塗料価格算出システム。
【請求項4】
請求項1に記載の自動車補修用塗料価格算出システムにおいて、
前記塗装行程において複数の塗装方法の中から選択された塗装方法をユーザーの入力に基づき取得する塗装方法取得手段を備え、
前記基準原価帯記憶手段は、前記塗装方法取得手段により取得された前記塗装方法に応じて、前記目標仕入価格とこれに対応付けられた前記基準原価帯とを異ならせたテーブルを備え、
前記テーブルは、前記塗装方法取得手段により取得された前記塗装方法に応じて選択される
ことを特徴とする自動車補修用塗料価格算出システム。
【請求項5】
請求項4に記載の自動車補修用塗料価格算出システムにおいて、
前記塗装方法取得手段により取得された前記塗装方法と、前記塗装方法の塗装難易度を対応付けて記憶する塗装難易度記憶手段を備え、
前記基準原価帯記憶手段は、前記塗装方法取得手段により取得された前記塗装方法の前記塗装難易度が高くなるに従って、前記目標仕入価格とこれに対応付けられた前記基準原価帯が高くなるように設定されたテーブルを備え、
前記テーブルは、前記塗装方法取得手段により取得された前記塗装方法の前記塗装難易度に応じて選択される
ことを特徴とする自動車補修用塗料価格算出システム。
【請求項6】
請求項1に記載の自動車補修用塗料価格算出システムにおいて、
前記塗装行程は、前記自動車の塗装色を再現ないし表現する本塗装行程と、前記本塗装行程の前に行われる塗装準備行程と、前記本塗装行程の後に行われる塗装仕上げ行程を含み、
予め定められた所定倍率を原価率として取得する原価率取得手段を備え、
前記本塗装行程に対しては、前記目標仕入価格決定手段により決定された前記目標仕入価格に基づいて、前記自動車補修用塗料価格を算出し、
前記塗装準備行程、前記塗装仕上げ行程に対しては、前記原価率取得手段により取得された前記原価率に基づいて、前記自動車補修用塗料価格を算出する
ことを特徴とする自動車補修用塗料価格算出システム。
【請求項7】
請求項1に記載の自動車補修用塗料価格算出システムにおいて、
前記塗料情報記憶手段は、塗料メーカー情報を前記塗料情報と対応付けて記憶しており、
複数の塗料メーカー情報の中から選択された塗料メーカー情報をユーザーの入力に基づき取得する塗料メーカー情報取得手段を備え、
前記基準原価帯記憶手段は、前記塗料メーカー情報取得手段により取得された前記塗料メーカー情報に応じて、前記目標仕入価格とこれに対応付けられた前記基準原価帯とを異ならせているテーブルを備え、
前記テーブルは、前記塗料メーカー情報取得手段により取得された前記塗料メーカー情報に応じて選択される
ことを特徴とする自動車補修用塗料価格算出システム。
【請求項8】
請求項1に記載の自動車補修用塗料価格算出システムにおいて、
前記塗料情報記憶手段は、塗料メーカーが製造する塗料の塗料カテゴリ情報を前記塗料情報と対応付けて記憶しており、
複数の塗料カテゴリ情報の中から選択された塗料カテゴリ情報をユーザーの入力に基づき取得する塗料カテゴリ情報取得手段を備え、
前記基準原価帯記憶手段は、前記塗料カテゴリ情報取得手段により取得された前記塗料カテゴリ情報に応じて、前記目標仕入価格とこれに対応付けられた前記基準原価帯とを異ならせているテーブルを備え、
前記テーブルは、前記塗料カテゴリ情報取得手段により取得された前記塗料カテゴリ情報に応じて選択される
ことを特徴とする自動車補修用塗料価格算出システム。
【請求項9】
請求項7に記載の自動車補修用塗料価格算出システムにおいて、
前記塗装行程は、複数の塗装行程からなるものであって、
前記塗料メーカー情報取得手段は、一の塗装行程と他の塗装行程とで異なる前記塗料メーカー情報を前記複数の塗料メーカー情報の中からユーザーの入力に基づいて取得することが可能である
ことを特徴とする自動車補修用塗料価格算出システム。
【請求項10】
請求項1に記載の自動車補修用塗料価格算出システムにおいて、
前記塗料情報記憶手段は、ユーザーが仕入れた塗料の仕入れ値に基づくユーザー塗料単価情報を記憶させることが可能であり、
前記塗料原価算出手段は、前記個別必要量取得手段により取得された前記各塗料の個別必要量と、前記塗料情報記憶手段に記憶された前記各塗料に対応する前記ユーザー塗料単価情報とに基づき、前記自動車補修用塗料を作るための前記各塗料の原価を算出することが可能である
ことを特徴とする自動車補修用塗料価格算出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車補修用塗料価格算出システムに係り、特に、適切な自動車補修用塗料の塗料価格を算出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のシステムとして、自動車補修用塗料の塗料価格を算出するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002-318940号公報(第3頁、図4
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のシステムは、自動車補修用塗料を配合するに当たり厳密な原価管理が困難であった。既存の見積もりソフトでは1時間当たりの塗装工賃に自動車補修用塗料の塗方法毎(ソリッド、2コート、3コート)の材料代比率がそれぞれ設定されている事が普通である。つまり、1時間当たりの塗装工賃に予め決められた材料材比率を乗算して自動車補修用塗料の塗料価格が算出されている。しかし、近年の急激な価格高騰で今までの計算方法では、算出された自動車補修用塗料の塗料価格が、実際の自動車補修用塗料に配合された塗料の自動車補修用塗料原価を大きく下回る事例が多くある。その結果、自動車塗装補修に関わる事業者が不適切な見積もりのために損失を招くことがあった。
【0004】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、適切な自動車補修用塗料の塗料価格を算出する自動車補修用塗料価格算出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
自動車塗装補修にかかる自動車補修用塗料の塗料価格を算出する自動車補修用塗料価格算出システムであって、
少なくとも、前記自動車塗装補修にて使用される複数種類の塗料に関する塗料情報と、前記塗料情報によって特定される塗料の単価を示す塗料単価情報とを予め対応付けて記憶する塗料情報記憶手段と、
前記塗料情報の中から前記自動車塗装補修の塗装行程において前記自動車補修用塗料を作るために配合される各塗料の前記塗料情報をユーザーの入力に基づき取得する配合塗料取得手段と、
前記自動車補修用塗料を作るために必要な前記各塗料の個別必要量をユーザーの入力に基づき取得する個別必要量取得手段と、
前記個別必要量取得手段により取得された前記各塗料の個別必要量と、前記配合塗料取得手段によって取得された前記各塗料に対応する前記塗料単価情報とに基づき、前記自動車補修用塗料を作るための前記各塗料の原価を算出する塗料原価算出手段と、
前記塗料原価算出手段により算出された前記各塗料の原価を足し合わせた自動車補修用塗料原価を算出する自動車補修用塗料原価算出手段と、
自動車補修用塗料を仕入れた場合の仕入価格に基づいて定まる目標仕入価格を自動車補修用塗料の種類ごとに複数記憶し、その複数の目標仕入価格のそれぞれに、各目標仕入価格を採る自動車補修用塗料を作る場合にかかる自動車補修用塗料原価の範囲である基準原価帯を対応付けて記憶する基準原価帯記憶手段と、
前記自動車補修用塗料原価算出手段により算出された前記自動車補修用塗料原価に基づいて基準原価を算出する基準原価算出手段と、
前記基準原価算出手段により算出された前記基準原価が属する前記基準原価帯に応じて前記目標仕入価格を決定する目標仕入価格決定手段と、
前記目標仕入価格決定手段により決定された前記目標仕入価格に基づいて、前記自動車補修用塗料の塗料価格を決定する自動車補修用塗料価格決定手段と、を備える
ことを特徴とする。
【0006】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、自動車補修用塗料の塗料価格を算出するにあたって、自動車補修用塗料を作るための各塗料の原価を用いるので、従来の塗装工賃に予め決められた材料材比率を乗算して算出された自動車補修用塗料の塗料価格に比べて、適切な自動車補修用塗料の塗料価格を算出できる。この各塗料の原価を用いるにあたっては、塗料情報記憶手段、配合塗料取得手段、個別必要量取得手段、塗料原価算出手段によって、各塗料の原価を算出する際のユーザーの操作を簡単にしている。すなわち、ユーザーは、自ら各塗料の原価を調べたり計算したりしなくても、自動車補修用塗料を作るために配合される各塗料の塗料情報と、各塗料の個別必要量(個別必要量は、ユーザーが入力した自動車補修用塗料の合計必要量に基づき算出される場合と、ユーザーが直接入力する場合とを含む)とを入力するだけで、簡単に各塗料の原価を算出することができる。また、各塗料の原価を用いて算出される自動車補修用塗料の塗料価格は、自動車補修用塗料原価算出手段、基準原価帯記憶手段、基準原価算出手段、目標仕入価格決定手段、自動車補修用塗料価格決定手段によって、適切な価格となる。すなわち、各塗料の原価を足し合わせて算出された自動車補修用塗料原価から、塗料メーカーまたは専門商社から自動車補修用塗料を仕入れた場合の仕入価格に基づいて定まる目標仕入価格を決定し、決定された目標仕入価格に基づいて、自動車補修用塗料の塗料価格を算出するので、算出された自動車補修用塗料の塗料価格が、塗料メーカーまたは専門商社から自動車補修用塗料を仕入れた場合に比べて高くなり過ぎたり低くなりすぎたりしない。また、メーカー希望小売価格や定価設定のない商品(自動車補修用塗料)の参考販売価格を、実際に使用した分量に応じて適切に決定することができる。したがって、適切な自動車補修用塗料価格を算出する自動車補修用塗料価格算出システムを提供することができる。
【0007】
また、本発明において、前記自動車補修用塗料原価を前記目標仕入価格に近付けることが可能な目標仕入価格近似倍率を算出する目標仕入価格近似倍率算出手段を備え、前記自動車補修用塗料価格決定手段は、前記目標仕入価格近似倍率に基づいて、前記自動車補修用塗料原価に対応する前記自動車補修用塗料価格を算出する自動車補修用塗料価格算出手段であることが好ましい(例えば請求項2)。これにより、適切な自動車補修用塗料の塗料価格を算出できる。また、算出された自動車補修用塗料の塗料価格が適切である根拠を目標仕入価格近似倍率として示すこともできる。
【0008】
また、本発明において、前記自動車補修用塗料を必要とする合計必要量をユーザーの入力に基づき取得する必要量取得手段と、塗料メーカーに指定された配合基準に基づく前記各塗料の基準量をユーザーの入力に基づき取得する基準量取得手段と、前記個別必要量取得手段は、前記必要量取得手段により取得された前記合計必要量と、前記基準量取得手段によって取得された前記基準量とに基づき、前記各塗料の個別必要量を算出することが好ましい(例えば請求項3)。これにより、ユーザーは、自ら個別必要量を計算し、入力する手間を省略できる。
【0009】
また、本発明において、前記塗装行程において複数の塗装方法の中から選択された塗装方法をユーザーの入力に基づき取得する塗装方法取得手段を備え、前記基準原価帯記憶手段は、前記塗装方法取得手段により取得された前記塗装方法に応じて、前記目標仕入価格とこれに対応付けられた前記基準原価帯とを異ならせたテーブルを備え、前記テーブルは、前記塗装方法取得手段により取得された前記塗装方法に応じて選択されることが好ましい(例えば請求項4)。これにより、塗装方法が異なることで作業内容・時間が大きく異なる場合に、塗装方法が異なっても適切な自動車補修用塗料の塗料価格を算出することができる。
【0010】
また、本発明において、前記塗装方法取得手段により取得された前記塗装方法と、前記塗装方法の塗装難易度を対応付けて記憶する塗装難易度記憶手段を備え、前記基準原価帯記憶手段は、前記塗装方法取得手段により取得された前記塗装方法の前記塗装難易度が高くなるに従って、前記目標仕入価格とこれに対応付けられた前記基準原価帯が高くなるように設定されたテーブルを備え、前記テーブルは、前記塗装方法取得手段により取得された前記塗装方法の前記塗装難易度に応じて選択されることが好ましい(例えば請求項5)。これにより、ユーザーは塗装方法がどの程度の塗装難易度かを考慮しなくても、適切な自動車補修用塗料の塗料価格を算出することができる。
【0011】
また、本発明において、前記塗装行程は、前記自動車の塗装色を再現ないし表現する本塗装行程と、前記本塗装行程の前に行われる塗装準備行程と、前記本塗装行程の後に行われる塗装仕上げ行程を含み、予め定められた所定倍率を原価率として取得する原価率取得手段を備え、前記本塗装行程に対しては、前記目標仕入価格決定手段により決定された前記目標仕入価格に基づいて、前記自動車補修用塗料の塗料価格を算出し、前記塗装準備行程、前記塗装仕上げ行程に対しては、前記原価率取得手段により取得された前記原価率に基づいて、前記自動車補修用塗料の塗料価格を算出することが好ましい(例えば請求項6)。これにより、ユーザーは、いずれの行程の自動車補修用塗料も各塗料の原価を用いて適切な自動車補修用塗料の塗料価格を算出できる。また、いずれの行程も、今までと同じ入力操作だけで自動的に適切な算出方法が選ばれるので、適切な自動車補修用塗料の塗料価格を簡単に算出できる。
【0012】
また、本発明において、前記塗料情報記憶手段は、塗料メーカー情報を前記塗料情報と対応付けて記憶しており、複数の塗料メーカー情報の中から選択された塗料メーカー情報をユーザーの入力に基づき取得する塗料メーカー情報取得手段を備え、前記基準原価帯記憶手段は、前記塗料メーカー情報取得手段により取得された前記塗料メーカー情報に応じて、前記目標仕入価格とこれに対応付けられた前記基準原価帯とを異ならせているテーブルを備え、前記テーブルは、前記塗料メーカー情報取得手段により取得された前記塗料メーカー情報に応じて選択されることが好ましい(例えば請求項7)。これにより、異なる塗料メーカーの塗料で作った自動車補修用塗料の塗料価格を算出してみて比較することができる。
【0013】
また、本発明において、前記塗料情報記憶手段は、塗料メーカーが製造する塗料の塗料カテゴリ情報を前記塗料情報と対応付けて記憶しており、複数の塗料カテゴリ情報の中から選択された塗料カテゴリ情報をユーザーの入力に基づき取得する塗料カテゴリ情報取得手段を備え、前記基準原価帯記憶手段は、前記塗料カテゴリ情報取得手段により取得された前記塗料カテゴリ情報に応じて、前記目標仕入価格とこれに対応付けられた前記基準原価帯とを異ならせているテーブルを備え、前記テーブルは、前記塗料カテゴリ情報取得手段により取得された前記塗料カテゴリ情報に応じて選択されることが好ましい(例えば請求項8)。これにより、異なる塗料カテゴリの塗料で作った自動車補修用塗料の塗料価格を算出してみて比較することができる。
【0014】
また、本発明において、前記塗装行程は、複数の塗装行程からなるものであって、前記塗料メーカー情報取得手段は、一の塗装行程と他の塗装行程とで異なる前記塗料メーカー情報を前記複数の塗料メーカー情報の中からユーザーの入力に基づいて取得することが可能であることが好ましい(例えば請求項9)。これにより、一の塗装行程と他の塗装行程とで異なる塗料メーカーの自動車補修用塗料を使いたいときに、これに対応した自動車補修用塗料の塗料価格を算出することができる。
【0015】
また、本発明において、前記塗料情報記憶手段は、ユーザーが仕入れた塗料の仕入れ値に基づくユーザー塗料単価情報を記憶させることが可能であり、前記塗料原価算出手段は、前記個別必要量取得手段により取得された前記各塗料の個別必要量と、前記塗料情報記憶手段に記憶された前記各塗料に対応する前記ユーザー塗料単価情報とに基づき、前記自動車補修用塗料を作るための前記各塗料の原価を算出することが可能であることが好ましい(例えば請求項10)これにより、塗料情報記憶手段に記憶されている塗料単価とは異なる塗料単価を使用しているユーザーにも、本システムを利用してもらうことができる。例えば、ユーザー塗料単価情報が一部の塗料メーカーの塗料についてのみ使用している場合は、他の塗料メーカーの塗料については塗料情報記憶手段に記憶されている塗料単価情報が用いられる。
【0016】
なお、本明細書は、上述した本発明に関して次のような構成も開示している。
【0017】
また、本発明において、前記自動車補修用塗料の塗料価格をユーザー側の出力端末にて出力させる出力指示手段を備えることが好ましい。これにより、ユーザーや第三者が算出された結果を確認できる。
【0018】
また、本発明において、前記出力指示手段は、ユーザーの入力に基づき、前記自動車補修用塗料原価と前記自動車補修用塗料の塗料価格とをユーザー側の出力端末にて出力させることが可能であることが好ましい。これにより、ユーザーや第三者が自動車補修用塗料の塗料価格の算出過程を確認することができる。
【0019】
また、本発明において、前記出力指示手段は、ユーザーの入力に基づき、前記目標仕入価格と前記自動車補修用塗料の塗料価格とをユーザー側の出力端末にて出力させることが可能であることが好ましい。これにより、ユーザーや第三者が目標仕入価格を確認することができる。
【0020】
また、本発明において、前記出力指示手段は、ユーザーの入力に基づき、前記原価率や前記目標仕入価格近似倍率をユーザー側の出力端末にて出力させることが可能であることが好ましい。これにより、ユーザーや第三者が算出過程を確認することで、算出された自動車補修用塗料の塗料価格の妥当性を確認し易くなる。
【0021】
また、本発明において、前記出力指示手段は、ユーザーの入力に基づき、前記目標仕入価格の順位に対応する塗装料率をユーザー側の出力端末にて出力させることが可能であることが好ましい。これにより、ユーザーや第三者が塗装料率を見てその自動車補修用塗料が大体どれくらいの塗料価格となるか見当を付けることができるため、算出された自動車補修用塗料の塗料価格の妥当性を確認し易くなる。
【発明の効果】
【0022】
この発明に係る自動車補修用塗料価格算出システムによれば、適切な自動車補修用塗料の塗料価格を算出する自動車補修用塗料価格算出システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施例1の自動車補修用塗料価格算出システムの概略構成を示す図である。
図2】自動車補修用塗料価格算出システムの機能ブロック図である。
図3】自動車補修用塗料価格算出システムのデータベース設計図(ED図)である。
図4】データベースの主要なテーブル(塗料メーカー等)について説明する図である。
図5】データベースの主要なテーブル(塗料商品)について説明する図である。
図6】データベースの主要なテーブル(基準原価帯)について説明する図である。
図7】データベースの主要なテーブル(塗料計算表等)について説明する図である。
図8】自動車補修用塗料価格算出システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図9】自動車補修用塗料価格算出処理を示すフローチャートである。
図10】ユーザー端末の画面表示例(ログイン)である。
図11】ユーザー端末の画面表示例(ホーム)である。
図12】ユーザー端末の画面表示例(ユーザー情報)である。
図13】ユーザー端末の画面表示例(新規作成)である。
図14】ユーザー端末の画面表示例(下塗り行程)である。
図15】ユーザー端末の画面表示例(カラーベース行程)である。
図16】ユーザー端末の画面表示例(パールベース行程)である。
図17】ユーザー端末の画面表示例(仕上げ塗装行程)である。
図18】ユーザー端末の画面表示例(請求額算出時の下塗り行程)である。
図19】ユーザー端末の画面表示例(請求額算出時のカラーベース行程)である。
図20】ユーザー端末の画面表示例(請求額算出時のパールベース行程)である。
図21】ユーザー端末の画面表示例(請求額算出時の仕上げ塗装行程)である。
図22】ユーザー端末の画面表示例(帳票印刷)である。
図23】ユーザー端末の画面表示例(計算表)である。
図24】ユーザー端末の画面表示例(計算表詳細)である。
図25】実施例2の自動車補修用塗料価格算出システムの機能ブロック図である。
図26】ユーザー端末の画面表示例(カラーベース行程)を示す図である。
図27】実施例3の自動車補修用塗料価格算出システムの機能ブロック図である。
図28】データベースの主要なテーブル(塗料計算表等)について説明する図である。
図29】変形例にかかるユーザー端末の画面表示例(新規作成)である。
図30】変形例にかかるユーザー端末の画面表示例(カラーベース行程)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、自動車補修用塗料価格算出システム1(以下、単に「本システム1」という)の各種の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例0025】
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1は、本システム1の概略構成を示す図であり、図2は、本システム1の機能ブロック図であり、図3は、本システム1のED図である。
【0026】
<システム概要>
図1に示すように、本システム1は、中央管理システム10A、支払いシステム10B、必要な場合は個人認証システム10Cを含んで構成されている。中央管理システム10Aは、通信ネットワーク20を介してユーザー端末30と通信可能に接続されている。通信ネットワーク20は、例えばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網を介して、無線通信路や有線通信路などにより構築されている。なお、本システム1は、通信ネットワークに接続されていないコンピューターによって実現されても構わない。
【0027】
ユーザー端末30は、例えば、デスクトップPC、ノートPC・タブレットPCや、スマートフォンなどのコンピューターである。本実施例では、ユーザーは、ユーザー端末30のキーボード、タッチパネル等を用いて自動車補修用塗料価格の算出に必要な事項を入力したり選択したりする。
【0028】
中央管理システム10Aは、サーバー100を含んで構成されている。サーバー100は、例えばクラウド・コンピューティングのようなクラウドを利用したコンピューターである。サーバー100は、ワークステーションやパーソナルコンピューターのような汎用コンピューターで構成してもよい。サーバー100は、ウェブサーバー110、アプリケーションサーバー130、データベースサーバー170から構成されている。サーバー100は、これらのサーバーの機能を備える単独のサーバーによって構成されてもよい。サーバー100の構成は、これ以外でもよい。なお、データベースサーバー170は、本発明の記憶手段に相当する。
【0029】
ウェブサーバー110は、ユーザー端末30からの自動車補修用塗料価格を算出する各段階において送信されるリクエスト(要求情報)を受信する。ウェブサーバー110は、ユーザー端末30からの入力・選択に応じた画像や、ユーザー端末30からの算出要求に対する算出結果を示す画像をユーザー端末30に表示させる表示要求を送信する。ウェブサーバー110は、アプリケーションサーバー130と通信可能に構成されている。
【0030】
アプリケーションサーバー130は、1または複数台のサーバーの機能として、サーバーCPU(制御部)、ROM、RAM(記憶部)、通信インターフェイス(通信部)を備えている。CPUは、ROMに記憶されたプログラムを読み込んで本システム1に関する種々の処理を実行する。種々の処理は、ウェブサーバー110を介してユーザー端末30からのリクエストを受信することによって発生する。アプリケーションサーバー130は、リクエストに応じたデータを取得し、計算を行い、リクエストに応じたコンテンツを、ウェブサーバー110に送信し、ユーザー端末30に表示させる。
【0031】
次に、本システム1が用いられる自動車補修用塗装の概要について説明する。
【0032】
まず、本システム1を用いる場面について説明する。本システム1は、自動車所有者が自動車塗装補修業者に自動車塗装補修を依頼し、自動車塗装補修費用を直接、自動車所有者に請求する場合には、自動車所有者に対して請求する自動車補修用塗料の請求額を算出する際に用いられる。自動車塗装補修費用を保険会社に請求する場合には、保険会社に対して請求する自動車補修用塗料の請求額を算出する際に用いられる。請求額は、見積額であってもよい。請求額は、実際の自動車塗装補修の依頼に対する請求額、見積額でなくても、依頼の有無に関係なく仮想的に算出される見積額でもよい。これらの請求額、見積額が「自動車補修用塗料の塗料価格」である。
【0033】
次に、本システム1が算出する自動車塗装補修、自動車補修用塗料価格算出の具体例を説明する。自動車塗装補修は、例えば、下塗り行程,サフェーサー行程,カラーベース行程,パールベース行程,仕上げ工程などの「塗装行程」がある。下塗り行程,サフェーサー行程は、カラーベース行程,パールベース行程を行う前に、自動車の凹凸を埋めるために塗られる自動車補修用塗料を塗る塗装行程である。カラーベース行程,パールベース行程は、自動車の塗装色を再現するために塗られる自動車補修用塗料である。仕上げ工程は、カラーベース行程,パールベース行程で表現された塗装色を保護するために塗られる自動車補修用塗料である。「自動車補修用塗料の塗料価格」は、これらのうちの1の行程(例えば、カラーベース行程)のみで使われる「自動車補修用塗料の塗料価格」であってもよいし、自動車塗装補修にかかるすべての行程(例えば、カラーベース行程とパールベース行程、あるいは、下塗り行程から仕上げ工程まで全部)の「自動車補修用塗料の塗料価格」を足し合わせたものであってもよい。
【0034】
次に、以下の説明で用いられる用語の意味について説明する。「自動車補修用塗料」は、カラーベース行程,パールベース行程では、複数の塗料を配合して作られるが、下塗り行程,サフェーサー行程,仕上げ行程では、単一の塗料からなるものでもよい。また「自動車補修用塗料」は、その行程にて主として用いられる主剤として扱われるが、主剤に硬化剤,希釈剤を配合して作られるものでもよい。「自動車補修用塗料」は、塗料メーカーまたは専門商社において作られる場合もあるし、自動車塗装補修業者において作られる場合もある。本システム1が用いられるのは、自動車塗装補修業者が作る場合である。
【0035】
また、「各塗料の個別必要量」とは、必要な分量の「自動車補修用塗料」を作るために必要な各塗料の分量である。「各塗料の原価」とは、各塗料を個別必要量だけ使う場合の原価である。「自動車補修用塗料原価」とは、自動車補修用塗料を複数の塗料を配合して作る場合は、「各塗料の原価」を足し合わせたものである。「目標仕入価格」は、塗料メーカーまたは専門商社から自動車補修用塗料を仕入れた場合の仕入価格そのものであってもよいし、塗料メーカーまたは専門商社から自動車補修用塗料を仕入れた場合の仕入価格に近似する価格でもよい。すなわち、自動車補修用塗料の塗料メーカーまたは専門商社の販売価格が価格帯毎にグループ化されていない場合には、近似する販売価格ごとにその平均値,中間値,上限値,下限値などでグループ化してもよい。「基準原価帯」は、必要量に応じて区々な自動車補修用塗料の自動車補修用塗料原価を、目標仕入価格と統一した基準で比較するために設定される基準原価の属する価格帯である。
【0036】
次に、上述した説明を元にして、図2を参照して、アプリケーションサーバー130の詳細について説明する。
【0037】
アプリケーションサーバー130は、ユーザー端末30からの入力に基づいて送信された種々の情報を取得する。具体的には、アプリケーションサーバー130は、塗料メーカー情報取得部131、塗料商品カテゴリ取得部132、塗装方法取得部133、必要量取得部134、配合塗料取得部135、基準量取得部136を備える。なお、各部131~136の機能は後述する。
また、アプリケーションサーバー130は、取得した情報に基づいて自動車補修用塗料の塗料価格を算出するための塗料計算表テーブル(図7参照)を作成する塗料計算表テーブル作成部137と、塗料計算表テーブルを作成するために各塗装行程での塗料計算方法等を決定するための塗料計算表行程テーブル(図7参照)を作成する塗料計算表行程テーブル作成部138と、決定された塗料計算方法に従って各塗装行程での各塗料の請求額の計算を行う塗料計算表行程内訳テーブル(図7参照)を作成する塗料計算表行程内訳テーブル作成部139とを備える。
【0038】
塗料計算表テーブル作成部137は、自動車補修用塗料原価合計額算出部140、自動車補修用塗料請求額合計算出部141を備える。塗料計算表行程テーブル作成部138は、各塗装行程での塗料計算方法を導くための計算方法判定部142、原価率取得部143、基準原価算出部144、料率・目標仕入価格決定部145、目標仕入価格近似倍率算出部146、自動車補修用塗料原価算出部150A、自動車補修用塗料請求額算出部151Aを備える。塗料計算表行程内訳テーブル作成部139は、各塗料の原価額、請求額の算出を行うための塗料分類取得部147、塗料g単価取得部148、個別必要量算出部149、各塗料原価額算出部150、各塗料請求額算出部151を備える。以下、各構成について説明する。
【0039】
まず、ユーザー端末30からの入力に基づいて送信された情報を取得する各構成に付いて説明する。塗料メーカー情報取得部131は、自動車補修用塗料を配合して作るための各塗料の塗料メーカーの名称情報をユーザー端末30の入力に基づき取得する。塗料商品カテゴリ取得部132は、自動車補修用塗料を配合して作るための各塗料の商品カテゴリの名称情報をユーザー端末30の入力に基づき取得する。塗装方法取得部133は、塗装方法に関する情報をユーザー端末30の入力に基づき取得する。必要量取得部134は、各塗料の合計必要量に関する情報をユーザー端末30の入力に基づき取得する。配合塗料取得部135は、配合する各塗料および補助剤の塗料品番に関する情報をユーザー端末30の入力に基づき取得する。基準量取得部136は、塗料メーカーに指定された各塗料の配合割合に対応する基準量、補助剤の配合割合に対応する基準量に関する情報をユーザー端末30の入力に基づき取得する。なお、配合割合に対応する基準量は、ユーザー端末30から配合割合そのものを取得し、この配合割合から計算で取得しても構わない。塗料メーカー情報取得部131,塗料商品カテゴリ取得部132は、自動車補修用塗料の塗料価格の算出処理において塗料計算表テーブルを作成するごとに、各情報を取得する。塗装方法取得部133,必要量取得部134は、自動車補修用塗料の塗料価格の算出処理において塗料計算表行程テーブルを作成するごとに、各情報を取得する。配合塗料取得部135,基準量取得部136は、自動車補修用塗料の塗料価格の算出処理において塗料計算表行程内訳テーブルを作成するごとに、各情報を取得する。なお、アプリケーションサーバー130が有する配合塗料取得部135の機能は本発明の配合塗料取得手段に相当する。
【0040】
なお、塗料メーカー情報取得部131は、本発明の塗料名―カー情報取得手段に相当する。塗料商品カテゴリ取得部132は、本発明の塗料商品カテゴリ取得手段に相当する。塗装方法取得部133は、本発明の塗装方法取得手段に相当する。必要量取得部134は、本発明の必要量取得手段に相当する。基準量取得部136は、本発明の基準量取得手段に相当する。
【0041】
次に、塗料計算表テーブル作成部137の各構成について説明する。自動車補修用塗料原価合計額算出部140は、各行程で用いられる自動車補修用塗料の原価である自動車補修用塗料原価を足し合わせて自動車補修用塗料原価合計額を算出する。自動車補修用塗料請求額合計算出部141は、各行程で用いられる自動車補修用塗料の請求額である自動車補修用塗料請求額を足し合わせて自動車補修用塗料価格合計額を算出する。
【0042】
次に、塗料計算表行程テーブル作成部138の各構成について説明する。計算方法判定部142は、各塗料計算において原価額から請求額への算出にあたって料率、原価率のいずれを使用するかを判定する。ここで、料率とは、目標仕入価格に基づいて自動車補修用塗料の塗料価格を算出するために各塗料の原価または自動車補修用塗料原価に掛けられる割合をいう。原価率とは、目標仕入価格を用いないで自動車補修用塗料の塗料価格を算出するために各塗料の原価または自動車補修用塗料原価に掛けられる予め定められた固定倍率をいう。原価率取得部143は、原価率を使用することが判定された場合に、データベースサーバー170を参照して原価率を取得する。基準原価算出部144は、料率を使用することが判定された場合に、各塗料の原価あるいは自動車補修用塗料原価に掛ける倍率(料率値)を算出するために必要な、自動車補修用塗料原価を基準量で換算した基準原価を算出する。料率・目標仕入価格決定部145は、決定した塗料メーカー、塗料商品カテゴリ、基準原価を基に、基準原価帯を検索し、該当する料率、目標仕入価格を決定する。目標仕入価格近似倍率算出部146は、決定した目標仕入価格に対して基準料原価額が近似する倍率(料率値)を算出する。自動車補修用塗料原価算出部150Aは、算出された各塗料原価額を足し合わせた自動車補修用塗料原価を算出する。自動車補修用塗料請求額算出部151Aは、算出された各塗料請求額を足し合わせた自動車補修用塗料請求額を算出する。
【0043】
なお、原価率取得部143は、本発明の原価率取得手段に相当する。基準原価算出部144は、本発明の基準原価算出手段に相当する。自動車補修用塗料原価算出部150Aは、本発明の自動車補修用塗料原価算出手段に相当する。自動車補修用塗料請求額算出部151Aは、本発明の自動車補修用塗料価格決定手段よび自動車補修用塗料価格算出手段に相当する。自動車補修用塗料請求額は、本発明の自動車補修用塗料の塗料価格に相当する。上述した目標仕入価格近似倍率算出部146は、本発明の変動倍率算出手段に相当し、上述の算出された倍率(料率値)は、本発明の目標仕入価格近似倍率に相当する。
【0044】
次に、塗料計算表行程内訳テーブル作成部139の各構成について説明する。塗料分類取得部147は、データベースサーバー170を参照してユーザー端末30から入力された塗料品番に対応する塗料分類を取得する。塗料g単価取得部148は、取得された塗料品番に対応する塗料g単価をデータベースサーバー170から取得する。塗料g単価は、塗料容量と塗料仕入価格から算出できる。塗料仕入価格は、公平性の観点から、塗料メーカーから専門商社に卸した商品を、本システム1の設計時の標準的なユーザーが購入したときの購入価格を基準とする。なお、塗料仕入価格は、個別の事情を考慮して、本システム1を使用する個別のユーザーが購入したときの購入価格を利用できるようにしても構わない。個別必要量算出部149は、合計必要量と基準量から各塗料の個別必要量を算出する。各塗料原価額算出部150は、各塗料等のg単価と基準量から各塗料等の各塗料原価額を算出する。各塗料請求額算出部151は、導出された倍率を塗料計算表行程内訳の各塗料原価額に乗じることで各塗料請求額を算出する。
【0045】
なお、上述した各塗料原価額算出部150は、本発明の塗料原価算出手段に相当する。個別必要量算出部149は、本発明の個別必要量決定手段および個別必要量算出手段に相当する。
【0046】
次に、図3を参照して、データベースサーバーの詳細について説明する。また、図4図5図6図7を参照して、データベースサーバー170が保有する主要なテーブルについて説明する。
【0047】
データベースサーバー170は、単一のサーバマシンから構成されてもよいが、複数のサーバ群によって構成されてもよい。データベースサーバー170は、少なくとも、ユーザー管理テーブル171、アンケート管理テーブル172、アンケート回答テーブル173、決済管理テーブル174、塗料メーカーテーブル175、塗料商品カテゴリテーブル176、塗料商品テーブル177、塗装方法テーブル178、塗料計算表テーブル179、塗料計算表行程テーブル180、塗料料率別原価テーブル181、塗料計算表行程内訳テーブル182を含んで構成されている。
【0048】
ユーザー管理テーブル171とは、本システムの利用登録を行ったユーザーに関するテーブルである。具体的には、ユーザーID、ユーザー名、パスワード、メールアドレス、適用原価率、履歴保存件数等がユーザー登録時に設定ないし記憶され、登録内容変更時に更新される。
【0049】
決済管理テーブル174とは、本自動車補修用塗料価格算出システムの一定期間(月単位や年単位等)毎の利用料をクレジットカード決済、電子決済するためのトランザクション(随時更新)テーブルである。具体的には、決済ID、ユーザーID、問合せID、サービスID、決済状態、決済日時等がユーザー端末30からの決済毎に更新される。
【0050】
塗料メーカーテーブル175とは、本システム10を用いて塗料価格の算出を行う塗料のメーカーに関するマスタテーブルである。具体的には、図4(a)に示すように、塗料メーカーNo、塗料メーカー名が対応付けて記憶されている。これらは、データベースサーバー170に通信可能に接続されたシステム提供者のコンピューターの入力手段によって入力されることによって、予め記憶されているが、システム提供者によって新たに追加したり、変更したりすることもできる。なお、記憶・変更方法は以下でも同様である。
【0051】
塗料商品カテゴリテーブル176とは、塗料メーカーが提供する塗料の商品カテゴリに関するマスタテーブルである。具体的には、図4(b)に示すように、塗料メーカーNo、塗料商品カテゴリNo、塗料商品カテゴリ名(商品のシリーズ名)が対応付けて記憶されている。
【0052】
塗料商品テーブル177とは、塗料メーカーが提供する各塗料に関するマスタテーブルである。具体的には、図5に示すように、塗料メーカーNo、塗料商品カテゴリNo、塗料No(塗料品番)、塗料商品名、塗料仕入価格、塗料容量、塗料g原価、塗料分類、料率対象外フラグが対応付けて記憶されている。塗料No(塗料品番)は、各塗料メーカーが塗料商品名を識別する情報として特定した番号である。塗料仕入価格は、本システム1の設計時に当該塗料を塗料メーカーまたは専門商社から購入した場合の仕入価格である。塗料容量は、塗料メーカーまたは代理店からその塗料を購入する場合に規定されている容量(単位はKgまたはg)である。塗料g原価は、塗料仕入価格を塗料容量で割って求めた値である。塗料分類は、主剤、硬化剤、希釈剤といった大まかな分類である。料率対象外フラグは、後述する塗料料率別原価テーブルで参照される値であって、原価率(固定倍率)が適用される塗料に対して「有り(1)」、料率(変動倍率)が適用される塗料には「無し(0)」となる。
【0053】
本システム1では、塗料メーカーまたは専門商社から塗料商品を規定容量で購入した場合の平均的な塗料仕入価格、そこから算出される塗料g単価が複数の塗料メーカー、複数の塗料カテゴリに亘って十分に集められている。そのため、ユーザーは自らが使用したことがない塗料商品についても容易に原価管理ができるとともに、適切な塗料価格を導き出すことができる。また、本システム1は、当該塗料メーカーにて値上げなど価格変更があれば、本システム1の提供者によって適切なタイミングで塗料仕入価格情報が更新される。また、本システム1は、ユーザーが塗料メーカーまたは専門商社等から特別な仕入価格で塗料を購入している場合には、ユーザー情報に対応付けてその特別な仕入価格を塗料仕入価格として記憶させる特別な設定も用意している。
【0054】
塗装方法テーブル178とは、塗装方法に関するマスタテーブルである。具体的には、図4(c)に示すように、塗装方法No、塗装方法名、塗装区分Noが対応付けて記憶されている。なお、塗装方法は既に確立されているので、ほとんど追加・変更の必要はないものと思われる。塗装方法名には、複数種類あるが、塗装方法における塗装難易度が同じものに対して、同じ塗装区分Noを対応付けている。塗装区分Noは、塗装方法を、その塗装方法の塗装難易度「T1」「T2」「T3」に対応付けるものである。「T1」「T2」「T3」の順に塗装難易度が高くなる。塗装区分Noは、後述する塗料料率別原価テーブル181で用いる。なお、塗装方法テーブル178は、本発明の塗装難易度記憶手段に相当する。
【0055】
塗料計算表テーブル179とは、本システム10によって塗料価格の算出に際して、ユーザー端末30から入力に基づいて取得した基本情報や、上述した塗料計算表テーブル作成部137による合計算出結果を記憶するトランザクション(随時更新)テーブルである。具体的には、図7に示すように、塗料計算表ID(図示省略)、作成年月日、作業車両、カラーコード、塗料メーカー、塗料商品カテゴリNo、自動車補修用塗料原価合計額、自動車補修用塗料価格合計額が記憶される。
【0056】
塗料計算表行程テーブル180とは、本システム10の塗料計算表行程テーブル作成部138によって塗料計算表の作成に必要な情報を記憶するトランザクション(随時更新)テーブルである。具体的には、図7に示すように、塗料計算表ID(図示省略)、行程、必要量、表示行数、塗装区分Noが、ユーザー端末30からの行程の選択ごとにユーザー端末30からの入力によって更新される。自動車補修用塗料原価額が、後述する塗料計算表行程内訳の算出毎に更新される。料率、目標仕入価格、倍率が、後述する基準原価帯での検索毎に更新される。自動車補修用塗料請求額が、上述した自動車補修用塗料原価額、倍率の決定毎に算出される。
【0057】
塗料料率別原価テーブル181とは、上述した塗料計算表行程テーブル180に記憶される料率、目標仕入価格、倍率を決定するための情報を記憶するマスタテーブルである。具体的には、図6に示すように、塗料メーカーNo、塗料商品カテゴリNo、料率区分、基準原価帯、料率、目標仕入価格、固定倍率(原価率)が対応付けて記憶されている。なお、塗料料率別原価テーブル181は、本発明の基準原価帯記憶手段に相当する。
【0058】
ここで、基準原価帯(1,000gあたりの下限原価額)と料率と目標仕入価格との関係を説明する。カラーコード対応色に配色配合された自動車補修用塗料を塗料メーカーまたは専門商社から購入する場合、自動車補修用塗料の販売価格(仕入価格)は、自動車補修用塗料に配合される各塗料の原価や調色難易度に応じて、A,B,C,D,・・・,特・・・といった値をもつメーカーランクに分けて設定されていることが多い。しかし、どの程度まで各塗料の原価を、どの程度まで調色難易度を考慮しているかどうかは必ずしも明らかでない。本システム1では、自動車補修用塗料を塗料メーカーまたは専門商社から購入するのではなく自社で配合して作ることを前提として、自動車補修用塗料の販売価格を、調色塗料に配合されている各塗料の原価から捉え直している。本発明者は、長い時間を掛け多数の自動車補修用塗料の原価を調べあげることによって、メーカーランクがある値の自動車補修用塗料を作るための塗料の自動車補修用塗料原価は、概ね決まった範囲に収まっていることを発見した。またその過程で、メーカーランクがある値の自動車補修用塗料を作るための自動車補修用塗料原価が、そのメーカーランクに対応する範囲に収まっていない場合があることも発見した。このような鋭意検討の結果、本発明者は、自動車補修用塗料の原価がある範囲に収まる自動車補修用塗料は、塗料メーカーまたは専門商社からその自動車補修用塗料を購入するとすれば大体これ位の仕入価格で購入できるという関係性を見出した。そうであれば、保険会社向けの自動車補修用塗料の塗料価格の算出にあたっては、塗料メーカーまたは専門商社が調色配合した自動車補修用塗料も、自社で調色配合した自動車補修用塗料も同じ塗装色を再現している点で変わりないので、多くの自動車補修用塗料に関しては塗料メーカーまたは専門商社から購入した自動車補修用塗料の仕入価格を目標仕入価格として用いることに妥当性があることを見出した。その一方で、メーカーランクがある値であってもその自動車補修用塗料の原価からすれば本来のメーカーランクに対応する仕入価格よりも低くなる場合もあるし、反対に高くなる場合もあり、このような場合には、メーカーランクに応じた仕入価格ではなく自動車補修用塗料の原価に見合った仕入価格とすれば、保険会社にとっても自動車塗装補修業者にとっても妥協しうる点があることを見出した。
【0059】
基準原価帯は、このような自動車補修用塗料の原価の範囲を規定する手法の一例である。基準原価帯は、自動車補修用塗料の原価を統一した基準で比較するため、自動車補修用塗料の原価を1,000gあたりの価格に統一している。目標仕入価格は、基準原価額がある基準原価帯に収まる自動車補修用塗料を、塗料メーカーまたは専門商社から購入した場合にかかる仕入価格である。目標仕入価格は、基準原価帯に対応させるため、塗料メーカーまたは専門商社から購入した場合にかかる仕入価格を1,000gあたりの価格に統一している。ここでは料率は、具体的な割合ではなく目標仕入価格に対応付けられたA,B,C・・・,特,特A,特B,特Cといった値で表されている。特A,特B,特Cは、特定の塗装方法にのみ存在する料率である。これは、基準原価額がある基準原価帯に収まる自動車補修用塗料を、その目標仕入価格とする際の指標である。料率は、メーカーランクと共通する値になることもあるが、メーカーランクと相違することもある。すなわち、メーカーランクでは「特」が付けられる自動車補修用塗料であっても、原価計算を行えば「H」の目標仕入価格にすべき自動車補修用塗料もある。また、メーカーランクでは「C」が付けられる自動車補修用塗料であっても、原価計算を行えば「E」の目標仕入価格すべき自動車補修用塗料もある。このような場合に、算出過程・算出結果に加えて、料率を出力すれば、なぜその価格になったかの説明を分かり易くすることができる。
【0060】
ここで、基準原価帯、料率、目標仕入価格は、同じ塗料メーカーNo,塗料カテゴリNoであっても、塗装区分Noによって異なる区分けがなされている。すなわち、塗装区分No「T1」では、料率が「A」から始まっているが、塗装区分No「T2」では、料率が「F」から始まっており、塗装区分No「T3」では、料率が「特」から始まっている。これは、塗装区分No「T1」が「ソリッド」に対応しており、塗装区分No「T2」が「パール&メタリック」または「2コート」に対応しており、塗装区分No「T3」が「3コート」または「カラークリヤー」に対応していることに起因する。すなわち、自動車補修用塗料がパール、メタリックまたは2コート用の塗料である場合は、基準原価額が低くても、高い目標仕入価格になるように設定され、料率もそれに対応している。これは、パール、メタリックまたは2コート用の自動車補修用塗料を塗料メーカーまたは専門商社から購入してもそのような仕入価格になるからである。また、基準原価帯、料率、目標仕入価格は、塗料メーカーが異なれば、自動車補修用塗料の価格帯が異なるので、その塗料メーカーの価格帯に合うように、自動車補修用塗料の基準原価帯の範囲と目標仕入価格を設定している。
【0061】
表示行数について説明する。表示行数は、後述する塗料計算表行程内訳テーブル182にて内訳計算できる数を指す。画面表示の都合上、デフォルトの行数は設定されているが、内訳計算する塗料商品の数が増えれば、その都度、ユーザー端末300からの入力あるいはアプリケーションサーバー130によって自動的に追加できるように構成してもよい。表示行数は、各行程において主剤に当たる塗料商品を入力できる行数、硬化剤・希釈剤を入力できる行数を規定するものである。主剤を入力する行数であるか、硬化剤・希釈剤を入力する行数であるかは、後述するカラーベース行程、パールベース行程においては、料率を適用するか固定倍率を適用するかの違いを生じる。すなわち、これらの行程においては、主剤を入力する行では、主剤として入力された塗料商品の小計原価が算出され、算出された小計原価に基づいて料率が算出され、算出された料率に基づいて、請求額が算出される。硬化剤・希釈剤を入力する行では、読み出された固定倍率に基づいて、請求額が算出される。
【0062】
固定倍率(原価率)について説明する。上述した塗料商品テーブル177において料率対象外フラグが「有り(1)」である場合は、固定倍率値が使用される。固定倍率値は、ユーザー管理テーブル171に記憶された原価率が使用される。
【0063】
塗料計算表行程内訳テーブル182とは、本システム10の塗料計算表行程内訳テーブル作成部139によって塗料計算表の塗装行程における各塗料計算に必要な情報を記憶するトランザクション(随時更新)テーブルである。具体的には、図7に示すように、計算表ID(図示省略)、行程、塗料分類、塗料品番、配合量が、ユーザー端末30からの入力に基づき取得される。塗料g単価が、取得された塗料品番に基づいて決定される。各塗料原価額が、取得された配合量と塗料g原価とに基づき算出される。各塗料請求額が、算出された各塗料原価額と上述した料率に対応する倍率とに基づき算出される。
【0064】
次に、図8図9を参照して、本システム1の処理の流れについて説明する。図8は、本システム1の処理の流れを示すフローチャートである。図9は、自動車補修用塗料価格算出処理を示すフローチャートである。また、図10図24を参照して、処理の流れの説明に沿ってユーザー端末300に表示される画面の表示例についても説明する。
【0065】
アプリケーションサーバー300は、予めアプリケーションサーバー300に記憶されたプログラムに基づいて、ユーザー端末30からの要求をウェブサーバー110を介して受け取り、必要に応じてデータベースサーバー130にデータの出し入れを行い、要求されたコンテンツをユーザー端末30に表示させるようウェブサーバー110に指示を与える。ウェブサーバー110は、ユーザー端末30に対して要求に応じたコンテンツを送信する。
【0066】
ステップST1では、ウェブサーバー110は、ユーザー端末30からのURLを指定したアクセスがあったか否かを判定する。アクセスがあった場合、ステップST2では、ウェブサーバー110は、ユーザー端末30の表示装置にログインID201,パスワード202を入力させるログイン画面200(図10参照)を表示させる。
【0067】
ステップST3では、ユーザー端末30からのログイン要求があったか、新規登録要求があったか否かを判定する。ログイン要求があった場合は、ステップST4では、アプリケーションサーバー130は、新規作成のためのホーム画面210(図11参照)を表示させる。図11に示すように、ホーム画面210では、作成履歴も表示されるようになっている。作成履歴は、データベースサーバー170に保存された作成済みの塗料計算表データから、作成番号(塗料計算表の識別番号)213、作成年月日214、車両名215、カラーコード名216に基づいて検索される。検索された作成履歴は、詳細表示を表示したり、印刷プレビューを表示したりできる。作成履歴から編集を行い、新たな塗料計算表を保存できるようにしてもよい。新規登録要求があった場合は、ステップST5では、図示しない新規登録画面を表示させ、必要事項の入力完了後、ホーム画面210を表示させる。
【0068】
ステップST6では、アプリケーションサーバー130は、ユーザー情報登録要求があったか否かを判定する。ユーザー情報登録要求(図11に示すユーザー情報211の選択)があった場合、ステップST7では、アプリケーションサーバー130は、ユーザー情報登録画面220(図12参照)を表示させる。図12に示すように、ユーザー情報画面420は、ユーザーID、ユーザー名、メールアドレス等に加えて、後述する自動車補修用塗料原価額の算出に必要な原価率221(デフォルト設定値は50%。任意変更も可能)を設けている。さらに、ユーザーが個別に使用している専用の塗料商品データ(塗料g単価等)を使用するか否かを選択できる塗料商品データ選択部222を設けても構わない。このようにすれば、本システム10に予め登録されている塗料g単価とは異なる塗料g単価で取引を行っているユーザーにも、本システム10を利用するメリットがあるからである。ユーザー情報登録要求がなかった場合(ユーザー情報がすでに登録されている場合)、ステップST8では、アプリケーションサーバー130は、新規作成要求(図11に示す新規作成412の選択)があったか否かを判定する。
【0069】
新規作成要求があった場合は、ステップS9では、アプリケーションサーバー130は、新規作成画面230(図13参照)を表示させる。図13に示すように、新規作成画面430は、塗料計算表を作成・管理するための基本情報として、作成番号213、作成年月日214が本システム10から予め与えられ、作業車両215、カラーコード名216を入力することができる。作業車両215、カラーコード名216は、ユーザー端末30のキーボード等から入力する構成であるが、予め記憶・更新されたデータから選択できる構成でもよい。また、新規作成画面430には、調色・配合する塗料を入力する欄である下塗り行程項目431、サフェーサー行程項目432、カラーベース行程項目433、パールベース項目434、仕上げ塗装項目435と、塗料計算の結果を表示する欄である原価額合計436、請求額合計437と、ユーザーが任意の事項を入力できるコメント欄438とが設けられている。新規作成要求がない場合、ステップST16では、アプリケーションサーバー130は、履歴表示要求がなされたか否かを判定する。履歴表示要求がなされた場合、ステップST17では、アプリケーションサーバー130は、図示しない履歴表示画面を表示させる。なお、上述した下塗り行程、サフェーサー行程は、本発明の塗装準備行程に相当し、カラーベース行程、パールベース行程は、本発明の本塗装行程に相当し、上塗り行程は、本発明の塗装仕上げ行程に相当する。
【0070】
ステップST10では、アプリケーションサーバー130は、新規作成画面430にていずれか行程の選択・入力があったか否かを判定する。行程選択・入力があった場合、ステップST11では、アプリケーションサーバー130は、各行程画面にてユーザー端末300からの入力に従って自動車補修用の塗料価格算出処理(図8参照)を行う。
【0071】
ここで、本発明の特徴である塗料価格算出処理について、この処理に沿って表示される各行程画面(図14から図21)を参照しながら説明する。
【0072】
図9に示すように、塗料価格算出処理は、ステップST31では、ユーザー端末30からの入力によって、塗料計算表行程ごとに合計必要量、必要な行程では塗装方法が取得されると、図14図17に示すように、各行程画面において合計必要量241(図示では単に必要量)、必要な行程では塗装方法250が表示される。塗装方法については、カラーベース行程画面233A、パールベース行程画面234Aにおいてのみ選択可能となっている。
【0073】
ステップST32では、塗料計算表行程内訳ごとに、ユーザー端末30からの入力によって塗料品番、基準量が取得され、塗料品番に対応する塗料g単価、基準量から各塗料原価額が算出される。具体的には、合計必要量と基準量から各塗料の個別必要量が算出され、塗料g単価と個別必要量から各塗料の各塗料原価額が算出される、各塗料の各塗料原価額を足し合わせて各行程の自動車補修用塗料原価が算出される。これらに対応して、図14図17に示すように、各行程画面において、塗料品番(塗料No)242、基準量243、塗料分類244、塗料名称245、塗料g単価246、個別必要量247(図示では単に必要量)、各塗料の原価額248(図示では単に原価額)、自動車補修用塗料原価248A(図示では単に小計)が表示される。
【0074】
ステップST33では、塗料計算表行程ごとに、各塗料原価額から各塗料請求額を算出するための計算方法として、料率(変動倍率)か原価率(固定倍率)のいずれを用いるかが決定される。カラーベース行程、パールベース行程の場合、塗料計算表行程内訳において主剤を入力する行に入力された塗料商品については料率を用いることが決定され、硬化剤・希釈剤を入力する行に入力された塗料商品については原価率を用いることが決定される。下塗り行程、サフェーサー行程、仕上げ行程の場合、いずれの行に入力された塗料商品についても原価率を用いることが決定される。図14図17に示すように、計算方法が決定されると、各行程画面において計算方法249が表示される。料率を用いる場合は、ステップST34へ進み、原価率を用いる場合はステップST37へ進む。
【0075】
なお、この観点からすれば、塗料計算表行程内訳において、ユーザー端末30から、例えばカラーベース行程において主剤を入力すべき行に硬化剤・希釈剤が入力された場合は、これを入力エラーとして表示し、その行には硬化剤・希釈剤を表示しないようにしてもよい。なお、入力される行に拘らず、塗装行程と、塗料商品が持っている塗料区分(主剤か硬化剤・希釈剤か)との関係に基づいて、料率、固定倍率いずれを用いるかを決定してもよい。
【0076】
ステップST34からステップST36は、料率値を算出する処理である。ステップST34では、塗料計算表行程において、必要量で算出された自動車補修用塗料原価を基準量に換算した基準原価を算出する。基準原価は、上述した塗料料率別原価テーブルにて料率を検索するための値の一つである。例えば、合計必要量2,000gで、基準量が1,000gである場合は、自動車補修用塗料原価を2で割って基準原価を算出する。
【0077】
ステップST35では、塗料計算表行程において、取得された塗料メーカーNo、塗料商品カテゴリNo、塗装区分No、及び基準原価を元に、塗料料率別原価テーブル(図6参照)の複数の基準原価帯の中から基準原価が属する基準原価帯を検索し、該当する基準原価帯に対応する料率、目標仕入価格を決定する。基準原価帯が属するテーブルは、塗料メーカーNo、塗料カテゴリNo、塗装区分No(塗装難易度)に応じて選択される。具体的には、図7に示すように(図5図6も参照すれば)、カラーベース行程(主剤)に対応する塗料計算表行程テーブル180Bでは、基準原価額が「10,001円」であるところ、塗料商品がすべて塗料メーカーNo「001」、塗料カテゴリNo「01」であり、塗装区分Noが「T1」であるテーブルが選択され、そのテーブルでは基準原価帯の下限原価額が「10,000円」(基準原価額が10,000円以上かつ15,000円未満の範囲)であるので、料率「C」、目標仕入価格「25,000円」というように決定される。また、パールベース行程(主剤)に対応する塗料計算表行程テーブル180Cでは、基準原価額が「16,700円」であるところ、塗料商品がすべて塗料メーカーNo「001」、塗料カテゴリNo「01」であり、塗装区分Noが「T2」であるテーブルが選択され、そのテーブルでは基準原価帯の下限原価額が「1円」(基準原価額が1円以上かつ35,000円未満の範囲)であるので、料率「F」、目標仕入価格「45,000円」というように決定される。このように、塗料メーカーNo、塗料カテゴリNo、塗装区分No(塗装難易度)に応じて基準原価帯が属するテーブルを選択する機能を備える。
【0078】
ステップST36では、塗料計算表行程において、決定された目標仕入価格に対して基準原価額を近似させるための目標仕入価格近似倍率(図示では、単に倍率)を算出する。「目標仕入価格近似倍率」=「目標仕入額」÷「基準原価額」÷「原価率」との式から算出される。図7に示すように、カラーベース行程(主剤)に対応する塗料計算表行程テーブル180Bでは、その「目標仕入価格近似倍率」=「25,000円」÷「10,001円」÷「0.5」=「4.999・・・」(概ね「5.00」)である。また、パールベース行程(主剤)に対応する塗料計算表行程テーブル180Cでは、その「目標仕入価格近似倍率」=「45,000円」÷「16,700円」÷「0.5」=「5.389・・・」(概ね「5.39」)である。
【0079】
ステップST37では、ステップST31~ステップST36が必要な塗装行程分だけ繰り返される。具体的には、図14図17では、下塗り行程、カラーベース行程、パールベース行程、仕上げ行程が行われている。
【0080】
ステップST38では、請求額算出要求があったか否かを判定する。請求額算出要求は、図13図17に示す確定ボタン239が必要な行程の入力が終わった後にクリックされることで発生する。なお、確定ボタン239を設けずに自動車補修用塗料原価が算出されれば、自動的に請求額算出要求があったものと見なして後の処理を行ってもよい。請求額算出得請求額算出要求があればステップST39へ進む。
【0081】
ステップST39では、料率が使用される場合は、目標仕入価格近似倍率を各塗料計算表行程内訳の料率を使用する塗料商品の各塗料原価額に乗じることで、料率を使用した塗料商品の各塗料請求額が算出される。原価率が使用される場合は、原価率を各塗料計算表行程内訳の原価率を使用する塗料商品の各塗料原価額に乗じることで、原価率を使用した塗料商品の各塗料請求額が算出される。各塗料計算表行程にて各塗料原価額が足し合わされることで内訳原価小計が算出される。具体的には、図14図17に示すように、各画面には、各塗料請求額251(図示では単に請求額)、自動車補修用塗料請求額251A(図示では単に小計)が表示される。なお、図示では、計算方法249に替えて各塗料請求額251を表示しているが、両方表示してもよい。
【0082】
ステップST40では、塗料計算表において、各行程における自動車補修用塗料請求額を足し合わせることで請求額合計を算出する。具体的には、図21に示すように、各行程における自動車補修用塗料請求額251Aが足し合わされた自動車補修用塗料合計請求額251B(図示では単に請求額合計)が表示される。また、各行程における自動車補修用塗料原価248Aが足し合わされた自動車補修用塗料原価合計248B(図示では単に原価額合計)が表示される。なお、自動車補修用塗料合計請求額251Bを表示させるアプリケーションサーバー130の機能は、本発明の出力指示手段に相当する。
【0083】
以上で、塗料価格算出処理本処理を終了し、再び図8に示す本システム1の処理に戻り、ステップST18以下を説明する。
【0084】
ステップST18では、アプリケーションサーバー130は、印刷プレビューを表示するか否かを判定する。具体的には、図21に示すユーザー端末300によって印刷プレビュー252(帳票印刷設定)がクリックされた場合には、印刷プレビュー要求があったと判定される。なお、印刷プレビューを表示させるアプリケーションサーバー130の機能は、本発明の出力指示手段に相当する。
【0085】
ステップST19では、アプリケーションサーバー130は、印刷プレビュー要求があった場合に、ユーザー端末300に印刷帳票選択画面(図22参照)を表示させる。ステップST20では、印刷帳票選択画面においてどの印刷内容を選択したかを判定する。具体的には、図22に示すように、帳票印刷設定画面240は、計算表のみの印刷を選択する計算表ボタン251と、計算表計算表詳細の印刷を選択する計算表詳細ボタン252と、計算表に表示する項目を選択する表示項目選択ボタン253とが表示されている。表示項目選択ボタン253にて、原価額のみを選択すると計算表には原価額が表示されるが、請求額は表示されない。これは原価管理を目的とする場合を想定している。請求額のみを選択すると計算表には請求額のみが表示されるが、原価額は表示されない。自動車補修などの目的で顧客に見積や請求書を発行する場合を想定している。原価額と請求額を選択すると計算表には原価額、請求額の両方が表示される。保険会社向けの顧客への見積や請求書を発行する場合を想定しているが、顧客向けに発行しても構わない。いずれかを選択した状態で印刷プレビューボタン254をクリックすることで次に進む。
【0086】
上述したステップST20にて計算表のみの選択と判定された場合は、ステップST21へ進む。ステップST21では、アプリケーションサーバー130は、ユーザー端末300に計算表のみの計算表画面260をプレビュー表示させる。上述したステップST20にて計算表と詳細の選択と判定された場合は、ステップST22へ進む。ステップST22では、アプリケーションサーバー130は、ユーザー端末300に計算表画面260と、詳細に対応する詳細画面261をプレビュー表示させる。あとは、ユーザー端末300の操作にて印刷またはファイル保存が指示された場合には、ユーザー端末300にてプレビュー表示された内容が印刷またはファイル保存される。
【0087】
計算表画面260は、図23に示すように、上述した新規作成画面230に対応する内容が表示される。具体的には、計算表画面260には、各行程の請求額を示す下塗り行程画面231A、カラーベース行程画面233A、パールベース行程画面234A、仕上げ行程画面235A、自動車補修用塗料原価合計額、自動車補修用塗料価格合計額の表示内容が表示されている。
【0088】
計算表詳細261は、図24に示すように、本システムによって算出された塗料価格すなわち自動車補修用塗料合計請求額251Bが適切な金額であることを説明することに資する内容が表示されている。具体的には、塗料メーカー調色品規定量仕入価格262と、塗料メーカー調色品規定量販売価格263と、弊社在庫塗料必要量請求額264と、弊社在庫塗料規定量換算額265と、メーカー調色品・弊社在庫塗料価格差266が表示されている。
【0089】
塗料メーカー調色品規定量仕入価格262は、下塗り行程、仕上げ行程では必要量(200g)の自動車補修用塗料原価を規定量(2,000g)に換算した金額が算出されている。カラーベース行程、パールベース行程では、塗料料率別原価テーブル181の目標仕入価格が読み出されている。塗料メーカー調色品規定量販売価格263は、塗料メーカー調色品規定量仕入価格262の価格に0.5を掛けた価格である。弊社在庫塗料必要量請求額264は、各行程の必要量の自動車補修用塗料請求額249Aである。弊社在庫塗料規定量換算額265は、塗料メーカー調色品規定量販売価格263の価格を規定量(2,000g)に換算した価格である。メーカー調色品・弊社在庫塗料価格差266は、塗料メーカー調色品規定量販売価格263と弊社在庫塗料規定量換算額265との価格差である。価格差は近い方が好ましい。本例では、下塗り行程、仕上げ行程では価格差は0円であり、カラーベースは価格差が10円、パールベースは価格差が26円である。このようにして、請求額合計が適切な金額であることを保険業者向けに説明ないし証明できる。
【0090】
上述した本実施例によれば、請求額合計(自動車補修用塗料価格)を算出するにあたって、従来のように1時間当たりの塗装工賃に塗色毎の材料代比率を用いるのではなく、個別必要量と各塗料の塗料単価情報とに基づき各塗料の各塗料原価を算出し、各塗料の各塗料原価を足し合わせて自動車補修用塗料原価を算出するので、各塗料の中に原価の高い塗料が入っていても、請求額合計が材料代原価を下回る事態は生じない。また、請求額合計を算出するにあたって、算出された自動車補修用塗料原価に対し少なくとも自動車補修用塗料原価に応じて一定の基準を満たす目標仕入価格に近付けることが可能な料率値を掛けて自動車補修用塗料原価を算出するので、自動車補修用塗料原価に応じて目標仕入価格を適切に設定することで、適切な請求額合計を算出することができる。したがって、適切な自動車補修用塗料価格を算出する自動車補修用塗料価格算出システムを提供することができる。
【実施例0091】
上述した実施例1では、アプリケーションサーバー130は、ユーザー端末30からの入力によって取得された合計必要量と基準量から個別必要量を算出する構成であったが、個別必要量は、ユーザー端末30からの入力によって取得される構成であってもよい。この構成について図25図26を参照して説明する。図25は、実施例2の機能ブロック図である。図26は、ユーザー端末の画面表示例(カラーベース行程)を示す図である。
【0092】
図25に示すように、アプリケーションサーバー130は、ユーザー端末30からの入力に基づいて送信された情報を取得する機能から実施例1の必要量取得部134、基準量取得部136が無くなっており、塗料計算表行程内訳テーブル作成部149から個別必要量算出部149が無くなっている。その代わりに、アプリケーションサーバー130は、ユーザー端末30からの入力に基づいて送信された情報を取得する機能に、個別必要量取得部152が備わっている。なお、個別必要量取得部152は、本発明の個別必要量取得手段に相当する。
【0093】
図26に示すように、新規作成画面230(例えばカラーベース行程画面233A)では、合計必要量241、基準量243の入力項目が無くなり、個別必要量247の自動表示項目がユーザー端末30からの入力項目に替わっている。ユーザー自身が個別必要量を計算して入力するという手間は発生するが、このような構成であっても、実施例1と同様に、適切な自動車補修用塗料価格を算出することができる。
【実施例0094】
上述した実施例1では、アプリケーションサーバー130は、料率・目標仕入価格を決定した後、目標仕入価格近似倍率を算出して各塗料請求額、自動車補修用塗料請求額を算出する構成であったが、料率・目標仕入価格を決定した後、目標仕入価格近似倍率、各塗料請求額を算出せずに、目標仕入価格に基づいて自動車補修用塗料請求額を算出する構成でもよい。この構成について図27図28を参照して説明する。図27は、実施例3の機能ブロック図である。図28は、データベースの主要なテーブル(塗料計算表行程)について説明する図である。
【0095】
図27に示すように、アプリケーションサーバー130は、実施例1の塗料計算表行程テーブル作成部138から目標仕入価格近似倍率算出部146が無くなっている。その代わりに、料率・目標仕入価格決定部145が料率・目標仕入価格を決定した後、自動車補修用塗料請求額算出部151Aは、決定された目標仕入価格を自動車補修用塗料請求額として用いる。
【0096】
図28に示すように、塗料計算表行程テーブル180B,180Cでは、実施例1と同様に自動車補修用塗料原価額の基準原価額に応じて一定の基準を満たす目標仕入額に基づき、自動車補修用塗料原価額に対応する自動車補修用塗料請求額を算出するが、具体的には、目標仕入額に、必要量の請求額に換算し直す倍率(「必要量(2,000)」÷「基準原価額作成量(1,000)」÷「原価率(50%)」=「倍率(4.00)」)を掛けることで、自動車補修用塗料原価額に対応する自動車補修用塗料請求額が算出される。このようにして算出された自動車補修用塗料請求額は、塗料メーカー調色品の販売価格(図24参照)との価格差を0にすることができる。このような構成であっても、実施例1と同様に、適切な自動車補修用塗料価格を算出することができる。
【0097】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0098】
(1)上述した実施例では、塗装準備行程や塗装仕上げ行程についても自動車補修用塗料価格に含ませていたが、これらを含まなくてもよい。
【0099】
(2)上述した実施例では、塗料商品テーブルからは、ユーザーの入力に従って複数の塗料メーカーの塗料商品の中から一の塗料商品を選び出せるように構成されていたが、例えば図29に示すように、新規作成画面230の基本情報として、複数の塗料メーカー情報の中から一の塗料メーカー217を選択することで、塗料商品テーブルから塗料商品を選び出せる塗料メーカーを限定してもよい。また、塗料メーカーの選択をする必要がない単一塗料メーカーのための自動車補修用塗料価格システムであってもよい。
【0100】
(3)上述した実施例では、塗料商品カテゴリについても、上述した(2)の塗料メーカー情報のように構成してもよい。例えば図29に示すように、新規作成画面230の基本情報として、複数の塗料商品カテゴリ情報の中から一の塗料商品カテゴリ218を選択することで、塗料商品テーブルから塗料商品を選び出せる塗料商品カテゴリを限定してもよい。
【0101】
(4)上述した実施例では、一の塗装行程と他の塗装行程とで異なる前記塗料メーカー情報を前記複数の塗料メーカー情報の中からユーザーが選択できるように構成してもよい。例えば図30に示すように、カラーベース行程画面233Aとして、複数の塗料メーカー情報の中から一の塗料メーカー217を選択することで、カラーベース行程において塗料商品テーブルから塗料商品を選び出せる塗料メーカーを限定してもよい。
【0102】
(5)上述した実施例では、一の塗装行程と他の塗装行程とで異なる商品カテゴリ情報を選択できるように構成してもよい。例えば図30に示すように、カラーベース行程画面233Aとして、複数の塗料商品カテゴリ情報の中から一の塗料商品カテゴリ218を選択することで、塗料商品テーブルから塗料商品を選び出せる塗料商品カテゴリを限定してもよい。
【0103】
(6)上述した実施例では、自動車補修用塗料価格を出力指示する構成を備えていたが、ユーザー端末から出力指示する構成を備えなくても、算出できる条件が成立すれば、算出結果が自動的に出力されるシステムであっても構わない。
【0104】
(7)上述した実施例では、自動車補修用塗料原価と自動車補修用塗料の塗料価格とをユーザー側の出力端末にて出力させる構成を備えていたが、自動車補修用塗料価格のみを出力させるシステムであっても構わない。
【0105】
(8)上述した実施例では、目標仕入価格と自動車補修用塗料の塗料価格とをユーザー側の出力端末にて出力させる構成を備えていたが、自動車補修用塗料の塗料価格のみを出力させるシステムであっても構わない。
【0106】
(9)上述した実施例では、固定倍率と変動倍率とをユーザー側の出力端末にて出力させる構成を備えていたが、固定倍率と変動倍率とを出力させないシステムであっても構わない。
【0107】
(10)上述した実施例では、目標仕入価格の順位に対応する塗装料率をユーザー側の出力端末にて出力させる構成を備えていたが、目標仕入価格の順位に対応する塗装料率を出力させないシステムであっても構わない。
【0108】
(11)上述した実施例では、合計必要量と基準量をユーザー端末30からの入力によって取得し、合計必要量と基準量とに基づき各塗料の個別必要量を算出する構成を備えていたが、合計必要量と基準量の入力を要せず、個別必要量の算出はユーザー自身に行わせて、ユーザー端末30から入力された個別必要量を取得する構成であっても構わない。
【0109】
(12)上述した実施例では、各行程の自動車補修用塗料請求額を足し合わせて請求額合計を算出する構成であったが、塗装行程(カラーベース行程、パールベース行程)のみの自動車補修用塗料請求額を足し合わせて請求額合計を算出する構成であってもよい。
【0110】
(13)上述した実施例では、塗装行程(カラーベース行程、パールベース行程)での自動車補修用塗料請求額は、料率が適用される各塗料請求額と、原価率が適用される各塗料請求額とを足し合わせたものであったが、料率が適用される各塗料請求額のみでもよい。つまり、本システム1を調色塗料の塗料価格の算出のみに適用してもよい。例えば、塗装行程がカラーベース行程のみであれば、カラーベース行程の自動車補修用塗料請求額を自動車補修用塗料価格としてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 … 自動車補修用塗料価格算出システム(本システム)
10 … 中央管理システム
20 … 通信ネットワーク
30 … ユーザー端末
100 … サーバー
110 … ウェブサーバー
130 … アプリケーションサーバー
144 … 基準原価算出部、
145 … 料率・目標仕入価格決定部
150A… 自動車補修用塗料原価算出部、
151A… 自動車補修用塗料請求額算出部
170 … データベースサーバー
181 … 塗料料率別原価テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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