(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141736
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ロッカーおよび管理方法
(51)【国際特許分類】
A47B 81/00 20060101AFI20241003BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A47B81/00 Z
B65G1/137 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053537
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河口 真佐義
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 直樹
(72)【発明者】
【氏名】村上 伸一
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 大輔
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA03
3F522BB03
3F522BB24
3F522CC06
3F522DD04
3F522DD22
3F522DD32
3F522DD33
3F522GG27
3F522HH02
3F522HH05
3F522HH30
3F522HH33
3F522LL47
(57)【要約】
【課題】利用者が借用する物品の管理を、簡易な処理で適切に行う。
【解決手段】利用者が借用する物品を複数収納可能な収納ボックスを備えるロッカーは、物品に割り当てられた第1コードを含むコードと収納先の収納ボックスとを物品毎に対応付けた管理情報を記憶する記憶部と、物品の画像と名称の少なくとも一方と第1コードとを表示する複数の表示体と、コード読取処理または利用者によるコード入力により表示体の第1コードを含むコードを取得して認証する認証部と、物品の借出処理において、対象物品の表示体の第1コードが認証されると、第1コードと管理情報とに基づいて対象物品が収納されている収納ボックスを選定して収納ボックスを開扉するように制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が借用する物品を複数収納可能な収納ボックスを備えるロッカーであって、
物品に割り当てられた第1コードを含むコードと収納先の前記収納ボックスとを物品毎に対応付けた管理情報を記憶する記憶部と、
物品の画像と名称の少なくとも一方と前記第1コードとを表示する複数の表示体と、
コード読取処理または利用者によるコード入力により前記表示体の前記第1コードを含むコードを取得して認証する認証部と、
物品の借出処理において、対象物品の前記表示体の前記第1コードが認証されると、該第1コードと前記管理情報とに基づいて対象物品が収納されている前記収納ボックスを選定して該収納ボックスを開扉するように制御する制御部と、
を備えるロッカー。
【請求項2】
物品には、前記コードとして物品に割り当てられた第2コードが表示されており、
前記記憶部は、前記第1コードと収納先の前記収納ボックスに加えて、物品を収納中か借用中かを示すステータス情報と前記第2コードとを対応付けて前記管理情報に記憶し、
前記制御部は、前記借出処理において前記収納ボックスを開扉した後、該収納ボックスから取り出された物品の前記第2コードが認証され且つ該収納ボックスが閉扉されると、対象物品が取り出されたと判断して前記ステータス情報を借用中に変更する、
請求項1に記載のロッカー。
【請求項3】
前記制御部は、物品の返却処理において、対象物品の前記第2コードが認証されると、該第2コードと前記管理情報とに基づいて対象物品の前記収納ボックスを選定して該収納ボックスを開扉するように制御する、
請求項2に記載のロッカー。
【請求項4】
前記制御部は、前記返却処理において前記収納ボックスを開扉した後、該収納ボックスが閉扉され且つ前記表示体の前記第1コードが認証されると、対象物品が返却されたと判断して前記ステータス情報を収納中に変更する、
請求項3に記載のロッカー。
【請求項5】
利用者に指示を出力する指示部を備え、
前記収納ボックスは、物品の収納位置に対応する位置に前記表示体を置くための置き場が設けられており、
前記制御部は、前記借出処理において前記収納ボックスを開扉した後、対象物品を取り出して前記第2コードを取得させると共に対象物品の前記表示体を前記置き場に置いてから前記収納ボックスを閉扉する指示を出力するように前記指示部を制御し、前記返却処理において前記収納ボックスを開扉した後、対象物品を前記収納位置に収納させると共に前記置き場から前記表示体を取り出して前記第1コードを取得させて閉扉する指示を出力するように前記指示部を制御する、
請求項3または4に記載のロッカー。
【請求項6】
前記第1コードと前記第2コードとは、同一物品に割り当てられていても、表示されるコードが異なるように形成されている、
請求項2または3に記載のロッカー。
【請求項7】
物品を複数収納可能な収納ボックスと、物品の画像と名称の少なくとも一方と物品に割り当てられた第1コードとを表示する複数の表示体と、を用いて物品の借用を管理する管理方法であって、
(a)コード読取処理または利用者によるコード入力により、借出処理における対象物品の前記表示体の前記第1コードを取得して認証するステップと、
(b)前記ステップ(a)で認証された前記第1コードと、前記第1コードを含むコードと収納先の前記収納ボックスとを物品毎に対応付けた管理情報とに基づいて、対象物品が収納されている前記収納ボックスを選定して該収納ボックスを開扉するステップと、
を含む管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ロッカーおよび管理方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者に借用される物品を収納ボックスに収納し物品の入出庫情報を管理するものが知られている。例えば特許文献1には、収納ボックスを有するキャビネット内の物品の入出庫情報を管理し、利用者が物品を入出庫する際に、物品に取り付けられているICタグから物品の情報を取得して入出庫情報に反映させることが記載されている。また、キャビネットは、収納ボックスが複数の棚で仕切られており、各棚の上に複数の物品を載置して保管可能であり、利用者はキャビネットの扉を開けていずれかの棚に所望の物品の入出庫を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したキャビネットでは、利用者は扉を開けてからいずれの棚に所望の物品があるかを探すため、棚の数によっては時間がかかることになる。これに対し、棚毎に区画して扉を設けた複数の収納ボックスを備える構成では、扉を開ければ比較的短時間で所望の物品を探すことができ、利便性を高めることができる。ただし、所望の物品の収納先の収納ボックスを利用者に容易に把握させて取り出させるように、物品を管理する必要がある。
【0005】
本開示は、利用者が借用する物品の管理を、簡易な処理で適切に行うことを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示のロッカーは、
利用者が借用する物品を複数収納可能な収納ボックスを備えるロッカーであって、
物品に割り当てられた第1コードを含むコードと収納先の前記収納ボックスとを物品毎に対応付けた管理情報を記憶する記憶部と、
物品の画像と名称の少なくとも一方と前記第1コードとを表示する複数の表示体と、
コード読取処理または利用者によるコード入力により前記表示体の前記第1コードを含むコードを取得して認証する認証部と、
物品の借出処理において、対象物品の前記表示体の前記第1コードが認証されると、該第1コードと前記管理情報とに基づいて対象物品が収納されている前記収納ボックスを選定して該収納ボックスを開扉するように制御する制御部と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
本開示のロッカーでは、物品の借出処理において、コード読取処理または利用者によるコード入力により取得した対象物品の表示体の第1コードと、管理情報とに基づいて、対象物品が収納されている収納ボックスを選定して収納ボックスを開扉する。これにより、利用者は、対象物品の収納ボックスを容易に把握して対象物品を取り出すことが可能となる。また、利用者が借用する物品の管理を、簡易な処理で適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】扉32が閉状態の収納ボックス30の斜視図。
【
図4】扉32が開状態の収納ボックス30の斜視図。
【
図7】借出処理における各種画面の一例を示す説明図。
【
図9】返却処理における各種画面の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、ロッカー10の斜視図である。
図2は、ロッカー10の制御に関する構成図である。
図3は、扉32が閉状態の収納ボックス30の斜視図である。
図4は、扉32が開状態の収納ボックス30の斜視図である。なお、左右方向、前後方向および上下方向は、
図1に示した通りとする。ロッカー10は、利用者(使用者)が借用する物品を複数収納可能な複数の収納ボックス30と、物品の借出処理(貸出処理)と返却処理とを行う制御ボックス(制御装置)20と、物品の画像とコードとを物品毎に表示する複数のマグネットカード(マグネットシート)40とを備える。
【0011】
ロッカー10は、例えば会社や工場、作業現場などに設置されている。利用者は、例えばそれらの従業員などである。また、物品として、例えば工場や会社、作業現場などで利用されるデジタルノギスやモンキーレンチ、デジタルフォースゲージ、デジタルテスタなどの各種の治工具Tを例示するが、ノートパソコンやタブレットなどの電子機器などでもよい。ロッカー10は、
図1に示すように、上下に複数個(
図1では2個または3個)の収納ボックス30が左右に複数列(
図1では3列)並んで、例えば計8個配置されており、左端の列の最上段に制御ボックス20が配置されている。
【0012】
収納ボックス30は、物品(以下、治工具Tを含む)の収納空間を形成する直方体状の本体31と、鉄などの磁性を有する金属で形成され本体31に開閉可能に取り付けられる扉32と、扉32の施錠および解錠を行う錠装置33と、扉32の開閉を検出する開閉センサ34とを備える。また、収納ボックス30は、本体31内に複数(例えば2つ)の物品を収納する。本体31内には、収納する物品や本体31の底面に傷が付かないように、例えばウレタンフォームなどで形成されたクッション材35が配設されている(
図4参照)。クッション材35の上面領域のうち奥側の領域は、物品が配置される物品配置領域36であり、物品が左右の物品配置領域36に並べて配置される(
図4では1つのみ図示)。なお、クッション材35の物品配置領域36に、物品の形状に合わせた凹部が形成されており、その凹部に収まるように物品が配置されてもよい。また、クッション材35の上面領域のうち手前側の領域は、後述する物品の借出処理で、マグネットカード40が配置されるカード配置領域37である。なお、カード配置領域37に、マグネットカード40を差し込み可能なスリットが形成されていてもよい。
【0013】
マグネットカード40は、収納ボックス30の扉32に磁力により着脱可能に貼り付けられ、物品の画像としての写真42と、物品に割り当てられた第1コードC1とが表示された表示体である。第1コードC1は、例えばバーコードであり、その下には、コードの数字N(
図3では*)も表示されている。なお、第1コードC1は、QRコード(登録商標)などでもよく、数字Nの表示は必須ではない。マグネットカード40は、物品毎に用意されており、対応する物品が収納される収納ボックス30の扉32に貼り付けられている。本実施形態では、本体31内に2つの物品を収納するため、マグネットカード40は、各収納ボックス30の扉32に2枚ずつ貼り付けられる。なお、
図1では、マグネットカード40が1枚しか貼り付けられていない収納ボックス30や、マグネットカード40が1枚も貼り付けられていない収納ボックス30がある。これらは、後述する物品の借出処理で、マグネットカード40が取り外されて、上述したカード配置領域37に配置される(収納される)ためである。
【0014】
制御ボックス20は、収納ボックス30の本体31と同じサイズの直方体状の本体21と、本体21の前面を覆い各種機器が取り付けられた前面板22とを備え、本体21内に制御部23および記憶部24が配置されている。前面板22には、各種機器として、タッチパネル25と、コードリーダ26と、スピーカ27などが取り付けられている。タッチパネル25は、物品の借出処理や返却処理に関する操作案内などの各種情報を表示したり、利用者から各種入力操作などを受け付けたりする。コードリーダ26は、利用者の認証に用いるコードや、マグネットカード40に表示されたコード(第1コードC1,カードコード)、物品に付されたコード(第2コードC2,物品コード)などを読み取って取得する読取処理を行う。スピーカ27は、操作案内などを複数の音声出力孔を介して音声で出力する。
【0015】
制御部23は、CPU、ROMおよびRAMなどにより構成され、タッチパネル25の表示制御や入力制御を行う他、コードリーダ26により読み取られた情報や、各収納ボックス30の開閉センサ34からの検出信号などを入力する。また、制御部23は、スピーカ27への音声出力指示や、各収納ボックス30の錠装置33への施錠信号や解錠信号などを出力する。なお、利用者は、解錠された扉32を開けて、収納ボックス30から物品を取り出したり、収納ボックス30に物品を収納したりする。記憶部24は、各種アプリケーションプログラムや、利用者の認証に用いられる認証番号を含む認証情報、管理情報24aなどの各種情報を記憶する。
【0016】
管理情報24aは、
図5に示すように、各収納ボックス30に収納される物品の情報を記憶したものである。管理情報24aは、各収納ボックス30のボックス番号(例えば01~08)と、物品名(治工具Tの名称)と、物品IDと、第1コードC1と、第2コードC2と、ステータス情報と、返却予定日などを、物品毎に対応付けて記憶している。物品IDは、物品の識別情報であり、例えば会社内での物品管理のために物品毎に定められる。第1コードC1と第2コードC2は、各物品に割り当てられるバーコードやQRコード(登録商標)などである。第1コードC1は、上述したようにマグネットカード40に表示される。第2コードC2は、物品に表示される(
図3,
図4参照)。第1コードC1と第2コードC2は、同じ物品に割り当てられていても、表示されるコードの内容(数字など)が異なるように定められている。例えば、第1コードC1がJAN8などの第1規格のバーコードで定められ、第2コードがNW-7などの第2規格のバーコードで定められていてもよい。ステータス情報は、物品が収納ボックス30に収納されている状態(収納中)か、利用者に借り出されている状態(借出中)かを示す。返却予定日は、借出中の物品が返却される予定日であり、利用者により入力されたものが登録される。なお、管理情報24aに、利用者名や借り出された日時などが表示されてもよい。
【0017】
こうして構成されたロッカー10において、利用者が物品を借り出す際や返却する際の処理を説明する。
図6は、借出処理の一例を示すフローチャートである。
図7は、借出処理における各種画面の一例を示す説明図であり、画面25a~25iの遷移の様子を示す。借出処理は、例えばタッチパネル25に表示された処理選択用の画面25aで借出処理が選択された場合に、制御部23により実行される。
【0018】
借出処理では、制御部23は、タッチパネル25に使用者認証用の画面25bを表示して(S100)、取得した利用者番号を認証できた(認証OK)か否かを判定する(S105)。なお、利用者番号は、利用者(使用者)によりタッチパネル25に入力されるか、社員証などから利用者コードをコードリーダ26により読み取ることにより取得される。また、利用者番号は、図示は省略するが、予め利用者登録画面などを介して受け付けて記憶部24の認証情報に登録されている。このため、制御部23は、取得した利用者番号が、記憶部24の認証情報に登録されている利用者番号と一致することに基づいて認証する。制御部23は、認証OKではなく認証NGと判定すると、認証NGを通知して(S110)、S100に戻る。制御部23は、例えばNG通知用の画面25cをタッチパネル25に表示し、利用者の操作を受け付けてS100に戻る。
【0019】
制御部23は、S105で認証OKと判定すると、第1コードC1を認証するためのコード認証用の画面25dをタッチパネル25に表示して第1コードC1の取得(入力)を促し(S120)、第1コードC1を認証できた(認証OK)か否かを判定する(S125)。なお、第1コードC1や第2コードC2は、利用者によりタッチパネル25に数字Nが入力されるか(コード入力)、コードリーダ26の読取処理により取得される。制御部23は、取得した第1コードC1が、管理情報24aに登録されている第1コードC1と一致することに基づいて認証する。制御部23は、認証OKではなく認証NGと判定すると、認証NGを通知して(S130)、S120に戻る。制御部23は、例えばNG通知用の画面25eをタッチパネル25に表示し、利用者の操作を受け付けてS120に戻る。なお、S110やS130では、認証NGの旨をスピーカ27から音声出力させてもよい。以下の処理でも、各種案内や各種指示、認証NGの旨などをスピーカ27から音声出力させてもよい。
【0020】
また、制御部23は、S125で認証OKと判定すると、認証した第1コードC1と、記憶部24の管理情報24aとに基づいて、借出対象の物品と、その物品の収納ボックス30(ボックス番号)とを選定する(S135)。続いて、制御部23は、返却予定入力用の画面25fをタッチパネル25に表示して(S140)、返却予定が入力されるのを待つ(S145)。制御部23は、返却予定が入力されると、S135で選定した収納ボックス30を解錠して開扉すると共に(S150)、物品を取り出してその第2コードC2を読み取らせる物品取出用の画面25gをタッチパネル25に表示する(S155)。物品取出用の画面25gでは、例えば、正面から見た各収納ボックス30のうち、借出対象の物品の収納ボックス30が他の収納ボックス30と区別して表示されると共に、物品を取り出す旨およびバーコード(第2コードC2)を読み取る(入力する)旨が表示されている。
【0021】
そして、制御部23は、第2コードC2を取得するか(S160)、収納ボックス30が閉扉されるのを待つ(S165)。第2コードC2を取得する前に、収納ボックス30が閉扉されると、制御部23は、操作案内用の画面25hをタッチパネル25に表示し(S170)、利用者の操作を受け付けるか所定時間(例えば1秒など)が経過すると、収納ボックス30を再び開扉して(S175)、S155に戻る。操作案内用の画面25hには、例えば、収納ボックス30から取り出した物品(治工具T)のバーコード(第2コードC2)を読み取らせて、マグネットカード40を所定の位置即ちカード配置領域37に入庫(配置)してから扉32を閉める旨が表示されている。なお、画面25hの表示内容を、画面25gに含めて表示してもよい。
【0022】
一方、S160で第2コードC2を取得すると、制御部23は、取得した第2コードC2を認証できた(認証OK)か否かを判定する(S180)。制御部23は、取得した第2コードC2が、借出対象の物品に対応付けて管理情報24aに登録されている第2コードC2と一致することに基づいて認証する。制御部23は、認証OKではなく認証NGと判定すると、S155に戻る。なお、図示は省略するが、NG通知用の画面をタッチパネル25に表示してもよい。また、制御部23は、S180で認証OKと判定すると、収納ボックス30が閉扉されるのを待つ(S185)。収納ボックス30が閉扉されると、制御部23は、収納ボックス30を施錠して管理情報24aを更新し、操作選択用の画面25iをタッチパネル25に表示する(S190)。なお、制御部23は、取り出された物品のステータス情報を収納中から借出中に変更すると共にS140で入力された返却予定日を登録して、管理情報24aを更新する。操作選択用の画面25iでは、引き続き操作を行うか、操作を終了するかを選択可能である。制御部23は、その画面25iで操作の継続が選択されたか否かを判定し(S195)、継続が選択されたと判定すると、S120に戻り、継続ではなく終了が選択されたと判定すると、借出処理を終了する。
【0023】
ここで、ロッカー10と有線または無線により通信可能なコンピュータの画面やスマートフォンなどの携帯端末の画面に、管理情報24aを表示させることが可能である。このため、ロッカー10の管理者や各利用者は、画面に表示された管理情報24aから、物品の借出状況や借出可否を容易に確認したり、返却予定日を把握したりすることができる。また、借り出された物品のマグネットカード40は、収納ボックス30内(カード配置領域37)に収納されて扉32に貼り付けられていないから、利用者はマグネットカード40の貼付の有無から物品を借出可能か否かを容易に把握することができる。
【0024】
次に、利用者が物品を返却する際の処理を説明する。
図8は、返却処理の一例を示すフローチャートである。
図9は、返却処理における各種画面の一例を示す説明図であり、画面25a,25m~25qの遷移の様子を示す。返却処理は、例えば画面25aで返却処理が選択された場合に、制御部23により実行される。
【0025】
返却処理では、制御部23は、タッチパネル25に返却物認証用の画面25mを表示して物品の第2コードC2の取得(入力)を促し(S200)、取得した第2コードC2を認証できた(認証OK)か否かを判定する(S205)。制御部23は、取得した第2コードC2が、管理情報24aに登録されている借出中の物品の第2コードC2と一致することに基づいて認証する。制御部23は、認証OKではなく認証NGと判定すると、認証NGを通知して(S210)、S200に戻る。制御部23は、例えばNG通知用の画面25nをタッチパネル25に表示し、利用者の操作を受け付けてS200に戻る。
【0026】
制御部23は、S205で認証OKと判定すると、認証した第2コードC2と管理情報24aとに基づいて、返却対象の物品と、その物品の返却先(収納先)の収納ボックス30とを選定する(S215)。続いて、制御部23は、選定した収納ボックス30を解錠して開扉すると共に(S220)、物品を返却させると共に収納ボックス30に収納されているマグネットカード40を取り出してその第1コードC1を読み取らせるコード認証用の画面25oをタッチパネル25に表示する(S225)。例えば、画面25oでは、正面から見た各収納ボックス30のうち、返却先の収納ボックス30が他の収納ボックス30と区別して表示されると共に、マグネットカード40を取り出す旨およびそのバーコード(第1コードC1)を読み取る旨が表示されている。
【0027】
そして、制御部23は、第1コードC1が取得されるか(S230)、収納ボックス30が閉扉されるのを待つ(S235)。第1コードC1が取得される前に収納ボックス30が閉扉されると、制御部23は、操作案内用の画面25pをタッチパネル25に表示し(S240)、利用者の操作を受け付けるか所定時間(例えば1秒など)が経過すると、収納ボックス30を再び開扉して(S245)、S225に戻る。操作案内用の画面25pには、例えば、収納ボックス30から取り出したマグネットカード40のバーコード(第1コードC1)を読み取らせて、マグネットカード40を所定の位置(扉32)に貼り付けてから扉32を閉める旨が表示されている。なお、画面25pの表示内容を、画面25oに含めて表示してもよい。
【0028】
一方、S230で第1コードC1を取得すると、制御部23は、取得した第1コードC1を認証できた(認証OK)か否かを判定する(S250)。制御部23は、認証OKではなく認証NGと判定すると、S225に戻る。なお、図示は省略するが、NG通知用の画面をタッチパネル25に表示してもよい。また、制御部23は、S250で認証OKと判定すると、収納ボックス30が閉扉されるのを待つ(S255)。収納ボックス30が閉扉されると、制御部23は、収納ボックス30を施錠して管理情報24aを更新し、操作選択用の画面25qをタッチパネル25に表示する(S260)。なお、制御部23は、返却された物品のステータス情報を借出中から収納中に変更すると共に返却予定日を消去して、管理情報24aを更新する。また、操作選択用の画面25qでは、引き続き操作を行うか、操作を終了するかを選択可能である。制御部23は、画面25qで操作の継続が選択されたか否かを判定し(S265)、継続が選択されたと判定すると、S200に戻り、継続ではなく終了が選択されたと判定すると、返却処理を終了する。
【0029】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の収納ボックス30が本開示の収納ボックスに相当し、ロッカー10がロッカーに相当し、記憶部24が記憶部に相当し、マグネットカード40が表示体に相当し、タッチパネル25またはコードリーダ26とコードの認証を行う制御部23とが認証部に相当し、借出処理や返却処理のうちコードの認証以外の処理を行う制御部23が制御部に相当する。タッチパネル25やスピーカ27が指示部に相当する。本実施形態では、制御部23の処理を説明することにより本開示の管理方法の一例も明らかにしている。
【0030】
以上説明した本実施形態のロッカー10では、物品の借出処理において、借出対象の物品のマグネットカード40から取得した第1コードC1と、管理情報24aとに基づいて、物品が収納されている収納ボックス30を選定して開扉する。これにより、利用者は、対象物品の収納ボックス30を容易に把握して物品を取り出すことが可能となる。また、利用者が借用する物品の管理を、簡易な処理で適切に行うことができる。
【0031】
また、制御部23は、借出処理において収納ボックス30を開扉した後、取り出された物品の第2コードC2が認証され且つ収納ボックス30が閉扉されると、物品が取り出されたと判断してステータス情報を借用中に変更する。このため、物品が取り出されたことを簡易な処理で判断してステータス情報を適切に変更することができる。
【0032】
また、制御部23は、返却処理において返却対象の物品の第2コードC2が認証されると、第2コードC2と管理情報24aとに基づいて物品の返却先の収納ボックス30を選定して開扉するから、物品を元の収納ボックス30に確実に返却させることができる。また、制御部23は、収納ボックス30を開扉した後、収納ボックス30が閉扉され且つマグネットカード40の第1コードC1が認証されると、物品が返却されたと判断してステータス情報を収納中に変更する。このため、物品が元の収納ボックス30に返却されたことを簡易な処理で判断してステータス情報を適切に変更することができる。
【0033】
また、制御部23は、借出処理において収納ボックス30を開扉した後、物品を取り出して第2コードC2を取得させると共に物品のマグネットカード40を収納ボックス30内のカード配置領域37(置き場)に置いてから閉扉する指示を出力する。また、制御部23は、返却処理において収納ボックス30を開扉した後、物品を物品配置領域36(収納位置)に収納させると共にカード配置領域37からマグネットカード40を取り出して第1コードC1を取得させてからマグネットカード40を所定の位置(扉32)に貼り付けて閉扉する指示を出力する。このため、収納ボックス30の扉32にマグネットカード40が貼り付けられているか否かに基づいて、物品が収納中か借用中かを利用者に容易に把握させることができる。
【0034】
また、第1コードC1と第2コードC2とは、同一物品に割り当てられていても、表示されるコードが異なるように形成されているから、一方のコードのみを用いた処理を防止して、2つのコードを用いた物品の管理をより適切に行うことができる。
【0035】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0036】
上述した実施形態では、同一物品に割り当てられていても表示される内容(コード)が異なる第1コードC1と第2コードC2とを用いたが、これに限られず、第1コードC1と第2コードC2とを区別せずに同じコードを用いてもよい。また、実施形態では、制御部23がタッチパネル25やスピーカ27から指示や案内などを出力したが、扉32などに指示や案内などが掲示されており、制御部23が指示を出力しなくてもよい。
【0037】
実施形態では、制御部23は、返却処理において収納ボックス30を開扉した後、収納ボックス30が閉扉され且つ第1コードC1が認証されると、ステータス情報を収納中に変更したが、これに限られない。例えば、制御部23は、タッチパネル25に収納完了ボタンを表示しておき、収納ボックス30が閉扉され且つ収納完了ボタンが操作されると、ステータス情報を収納中に変更してもよい。また、各収納ボックス30が、収納ボックス30内の物品の有無を検出するセンサ(物品センサ)を備え、制御部23は、センサの検出信号に基づいてステータス情報を変更してもよい。なお、全ての収納ボックス30が複数の物品を収納可能なものに限られず、一部の収納ボックス30が1つの物品のみを収納可能でもよい。
【0038】
実施形態では、制御部23は、返却処理において対象物品の第2コードC2が認証されると、第2コードC2と管理情報24aとに基づいて収納ボックス30を選定して開扉したが、これに限られない。例えば、制御部23は、タッチパネル25を介して収納ボックス30のボックス番号を利用者から受け付けて、収納ボックス30を開扉してもよい。また、実施形態では、制御部23は、借出処理において収納ボックス30を開扉した後、取り出された物品の第2コードC2が認証され且つ収納ボックス30が閉扉されると、ステータス情報を借用中に変更したが、これに限られない。例えば、制御部23は、タッチパネル25に取出完了ボタンを表示しておき、収納ボックス30が閉扉され且つ取出完了ボタンが操作されると、ステータス情報を借出中に変更してもよい。
【0039】
実施形態では、利用者にタッチパネル25への入力操作やコードリーダ26によるコード読取操作などを行わせることで借出処理や返却処理を行ったが、これに限られない。例えば、制御部23を、利用者のスマートフォンなどの携帯端末と通信可能としておき、携帯端末への入力操作や携帯端末によるコード読取操作などを行わせた結果を、制御部23が通信により取得することで借出処理や返却処理を行ってもよい。
【0040】
実施形態では、表示体としてのマグネットカード40に物品の画像が表示されたが、これに限られない。物品の画像の代わりに物品の名称が表示されてもよいし、物品の画像と物品の名称とが表示されてもよい。物品の名称としては、例えば、デジタルノギス、モンキーレンチなど、物品の種類を示すものでよく、利用者が認識可能であれば、例えば会社内で物品毎に定めた物品の識別情報を用いてもよい。
【0041】
実施形態では、マグネットカード40が収納ボックス30の扉32に貼り付けられたが、これに限られない。例えば、収納ボックス30の前面に、扉32以外の固定部(固定枠など)がある場合、その固定部にマグネットカード40が貼り付けられてもよい。あるいは、マグネットカード40が収納ボックス30に貼り付けられず、制御ボックス20や各収納ボックス30の周辺に設けられたカード入れに収容(配置)されてもよい。その場合、表示体としてのカードに磁力は不要であるから、マグネット式ではないカードに物品の画像と第1コードC1(表示体コード)とが表示されればよい。また、利用者は、カード入れから目的の物品のカードを探し出して借出手続きを行えばよい。
【0042】
本明細書では、出願当初の請求項5において「請求項2または3に記載のロッカー」を「請求項2ないし4のいずれか1項に記載のロッカー」に変更した技術思想や、出願当初の請求項6において「請求項2または3に記載のロッカー」を「請求項2ないし5のいずれか1項に記載のロッカー」に変更した技術思想も開示されている。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本開示は、利用者が借用する物品を収納するロッカーの技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 ロッカー、20 制御ボックス、21 本体、22 前面板、23 制御部、24 記憶部、24a 管理情報、25 タッチパネル、26 コードリーダ、27 スピーカ、30 収納ボックス、31 本体、32 扉、33 錠装置、34 開閉センサ、35 クッション材、36 物品配置領域、37 カード配置領域、40 マグネットカード、42 写真(画像)、C1 第1コード、C2 第2コード、N 数字。