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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014176
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】表示パネル
(51)【国際特許分類】
   G09F 7/18 20060101AFI20240125BHJP
   G09F 7/00 20060101ALI20240125BHJP
   G09F 13/04 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G09F7/18 M
G09F7/00 E
G09F13/04 F
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116812
(22)【出願日】2022-07-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】591043189
【氏名又は名称】シンエイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085372
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 正義
(72)【発明者】
【氏名】秋山 恭範
(72)【発明者】
【氏名】田中 雄一郎
【テーマコード(参考)】
5C096
【Fターム(参考)】
5C096AA25
5C096BA01
5C096BB07
(57)【要約】
【課題】ガラスに表示パネルの第1シートを対面させたときに、第1シートの交換が容易であって、正面側と背面側の双方から第1及び第2シートに表示された表示物を視認でき、背面側の美観を高めて意匠性に優れた表示パネルを提供する。
【解決手段】シート表示面が枠体13の正面側になるように枠体正面側に形成された第1開口部11を被覆しかつ第1開口部に取外し可能に取付けられた第1シート14と、シート表示面が枠体13の背面側になるように枠体背面側に形成された第2開口部12を被覆しかつ第2開口部に取外し可能に取付けられた第2シート15を有し、第2シートを第2開口部から取外した状態で第2開口部を介して第1シートが第1開口部に取付けられるか又は第1開口部から取外されるように構成され、第1シートを第1開口部に取付けた状態で第2シートが第2開口部に取付けられるか又は第2開口部から取外されるように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体正面側に形成された第1開口部と枠体背面側に形成された第2開口部とを有する枠体と、シート表示面が枠体正面側になるように前記第1開口部を被覆しかつ前記第1開口部に取外し可能に取付けられた第1シートとを備えた表示パネルにおいて、
シート表示面が枠体背面側になるように前記第2開口部を被覆しかつ前記第2開口部に取外し可能に取付けられた第2シートを有し、
前記第2シートを前記第2開口部から取外した状態で前記第2開口部を介して前記第1シートが前記第1開口部に取付けられるか又は前記第1開口部から取外されるように構成され、
前記第1シートを前記第1開口部に取付けた状態で前記第2シートが前記第2開口部に取付けられるか又は前記第2開口部から取外されるように構成されたことを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
前記枠体の内部に前記第1及び第2シートに向けて発光する光源が設けられ、前記第1及び第2シートがそれぞれ透光性のシートである請求項1記載の表示パネル。
【請求項3】
前記枠体の内部に前記第1及び第2シートに向けて発光する光源が設けられ、前記第1シートが透光性のシートであり、前記第2シートが遮光性のシートである請求項1記載の表示パネル。
【請求項4】
透明又は半透明のガラスを有する建物と、前記建物の内部に前記第1シートのシート表示面が前記ガラスに対面するように設置された請求項1記載の表示パネルとを備えた表示設備。
【請求項5】
請求項1記載の表示パネルの前記枠体の内部に前記第1及び第2シートに向けて発光する光源が設けられ、前記第1及び第2シートがそれぞれ透光性のシートである請求項4記載の表示設備。
【請求項6】
請求項1記載の表示パネルの前記枠体の内部に前記第1及び第2シートに向けて発光する光源が設けられ、前記第1シートが透光性のシートであり、前記第2シートが遮光性のシートである請求項4記載の表示設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠体の正面側の第1開口部及び背面側の第2開口部にそれぞれ表示物を有する第1及び第2シートを備えた表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、絵柄、ロゴなどが描かれた布製のファブリックシートをファブリックフレーム(枠体)に取付けた表示パネルが看板、広告板等に用いられている(例えば、特許文献1(段落[0003])参照。)。図10図13に示すように、従来の表示パネル6は、枠体正面側に形成された第1開口部1と枠体背面側に形成された第2開口部2とを有する枠体3と、シート表示面が枠体正面側になるように第1開口部1を被覆しかつ第1開口部1に取外し可能に取付けられた第1シート4と、枠体背面側に形成された第2開口部2に取外し可能に取付けられた背面板5とを備える。具体的には、図12の拡大図に示すように、第1開口部1には、第1開口部1の周縁に形成された被係止溝1aに、第1シート4の周縁に取付けられた係止部4aを差し込むことにより、第1シート4が展張された状態で第1開口部1に取外し可能に取付けられる。一方、第2開口部2には、第2開口部2の周縁に形成された被係止溝2aに、可撓性のある背面板5の周縁部5aを差し込むことにより、背面板5が第2開口部2に取外し可能に取付けられる。
【0003】
図12及び図13に示すように、このように構成された表示パネル6は、建物の透明なガラス7に対面するように設置することにより、表示設備に利用されている。この表示設備では、建物の外部に居る人々が表示パネル6の第1シート4の正面側に描かれた絵柄、ロゴなどの表示物(図13では「A」の文字)8をガラス7を介して、視認できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-197842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の表示パネル6を、例えば商業施設、店舗などの建物の内部から窓やショーウィンドウなどのガラス7に対面させた状態で、起立又は吊り下げて、商業施設、店舗などの建物の外部に向けて、第1シート4の表示物8を視認できるように設置した場合には、表示物8を更新するために第1シート4を交換するときに、表示パネル6の正面側から、既設の第1シート4を取外し、新しい表示物を有する第1シート4を表示パネル6の正面側から取付ける必要があった。この際、表示パネル6をガラス7から離して(図12では表示パネル6を右側の建物内部の方向に移動して)一定の空間を設け、その空間に人が立ち入って、既設の第1シート4を取外し、新しい第1シート4を取付けた後、再び表示パネル6をガラス7に近づける必要があり、第1シート4の交換が容易でない課題があった。
【0006】
また、建物の内部から建物の外部に向けて、第1シート4の表示物8を視認できるように設置した場合には、図11に示すように、表示パネル6の背面側の背面板5が建物の内部に向いている状態になる。背面板5は建物の内部に設けた照明の光が透過しないように、遮光材料で形成されており、建物内部から見た場合、美観が良好でなく、意匠性に劣っている課題があった。
【0007】
本発明の第1の目的は、ガラスに表示パネルの第1シートを対面させたときに、第1シートの交換が容易である表示パネルを提供することにある。本発明の第2の目的は、正面側と背面側の双方から第1及び第2シートに表示された表示物を視認でき、背面側の美観を高めて意匠性に優れた表示パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点は、図1図4図8図9に示すように、枠体正面側に形成された第1開口部11、31と枠体背面側に形成された第2開口部12、32とを有する枠体13、33と、シート表示面が枠体正面側になるように第1開口部11、31を被覆しかつ第1開口部11、31に取外し可能に取付けられた第1シート14、34とを備えた表示パネル10、30において、シート表示面が枠体背面側になるように第2開口部12、32を被覆しかつ第2開口部12、32に取外し可能に取付けられた第2シート15、35を有し、第2シート15、35を第2開口部12、32から取外した状態で第2開口部12、32を介して第1シート14、34が第1開口部11、31に取付けられるか又は第1開口部11、31から取外されるように構成され、第1シート14、34を第1開口部11、31に取付けた状態で第2シート15、35が第2開口部12、32に取付けられるか又は第2開口部12、32から取外されるように構成されたことを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図5図7に示すように、枠体13の内部に第1及び第2シート14、15に向けて発光する光源16が設けられ、第1及び第2シート14、15がそれぞれ透光性のシートであることを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図5図7に示すように、枠体13の内部に第1及び第2シート14、15に向けて発光する光源16が設けられ、第1シート14が透光性のシートであり、第2シート15が遮光性のシートであることを特徴とする。
【0011】
本発明の第4の観点は、図1図2図8及び図9に示すように、透明又は半透明のガラス17を有する建物と、建物の内部に第1シート14、34のシート表示面がガラス17に対面するように設置された第1の観点の表示パネル10、30とを備えた表示設備である。
【0012】
本発明の第5の観点は、第4の観点に基づく発明であって、図5に示すように、第1の観点の表示パネル20の枠体13の内部に第1及び第2シート14、15に向けて発光する光源16が設けられ、第1及び第2シート14、15がそれぞれ透光性のシートであることを特徴とする。
【0013】
本発明の第6の観点は、第4の観点に基づく発明であって、図5に示すように、第1の観点の表示パネル20の枠体13の内部に第1及び第2シート14、15に向けて発光する光源16が設けられ、第1シート14が透光性のシートであり、第2シート15が遮光性のシートであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の観点の表示パネル10、30では、図4に示すように、第2シート15、35を第2開口部12、32から取外した状態で第2開口部12、32を介して第1シート14、34が第1開口部11、31に取付けられるか又は第1開口部11、31から取外されるように構成されるため、第1シート14、34を枠体の背面側から取外し可能に取付けることができ、従来の表示パネルと比較して、第1シート14、34の交換を容易に行うことができる。また正面側と背面側の双方から第1及び第2シートに表示された表示物18,19を視認でき、従来の表示パネルと異なり、表示パネル10、30の背面側の美観を高め、意匠性に優れた効果を奏する。
【0015】
本発明の第2の観点の表示パネル20では、枠体13の内部に第1及び第2シート14、15に向けて発光する光源16が設けられ、第1及び第2シート14、15がそれぞれ透光性のシートであるため、表示パネル20の設置環境が薄暗くなったときに、光源16を発光させれば、第1及び第2シート14、15のそれぞれの表示物18,19を鮮明に表示させることができる。
【0016】
本発明の第3の観点の表示パネル20では、枠体13の内部に第1及び第2シート14、15に向けて発光する光源16が設けられ、第1シート14が透光性のシートであり、第2シート15が遮光性のシートであるため、表示パネル20の設置環境が薄暗くなったときに、光源16を発光させれば、表示パネル10の背面側から発せられる光を第2シート15が遮断するので、第1シート14の表示物18をより一層鮮明に表示させることができ、第2シート15の表示物19は表示パネル20が設置された環境の照明で表示させることができる。
【0017】
本発明の第4の観点の表示設備では、建物の内部に第1シート14、34のシート表示面がガラス17に対面するように設置された状況で、第1シート14、34を交換するときに、表示パネル10、30を建物のガラス17から離すことなく、第1シートを容易に交換することができる。
【0018】
本発明の第5の観点の表示設備では、第4の観点の表示設備の効果に加えて、表示設備の周囲の環境が薄暗くなったときに、光源16を発光させれば、第1及び第2シート14、15のそれぞれの表示物18,19を鮮明に表示させることができる。
【0019】
本発明の第6の観点の表示設備では、第4の観点の表示設備の効果に加えて、表示設備の周囲の環境が薄暗くなったときに、光源16を発光させれば、表示パネル20の背面側から入射する光を第2シート15が遮断するので、第1シート14の表示物18をより一層鮮明に表示させることができ、第2シート15の表示物19は表示パネル20が設置された環境の照明で表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明第1実施形態の表示パネルをガラスに対面させた状態の図2のA-A線断面図である。図1の上部の2つの拡大図は第2開口部の溝条部の被係止部に第2シートの凸条体の係止部を係止するまでの状況を示し、図1の下部の2つの拡大図は第1開口部の溝条部の被係止部に第1シートの凸条体の係止部を係止するまでの状況を示す。
図2】本発明第1実施形態の表示パネルをガラスに対面させた状態の表示パネルの要部斜視図である。
図3】本発明第1実施形態の表示パネルを正面側から視た斜視図である。
図4】本発明第1実施形態の表示パネルを背面側から視た、第1及び第2シートを取付ける前の状態の斜視図である。枠体の内面の詳細は省略して示している。
図5】本願第2実施形態の枠体の内部に光源を有する表示パネルをガラスに対面させた状態の図6のB-B線断面図である。
図6】本願第2実施形態の表示パネルの正面図である。
図7】本願第2実施形態の表示パネルの背面図である。
図8】本願第3実施形態の表示パネルをガラスに対面させた状態の図9のC-C線断面図である。図8の上部の2つの拡大図は第2開口部の面ファスナーの被係止部に第2シートの面ファスナーの係止部を係止するまでの状況を示し、図1の下部の2つの拡大図は第1開口部の面ファスナーの被係止部に第1シートの面ファスナーの係止部を係止するまでの状況を示す。
図9】本発明第3実施形態の表示パネルをガラスに対面させた状態の表示パネルの 要部斜視図である。
図10】従来例の表示パネルを正面側から視た、第1シートを取付ける前の斜視図である。
図11】従来例の表示パネルを背面側から視た斜視図である。
図12】従来例の表示パネルをガラスに対面させた状態の図13のD-D線断面図である。図12の正面側の4つの拡大図は第1開口部の被係止溝に第1シートの係止部を係止するまでの状況を示し、図12の背面側の下部の拡大図は第2開口部の被係止溝に背面板の周縁部を係止した状態を示す。
図13】従来例の表示パネルをガラスに対面させた状態の表示パネルの要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
<第1の実施の形態>
図1図3に示すように、第1の実施形態では、この表示パネル10はファブリックフレームであって、正面視が四角形である枠体13を有する。図示しないが、枠体13は正面視が四角形に限らず、三角形、五角形などの多角形でも、円形でもよい。この実施形態では、枠体13は、アルミニウムを押出し成形した後、表面をアルマイト処理した4つの枠体部材を組み合わせて作られる。図1では上部枠体部材及び下部枠体部材の断面を示し、図2では上部枠体部材の断面のみを示している。左右の側部枠体部材の断面は、図示しないが、上部枠体部材及び下部枠体部材と同様に構成される。表示パネル10は自立した状態又は上部から吊り下げた状態で用いられる。自立機構及び吊り下げ機構は省略している。特に、図1及び図2に示すように、商業施設、店舗などの建物の内部から窓やショーウィンドウなどのガラス17に対面させた状態で、建物の外部に向けて、後述する第1シート14の表示物18を視認できるように設置されることが好ましい。
【0023】
枠体13は枠体正面側に形成された第1開口部11と枠体背面側に形成された第2開口部12とを有する。図3に示すように、枠体13の正面側には、枠体13の4つの張り出し部13aが形成され、第1開口部11は枠体13の4つの張り出し部13aの張り出し端縁で囲われた部分である。図4に示すように、枠体13の背面側には、張り出し部はなく、第2開口部12は、背面側の枠体13の周縁で囲われた部分である。
【0024】
図1及び図2に示すように、第1開口部11の開口縁に沿って、後述する第1シート14の周縁に取付けられた第1係止部14aが取付け取外し可能に係止する第1被係止部11aが設けられ、第2開口部12の開口縁に沿って、後述する第2シート15の周縁に取付けられた第2係止部15aが取付け取外し可能に係止する第2被係止部12aが設けられる。図示しないが、第1及び第2開口部11、12の上下左右の4つの周縁に、第1及び第2被係止部11a、12aが設けられる。第1及び第2被係止部11a、12aは、第1の実施の形態では、それぞれ溝条部であって、溝開口部を表示パネル10の背面側に向けて形成される。第1の実施の形態では、第1係止部14a及び第2係止部15aはそれぞれ凸条体であり、溝条部の第2被係止部12a、15aに凸条体の第1係止部14a及び第2係止部15aがそれぞれ挿入係止されるように構成される。
【0025】
第1シート14及び第2シート15は、この実施形態では、ポリエステルなどの合成繊維の平織りの布地で作られたシートであり、ロゴや広告などが高精細なUVインクジェットで表示部18、19が印刷される。第1シート14及び第2シート15の材質は、上記に限定されず、天然繊維の布地、合成樹脂シート、合成紙でもよい。この実施形態では、第1シート14のシート表示面には「A」の文字の表示物18が描かれ、第2シート15のシート表示面には「B」の文字の表示物19が描かれている。第1シート14は透光性シートであることが好ましい。第2シート15は透光性シートであるか、又は遮光性シートであることが好ましい。
【0026】
第1シート14の上下左右の4つの周縁及び第2シート15の上下左右の4つ周縁には、各周縁に沿って凸条体の第1係止部14a及び第2係止部15aが取付けられる。凸条体の第1及び第2係止部14a、15aは、それぞれシリコーン樹脂又はビニル樹脂で成形された細長い板状体で構成される。この実施形態では、取付けは、縫合糸で第1及び第2係止部14a、15aを第1及び第2シート14、15の周縁にそれぞれ縫合することにより行われる。この縫合以外の取付け方法として、第1及び第2係止部14a、15aに接着剤を塗布して、これらの係止部14a、15aを第1及び第2シート14、15の周縁に接着するか、或いはステープラーにより固着してもよい。
【0027】
このような構成の表示パネル10の第1及び第2シート14、15の枠体13への取付け方法について説明する。図4に示すように、第2シート15を第2開口部12に取付ける前に、第1シート14を第2開口部12を介して第1開口部11に取付ける。具体的には、表示パネル10の背面側から、図1の下部拡大図に示すように、第1シート14の周縁に取付けられた凸条体の第1係止部14aを、枠体13の張り出し部13aに形成された第1開口部11の溝条部の第1被係止部11aに差し込み、背面側から凸条体の第1係止部14aを加圧して第1被係止部11aの溝内部に押し込む。第1開口部11の上下左右全ての周縁の第1被係止部11aの溝内部に凸条体の第1係止部14aを押し込むことにより、第1シート14が展張状態で第1開口部11に取付けられる。
【0028】
次に、図4に示すように、第1シート14を第1開口部11に取付けた後で、第2シート15を第2開口部12に取付ける。具体的には、表示パネル10の背面側から、図1の上部拡大図に示すように、第2シート15の周縁に取付けられた凸条体の第2係止部15aを、枠体13の第2開口部12の溝条部の第2被係止部12aに差し込み、背面側から凸条体の第2係止部15aを加圧して第2被係止部12aの溝内部に押し込む。第2開口部12の上下左右全ての周縁の第2被係止部12aの溝内部に凸条体の第2係止部15aを押し込むことにより、第2シート15が展張状態で第2開口部12に取付けられる。
【0029】
第1及び第2シート14、15を表示パネル10から取外す場合には、上記手順と反対に、先ず第2シート15を、その第2係止部15aを第2被係止部12aから引き抜くことにより、第2開口部12から取外す。次いで表示パネル10の背面側から、第2開口部12を介して、第1シート14を、その第1係止部14aを第1被係止部11aから引き抜くことにより、第1開口部から取外す。
【0030】
本実施形態の表示パネル10では、第1及び第2シート14、15を取付ける場合も、第1及び第2シート14、15を取外す場合も、固定設置された表示パネル10の正面側に作業者が向う必要がなく、また表示パネル10を反転させて作業者が居る側に枠体13の正面側を向ける必要がなく、いずれの場合も、枠体13の背面側の一方向から、第1シート14及び第2シート15の取付けと取外しを行うことができる利点がある。特に、図1及び図2に示すように、表示パネル10が商業施設、店舗などの建物の内部から窓やショーウィンドウなどのガラス17に対面させた状態で、起立又は吊り下げて、商業施設、店舗などの建物の外部に向けて、第1シート14の表示物18を視認できるように設置した場合には、表示パネル10を建物のガラス17から離すことなく、表示パネル10の背面側から、既設の第1シート14を取外して、新しい表示物を有する第1シート14を取付けることにより、第1シート14の交換が容易になる優れた効果を奏する。ここでガラス17は透明又は半透明であることが第1シート14の表示物18を視認し易く好ましい。また正面側から第1シート14に表示された表示物18を視認できることに加えて、背面側から第2シート15に表示された表示物19を視認することができ、従来の表示パネルと異なり、表示パネル10の背面側の美観を高め、意匠性に優れた効果を奏する。
【0031】
<第2の実施の形態>
図5図7に示すように、第2の実施形態では、表示パネル20の枠体13の内部に、第1及び第2シート14、15に向けて発光する光源16が設けられる。具体的には、枠体13の上部枠体部材にLEDからなる8つの光源16が発光方向を下向きにして等間隔に配列され、枠体13の下部枠体部材にLEDからなる8つの光源16が発光方向を上向きにして等間隔に配列される。光源16を設けた以外は、第2の実施形態の表示パネル20は第1の実施形態の表示パネル10と同様に構成される。
【0032】
このように構成された表示パネル20では、表示パネル20の設置環境が薄暗くなったときに、光源16を点灯させると、第1及び第2シート14、15がいずれも透光性シートである場合には、光源16から発せられた光がこれらのシート14、15を透過してシート表示面に描かれた表示物18、19を鮮明に表示させることができる。第1シート14が透光性シートであって、第2シート15が遮光性シートである場合には、光源16から発せられた光が第1シート14を透過してシート表示面に描かれた表示物18を鮮明に表示させることができる一方、第2シート15は遮光性であるため、光源16の光は通さず、表示パネル20が建物内部に設置された場合には、建物内部の照明によって、第2シート15の表示面に描かれた表示物19を表示させることができる。
【0033】
<第3の実施の形態>
図8及び図9に示すように、第3の実施形態では、第1開口部31には、第1シート34の周縁に取付けられた第1係止部34aが取付け取外し可能に係止する第1被係止部31aが第1開口部31の開口縁に沿って設けられ、第2開口部32には、第2シート35の周縁に取付けられた第2係止部35aが取付け取外し可能に係止する第2被係止部32aが第2開口部32の開口縁に沿って設けられる。第3の実施の形態では、第1係止部34a及び第2係止部35aはそれぞれ多数の微少なカギ状フックを有する雄ファスナーからなる面ファスナーであり、第1及び第2係止部34a、35aがそれぞれ取付け取外し可能に係止する第1被係止部31a及び第2被係止部32aはそれぞれ多数の微少なループを有する雌ファスナーからなる面ファスナーである。2種類の面ファスナーは、それぞれ帯状であって、開口部の開口縁及びシートの周縁に沿って設けられる。第1及び第2被係止部31a、32aを構成する面ファスナーは、それぞれ表示パネル30の背面側に向けて設けられる。第1及び第2係止部、第1及び第2被係止部を面ファスナーで構成した以外は、第3の実施形態の表示パネル30は第1の実施形態の表示パネル10と同様に構成される。図8及び図9において、面ファスナー以外の各符号は、図1及び図2における符号に20を加えている。なお、図示しないが、面ファスナーの代わりに、或いは面ファスナーとともにハトメホックを用いてもよい。
【0034】
枠体33、第1シート34及び第2シート35は、第1の実施形態の枠体13、第1シート14及び第2シート15と同様に構成される。また第1シート34の上下左右の4つの周縁及び第2シート35の上下左右の4つ周縁には、各周縁に沿って雄ファスナーからなる面ファスナーの第1係止部34a及び第2係止部35aが接着される。第1及び第2開口部31、32の上下左右の4つの周縁に、雌ファスナーからなる面ファスナーの第1及び第2被係止部31a、32aが接着される。
【0035】
このような構成の表示パネル30の第1及び第2シート34、35の枠体33への取付け方法は、第1の実施の形態の凸条体の第1及び第2係止部14a、15aを溝条部の第1及び第2被係止部11a、12aの溝内部に差し込む代わりに、雌ファスナーからなる第1及び第2被係止部31a、32aに雄ファスナーからなる第1及び第2係止部34a、35aを係止する。第1及び第2シート34、35の取付け順序は、第1の実施の形態と同じである。
【0036】
第1及び第2シート34、35を表示パネル30から取外す場合には、雄ファスナーからなる第1及び第2係止部34a、35aを雌ファスナーからなる第1及び第2被係止部31a、32aから引き剥がすように取外す。第1及び第2シート34、35の取外す順序は、第1の実施の形態と同じである。
【符号の説明】
【0037】
10、20、30 表示パネル
11、31 第1開口部
11a、31a 第1被係止部
12 第2開口部
12a、32a 第2被係止部
13、33 枠体
14、34 第1シート
14a、34a 第1係止部
15、35 第2シート
15a、35a 第2係止部
16 光源
17 ガラス
18、19 表示物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体正面側に形成された第1開口部と枠体背面側に形成された第2開口部とを有する枠体と、シート表示面が枠体正面側になるように前記第1開口部を被覆しかつ前記第1開口部に取外し可能に取付けられた第1シートとを備えた表示パネルにおいて、
シート表示面が枠体背面側になるように前記第2開口部を被覆しかつ前記第2開口部に取外し可能に取付けられた第2シートを有し、
前記第2シートを前記第2開口部から取外した状態で前記第2開口部を介して前記第1シートが前記第1開口部に取付けられるか又は前記第1開口部から取外されるように構成され、
前記第1シートを前記第1開口部に取付けた状態で前記第2シートが前記第2開口部に取付けられるか又は前記第2開口部から取外されるように構成され、
前記第1シートの前記第1開口部への取外し可能な取付けは、前記第1開口部の開口縁に沿って第1被係止部を設け、前記第1シートの周縁に前記第1被係止部に取外し可能な第1係止部を取付けることにより行われ、
前記第2シートの前記第2開口部への取外し可能な取付けは、前記第2開口部の開口縁に沿って第2被係止部を設け、前記第2シートの周縁に前記第2被係止部に取外し可能な第2係止部を取付けることにより行われることを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
前記第1及び第2被係止部はそれぞれ溝開口部を前記表示パネルの背面側に向けて形成された溝条部であって、前記第1及び第2係止部はそれぞれ凸状体であり前記溝条部の第1及び第2被係止部にそれぞれ挿入係止されるように構成された請求項1記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第1及び第2被係止部はそれぞれ前記表示パネルの背面側に向けて設けられた面ファスナー及び/又はハトメホックであり、前記第1及び第2係止部はそれぞれ前記第1及び第2被係止部に係止されるように構成された面ファスナー及び/又はハトメホック面である請求項1記載の表示パネル。
【請求項4】
前記枠体の内部に前記第1及び第2シートに向けて発光する光源が設けられ、前記第1及び第2シートがそれぞれ透光性のシートである請求項1ないし3いずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記枠体の内部に前記第1及び第2シートに向けて発光する光源が設けられ、前記第1シートが透光性のシートであり、前記第2シートが遮光性のシートである請求項1ないし3いずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項6】
透明又は半透明のガラスを有する建物と、前記建物の内部に前記第1シートのシート表示面が前記ガラスに対面するように設置された請求項1ないし3いずれか1項に記載の表示パネルとを備えた表示設備。
【請求項7】
請求項1ないし3いずれか1項に記載の表示パネルの前記枠体の内部に前記第1及び第2シートに向けて発光する光源が設けられ、前記第1及び第2シートがそれぞれ透光性のシートである請求項記載の表示設備。
【請求項8】
請求項1ないし3いずれか1項に記載の表示パネルの前記枠体の内部に前記第1及び第2シートに向けて発光する光源が設けられ、前記第1シートが透光性のシートであり、前記第2シートが遮光性のシートである請求項記載の表示設備。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の第1の観点は、図1図4図8図9に示すように、枠体正面側に形成された第1開口部11、31と枠体背面側に形成された第2開口部12、32とを有する枠体13、33と、シート表示面が枠体正面側になるように第1開口部11、31を被覆しかつ第1開口部11、31に取外し可能に取付けられた第1シート14、34とを備えた表示パネル10、30において、シート表示面が枠体背面側になるように第2開口部12、32を被覆しかつ第2開口部12、32に取外し可能に取付けられた第2シート15、35を有し、第2シート15、35を第2開口部12、32から取外した状態で第2開口部12、32を介して第1シート14、34が第1開口部11、31に取付けられるか又は第1開口部11、31から取外されるように構成され、第1シート14、34を第1開口部11、31に取付けた状態で第2シート15、35が第2開口部12、32に取付けられるか又は第2開口部12、32から取外されるように構成され、第1シート14、34の第1開口部11、31への取外し可能な取付けは、第1開口部11、31の開口縁に沿って第1被係止部11a、31aを設け、第1シート14、34の周縁に第1被係止部11a、31aに取外し可能な第1係止部14a、34aを取付けることにより行われ、第2シート15、35の第2開口部12、32への取外し可能な取付けは、第2開口部12、32の開口縁に沿って第2被係止部12a、32aを設け、第2シート15、35の周縁に第2被係止部12a、32aに取外し可能な第2係止部15a、35aを取付けることにより行われることを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、第1被係止部11a、31a及び第2被係止部12a、32aはそれぞれ溝開口部を表示パネルの背面側に向けて形成された溝条部であって、第1係止部14a、34a及び第2係止部15a、35aはそれぞれ凸状体であり溝条部の第1被係止部11a、31a及び第2被係止部12a、32aにそれぞれ挿入係止されるように構成されたことを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、第1被係止部11a、31a及び第2被係止部12a、32aはそれぞれ表示パネルの背面側に向けて設けられた面ファスナー及び/又はハトメホックであり、第1係止部14a、34a及び第2係止部15a、35aはそれぞれ第1被係止部11a、31a及び第2被係止部12a、32aに係止されるように構成された面ファスナー及び/又はハトメホック面であることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の第の観点は、第1の観点ないし第3の観点のいずれかの観点に基づく発明であって、更に図5図7に示すように、枠体13の内部に第1及び第2シート14、15に向けて発光する光源16が設けられ、第1及び第2シート14、15がそれぞれ透光性のシートであることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の第の観点は、第1の観点ないし第3の観点のいずれかの観点に基づく発明であって、更に図5図7に示すように、枠体13の内部に第1及び第2シート14、15に向けて発光する光源16が設けられ、第1シート14が透光性のシートであり、第2シート15が遮光性のシートであることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明の第の観点は、図1図2図8及び図9に示すように、透明又は半透明のガラス17を有する建物と、建物の内部に第1シート14、34のシート表示面がガラス17に対面するように設置された第1の観点ないし第3の観点のいずれかの観点の表示パネル10、30とを備えた表示設備である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明の第の観点は、第の観点に基づく発明であって、図5に示すように、第1の観点ないし第3の観点のいずれかの観点の表示パネル20の枠体13の内部に第1及び第2シート14、15に向けて発光する光源16が設けられ、第1及び第2シート14、15がそれぞれ透光性のシートであることを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明の第の観点は、第の観点に基づく発明であって、図5に示すように、第1の観点ないし第3の観点のいずれかの観点の表示パネル20の枠体13の内部に第1及び第2シート14、15に向けて発光する光源16が設けられ、第1シート14が透光性のシートであり、第2シート15が遮光性のシートであることを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明の第の観点の表示パネル20では、枠体13の内部に第1及び第2シート14、15に向けて発光する光源16が設けられ、第1及び第2シート14、15がそれぞれ透光性のシートであるため、表示パネル20の設置環境が薄暗くなったときに、光源16を発光させれば、第1及び第2シート14、15のそれぞれの表示物18,19を鮮明に表示させることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明の第の観点の表示パネル20では、枠体13の内部に第1及び第2シート14、15に向けて発光する光源16が設けられ、第1シート14が透光性のシートであり、第2シート15が遮光性のシートであるため、表示パネル20の設置環境が薄暗くなったときに、光源16を発光させれば、表示パネル10の背面側から発せられる光を第2シート15が遮断するので、第1シート14の表示物18をより一層鮮明に表示させることができ、第2シート15の表示物19は表示パネル20が設置された環境の照明で表示させることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明の第の観点の表示設備では、建物の内部に第1シート14、34のシート表示面がガラス17に対面するように設置された状況で、第1シート14、34を交換するときに、表示パネル10、30を建物のガラス17から離すことなく、第1シートを容易に交換することができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明の第の観点の表示設備では、第の観点の表示設備の効果に加えて、表示設備の周囲の環境が薄暗くなったときに、光源16を発光させれば、第1及び第2シート14、15のそれぞれの表示物18,19を鮮明に表示させることができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明の第の観点の表示設備では、第の観点の表示設備の効果に加えて、表示設備の周囲の環境が薄暗くなったときに、光源16を発光させれば、表示パネル20の背面側から入射する光を第2シート15が遮断するので、第1シート14の表示物18をより一層鮮明に表示させることができ、第2シート15の表示物19は表示パネル20が設置された環境の照明で表示させることができる。