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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141763
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】睡眠評価方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20241003BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053583
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】奥本 衛
(72)【発明者】
【氏名】川添 政宣
(72)【発明者】
【氏名】検▲崎▼(内海) 桃絵
(72)【発明者】
【氏名】山川 みやえ
(72)【発明者】
【氏名】樋口 明里
(72)【発明者】
【氏名】竹下 悠子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】対象者の将来的な睡眠不良状態の予防を支援する睡眠評価方法及び情報処理装置を提供すること。
【解決手段】制御部を有する情報処理装置の制御部が実行する睡眠評価方法であって、対象者の行動情報を取得し、行動情報に含まれる対象者の掻把情報に基づいて、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行う睡眠評価方法により上記課題を解決する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を有する情報処理装置の前記制御部が実行する睡眠評価方法であって、
対象者の行動情報を取得し、
前記行動情報に含まれる前記対象者の掻把情報に基づいて、前記対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行う
睡眠評価方法。
【請求項2】
前記対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価は、前記対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として算出することで行う
請求項1記載の睡眠評価方法。
【請求項3】
前記対象者の寝室環境情報を更に取得し、
前記行動情報に含まれる前記対象者の掻把情報以外の情報又は前記寝室環境情報に含まれる情報を外的情報とし、前記対象者の掻把情報及び前記外的情報に基づいて、前記対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行う
請求項2記載の睡眠評価方法。
【請求項4】
前記対象者の掻把情報は、一晩の前記対象者による掻把行動の結果を最小単位とする
請求項1乃至3の何れか一項に記載の睡眠評価方法。
【請求項5】
前記対象者の掻把情報は、一晩の前記対象者による掻把行動の結果を単位とした前記対象者による掻把行動の継続数又は出現頻度を含む
請求項4記載の睡眠評価方法。
【請求項6】
前記対象者の生体情報を更に取得し、
前記外的情報は、前記対象者の生体情報、前記対象者の寝室環境情報、又は前記対象者の日中行動情報を含む
請求項3記載の睡眠評価方法。
【請求項7】
前記対象者に対するケア内容を、前記対象者の生体情報、前記対象者の寝室環境情報、又は前記対象者の日中行動情報に含まれる睡眠不良を引き起こす因子ごとに設定された因子影響値又は前記因子に応じて設定された優先度を用いて算出した前記リスク値に基づいて決定する
請求項6記載の睡眠評価方法。
【請求項8】
前記優先度は、医療対応の要否、前記対象者の自覚症状、介入負担、又は過去発生回数に応じて設定される
請求項7記載の睡眠評価方法。
【請求項9】
算出した前記リスク値を提示する
請求項2又は3記載の睡眠評価方法。
【請求項10】
決定した前記対象者に対するケア内容を提示する
請求項7記載の睡眠評価方法。
【請求項11】
制御部を有する情報処理装置であって、
前記制御部は、
対象者の行動情報を取得し、
前記行動情報に含まれる前記対象者の掻把情報に基づいて、前記対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行う
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、睡眠評価方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばセルフケアを自発的に行いにくい高齢者などにとって周囲のケアの介入は必要である。セルフケアとは、自分自身をケア(世話)することである。ケアの介入判断をするための事前情報としては、睡眠自体の良否の可視化するもの、又は睡眠に関わる周辺情報との関連性を提示するものがある。
【0003】
例えば、睡眠を検出し、睡眠に関するフィードバックをユーザに提供するシステム及び方法は従来から知られている。従来のシステム及び方法は、検出された睡眠問題に基づいて睡眠時無呼吸のリスク、いびきのリスク、及び慢性不眠症のリスクのうちの1つ又は複数の確率を求めて危険睡眠状態を判断していた(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7083803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、発生した危険睡眠状態を判断するものである。しかしながら、特許文献1は、例えばセルフケアを自発的に行いにくい高齢者などの将来的な睡眠不良状態を予防することについての記載がない。
【0006】
本開示は、対象者の将来的な睡眠不良状態の予防を支援する睡眠評価方法及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、制御部を有する情報処理装置の前記制御部が実行する睡眠評価方法であって、対象者の行動情報を取得し、前記行動情報に含まれる前記対象者の掻把情報に基づいて、前記対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行う睡眠評価方法である。
【0008】
本開示の第1の態様によれば、対象者の掻把情報に基づいて、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行い、対象者の将来的な睡眠不良状態の予防を支援する睡眠評価方法を提供することができる。
【0009】
本開示の第2の態様は、第1の態様の睡眠評価方法であって、前記対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価は、前記対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として算出することで行う。
【0010】
本開示の第2の態様によれば、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として算出することができる。
【0011】
本開示の第3の態様は、第2の態様の睡眠評価方法であって、前記対象者の寝室環境情報を更に取得し、前記行動情報に含まれる前記対象者の掻把情報以外の情報又は前記寝室環境情報に含まれる情報を外的情報とし、前記対象者の掻把情報及び前記外的情報に基づいて、前記対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行う。
【0012】
本開示の第3の態様によれば、対象者の掻把情報及び外的情報に基づいて、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行うことができる。
【0013】
本開示の第4の態様は、第1の態様から第3の態様の睡眠評価方法であって、前記対象者の掻把情報は、一晩の前記対象者による掻把行動の結果を最小単位とする。
【0014】
本開示の第4の態様によれば、対象者の掻把情報が、一晩の対象者による掻把行動の結果を最小単位とすることができる。
【0015】
本開示の第5の態様は、第4の態様の睡眠評価方法であって、前記対象者の掻把情報は、一晩の前記対象者による掻把行動の結果を単位とした前記対象者による掻把行動の継続数又は出現頻度を含む。
【0016】
本開示の第5の態様によれば、対象者の掻把情報が、一晩の対象者による掻把行動の結果を単位とした対象者による掻把行動の継続数又は出現頻度を含むことができる。
【0017】
本開示の第6の態様は、第3の態様の睡眠評価方法であって、前記対象者の生体情報を更に取得し、前記外的情報は、前記対象者の生体情報、前記対象者の寝室環境情報、又は前記対象者の日中行動情報を含む。
【0018】
本開示の第6の態様によれば、外的情報が、対象者の生体情報、前記対象者の寝室環境情報、又は前記対象者の日中行動情報を含むことができる。
【0019】
本開示の第7の態様は、第6の態様の睡眠評価方法であって、前記対象者に対するケア内容を、前記対象者の生体情報、前記対象者の寝室環境情報、又は前記対象者の日中行動情報に含まれる睡眠不良を引き起こす因子ごとに設定された因子影響値又は前記因子に応じて設定された優先度を用いて算出した前記リスク値に基づいて決定する。
【0020】
本開示の第7の態様によれば、対象者に対するケア内容を、睡眠不良を引き起こす因子ごとに設定された因子影響値又は因子に応じて設定された優先度を用いて算出したリスク値に基づいて決定することができる。
【0021】
本開示の第8の態様は、第7の態様の睡眠評価方法であって、前記優先度は、医療対応の要否、前記対象者の自覚症状、介入負担、又は過去発生回数に応じて設定される。
【0022】
本開示の第8の態様によれば、優先度を、医療対応の要否、対象者の自覚症状、介入負担、又は過去発生回数に応じて設定することができる。
【0023】
本開示の第9の態様は、第2又は第3の態様の睡眠評価方法であって、算出した前記リスク値を提示する。
【0024】
本開示の第9の態様によれば、算出したリスク値を提示することができる。
【0025】
本開示の第10の態様は、第7の態様の睡眠評価方法であって、決定した前記対象者に対するケア内容を提示する。
【0026】
本開示の第10の態様によれば、決定した対象者に対するケア内容を提示することができる。
【0027】
本開示の第11の態様は、制御部を有する情報処理装置であって、前記制御部は、対象者の行動情報を取得し、前記行動情報に含まれる前記対象者の掻把情報に基づいて、前記対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行う情報処理装置である。
【0028】
本開示の第11の態様によれば、対象者の掻把情報に基づいて、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行い、対象者の将来的な睡眠不良状態の予防を支援する情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係る情報処理システムが行う処理の一例のフローチャートである。
図4】本実施形態に係る情報処理システムが行う処理の一例のフローチャートである。
図5】本実施形態に係る睡眠不良因子対応情報の一例の構成図である。
図6】ステップS40の処理の一例のフローチャートである。
図7】ステップS46の処理の一例のフローチャートである。
図8】ステップS46の処理の一例のフローチャートである。
図9】本実施形態に係る優先度判断情報の一例の構成図である。
図10】ステップS46の処理の一例のフローチャートである。
図11】ステップS48の処理の一例のフローチャートである。
図12】本実施形態に係る因子間関係情報の一例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態に記載された「又は」は「Aのみ、Bのみ」と「A及びB」との両方の意味を含むものとする。
【0031】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の一例の構成図である。図1の情報処理システム1は、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行う為のシステムの一例である。対象者は、ケアの介入を必要とする高齢者等である。情報処理システム1は、情報処理装置10、対応者用情報処理端末20、センサ30、カメラ40、マイク50、及び呼出装置60を有する。
【0032】
対応者用情報処理端末20は、対応者が操作する情報処理端末である。例えば情報処理システム1を介護施設で利用する場合、対応者は介護施設の職員等である。情報処理システム1を在宅介護で利用する場合、対応者は家族等である。対応者は、対応者用情報処理端末20を操作し、対象者の生体情報、行動情報、又は寝室環境情報を入力する。対応者用情報処理端末20は、入力された対象者の生体情報、行動情報、又は寝室環境情報を情報処理装置10に送信する。対象者の生体情報、行動情報、又は寝室環境情報の詳細は後述する。
【0033】
センサ30は、対象者の生体情報、行動情報、又は寝室環境情報を計測する。対象者の生体情報又は行動情報を計測するセンサ30は、例えば対象者が装着するウエアラブル端末に内蔵されている。ウエアラブル端末は、例えばスマートウオッチである。対象者が装着するウエアラブル端末に内蔵されているセンサ30は、対象者の体温、心拍数、又は呼吸数等の生体情報を計測する。また、対象者が装着するウエアラブル端末に内蔵されているセンサ30は、対象者の位置、移動速度、又は移動距離等の行動情報を計測する。対象者の寝室環境情報を計測するセンサ30は、例えば寝室に設置されている湿度センサ、温度センサ、又は照度センサである。センサ30は、計測した対象者の生体情報、行動情報、又は寝室環境情報を情報処理装置10に送信する。
【0034】
カメラ40は、対象者のいる環境を撮影する。例えばカメラ40は、対象者が日中にいる部屋又は睡眠を取る寝室など、対象者のいる環境に設置する。カメラ40が撮影した撮影データは、対象者の行動情報の一例として利用できる。カメラ40は、対象者の行動情報を情報処理装置10に送信する。
【0035】
マイク50は、対象者のいる環境で録音を行う。例えばマイク50は、対象者が日中にいる部屋又は睡眠を取る寝室など、対象者のいる環境に設置する。マイク50が録音した録音データは、対象者の行動情報又は寝室環境情報の一例として利用できる。マイク50は、対象者の行動情報又は寝室環境情報を情報処理装置10に送信する。
【0036】
呼出装置60は、対象者が対応者を呼び出す装置の一例であって、例えばナースコールシステムで対象者が対応者を呼び出す装置である。呼出装置60は、対象者が対応者を呼び出した履歴を、対象者の行動情報の一例として、情報処理装置10に送信する。
【0037】
図1の情報処理装置10、対応者用情報処理端末20、センサ30、カメラ40、マイク50、及び呼出装置60は、専用の通信回線又はインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続される。なお、図1の対応者用情報処理端末20、センサ30、カメラ40、マイク50、及び呼出装置60は一例であって、対応者用情報処理端末20、センサ30、カメラ40、マイク50、及び呼出装置60の一部が省略されてもよい。
【0038】
情報処理装置10は、対象者の生体情報、行動情報、及び寝室環境情報を受信し、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行い、後述するようなリスク値又はケア内容を提示する。例えば情報処理装置10は、後述するようなリスク値又はケア内容を、対応者用情報処理端末20に表示させる。
【0039】
情報処理装置10は、例えばPC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末等である。また、対応者用情報処理端末20は、PC、スマートフォン、タブレット端末等である。
【0040】
情報処理装置10は制御部12を有する。制御部12は、プログラムを実行するハード構成であって、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等である。例えば情報処理装置10はCPUがプログラムを実行することで、後述の各種処理を実行できる。
【0041】
図1の情報処理システム1の構成は一例である。例えば情報処理装置10は1台以上のコンピュータにより実現するようにしてもよい。また、情報処理装置10はクラウドコンピューティングのサービスとして実現するようにしてもよい。図1の情報処理システム1の構成は用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。
【0042】
<ハードウェア構成>
図1の情報処理装置10は、例えば図2に示したハードウェア構成のコンピュータ500により実現する。図2は、本実施形態に係るコンピュータ500の一例のハードウェア構成図である。
【0043】
コンピュータ500は、入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM(Random Access Memory)504、ROM(Read Only Memory)505、CPU506、通信I/F507、及びHDD(Hard Disk Drive)508などを備えており、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0044】
入力装置501は、ユーザが各種信号を入力するのに用いるタッチパネル、操作キーやボタン、キーボードやマウスなどである。表示装置502は、画面を表示する液晶や有機ELなどのディスプレイ、音声や音楽などの音データを出力するスピーカ等で構成されている。通信I/F507は、コンピュータ500がネットワークを介してデータ通信を行うためのインターフェースである。
【0045】
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSDなど)を利用するものであってもよい。
【0046】
外部I/F503は、外部装置とのインターフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SD(Secure Digital)メモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリなどがある。
【0047】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータ500の起動時に実行されるBIOS(Basic Input Output System)、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0048】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置であり、制御部12の一例である。
【0049】
<処理>
図1の情報処理システム1は、図3に示す手順で処理を行う。図3は、本実施形態に係る情報処理システム1が行う処理の一例のフローチャートである。
【0050】
ステップS10において、情報処理装置10の制御部12は、対応者用情報処理端末20、センサ30、カメラ40、マイク50、又は呼出装置60から対象者の行動情報を取得する。
【0051】
対象者の行動情報は、例えば掻把、排泄、日中行動、症状の訴え、又はナースコールの情報を含む。対象者の行動情報に含まれる対象者の掻把情報は、例えば夜間掻把の一晩の総量を算出できる情報を含む。対象者の掻把情報は、カメラ40が撮影した撮影データから解析した情報であってもよい。また、対象者の掻把情報は、マイク50が録音した録音データから解析した情報であってもよい。また、対象者の掻把情報は、センサ30が測定した対象者の手の動きから解析した情報であってもよい。
【0052】
ステップS12において、情報処理装置10の制御部12は、ステップS10で取得した行動情報に含まれる対象者の掻把情報を参照する。ステップS14において、情報処理装置10の制御部12は、対象者の掻把情報に基づき、対象者の夜間掻把の一晩の総量を算出する。
【0053】
ステップS16において、情報処理装置10の制御部12は、ステップS14で算出した対象者の夜間掻把の一晩の総量が規定値以上か否かを判定する。なお、ステップS16で使用する規定値は、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態である条件の一例である。
【0054】
対象者の夜間掻把の一晩の総量が規定値以上であった場合、情報処理装置10の制御部12はステップS18において、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態と評価する。対象者の夜間掻把の一晩の総量が規定値以上でなかった場合、情報処理装置10の制御部12はステップS20において、対象者が将来的に睡眠不良に至らない状態と評価する。
【0055】
なお、ステップS18又はS20で評価した結果の対応者への提示は、例えば情報処理装置10の表示装置502への表示出力、対応者用情報処理端末20の表示装置502への表示出力、又は対応者のメールアドレスへのメール送信などで行ってもよい。
【0056】
図3のフローチャートにおける対象者の夜間掻把の一晩の総量は、一晩の対象者による掻把行動の結果の最小単位の一例である。図3のフローチャートでは、対象者の夜間掻把の一晩の総量が規定値以上か否かを判定することで、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行う例を示したが、対象者の夜間掻把の一晩の総量が規定値以上となった日の継続日数(継続数)又は出現頻度により、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行ってもよい。
【0057】
また、図3のフローチャートでは、ステップS16で使用する規定値が一つの例を示したが、規定値を段階的に設けることで、対象者が将来的に睡眠不良に至る可能性(例えば割合又はレベルなど)をリスク値として算出することで、評価するようにしてもよい。
【0058】
このように、本実施形態に係る情報処理システム1では、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を、対象者の掻把情報に基づいて行うことができる。また、対象者をケアする対応者は、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態と評価された場合に、対象者が将来的に睡眠不良状態に至る可能性を早期に認知し、睡眠不良状態に至る前に適切な介入を行うことができる。
【0059】
したがって、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、対象者の将来的な睡眠不良状態の予防を支援できる。
【0060】
図1の情報処理システム1は、例えば図4に示す手順で処理を行ってもよい。図4は、本実施形態に係る情報処理システム1が行う処理の一例のフローチャートである。
【0061】
ステップS30において、情報処理装置10の制御部12は、対応者用情報処理端末20、センサ30、カメラ40、マイク50、又は呼出装置60から対象者の生体情報、行動情報、又は寝室環境情報を取得する。
【0062】
対象者の生体情報は、例えば対象者の体温、心拍数、又は呼吸数の情報を含む。対象者の行動情報は、例えば掻把、排泄、日中行動、症状の訴え、又はナースコールの情報を含む。掻把の情報は、図3と同様である。排泄の情報は、例えば最終排便後日数を判断できる情報又は夜間排尿回数を判断できる情報を含む。日中行動の情報は、例えば日中傾眠を判断できる情報、散歩時間を判断できる情報、又は入浴を判断できる情報を含む。
【0063】
対象者の寝室環境情報は、例えば対象者の寝室の温度、湿度、照度、又は騒音の情報を含む。寝室の温度の情報は、例えば夜間時間帯の室内温度を判断できる情報を含む。寝室の湿度の情報は、例えば湿度を判断できる情報を含む。寝室の照度の情報は、例えば夜間照度又は起床時照度を判断できる情報を含む。寝室の騒音の情報は、例えば騒音を判断できる情報を含む。
【0064】
ステップS32及びS34の処理は、図3のステップS12及びS14の処理と同様である。ステップS36において、情報処理装置10の制御部12は、ステップS34で算出した対象者の夜間掻把の一晩の総量が規定値以上か否かを判定する。
【0065】
対象者の夜間掻把の一晩の総量が規定値以上であった場合、情報処理装置10の制御部12はステップS38の処理を行う。また、対象者の夜間掻把の一晩の総量が規定値以上でなかった場合、情報処理装置10の制御部12はステップS44において、対象者が将来的に睡眠不良に至らない状態と評価する。
【0066】
ステップS38において、情報処理装置10の制御部12は、例えば図5に示すような睡眠不良因子対応情報を参照する。図5は、本実施形態に係る睡眠不良因子対応情報の一例の構成図である。睡眠不良因子対応情報は、ケアの介入を必要とする高齢者等の統計情報又は介護職等の判断結果を元に作成された、対象者の将来的な睡眠不良状態に影響を与える因子(睡眠不良状態に関連する因子)と、その因子が睡眠不良状態を引き起こす条件の一例である警告範囲と、を対応付ける。
【0067】
図5では、睡眠不良状態に関連する因子を、環境、排泄、掻把、又は日中行動のカテゴリに分類している。睡眠不良状態に関連する因子は、対応付けられた警告範囲に合致している場合に、睡眠不良の前駆状態が悪化して将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補である。例えば「騒音」の因子は、寝室の騒音が警告範囲「40dB以上」である場合に、将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補となることを表している。なお、図4の睡眠不良因子対応情報の因子影響値及びケア内容については後述する。
【0068】
ステップS40において、情報処理装置10の制御部12は、ステップS30で取得した対象者の生体情報、行動情報、又は寝室環境情報に含まれる因子のうち、夜間掻把以外の因子を外的情報として利用する。情報処理装置10の制御部12は、ステップS38で参照した図5の睡眠不良因子対応情報から対象者の将来的な睡眠不良状態を引き起こす外的情報の因子の候補を抽出する処理を行う。なお、ステップS30で取得した対象者の生体情報、行動情報、又は寝室環境情報の一部は使用しなくてもよい。
【0069】
ステップS42において、情報処理装置10の制御部12は、対象者の将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補の抽出があったか否かを判定する。対象者の将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補の抽出があった場合、情報処理装置10の制御部12はステップS46において、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態と評価する。対象者の将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補の抽出が無かった場合、情報処理装置10の制御部12はステップS44において、対象者が将来的に睡眠不良に至らない状態と評価する。
【0070】
なお、ステップS44又はS46で評価した結果の対応者への提示は、例えば情報処理装置10の表示装置502への表示出力、対応者用情報処理端末20の表示装置502への表示出力、又は対応者のメールアドレスへのメール送信などで行ってもよい。
【0071】
ステップS40の処理は、例えば図6に示す手順で行われる。図6は、ステップS40の処理の一例のフローチャートである。ここでは、ステップS30で取得した対象者の行動情報又は寝室環境情報のうち、対象者の掻把情報以外の情報を外的情報として使用する例を説明する。
【0072】
ステップS50において、情報処理装置10の制御部12は、ステップS30で取得した対象者の行動情報又は寝室環境情報に含まれる外的情報の因子を取得する。
【0073】
ステップS52において、情報処理装置10の制御部12は、ステップS30で取得した対象者の行動情報又は寝室環境情報に含まれる外的情報の因子のうち、図5の睡眠不良因子対応情報の警告範囲に合致する因子を選択する。
【0074】
ステップS54において、情報処理装置10の制御部12は、ステップS52で選択した警告範囲に合致する因子を、対象者の将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補として抽出する。なお、外的情報は対象者の生体情報を外的情報として使用してもよい。
【0075】
このように、本実施形態に係る情報処理システム1では、夜間掻把及び外的情報の因子が対象者の将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補として抽出された場合に、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態と評価することができる。また、対象者をケアする対応者は、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態と評価された場合に、対象者が将来的に睡眠不良状態に至る可能性を早期に認知し、睡眠不良状態に至る前に適切な介入を行うことができる。
【0076】
したがって、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、対象者の将来的な睡眠不良状態の予防を支援できる。
【0077】
ステップS46の処理は、例えば図7に示す手順で行ってもよい。図7は、ステップS46の処理の一例のフローチャートである。図7のフローチャートは、図5の睡眠不良因子対応情報に含まれる因子影響値に基づき、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として提示する例である。
【0078】
ステップS60において、情報処理装置10の制御部12は、夜間掻把の因子の因子影響値と、ステップS40で抽出された因子の候補の因子影響値とを、図5の睡眠不良因子対応情報から取得する。図5の因子影響値は、対象者の将来的な睡眠不良状態に影響を与える因子ごとに設定されており、対象者の将来的な睡眠不良状態に対する影響度を表している。因子影響値は、因子の統計的な相関、対応者の経験、対象者の属性、又は対象者の状態などを考慮して設定される。また、因子影響値は本実施形態に係る情報処理システム1の運用結果によって都度更新してもよい。
【0079】
ステップS62において、情報処理装置10の制御部12は、ステップS60で取得した因子影響値に基づき、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として提示する。例えば情報処理装置10の制御部12は、ステップS60で取得した因子影響値から算出した値を、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性のリスク値として提示する。
【0080】
ステップS46の処理は、例えば図8に示す手順で行ってもよい。図8は、ステップS46の処理の一例のフローチャートである。図8のフローチャートは、図9の優先度判断情報に含まれる優先度に基づき、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として提示する例である。
【0081】
ステップS70において、情報処理装置10の制御部12は、ステップS46で抽出された対象者の将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補の優先度を、図9の優先度判断情報から取得する。
【0082】
図9は、本実施形態に係る優先度判断情報の一例の構成図である。図9の優先度判断情報は、優先度検討要件により分類された因子ごとに優先度が設定されており、優先すべき因子を表している。
【0083】
優先度検討要件には、例えばバイタル異常(医師連絡)、自覚症状、介入負担、及び過去発生回数が設定されている。また、バイタル異常(医師連絡)の因子には、体温、呼吸数、及び心拍数が設定されている。自覚症状の因子には、本人の訴え及びナースコールが設定されている。介入負担の因子には、当日対応不可内容、機器の導入、及び費用負担増が設定されている。過去発生回数の因子には、初回及び週内に頻回が設定されている。
【0084】
例えば対象者の訴えのあった因子は、優先度が「+3」である。また、費用負担増の因子は優先度が「-2」となる。
【0085】
優先度は、因子の統計的な相関、対応者の経験、対象者の属性、又は対象者の状態などを考慮して設定される。また、優先度は本実施形態に係る情報処理システム1の運用結果によって都度更新してもよい。
【0086】
ステップS72において、情報処理装置10の制御部12は、ステップS70で取得した優先度に基づき、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として提示する。例えば情報処理装置10の制御部12は、ステップS70で取得した優先度から算出した値を、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性のリスク値として提示する。
【0087】
ステップS46の処理は、例えば図5の因子影響値及び図9の優先度に基づき、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として提示してもよい。例えば図5の因子影響値及び図9の優先度に基づき、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として提示する場合、情報処理装置10の制御部12は、ステップS46で抽出された対象者の将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補の因子影響値を図5の睡眠不良因子対応情報から取得する。情報処理装置10の制御部12は、ステップS46で抽出された対象者の将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補の優先度を、図9の優先度判断情報から取得する。情報処理装置10の制御部12は、取得した因子影響値及び優先度を加算した値に基づいて、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として提示する。
【0088】
図1の情報処理システム1は、ステップS46の処理を、例えば図10に示す手順で行ってもよい。図10は、ステップS46の処理の一例のフローチャートである。図10のフローチャートは、図5の睡眠不良因子対応情報に含まれる因子影響値及び図9の優先度判断情報を用いて、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として算出し、算出したリスク値に基づいて対象者に対するケア内容を決定して提示する例である。
【0089】
ステップS80において、情報処理装置10の制御部12は、夜間掻把の因子の因子影響値と、ステップS40で抽出された因子の候補の因子影響値及び優先度とを、図5の睡眠不良因子対応情報又は図9の優先度判断情報から取得する。
【0090】
ステップS82において、情報処理装置10の制御部12は、ステップS80で取得した因子影響値及び優先度に基づいて算出したリスク値に基づいて、図5の睡眠不良因子対応情報から対象者に対するケア内容を決定し、提示する。
【0091】
図5のケア内容は、睡眠不良状態に至る前に適切な介入を行う為のケア内容が、因子の候補ごとに設定されたものである。ステップS82におけるケア内容の提示は、例えば情報処理装置10の表示装置502への表示出力、対応者用情報処理端末20の表示装置502への表示出力、又は対応者のメールアドレスへのメール送信などで行う。
【0092】
このように、本実施形態に係る情報処理システム1では、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態と評価した場合に、対象者に対するケア内容を対応者に提示できる。対象者をケアする対応者は、対象者の将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補と対応付けられたケア内容の提示により、睡眠不良状態に至る前に適切な介入を行うことができる。
【0093】
したがって、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、対象者の将来的な睡眠不良状態の予防を支援できる。なお、本実施形態に係る情報処理システム1は、リスク値の提示を行ったあとで、ケア内容の提示を行うようにしてもよいし、リスク値及びケア内容の提示を同時に行うようにしてもよい。
【0094】
ステップS48の処理は、例えば図11の手順で行ってもよい。図11は、ステップS48の処理の一例のフローチャートである。ステップS120において、情報処理装置10の制御部12は、ステップS40で抽出された対象者の将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補が、単数か複数かを判定する。
【0095】
ステップS40で抽出された対象者の将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補が単数であれば、情報処理装置10の制御部12はステップS126の処理に進む。情報処理装置10の制御部12は、ステップS40で抽出された因子の候補に設定されているケア内容を、図5の睡眠不良因子対応情報から取得し、提示する。
【0096】
ステップS40で抽出された対象者の将来的な睡眠不良状態を引き起こす因子の候補が単数であれば、情報処理装置10の制御部12はステップS122の処理に進む。情報処理装置10の制御部12は、図12の因子間関係情報を参照する。図12は、本実施形態に係る因子間関係情報の一例の構成図である。
【0097】
因子間関係情報は、対象者の将来的な睡眠不良状態に影響を与える因子の候補の組み合わせに対して、ケア内容が設定されている。例えば図12の因子間関係情報は、因子の候補「日中傾眠」及び「起床時照度」の組み合わせと、ケア内容「午前中の日光浴」とが対応付けられて設定されている。図11の因子間関係情報は、因子の統計的な相関、対応者の経験、対象者の属性、又は対象者の状態などを考慮して設定される。また、因子間関係情報は本実施形態に係る情報処理システム1の運用結果によって都度更新してもよい。
【0098】
ステップS124において、情報処理装置10の制御部12は、ステップS40で抽出された複数の因子の候補の組み合わせが図12の因子間関係情報に含まれるか否かを判定する。ステップS40で抽出された複数の因子の候補の組み合わせが図12の因子間関係情報に含まれていなければ、情報処理装置10の制御部12はステップS126の処理に進む。情報処理装置10の制御部12は、ステップS40で抽出された複数の因子の候補に設定されているケア内容を、図5の睡眠不良因子対応情報から取得し、提示する。
【0099】
ステップS40で抽出された複数の因子の候補の組み合わせが図12の因子間関係情報に含まれていれば、情報処理装置10の制御部12はステップS128の処理に進む。情報処理装置10の制御部12は、ステップS40で抽出された複数の因子の候補の組み合わせに設定されているケア内容を抽出し、提示する。
【0100】
なお、本実施形態に係る情報処理システム1は、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価の結果を提示したあとで、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性の提示又は対象者に対するケア内容の提示を行うようにしてもよい。
【0101】
[作用]
本実施形態は、制御部12を有する情報処理装置10の制御部12が実行する睡眠評価方法であって、対象者の行動情報を取得し、行動情報に含まれる対象者の掻把情報に基づいて、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行う睡眠評価方法である。
【0102】
本実施形態によれば、行動情報に含まれる対象者の掻把情報に基づいて、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行うことで、対象者が将来的に睡眠不良に至る可能性を対応者に認知させ、睡眠不良に至る前に適切な介入を行わせることが可能であり、対象者の将来的な睡眠不良状態の予防を支援する睡眠評価方法を提供することができる。
【0103】
また、本実施形態では、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価は、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として算出することで行う。
【0104】
本実施形態によれば、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として算出することができる。
【0105】
また、本実施形態では、対象者の寝室環境情報を更に取得し、行動情報に含まれる対象者の掻把情報以外の情報又は寝室環境情報に含まれる情報を外的情報とし、対象者の掻把情報及び外的情報に基づいて、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行う。
【0106】
本実施形態によれば、対象者の掻把情報及び外的情報に基づいて、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行うことで、対象者が将来的に睡眠不良に至る可能性を対応者に認知させ、睡眠不良に至る前に適切な介入を行わせることが可能であり、対象者の将来的な睡眠不良状態の予防を支援する睡眠評価方法を提供することができる。
【0107】
また、本実施形態では、対象者の掻把情報は、一晩の対象者による掻把行動の結果を最小単位とする。
【0108】
本実施形態によれば、対象者の掻把情報の最小単位を、一晩の対象者による掻把行動の結果とすることができる。
【0109】
また、本実施形態では、対象者の掻把情報は、一晩の対象者による掻把行動の結果を単位とした対象者による掻把行動の継続数又は出現頻度を含む。
【0110】
本実施形態によれば、対象者の掻把情報が、一晩の対象者による掻把行動の結果を単位とした対象者による掻把行動の継続数又は出現頻度を含むことができる。
【0111】
また、本実施形態では、対象者の生体情報を更に取得し、外的情報は、対象者の生体情報、対象者の寝室環境情報、又は対象者の日中行動情報を含む。
【0112】
本実施形態によれば、外的情報が、対象者の生体情報、対象者の寝室環境情報、又は対象者の日中行動情報を含むことができる。
【0113】
また、本実施形態では、対象者に対するケア内容を、対象者の生体情報、対象者の寝室環境情報、又は対象者の日中行動情報に含まれる睡眠不良を引き起こす因子ごとに設定された因子影響値又は因子に応じて設定された優先度を用いて算出したリスク値に基づいて決定する。
【0114】
本実施形態によれば、対象者に対するケア内容を、睡眠不良を引き起こす因子ごとに設定された因子影響値又は因子に応じて設定された優先度を用いて算出したリスク値に基づいて決定することができる。
【0115】
また、本実施形態では、優先度は、医療対応の要否、対象者の自覚症状、介入負担、又は過去発生回数に応じて設定される。
【0116】
本実施形態によれば、優先度を、医療対応の要否、対象者の自覚症状、介入負担、又は過去発生回数に応じて設定することができる。
【0117】
また、本実施形態は、算出したリスク値を提示する。
【0118】
本実施形態によれば、対象者の睡眠の状態が当日以降に不眠に至る可能性をリスク値として提示することができる。
【0119】
また、本実施形態によれば、決定した対象者に対するケア内容を提示する。
【0120】
本実施形態によれば、決定した対象者に対するケア内容を提示することができる。
【0121】
また、本実施形態は、制御部12を有する情報処理装置10であって、制御部12は、対象者の行動情報を取得し、行動情報に含まれる対象者の掻把情報に基づいて、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行う情報処理装置10である。
【0122】
本実施形態によれば、行動情報に含まれる対象者の掻把情報に基づいて、対象者が将来的に睡眠不良に至る状態かの評価を行うことで、対象者が将来的に睡眠不良に至る可能性を対応者に認知させ、睡眠不良に至る前に適切な介入を行わせることが可能であり、対象者の将来的な睡眠不良状態の予防を支援する情報処理装置10を提供することができる。
【0123】
以上、本実施形態について説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0124】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
12 制御部
30 センサ
40 カメラ
50 マイク
60 呼出装置
506 CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12