(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141827
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】照明装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20241003BHJP
G02F 1/1334 20060101ALI20241003BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241003BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241003BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02F1/1334
F21S2/00 456
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053674
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 良典
(72)【発明者】
【氏名】大野 圭太
【テーマコード(参考)】
2H189
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H189AA04
2H189LA02
2H189LA05
2H189LA07
2H189LA10
2H189LA20
2H189LA22
2H189NA09
2H391AA23
2H391AB05
2H391AB24
2H391AC05
2H391AC07
2H391AC32
2H391AC54
2H391AD08
2H391CA10
2H391FA02
3K244AA01
3K244BA12
3K244BA48
3K244CA05
3K244DA01
3K244DA17
3K244EA02
3K244EA12
3K244EB02
(57)【要約】
【課題】 表示品位を向上させることが可能な照明装置および表示装置を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係る照明装置は、表示パネルに向けて光を照射する照明装置であって、前記表示パネルと対向する第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、前記第1主面と前記第2主面とを接続する第1側面と、を有する透明基板と、前記第1側面に向けて光を照射する光源と、を備え、前記第1側面は、前記第1主面から前記第2主面に向かう厚さ方向と交差する第1交差面を含んでいる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルに向けて光を照射する照明装置であって、
前記表示パネルと対向する第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、前記第1主面と前記第2主面とを接続する第1側面と、を有する透明基板と、
前記第1側面に向けて光を照射する光源と、を備え、
前記第1側面は、前記第1主面から前記第2主面に向かう厚さ方向と交差する第1交差面を含んでいる、
照明装置。
【請求項2】
前記第1交差面は、前記厚さ方向に対して傾斜する平面である、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記厚さ方向と前記第1交差面とがなす鋭角の角度は、80度以下である、
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1交差面は、前記第1主面と接続され、
前記第1側面は、前記第2主面と接続され、前記厚さ方向と交差する第2交差面をさらに含んでいる、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1交差面は、前記厚さ方向に対して傾斜する平面であり、
前記第2交差面は、前記第1交差面と異なる方向に傾斜する平面である、
請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記厚さ方向と前記第1交差面とがなす鋭角の角度は、80度以下であり、
前記厚さ方向と前記第2交差面とがなす鋭角の角度は、80度以下である、
請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記透明基板は、ガラス基板である、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
液晶層を有する表示パネルと、
前記表示パネルに重ねられた、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の照明装置と、を備える、
表示装置。
【請求項9】
前記表示パネルは、前記第1主面と対向する第3主面と、前記光源から光が照射されるとともに、前記第3主面と接続された第2側面と、を有し、
前記第1交差面は、前記第1主面と接続され、
前記第2側面は、前記厚さ方向において、前記第1交差面と対向する第3交差面を含んでいる、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第3交差面は、前記厚さ方向に対して傾斜する平面である、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示パネルは、前記第1主面と対向する第3主面と、前記光源から光が照射されるとともに、前記第3主面と接続された第2側面と、を有し、
前記第1交差面は、前記第1主面と接続され、前記厚さ方向に対して傾斜する平面であり、
前記第2側面は、前記厚さ方向に対して傾斜するとともに、前記第1交差面と同一平面上に位置している平面である、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項12】
前記液晶層は、印加される電圧に応じて、入射した光を透過させる状態と散乱させる状態とを切り替え可能な高分子分散液晶層である、
請求項8に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高分子分散液晶層(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)を有する表示パネル、および光源などを備えた表示装置が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。高分子分散液晶層は、光を散乱する散乱状態と光を透過する透明状態とを切り替えることできる。表示パネルを散乱状態に切り替えることで、表示装置は画像を表示することが可能となる。一方、表示パネルを透明状態に切り替えることで、ユーザは、表示パネルを透かして背景を視認することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-101684号公報
【特許文献2】特開2020-112738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、表示品位を向上させることが可能な照明装置および表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る照明装置は、表示パネルに向けて光を照射する照明装置であって、前記表示パネルと対向する第1主面と、前記第1主面と反対側の第2主面と、前記第1主面と前記第2主面とを接続する第1側面と、を有する透明基板と、前記第1側面に向けて光を照射する光源と、を備え、前記第1側面は、前記第1主面から前記第2主面に向かう厚さ方向と交差する第1交差面を含んでいる。
【0006】
一実施形態に係る表示装置は、液晶層を有する表示パネルと、前記表示パネルに重ねられた、前記照明装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、表示装置の一構成例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す表示パネルの一構成例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る表示装置の主要部を示す分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す表示装置の一構成例を模式的に示す断面図である。
【
図6】
図6は、比較例に係る表示装置を模式的に示す断面図である。
【
図7】
図7は、シミュレーション結果を示す図である。
【
図8】
図8は、シミュレーション結果を示す図である。
【
図9】
図9は、シミュレーション結果を示す図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態に係る表示装置の他の例を模式的に示す断面図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図である。
【
図19】
図19は、第4実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図である。
【
図20】
図20は、第5実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図である。
【
図24】
図24は、第6実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図である。
【
図28】
図28は、第7実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の各実施形態につき、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0009】
各図において、連続して配置される同一または類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0010】
各実施形態においては、各図に示すように第1方向X、第2方向Y、および第3方向Zを定義する。第1方向X、第2方向Y、および第3方向Zは互いに直交するが、90°以外の角度で交差してもよい。以下、第1方向Xおよび第2方向Yで規定されるX-Y平面を見ることを平面視と称する。
【0011】
各実施形態においては、表示装置の一例として、高分子分散型液晶を適用した、背景を視認可能な液晶表示装置を開示する。なお、各実施形態は、他種の表示装置に対する、各実施形態にて開示される個々の技術的思想の適用を妨げるものではない。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。表示装置DSPは、高分子分散液晶層(以下、単に液晶層LCと称する)を有する表示パネルPNLと、配線基板1と、ICチップ2と、を備えている。
【0013】
表示パネルPNLは、アレイ基板ARと、アレイ基板ARと対向する対向基板CTと、液晶層LCと、シールSEと、を有している。アレイ基板ARおよび対向基板CTは、X-Y平面と平行な平板状に形成されている。アレイ基板ARおよび対向基板CTは、平面視で、重なっている。アレイ基板ARおよび対向基板CTは、シールSEによって接着されている。
【0014】
液晶層LCは、アレイ基板ARと対向基板CTとの間に配置され、シールSEによって封止されている。
図1においては、液晶層LCにドットを付し、シールSEに斜線を付している。
【0015】
図1において拡大して模式的に示すように、液晶層LCは、ポリマー31と、液晶分子32と、を含んでいる。一例では、ポリマー31は、液晶性ポリマーである。ポリマー31は、第2方向Yに沿って延出した筋状に形成され、第1方向Xに並んでいる。
【0016】
液晶分子32は、ポリマー31の隙間に分散され、その長軸が第2方向Yに沿うように配向される。ポリマー31および液晶分子32の各々は、光学異方性あるいは屈折率異方性を有している。ポリマー31の電界に対する応答性は、液晶分子32の電界に対する応答性よりも低い。
【0017】
一例では、ポリマー31の配向方向は、電界の有無にかかわらずほとんど変化しない。一方、液晶分子32の配向方向は、液晶層LCにしきい値以上の高い電圧が印加された状態では、電界に応じて変化する。
【0018】
例えば、液晶層LCに電圧が印加されていない状態では、ポリマー31および液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに平行であり、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内でほとんど散乱されることなく透過する(透明状態)。
【0019】
液晶層LCに電圧が印加された状態では、ポリマー31および液晶分子32のそれぞれの光軸は互いに交差し、液晶層LCに入射した光は、液晶層LC内で散乱される(散乱状態)。すなわち、液晶層LCは、印加される電圧に応じて、透明状態と散乱状態とを切り替え可能である。
【0020】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAを囲む周辺の周辺領域PAと、を有している。シールSEは、周辺領域PAに位置している。表示領域DAは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配列された画素PXを含んでいる。
【0021】
図1において拡大して示すように、各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LCなどを備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線Gおよび信号線Sと電気的に接続されている。
【0022】
走査線Gは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。
【0023】
画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。共通電極CEは、複数の画素電極PEに対して共通に設けられている。液晶層LC(特に、液晶分子32)は、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって駆動される。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極との間、および、画素電極PEと同電位の電極との間に形成される。
【0024】
図2において説明するが、走査線G、信号線S、スイッチング素子SW、および画素電極PEはアレイ基板ARに設けられ、共通電極CEは対向基板CTに設けられている。アレイ基板ARにおいて、走査線Gおよび信号線Sは、配線基板1あるいはICチップ2と電気的に接続されている。
【0025】
アレイ基板ARは、第1方向Xに延びる一対の側面E11,E12と、第2方向Yに延びる一対の側面E13,E14と、を有している。
図1に示す例では、一対の側面E11,E12は表示パネルPNLの長辺に沿って形成された側面であり、一対の側面E13,E14は表示パネルPNLの短辺に沿って形成された側面である。
【0026】
対向基板CTは、第1方向Xに延びる一対の側面E21,E22と、第2方向Yに延びる一対の側面E23,E24と、を有している。
図1に示す例では、一対の側面E21,E22は長辺に沿って形成された側面であり、一対の側面E23,E24は短辺に沿って形成された側面である。
【0027】
図1に示す例においては、平面視で、側面E11は側面E21と重なっているが、重ならなくてもよい。
図1に示す例においては、平面視で、側面E12は側面E22と重なっているが、重ならなくてもよい。
図1に示す例においては、平面視で、側面E14は側面E24と重なっているが、重ならなくてもよい。
【0028】
アレイ基板ARは、対向基板CTの側面E23よりも延出した延出部Ex11を有している。他の観点からは、延出部Ex11は、対向基板CTと重なっていない。延出部Ex11は、側面E13と側面E23との間に位置している。配線基板1およびICチップ2は、延出部Ex11に実装されている。
【0029】
配線基板1は、例えば折り曲げ可能なフレキシブルプリント回路基板である。ICチップ2は、例えば、画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバなどを内蔵している。なお、ICチップ2は、配線基板1に実装されてもよい。
【0030】
図1に示す例では、表示装置DSPは単一の配線基板1を備えているが、複数の配線基板を備えてもよい。表示装置DSPは単一のICチップ2を備えているが、複数のICチップを備えてもよい。
【0031】
図2は、
図1に示す表示パネルPNLの一構成例を示す断面図である。アレイ基板ARは、透明基板10と、絶縁膜11,12と、容量電極13と、スイッチング素子SWと、画素電極PEと、配向膜AL1と、を有している。透明基板10は、主面10Aと、主面10Aと反対側の主面10Bと、を有している。主面10Aおよび主面10Bは、一対の側面E11,E12(
図1に示す)および一対の側面E13,E14(
図1に示す)によって接続されている。
【0032】
スイッチング素子SWは、主面10Bに設けられている。絶縁膜11は、主面10Bに設けられ、スイッチング素子SWを覆っている。なお、
図1を用いて説明した走査線Gおよび信号線Sは、透明基板10と絶縁膜11との間に設けられているが、ここでは図示を省略している。容量電極13は、絶縁膜11と絶縁膜12との間に設けられている。
【0033】
画素電極PEは、絶縁膜12と配向膜AL1との間において、画素PX毎に設けられている。他の観点からは、容量電極13は、透明基板10と画素電極PEとの間に設けられている。
【0034】
画素電極PEは、容量電極13の開口部OPを介してスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、絶縁膜12を挟んで、容量電極13と重なり、画素PXの容量CSを形成している。配向膜AL1は、画素電極PEを覆っている。
【0035】
対向基板CTは、透明基板20と、共通電極CEと、配向膜AL2と、を有している。透明基板20は、主面20Aと、主面20Aと反対側の主面20B(第3主面)と、を有している。透明基板20の主面20Aは、透明基板10の主面10Bと対向している。主面20Aおよび主面20Bは、一対の側面E21,E22(
図1に示す)および一対の側面E23,E24(
図1に示す)によって接続されている。
【0036】
共通電極CEは、主面20Aに設けられている。配向膜AL2は、共通電極CEを覆っている。液晶層LCは、主面10Bと主面20Aとの間に位置し、配向膜AL1および配向膜AL2と接している。
【0037】
なお、対向基板CTにおいて、スイッチング素子SW、走査線G、および信号線Sの直上にそれぞれ遮光層が設けられてもよい。透明基板20と共通電極CEとの間、あるいは、共通電極CEと配向膜AL2との間に、透明な絶縁膜が設けられてもよい。
【0038】
共通電極CEは、複数の画素PXにわたって配置され、複数の画素電極PEと対向している。共通電極CEは、容量電極13とは同電位である。液晶層LCは、画素電極PEと共通電極CEとの間に位置している。
【0039】
透明基板10,20は、例えばガラス基板であるが、プラスチック基板などの絶縁基板であってもよい。主面10A,10B、および主面20A,20Bは、X-Y平面と実質的に平行な面である。ここで、実質的に平行とは、設計思想としての平行を意味し、理想的な平行を製造上実現することが難しいため製造プロセスにより生じる角度のばらつきを含むことを意味するものである。
【0040】
絶縁膜11は、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの透明な無機絶縁膜、およびアクリル樹脂などの透明な有機絶縁膜を含んでいる。絶縁膜12は、例えばシリコン窒化物などの透明な無機絶縁膜である。容量電極13、画素電極PE、および共通電極CEは、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。
【0041】
配向膜AL1,AL2は、X-Y平面にほぼ平行な配向規制力を有する水平配向膜である。一例では、配向膜AL1,AL2は、第2方向Yに沿って配向処理されている。なお、配向処理とは、ラビング処理であってもよいし、光配向処理であってもよい。
【0042】
図3は、本実施形態に係る表示装置DSPの主要部を示す分解斜視図である。
図3においては、配線基板1などを一部省略している。
図1を用いて説明したように、表示装置DSPは、表示パネルPNLを備えている。
【0043】
表示装置DSPは、表示パネルPNLに向けて光を照射する照明装置100と、透明基板40と、をさらに備えている。照明装置100は、透明基板30と、複数の光源LSと、レンズLNと、を備えている。
【0044】
透明基板30は、表示パネルPNLに重ねられている。透明基板30は、平面視で、略長方形状である。透明基板30の大きさは、例えば、平面視で、透明基板20の大きさとほぼ等しい。透明基板30は、主面30A(第1主面)と、主面30Aと反対側の主面30B(第2主面)と、主面30Aと主面30Bとを接続する側面30C(第1側面)と、側面30Cと反対側の側面30Dと、を有している。側面30C,30Dは、第2方向Yに延びる側面である。
【0045】
主面30A,30Bは、X-Y平面と実質的に平行な面である。主面30Aは、透明基板20の主面20Bと対向している。主面30Aから主面30Bに向かう方向は、第3方向Zに相当する。本実施形態において、第3方向Zは、厚さ方向に相当する。
【0046】
側面30Dは、第2方向Yおよび第3方向Zで規定されるY-Z平面と実質的に平行な面である。側面30C以外の側面30Dを含む側面は、鏡面加工されている。これにより、側面30C以外の側面30Dを含む側面からの光の出射が抑制されている。
【0047】
透明基板40は、第3方向Zにおいて、透明基板30と反対側から表示パネルPNLと重なっている。透明基板40、アレイ基板AR、対向基板CT、および透明基板30は、この順で第3方向Zに沿って並んでいる。透明基板30,40は、第3方向Zにおいて、延出部Ex11と重なっていない。
【0048】
透明基板40は、平面視で、略長方形状である。透明基板40は、主面40Aと、主面40Aと反対側の主面40Bと、主面40Aと主面40Bとを接続する側面40Cと、側面40Cと反対側の側面40Dと、を有している。側面40C,40Dは、第2方向Yに延びる側面である。
【0049】
主面40A,40Bは、X-Y平面と実質的に平行な面である。主面40Bは、透明基板10の主面10Aと対向している。側面40C,40Dは、Y-Z平面と実質的に平行な面である。
【0050】
透明基板30,40は、例えばガラス基板であるが、プラスチック基板などの絶縁基板であってもよい。
図3に示す例において、透明基板30の大きさは、平面視で、透明基板40の大きさよりも大きい。透明基板30の大きさは、平面視で、透明基板40の大きさよりも小さくてもよいし、等しくてもよい。
【0051】
図3に示す例において、複数の光源LSおよびレンズLNは、平面視で、延出部Ex11と重なっている。複数の光源LSは、第2方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。光源LSには、赤色LED、緑色LED、青色LEDのLEDが連続的に並んでいる。光源LSはそれぞれ異なる3色のLEDが連続的に並ぶ配置に限らず、例えば白色光を出射する白色光源のみが連続的に並ぶものであってもよい。
【0052】
レンズLN(例えば、プリズムレンズ)は、透明な棒状に形成され、第2方向Yに延びている。レンズLNは、例えば樹脂製である。レンズLNは、例えば、複数の光源LSに対応する複数の曲面を有している。
【0053】
レンズLNは、複数のレンズから構成されてもよい。なお、光源LSの個数およびレンズLNの個数は、図示した例に限られない。複数の光源LSから光が照射される側面30Cは入光側と呼ばれ、側面30Cと反対側の側面30Dは反入光側と呼ばれる場合がある。
【0054】
表示装置DSPは、配線基板Fをさらに備えている。複数の光源LSは、配線基板Fに実装されている。配線基板Fは、例えば、プリント回路基板であり、
図1に示した配線基板1よりも剛性が高い。複数の光源LSおよびレンズLNは、第3方向Zにおいて、延出部Ex11と配線基板Fとの間に設けられている。
【0055】
図4は、
図3に示す表示装置DSPの一構成例を模式的に示す断面図である。
図5は、
図4に示されたV部を示す部分拡大図である。
図4においては、配線基板1、ICチップ2などを省略している。なお、表示パネルPNLについては、主要部のみを簡略化して図示している。
図4および
図5は、表示装置DSPを第2方向Yと反対の方向に見ている。
【0056】
図3を用いて説明したように、表示装置DSPは、表示パネルPNLおよび照明装置100を備えている。表示装置DSPは、接着層AD1と、接着層AD2と、をさらに備えている。第3方向Zにおいて、接着層AD1は表示パネルPNLと透明基板30との間に位置し、接着層AD2は表示パネルPNLと透明基板40との間に位置している。
【0057】
接着層AD1は、透明基板30と表示パネルPNLとを接着している。他の観点からは、接着層AD1は、透明基板30の主面30A、および透明基板20の主面20Bと接している。接着層AD2は、表示パネルPNLと透明基板40とを接着している。他の観点からは、接着層AD2は、透明基板10の主面10A、および透明基板40の主面40Bと接している。
【0058】
接着層AD1,AD2は透明であり、例えば、Optical Clear Adhesive(OCA)で形成されている。接着層AD1,AD2は、Optical Clear Resin(OCR)で形成されてもよい。
【0059】
透明基板10,20、接着層AD1,AD2、および透明基板30,40の各々の屈折率は、同等である。なお、ここでの「同等」とは、屈折率の差がゼロの場合に限らず、屈折率差が0.05以下の場合を含む。一例では、透明基板10,20,30,40の各々の屈折率は1.51であり、接着層AD1,AD2の屈折率は1.474である。
【0060】
表示装置DSPは、反射材RM1をさらに備えている。反射材RM1は、第1方向Xにおいて、複数の光源LSと反対側に位置している。反射材RM1は、第3方向Zに沿って、側面40Dから側面30Dにわたって、設けられている。反射材RM1は、第2方向Yに沿って設けられている。反射材RM1は、例えば、銀などの光反射性を有する金属材料によって形成される。反射材RM1は、例えば、反射テープである。
【0061】
表示装置DSPは、接着層AD3と、接着層AD4と、をさらに備えている。接着層AD3は、レンズLNと配線基板Fとを接着している。接着層AD4は、レンズLNと透明基板10とを接着している。接着層AD1,AD2は、例えば、両面テープである。
【0062】
図4に示す例において、接着層AD4と延出部Ex11との間には、反射材RM2が設けられている。反射材RM2は、例えば、銀などの光反射性を有する金属材料によって形成される。なお、反射材RM2は遮光部材でもよい。
【0063】
レンズLNから照射された光のうち、透明基板10に向かう光は、反射材RM2によって反射され、透明基板10には届かない。これにより、光源LSから照射された光の損失が抑制されている。
【0064】
光源LSは、第1方向Xにおいて、レンズLNを挟んで、側面E23および側面30Cと対向している。他の観点からは、レンズLNは、第1方向Xにおいて、透明基板30と光源LSとの間、および透明基板20と光源LSとの間に位置している。
【0065】
レンズLNの側面LN1は、側面E23および側面30Cと対向している。光源LSは、側面E23および側面30Cに向けて光を照射する。光源LSから出射される光は、第1方向Xを示す矢印の向きに沿って進行する。
【0066】
図4に示す例において、第3方向Zにおいて、側面30Dは側面E24の直上に位置している。第3方向Zにおいて、側面40Cは、側面E23とずれているが、側面E23の直下に位置してもよい。第3方向Zにおいて、側面40Dは、側面30Dの直下に位置しているが、ずれてもよい。
【0067】
続いて、
図5を用いて透明基板30の側面30Cについて、説明する。
側面30Cは、第3方向Zと交差する交差面51,52と、第3方向Zと平行な平行面53と、を有している。本実施形態においては、交差面51は第1交差面に相当し、交差面52は第2交差面に相当する。
【0068】
光源LSから照射された光は、交差面51,52、および平行面53から透明基板30に入射する。交差面51は主面30Aと接続され、交差面52は主面30Bと接続され、平行面53は交差面51と交差面52とに接続されている。
【0069】
本実施形態においては、交差面51,52は、第3方向Zに対して傾斜する平面である。他の観点からは、交差面51,52は、Y-Z平面に対して傾斜する平面である。平行面53は、第3方向Zにおいて、側面E23の直上に位置している。
【0070】
透明基板30は、交差面51と主面30Aとが接続された辺54と、交差面52と主面30Bとが接続された辺55と、交差面51と平行面53とが接続された辺56と、交差面52と平行面53とが接続された辺57と、をさらに有している。
図5に示す例において、辺56は辺54よりもレンズLN側に位置し、辺57は辺55よりもレンズLN側に位置している。
【0071】
例えば、交差面51,52は、第1方向Xに沿って、互いに離れるように傾斜している。他の観点からは、第3方向Zに沿う交差面51と交差面52との距離は、第1方向Xに沿って、一定の割合で大きくなっている。交差面52は、第3方向Zに対して交差面51と異なる方向に傾斜している。
【0072】
ここで、第2方向Yと反対の方向に見て、第3方向Zと交差面51とがなす鋭角の角度を角度θ1と定義し、第3方向Zと交差面52とがなす鋭角の角度を角度θ2と定義する。他の観点からは、角度θ1は、交差面51とY-Z平面とがなす鋭角に相当し、角度θ2は交差面52とY-Z平面とがなす鋭角の角度に相当する。角度θ1,θ2は、第2方向Yにおいて、一定である。
【0073】
本実施形態においては、角度θ1は、角度θ2と実質的に等しい(θ1=θ2)。例えば、交差面51の大きさは、交差面52の大きさと実質的に等しい。他の観点からは、第3方向Zに沿う辺54と辺56との距離D1は、第3方向Zに沿う辺55と辺57との距離D2と実質的に等しく、第1方向Xに沿う辺54と辺56との距離D3は、第1方向Xに沿う辺55と辺57との距離D4と実質的に等しい。
【0074】
図5に示す例において、交差面51と透明基板20の主面20Bとの間には接着層AD1が位置している。他の観点からは、平面視で、接着層AD1の大きさは、透明基板20の大きさと実質的に等しい。なお、接着層AD1は、交差面51と透明基板20の主面20Bとの間に位置しなくてもよい。
【0075】
交差面51,52は、例えば、主面30Bと側面30Cとが交わる角部、および主面30Aと側面30Cとが交わる角部を取り除くことによって形成される。表示装置DSPは、例えば、予め面取りなどによって交差面51,52を含む側面30Cを有する透明基板30を形成し、表示パネルPNLに接着層AD1を介して透明基板30を貼り合わすことで形成される。
【0076】
続いて、表示装置DSPにおける光の伝搬について、説明する。
光源LSから照射された光は、レンズLNにおいて適度に拡散され、側面E23から透明基板20に入射するとともに、側面30Cから透明基板30に入射する。透明基板30に入射した光のうち、主面30Bに向かって進行する光は、透明基板30と空気層との界面で反射される。
【0077】
透明基板30に入射した光のうち、透明基板30から透明基板20に向かって進行する光は、接着層AD1を介して表示パネルPNLに入射する。透明基板20に入射した光のうち、透明基板20から透明基板30に向かって進行する光は、接着層AD1を介して透明基板30に入射し、透明基板30と空気層との界面で反射される。
【0078】
表示パネルPNLに入射した光は、透明基板20、液晶層LC、透明基板10を順に透過する。表示パネルPNLに入射した光のうち、透明基板10を透過した光は、接着層AD2を介して透明基板40に入射する。この光は、透明基板40と空気層との界面で反射された後、表示パネルPNLに向かって進行する。
【0079】
このように、側面E23および側面30Cから入射した光は、透明基板30と空気層との界面、および透明基板40と空気層との界面での反射を繰り返しながら、第1方向Xに沿って進行する。
図4においては、一例として、交差面51から透明基板30に入射する光L1の伝搬を示している。
【0080】
表示装置DSPは反射材RM1を備えるため、側面30Dおよび側面40Dまで到達した光は、反射材RM1によって散乱、反射され、第1方向Xと反対の方向に向けて進行する。反射材RM1を設けることで、光が外部に漏れ出すことを抑制し、光を再利用することで光の利用効率を向上させることができる。
【0081】
電圧が印加されていない液晶層LCに入射した光は、ほとんど散乱されることなく液晶層LCを透過する。一方、電圧が印加された液晶層LCに入射した光は、液晶層LCで散乱される。表示装置DSPは、画像を主面30B側から観察可能であるとともに、主面40A側からも観察可能である。
【0082】
表示装置DSPは、いわゆる透明ディスプレイであり、表示装置DSPが主面30B側から観察された場合であっても、主面40A側から観察された場合であっても、表示装置DSPを介して、表示装置DSPの背景を観察することができる。
【0083】
図6は、比較例に係る表示装置DSPxを模式的に示す断面図である。表示装置DSPxが備える透明基板30xは、側面30Eを有している。側面30Eは、上述の交差面51,52に相当する面を有しておらず、第3方向Zと平行な平面である。表示装置DSPxを構成する要素は、透明基板30x以外は表示装置DSPと同様である。
【0084】
図4を用いて説明したように、側面30Eから透明基板30xに入射した光は、透明基板30xと空気層との界面、および透明基板40と空気層との界面での反射を繰り返しながら、第1方向Xに沿って進行する。
図6においては、一例として、
図4で示されたレンズLNの同じ位置から透明基板30xの側面30Eから入射する光L2の伝搬を示している。
【0085】
ここで、交差面51から入射した光L1と透明基板30の主面30Bとがなす角度を角度θ3(
図4に示す)と定義し、側面30Eから入射した光L2と透明基板30xの主面30Bとがなす角度を角度θ4(
図5に示す)と定義する。
【0086】
照明装置100において、透明基板30の交差面51は、第3方向Zに対して傾斜している。透明基板30に入射する光が交差面51において屈折することで、角度θ3は、角度θ4よりも大きくなる。角度θ3が大きくなることによって、透明基板30と空気層との界面、および透明基板40と空気層との界面で第1方向Xに沿って進行する光が反射する回数は増加する。
【0087】
これにより、第1方向Xの単位長さ当たりに光が液晶層LCを通過する回数は、表示装置DSPのほうが表示装置DSPxよりも増加する。他の観点からは、液晶層LCにおける光のエネルギー密度が増加するため、液晶層LCにおける光の強度が向上する。その結果、照明装置100であれば、液晶層LCが散乱状態において、表示装置DSPにおける表示光の輝度を表示装置DSPxにおける表示光の輝度よりも向上させることができる。
【0088】
続いて、シミュレーション結果について、説明する。
図7乃至
図11は、シミュレーション結果を示す図である。以下のシミュレーションにおいては、照明装置100の光源LSから光を照射する場合を想定し、液晶層LCにおける光の強度のシミュレーションを行った。以下、光の強度を強度と呼ぶ場合がある。また、表示は液晶層LCにおける光が液晶による散乱により実現されるため、表示装置の輝度は光の強度に比例すると考えられる。
【0089】
シミュレーションにおける条件は、以下の通りである。
透明基板10の厚さは0.5mmであり、透明基板20の厚さは0.7mmであり、透明基板30の厚さは0.7mmであり、透明基板40の厚さは0.9mmであり、接着層AD1,AD2の厚さは0.125mmである。表示装置DSPにおける主面40Aから主面30Bまでの距離は3.05mmである。レンズLNの厚さは、1.128mmであり、接着層AD3,AD4の厚さは0.205mmであり、反射材RM2の厚さは0.075mmである。透明基板10,20,30,40の各々の屈折率は1.51であり、接着層AD1,AD2の屈折率は1.474である。
【0090】
図7は、距離D1(
図5に示す)が0mm、0.05mm、0.1mm、0.2mmの4通りについて、液晶層LCにおける光の強度をシミュレーションした結果を示している。角度θ1,θ2(
図5に示す)は、45度である。そのため、距離D2は距離D1と実質的に等しく、距離D4は距離D3と実質的に等しい。
【0091】
図7において、横軸は液晶層LCの入光側からの距離[mm]を示し、縦軸は強度[a.u.]を示している。ここで、液晶層LCの入光側とは、光源LSから光が照射される側である側面30C(側面E23)側に相当する。距離D1が0mmの場合、側面30Cは交差面51,52を有していない。
【0092】
図8においては、
図7に示したシミュレーション結果に基づく積分輝度を示している。積分輝度は、液晶層LCにおける光の強度の総和に基づいて、距離D1が0mmの場合を基準とした(距離D1が0mmの場合を1とした)の相対値で示している。横軸は距離D1の距離[mm]を示し、縦軸は相対輝度を示している。
【0093】
図7および
図8に示すように、距離D1が大きくなるにつれて、光の強度は大きくなっている。
図7に示すように、側面30Cの近傍(入光側)では、距離D1が大きくなることによる光の強度の増加が顕著であることがわかる。
図8に示すように、距離D1を0mmから0.2mmにすることによって、積分輝度が約20%向上した。
【0094】
図9は、各角度θ1(
図5に示す)について、液晶層LCの第1方向Xの中央部における光の強度をシミュレーションした結果を示している。
図9における強度は、角度θ1が0度の場合を基準とした(角度θ1が0度の場合を1とした)の相対値で示している。
【0095】
図10は、各角度θ1(
図5に示す)について、液晶層LCの全体における光の強度をシミュレーションした結果を示している。
図10における強度は、液晶層LCの全体における光の強度の総和に基づいて、角度θ1が0度の場合を基準とした(角度θ1が0度の場合を1とした)の相対値で示している。
【0096】
図9および
図10において、横軸は角度θ1の角度[°]を示し、縦軸は強度を示している。角度θ1は、0度、10度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、81度、82度、83度、84度、85度、86度、87度、88度、89度である。角度θ2は、角度θ1と実質的に等しい。ここで、角度θ1が0度の場合、側面30Cは交差面51,52を有していない。
【0097】
図11は、角度θ1(
図5に示す)が0度、50度、80度、85度、89度の5通りについて、液晶層LCにおける光の強度をシミュレーションした結果を示している。角度θ2は、角度θ1と実質的に等しい。
図11において、横軸は液晶層LCの入光側からの距離[mm]を示し、縦軸は強度[a.u.]を示している。なお、
図9乃至
図11においては、距離D1,D2(
図5に示す)は0.2mmである。
【0098】
図9に示すように、角度θ1が大きくなると光の強度も大きくなり、液晶層LCの中央部における光の強度は、角度θ1が50度の場合に最も大きくなった。液晶層LCの中央部における光の強度は、角度θ1が50度の場合、角度θ1が0度の場合と比較して、約15%大きくなった。
【0099】
図10に示すように、角度θ1が大きくなると光の強度も大きくなり、液晶層LCの全体における光の強度は、角度θ1が60度の場合に最も大きくなった。液晶層LCの全体における光の強度は、角度θ1が60度の場合、角度θ1が0度の場合と比較して、約25%大きくなった。
図11に示すように、側面30Cの近傍(入光側)では、交差面51,52を設けることで、光の強度の増加が顕著であることがわかる。
【0100】
図9乃至
図11に示すように、角度θ1が80度よりも大きくなると、角度θ1が0度の場合よりも光の強度が小さくなる場合がある。そのため、角度θ1は、80度以下が好ましい。角度θ1は、より好ましくは30度以上70度以下であり、さらに好ましくは40度以上70度以下である。
【0101】
このような角度で交差面51,52が第3方向Zに対して傾斜することで、液晶層LCにおける光の強度を向上させることができる。その結果、液晶層LCが散乱状態において、表示装置DSPにおける表示光の輝度をさらに向上させることができる。このような角度θ1の範囲は、角度θ2についても同様に適用することができる。
【0102】
交差面51,52を有するように側面30Cを形成することによって、交差面51,52から入射した光の一部は、透明基板30と空気層との界面、および透明基板40と空気層との界面において、全反射条件をみたさない場合がある。
【0103】
このような場合であっても、側面30Cが交差面51,52を有することにより、第1方向Xの単位長さ当たりに光が液晶層LCを通過する回数が増加するため、
図9乃至
図11に示すように、液晶層LCにおける光の強度は大きくなる。その結果、照明装置100であれば、液晶層LCが散乱状態において、表示装置DSPにおける表示光の輝度を向上させることができる。
【0104】
以上のように構成された照明装置100および表示装置DSPであれば、表示品位を向上させることが可能である。照明装置100は、側面30Cを有する透明基板30と、側面30Cに向けて光を照射する複数の光源LSと、を備えている。側面30Cは、第3方向Zと交差する交差面51,52を含んでいる。
【0105】
交差面51,52は、第3方向Zに対して傾斜する平面である。
図4を用いて説明したように、交差面51は、第3方向Zに対して傾斜しているため、透明基板30に入射する光が交差面51において屈折することで、比較例に係る表示装置DSPxと比較して、角度θ3は、角度θ4よりも大きくなる。
【0106】
これにより、第1方向Xに沿って進行する光が透明基板30と空気層との界面、および透明基板40と空気層との界面で反射する回数は増加するため、第1方向Xの単位長さ当たりに光が液晶層LCを通過する回数を増加させることができる。
【0107】
他の観点からは、照明装置100であれば、光源LSから照射された光を効率的に利用することできる。その結果、液晶層LCにおける光の強度が大きくなり、液晶層LCが散乱状態において、表示装置DSPにおける表示光の輝度を向上させることができる。
【0108】
透明ディスプレイにおいて、輝度の向上は、背景とのコントラスト比を確保する点、および表示された画像が背景に埋もれないようする点などの観点から重要である。本実施形態に係る照明装置100および表示装置DSPであれば、光源LSから照射された光を効率的に利用することで表示光の輝度を向上させることができるため、表示品位を向上させることが可能である。
【0109】
例えば、輝度を向上させるためには、光源LSであるLEDに投入する電力を増やすことが考えられる。しかし、表示装置DSPにおける省エネルギーおよび放熱設計などの観点から、投入する電力を増やすよりも、光源LSの光を効率的に利用し輝度を向上することのほうが望ましい。
【0110】
照明装置100および表示装置DSPであれば、光源LSから照射された光を効率的に利用することができるため、光源LSに投入する電力を増やすことなく、表示光の輝度を向上させることができる。
【0111】
本実施形態の透明基板30は、交差面51,52を有している。これにより、交差面51だけでなく、交差面52からも光が入射することで、交差面52から入射した光と透明基板40の主面40Aとがなす角度は、比較例に係る表示装置DSPxと比較して、側面30E(
図6に示す)から入射した光と透明基板40の主面40Aとがなす角度よりも大きくなる。
【0112】
これにより、第1方向Xに沿って進行する光が透明基板30と空気層との界面、および透明基板40と空気層との界面で反射する回数を増加させることができる。その結果、液晶層LCにおける光の強度がさらに大きくなる。
【0113】
本実施形態であれば、液晶層LCが散乱状態において、表示装置DSPにおける表示光の輝度をより向上させることができる。その他にも、本実施形態からは上述した種々の効果を得ることができる。
【0114】
なお、本実施形態においては、角度θ1は角度θ2と実質的に等しいが、角度θ1は角度θ2と異なってもよい。本実施形態においては、交差面51,52は、第1方向Xに沿って、互いに離れるように傾斜しているが、交差面51,52は、第1方向Xに沿って、互いに近づくように傾斜してもよい。本実施形態においては、側面30Cは平行面53を有しているが、側面30Cは平行面53を有していなくともよい。
【0115】
次に、他の実施形態について説明する。なお、以下に述べる他の実施形態および変形例において、上述した第1実施形態と同様の構成要素には、第1実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略あるいは簡略化する場合がある。
【0116】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。ここでは、主に第1実施形態との相違点について言及するが、本実施形態に係る表示装置DSPの各部には、第1実施形態と同様の構造を適用できる。
【0117】
図12および
図13は、本実施形態に係る表示装置DSPを模式的に示す断面図である。本実施形態において、照明装置100における透明基板30の側面30Cは、第1実施形態と比較して、交差面が1つのみである点で相違している。
【0118】
図12に示す例において、透明基板30の側面30Cは、第3方向Zと交差する交差面51と、第3方向Zと平行な平行面53と、を有している。交差面51は主面30Aと接続され、平行面53は交差面51と主面30Bとに接続されている。本実施形態においては、交差面51は、第3方向Zに対して傾斜する平面である。
【0119】
交差面51は、第1方向Xに沿って、主面30Aに近づくように傾斜している。他の観点からは、第3方向Zに沿う交差面51と主面30Bとの距離は、第1方向Xに沿って、一定の割合で大きくなっている。
【0120】
図13に示す例において、透明基板30の側面30Cは、第3方向Zと交差する交差面52と、第3方向Zと平行な平行面53と、を有している。交差面52は主面30Bと接続され、平行面53は交差面52と主面30Aとに接続されている。本実施形態においては、交差面52は、第3方向Zに対して傾斜する平面である。
【0121】
交差面52は、第1方向Xに沿って、主面30Bに近づくように傾斜している。他の観点からは、第3方向Zに沿う交差面52と主面30Aとの距離は、第1方向Xに沿って、一定の割合で大きくなっている。
【0122】
本実施形態において、交差面51,52は、それぞれ第1交差面に相当する。本実施形態の構成においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態において、側面30Cは、交差面51および平行面53、または、交差面52および平行面53によって形成されているが、側面30Cは、交差面51または交差面52のみよって形成されてもよい。この場合、側面30Cは、平行面53を有していない。
【0123】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。ここでは、主に上述の各実施形態との相違点について言及するが、本実施形態に係る表示装置DSPの各部には、上述の各実施形態と同様の構造を適用できる。
【0124】
図14は、本実施形態に係る表示装置DSPを模式的に示す断面図である。
図15は、
図14に示されたXV部を示す部分拡大図である。本実施形態の透明基板20は、第1実施形態と比較して、交差面を有する点で相違している。
【0125】
図14および
図15に示すように、側面30Cは、第3方向Zと交差する交差面51,52と、第3方向Zと平行な平行面53と、を有している。本実施形態においては、交差面51は第1交差面に相当し、交差面52は第2交差面に相当する。
【0126】
透明基板20の側面E23は、第3方向Zと交差する交差面61と、第3方向Zと平行な平行面62と、を有している。本実施形態においては、側面E23は第2側面に相当し、交差面61は第3交差面に相当する。
【0127】
交差面61は主面20Bと接続され、平行面62は交差面61と主面20Aとに接続されている。本実施形態においては、交差面61は、第3方向Zに対して傾斜する平面である。
【0128】
平行面62は、第3方向Zにおいて、平行面53の直下に位置している。透明基板20は、交差面61と主面20Bとが接続された辺63と、交差面61と平行面62とが接続された辺64と、をさらに有している。
図15に示す例において、辺64は、辺63よりもレンズLN側に位置している。
【0129】
交差面61は、第1方向Xに沿って、主面20Bに近づくように傾斜している。他の観点からは、第3方向Zに沿う交差面61と主面20Aとの距離は、第1方向Xに沿って、一定の割合で大きくなっている。
【0130】
図14および15に示すように、交差面61は、第3方向Zにおいて、交差面51と対向している。他の観点からは、交差面51,61は、第1方向Xに沿って、互いに近づくように傾斜している。第3方向Zに沿う交差面51と交差面61との距離は、第1方向Xに沿って、一定の割合で小さくなっている。
【0131】
第2方向Yと反対の方向に見て、第3方向Zと交差面61とがなす鋭角の角度を角度θ5(
図15に示す)と定義する。他の観点からは、角度θ5は、交差面61とY-Z平面とがなす鋭角に相当する。
図15に示す例において、角度θ5は、第2方向Yにおいて、一定である。
【0132】
本実施形態においては、角度θ5は、角度θ1と実質的に等しい(θ5=θ1)。例えば、交差面61の大きさは、交差面51の大きさと実質的に等しい。他の観点からは、第3方向Zに沿う辺63と辺64との距離D5は第3方向Zに沿う辺54と辺56との距離D1と実質的に等しく、第1方向Xに沿う辺63と辺64との距離D6は第1方向Xに沿う辺54と辺56との距離D3と実質的に等しい。
【0133】
なお、角度θ5は角度θ1よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。光源LSから照射された光は、交差面51,52、および平行面53から透明基板30に入射し、交差面61および平行面62から透明基板20に入射する。
【0134】
続いて、シミュレーション結果について、説明する。
図16乃至
図18は、シミュレーション結果を示す図である。以下のシミュレーションにおいて、透明基板20以外の要素については、第1実施形態において説明した表示装置DSPを構成する要素と同様である。
【0135】
図16は、各角度θ1(
図15に示す)について、液晶層LCの第1方向Xの中央部における光の強度をシミュレーションした結果を示している。
図16における強度は、角度θ1が0度の場合を基準とした(角度θ1が0度の場合を1とした)の相対値で示している。
【0136】
図17は、各角度θ1(
図15に示す)について、液晶層LCの全体における光の強度をシミュレーションした結果を示している。
図17における強度は、液晶層LCの全体における光の強度の総和に基づいて、角度θ1が0度の場合を基準とした(角度θ1が0度の場合を1とした)の相対値で示している。
【0137】
図16および
図17において、横軸は角度θ1の角度[°]を示し、縦軸は強度を示している。角度θ1は、0度、10度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、81度、82度、83度、84度、85度、86度、87度、88度、89度である。角度θ2は角度θ1と実質的に等しく、角度θ5は角度θ1と実質的に等しい。
【0138】
図18は、角度θ1(
図15に示す)が0度、50度、80度、85度、89度の5通りについて、液晶層LCにおける光の強度をシミュレーションした結果を示している。角度θ2は角度θ1と実質的に等しく、角度θ5は角度θ1と実質的に等しい。
図18において、横軸は液晶層LCの入光側からの距離[mm]を示し、縦軸は強度[a.u.]を示している。なお、
図16乃至
図18においては、距離D1,D2,D5(
図15に示す)は0.2mmである。
【0139】
図16に示すように、角度θ1が大きくなると光の強度も大きくなり、液晶層LCの中央部における光の強度は、角度θ1が50度の場合に最も大きくなった。液晶層LCの中央部における光の強度は、角度θ1が50度の場合、角度θ1が0度の場合と比較して、約15%大きくなった。
【0140】
図17に示すように、角度θ1が大きくなると光の強度も大きくなり、液晶層LCの全体における光の強度は、角度θ1が70度の場合に最も大きくなった。液晶層LCの全体における光の強度は、角度θ1が70度の場合、角度θ1が0度の場合と比較して、約27%大きくなった。
図18に示すように、側面30Cの近傍(入光側)では、交差面51,52,61を設けることで、光の強度の増加が顕著であることがわかる。
【0141】
図16乃至
図18に示すように、角度θ1が80度よりも大きくなると、角度θ1が0度の場合よりも光の強度が小さくなる場合がある。そのため、角度θ1は、80度以下が好ましい。角度θ1は、より好ましくは30度以上70度以下であり、さらに好ましくは40度以上70度以下である。このような角度θ1の範囲は、角度θ2,θ5についても同様に適用することができる。
【0142】
本実施形態の構成においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。主面20BはX-Y平面と実質的に平行な面であるため、レンズLNから主面20Bを介して透明基板20に入射する光の一部は、透明基板40と空気層との界面において、全反射条件をみたさない場合がある。
【0143】
本実施形態であれば、透明基板20の側面E23は、交差面61を有している。透明基板20に入射する光が交差面61において屈折することで、透明基板40と空気層との界面において、全反射条件をみたすことができる。これにより、交差面61から透明基板20に入射する光は、透明基板40と空気層との界面において反射する。
【0144】
その結果、側面E23に交差面61を形成することによって、照明装置100の光源LSから照射された光をより効率的を利用することができ、第1方向Xの単位長さ当たりに光が液晶層LCを通過する回数が増加する。
【0145】
したがって、液晶層LCにおける光の強度が増加するため、液晶層LCが散乱状態において、表示装置DSPにおける表示光の輝度はさらに向上する。すわなち、本実施形態であれば、表示品位をさらに向上させることが可能である。なお、本実施形態においては、角度θ1,角度θ2,角度θ5の各々は実質的に等しいが、角度θ1,角度θ2,角度θ5の各々は異なってもよい。
【0146】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。ここでは、主に上述の各実施形態との相違点について言及するが、本実施形態に係る表示装置DSPの各部には、上述の各実施形態と同様の構造を適用できる。
【0147】
図19は、本実施形態に係る表示装置DSPを模式的に示す断面図である。本実施形態の透明基板20は、第2実施形態と比較して、交差面を有する点で相違している。
【0148】
本実施形態の透明基板20は、第3実施形態の透明基板20と同様の形状を有している。より具体的には、透明基板20の側面E23は、第3方向Zと交差する交差面61と、第3方向Zと平行な平行面62と、を有している。本実施形態においては、交差面51は第1交差面に相当し、側面E23は第2側面に相当し、交差面61は第3交差面に相当する。
【0149】
本実施形態の構成は、
図12を用いて説明した第2実施形態の構成、および第3実施形態の構成を組み合わせた構成である。本実施形態の構成においても、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0150】
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。ここでは、主に上述の各実施形態との相違点について言及するが、本実施形態に係る表示装置DSPの各部には、上述の各実施形態と同様の構造を適用できる。
【0151】
図20は、本実施形態に係る表示装置DSPを模式的に示す断面図である。照明装置100における透明基板30の側面30Cは、第3方向Zに対して傾斜する平面である。他の観点からは、側面30Cは、Y-Z平面に対して傾斜する平面である。本実施形態においては、側面30Cは第1交差面に相当する。側面30Cは、主面30Aと主面30Bとに接続されている。
【0152】
側面30Cは、第1方向Xに沿って、主面30Aから離れるように傾斜している。他の観点からは、第3方向Zに沿う側面30Cと主面30Aとの距離は、第1方向Xに沿って、一定の割合で大きくなっている。側面30Cの下端(主面30A側の端部)は、上端(主面30B側の端部)より第1方向Xと反対の方向に突出している。
【0153】
透明基板20の側面E23は、第3方向Zに対して傾斜する平面である。他の観点からは、側面E23は、Y-Z平面に対して傾斜する平面である。本実施形態においては、側面E23は第3交差面に相当する。
【0154】
側面E23は、第1方向Xに沿って、主面20Aから離れるように傾斜している。他の観点からは、第3方向Zに沿う側面E23と主面20Aとの距離は、第1方向Xに沿って、一定の割合で大きくなっている。側面E23の下端(主面20A側の端部)は、上端(主面20B側の端部)より第1方向Xと反対の方向に突出している。
【0155】
ここで、第2方向Yと反対の方向に見て、第3方向Zと側面30Cとがなす鋭角の角度を角度θ6と定義し、第3方向Zと側面E23とがなす鋭角の角度を角度θ7と定義する。他の観点からは、角度θ6は、側面30CとY-Z平面とがなす鋭角に相当し、角度θ7は側面E23とY-Z平面とがなす鋭角の角度に相当する。また、側面30Cと主面30Aとのなす角度は鋭角であり、側面E23と主面20Aとのなす角度は鋭角である。
【0156】
角度θ6,θ7は、第2方向Yにおいて、一定である。本実施形態においては、角度θ6は、角度θ7と実質的に等しい。側面E23は、側面30Cと実質的に同一平面上に位置している。
図20に示す例においては、側面E23が側面30Cよりも光源LSの近くに位置している。
【0157】
続いて、シミュレーション結果について、説明する。
図21乃至
図23は、シミュレーション結果を示す図である。以下のシミュレーションにおいて、透明基板20,30以外の要素については、第1実施形態において説明した表示装置DSPを構成する要素と同様である。
【0158】
図21は、各角度θ6(
図20に示す)について、液晶層LCの第1方向Xの中央部における光の強度をシミュレーションした結果を示している。
図20における強度は、角度θ6が0度の場合を基準とした(角度θ6が0度の場合を1とした)の相対値で示している。
【0159】
図22は、各角度θ6(
図20に示す)について、液晶層LCの全体における光の強度をシミュレーションした結果を示している。
図22における強度は、液晶層LCの全体における光の強度の総和に基づいて、角度θ6が0度の場合を基準とした(角度θ6が0度の場合を1とした)の相対値で示している。
【0160】
図21および
図22において、横軸は角度θ6の角度[°]を示し、縦軸は強度を示している。角度θ6は、0度、10度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度である。角度θ7は、角度θ6と実質的に等しい。角度θ6が0度の場合、側面30Cは、第3方向Zに平行な面である。
【0161】
図23は、角度θ6(
図20に示す)が0度、10度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度の9通りについて、液晶層LCにおける光の強度をシミュレーションした結果を示している。角度θ7は、角度θ6と実質的に等しい。
図23において、横軸は液晶層LCの入光側からの距離[mm]を示し、縦軸は強度[a.u.]を示している。
【0162】
図21に示すように、角度θ6が大きくなると光の強度も大きくなり、液晶層LCの中央部における光の強度は、角度θ6が50度の場合に最も大きくなった。液晶層LCの中央部における光の強度は、角度θ6が50度の場合、角度θ6が0度の場合と比較して、約9%大きくなった。
【0163】
図22に示すように、角度θ6が大きくなると光の強度も大きくなり、液晶層LCの全体における光の強度は、角度θ6が50度の場合に最も大きくなった。液晶層LCの全体における光の強度は、角度θ6が50度の場合、角度θ6が0度の場合と比較して、約20%大きくなった。
【0164】
図23に示すように、側面30Cの近傍(入光側)では、角度θ6が大きくなるほど、光の強度が大きくなる傾向にあることがわかる。
図21乃至
図23に示すように、角度θ6が60度よりも大きくなると、角度θ6が0度の場合よりも光の強度が小さくなる場合がある。
【0165】
そのため、角度θ6は、60度以下が好ましい。角度θ6は、より好ましくは30度以上60度以下であり、さらに好ましくは40度以上60度以下である。このような角度θ6の範囲は、角度θ7についても同様に適用することができる。
【0166】
本実施形態の構成においても、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。本実施形態において、透明基板30に入射する光が傾斜する平面である側面30Cにおいて屈折し、透明基板20に入射する光が傾斜する平面である側面E23において屈折することで、光源LSから照射された光をより効率的を利用することができる。なお、角度θ7は、角度θ6と異なってもよい。
【0167】
[第6実施形態]
第6実施形態について説明する。ここでは、主に上述の各実施形態との相違点について言及するが、本実施形態に係る表示装置DSPの各部には、上述の各実施形態と同様の構造を適用できる。
【0168】
図24は、本実施形態に係る表示装置DSPを模式的に示す断面図である。本実施形態の透明基板20,30は、第5実施形態と比較して、側面30C,E23が傾斜する方向が異なる点で相違している。
【0169】
照明装置100における透明基板30の側面30Cは、第3方向Zに対して傾斜する平面である。他の観点からは、側面30Cは、Y-Z平面に対して傾斜する平面である。本実施形態においては、側面30Cは第1交差面に相当する。
【0170】
側面30Cは、第1方向Xに沿って、主面30Bから離れるように傾斜している。他の観点からは、第3方向Zに沿う側面30Cと主面30Bとの距離は、第1方向Xに沿って、一定の割合で大きくなっている。側面30Cの上端(主面30B側の端部)は、下端(主面30A側の端部)より第1方向Xと反対の方向に突出している。
【0171】
透明基板20の側面E23は、第3方向Zに対して傾斜する平面である。他の観点からは、側面E23は、Y-Z平面に対して傾斜する平面である。本実施形態においては、側面E23は第3交差面に相当する。側面E23は、主面20Aと主面20Bとに接続されている。
【0172】
側面E23は、第1方向Xに沿って、主面20Bから離れるように傾斜している。他の観点からは、第3方向Zに沿う側面E23と主面20Bとの距離は、第1方向Xに沿って、一定の割合で大きくなっている。側面E23の上端(主面20B側の端部)は、下端(主面20A側の端部)より第1方向Xと反対の方向に突出している。
【0173】
側面30Cと主面30Bとのなす角度は鋭角であり、側面E23と主面20Bとのなす角度は鋭角である。角度θ6および角度θ7は、第2方向Yにおいて、一定である。本実施形態においては、角度θ6は、角度θ7と実質的に等しい。側面E23は、側面30Cと実質的に同一平面上に位置している。
図24に示す例においては、側面30Cが側面E23よりも光源LSの近くに位置している。
【0174】
続いて、シミュレーション結果について、説明する。
図25乃至
図27は、シミュレーション結果を示す図である。以下のシミュレーションにおいて、透明基板20,30以外の要素については、第1実施形態において説明した表示装置DSPを構成する要素と同様である。
【0175】
図25は、各角度θ6(
図24に示す)について、液晶層LCの第1方向Xの中央部における光の強度をシミュレーションした結果を示している。
図25における強度は、角度θ6が0度の場合を基準とした(角度θ6が0度の場合を1とした)の相対値で示している。
【0176】
図26は、各角度θ6(
図24に示す)について、液晶層LCの全体における光の強度をシミュレーションした結果を示している。
図26における強度は、液晶層LCの全体における光の強度の総和に基づいて、角度θ6が0度の場合を基準とした(角度θ6が0度の場合を1とした)の相対値で示している。
【0177】
図25および
図26において、横軸は角度θ6の角度[°]を示し、縦軸は強度を示している。角度は、0度、10度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度である。角度θ7は、角度θ6と実質的に等しい。
【0178】
図27は、角度θ6(
図24に示す)が0度、10度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度の9通りについて、液晶層LCにおける光の強度をシミュレーションした結果を示している。角度θ7は、角度θ6と実質的に等しい。
図27において、横軸は液晶層LCの入光側からの距離[mm]を示し、縦軸は強度[a.u.]を示している。
【0179】
図25に示すように、角度θ6が大きくなると光の強度も大きくなり、液晶層LCの中央部における光の強度は、角度θ6が50度の場合に最も大きくなった。液晶層LCの中央部における光の強度は、角度θ6が50度の場合、角度θ6が0度の場合と比較して、約23%大きくなった。
【0180】
図26に示すように、角度θ6が大きくなると光の強度も大きくなり、液晶層LCの全体における光の強度は、角度θ6が50度の場合に最も大きくなった。液晶層LCの全体における光の強度は、角度θ6が50度の場合、角度θ6が0度の場合と比較して、約33%大きくなった。
【0181】
図27に示すように、側面30Cの近傍(入光側)では、角度θ6が大きくなるほど、光の強度が大きくなる傾向にあることがわかる。
図25乃至
図27に示すように、角度θ6が60度よりも大きくなると、角度θ6が0度の場合よりも光の強度が小さくなる場合がある。
【0182】
そのため、角度θ6は、60度以下が好ましい。角度θ6は、より好ましくは30度以上60度以下であり、さらに好ましくは40度以上60度以下である。このような角度θ6の範囲は、角度θ7についても同様に適用することができる。
【0183】
本実施形態の構成においても、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、角度θ7は、角度θ6と異なってもよい。
【0184】
[第7実施形態]
第7実施形態について説明する。ここでは、主に上述の各実施形態との相違点について言及するが、本実施形態に係る表示装置DSPの各部には、上述の各実施形態と同様の構造を適用できる。
【0185】
図28は、本実施形態に係る表示装置DSPを模式的に示す断面図である。本実施形態において、照明装置100における透明基板30の側面30Cが有する交差面は、第1実施形態と比較して、曲面である点で相違している。
【0186】
側面30Cは、第3方向Zと交差する交差面51,52と、第3方向Zと平行な平行面53と、を有している。本実施形態においては、交差面51は第1交差面に相当し、交差面52は第2交差面に相当する。交差面51は主面30Aと接続され、交差面52は主面30Bと接続され、平行面53は交差面51と交差面52とに接続されている。
【0187】
本実施形態においては、交差面51,52は、曲面である。
図28に示す例において、交差面51,52は、光源LSに向かう凸状の曲面に形成されている。第3方向Zに沿う交差面51と交差面52との距離は、第1方向Xに沿って大きくなっている。ただし、交差面51,52は、凹状の曲面に形成されてもよい。
【0188】
本実施形態の構成においても、交差面51,52は第3方向Zと交差するため、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態において、側面30Cは、交差面51および交差面52を有しているが、交差面51または交差面52の少なくとも一方を有していればよい。側面30Cは平行面53を有しているが、側面30Cは平行面53を有していなくともよい。交差面51,52の一方が曲面である場合、交差面51,52の他方は平面であってもよい。
【0189】
なお、上述の各実施形態において、複数の光源LSは、側面30Cおよび側面E23に向けて光を照射しているが、光源LSは、側面30Cのみに光を照射するように設けられてもよい。
【0190】
以上、本発明の実施形態として説明した電子部品を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての電子部品も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。
【0191】
例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0192】
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0193】
10…透明基板、20…透明基板、20B…主面(第3主面)、30…透明基板、30A…主面(第1主面)、30B…主面(第2主面)、30C…側面(第1側面)、51…交差面、52…交差面、53…平行面、61…交差面、62…平行面、100…照明装置、AR…アレイ基板、CT…対向基板、DSP…表示装置、E23…側面(第2側面)、LC…液晶層、LN…レンズ、LS…光源、PNL…表示パネル。