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特開2024-141853業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141853
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q30/0601 306
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053702
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桝本 郷史
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB23
5L049BB23
(57)【要約】
【課題】商品の法規制情報を含む商品情報の登録作業の負担を軽減可能とする。
【解決手段】取得部が、商品の目録であり、商品毎に法規制事由を示す法規制情報が付加されている商品情報を取得する。変換処理部は、取得された商品情報の各商品に対して付加されている法規制情報、及び、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報が関連付けされて記憶されている法規制関連付け記憶部を参照し、取得された商品の法規制情報を、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報に変換処理する。表示制御部は、種別の変換処理が施された法規制情報を含む、各商品の商品情報を入力した登録画面を表示部に表示する。これにより、商品の法規制情報を含む商品情報を自動的に入力した登録画面を表示でき、商品情報の登録作業の負担を軽減できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の目録であり、前記商品毎に法規制事由を示す法規制情報が付加されている商品情報を取得する取得部と、
取得される前記商品情報の各前記商品に対して付加されている前記法規制情報、及び、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報が関連付けされて記憶されている法規制関連付け記憶部を参照することで、取得された前記商品の前記法規制情報を、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報に変換処理する変換処理部と、
種別の変換処理が施された前記法規制情報を含む、各前記商品の前記商品情報を入力した登録画面を表示部に表示する表示制御部と、
を有する業務支援装置。
【請求項2】
種別の変換処理が施された前記法規制情報を含む、各前記商品の前記商品情報を記憶部に記憶させる記憶制御部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記法規制関連付け記憶部に、取得された前記商品の前記法規制情報を変換処理するための、業務支援装置で取り扱っている種別の前記法規制情報が記憶されているか否かを判別する判別部と、
前記法規制情報が付加されていないことを示す判別結果が得られた場合、所定のエラーメッセージを出力する出力制御部と、さらに備えること、
を特徴とする請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記判別部は、前記記憶部に対する記憶が指定された前記商品の前記商品情報が、前記記憶部に記憶済であるか否かを判別し、
前記表示制御部は、記憶が指定された前記商品情報が前記記憶部に記憶済ではないことを示す判別結果が得られた際に、種別の変換処理が施された前記法規制情報を含む前記商品の前記商品情報を、対応する入力欄に自動入力した商品情報の登録画面を表示部に表示すること、
を特徴とする請求項3に記載の業務支援装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記法規制関連付け記憶部に、取得された前記商品の前記法規制情報を変換処理するための、業務支援装置で取り扱っている種別の前記法規制情報が記憶されていない商品を前記表示部に一覧表示し、
前記記憶制御部は、一覧表示された前記商品のうち、操作者により、業務支援装置で取り扱っている種別の前記法規制情報が入力された商品の前記商品情報を、操作者により入力された前記法規制情報を含めて前記記憶部に記憶させること、
を特徴とする請求項4に記載の業務支援装置。
【請求項6】
取得部が、商品の目録であり、前記商品毎に法規制事由を示す法規制情報が付加されている商品情報を取得する取得ステップと、
変換処理部が、取得される前記商品情報の各前記商品に対して付加されている前記法規制情報、及び、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報が関連付けされて記憶されている法規制関連付け記憶部を参照することで、取得された前記商品の前記法規制情報を、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報に変換処理する変換処理ステップと、
表示制御部が、種別の変換処理が施された前記法規制情報を含む、各前記商品の前記商品情報を入力した登録画面を表示部に表示する表示制御ステップと、
を有する業務支援方法。
【請求項7】
コンピュータを、
商品の目録であり、前記商品毎に法規制事由を示す法規制情報が付加されている商品情報を取得する取得部と、
取得される前記商品情報の各前記商品に対して付加されている前記法規制情報、及び、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報が関連付けされて記憶されている法規制関連付け記憶部を参照することで、取得された前記商品の前記法規制情報を、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報に変換処理する変換処理部と、
種別の変換処理が施された前記法規制情報を含む、各前記商品の前記商品情報を入力した登録画面を表示部に表示する表示制御部として機能させること、
を特徴とする業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2018-132790号公報)に開示されている集約情報生成装置は、建具に関する情報である建具情報が複数格納された建具情報記憶部に記憶された建具情報をユーザに提示し、受付部が、この提示を参照したユーザから建具情報の選択を受け付ける。そして、集約情報生成部が、ユーザが選択した建具情報を所定の体裁に基づいて配置した情報である建具集約情報を生成する。これにより、所定の体裁に沿った集約情報を簡便に生成可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-132790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、商品点数が多く、また、法規制により出荷制限のある商品を取り扱う業種の場合、多くの商品の商品情報を法規制情報と共にデータベースに登録して管理する必要がある。しかし、多くの商品の商品情報を、法規制情報を確認しながらデータベースに登録することは、操作者の作業負担が大きくなる問題がある。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、商品の法規制情報を含む商品情報の登録作業の負担を軽減可能とした業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、商品の目録であり、商品毎に法規制事由を示す法規制情報が付加されている商品情報を取得する取得部と、取得される商品情報の各商品に対して付加されている法規制情報、及び、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報が関連付けされて記憶されている法規制関連付け記憶部を参照することで、取得された商品の法規制情報を、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報に変換処理する変換処理部と、種別の変換処理が施された法規制情報を含む、各商品の商品情報を入力した登録画面を表示部に表示する表示制御部と、を有する。
【0007】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援方法は、取得部が、商品の目録であり、商品毎に法規制事由を示す法規制情報が付加されている商品情報を取得する取得ステップと、変換処理部が、取得される商品情報の各商品に対して付加されている法規制情報、及び、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報が関連付けされて記憶されている法規制関連付け記憶部を参照することで、取得された商品の法規制情報を、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報に変換処理する変換処理ステップと、表示制御部が、種別の変換処理が施された法規制情報を含む、各商品の商品情報を入力した登録画面を表示部に表示する表示制御ステップと、を有する。
【0008】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援プログラムは、コンピュータを、商品の目録であり、商品毎に法規制事由を示す法規制情報が付加されている商品情報を取得する取得部と、取得される商品情報の各商品に対して付加されている法規制情報、及び、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報が関連付けされて記憶されている法規制関連付け記憶部を参照することで、取得された商品の法規制情報を、業務支援装置で取り扱っている種別の法規制情報に変換処理する変換処理部と、種別の変換処理が施された法規制情報を含む、各商品の商品情報を入力した登録画面を表示部に表示する表示制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、商品の法規制情報を含む商品情報の登録作業の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態の業務支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、カタログマスタの一例を示す図である。
図3図3は、法規制関連付けマスタの一例を示す図である。
図4図4は、法規制区分マスタの一例を示す図である。
図5図5は、商品マスタの一例を示す図である。
図6図6は、比較例におけるカタログデータの登録動作の流れを示す図である。
図7図7は、実施の形態の業務支援装置におけるカタログ情報及び法規制情報の登録動作の流れを示す図である。
図8図8は、受注明細入力画面の一例を示す図である。
図9図9は、品番マスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
図10図10は、品番マスタメンテナンス画面にカタログデータ及び法規制情報が自動入力されて表示された様子を示す図である。
図11図11は、法規制関連付けマスタに登録されていない法規制区分を有するカタログデータの一例を示す図である。
図12図12は、法規制関連付けマスタに法規制区分が登録されていないため、法規制区分の入力欄が空欄とされた商品データの一例を示す図である。
図13図13は、法規制区分の入力欄が空欄とされた商品データの登録の可否を問うメッセージが表示された品番マスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
図14図14は、法規制区分の入力欄が空欄とされた商品データが一覧表示される法規制関連付け漏れ照会画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した実施の形態となる業務支援装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下一例として、実施の形態の業務支援装置は、医療業界の卸商社の操作者により操作される業務支援装置であることとして説明を行う。なお、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
(ハードウェア構成)
図1に示すように、実施の形態の業務支援装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部、印刷装置、又は、スピーカ装置等が相当する。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。
【0013】
通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等のネットワーク50に接続される。ネットワーク50には、医療品のメーカ側端末装置51が接続されている。このメーカ側端末装置51には、例えば危険物、毒物、劇物等の、その医薬品の法規制上の種別等を示す法規制区分(法規制情報の一例)を含むカタログデータ(商品情報の一例)が記憶されている。実施の形態の業務支援装置1は、所定のタイミングでメーカ側端末装置51にアクセスしてカタログデータを取得し、又は、所定のタイミングでメーカ側端末装置51から送信されるカタログデータを取得する。
【0014】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、それぞれ記憶領域である、カタログマスタ11、法規制関連付けマスタ12、法規制区分マスタ13、及び、商品マスタ14等が記憶されている。
【0015】
カタログマスタ11は、メーカ側端末装置51から取得した各医薬品のカタログデータを、図2に示すように記憶する記憶領域となっている。具体的には、カタログマスタ11は、各医薬品のカタログデータに含まれる、メーカ商品コード、メーカコード、商品名、容量単位、及び、法規制区分等を記憶する。
【0016】
法規制関連付けマスタ12には、図3に示すように、メーカコード、法規制区分(変換前)、及び、法規制区分(変換後)が記憶されている。この法規制関連付けマスタ12は、カタログデータに含まれる、メーカ側で用いている法規制区分を、実施の形態の業務支援装置1側で用いている法規制区分に変換する際に参照される。
【0017】
法規制区分マスタ13は、図4に示すように、実施の形態の業務支援装置1側で用いている各医薬品の法規制区分、及び、法規制名が関連付けされて記憶されている。この図4の例の場合、「150」の法規制区分の法規制名は「危険物」であり、「160」の法規制区分の法規制名は「毒物、劇物」となっている。
【0018】
商品マスタ14は、図5に示すように、メーカ側端末装置51から取得した各医薬品のカタログデータから選択された所望の商品データが記憶される記憶領域となっている。商品マスタ14には、図5に示すように商品コード、商品名、容量単位、メーカ品番、メーカコード、及び、実施の形態の業務支援装置1側で用いている法規制区分(法規制関連付けマスタ12(図3参照)に基づいて変換処理された法規制区分)が記憶される。
【0019】
(業務支援装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、図1に示すように、取得部21、変換処理部22、記憶制御部23は、判別部24、及び、表示制御部25として機能する。表示制御部25は、出力制御部の一例である。
【0020】
取得部21は、商品の一例である医薬品の目録であり、医薬品毎に法規制事由を示す法規制情報が付加されているカタログデータを取得する。
【0021】
変換処理部22は、取得されるカタログデータの各医薬品に対して付加されている法規制情報、及び、実施の形態の業務支援装置1で取り扱っている種別の法規制情報が関連付けされて記憶されている法規制関連付け記憶部の一例である法規制関連付けマスタ13(図3参照)を参照することで、取得された医薬品の法規制情報を、実施の形態の業務支援装置で1取り扱っている種別の法規制情報に変換処理する。
【0022】
表示制御部25は、種別の変換処理が施された法規制情報を含む、各商品の商品情報を入力した登録画面を表示部の一例である出力装置7を介して表示する。
【0023】
記憶制御部23は、種別の変換処理が施された法規制情報を含む、各医薬品のカタログデータを商品データとして商品マスタ14に登録(記憶)する(図5参照)。
【0024】
判別部24は、法規制関連付け記憶部の一例である法規制関連付けマスタ13(図3参照)に、取得された医薬品の法規制情報を変換処理するための、実施の形態の業務支援装置1で取り扱っている種別の法規制情報が記憶されているか否かを判別する。
【0025】
出力制御部は、法規制情報が付加されていないことを示す判別結果が得られた場合、所定のエラーメッセージを出力する。この実施の形態の業務支援装置1の場合、出力制御部の一例として表示制御部25が設けられている。この場合、表示制御部25は、法規制情報が付加されていないことを示す判別結果が得られた場合に、所定のエラーメッセージを、出力装置7を介して表示する。
【0026】
なお、出力制御部として、音声出力制御部又は印刷制御部等を設けてもよい。出力制御部として、音声出力制御部を設けた場合、上述のエラーメッセージを、音声メッセージ又は電子音等で、この場合スピーカ装置となる出力装置7に出力する。これにより、上述のエラーメッセージに対応する音声出力を得ることができる。また、出力制御部として、印刷制御部を設けた場合、上述のエラーメッセージを、印刷データとして、この場合印刷装置となる出力装置7に出力する。これにより、上述のエラーメッセージが用紙等に印刷されて出力される。
【0027】
また、判別部は、記憶部の一例である商品マスタ14に対する記憶が指定された医薬品のカタログデータが、商品マスタ14に記憶済であるか否かを判別する。表示制御部25は、記憶が指定されたカタログデーアが、商品マスタ14に記憶済ではないことを示す判別結果が得られた際に、種別の変換処理が施された法規制情報を含む医薬品のカタログデータを、対応する入力欄に自動入力したカタログデータの登録画面を、表示部の一例である出力装置7を介して表示する。
【0028】
また、表示制御部25は、法規制関連付け記憶部の一例である法規制関連付けマスタ12に、取得された商品の法規制情報を変換処理するための、実施の形態の業務支援装置1で取り扱っている種別の法規制情報が記憶されていない医薬品を、表示部の一例である出力装置7に一覧表示する。
【0029】
記憶制御部23は、一覧表示された医薬品のうち、操作者により、実施の形態の業務支援装置1で取り扱っている種別の法規制情報が入力された医薬品のカタログデータを、操作者により入力された法規制情報を含めて記憶部の一例である商品マスタ14に記憶させる。
【0030】
(比較例におけるカタログデータの登録動作)
ここで、実施の形態の業務支援装置1の比較例におけるカタログデータの登録動作を、図6を用いて説明する。図6に示すように、比較例の場合、医薬品の各メーカから定期的に最新のカタログデータが提供され、又は、過去に提供したカタログデータの差分に相当するカタログデータが提供される。
【0031】
また、比較例の場合、このカタログデータを利用している企業の事務担当者は、必要なカタログデータの登録依頼を行う。
【0032】
カタログデータを利用している企業の登録担当者は、医薬品の各メーカから提供されたカタログデータに基づいて、企業の事務担当者から登録が依頼されたカタログデータを確認し、商品マスタに対して手動で登録していた。このような登録の仕方では、企業の登録担当者が多くのカタログデータを手動で登録する必要がある。このため、カタログデータの登録作業の負担が大きくなる問題がある。
【0033】
また、医薬品の各メーカから提供されたカタログデータには、その医薬品の法規制区分が付加されているのであるが、企業の登録担当者は、付加されている法規制区分の種別が、企業で用いている法規制区分と同じ種別の法規制区分であるか否かを、確認を行いながらカタログデータの登録を行う必要がある。このような法規制区分の確認作業も、登録作業の大きな負担となる。
【0034】
(実施の形態の業務支援装置におけるカタログデータの登録動作の概要)
一方、図7は実施の形態の業務支援装置1におけるカタログデータの登録動作の概要を示す図である。この図7に示すように、実施の形態の業務支援装置1の場合、医薬品の各メーカから定期的に最新のカタログデータが提供され、又は、過去に提供したカタログデータの差分に相当するカタログデータが提供されると、変換処理部22が、取得されたカタログデータを共通のフォーマットのカタログデータに変換処理する。この共通のフォーマットに変換処理されたカタログデータは、一括で取り込まれ、図2に示すカタログマスタ11に登録(記憶)される。
【0035】
一例として、受注した商品の受注入力時に、表示制御部25が商品マスタ登録画面を表示するが、その際、表示制御部25は、カタログマスタ11を参照して法規制情報が含まれるカタログデータを取得し、商品マスタ登録画面に自動的に入力して表示する。
【0036】
また、変換処理部22は、カタログデータに含まれる法規制区分を、図3に示す法規制関連付けマスタ12を参照して、実施の形態の業務支援装置1で取り扱う種別の法規制区分に変換処理する。この変換処理された法規制区分が、商品マスタ登録画面に自動的に入力されて表示される。
【0037】
また、このような法規制区分の変換処理を行う際に、カタログデータに含まれる法規制区分に対応する法規制区分が、法規制関連付けマスタ12に登録されていない場合がある。この場合、表示制御部25は、所定のエラーメッセージを表示する。この場合、操作者は、商品マスタ登録画面に対して、手動で法規制区分の入力を行う。
【0038】
商品マスタ登録画面に表示(又は入力)された法規制区分を含む商品データは、図5に示す商品マスタ14に登録(記憶)され、受注した商品の伝票入力等に用いられる。
【0039】
(実施の形態の業務支援装置におけるカタログデータの登録動作の詳細)
次に、このような実施の形態の業務支援装置1におけるカタログデータの詳細な登録動作を説明する。まず、一例として操作者が商品の受注入力を指定操作したとずる。これにより、表示制御部25は、図8に例示する受注明細入力画面を、出力装置7を介して表示する。この受注明細入力画面には、医薬品のメーカ商品コードの入力欄、及び、その医薬品を製造して提供しているメーカのメーカコードの入力欄等が設けられている。操作者は、この受注明細入力画面に対して、受注した医薬品のメーカ商品コード、及び、受注した医薬品を製造して提供しているメーカのメーカコードを入力し、品番登録ボタン60を操作する。
【0040】
品番登録ボタン60が操作されると、表示制御部25は、図9に例示するように、上述の商品マスタ登録画面に相当する品番マスタメンテナンス画面を、出力装置7を介して表示する。この際、表示制御部25は、図8に示した受注明細入力画面に入力されたメーカ商品コード、及び、メーカコードを、図9に示すように品番マスタメンテナンス画面の各コードの入力欄に、自動的に入力して表示する。
【0041】
また、変換処理部22は、受注明細入力画面に入力されたメーカ商品コード、及び、メーカコードに基づいて、図2に示すカタログマスタ11を参照し、受注明細入力画面に入力されたメーカ商品コード、及び、メーカコードに対応する法規制区分(=カタログデータに含まれる法規制区分)、商品名及び容量単位を検出する。また、変換処理部22は、受注明細入力画面に入力されたメーカコード、及び、カタログマスタ11から検出した法規制区分に基づいて、図3に示す法規制関連付けマスタ12を参照する。そして、変換処理部22は、その医薬品のメーカ側で用いられている法規制区分(変換前)を、実施の形態の業務支援装置1側で用いる法規制区分(変換後)に変換処理する。
【0042】
具体的には、受注明細入力画面に入力されたメーカ商品コードが「1234567890」で、メーカコードが「99」であった場合、変換処理部22は、図2に示すカタログマスタ11を参照することで、その医薬品に対応する法規制区分として「1」の法規制区分を検出する。また、変換処理部22は、検出した「1」の法規制区分、及び、「99」のメーカコードに基づいて、図3に示す法規制関連付けマスタ12を参照することで、「1」の法規制区分に対応する、実施の形態の業務支援装置1で用いている法規制区分として「150」の法規制区分を検出する。
【0043】
さらに、表示制御部25は、変換処理部22で検出された、実施の形態の業務支援装置1で用いている法規制区分に基づいて図4に示す法規制区分マスタ13を参照し、実施の形態の業務支援装置1で用いている法規制区分の法規制名を検出する。この例の場合、表示制御部25は、法規制区分マスタ13を参照することで、「150」の法規制区分に対応する法規制名として、「危険物」の法規制名を検出する。
【0044】
そして、表示制御部25は、図10に示すように品番マスタメンテナンス画面に、メーカ商品コード、メーカコードと共に、変換処理部22により検出された、その医薬品の容量単位、商品名(品番名)、変換処理により生成された、実施の形態の業務支援装置1で用いている「150」の法規制区分、及び、「危険物」等の法規制名(法規制区分名)を自動的に入力して表示する。
【0045】
これにより、医薬品のメーカコード及びメーカ商品コードを入力しただけで、少なくともメーカコード、メーカ商品コード、商品名(品番名)、容量単位、実施の形態の業務支援装置1側で用いている法規制区分コード、及び、法規制区分名等を自動的に入力した品番マスタメンテナンス画面を表示することができる。このため、操作者が、これらのデータを手動で入力する手間を大幅に軽減できる。
【0046】
また、メーカ側で用いている法規制区分を、実施の形態の業務支援装置1側で用いている法規制区分に、自動的に変換して表示できるため、操作者による法規制区分の入力ミス等を防止できる。
【0047】
品番マスタメンテナンス画面に表示された、商品コード、商品名、容量単位、メーカ品番、メーカコード、及び、法規制区分を含む商品データは、操作者により登録が指定操作されたタイミングで、図5に示す商品マスタ14に登録(記憶)される。この商品データは、受注した商品の伝票入力等に用いられる。
【0048】
(法規制区分の手動入力)
ここで、図11に示す、メーカ品番が「1234567892」で、メーカコードが「WK」の医薬品のカタログデータは、法規制区分が「3」となっているが、この「3」の法規制区分に対応する、実施の形態の業務支援装置1で用いている法規制区分が、図3に示すように法規制関連付けマスタ12に登録されていない場合がある。すなわち、カタログデータの法規制区分に対応する、実施の形態の業務支援装置1で用いられる法規制区分が、法規制関連付けマスタ12に登録されていない場合がある。この場合、上述の法規制区分の変換処理が困難となり、図12に示すように法規制区分を自動的に入力した商品データの生成が困難となる。
【0049】
このため、判別部24は、カタログデータの法規制区分に対応する、実施の形態の業務支援装置1で用いられる法規制区分が、法規制関連付けマスタ12に登録されているか否かを判別する。そして、判別部24により、カタログデータの法規制区分に対応する、実施の形態の業務支援装置1で用いられる法規制区分が、法規制関連付けマスタ12に登録されていないとする判別結果が得られた場合、表示制御部25は、例えば法規制区分が未入力の商品データの商品マスタ14に対する登録が操作者により指定操作されたタイミングで、図13に示すように、例えば「法規制区分が設定されていません。登録してよろしいですか?」、又は、「規制区分が設定されていないため、入力できません」等のエラーメッセージ、及び、法規制区分の手動入力欄を表示した警告マスタメンテナンス画面を、出力装置7に表示する。操作者は、この警告マスタメンテナンス画面の法規制区分の手動入力欄に対して、所望の法規制区分(実施の形態の業務支援装置1側で用いている法規制区分)を手動入力して、「登録」のボタンを操作する。
【0050】
これにより、記憶制御部23は、図12に例示する商品データの法規制区分の入力欄に、手動入力された法規制区分を自動的に入力した商品データを生成し、商品マスタ14に登録する(記憶させる)。これにより、カタログデータに法規制区分が含まれていない場合でも、実施の形態の業務支援装置1側で用いる法規制区分を含む商品データを生成して登録することができる。このため、法規制区分が含まれていない状態の商品データが、誤って商品マスタ14に登録される不都合を防止できる。
【0051】
(法規制関連付け漏れ照会動作)
次に、上述のエラーメッセージが表示された場合に、操作者により、法規制区分の手動入力を行わない状態で商品データの登録が指定操作されると、記憶制御部23は、図12に例示するように法規制区分を空欄とした状態の商品データを商品マスタ14に登録する。実施の形態の業務支援装置1では、このように法規制区分を空欄とした状態の商品データを後から一覧表示し、所望の商品データの法規制区分を手動で入力可能となっている。
【0052】
具体的には、操作者により、法規制関連付け漏れ照会画面の表示が指定操作されると、表示制御部25は、商品マスタ14を参照し、法規制区分が空欄の状態の商品データを検出する。そして、表示制御部25は、検出した法規制区分が空欄の状態の商品データを一覧表示した法規制関連付け漏れ照会画面を、図14に示すように出力装置7に表示する。
【0053】
操作者は、法規制関連付け漏れ照会画面に一覧表示された商品データのうち、所望の商品データを選択操作する。これにより、表示制御部25は、図13に示したように、法規制区分の手動入力欄を備えた品番マスタメンテナンス画面を、出力装置7に表示する。
【0054】
この品番マスタメンテナンス画面は、法規制関連付け漏れ照会画面で選択した商品データの法規制区分を入力するための品番マスタメンテナンス画面である。このため、操作者は、品番マスタメンテナンス画面に対して所望の法規制区分を手動で入力操作して、登録ボタンを操作する。これにより、記憶制御部23は、法規制関連付け漏れ照会画面で選択された商品データの法規制区分に対して、品番マスタメンテナンス画面に手動で入力された法規制区分を入力した商品データを生成し、商品マスタ14に登録する。
【0055】
これにより、商品データを商品マスタ14に登録した後から、所望の法規制区分を手動で入力でき、法規制区分が未入力の商品データが商品マスタ14に登録され続ける不都合(法規制関連付け漏れ)を防止できる。
【0056】
(実施の形態の効果)
今日において、例えば医療業界の卸商社においては、大量の商品コードを管理し、また、毒劇物又は医薬品等の法規制情報を商品毎に管理する運用がある。このような商品属性である法規制情報は、取引先への販売制限に関係するため、自社のデータベースに登録して管理する必要がある。
【0057】
しかし、商品は、1千万件単位で存在するため、商品を手作業で登録すると、登録作業が重労働となる。また、全ての商品を登録しても、殆どは使用しない商品であるため、使用する商品を選択的に登録することが好ましい。
【0058】
また、商品の登録時には、法規制情報も併せて登録する必要がある。このため、操作者は、法規制情報を確認しながら商品の登録を行う必要があるが、法規制情報の登録漏れが発生した場合、薬機法に違反して商品の販売を行われる可能性があり好ましいことではない。
【0059】
このようなことから、実施の形態の業務支援装置1は、所望の商品のカタログデータが記憶部2に記憶されていない場合、カタログデータの登録画面を表示し、カタログデータに付されている法規制情報を、業務支援装置1で取り扱う種別の法規制情報に変換して、カタログデータと共に登録画面に自動入力する。
【0060】
これにより、所望の商品のカタログデータ及び法規制情報を選択的に記憶部2に記憶することができ、また、操作者の入力作業を大幅に軽減できる。
【0061】
また、カタログデータに付されている法規制情報が、業務支援装置1で取り扱う種別の法規制情報に変換され、自動的に登録画面に入力されるため、法規制情報の登録漏れの発生を防止でき、薬機法に違反した商品が販売される不都合を防止できる。
【0062】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0064】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0065】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態で実施してもよい。
【0066】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0067】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0068】
また、業務支援装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0069】
例えば、業務支援装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0070】
また、この業務支援装置1の業務支援プログラムは、業務支援装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0071】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための業務支援プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0072】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した業務支援装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0073】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0074】
また、業務支援装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0075】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、商品点数が多く出荷制限のある商品を管理する必要がある業種、又は、メーカからカタログ情報を取得している業種等における商品の登録業務の支援に好適である。
【符号の説明】
【0077】
1 業務支援装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 カタログマスタ
12 法規制関連付けマスタ
13 法規制区分マスタ
14 商品マスタ
21 取得部
22 変換処理部
23 記憶制御部
24 判別部
25 表示制御部
50 ネットワーク
51 メーカ側の端末装置
60 品番登録ボタン
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