(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014186
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】住居用設備機器
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20240125BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116826
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】広田 和也
【テーマコード(参考)】
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
5K048AA15
5K048BA12
5K048BA13
5K048DC01
5K048EB02
5K201AA07
5K201BA01
5K201BC23
5K201EC06
5K201ED04
(57)【要約】
【課題】住人に煩わしさを感じさせないようにしつつ、不正な遠隔制御を確実性高く抑制できる住居用設備機器を提供する。
【解決手段】制御部10は、初期設定処理S102、S103において、報知フラグを未報知に設定するともに、通信機能を作動させる。制御部10は、判断処理S105~S121において、報知フラグが未報知であると判断し、次に、通信部17との通信試験が成功したと判断し、次に、記憶部17Mに特定情報が記憶されていると判断すると、報知情報を報知部12に報知させた後、報知フラグを報知済に設定する。また、制御部10は、判断処理S105~S121において、報知フラグが未報知であると判断し、次に、通信部17との通信試験が成功しなかったと判断すると、報知情報を報知部12に報知させず、その代わりに、通信機能を停止させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住居に設置され、所定の機能を有する住居用設備機器であって、
前記住居には、電力供給するための配電部が設けられ、
前記住居用設備機器は、前記配電部から前記住居用設備機器に電力供給されることにより前記所定の機能を制御する制御部と、
前記制御部に制御され、連携手段と通信する通信機能を有する通信部と、
前記制御部に制御され、報知を行う報知部と、
を備え、
前記連携手段は、前記通信部を経由して、前記制御部に前記所定の機能を制御させる遠隔操作、及び、前記制御部から情報を取得する遠隔情報取得、の少なくとも一方を実行可能であり、
前記制御部及び前記通信部の少なくとも一方は、前記連携手段との連携を許可するための識別情報、及び、前記連携手段との連携履歴情報、の少なくとも一方である特定情報を記憶する記憶部を有し、
前記制御部は、前記配電部から前記住居用設備機器への電力供給が開始されたことを検出したとき、初期設定処理を実行した後、判断処理を繰り返し実行し、
前記制御部は、前記初期設定処理において、報知フラグについて、報知済及び未報知のうちの前記未報知に設定して前記記憶部に記憶させるとともに、前記通信部の前記通信機能を作動させ、
前記制御部は、前記判断処理において、前記報知フラグが前記未報知であると判断し、次に、前記通信部との通信試験が成功したと判断し、次に、前記記憶部に前記特定情報が記憶されていると判断すると、前記特定情報について前記記憶部による記憶を継続させるか否かを問い合わせる継続問合せ情報を含む報知情報を前記報知部に報知させた後、前記報知フラグを前記報知済に設定して前記記憶部に記憶させ、
また、前記制御部は、前記判断処理において、前記報知フラグが前記未報知であると判断し、次に、前記通信部との前記通信試験が成功しなかったと判断すると、前記報知情報を前記報知部に報知させず、その代わりに、前記通信部の前記通信機能を停止させるように構成されていることを特徴とする住居用設備機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記判断処理において、前記報知フラグが前記未報知であると判断し、次に、前記通信部との前記通信試験が成功したと判断し、次に、前記記憶部に前記特定情報が記憶されていないと判断すると、前記報知情報を前記報知部に報知させず、その代わりに、前記報知フラグを前記報知済に設定して前記記憶部に記憶させ、
また、前記制御部は、前記判断処理において、前記報知フラグが前記報知済であると判断すると、前記報知情報を前記報知部に報知させない請求項1記載の住居用設備機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記判断処理において、前記報知情報を前記報知部に報知させた後、前記継続問合せ情報に対して継続させないという入力指示を受けた場合、前記特定情報を初期化した後、前記報知フラグを前記報知済に設定して前記記憶部に記憶させ、
前記継続問合せ情報に対して継続させるという入力指示を受けた場合、前記報知フラグを前記報知済に設定して前記記憶部に記憶させる請求項2記載の住居用設備機器。
【請求項4】
前記通信部の前記通信機能を回復させる操作入力を受ける回復指示部をさらに備え、
前記制御部は、前記回復指示部が前記操作入力を受けたとき、前記通信部の前記通信機能を回復させた後、前記判断処理を繰り返し実行する請求項3記載の住居用設備機器。
【請求項5】
前記連携手段は、外部ネットワークを経由して前記通信部と通信可能な情報端末が実行するアプリケーションプログラムを含んでいる請求項1乃至4のいずれか1項記載の住居用設備機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は住居用設備機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の住居用設備機器の一例が開示されている。この住居用設備機器は、住居に設置された給湯器、床暖房機、浴室乾燥機、エアコン等である。
【0003】
住居用設備機器は、コントローラと合わせて使用される。コントローラは、住居用設備機器に住居の外部にあるサーバからの遠隔制御サービスを受けさせる機器制御部と、サーバと通信する通信部と、を備えている。
【0004】
サーバは、例えば、住居の住人が住居の外部において情報端末を操作し、住居用設備機器に対する制御指令を入力すると、その制御指令を受信して通信部を経由してコントローラの機器制御部に伝達することにより、住居用設備機器を遠隔制御する。
【0005】
また、サーバは、転居により住人が変わったときに、住居用設備機器が不正に遠隔制御されることを抑制するため、以下のような処理を行う。
【0006】
すなわち、住居の住人が転居すると、住居用設備機器を利用しない期間が発生することが多い。サーバは、住居用設備機器の使用状態を記憶及び管理し、設定された期間以上使用されていない住居用設備機器を遠隔制御するためのコントローラを検索して、そのコントローラによる住居用設備機器の遠隔操作を禁止又は制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記従来の住居用設備機器について、サーバは、住居用設備機器が使用されていない期間に基づいて不正な遠隔制御を抑制する処理を行うか否かを判断するため、以下のような問題が発生するおそれがある。
【0009】
すなわち、サーバは、例えば、転居後すぐに次の住人が入居した場合において、住人が変わったにもかかわらず住人が変わっていないと誤判断することにより、上述した住居用設備機器の遠隔操作を禁止又は制限する処理を行わず、その結果、住居用設備機器について、不正な遠隔制御を抑制することが難しくなるおそれがある。
【0010】
また、サーバは、例えば、住人が長期不在の場合において、住人が変わっていないにもかかわらず住人が変わったと誤判断することにより、上述した住居用設備機器の遠隔操作を禁止又は制限する処理を行ってしまい、その結果、住人が煩わしさを感じるおそれがある。
【0011】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、住人に煩わしさを感じさせないようにしつつ、不正な遠隔制御を確実性高く抑制できる住居用設備機器を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の住居用設備機器は、住居に設置され、所定の機能を有する住居用設備機器であって、
前記住居には、電力供給するための配電部が設けられ、
前記住居用設備機器は、前記配電部から前記住居用設備機器に電力供給されることにより前記所定の機能を制御する制御部と、
前記制御部に制御され、連携手段と通信する通信機能を有する通信部と、
前記制御部に制御され、報知を行う報知部と、
を備え、
前記連携手段は、前記通信部を経由して、前記制御部に前記所定の機能を制御させる遠隔操作、及び、前記制御部から情報を取得する遠隔情報取得、の少なくとも一方を実行可能であり、
前記制御部及び前記通信部の少なくとも一方は、前記連携手段との連携を許可するための識別情報、及び、前記連携手段との連携履歴情報、の少なくとも一方である特定情報を記憶する記憶部を有し、
前記制御部は、前記配電部から前記住居用設備機器への電力供給が開始されたことを検出したとき、初期設定処理を実行した後、判断処理を繰り返し実行し、
前記制御部は、前記初期設定処理において、報知フラグについて、報知済及び未報知のうちの前記未報知に設定して前記記憶部に記憶させるとともに、前記通信部の前記通信機能を作動させ、
前記制御部は、前記判断処理において、前記報知フラグが前記未報知であると判断し、次に、前記通信部との通信試験が成功したと判断し、次に、前記記憶部に前記特定情報が記憶されていると判断すると、前記特定情報について前記記憶部による記憶を継続させるか否かを問い合わせる継続問合せ情報を含む報知情報を前記報知部に報知させた後、前記報知フラグを前記報知済に設定して前記記憶部に記憶させ、
また、前記制御部は、前記判断処理において、前記報知フラグが前記未報知であると判断し、次に、前記通信部との前記通信試験が成功しなかったと判断すると、前記報知情報を前記報知部に報知させず、その代わりに、前記通信部の前記通信機能を停止させるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の住居用設備機器において、制御部は、配電部から住居用設備機器への電力供給が開始されたことを検出したとき、上記従来技術のような住居用設備機器が使用されていない期間に基づく判断を実施せず、その代わりに、報知フラグと、通信部との通信試験が成功したか否かと、記憶部に特定情報が記憶されている否かと、に基づく判断を実施して、継続問合せ情報を含む報知情報を報知したり、通信部の通信機能を停止させたりする。
【0014】
これにより、仮に制御部が配電部から住居用設備機器への電力供給が開始されたことを検出したときに必ず住人に報知情報を報知する場合と比較して、住人に煩わしさを感じさせることを抑制できる。
【0015】
そして、報知情報を報知された住人は、特定情報について記憶部による記憶を継続させるか否かを自分で判断できる。これにより、住人が特定情報の初期化を選択すれば、特定情報が初期化されて不正な遠隔制御が実施不能となる。また、住人の意図に反して特定情報が初期化されて連携手段による遠隔操作や遠隔情報取得を利用できなくなる不具合を抑制できる。
【0016】
また、電気的ノイズ等により通信部との通信試験が成功しなかった場合に通信部の通信機能を停止させることで、その後、不正な遠隔制御が実施不能となる。
【0017】
したがって、本発明の住居用設備機器は、住人に煩わしさを感じさせないようにしつつ、不正な遠隔制御を確実性高く抑制できる。
【0018】
制御部は、判断処理において、報知フラグが未報知であると判断し、次に、通信部との通信試験が成功したと判断し、次に、記憶部に特定情報が記憶されていないと判断すると、報知情報を報知部に報知させず、その代わりに、報知フラグを報知済に設定して記憶部に記憶させることが望ましい。また、制御部は、判断処理において、報知フラグが報知済であると判断すると、報知情報を報知部に報知させないことが望ましい。
【0019】
この構成により、連携手段による遠隔操作や遠隔情報取得を利用したことがない住人が転居した場合、記憶部に特定情報が記憶されていないため、新たな住人に対して報知情報を報知して煩わしさを感じさせることを抑制できる。また、報知情報を報知されたことがある住人に再び報知情報を報知して煩わしさを感じさせることも抑制できる。
【0020】
制御部は、判断処理において、報知情報を報知部に報知させた後、継続問合せ情報に対して継続させないという入力指示を受けた場合、特定情報を初期化した後、報知フラグを報知済に設定して記憶部に記憶させることが望ましい。また、継続問合せ情報に対して継続させるという入力指示を受けた場合、報知フラグを報知済に設定して記憶部に記憶させることが望ましい。
【0021】
この構成により、連携手段による遠隔操作や遠隔情報取得を利用したことがある住人が転居した場合、新たな住人は、特定情報について記憶部による記憶を継続させないという入力指示を行うことで、不正な遠隔制御を確実性高く抑制できる。また、長期不在から戻った住人は、特定情報について記憶部による記憶を継続させるという入力指示を行うことで、住人の意図に反して特定情報が初期化されて連携手段による遠隔操作や遠隔情報取得を利用できなくなる不具合を抑制できる。
【0022】
本発明の住居用設備機器は、通信部の通信機能を回復させる操作入力を受ける回復指示部をさらに備えていることが望ましい。制御部は、回復指示部が操作入力を受けたとき、通信部の通信機能を回復させた後、判断処理を繰り返し実行することが望ましい。
【0023】
この構成により、住人が回復指示部に対して操作入力を行うことで、仮に配電部による電力供給を停止して再開する場合と比較して、通信部の通信機能を容易に回復させることができる。その後に必要があれば、回復指示部に対して操作入力を行った住人に報知情報を報知できる。
【0024】
連携手段は、外部ネットワークを経由して通信部と通信可能な情報端末が実行するアプリケーションプログラムを含んでいることが望ましい。
【0025】
この場合、何ら対策を施さなければ、外部ネットワークを経由する不正な遠隔制御が実施され易くなる。この点、本発明の住居用設備機器は、上記構成を備えることにより、不正な遠隔制御を確実性高く抑制できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の住居用設備機器によれば、住人に煩わしさを感じさせないようにしつつ、不正な遠隔制御を確実性高く抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、実施例の住居用設備機器と、住居、外部ネットワーク及び連携端末との関係を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施例の住居用設備機器の制御部が実行する転居対策プログラムのフローチャートである。
【
図3】
図3は、実施例の住居用設備機器の制御部が実行する転居対策プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0029】
(実施例)
図1に示すように、実施例の住居用設備機器1は、本発明の住居用設備機器の具体的態様の一例である。住居用設備機器1は、住居H1に設置され、所定の機能を有する機器である。
【0030】
具体例を挙げると、住居用設備機器1は、給湯器、床暖房機、浴室乾燥機、エアコン、加熱調理器、炊飯器、電子錠、照明器具、換気設備、空調設備、食器乾燥機、衣類乾燥機、トイレ設備、防犯センサ、火災センサ等である。住居用設備機器1が給湯器であれば、所定の機能は、給湯機能等である。
【0031】
住居用設備機器1は、住居H1の住人が転居しても移設される可能性が低く、次に住居H1に転入した住人に使用される可能性が高い、所謂据え置き型の設備機器である。
【0032】
住居H1には、住居H1の外部にある商用電源から電力供給するための配電部90が設けられている。配電部90は、住居H1の外部にある電柱P1から住居H1に引き込まれる引き込み線W1に接続された周知の分電盤である。
【0033】
配電部90は、引き込み線W1から住居H1への電力供給を停止可能なメインブレーカや、住居H1に設置されたコンセント99や照明等に電力を分配する複数のサブブレーカを有している。
【0034】
配電部90は、メインブレーカが電源投入操作を受けることにより、住居H1のコンセント99や照明等に交流100Vの電力を供給可能となる。
【0035】
住居H1の住人が転居する場合や、住居H1の住人が長期不在となる場合、配電部90のメインブレーカが停止操作を受けることにより、住居H1への電力供給が停止される。そして、次の住人が住居H1に転入した場合や、住居H1の住人の長期不在が解消した場合、配電部90のメインブレーカが電源投入操作を受けることにより、住居H1への電力供給が可能となる。
【0036】
住居用設備機器1は、電源プラグ19、電源回路18、電源13、制御部10、処理部11、表示部12、無線通信部17、電力供給停止回路16及び通信機能ON/OFFスイッチ15を備えている。
【0037】
表示部12は、本発明の「報知部」の一例である。無線通信部17は、本発明の「通信部」の一例である。通信機能ON/OFFスイッチ15は、本発明の「回復指示部」の一例である。
【0038】
電源プラグ19は、住居用設備機器1から引き出された電源コード19Aの先端に設けられている。電源プラグ19は、コンセント99に差し込まれる。
【0039】
住居H1の住人が転居する場合や、住居H1の住人が長期不在となる場合、住居用設備機器1の待機電力消費を無くすために、電源プラグ19をコンセント99から抜くことがある。ただし、住居用設備機器1の設置場所によっては、コンセント99及び電源プラグ19に手が届き難く、電源プラグ19をコンセント99から抜く作業が煩わしくなる場合がある。
【0040】
電源回路18には、配電部90のメインブレーカが電源投入され、かつ電源プラグ19がコンセント99に差し込まれた状態で、交流100Vの電力が供給される。電源回路18は、交流100Vの電力を直流低圧の電力に変換する回路である。
【0041】
電源13は、直流低圧の電力を電源回路18から付属機器等に分配する際に使用される。
【0042】
制御部10は、図示しないCPU、インターフェース回路及び記憶部10M等を有して構成された電子回路ユニットである。
【0043】
記憶部10Mは、ROM及びRAM等の記憶素子によって構成されている。記憶部10Mは、処理部11に所定の機能を発揮させるために制御部10が実行する各種プログラムを記憶している。また、記憶部10Mは、住居用設備機器1の設定情報等の各種情報や、各種プログラムを実行するための設定情報等を随時記憶する。さらに、記憶部10Mは、
図2及び
図3に示す転居対策プログラムを記憶している。
【0044】
配電部90のメインブレーカが電源投入されていない状態、又は、配電部90のメインブレーカが電源投入されているが電源プラグ19がコンセント99から抜かれた状態では、配電部90から住居用設備機器1への電力供給が停止されている。
【0045】
配電部90のメインブレーカが電源投入され、かつ電源プラグ19がコンセント99に差し込まれることにより、制御部10は、配電部90から住居用設備機器1への電力供給が開始されたことを検出して制御を開始し、住居用設備機器1を起動状態とする。
【0046】
なお、本実施例では、住居用設備機器1の起動状態について単純化して説明するが、実際には、起動状態が待機状態と運転状態とを含むことが多い。
【0047】
起動状態の住居用設備機器1において、制御部10は、配電部90から電源回路18を経由して直流低圧の電力が供給されることにより、処理部11に所定の機能を発揮させるように制御する。
【0048】
例えば、住居用設備機器1が給湯器であれば、処理部11は、給水源から供給される水を熱交換器の内部流路に流通させ、加熱手段によってその水を加熱して台所や浴室等に給湯する給湯機能を発揮する。
【0049】
表示部12は、文字、記号、画像等を表示可能な液晶ディスプレイ等である。表示部12は、制御部10から表示制御出力が伝達されることにより、住居用設備機器1の状態や各種設定情報、エラーメッセージ等を適宜表示する。
【0050】
無線通信部17は、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信を行う通信回路と、記憶部17Mと、を有している。記憶部17Mは、ROM及びRAM等の記憶素子によって構成されている。記憶部17Mは、無線通信部17が無線通信機能を発揮するための各種情報、例えば、初期設定情報、通信対象との間で取り交わされる情報、通信履歴情報等を記憶する。
【0051】
無線通信部17は、有線通信配線17Aを経由して、制御部10と有線通信可能である。無線通信部17は、有線通信配線17Aを経由して、制御部10に制御される。
【0052】
電力供給停止回路16は、電源回路18から無線通信部17に直流低圧の電力を供給する電気配線18Aの途中に配置されている。
【0053】
電力供給停止回路16は、制御部10から電力供給停止出力が伝達された場合、電源回路18から無線通信部17への電力供給を停止する。その一方、電力供給停止回路16は、制御部10から電力供給停止出力が伝達されない間は、電源回路18から無線通信部17への電力供給を停止しない。
【0054】
通信機能ON/OFFスイッチ15は、電気配線18Aにおける電源回路18と電力供給停止回路16との間に位置する部位と、制御部10の入力端子とを接続する電気配線18Bの途中に配置されている。通信機能ON/OFFスイッチ15が押されると、制御部10にトリガー信号が伝達される。
【0055】
配電部90のメインブレーカが電源投入され、かつ電源プラグ19がコンセント99に差し込まれることにより、電源回路18、電気配線18A及び電力供給停止回路16を経由して無線通信部17に直流低圧の電力が供給され、無線通信部17が無線通信機能を発揮可能となる。
【0056】
後述するように、制御部10が
図2及び
図3に示す転居対策プログラムの実行中において、電力供給停止出力を電力供給停止回路16に伝達すると、電力供給停止回路16は、電源回路18から無線通信部17への電力供給を停止する。
【0057】
制御部10の電力供給停止出力は、通信機能ON/OFFスイッチ15が押されるまで継続する。電力供給停止出力が継続する間、無線通信部17が無線通信機能を発揮不能となる。
【0058】
通信機能ON/OFFスイッチ15が押されて制御部10にトリガー信号が伝達されると、制御部10が電力供給停止出力を停止し、無線通信部17が無線通信機能を発揮可能な状態に復帰する。
【0059】
つまり、通信機能ON/OFFスイッチ15は、無線通信部17の通信機能を回復させる操作入力を受ける。
【0060】
なお、通信機能ON/OFFスイッチ15が押されなくとも、電源プラグ19をコンセント99から一端抜いてまた差し込む動作により、無線通信部17が無線通信機能を発揮可能な状態に復帰する。ただし、この動作は、通信機能ON/OFFスイッチ15を押す動作と比較して煩わしい。
【0061】
住居H1には、Wi-Fi(登録商標)等による無線通信が可能な無線LANルータ7が設置されている。無線通信部17は、無線LANルータ7を経由して、住居H1の住人が住居H1内で操作する携帯情報端末8と通信可能である。携帯情報端末8は、スマートフォンやタブレット等である。
【0062】
住居H1の住人は、住居H1内で携帯情報端末8を操作することにより、無線LANルータ7及び無線通信部17を経由して、制御部10に処理部11を制御させる遠隔操作、及び、制御部10から処理部11等に係る情報を取得する遠隔情報取得、の少なくとも一方を実行可能である。
【0063】
なお、住居H1内で操作される携帯情報端末8が遠隔操作及び遠隔情報取得の少なくとも一方を実行するためには、無線通信部17と携帯情報端末8とのペアリングを行って、無線通信部17が携帯情報端末8との連携を許可するための識別情報を設定し、その識別情報を記憶部17Mに記憶させる。そして、無線通信部17は、携帯情報端末8との通信を行う毎に識別情報を確認して、セキュリティを確保するようになっている。また、無線通信部17は、携帯情報端末8が遠隔操作及び遠隔情報取得の少なくとも一方を実行した履歴の情報である連携履歴情報を記憶部17Mに記憶させる。
【0064】
また、無線通信部17は、無線LANルータ7を経由して、外部ネットワークNW1、外部ネットワークNW1に接続する外部サーバ9、及び、住居H1の住人が住居H1の外部で操作する携帯情報端末8と通信可能である。
【0065】
住居H1の住人は、例えば、携帯情報端末8を介して、外出時において外部サーバ9を操作し、アプリケーションプログラムAP1を実行することにより、無線LANルータ7及び無線通信部17を経由して、制御部10に処理部11を制御させる遠隔操作、及び、制御部10から処理部11等に係る情報を取得する遠隔情報取得、の少なくとも一方を実行可能である。なお、携帯情報端末8を介さず、外部サーバ9を操作してもよい。
【0066】
また、住居H1の住人は、外出時において携帯情報端末8を操作し、アプリケーションプログラムAP2を実行することにより、無線LANルータ7及び無線通信部17を経由して、制御部10に処理部11を制御させる遠隔操作、及び、制御部10から処理部11等に係る情報を取得する遠隔情報取得、の少なくとも一方を実行可能である。
【0067】
なお、アプリケーションプログラムAP1、AP2が遠隔操作及び遠隔情報取得の少なくとも一方を実行するためには、無線通信部17がアプリケーションプログラムAP1、AP2との連携を許可するための識別情報を設定し、その識別情報を記憶部17Mに記憶させる。そして、無線通信部17は、アプリケーションプログラムAP1、AP2との通信を行う毎に識別情報を確認して、セキュリティを確保するようになっている。また、無線通信部17は、アプリケーションプログラムAP1、AP2が遠隔操作及び遠隔情報取得の少なくとも一方を実行した履歴の情報である連携履歴情報を記憶部17Mに記憶させる。
【0068】
携帯情報端末8及び外部サーバ9は、本発明の「情報端末」の一例である。携帯情報端末8と、外部サーバ9が実行するアプリケーションプログラムAP1と、携帯情報端末8が実行するアプリケーションプログラムAP2とは、本発明の「連携手段」の一例である。
【0069】
記憶部17Mが記憶する識別情報及び連携履歴情報の少なくとも一方を特定情報とする。本実施例では、識別情報は、4桁の数字であって、0000以外の数字である。
【0070】
制御部10は、転居により住居H1の住人が変わったときに、住居用設備機器1が不正に遠隔制御されることを抑制する必要がある。このため、制御部10は、以下に示す(1)~(3)の場合に電力供給が開始されることにより、
図2及び
図3に示す転居対策プログラムを実行する。
【0071】
(1)配電部90のメインブレーカが電源投入されておらず、かつ電源プラグ19がコンセント99から抜かれた状態から、配電部90のメインブレーカが電源投入され、かつ電源プラグ19がコンセント99に差し込まれた場合
(2)配電部90のメインブレーカが電源投入されていないが電源プラグ19がコンセント99に差し込まれた状態から、配電部90のメインブレーカが電源投入された場合
(3)配電部90のメインブレーカが電源投入されているが、電源プラグ19がコンセント99から抜かれた状態から、電源プラグ19がコンセント99に差し込まれた場合
【0072】
なお、電源プラグ19をコンセント99から抜いたり、コンセント99に差し込む作業は煩わしいので、(2)の場合が多い。
【0073】
制御部10は、
図2及び
図3に示す転居対策プログラムを実行すると、
図2に示すステップS101において、自己への通電開始に基づき、配電部90から住居用設備機器1への電力供給が開始されたことを検出する。そして、制御部10は、その検出をしたときに、初期設定処理(ステップS102、S103)を実行した後、判断処理(ステップS105~S121)を繰り返し実行する。
【0074】
制御部10はステップS102に移行すると、報知フラグについて、報知済及び未報知のうちの未報知に設定して記憶部10Mに記憶させる。
【0075】
報知フラグは、報知情報を報知したか否かを表すフラグである。報知情報は、識別情報及び連携履歴情報の少なくとも一方である特定情報について記憶部17Mによる記憶を継続させるか否かを問い合わせる継続問合せ情報を含んでいる。
【0076】
次に、制御部10はステップS103に移行し、電力供給停止出力を電力供給停止回路16に伝達しないことにより、無線通信部17の通信機能を作動させる。電力供給停止出力を電力供給停止回路16に伝達しない状態は、
図3に示すステップS116に移行するまで継続される。
【0077】
次に、制御部10は
図2に示すステップS105に移行し、記憶部10Mに記憶された報知フラグが未報知であるか否かを判断する。
【0078】
ステップS105において「No」の場合、制御部10は
図3に示すステップS119に移行し、通常起動画面を表示部12に表示させた後、ステップS120に移行する。ステップS120以降の処理については後述する。
【0079】
その一方、
図2に示すステップS105において「Yes」の場合、制御部10はステップS106に移行し、有線通信配線17Aを経由して、無線通信部17との通信試験、すなわち無線通信部17の初期起動が成功して無線通信部17の通信機能が正常に作動しているか否かを評価する試験を試みる。
【0080】
次に、制御部10はステップS107に移行し、無線通信部17との通信試験が成功したか否かを判断する。可能性は非常に低いが、電気的ノイズ等により無線通信部17との通信試験が成功しない場合がある。
【0081】
ステップS107において「No」の場合、制御部10はステップS108に移行し、無線通信部17の初期起動が失敗したことを表示部12に表示させた後、
図3に示すステップS116に移行する。そして、制御部10は電力供給停止出力を電力供給停止回路16に伝達することにより、無線通信部17の通信機能を停止させた後、ステップS119に移行する。ステップS119の処理は上述した通りである。
【0082】
その一方、
図2に示すステップS107において「Yes」の場合、制御部10はステップS109に移行し、記憶部17Mに特定情報が記憶されているか否かを判断する。
【0083】
住居H1の住人が携帯情報端末8や、アプリケーションプログラムAP1、AP2を使用して遠隔操作及び遠隔情報取得の少なくとも一方を実行したことが一度でもある場合、記憶部17Mに特定情報が記憶されている。その一方、住居H1の住人が携帯情報端末8や、アプリケーションプログラムAP1、AP2を使用して遠隔操作及び遠隔情報取得の少なくとも一方を実行したことが全くない場合、記憶部17Mに特定情報が記憶されていない。
【0084】
ステップS109において「No」の場合、制御部10は
図3に示すステップS118に移行し、報知フラグを報知済に設定して記憶部10Mに記憶させた後、ステップS119に移行する。ステップS119の処理は上述した通りである。
【0085】
その一方、
図2に示すステップS109において「Yes」の場合、制御部10はステップS110に移行し、継続問合せ情報を含む報知情報を表示部12に表示させる。住居用設備機器1を起動させた住人は、継続問合せ情報の表示を見ることにより、特定情報について記憶部17Mによる記憶を継続させるか否かを判断し、入力指示を行う。
【0086】
次に、制御部10はステップS111に移行し、特定情報について記憶部17Mによる記憶を継続させないという入力指示を受けたか否かを判断する。
【0087】
ステップS111において「No」の場合、制御部10は
図3に示すステップS118に移行し、報知フラグを報知済に設定して記憶部10Mに記憶させた後、ステップS119に移行する。ステップS119の処理は上述した通りである。
【0088】
その一方、
図2に示すステップS111において「Yes」の場合、制御部10はステップS112に移行し、特定情報を初期化して遠隔制御を停止させる。その結果、携帯情報端末8や、アプリケーションプログラムAP1、AP2を使用して遠隔操作及び遠隔情報取得の少なくとも一方を実行することができなくなる。
【0089】
次に、制御部10は
図3に示すステップS114に移行し、特定情報の初期化(遠隔制御停止)に成功したか否かを判断する。可能性は非常に低いが、電気的ノイズ等により特定情報の初期化(遠隔制御停止)が成功しない場合がある。
【0090】
ステップS114において「No」の場合、制御部10はステップS115に移行し、特定情報の初期化が失敗したことを表示部12に表示させた後、ステップS116に移行する。そして、制御部10は電力供給停止出力を電力供給停止回路16に伝達することにより、無線通信部17の通信機能を停止させた後、ステップS119に移行する。ステップS119の処理は上述した通りである。
【0091】
その一方、ステップS114において「Yes」の場合、制御部10はステップS118に移行し、報知フラグを報知済に設定して記憶部10Mに記憶させた後、ステップS119に移行する。ステップS119の処理は上述した通りである。
【0092】
ステップS119からステップS120に移行すると、制御部10は、通信機能ON/OFFスイッチ15が操作入力を受けたか否かを判断する。
【0093】
制御部10は、ステップS120において「No」となっている間は、ステップS120を繰り返す。そして、ステップS120において「Yes」となると、制御部10はステップS121に移行する。そして、制御部10は、電力供給停止出力を電力供給停止回路16に伝達しなくなることにより、無線通信部17の通信機能を作動させる。その後、制御部10は、
図2に示すステップS105に戻り、ステップS105~S121を繰り返す。
【0094】
そして、配電部90のメインブレーカが停止操作を受けたり、電源プラグ19がコンセント99から抜かれたりすることにより、制御部10は、
図2及び
図3に示す転居対策プログラムを終了し、住居用設備機器1を停止させる。
【0095】
<転居対策プログラムのまとめ>
制御部10は、ステップS105において、報知フラグが未報知であると判断し、次に、ステップS107において、無線通信部17との通信試験が成功したと判断し、次に、ステップS109において、記憶部17Mに特定情報が記憶されていると判断すると、ステップS110において、特定情報について記憶部17Mによる記憶を継続させるか否かを問い合わせる継続問合せ情報を含む報知情報を表示部12に報知させた後、ステップS118において、報知フラグを報知済に設定して記憶部10Mに記憶させる。
【0096】
制御部10は、ステップS105において、報知フラグが未報知であると判断し、次に、ステップS107において、無線通信部17との通信試験が成功しなかったと判断すると、ステップS110をスキップして報知情報を表示部12に報知させず、その代わりに、ステップS116において、無線通信部17の通信機能を停止させる。
【0097】
制御部10は、ステップS105において、報知フラグが未報知であると判断し、次に、ステップS107において、無線通信部17との通信試験が成功したと判断し、次に、ステップS109において、記憶部17Mに特定情報が記憶されていないと判断すると、ステップS110をスキップして報知情報を表示部12に報知させず、その代わりに、ステップS118において、報知フラグを報知済に設定して記憶部10Mに記憶させる。
【0098】
制御部10は、ステップS105において、報知フラグが報知済であると判断すると、ステップS110をスキップして報知情報を表示部12に報知させない。
【0099】
制御部10は、ステップS110において、報知情報を表示部12に報知させた後、ステップS111において、継続問合せ情報に対して継続させないという入力指示を受けた場合、ステップS112において、特定情報を初期化した後、ステップS118において、報知フラグを報知済に設定して記憶部10Mに記憶させる。
【0100】
制御部10は、ステップS110において、報知情報を表示部12に報知させた後、ステップS111において、継続問合せ情報に対して継続させるという入力指示を受けた場合、ステップS118において、報知フラグを報知済に設定して記憶部10Mに記憶させる。
【0101】
制御部10は、ステップS120において、通信機能ON/OFFスイッチ15が操作入力を受けたとき、ステップS121において、無線通信部17の通信機能を回復させた後、ステップS105~S121を繰り返し実行する。
【0102】
<作用効果>
実施例の住居用設備機器1において、
図2及び
図3に示すように、制御部10は、配電部90から住居用設備機器1への電力供給が開始されたことを検出したとき(ステップS101)、上記従来技術のような住居用設備機器1が使用されていない期間に基づく判断を実施せず、その代わりに、報知フラグ(ステップS105)と、無線通信部17との通信試験が成功したか否か(ステップS107)と、記憶部17Mに特定情報が記憶されている否か(ステップS109)と、に基づく判断を実施して、継続問合せ情報を含む報知情報を報知したり(ステップS110)、無線通信部17の通信機能を停止させたりする(ステップS116)。
【0103】
これにより、仮に制御部10が配電部90から住居用設備機器1への電力供給が開始されたことを検出したときに必ず住人に報知情報を報知する場合と比較して、住人に煩わしさを感じさせることを抑制できる。
【0104】
そして、報知情報を報知された住人は、特定情報について記憶部17Mによる記憶を継続させるか否かを自分で判断できる。これにより、住人が特定情報の初期化を選択すれば(ステップS111における「Yes」)、特定情報が初期化されて不正な遠隔制御が実施不能となる。また、住人の意図に反して特定情報が初期化されて、携帯情報端末8や、アプリケーションプログラムAP1、AP2による遠隔操作や遠隔情報取得を利用できなくなる不具合を抑制できる。
【0105】
また、電気的ノイズ等により無線通信部17との通信試験が成功しなかった場合(ステップS107における「No」)に無線通信部17の通信機能を停止させることで(ステップS116)、その後、不正な遠隔制御が実施不能となる。
【0106】
したがって、実施例の住居用設備機器1は、住人に煩わしさを感じさせないようにしつつ、不正な遠隔制御を確実性高く抑制できる。
【0107】
また、この住居用設備機器1において、制御部10は、報知フラグが未報知であると判断し(ステップS105における「Yes」)、次に、無線通信部17との通信試験が成功したと判断し(ステップS107における「Yes」)、次に、記憶部17Mに特定情報が記憶されていないと判断すると(ステップS109における「No」)、報知情報を表示部12に報知させず(ステップS110をスキップ)、その代わりに、報知フラグを報知済に設定して記憶部10Mに記憶させる(ステップS118)。また、制御部10は、報知フラグが報知済であると判断すると(ステップS105における「No」)、報知情報を表示部12に報知させない(ステップS110をスキップ)。この構成により、携帯情報端末8や、アプリケーションプログラムAP1、AP2による遠隔操作や遠隔情報取得を利用したことがない住人が転居した場合、記憶部17Mに特定情報が記憶されていないため、新たな住人に対して報知情報を報知して煩わしさを感じさせることを抑制できる。また、報知情報を報知されたことがある住人に再び報知情報を報知して煩わしさを感じさせることも抑制できる。
【0108】
さらに、この住居用設備機器1において、制御部10は、報知情報を表示部12に報知させた後(ステップS110)、継続問合せ情報に対して継続させないという入力指示を受けた場合(ステップS111における「Yes」)、特定情報を初期化した後(ステップS112)、報知フラグを報知済に設定して記憶部10Mに記憶させる(ステップS118)。また、継続問合せ情報に対して継続させるという入力指示を受けた場合(ステップS111における「No」)、報知フラグを報知済に設定して記憶部10Mに記憶させる(ステップS118)。この構成により、携帯情報端末8や、アプリケーションプログラムAP1、AP2による遠隔操作や遠隔情報取得を利用したことがある住人が転居した場合、新たな住人は、特定情報について記憶部17Mによる記憶を継続させないという入力指示を行うことで、不正な遠隔制御を確実性高く抑制できる。また、長期不在から戻った住人は、特定情報について記憶部17Mによる記憶を継続させるという入力指示を行うことで、住人の意図に反して遠隔操作や遠隔情報取得を利用できなくなる不具合を抑制できる。
【0109】
また、この住居用設備機器1において、制御部10は、通信機能ON/OFFスイッチ15が操作入力を受けたとき(ステップS120における「Yes」)、無線通信部17の通信機能を回復させた後(ステップS121)、ステップS105~S121を繰り返し実行する。この構成により、住人が通信機能ON/OFFスイッチ15に対して操作入力を行うことで、仮に配電部90による電力供給を停止して再開する場合と比較して、無線通信部17の通信機能を容易に回復させることができる。その後に必要があれば、通信機能ON/OFFスイッチ15に対して操作入力を行った住人に報知情報を報知できる。
【0110】
さらに、この住居用設備機器1において、携帯情報端末8、外部サーバ9が実行するアプリケーションプログラムAP1、携帯情報端末8が実行するアプリケーションプログラムAP2は、外部ネットワークNW1を経由して無線通信部17と通信可能である。この場合、何ら対策を施さなければ、外部ネットワークNW1を経由する不正な遠隔制御が実施され易くなる。この点、この住居用設備機器1は、上記構成を備えることにより、不正な遠隔制御を確実性高く抑制できる。
【0111】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0112】
実施例では、住居H1の外部にある商用電源から住居H1に電力供給されるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、電力供給源は、住居H1に設けられてもよく、具体的には、太陽光発電等の自家発電であってもよいし、乾電池や充電池等であってもよい。なお、電力供給源が乾電池や充電池等である場合、配電部90は、住居用設備機器1に内蔵されていてもよい。
【0113】
実施例では、無線通信部17の記憶部17Mが特定情報を記憶し、制御部10の記憶部10Mが報知フラグを記憶しているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、無線通信部17の記憶部17Mが特定情報及び報知フラグを記憶していてもよいし、制御部10の記憶部10Mが特定情報及び報知フラグを記憶していてもよい。
【0114】
実施例では、報知部が表示部12であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、報知部は、スピーカであって音声によって報知してもよい。
【0115】
実施例では、回復指示部が通信機能ON/OFFスイッチ15であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、回復指示部は、既存のスイッチに対する複数同時押し操作や長押し操作等の特殊操作であってもよい。
【0116】
実施例では、無線通信部17の通信機能を停止するにあたり、電力供給を停止したが、本発明はこの構成には限定されず、例えば、ソフトウェアなどによって無線の機能を停止するなどの他の方法で通信機能を停止させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、例えば給湯器、床暖房機、浴室乾燥機、エアコン等である住居用設備機器が設置される住居に利用可能である。
【符号の説明】
【0118】
1…住居用設備機器
H1…住居
90…配電部
10…制御部
8、AP1、AP2…連携手段(8…携帯情報端末、AP1、AP2…アプリケーションプログラム)
17…通信部(無線通信部)
12…報知部(表示部)
10M、17M…記憶部
S102、S103…初期設定処理
S105~S121…判断処理
15…回復指示部(通信機能ON/OFFスイッチ)
NW1…外部ネットワーク
9…情報端末(9…外部サーバ、8…携帯情報端末)