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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014187
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】釣糸結束補助具
(51)【国際特許分類】
   A01K 91/047 20060101AFI20240125BHJP
   A01K 97/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A01K91/047 B
A01K97/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116827
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】504473599
【氏名又は名称】有限会社ライラクス
(74)【代理人】
【識別番号】100095647
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】三上 雅之
【テーマコード(参考)】
2B109
2B307
【Fターム(参考)】
2B109FA07
2B307EB00
2B307EC00
(57)【要約】
【課題】釣糸の細さ(号数)や滑りやすさに応じて挟み込む力を自在に調整して、結束中の抜けや弛みを確実に防止した釣糸結束補助具を提供する。
【解決手段】ハの字型に連結した二本のアームの軸支部と各先端部に設けられる釣糸固定部は、糸巻き軸と、この糸巻き軸の前後両側に対向面を釣糸の挟持面として離間配置される一対の挟持体と、一対の挟持体の後方に設けたダイヤルとを備える。一対の挟持体は、その一方をアーム側に固定するのに対して、他方の挟持体は一方の挟持体に対して圧接方向に平行移動可能とする。そして、ダイヤルは回転操作によって他方の挟持体を前記圧接方向に押圧可能とし、このダイヤルの回転量によって一対の挟持体による釣糸の挟む力を調整自在とした。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二本のアームを互いの先端部が接離する方向に回動可能に軸支すると共に、この軸支部と前記先端部のそれぞれには釣糸固定部を有してなり、この釣糸固定部は、前記アームの片面から前記軸支部の軸方向に突出する糸巻き軸と、この糸巻き軸の前後両側に対向面を釣糸の挟持面として離間配置される一対の挟持体と、前記糸巻き軸の延長上、前記一対の挟持体の後方に設けたダイヤルとを備え、前記一対の挟持体はその一方を前記アーム側に固定する一方、他方の挟持体は前記一方の挟持体に対して圧接方向に変位可能とすると共に、前記ダイヤルは回転操作によって前記他方の挟持体を前記圧接方向に押圧可能とし、このダイヤルの回転量によって前記一対の挟持体による前記釣糸の挟む力を調整自在としたことを特徴とする釣糸結束補助具。
【請求項2】
釣糸固定部は、アームに先端を固定するセンターシャフトを備え、このセンターシャフトに糸巻き軸及び一対の挟持体を同軸に配置すると共に、その後端側にダイヤルを螺合することで、前記ダイヤルの回転運動を前記一対の挟持体の圧接方向に沿った直線運動に変換する送りネジ機構からなる請求項1記載の釣糸結束補助具。
【請求項3】
センターシャフトはダイヤルが螺合する部分よりも先端側に角軸部が形成され、一対の挟持体のうち圧接方向に変位可能な他方の挟持体には前記角軸部が嵌合する角孔が形成され、前記他方の挟持体を回転不能のまま圧接方向に平行移動可能とした請求項2記載の釣糸結束補助具。
【請求項4】
糸巻き軸は、その表面に複数の滑り止め溝を周設してなる請求項1、2または3記載の釣糸結束補助具。
【請求項5】
ダイヤルと、該ダイヤルに押圧される他方の挟持体の相対面にはクリック機構が構成され、このクリック機構は、前記相対面の一方に前記ダイヤルの回転方向に沿って複数の穴を環状に連続して設けると共に、前記相対面の他方に前記穴に弾性的に係脱可能なピンを設けてなる請求項1のうち何れか一項記載の釣糸結束補助具。
【請求項6】
二本のアームのそれぞれはその途中に関節部を有し、前記二本のアームの先端部を軸支部に向かって半折状に折り畳み可能とした請求項1記載の釣糸結束補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、二本の釣糸を結束するための補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
釣り竿側の道糸と仕掛け側のハリスのように二本の釣糸を連結する場合、釣りの種類によってはサルカンを使用せず、釣糸同士を直接結束する。その代表例がルアーフィッシングであり、リール側のメインラインとルアー側のクッションリーダー(ショックリーダー)とを直接結束する。そして、この場合の結束方法として広く採用されているのが、結束強度が高いFGノットなどの一種の編み込みを用いた方法である。
【0003】
しかし、素手のみで結束強度を一定以上に高めることは難しいため、釣糸結束補助具を使用するのが有効である。例えば特許文献1の釣糸結束補助具であれば、ハの字型に連結した二本のアームの両先端間と、アーム連結部のそれぞれにメインラインとクッションリーダーを固定することで、これらラインにテンションをかけながら編み込めるため、素手のみで行うよりも結束強度を高めることが容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-128441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
FGノット等の結束方法を進める場合、その途中で釣糸が抜けたり弛んだりしてしまうと結束強度が著しく低下するため、釣糸結束補助具には釣糸を強固に保持することが要求される。
【0006】
この点、特許文献1のものは、釣糸の固定手段として、糸巻き軸のほか、釣糸を挟み込むピンチ位置と、これを解除するリリース位置とに切替可能な挟持体を併用しており、釣糸を糸巻き軸に巻きつけた上に挟持体と座面とで挟み込んで固定するため、単に糸巻き軸に巻き付けるだけの場合に比べて、釣糸を強固に固定することができるとされている。
【0007】
しかしながら、特許文献1のものは、挟持体によるピンチ位置が一つに固定されるため、釣糸を挟み込む力は常に一定である。
【0008】
これに対して、釣糸にはナイロンライン、フロロカーボンライン、エステルラインなど様々な種類があるが、ルアーフィッシングではポリエチレン製の撚糸(いわゆるPEライン)がメインラインとして多用される。同じ破断強度で比較した場合、ナイロンライン等よりも細くて軽いためルアーの飛距離が向上し、伸長しにくいため感度が良好となるうえ、耐候性にも優れるからである。ちなみに、9kgの破断強度を得たい場合、ナイロンラインでは5号(直径約0.37mm)を選択しなければならないのに対して、PEラインであれば1号(直径約0.17mm)で済む。
【0009】
このように、ルアーフィッシングではメインラインの細線化が主流となっている中、特許文献1の釣糸結束補助具では、ピンチ位置における挟持力が一定であるため、釣糸が細くなるほどこれを強く挟み込むことが難しくなる。また、釣糸の表面に予めシリコンフッ素コーティングを施し、ロッド(釣り竿)のガイドの通りを良くしていることもあるが、この場合は、釣糸が滑りやすいため、なおさら強固な挟み込みが困難となる。これを解決するには、糸巻き軸への巻き数を増やすしかないが、そうすると釣糸に幾重もの巻き癖がついてしまうという課題が残る。こうした課題はPEラインに限ったことではなく、低号数の釣糸全般に共通する。
【0010】
本発明は上述した課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、釣糸の細さ(号数)や滑りやすさに応じて挟み込む力を自在に調整して、結束中の抜けや弛みを確実に防止した釣糸結束補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために本発明では、二本のアームを互いの先端部が接離する方向に回動可能に軸支すると共に、この軸支部と前記先端部のそれぞれには釣糸固定部を有してなり、この釣糸固定部は、前記アームの片面から前記軸支部の軸方向に突出する糸巻き軸と、この糸巻き軸の前後両側に対向面を釣糸の挟持面として離間配置される一対の挟持体と、前記糸巻き軸の延長上、前記一対の挟持体の後方に設けたダイヤルとを備え、前記一対の挟持体はその一方を前記アーム側に固定する一方、他方の挟持体は前記一方の挟持体に対して圧接方向に変位可能とすると共に、前記ダイヤルは回転操作によって前記他方の挟持体を前記圧接方向に押圧可能とし、このダイヤルの回転量によって前記一対の挟持体による前記釣糸の挟む力を調整自在とするという手段を用いた。
【0012】
この手段によれば、ダイヤルの回転量によって一対の挟持体による釣糸を挟む力が調整自在であり、いわば無段階で釣糸を挟む力を調整することができる。したがって、結束しようとする釣糸が細かったり、その表面が滑りやすいときには、ダイヤルを多く締め込むことで、一対の挟持体の圧接力が高まり、より強い力で釣糸を挟み込むことができる。その結果、糸巻き軸に巻く回数も少なくて済み、巻き癖がないフレッシュな釣糸状態で釣りを行うことができる。
【0013】
また、本発明の釣糸固定部は、アームに先端を固定するセンターシャフトを備え、このセンターシャフトに糸巻き軸及び一対の挟持体を同軸に配置すると共に、その後端側にダイヤルを螺合することで、前記ダイヤルの回転運動を前記一対の挟持体の圧接方向に沿った直線運動に変換する送りネジ機構を構成してなる。したがって、送りネジのピッチを小さくすることで、ダイヤルの回転量と圧接方向の押圧量が細分化され、釣糸を挟む力をより細かく調整することが可能となる。
【0014】
さらに、センターシャフトはダイヤルが螺合する部分よりも先端側に角軸部が形成され、一対の挟持体のうち圧接方向に変位可能な他方の挟持体には前記角軸部が嵌合する角孔が形成され、前記他方の挟持体を回転不能のまま圧接方向に平行移動可能とする。そして、もう一方の挟持体もアーム側に固定されているから、一対の挟持体が圧接により釣糸を挟み込む際、これらが挟持体の何れもが回転しない。したがって、これら一対の挟持体に挟み込まれる釣糸に縒などの不用意な応力が作用することがない。
【0015】
また、糸巻き軸は、その表面に複数の滑り止め溝を周設したものとすることができ、この場合、一対の挟持板による釣糸の挟む力を補完して、より確実に釣糸の抜けや滑りを防止することができる。
【0016】
さらにまた、本発明では、ダイヤルと、該ダイヤルに押圧される他方の挟持体の相対面にはクリック機構が構成され、このクリック機構は、前記相対面の一方に前記ダイヤルの回転方向に沿って複数の穴を環状に連続して設けると共に、前記相対面の他方に前記穴に弾性的に係脱可能なピンを設けてなる。この手段によれば、ダイヤルの回転に伴ってピンが順次穴に係脱し、その都度、クリック音が発生する。したがって、ダイヤルの回転量の増加、引いては釣糸を挟む力の増加をクリック音やクリック振動(の回数)によって認識することができる。
【0017】
なお、二本のアームのそれぞれは、その途中に関節部を有して、先端部を軸支部に向かって半折状に折り畳み可能とすれば、未使用時に全体をコンパクトな大きさとすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、釣糸の細さや滑りやすさに応じて挟み込む力を自在(無段階)に調整することができるため、細い釣糸であっても結束中に抜けや弛みが生じることなく、一定のテンションを保ちながら結束を完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る釣糸結束補助具の斜視図
図2】同、二本のアームを分解した正面からの斜視図
図3】同、二本のアームを分解した背面からの斜視図
図4】同、釣糸固定部の側面図
図5】同、釣糸固定部を分解した正面からの斜視図
図6】同、釣糸固定部を分解した背面からの斜視図
図7】同、一対の挟持体を分離した斜視図
図8】同、使用方法を示す斜視図
図9】同、アームを折り畳んだ状態の斜視図
図10】同、関節部の背面からの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は本発明の一実施形態に係る釣糸結束補助具の斜視図であって、二本のアーム1・2をいわゆるハの字状となるように基端部を軸支すると共に、その軸支部と先端部の各前面には同じ構成の釣糸固定部3~5を設けている。なお、各アーム1・2の途中には関節部6・7を設けているが、この点については未使用時の説明として後述する。
【0021】
二本のアーム1・2は、先端部の釣糸固定部4・5同士が接離可能に回動するもので、図2・3の分解図に示すように、両アーム1・2の基端部同士を背面側からキャップ8を介してセンターボルト9により軸支するに際して、各アーム1・2の基端部それぞれにはセンターボルト9と平行するピン10と、このピン10が摺動可能に係合する円弧状の凹部11が予め形成されている。また、凹部11にはトーションスプリング12が収容され、その弾発力はピン10を介してアーム1・2の開方向に作用している。したがって、釣糸の結束中、アーム1・2の先端部の釣糸固定部4・5間に掛け渡した釣糸に対して、常に、トーションスプリング12の弾発力に見合ったテンションを付与し続けることができる。
【0022】
こうした構成を基本として、本発明における釣糸固定部3~5は、図4に示すように、アーム1・2側から第一の挟持体13、糸巻き軸14、第二の挟持体15、ダイヤル16の順に配列されている。この構成では、糸巻き軸14に釣糸を1~2回巻き付け、ダイヤル16を回せば第二の挟持体15が第一の挟持体13に圧接し、糸巻き軸14に巻き付けた釣糸をさらに挟み込んで、強固に固定するものである。
【0023】
より詳しくは、図5・6の分解図に示すように、この実施形態では、第一の挟持体13(特許請求の範囲に記載した「一方の挟持体」に相当)、糸巻き軸14、第二の挟持体15(特許請求の範囲の記載した「他方の挟持体」に相当)、ダイヤル16の各部材は、センターシャフト17上に配置される。このセンターシャフト17は、基端部に雄ネジ17aが形成され、これよりも先端側は角軸17bとしており、アームには角軸17bに対応した角孔状の嵌合凹部2aが形成されており、この嵌合凹部にセンターシャフト17の先端を嵌合したうえで、その反対側からネジ18を螺合することで、センターシャフト17をアーム2に固定するようにしている。したがって、センターシャフト17は非回転の状態でアームに固定される。角軸17bと嵌合凹部2aはセンターシャフト17の回転を規制するためのものであるので、その形状は真円以外のものであれば他の形状を選択することができる。
【0024】
また、この実施形態では、第一の挟持体13と糸巻き軸14を一体に形成する一方、第二の挟持体15は挟持板15aと台座15bとの組み合わせからなる。このうち、第一の挟持体13と糸巻き軸14、第二の挟持体15における挟持板15aは、釣糸を傷つけずに巻回したり挟み込むことができるようにゴムや合成ゴムなどのエラストマからなる。このような素材を採用することで、釣糸が滑りにくいという利点もある。
【0025】
特に、糸巻き軸14は、図7に示すように、その表面に複数の滑り止め溝14aを周方向に形成しているため、巻き付けた釣糸がほどけにくい。
【0026】
このように、第一の挟持体13と糸巻き軸14は同じ素材を採用することができるため、本実施形態では一体成形により両者を一体化しているが、両者を別体に成形してもよい。また、第一の挟持体13と糸巻き軸14、第二の挟持体15における挟持板15aの素材はエラストマに限らず、他の素材であってもよい。
【0027】
ダイヤル16は、回転操作体16aの外周にローレットリング16bを環装してなる。このローレットリング16bも指が引っかかりやすいようにエラストマにより形成することが好ましい。ただし、ダイヤル16はその素材や二部材構成とすることは本実施形態に限定されない。要は、手指で回転操作できればよい。
【0028】
そして、第一の挟持体13は中央に糸巻き軸14を貫通してコイルスプリング19を挿通する中心孔13aが形成されると共に、糸巻き軸14とは反対の裏面に形成した複数の穴13bをアーム側の突起2bに凹凸係合することでアーム側に回転不能に固定される。
【0029】
第二の挟持体15もまた、挟持板15aと台座15bは複数の穴15cと突起15dを凹凸係合することで一体化される。そして、挟持板15aについては、その中央に糸巻き軸14が挿通可能な挿通孔15eが形成されるのに対して、台座15bにはセンターシャフト17の角軸17bに対応した角孔15fが形成されている。したがって、第二の挟持体15はセンターシャフト17上を回転不能な状態で平行移動可能となっている。なお、この第二の挟持体15は、アームと台座15bをバネ受けとするコイルスプリング19によって、常時、第一の挟持体13から離間する方向に付勢される。また、第二の挟持体15は、その挿通孔15eの内周に設けたリブ15gが糸巻き軸14の滑り止め溝14aに係合することで、センターシャフト17上を平行移動する際、より確実に回転が規制される。
【0030】
一方、ダイヤル16は、その回転操作体16aの中央にセンターシャフト17の雄ネジ17aに螺合する雌ネジ孔16cが形成されている。センターシャフト17は上述のように非回転の状態でアームに固定されるため、センターシャフト17の雄ネジ17aにダイヤル16の雌ネジ孔16cを螺合させることで送りネジ機構が構成される。
【0031】
さらに、ダイヤル16と第二の挟持体15の対向面にはクリック機構が構成されている。即ち、この実施形態では、第二の挟持体15(の台座15b)に円形状に凹む多数の浅穴20を連続して環状に形成すると共に、ダイヤル16には小バネ21aにより弾性的に浅穴20に係脱可能な先端球状ピン21を設けている。
【0032】
このような構成の釣糸結束補助によれば、まず釣糸を糸巻き軸14に1~2回巻き付け、ダイヤル16を締め込む方向に回せば、送りネジ機構によってダイヤル16がセンターシャフト17上をアーム側に移動し、この移動によって第二の挟持体15を第一の挟持体13と圧接する方向に押圧するので、釣糸は第一の挟持体13と第二の挟持体15の対向面の間に挟み込まれる。なお、糸巻き軸14に釣糸を巻き付ける方向に限定はなく、時計回りと反時計回りの何れであっても構わない。
【0033】
また、ダイヤル16の締め込み量(ダイヤル16の回転量)が大きいほど、釣糸を挟む力も増加するので、釣糸が細い場合でも強固に挟み込むことができる。その結果、糸巻き軸14に釣糸を巻く回数も少なくて済み(糸巻き軸14に釣糸に巻き付けるのは仮固定で済み)、釣糸に巻き癖がつきにくく、また、結束完了後も釣糸をほどく手間も少なくなる。
【0034】
さらに、ダイヤル16を回す度にクリック音やクリック振動が発生するので、その回数を聞き取ることでダイヤル16の締め込み量(引いては釣糸を挟む力)も調整がしやすい。
【0035】
さらにまた、第一の挟持体13と糸巻き軸14、第二の挟持体15は何れも、回転不能であるため、釣糸固定時に、ダイヤル16の締め込み(回転動作)と共転することなく、第二の挟持体15の平行移動のみによって釣糸を第一の挟持体13とで挟み込むことができるから、その際、第一・第二の挟持体13・15の間で釣糸に縒が生じたり、糸巻き軸14に巻き付けた釣糸がほどけたりすることもない。
【0036】
こうした要領によって、図8に示すように、各釣糸固定部3~5に二本の釣糸L1・L2を固定する。なお、L1はナイロンライン等のクッションリーダーであり、結束当初、軸支部の釣糸固定部3に固定される。一方、L2はPEライン等のメインラインであり、結束当初、先端部の釣糸固定部4・5間に掛け渡され、以降、特許文献1のものと同じ方法でFGノットを組むことができる。
【0037】
図9は、未使用時において、アーム1・2を、その途中に設けた関節部6・7によって半折状(二つ折り状)に折り畳んだ状態を示したものである。関節部6・7は同じ構成であり、図10に示すように、上腕側端部22と前腕側端部23をキー部材24によって連結してなる。そして、このキー部材24は、スイッチ25をバネ26を圧縮するように押し込むことで、上腕側端部22に設けたキー穴27との係合が解除されて前腕が回転フリーの状態となり、前腕を内側に折り曲げるのに連動してキー部材24が反転して、再度、キー穴27に係合し、図9の折り畳み状態にロックされる。
【符号の説明】
【0038】
1・2 アーム
3~5 釣糸固定部
6・7 関節部
13 第一の挟持体
14 糸巻き軸
15 第二の挟持体
16 ダイヤル
17 センターシャフト
L1 クッションリーダー
L2 メインライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10