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特開2024-141874健全性評価装置、健全性評価システム、健全性評価方法及び健全性評価プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141874
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】健全性評価装置、健全性評価システム、健全性評価方法及び健全性評価プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20241003BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20241003BHJP
   G01M 5/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
G01H17/00 Z
G01M5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053730
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】505398941
【氏名又は名称】東日本高速道路株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510257765
【氏名又は名称】株式会社ネクスコ・エンジニアリング東北
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】木下 翔平
(72)【発明者】
【氏名】葛西 茂
(72)【発明者】
【氏名】宇山 友理
(72)【発明者】
【氏名】樋本 智
(72)【発明者】
【氏名】氏原 安美
(72)【発明者】
【氏名】徳永 光輔
【テーマコード(参考)】
2G024
2G064
【Fターム(参考)】
2G024AD34
2G024BA12
2G024BA27
2G024CA13
2G024FA04
2G024FA06
2G024FA15
2G064AA05
2G064AB01
2G064AB02
2G064BA02
2G064BD02
2G064CC41
2G064DD02
(57)【要約】
【課題】構造物の新設状態又は正常状態での健全性の評価結果を予め取得していなくても、構造物の健全性を評価可能な健全性評価装置を実現する。
【解決手段】本開示の一形態の健全性評価装置(3)は、掛け渡された構造物に設けられた複数の振動検出センサ(4)が検出した振動情報を取得する振動情報取得部(11)と、振動情報に基づいて振動モードを抽出する抽出部(12)と、振動モードに含まれる曲げモードに応じて構造物の健全性の評価を序列化するための序列化情報と、曲げモードを示す情報と、に基づいて構造物の健全性を評価する評価部(13)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掛け渡された構造物に設けられた複数の振動検出センサが検出した振動情報を取得する振動情報取得部と、
前記振動情報に基づいて振動モードを抽出する抽出部と、
前記振動モードに含まれる曲げモードに応じて前記構造物の健全性の評価を序列化するための序列化情報と、前記曲げモードを示す情報と、に基づいて前記構造物の健全性を評価する評価部と、
を備える、健全性評価装置。
【請求項2】
前記序列化情報は、前記曲げモードが高次になるのに従って前記健全性を高く評価するように設定されている、請求項1に記載の健全性評価装置。
【請求項3】
前記序列化情報は、前記構造物の各径間での曲げモードの最大次数に応じて、前記健全性を序列化するための点数が設定されている、請求項1又は2に記載の健全性評価装置。
【請求項4】
前記評価部は、前記構造物の各径間の点数の加算結果に基づいて、前記健全性を評価する、請求項3に記載の健全性評価装置。
【請求項5】
前記序列化情報は、前記構造物の各径間での曲げモードの最大次数に応じて、前記健全性を序列化するための分岐フローが設定されている、請求項1又は2に記載の健全性評価装置。
【請求項6】
前記序列化情報は、前記振動情報に前記構造物に応じた周波数で発現し、前記曲げモードに分類されない振動モードが含まれている場合、前記振動情報に前記構造物に応じた周波数で発現し、前記曲げモードに分類されない振動モードが含まれていない場合に比べて、前記健全性を低く評価するように設定されている、請求項1又は2に記載の健全性評価装置。
【請求項7】
複数の構造物の健全性の評価を示す情報に基づいて、前記複数の構造物の健全性を序列化する序列部を備える、請求項1又は2に記載の健全性評価装置。
【請求項8】
掛け渡された構造物に設けられる複数の振動検出センサと、
請求項1又は2に記載の健全性評価装置と、
を備える、健全性評価システム。
【請求項9】
掛け渡された構造物に設けられた複数の振動検出センサが検出した振動情報を取得し、
前記振動情報に基づいて振動モードを抽出し、
前記振動モードに含まれる曲げモードに応じて前記構造物の健全性の評価を序列化するための序列化情報と、前記曲げモードを示す情報と、に基づいて前記構造物の健全性を評価する、健全性評価方法。
【請求項10】
掛け渡された構造物に設けられた複数の振動検出センサが検出した振動情報を取得する処理と、
前記振動情報に基づいて振動モードを抽出する処理と、
前記振動モードに含まれる曲げモードに応じて前記構造物の健全性の評価を序列化するための序列化情報と、前記曲げモードを示す情報と、に基づいて前記構造物の健全性を評価する処理と、
をコンピュータに実行させる、健全性評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、健全性評価装置、健全性評価システム、健全性評価方法及び健全性評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
橋梁などの構造物の老朽化に伴い、構造物の健全性評価の重要性が高まっている。例えば、特許文献1では、鉄道構造物の新設状態における正常固有振動モードに対して、鉄道構造物を走行する鉄道車両に設けられた加速度データに基づいて算出された卓越振動数のうち、外乱の影響による卓越振動数以外の卓越振動数が同定された固有振動モードが変化している場合、鉄道構造物が変状していると判定している。
【0003】
また、特許文献2では、構造物の加速度情報に基づく特徴量として、3軸分の傾き情報及び3軸分の固有振動数情報の少なくとも一方の情報を抽出し、抽出した特徴量に関して、正常状態において算出した確率密度分布と、劣化診断時において算出した確率密度分布との間に所定量以上の有意差を有する分布が存在する場合、構造物の取付状態に異常が発生していると判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-208043号公報
【特許文献2】特開2014-228471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2の技術は、構造物の新設状態における正常固有振動モードや正常状態において算出した確率密度分布を予め取得する必要があり、構造物の新設状態又は正常状態での健全性の評価結果を予め取得できていない構造物の健全性を評価することはできない。
【0006】
本明細書に開示される実施の形態が達成しようとする目的の1つは、当該課題の解決に寄与する健全性評価装置、健全性評価システム、健全性評価方法及び健全性評価プログラムを提供することである。なお、この目的は、本明細書に開示される複数の実施の形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態に係る健全性評価装置は、
掛け渡された構造物に設けられた複数の振動検出センサが検出した振動情報を取得する振動情報取得部と、
前記振動情報に基づいて振動モードを抽出する抽出部と、
前記振動モードに含まれる曲げモードに応じて前記構造物の健全性の評価を序列化するための序列化情報と、前記曲げモードを示す情報と、に基づいて前記構造物の健全性を評価する評価部と、
を備える。
【0008】
本開示の一形態に係る健全性評価システムは、
掛け渡された構造物に設けられる複数の振動検出センサと、
上述の健全性評価装置と、
を備える。
【0009】
本開示の一形態に係る健全性評価方法は、
掛け渡された構造物に設けられた複数の振動検出センサが検出した振動情報を取得し、
前記振動情報に基づいて振動モードを抽出し、
前記振動モードに含まれる曲げモードに応じて前記構造物の健全性の評価を序列化するための序列化情報と、前記曲げモードを示す情報と、に基づいて前記構造物の健全性を評価する。
【0010】
本開示の一形態に係る健全性評価プログラムは、
掛け渡された構造物に設けられた複数の振動検出センサが検出した振動情報を取得する処理と、
前記振動情報に基づいて振動モードを抽出する処理と、
前記振動モードに含まれる曲げモードに応じて前記構造物の健全性の評価を序列化するための序列化情報と、前記曲げモードを示す情報と、に基づいて前記構造物の健全性を評価する処理と、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上述の態様によれば、構造物の新設状態又は正常状態での健全性の評価結果を予め取得していなくても、構造物の健全性を評価可能な、健全性評価装置、健全性評価システム、健全性評価方法及び健全性評価プログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1の健全性評価装置及び健全性評価方法が実施される橋梁を簡略的に示す図である。
図2】実施の形態1の健全性評価装置の最小限構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態1の健全性評価方法の流れを示すフローチャート図である。
図4】実施の形態2の健全性評価システムの構成を示すブロック図である。
図5】振動モードに含まれる曲げモードの次数及び周波数と橋梁の損傷との関係を説明するための図である。
図6】振動モードに含まれる曲げモードの次数と一般的な床版健全度との関係を説明するための概念図である。
図7】実施の形態2の健全性評価方法の流れを示すフローチャート図である。
図8】序列化情報における曲げモードの最大次数と点数との関係を説明するための図である。
図9】橋梁の径間の個数と点数範囲と評価区分との関係を説明するための図である。
図10】複数の橋梁の健全性が序列化された図である。
図11】実施の形態3の健全性評価システムの構成を示すブロック図である。
図12】実施の形態3の健全性評価方法の流れを示すフローチャート図である。
図13】橋梁の径間が2つの場合における当該橋梁の健全性を序列化するための分岐フローを示すフローチャート図である。
図14】健全性評価装置に含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0014】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態の健全性評価装置及び健全性評価方法が実施される橋梁を簡略的に示す図である。本実施の形態の健全性評価装置及び健全性評価方法は、例えば、図1に示すような支柱などの支持躯体1に掛け渡された構造物の一例である橋梁2の健全性を評価する場合に好適である。
【0015】
ここで、橋梁2は、道路橋梁、鉄道橋梁又は水道橋梁などであるとよい。但し、本実施の形態の健全性評価装置及び健全性評価方法は、橋梁2に限らず、建物の梁などにも適用可能である。
【0016】
本実施の形態の健全性評価装置の最小限構成を説明する。図2は、本実施の形態の健全性評価装置の最小限構成を示すブロック図である。健全性評価装置3は、図2に示すように、振動情報取得部11、抽出部12及び評価部13を備えている。振動情報取得部11は、図1に示すように橋梁2に設けられた複数の振動検出センサ4が検出した振動情報を取得する。
【0017】
抽出部12は、取得した振動情報に基づいて振動モードを抽出する。評価部13は、抽出した振動モードに含まれる曲げモード(例えば、撓みモード)に応じて橋梁2の健全性の評価を序列化するための序列化情報と、当該曲げモードを示す情報と、に基づいて橋梁2の健全性を評価する。
【0018】
次に、本実施の形態の健全性評価方法の流れを説明する。図3は、本実施の形態の健全性評価方法の流れを示すフローチャート図である。先ず、振動情報取得部11は、橋梁2に設けられた複数の振動検出センサ4が検出した振動情報を取得する(S1)。
【0019】
次に、抽出部12は、取得した振動情報に基づいて振動モードを抽出する(S2)。そして、評価部13は、抽出した振動モードに含まれる曲げモードに応じて橋梁2の健全性の評価を序列化するための序列化情報と、当該曲げモードを示す情報と、に基づいて橋梁2の健全性を評価する(S3)。
【0020】
このように本実施の形態の健全性評価装置3及び健全性評価方法は、橋梁2の新設状態又は正常状態での健全性の評価結果を用いることなく、抽出した振動モードに含まれる曲げモードに応じて健全性の評価を序列化するための序列化情報を用いて、橋梁2の健全性を評価する。そのため、橋梁2の新設状態又は正常状態での健全性の評価結果を予め取得していなくても、橋梁2の健全性を評価することができる。
【0021】
<実施の形態2>
本実施の形態は、上述した実施の形態1の具体例である。図4は、本実施の形態の健全性評価システムの構成を示すブロック図である。健全性評価システム21は、図3に示すように、複数の振動検出センサ22、健全性評価装置23及びデータベース(DB)24を備えており、振動検出センサ22と健全性評価装置23とデータベース24と、はネットワーク25を介して接続されている。ここで、ネットワーク25は、有線又は無線の通信回線、例えばインターネットである。
【0022】
振動検出センサ22は、例えば、加速度センサで構成することができる。振動検出センサ22は、例えば、図1に示すように、橋梁2の長手方向(即ち、軸方向)に略等間隔で設けられているとよい。振動検出センサ22は、例えば、橋梁2を車両が走行した際の当該橋梁2の振動を検出し、振動情報をDB24に送信する。
【0023】
健全性評価装置23は、実施の形態1の健全性評価装置3と略等しい構成とされているため、重複する説明は省略するが、振動情報取得部231、抽出部232、評価部233及び序列部234を備えている。振動情報取得部231は、DB24から振動情報を取得する。
【0024】
抽出部232は、取得した振動情報に基づいて振動モードを抽出する。このとき、振動モードは、一般的なモード抽出方法で抽出することができ、例えば、周波数領域分解法(FDD法)、確率的部分空間法(SSI法)、固有実現アルゴリズム(ERA)、ベイズ推定法(BAYOMA)などで抽出することができる。
【0025】
抽出部232は、例えば、予め両端単純支持梁モデルの各次数の理論曲げモードを取得しておき、理論曲げモードと、振動モードに含まれる曲げモードと、の類似度(例えば、MAC:Modal Assurance Criterion)に基づいて、振動モードに含まれる各次数の曲げモードを抽出するとよい。抽出部232は、抽出した振動モードに含まれる各次数の曲げモードを示す情報をDB24に送信する。
【0026】
評価部233は、上述したように、抽出した振動モードに含まれる曲げモードに応じて橋梁2の健全性の評価を序列化するための序列化情報と、当該曲げモードを示す情報と、に基づいて橋梁2の健全性を評価する。
【0027】
ここで、図5は、振動モードに含まれる曲げモードの次数及び周波数と橋梁の損傷との関係を説明するための図である。図6は、振動モードに含まれる曲げモードの次数と一般的な床版健全度との関係を説明するための概念図である。ここで、床版健全度は、床版を目視検査や打音検査などすることによって、床版のひび割れや変状などによる劣化を評価した指標である。
【0028】
なお、図5では、曲げモードの次数が1次、2次及び3次の場合を例示している。また、図6では、曲げモードの次数が1次、2次、3次及び4次の場合を例示しており、橋梁2の損傷の程度が大きくなるのに従って、高次の曲げモードが表れなくなる。このとき、図5及び図6の曲げモードは、簡略化して示している。
【0029】
図5に示すように、曲げモードの次数が1次の場合、振動モードの腹が1つで節が2つである。曲げモードの次数が2次の場合、振動モードの腹が2つで節が3つである。曲げモードの次数が3次の場合、振動モードの腹が3つで節が4つである。
【0030】
このような次数の曲げモードにおいて、次数が高くなるのに従って振動モードの周波数が高くなり、橋梁2の損傷に対する感度(即ち、振動モードの崩れ易さ)が高くなる。つまり、曲げモードの次数が高くなるのに従って橋梁2の特性の変化が表れやすくなる。
【0031】
そのため、図6に示すように、橋梁2の損傷の程度が大きくなるのに従って、高次の曲げモードが表れなくなる。また、抽出された曲げモードの最大次数が等しくても、例えば、橋梁2の車両退出側端部などで損傷が進んでいる場合、橋梁2に応じた周波数(例えば、40~120Hz程度)で、一般的な曲げモードに分類されず車両退出側端部を自由端とした所謂片持ち梁モードに類似する特異形状の振動モードが発現する。
【0032】
ここで、橋梁2が複数の径間を備える場合、径間毎で発現する曲げモードの次数が異なる場合があるが、この場合、橋梁2の損傷の程度が大きくなるのに従って、橋梁2の径間毎に発現する曲げモードの次数のうち、最大次数に比べて次数が低い曲げモードが発現する径間の数が多くなる。
【0033】
そこで、詳細は後述するが、序列化情報は、例えば、橋梁2の径間毎の曲げモードの最大次数に応じて、橋梁2の健全性を序列化するための点数が設定されているとよい。また、序列化情報は、例えば、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれている場合、当該周波数で発現する振動モードが含まれていない場合に比べて、橋梁2の健全性を低く評価するように設定されているとよい。
【0034】
そして、評価部233は、序列化情報と、径間毎の振動モードに含まれる曲げモードの最大次数を示す情報と、に基づいて、橋梁2の径間毎の点数を加算し、加算結果に基づいて、橋梁2の健全性を評価するとよい。つまり、評価部233は、橋梁2の径間毎の点数の加算結果が大きくなるのに従って、橋梁2の健全性を高く評価するとよい。
【0035】
また、評価部233は、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれている場合、当該周波数で発現する振動モードが含まれていない場合に比べて、橋梁2の健全性を低く評価するとよい。評価部233は、橋梁2の健全性の評価を示す情報をDB24に送信する。
【0036】
序列部234は、複数の橋梁2の健全性の評価を示す情報に基づいて、複数の橋梁2の健全性を序列化する。序列部234は、序列化した複数の橋梁2の情報をDB24に送信する。DB24は、橋梁2の振動情報、径間毎の振動モードに含まれる各次数の曲げモードを示す情報、橋梁2の健全性の評価を示す情報、及び序列化した複数の橋梁2の情報などを格納する。
【0037】
次に、本実施の形態の健全性評価方法の流れを説明する。図7は、本実施の形態の健全性評価方法の流れを示すフローチャート図である。図8は、序列化情報における曲げモードの最大次数と点数との関係を説明するための図である。図9は、橋梁の径間の個数と点数範囲と評価区分との関係を説明するための図である。図10は、複数の橋梁の健全性が序列化された図である。
【0038】
先ず、振動情報取得部231は、橋梁2に設けられた複数の振動検出センサ22が検出した振動情報を取得する(S11)。そして、抽出部232は、取得した振動情報に基づいて径間毎の振動モードに含まれる曲げモードを抽出する(S12)。
【0039】
次に、評価部233は、序列化情報と、径間毎の振動モードに含まれる曲げモードの最大次数を示す情報と、に基づいて、橋梁2の径間毎の点数を加算する(S13)。詳細には、序列化情報は、図8に示すように、径間毎の振動モードに含まれる曲げモードの最大次数が高くなるのに従って高い点数を設定している。なお、図8では、W、Wn-1、・・・W、W、Wの順で点数が低い。
【0040】
そして、評価部233は、径間毎の点数を加算し、径間毎の点数の加算結果を示す情報と、図9に示すような序列化情報である橋梁2の径間の個数と点数範囲と評価区分との関係を示す情報と、に基づいて、橋梁2の暫定的な評価区分を判定する(S14)。
【0041】
詳細には、序列化情報は、例えば、図9に示すように、橋梁2の径間の個数が2個であって、且つ径間毎の点数の加算結果がX~Xの点数範囲内の場合、橋梁2の暫定的な評価区分を最も評価が高い「A」と判定するように設定している。
【0042】
序列化情報は、例えば、図9に示すように、橋梁2の径間の個数が2個であって、且つ径間毎の点数の加算結果がX~Xの点数範囲内の場合、橋梁2の暫定的な評価区分を「A」の次に評価が高い「B」と判定するように設定している。
【0043】
序列化情報は、例えば、図9に示すように、橋梁2の径間の個数が2個であって、且つ径間毎の点数の加算結果がX~Xの点数範囲内の場合、橋梁2の暫定的な評価区分を「B」の次に評価が高い「C」と判定するように設定されている。
【0044】
序列化情報は、例えば、図9に示すように、橋梁2の径間の個数が2個であって、且つ径間毎の点数の加算結果がX~Xの点数範囲内の場合、橋梁2の暫定的な評価区分を「C」の次に評価が高い「D」と判定するように設定されている。
【0045】
序列化情報は、例えば、図9に示すように、橋梁2の径間の個数が2個であって、且つ径間毎の点数の加算結果がX~X10の点数範囲内の場合、橋梁2の暫定的な評価区分を最も評価が低い「E」と判定するように設定されている。このとき、X~X、X~X、X~X、X~X、X~X10の順で点数が大きく設定されている。
【0046】
同様に、序列化情報は、橋梁2の径間の個数が3個、4個、・・・の場合も径間毎の点数の加算結果に基づいて橋梁2の暫定的な評価区分が判定されるように設定されている。ここで、X~X10、Y~Y10、Z~Z10は、例えば、1以上の連続する整数である。このような序列化情報に基づくと、評価部233は、橋梁2の暫定的な評価区分を判定することができる。
【0047】
次に、評価部233は、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれている場合、当該周波数で発現する振動モードが含まれていない場合に比べて、橋梁2の健全性を低く評価する(S15)。詳細には、序列化情報は、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれている場合、当該周波数で発現する振動モードが含まれていない場合に比べて、橋梁2の暫定的な評価区分に「-」評価を付与するように設定されている。
【0048】
そのため、評価部233は、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれている場合、当該周波数で発現する振動モードが含まれていない場合に比べて、橋梁2の暫定的な評価区分に「-」評価を付与して評価区分を確定する。これにより、橋梁2の確定的な評価区分を取得することができる。
【0049】
次に、序列部234は、複数の橋梁2の確定的な評価区分を示す情報に基づいて、複数の橋梁2の健全性を序列化する(S16)。このとき、図10に示すように、橋梁2の評価区分と、一般的な床版健全度と、の関係に基づいて、複数の橋梁2の代表例である橋梁a、橋梁b、橋梁c、橋梁d、橋梁e、橋梁f毎の評価区分を一般的な床版健全度に置き換えて、橋梁a、橋梁b、橋梁c、橋梁d、橋梁e、橋梁fの健全性を序列化することができる。これにより、橋梁a、橋梁b、橋梁c、橋梁d、橋梁e、又は橋梁fのいずれの橋梁を優先して補修するかを容易に判定することができる。
【0050】
このように本実施の形態の健全性評価システム21、健全性評価装置23及び健全性評価方法は、実施の形態1と同様に、橋梁2の新設状態又は正常状態での健全性の評価結果を用いることなく、抽出した振動モードに含まれる曲げモードに応じて健全性の評価を序列化するための序列化情報を用いて、橋梁2の健全性を評価する。そのため、橋梁2の新設状態又は正常状態での健全性の評価結果を予め取得していなくても、橋梁2の健全性を評価することができる。
【0051】
しかも、本実施の形態の健全性評価システム21、健全性評価装置23及び健全性評価方法は、橋梁2の径間毎の曲げモードの最大次数に応じて予め設定された橋梁2の健全性を序列化するための点数を径間毎に加算することで、橋梁2の健全性を簡単に精度良く評価することができる。
【0052】
また、本実施の形態の健全性評価システム21、健全性評価装置23及び健全性評価方法は、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれている場合、当該周波数で発現する振動モードが含まれていない場合に比べて、橋梁2の健全性を低く評価する。これにより、橋梁2の健全性の評価の精度を向上させることができる。
【0053】
<実施の形態3>
図11は、本実施の形態の健全性評価システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態の健全性評価システム31は、実施の形態2の健全性評価システム21と略等しい構成とされているが、健全性評価装置32の評価部321が異なる序列化情報を用いて橋梁2の健全性を評価する。
【0054】
なお、本実施の形態の健全性評価システム31は、実施の形態2の健全性評価システム21と略等しい構成とされているため、等しい要素には等しい符号を用いて説明し、重複する説明は省略する。
【0055】
本実施の形態の健全性評価装置32の評価部321も、実施の形態2の評価部233と同様に、抽出した振動モードに含まれる曲げモードに応じて健全性の評価を序列化するための序列化情報と、当該曲げモードを示す情報と、に基づいて橋梁2の健全性を評価する。
【0056】
しかしながら、本実施の形態で用いる序列化情報は、詳細は後述するが、橋梁2の各径間の振動モードに含まれる曲げモードの最大次数に応じて、橋梁2の健全性を序列化するための分岐フローが設定されている。
【0057】
次に、本実施の形態の健全性評価方法の流れを説明する。図12は、本実施の形態の健全性評価方法の流れを示すフローチャート図である。図13は、橋梁の径間が2つの場合における当該橋梁の健全性を序列化するための分岐フローを示すフローチャート図である。なお、図13では、橋梁2の曲げモードの最大次数が3次の場合を想定している。但し、橋梁2の径間の個数及び橋梁2の曲げモードの最大次数は、限定されない。
【0058】
先ず、振動情報取得部231は、橋梁2に設けられた複数の振動検出センサ22が検出した振動情報を取得する(S21)。そして、抽出部232は、取得した振動情報に基づいて径間毎の振動モードに含まれる曲げモードを抽出する(S22)。
【0059】
次に、評価部321は、序列化情報と、径間毎の曲げモードの最大次数を示す情報と、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれているか否かを示す情報と、に基づいて、橋梁2の健全性を評価する(S23)。
【0060】
詳細には、序列化情報は、橋梁2における全ての径間での曲げモードが等しいN(Nは1以上の整数)次の場合に比べて、橋梁2における少なくとも一つの径間の曲げモードがN次未満の場合、橋梁2の健全性を低く評価するように分岐フローが設定されている。なお、次数が「0」の場合は、曲げモードが抽出できなかった場合である。
【0061】
また、序列化情報は、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれている場合、当該周波数で発現する振動モードが含まれていない場合に比べて、「-」評価を付与するように設定されている。
【0062】
これにより、例えば、図13に示すような分岐フローに基づく場合、評価部321は、橋梁2の少なくとも一方の径間の曲げモードの最大次数が3次か否かを判定する(S231)。そして、橋梁2の少なくとも一方の径間の曲げモードの最大次数が3次の場合(S231のYES)、評価部321は、他方の径間の曲げモードの最大次数が2次又は3次か否かを判定する(S232)。
【0063】
他方の径間の曲げモードの最大次数が2次又は3次の場合(S232のYES)、評価部321は、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれているか否かを判定する(S233)。そして、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれていない場合(S233のNO)、評価部321は、橋梁2の評価区分を最も高い「A」に確定する。
【0064】
一方、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれている場合(S233のYES)、評価部321は、当該振動モードが含まれていない場合に比べて、「-」評価が付与されるように、橋梁2の評価区分を「A」の次に評価が高い「A」に確定する。
【0065】
他方の径間の曲げモードの最大次数が2次又は3次でない場合(S232のNO)、即ち、他方の径間の曲げモードの最大次数が1次又は曲げモードを抽出できなかった場合、評価部321は、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれているか否かを判定する(S234)。そして、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれていない場合(S234のNO)、評価部321は、橋梁2の評価区分を「A」の次に高い「B」に確定する。
【0066】
一方、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれている場合(S234のYES)、評価部321は、当該振動モードが含まれていない場合に比べて、「-」評価が付与されるように、橋梁2の評価区分を「B」の次に評価が高い「B」に確定する。
【0067】
橋梁2の少なくとも一方の径間の曲げモードの最大次数が3次でない場合(S231のNO)、評価部321は、橋梁2の少なくとも一方の曲げモードの最大次数が2次か否かを判定する(S235)。そして、橋梁2の少なくとも一方の曲げモードの最大次数が2次の場合(S235のYES)、評価部321は、他方の径間の曲げモードの最大次数が1次又は2次か否かを判定する(S236)。
【0068】
他方の径間の曲げモードの最大次数が1次又は2次の場合(S236のYES)、評価部321は、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれているか否かを判定する(S237)。そして、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれていない場合(S237のNO)、評価部321は、橋梁2の評価区分を「B」の次に評価が高い「C」に確定する。
【0069】
一方、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれている場合(S237のYES)、評価部321は、当該振動モードが含まれていない場合に比べて、「-」評価が付与されるように、橋梁2の評価区分を「C」の次に評価が高い「C」に確定する。
【0070】
他方の径間の曲げモードの最大次数が1次又は2次でない場合(S236のNO)、即ち、他方の径間の曲げモードを抽出できなかった場合、評価部321は、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれているか否かを判定する(S238)。そして、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれていない場合(S238のNO)、評価部321は、橋梁2の評価区分を「C」の次に評価が高い「D」に確定する。
【0071】
一方、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれている場合(S238のYES)、評価部321は、当該振動モードが含まれていない場合に比べて、「-」評価が付与されるように、橋梁2の評価区分を「D」の次に評価が高い「D」に確定する。
【0072】
橋梁2の少なくとも一方の曲げモードの最大次数が2次でない場合(S235のNO)、即ち、橋梁2の少なくとも一方の径間の曲げモードの最大次数が1次又は曲げモードを抽出できなかった場合、評価部321は、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれているか否かを判定する(S239)。そして、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれていない場合(S239のNO)、評価部321は、橋梁2の評価区分を「D」の次に評価が高い「E」に確定する。
【0073】
一方、振動情報に橋梁2に応じた周波数で発現する振動モードが含まれている場合(S239のYES)、評価部321は、当該振動モードが含まれていない場合に比べて、「-」評価が付与されるように、橋梁2の評価区分を「E」の次に評価が高い「E」に確定する。その後、序列部234は、複数の橋梁2の確定的な評価区分を示す情報に基づいて、複数の橋梁2の健全性を序列化する(S24)。
【0074】
このように本実施の形態の健全性評価システム31、健全性評価装置32及び健全性評価方法は、実施の形態1及び2と同様に、橋梁2の新設状態又は正常状態での健全性の評価結果を用いることなく、抽出した振動モードに含まれる曲げモードに応じて健全性の評価を序列化するための序列化情報を用いて、橋梁2の健全性を評価する。そのため、橋梁2の新設状態又は正常状態での健全性の評価結果を予め取得していなくても、橋梁2の健全性を評価することができる。
【0075】
しかも、本実施の形態の健全性評価システム31、健全性評価装置32及び健全性評価方法は、橋梁2の各径間での曲げモードの最大次数に応じて予め設定された橋梁2の健全性を序列化するための分岐フローに基づいて、橋梁2の健全性を簡単に精度良く評価することができる。
【0076】
<他の実施の形態>
なお、上述の実施の形態1乃至3では、本開示をハードウェアの構成として説明したが、本開示はこれに限定されるものではない。本開示は、各構成要素の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0077】
例えば、上述の実施の形態に係る健全性評価装置3、23、32は、次のようなハードウェア構成を備えることができる。図14は、健全性評価装置3、23、32に含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。
【0078】
図14に示す装置41は、インタフェース42とともに、プロセッサ43及びメモリ44を備えている。上述の実施の形態で説明した健全性評価装置3、23、32は、プロセッサ43がメモリ44に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現される。つまり、このプログラムは、プロセッサ43を健全性評価装置3、23、32として機能させるためのプログラムである。
【0079】
ここで、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0080】
なお、本開示は上述の実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0081】
例えば、上記実施の形態2、3の健全性評価システム21、31は、序列部234を備えているが、省略してもよい。また、上記実施の形態2、3では、橋梁2に応じた周波数で振動モードが出現するか否かも考慮して橋梁2の健全性を評価しているが、省略してもよい。
【0082】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
掛け渡された構造物に設けられた複数の振動検出センサが検出した振動情報を取得する振動情報取得部と、
前記振動情報に基づいて振動モードを抽出する抽出部と、
前記振動モードに含まれる曲げモードに応じて前記構造物の健全性の評価を序列化するための序列化情報と、前記曲げモードを示す情報と、に基づいて前記構造物の健全性を評価する評価部と、
を備える、健全性評価装置。
【0083】
(付記2)
前記序列化情報は、前記曲げモードが高次になるのに従って前記健全性を高く評価するように設定されている、付記1に記載の健全性評価装置。
【0084】
(付記3)
前記序列化情報は、前記構造物の各径間での曲げモードの最大次数に応じて、前記健全性を序列化するための点数が設定されている、付記1又は2に記載の健全性評価装置。
【0085】
(付記4)
前記評価部は、前記構造物の各径間の点数の加算結果に基づいて、前記健全性を評価する、付記3に記載の健全性評価装置。
【0086】
(付記5)
前記序列化情報は、前記構造物の各径間での曲げモードの最大次数に応じて、前記健全性を序列化するための分岐フローが設定されている、付記1又は2に記載の健全性評価装置。
【0087】
(付記6)
前記序列化情報は、前記構造物における全ての径間での曲げモードが等しいN(Nは1以上の整数)次の場合に比べて、前記構造物における少なくとも一つの径間の曲げモードがN次未満の場合、前記健全性を低く評価するように設定されている、付記5に記載の健全性評価装置。
【0088】
(付記7)
前記序列化情報は、前記振動情報に前記構造物に応じた周波数で発現し、前記曲げモードに分類されない振動モードが含まれている場合、前記振動情報に前記構造物に応じた周波数で発現し、前記曲げモードに分類されない振動モードが含まれていない場合に比べて、前記健全性を低く評価するように設定されている、付記1乃至6のいずれか1項に記載の健全性評価装置。
【0089】
(付記8)
複数の構造物の健全性の評価を示す情報に基づいて、前記複数の構造物の健全性を序列化する序列部を備える、付記1乃至7のいずれか1項に健全性評価装置。
【0090】
(付記9)
掛け渡された構造物に設けられる複数の振動検出センサと、
付記1乃至8のいずれか1項に記載の健全性評価装置と、
を備える、健全性評価システム。
【0091】
(付記10)
掛け渡された構造物に設けられた複数の振動検出センサが検出した振動情報を取得し、
前記振動情報に基づいて振動モードを抽出し、
前記振動モードに含まれる曲げモードに応じて前記構造物の健全性の評価を序列化するための序列化情報と、前記曲げモードを示す情報と、に基づいて前記構造物の健全性を評価する、健全性評価方法。
【0092】
(付記11)
前記序列化情報は、前記曲げモードが高次になるのに従って前記健全性を高く評価するように設定されている、付記10に記載の健全性評価方法。
【0093】
(付記12)
前記序列化情報は、前記構造物の各径間での曲げモードの最大次数に応じて、前記健全性を序列化するための点数が設定されている、付記10又は11に記載の健全性評価方法。
【0094】
(付記13)
前記評価部は、前記構造物の各径間の点数の加算結果に基づいて、前記健全性を評価する、付記12に記載の健全性評価方法。
【0095】
(付記14)
前記序列化情報は、前記構造物の各径間での曲げモードの最大次数に応じて、前記健全性を序列化するための分岐フローが設定されている、付記10又は11に記載の健全性評価方法。
【0096】
(付記15)
前記序列化情報は、前記構造物における全ての径間での曲げモードが等しいN(Nは1以上の整数)次の場合に比べて、前記構造物における少なくとも一つの径間の曲げモードがN次未満の場合、前記健全性を低く評価するように設定されている、付記14に記載の健全性評価方法。
【0097】
(付記16)
前記序列化情報は、前記振動情報に前記構造物に応じた周波数で発現し、前記曲げモードに分類されない振動モードが含まれている場合、前記振動情報に前記構造物に応じた周波数で発現し、前記曲げモードに分類されない振動モードが含まれていない場合に比べて、前記健全性を低く評価するように設定されている、付記10乃至15のいずれか1項に記載の健全性評価方法。
【0098】
(付記17)
複数の構造物の健全性の評価を示す情報に基づいて、前記複数の構造物の健全性を序列化する序列部を備える、付記10乃至16のいずれか1項に健全性評価方法。
【0099】
(付記18)
掛け渡された構造物に設けられた複数の振動検出センサが検出した振動情報を取得する処理と、
前記振動情報に基づいて振動モードを抽出する処理と、
前記振動モードに含まれる曲げモードに応じて前記構造物の健全性の評価を序列化するための序列化情報と、前記曲げモードを示す情報と、に基づいて前記構造物の健全性を評価する処理と、
をコンピュータに実行させる、健全性評価プログラム。
【符号の説明】
【0100】
1 支持躯体
2 橋梁
3 健全性評価装置
4 振動検出センサ
11 振動情報取得部
12 抽出部
13 評価部
21 健全性評価システム
22 振動検出センサ
23 健全性評価装置
231 振動情報取得部
232 抽出部
233 評価部
234 序列部
24 データベース
25 ネットワーク
31 健全性評価システム
32 健全性評価装置
321 評価部
41 装置
42 インタフェース
43 プロセッサ
44 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14