(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141883
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
H03H 7/01 20060101AFI20241003BHJP
H05K 1/16 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H03H7/01 A
H05K1/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053744
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】東森 匡史
【テーマコード(参考)】
4E351
5J024
【Fターム(参考)】
4E351BB04
4E351GG20
5J024AA01
5J024BA01
5J024BA04
5J024CA03
5J024DA04
5J024DA25
5J024DA35
5J024EA03
5J024KA03
(57)【要約】
【課題】サイズを小さくすることが可能なフィルタ装置を提供する。
【解決手段】フィルタ装置は、インダクタ部品と、前記インダクタ部品が実装される基板であって、実装面を有する第1誘電体層と、前記実装面に設けられ、前記インダクタ部品の第1端子が接続される第1パッド電極と、開放されていない第1電極であって、前記第1電極と前記第1パッド電極との間に前記第1誘電体層が位置するように設けられ、前記実装面を平面視したときに、前記第1電極の少なくとも一部が前記第1パッド電極と重なる前記第1電極と、を含む前記基板と、を備え、前記第1パッド電極と前記第1電極の前記少なくとも一部とによって、第1キャパシタが形成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インダクタ部品と、
前記インダクタ部品が実装される基板であって、
実装面を有する第1誘電体層と、
前記実装面に設けられ、前記インダクタ部品の第1端子が接続される第1パッド電極と、
開放されていない第1電極であって、前記第1電極と前記第1パッド電極との間に前記第1誘電体層が位置するように設けられ、前記実装面を平面視したときに、前記第1電極の少なくとも一部が前記第1パッド電極と重なる前記第1電極と、
を含む前記基板と、を備え、
前記第1パッド電極と前記第1電極の前記少なくとも一部とによって、第1キャパシタが形成される、
フィルタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタ装置であって、
前記実装面を平面視したときに、前記第1電極の面積は、前記第1パッド電極の面積より小さい、
フィルタ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のフィルタ装置であって、
前記実装面を平面視したときに、前記第1電極の全てが、前記第1パッド電極と重なる、
フィルタ装置。
【請求項4】
請求項2に記載のフィルタ装置であって、
前記実装面を平面視したときに、前記インダクタ部品と前記第1電極とが重なる重なり部分があるとき、前記重なり部分は、前記第1パッド電極と重なる、
フィルタ装置。
【請求項5】
請求項1に記載のフィルタ装置であって、
前記基板は、
前記第1電極を含む第1配線層であって、前記第1配線層と前記第1パッド電極との間に前記第1誘電体層が位置するように設けられる前記第1配線層と、
第2誘電体層であって、前記第2誘電体層と前記第1誘電体層との間に前記第1配線層が位置するように設けられる前記第2誘電体層と、
基準電位が供給される基準電極を含む第2配線層であって、前記第2配線層と前記第1配線層との間に前記第2誘電体層が位置するように設けられる前記第2配線層と、
前記第2誘電体層を貫通し、前記第1電極と前記基準電極とを電気的に接続する第1ビアと、
をさらに含む、
フィルタ装置。
【請求項6】
請求項1に記載のフィルタ装置であって、
前記実装面を平面視したときに、前記インダクタ部品と前記第1電極とが重なる重なり部分があるとき、前記重なり部分は、前記第1パッド電極と重なる、
フィルタ装置。
【請求項7】
請求項1に記載のフィルタ装置であって、
前記基板は、
前記実装面に設けられ、前記インダクタ部品の第2端子が接続される第2パッド電極と、
前記第1電極と前記第2パッド電極とを接続する配線と、
をさらに含み、
前記第1キャパシタ及び前記インダクタ部品によって並列共振回路が形成される、
フィルタ装置。
【請求項8】
請求項1に記載のフィルタ装置であって、
前記基板は、
前記実装面に設けられ、前記インダクタ部品の第2端子が接続される第2パッド電極と、
開放されていない第2電極であって、前記第2電極と前記第2パッド電極との間に前記第1誘電体層が位置するように設けられ、前記実装面を平面視したときに、前記第2電極の少なくとも一部が前記第2パッド電極と重なる前記第2電極と、
をさらに含み、
前記第2パッド電極と前記第2電極の前記少なくとも一部とによって、第2キャパシタが形成される、
フィルタ装置。
【請求項9】
請求項5に記載のフィルタ装置であって、
前記基板は、複数の前記第1ビアを含む、
フィルタ装置。
【請求項10】
請求項1に記載のフィルタ装置であって、
前記基板は、
第1誘電体層と前記第1電極との間に位置する第3誘電体層をさらに含む、
フィルタ装置。
【請求項11】
請求項1に記載のフィルタ装置であって、
前記基板は、
第2誘電体層であって、前記第2誘電体層と前記第1パッド電極との間に前記第1誘電体層が位置するように設けられる第2誘電体層と、
前記第2誘電体層を貫通し、前記第1電極である第2ビアと、
をさらに含む、
フィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LC回路を含む広帯域高調波トラップがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の広帯域高調波トラップの構成素子を基板上の表面実装デバイス(Surface Mount Device : SMD)又は配線によって実現しようとすると、サイズが大きくなってしまうので好ましくない。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、サイズを小さくすることが可能なフィルタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るフィルタ装置は、インダクタ部品と、前記インダクタ部品が実装される基板であって、実装面を有する第1誘電体層と、前記実装面に設けられ、前記インダクタ部品の第1端子が接続される第1パッド電極と、開放されていない第1電極であって、前記第1電極と前記第1パッド電極との間に前記第1誘電体層が位置するように設けられ、前記実装面を平面視したときに、前記第1電極の少なくとも一部が前記第1パッド電極と重なる前記第1電極と、を含む前記基板と、を備え、前記第1パッド電極と前記第1電極の前記少なくとも一部とによって、第1キャパシタが形成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、サイズを小さくすることが可能なフィルタ装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図2は、フィルタ装置11を模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、フィルタ装置11のzx面に平行な断面を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、フィルタ装置11に形成されたフィルタ回路21のフィルタ特性の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、フィルタ装置12を模式的に示す斜視図である。
【
図6】
図6は、フィルタ装置12の第1変形例であるフィルタ装置12Aを模式的に示す、上側から見た平面図である。
【
図7】
図7は、フィルタ装置12の第2変形例であるフィルタ装置12Bを模式的に示す、上側から見た平面図である。
【
図8】
図8は、フィルタ装置13を模式的に示す斜視図である。
【
図10】
図10は、フィルタ装置14を模式的に示す斜視図である。
【
図12】
図12は、フィルタ装置15を模式的に示す斜視図である。
【
図13】
図13は、フィルタ装置16を模式的に示す斜視図である。
【
図14】
図14は、フィルタ装置17を模式的に示す斜視図である。
【
図15】
図15は、フィルタ装置18を模式的に示す斜視図である。
【
図16】
図16は、フィルタ装置19を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を極力省略する。
【0010】
[第1実施形態]
第1実施形態に係るフィルタ回路21及びフィルタ装置11について説明する。
図1は、フィルタ回路21の回路図である。
図1に示すように、フィルタ回路21は、インダクタ41と、キャパシタ46(第1キャパシタ)と、を含む。
【0011】
フィルタ回路21は、例えば、RF(Radio Frequency)信号を増幅するパワーアンプ回路の後段に設けられる。フィルタ回路21は、例えば、RF信号の基本波を通過させるとともに、RF信号の高調波の通過を抑制する。
【0012】
フィルタ回路21におけるインダクタ41は、入力端子31に接続された第1端と、出力端子32に接続された第2端と、を有する。キャパシタ46は、入力端子31に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する。
【0013】
各図面には、x軸、y軸及びz軸を示すことがある。x軸、y軸及びz軸は、右手系の3次元の直交座標を形成する。以下、x軸の矢印方向をx軸+側、矢印とは逆方向をx軸-側と呼ぶことがあり、その他の軸についても同様である。なお、z軸+側及びz軸-側を、それぞれ「上側」及び「下側」と呼ぶこともある。また、z軸方向を「積層方向」と呼ぶこともある。また、x軸、y軸又はz軸にそれぞれ直交する面を、yz面、zx面又はxy面と呼ぶことがある。
【0014】
図2は、フィルタ装置11を模式的に示す斜視図である。
図3は、フィルタ装置11のzx面に平行な断面を模式的に示す断面図である。
図2及び
図3に示すように、フィルタ装置11は、インダクタ部品62と、積層基板111と、を備える。フィルタ装置11には、フィルタ回路21が形成される。
【0015】
図1及び
図2に示すように、積層基板111は、誘電体層121(第1誘電体層)及び122(第2誘電体層)と、金属層130、131(第1配線層)及び132(第2配線層)と、ビア151(第1ビア)と、を含む。
【0016】
インダクタ部品62は、積層基板111に実装される表面実装デバイス(Surface Mount Device : SMD)である。インダクタ部品62は、例えば、RF(Radio Frequency)信号に用いる高周波部品であり、フィルタ回路21におけるインダクタ41として機能する。
【0017】
インダクタ部品62は、インダクタ41の第1端に相当する第1端子と、インダクタ41に第2端に相当する第2端子と、を有する。
【0018】
積層基板111における誘電体層121及び122は、例えばプレプリグによって形成される。誘電体層121は、z軸+側すなわち上側の面121a(実装面)と、面121aの反対側すなわち下側の面121bと、を有する。面121a及び121bは、例えば、xy面と平行である。
【0019】
誘電体層121の面121aには、金属層130が設けられる。金属層130は、金属層130の導体パターンの一部である、配線電極161及び162並びにパッド電極141a(第1パッド電極)及び141bを含む。
【0020】
配線電極161は、パッド電極141aと入力端子31とを電気的に接続する。配線電極162は、パッド電極141bと出力端子32とを電気的に接続する。
【0021】
パッド電極141a及び141bは、x軸に沿って設けられる。パッド電極141bは、パッド電極141aのx軸+側に位置する。パッド電極141a及び141bを上側から見たときの形状は、略同じであり例えば矩形である。なお、パッド電極141a及び141bの形状は、互いに異なってもよいし、略同じであっても矩形と異なる形状であってもよい。
【0022】
パッド電極141a及び141bには、インダクタ部品62の第1端子及び第2端子が例えばはんだ付けによってそれぞれ接続される。
【0023】
金属層131は、金属層131と金属層130との間に誘電体層121(第1誘電体層)が位置するように設けられる。金属層131は、金属層131の導体パターンの一部である電極51(第1電極)を含む。電極51を上側から見たときの形状は、例えば矩形である。
【0024】
誘電体層122は、誘電体層122と誘電体層121との間に金属層131が位置するように設けられる。
【0025】
金属層132は、金属層132と金属層131との間に誘電体層122が位置するように設けられる。金属層132は、金属層132の導体パターンの一部である、基準電位が供給される基準電極Eg1を含む。
【0026】
電極51とパッド電極141aとの間には、誘電体層121が位置する。面121aを上側から平面視したときに、電極51の少なくとも一部がパッド電極141aと重なる。本実施形態では、面121aを上側から平面視したときに、電極51の全部がパッド電極141aと重なる。パッド電極141aと電極51とによって、キャパシタ46(
図1参照)が形成される。
【0027】
なお、パッド電極141aと、面121aを上側から平面視したときにパッド電極141aと重なる電極51の少なくとも一部との間に誘電体層121が位置している場合には常に、パッド電極141aと電極51とでキャパシタ46が形成される。言い換えれば、キャパシタ46がパッド電極141aと電極51とにより形成されているという特徴は、パッド電極141aと、面121aを上側から平面視したときにパッド電極141aと重なる電極51の少なくとも一部との間に、誘電率がゼロより大きい誘電体層121が位置していることと同義である。
【0028】
本実施形態では、電極51の面積は、パッド電極141aの面積より小さい。このような構成により、0.1pF程度の小さい静電容量のキャパシタ46を実現することができる。
【0029】
電極51は、開放されていない電極である。言い換えれば、電極51は、フィルタ回路21と電気的に接続される他の電極に接続されている電極である。本実施形態では、電極51は、所定の電位を有する電極に接続されている電極である。具体的には、電極51の下側には、ビア151が設けられる。ビア151は、誘電体層122を貫通し、電極51と基準電極Eg1とを電気的に接続する。これにより、電極51は、接地に電気的に接続される。
【0030】
(効果)
図4は、フィルタ装置11に形成されたフィルタ回路21のフィルタ特性の一例を示す図である。なお、
図4おいて、横軸は周波数を示し、縦軸は減衰量を示す。
【0031】
仮に、パッド電極141a及び電極51によって形成されるキャパシタ46の代わりに、キャパシタの機能を有するSMDを誘電体層121の面121aに設ける場合、SMDを2つ設けるためのスペースが求められるため、フィルタ装置11のサイズが大きくなってしまう。
【0032】
また、SMDによって実現されるキャパシタでは、静電容量を小さくすることが困難である。キャパシタの静電容量が大きいときのフィルタ特性は、
図4に示す曲線R1のようになる。曲線R1では、RF信号の高調波の周波数帯Bhより低周波側に極PR1が位置するため、周波数帯Bhにおける高調波の通過を抑制することが困難となる。
【0033】
これに対して、本実施形態のフィルタ装置11において、パッド電極141a及び電極51によってキャパシタ46を形成する構成により、誘電体層121の面121aに設けるSMDをインダクタ部品62の1つにすることができるので、フィルタ装置11のサイズが大きくなることを抑制することができる。
【0034】
また、電極51の面積をパッド電極141aの面積より小さくする構成により、キャパシタ46の静電容量を小さくすることができる。キャパシタの静電容量が小さいときのフィルタ特性は、
図4に示す曲線C1のようになり、極PR1と比べて、極PC1の周波数を高周波側にシフトさせ、極PC1の周波数を周波数帯Bhに含めることができる。
【0035】
これにより、RF信号の高調波の通過を効果的に抑制することができるとともに、RF信号の基本波の周波数帯BbにおいてRF信号を良好に通過させることができる。
【0036】
さらに、面121aを平面視したときに、電極51の全部がパッド電極141aと重なる構成により、後述の
図6に開示されるような、電極51において、インダクタ部品62とは重なるがパッド電極141とは重ならない部分が生じることを抑制しやすくすることができる。これにより、インダクタ部品62と電極51との電磁界的な結合を抑制しやすくすることができるので、フィルタ特性が劣化することを抑制しやすくすることができる。
【0037】
また、電極51が、ビア151を通じて、電極51とは別層に設けられた基準電極Eg1に接続される構成により、電極51の接地を電極51と同じ層でとる必要がない。すなわち、電極51の面積をそれだけ小さくすることが可能となるため、キャパシタ46の静電容量をさらに小さくすることができる。これにより、極PC1の周波数をさらに高周波側にシフトさせることが可能となる。
【0038】
なお、xy面と平行な面内における電極51の位置は、面121aを平面視したときに、電極51がパッド電極141aからはみ出さない位置であれば、任意の位置でよい。
【0039】
具体的には、面121aを平面視したときに、電極51のx軸+側の縁とパッド電極141aのx軸+側の縁とが重なるように、又は、電極51のx軸-側の縁とパッド電極141aのx軸-側の縁とが重なるように、電極51が設けられてもよい。y軸方向についても同様である。これにより、電極51のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0040】
[第2実施形態]
第2実施形態に係るフィルタ装置12について説明する。第2実施形態以降では第1実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
【0041】
図5は、フィルタ装置12を模式的に示す斜視図である。
図5に示すように、第2実施形態に係るフィルタ装置12では、誘電体層121の面121aを平面視したときに、電極51の全部ではなく一部がパッド電極141aと重なる点で第1実施形態に係るフィルタ装置11と異なる。
【0042】
フィルタ装置12は、
図2に示すフィルタ装置11と比べて、積層基板111の代わりに積層基板112を備える。
【0043】
フィルタ装置12における積層基板112では、誘電体層121の面121aを平面視したときに、電極51のx軸+側に位置し、かつ、y軸+側に位置する一部が、パッド電極141aのx軸-側に位置し、かつ、y軸-側に位置する一部と重なる。
【0044】
このような構成により、パッド電極141a及び電極51によって形成されるキャパシタ46の静電容量を極めて小さくすることができる。これにより、曲線C1の極PC1(
図4参照)をより高周波側へシフトさせることができる。
【0045】
図6は、フィルタ装置12の第1変形例であるフィルタ装置12Aを模式的に示す、上側から見た平面図である。
図6に示すフィルタ装置12Aのように、誘電体層121の面121aを平面視したときに、電極51の一部である重なり部分181がインダクタ部品62と重なる構成であってもよい。
【0046】
しかしながら、誘電体層121の面121aを平面視したときに、電極51のうち、インダクタ部品62とは重なるがパッド電極141aとは重ならない部分182があるとき、部分182とインダクタ部品62とが電磁界的に結合し、フィルタ特性が劣化することがある。
【0047】
図7は、フィルタ装置12の第2変形例であるフィルタ装置12Bを模式的に示す、上側から見た平面図である。
図7に示すように、フィルタ装置12Bでは、誘電体層121の面121aを平面視したときに、インダクタ部品62と電極51とが重なる重なり部分181があるとき、重なり部分181は、パッド電極141aと重なる。
【0048】
このような構成により、インダクタ部品62と電極51との電磁界的な結合を抑制することができるので、フィルタ特性が劣化することを抑制することができる。
【0049】
[第3実施形態]
第3実施形態に係るフィルタ装置13について説明する。
図8は、フィルタ装置13を模式的に示す斜視図である。
図8に示すように、第3実施形態に係るフィルタ装置13は、キャパシタ46を形成するパッド電極の面積が大きい点で第1実施形態に係るフィルタ装置11と異なる。
【0050】
フィルタ装置13は、
図2に示すフィルタ装置11と比べて、積層基板111の代わりに積層基板113を備え、インダクタ部品63をさらに備える。
【0051】
積層基板113は、
図2に示す積層基板111と比べて、パッド電極141aの代わりにパッド電極141cを含み、パッド電極142a及び142bをさらに含む。
【0052】
インダクタ部品63は、インダクタ部品62と同様のSMDであり、キャパシタ、インダクタ又は抵抗の機能を有する。
【0053】
パッド電極142a及び142bは、金属層130の導体パターンの一部である。パッド電極142a及び142bには、インダクタ部品63の第1端子及び第2端子が例えばはんだ付けによってそれぞれ接続される。
【0054】
パッド電極141b、142a及び142bは、SMDの端子を1つはんだ付けするための電極であるので、面積は略同じである。
【0055】
パッド電極141cの面積は、パッド電極141b、142a及び142bの面積より大きい。なお、
図8において、パッド電極141cにおいて点線で示される領域の面積は、パッド電極141b、142a及び142bの面積と略同じである。なお、パッド電極141cの面積は、パッド電極141b、142a及び142bの面積と同じであってもよい。つまり、パッド電極141cの面積は、点線で示される領域の面積以上であればよい。
【0056】
このように、パッド電極141cの面積を大きくする構成により、xy面と平行な面内における電極51の位置の自由度を高めることができるので、電極51のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0057】
また、電極51の面積を大きくすることができるので、パッド電極141c及び電極51によって形成されるキャパシタ46の静電容量を大きくすることができる。これにより、曲線C1の極PC1(
図4参照)を低周波側へシフトさせることができる。
【0058】
[第4実施形態]
第4実施形態に係るフィルタ回路24及びフィルタ装置14について説明する。
図9は、フィルタ回路24の回路図である。
図9に示すように、第4実施形態に係るフィルタ回路24は、タンク回路となっている点で第1実施形態に係るフィルタ回路21と異なる。
【0059】
図9に示すように、フィルタ回路24では、
図1に示すフィルタ回路21と比べて、キャパシタ46の第2端が接地ではなく出力端子32に接続される。フィルタ回路24は、並列共振回路である。
【0060】
図10は、フィルタ装置14を模式的に示す斜視図である。
図10に示すように、フィルタ装置14は、
図2に示すフィルタ装置11と比べて、積層基板111の代わりに積層基板114を備える。フィルタ装置14には、フィルタ回路24が形成される。
【0061】
積層基板113は、
図2に示す積層基板111と比べて、配線171をさらに含む。配線171は、電極53及び143と、ビア153と、配線電極163及び164と、を含む。
【0062】
積層基板113では、金属層130は、金属層130の導体パターンの一部である、パッド電極141a(第1パッド電極)及び141b(第2パッド電極)、電極143並びに配線電極161、162及び164を含む。
【0063】
金属層131は、金属層131の導体パターンの一部である、電極51及び53並びに配線電極163を含む。誘電体層121は、ビア153を含む。
【0064】
配線171は、電極51とパッド電極141bとを電気的に接続する。詳細には、配線171に含まれる配線電極163は、金属層131において、電極51と電極53とを電気的に接続する。
【0065】
誘電体層121の面121aを平面視したときに、配線電極163とインダクタ部品62とは重ならない。これにより、配線電極163とインダクタ部品62との電磁界的な結合を抑制することができるので、フィルタ特性が劣化することを抑制することができる。
【0066】
ビア153は、電極53と電極143とを電気的に接続する。配線電極164は、金属層130において、電極143とパッド電極141b及び配線電極162とを電気的に接続する。
【0067】
パッド電極141a及び電極51によって形成されるキャパシタ46と、インダクタ部品62とによって並列共振回路が形成される。
【0068】
[第5実施形態]
第5実施形態に係るフィルタ回路25及びフィルタ装置15について説明する。
図11は、フィルタ回路25の回路図である。
図11に示すように、第5実施形態に係るフィルタ回路25は、π型のフィルタ回路となっている点で第1実施形態に係るフィルタ回路21と異なる。
【0069】
図11に示すように、フィルタ回路25は、
図1に示すフィルタ回路21と比べて、キャパシタ47をさらに含む。キャパシタ47は、出力端子32に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する。
【0070】
図12は、フィルタ装置15を模式的に示す斜視図である。
図12に示すように、フィルタ装置15は、
図2に示すフィルタ装置11と比べて、積層基板111の代わりに積層基板115を備える。フィルタ装置15には、フィルタ回路25が形成される。
【0071】
積層基板115は、
図2に示す積層基板111と比べて、電極52(第2電極)と、ビア152と、をさらに含む。
【0072】
積層基板115では、金属層131は、金属層131の導体パターンの一部である電極51及び52を含む。誘電体層122は、ビア151及び152を含む。電極52を上側から見たときの形状は、例えば矩形である。
【0073】
電極52とパッド電極141bとの間には、誘電体層121が位置する。誘電体層121の面121aを上側から平面視したときに、電極52の少なくとも一部がパッド電極141bと重なる。本実施形態では、面121aを上側から平面視したときに、電極52の全部がパッド電極141bと重なる。なお、面121aを上側から平面視したときに、電極52の一部がパッド電極141bと重なる構成であってよい。パッド電極141bと電極52とによって、キャパシタ47が形成される。
【0074】
本実施形態では、電極52の面積は、パッド電極141bの面積より小さい。このような構成により、0.1pF程度の小さい静電容量のキャパシタ47を実現することができる。
【0075】
電極52は、開放されていない電極である。本実施形態では、電極52の下側には、ビア152が設けられる。ビア152は、誘電体層122を貫通し、電極52と基準電極Eg1とを電気的に接続する。これにより、電極52は、接地に電気的に接続される。
【0076】
[第6実施形態]
第6実施形態に係るフィルタ装置16について説明する。
図13は、フィルタ装置16を模式的に示す斜視図である。
図13に示すように、第6実施形態に係るフィルタ装置16は、電極51と基準電極Eg1とを電気的に接続する複数のビア151が設けられる点で第1実施形態に係るフィルタ装置11と異なる。
【0077】
フィルタ装置15は、
図2に示すフィルタ装置11と比べて、積層基板111の代わりに積層基板116を備える。
【0078】
積層基板116は、
図2に示す積層基板111と比べて、2つのビア151を含む。誘電体層122では、2つのビア151は、電極51と基準電極Eg1とを電気的に接続する。
【0079】
このような構成により、基準電極Eg1の電位に対する電極51の電位のふらつきを抑制することができるので、曲線C1の極PC1(
図4参照)における減衰量を大きくすることができる。これにより、RF信号の高調波の通過をより効果的に抑制することができる。
【0080】
なお、本実施形態では、誘電体層122において、電極51と基準電極Eg1とを電気的に接続する2つのビア151が設けられる構成について説明したが、これに限定するものではない。誘電体層122では、電極51と基準電極Eg1とを電気的に接続する3つ以上のビア151が設けられる構成であってもよい。
【0081】
[第7実施形態]
第7実施形態に係るフィルタ装置17について説明する。
図14は、フィルタ装置17を模式的に示す斜視図である。
図14に示すように、第7実施形態に係るフィルタ装置17は、金属層131と誘電体層121との間に誘電体層123が設けられる点で第1実施形態に係るフィルタ装置11と異なる。
【0082】
フィルタ装置17は、
図2に示すフィルタ装置11と比べて、積層基板111の代わりに積層基板117を備える。
【0083】
積層基板117は、
図2に示す積層基板111と比べて、誘電体層123(第3誘電体層)をさらに含む。
【0084】
誘電体層121と金属層131との間に誘電体層123が位置する構成により、電極51とパッド電極141aとの間の距離を大きくすることができるので、パッド電極141a及び電極51によって形成されるキャパシタ46の静電容量をより小さくすることができる。これにより、曲線C1の極PC1(
図4参照)をより高周波側へシフトさせることができる。
【0085】
なお、
図14には図示しないが、誘電体層121と誘電体層123との間には、他の金属層が設けられる構成であってもよい。誘電体層121の面121aを平面視したときに、当該他の金属層131に含まれる導体パターンは、パッド電極141a及び電極51が重なる領域と重ならない。
【0086】
[第8実施形態]
第8実施形態に係るフィルタ装置18について説明する。
図15は、フィルタ装置18を模式的に示す斜視図である。
図15に示すように、第8実施形態に係るフィルタ装置18は、キャパシタ46の第2端に相当する電極が導体パターンではなくビアとなっている点で第7実施形態に係るフィルタ装置17と異なる。
【0087】
フィルタ装置18は、
図14に示すフィルタ装置17と比べて、積層基板117の代わりに積層基板118を備える。
【0088】
積層基板118は、
図14に示す積層基板117と比べて、電極51及びビア151の代わりに、電極54及びビア154(第2ビア)をそれぞれ含む。
【0089】
金属層131は、導体パターンである電極54を含む。電極54には、貫通孔54aが形成される。
【0090】
本実施形態では、ビア154は、第1電極である。ビア154は、貫通孔54aの内部を通じて誘電体層122(第2誘電体層)及び121を貫通する。ビア154の断面の形状は、円形又は楕円形である。なお、ビア154の断面の形状は、他の形状であってもよい。
【0091】
本実施形態では、誘電体層121の面121aを上側から平面視したときに、ビア154の面154aの全部がパッド電極141aと重なる。なお、誘電体層121の面121aを上側から平面視したときに、ビア154の面154aの一部がパッド電極141aと重なる構成であってもよい。パッド電極141aとビア154とによって、キャパシタ46(
図1参照)が形成される。
【0092】
ビア154の下側の面は、金属層132における基準電極Eg1に接する。ビア154の上側の面154aは、xy面と略平行であり、誘電体層121を間に挟んでパッド電極141aと対向する。
【0093】
このように、極小の断面積を有するビア154が第1電極である構成により、パッド電極141a及びビア154によって形成されるキャパシタ46の静電容量を極めて小さくすることができる。これにより、曲線C1の極PC1(
図4参照)をより高周波側へシフトさせることができる。
【0094】
[第9実施形態]
第9実施形態に係るフィルタ装置19について説明する。
図16は、フィルタ装置19を模式的に示す斜視図である。
図16に示すように、第9実施形態に係るフィルタ装置19は、ビア154の下側が配線電極を通じで接地に接続される点で第8実施形態に係るフィルタ装置18と異なる。
【0095】
フィルタ装置19は、
図15に示すフィルタ装置18と比べて、積層基板118の代わりに積層基板119を備える。
【0096】
積層基板119は、
図15に示す積層基板118と比べて、基準電極Eg1の代わりに、電極55を含む。
【0097】
金属層132は、導体パターンである電極55及び配線電極165を含む。電極55のx軸-側には、x軸+側に向かって切り欠かれた切り欠き部55aが形成される。
【0098】
ビア154の下側は、金属層132における電極55の切り欠き部55aの内部に位置し、電極55とは接しない。ビア154の下側は、配線電極165を通じて接地(図示しない)に電気的に接続される。
【0099】
なお、フィルタ装置15では、電極51及び52が設けられる構成について説明したが、これに限定するものではない。電極51及び52が設けられない構成であってもよい。この場合、ビア151及び152が、それぞれ第1電極及び第2電極となる。
【0100】
以上、本発明の例示的な実施形態について説明した。フィルタ装置11~19は、インダクタ部品62と、積層基板111~119と、をそれぞれ備える。積層基板111~119は、インダクタ部品62が実装される。積層基板111~119は、誘電体層121と、パッド電極141aと、電極51又はビア154と、を含む。誘電体層121は、面121aを有する。パッド電極141aは、面121a(実装面121a)に設けられ、インダクタ部品62の第1端子が接続される。電極51又はビア154は、開放されていない電極であって、電極51又はビア154とパッド電極141aとの間に誘電体層121が位置するように設けられ、面121aを平面視したときに、電極51又はビア154の少なくとも一部がパッド電極141aと重なる。パッド電極141aと電極51又はビア154の当該少なくとも一部とによって、キャパシタ46が形成される。
【0101】
このように、パッド電極141aと電極51又はビア154の当該少なくとも一部とによって、キャパシタ46が形成される構成により、キャパシタ46として機能するSMDをインダクタ部品62とは別に面121aに設けることなく、フィルタ回路21、24又は25が形成されたフィルタ装置11~19を実現することができる。これにより、フィルタ装置11~19のサイズを小さくすることができる。
【0102】
また、フィルタ装置11~19では、面121a(実装面121a)を平面視したときに、電極51又はビア154の面積は、パッド電極141aの面積より小さい。
【0103】
このように、電極51又はビア154の面積をパッド電極141aの面積より小さくする構成により、キャパシタ46の静電容量を小さくすることができる。キャパシタ46の静電容量が小さいフィルタ特性では、極PC1の周波数を高周波側にシフトさせ、RF信号の高調波の周波数帯Bhに極PC1の周波数を含めることができる。これにより、RF信号の高調波の通過を効果的に抑制することができるとともに、RF信号の基本波の周波数帯BbにおいてRF信号を良好に通過させることができる。
【0104】
また、フィルタ装置11及び13~19では、面121a(実装面121a)を平面視したときに、電極51の全てが、パッド電極141aと重なる。
【0105】
このように、面121aを平面視したときに、電極51の全てがパッド電極141aと重なる構成により、電極51において、インダクタ部品62とは重なるがパッド電極141とは重ならない部分が生じることを抑制しやすくすることができる。これにより、インダクタ部品62と電極51との電磁界的な結合を抑制しやすくすることができるので、フィルタ特性が劣化することを抑制しやすくすることができる。
【0106】
また、積層基板111~117は、金属層131と、誘電体層122と、金属層132と、ビア151と、をさらに含む。金属層131は、電極51を含み、金属層131とパッド電極141aとの間に誘電体層121が位置するように設けられる。誘電体層122は、誘電体層122と誘電体層121との間に金属層131が位置するように設けられる。金属層132は、基準電位が供給される基準電極Eg1を含み、金属層132と金属層131との間に誘電体層122が位置するように設けられる。ビア151は、誘電体層122を貫通し、電極51と基準電極Eg1とを電気的に接続する。
【0107】
このように、ビア151を通じて電極51を基準電極Eg1に電気的に接続する構成により、キャパシタ46を、浮遊容量ではなく基準電位に接続された容量にすることができる。これにより、キャパシタ46を通じてRF信号の高調波を基準電極Eg1に流すことができる。また、仮に、金属層131の導体パターンを通じて電極51を基準電極Eg1に電気的に接続させる場合、導体パターンとパッド電極141aとによってキャパシタが形成されて極PC1が低周波側にシフトしてしまうことがある。これに対して、上記構成では、当該キャパシタを形成することなく電極51を基準電極Eg1に電気的に接続させることができるので、極PC1が低周波側にシフトすることを抑制することができる。
【0108】
また、フィルタ装置12Bでは、誘電体層121の面121aを平面視したときに、インダクタ部品62と電極51とが重なる重なり部分181があるとき、重なり部分181は、パッド電極141aと重なる。
【0109】
このような構成により、インダクタ部品62と電極51との電磁界的な結合を抑制することができるので、フィルタ特性が劣化することを抑制することができる。
【0110】
また、フィルタ装置14では、積層基板114は、パッド電極141bと、配線171と、をさらに含む。パッド電極141bは、誘電体層121の面121aに設けられ、インダクタ部品62の第2端子が接続される。配線171は、電極51とパッド電極141bとを接続する。キャパシタ46及びインダクタ部品62によって並列共振回路が形成される。
【0111】
このような構成により、静電容量が小さいキャパシタ46を含むタンク回路が形成され、かつ、サイズの小さいフィルタ装置14を実現することができる。
【0112】
また、フィルタ装置15では、積層基板115は、パッド電極141bと、電極52と、をさらに含む。パッド電極141bは、誘電体層121の面121aに設けられ、インダクタ部品62の第2端子が接続される。電極52は、開放されていない電極であって、電極52とパッド電極141bとの間に誘電体層121が位置するように設けられ、面121aを平面視したときに、電極52の少なくとも一部がパッド電極141bと重なる。パッド電極141bと電極52の当該少なくとも一部とによって、キャパシタ47が形成される。
【0113】
このような構成により、静電容量が小さいキャパシタ46及び47を含むπ型フィルタ回路が形成され、かつ、サイズの小さいフィルタ装置15を実現することができる。
【0114】
また、フィルタ装置16では、積層基板116は、複数のビア151を含む。
【0115】
このような構成により、基準電極Eg1の電位に対する電極51の電位のふらつきを抑制することができるので、極PC1(
図4参照)における減衰量を大きくすることができる。これにより、RF信号の高調波の通過をより効果的に抑制することができる。
【0116】
また、フィルタ装置17では、積層基板117は、誘電体層121と電極51との間に位置する誘電体層123をさらに含む。
【0117】
このように、誘電体層121と電極51との間に誘電体層123が位置する構成により、電極51とパッド電極141aとの間の距離を大きくすることができるので、パッド電極141a及び電極51によって形成されるキャパシタ46の静電容量をより小さくすることができる。これにより、極PC1(
図4参照)をより高周波側へシフトさせることができる。
【0118】
また、フィルタ装置18又は19では、積層基板118又は119は、誘電体層122と、ビア154と、をさらに含む。誘電体層122は、誘電体層122とパッド電極141aとの間に誘電体層121が位置するように設けられる。ビア154は、誘電体層122を貫通し、第1電極である。
【0119】
このように、極小の断面積のビア154が第1電極である構成により、パッド電極141a及びビア154によって形成されるキャパシタ46の静電容量を極めて小さくすることができる。これにより、極PC1(
図4参照)をより高周波側へシフトさせることができる。
【0120】
なお、以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0121】
<1>
インダクタ部品と、
前記インダクタ部品が実装される基板であって、
実装面を有する第1誘電体層と、
前記実装面に設けられ、前記インダクタ部品の第1端子が接続される第1パッド電極と、
開放されていない第1電極であって、前記第1電極と前記第1パッド電極との間に前記第1誘電体層が位置するように設けられ、前記実装面を平面視したときに、前記第1電極の少なくとも一部が前記第1パッド電極と重なる前記第1電極と、
を含む前記基板と、を備え、
前記第1パッド電極と前記第1電極の前記少なくとも一部とによって、第1キャパシタが形成される、
フィルタ装置。
【0122】
<2>
<1>に記載のフィルタ装置であって、
前記実装面を平面視したときに、前記第1電極の面積は、前記第1パッド電極の面積より小さい、
フィルタ装置。
【0123】
<3>
<2>に記載のフィルタ装置であって、
前記実装面を平面視したときに、前記第1電極の全てが、前記第1パッド電極と重なる、
フィルタ装置。
【0124】
<4>
<2>又は<3>に記載のフィルタ装置であって、
前記実装面を平面視したときに、前記インダクタ部品と前記第1電極とが重なる重なり部分があるとき、前記重なり部分は、前記第1パッド電極と重なる、
フィルタ装置。
【0125】
<5>
<1>から<4>のいずれか1つに記載のフィルタ装置であって、
前記基板は、
前記第1電極を含む第1配線層であって、前記第1配線層と前記第1パッド電極との間に前記第1誘電体層が位置するように設けられる前記第1配線層と、
第2誘電体層であって、前記第2誘電体層と前記第1誘電体層との間に前記第1配線層が位置するように設けられる前記第2誘電体層と、
基準電位が供給される基準電極を含む第2配線層であって、前記第2配線層と前記第1配線層との間に前記第2誘電体層が位置するように設けられる前記第2配線層と、
前記第2誘電体層を貫通し、前記第1電極と前記基準電極とを電気的に接続する第1ビアと、
をさらに含む、
フィルタ装置。
【0126】
<6>
<1>から<5>のいずれか1つに記載のフィルタ装置であって、
前記実装面を平面視したときに、前記インダクタ部品と前記第1電極とが重なる重なり部分があるとき、前記重なり部分は、前記第1パッド電極と重なる、
フィルタ装置。
【0127】
<7>
<1>から<6>のいずれか1つに記載のフィルタ装置であって、
前記基板は、
前記実装面に設けられ、前記インダクタ部品の第2端子が接続される第2パッド電極と、
前記第1電極と前記第2パッド電極とを接続する配線と、
をさらに含み、
前記第1キャパシタ及び前記インダクタ部品によって並列共振回路が形成される、
フィルタ装置。
【0128】
<8>
<1>から<7>のいずれか1つに記載のフィルタ装置であって、
前記基板は、
前記実装面に設けられ、前記インダクタ部品の第2端子が接続される第2パッド電極と、
開放されていない第2電極であって、前記第2電極と前記第2パッド電極との間に前記第1誘電体層が位置するように設けられ、前記実装面を平面視したときに、前記第2電極の少なくとも一部が前記第2パッド電極と重なる前記第2電極と、
をさらに含み、
前記第2パッド電極と前記第2電極の前記少なくとも一部とによって、第2キャパシタが形成される、
フィルタ装置。
【0129】
<9>
<5>に記載のフィルタ装置であって、
前記基板は、複数の前記第1ビアを含む、
フィルタ装置。
【0130】
<10>
<1>から<9>のいずれか1つに記載のフィルタ装置であって、
前記基板は、
第1誘電体層と前記第1電極との間に位置する第3誘電体層をさらに含む、
フィルタ装置。
【0131】
<11>
<1>から<10>のいずれか1つに記載のフィルタ装置であって、
前記基板は、
第2誘電体層であって、前記第2誘電体層と前記第1パッド電極との間に前記第1誘電体層が位置するように設けられる第2誘電体層と、
前記第2誘電体層を貫通し、前記第1電極である第2ビアと、
をさらに含む、
フィルタ装置。
【符号の説明】
【0132】
11、12、12A、12B、13、14、15、16、17、18、19…フィルタ装置
21、24、25…フィルタ回路
31…入力端子
32…出力端子
41…インダクタ
46、47…キャパシタ
51、52、53、54、55…電極
54a…貫通孔
55a…切り欠き部
62、63…インダクタ部品
111、112、113、114、115、116、117、118、119…積層基板
121…誘電体層
121a、121b…面
122、123…誘電体層
130、131、132、133、134、135…金属層
141a、141b、141c、142a、142b…パッド電極
143…電極
151、152、153、154…ビア
154a…面
161、162、163、164、165…配線電極
171…配線
181…重なり部分
182…部分
Eg1…基準電極