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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141887
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】2剤吐出容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/68 20060101AFI20241003BHJP
   B65D 83/20 20060101ALI20241003BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20241003BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B65D83/68 100
B65D83/20 100
B65D81/32 U
B05B9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053752
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】古澤 光夫
【テーマコード(参考)】
3E013
3E014
4F033
【Fターム(参考)】
3E013AB08
3E013AC16
3E013AC19
3E013AD02
3E013AD07
3E013AE03
3E013AF05
3E013AF34
3E014PA01
3E014PB03
3E014PB05
3E014PC02
3E014PC08
3E014PD01
3E014PE14
3E014PE16
3E014PF10
4F033RA02
4F033RC01
4F033RC08
4F033RC16
4F033RC24
(57)【要約】
【課題】第1剤が刺激臭の強いものであっても吐出後に第1剤の刺激臭を抑制することが可能な2剤吐出容器を提供することである。
【解決手段】二連式エアゾール容器部10と、ケース部21と筒状のノズル部22と第1ステム接続部23と第2ステム接続部24とを備え、第1剤41と第2剤42とをノズル部22から外部に吐出するノズル体20と、を有する2剤吐出容器1であって、ケース部21が、ケース部21の内部を第1ステム接続部23に連通するとともにノズル部22の下側部分に連通する第1室R1と、第2ステム接続部24に連通するとともにノズル部22の上側部分に連通する第2室R2とに区画する区画壁25を備え、後壁21bが、区画壁25の後端に嵌合する溝21gを備え、ケース部21の上壁21cにヒンジ21fにより連結されている2剤吐出容器1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ステムと第2ステムとを備えた二連式エアゾール容器部と、
ケース部と、前記ケース部の前壁に一体に連ねて設けられた筒状のノズル部と、前記ケース部の下壁に一体に連ねて設けられて前記第1ステムに接続される第1ステム接続部と、前記ケース部の下壁に一体に連ねて設けられて前記第2ステムに接続される第2ステム接続部とを備え、前記第1ステムから吐出された第1剤と前記第2ステムから吐出された第2剤とを前記ノズル部から外部に吐出するように構成されているノズル体と、を有する2剤吐出容器であって、
前記ケース部が、前記前壁から後壁にまで延びて設けられて、前記ケース部の内部を前記第1ステム接続部に連通するとともに前記ノズル部の下側部分に連通する第1室と、前記第2ステム接続部に連通するとともに前記ノズル部の上側部分に連通する第2室とに区画する区画壁を備え、
前記後壁が、前記区画壁の後端に嵌合する溝を備え、前記ケース部の上壁にヒンジにより連結されている、ことを特徴とする2剤吐出容器。
【請求項2】
前記区画壁が、前記ノズル部の上下方向中央位置に対向して前記下壁に平行に配置された中央壁部と、前記第1ステム接続部と前記ノズル部との間において前記上壁と前記中央壁部の一端とに一体に連なる上壁部と、前記第2ステム接続部と前記ノズル部との間において前記下壁と前記中央壁部の他端とに一体に連なる下壁部と、を有する、請求項1に記載の2剤吐出容器。
【請求項3】
前記二連式エアゾール容器部は、前記第1ステムを備えた第1エアゾール缶と、前記第2ステムを備えた第2エアゾール缶とを固定部材により並列に並べて固定したものである、請求項1または2に記載の2剤吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2剤吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば染毛剤などの第1剤と第2剤とを混合して使用される内容物を収納する容器として、第1剤を吐出する第1ステムと第2剤を吐出する第2ステムとを備えた二連式エアゾール容器部と、第1ステムと第2ステムとに接続されたノズル体とを有し、ノズル体を押下げ操作することで、ノズル体に設けられたノズル部から2剤を吐出するようにした2剤吐出容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-088562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
染毛剤の第1剤は酸化染料とアルカリ剤とを含むため刺激臭が強く、使用時に第1剤の刺激臭を抑えることが要望されているが、上記従来の2剤吐出容器は、この点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、第1剤が刺激臭の強いものであっても吐出後に第1剤の刺激臭を抑制することが可能な2剤吐出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の2剤吐出容器は、第1ステムと第2ステムとを備えた二連式エアゾール容器部と、ケース部と、前記ケース部の前壁に一体に連ねて設けられた筒状のノズル部と、前記ケース部の下壁に一体に連ねて設けられて前記第1ステムに接続される第1ステム接続部と、前記ケース部の下壁に一体に連ねて設けられて前記第2ステムに接続される第2ステム接続部とを備え、前記第1ステムから吐出された第1剤と前記第2ステムから吐出された第2剤とを前記ノズル部から外部に吐出するように構成されているノズル体と、を有する2剤吐出容器であって、前記ケース部が、前記前壁から後壁にまで延びて設けられて、前記ケース部の内部を前記第1ステム接続部に連通するとともに前記ノズル部の下側部分に連通する第1室と、前記第2ステム接続部に連通するとともに前記ノズル部の上側部分に連通する第2室とに区画する区画壁を備え、前記後壁が、前記区画壁の後端に嵌合する溝を備え、前記ケース部の上壁にヒンジにより連結されている、ことを特徴とする。
【0007】
本発明の2剤吐出容器は、上記構成において、前記区画壁が、前記ノズル部の上下方向中央位置に対向して前記下壁に平行に配置された中央壁部と、前記第1ステム接続部と前記ノズル部との間において前記上壁と前記中央壁部の一端とに一体に連なる上壁部と、前記第2ステム接続部と前記ノズル部との間において前記下壁と前記中央壁部の他端とに一体に連なる下壁部と、を有するのが好ましい。
【0008】
本発明の2剤吐出容器は、上記構成において、前記二連式エアゾール容器部は、前記第1ステムを備えた第1エアゾール缶と、前記第2ステムを備えた第2エアゾール缶とを固定部材により並列に並べて固定したものであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1剤が刺激臭の強いものであっても吐出後に第1剤の刺激臭を抑制することが可能な2剤吐出容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る2剤吐出容器の正面視における半断面図である。
図2図1に示す2剤吐出容器の正面視における要部の拡大断面図である。
図3図2に示す2剤吐出容器のA-A線に沿う断面図である。
図4図3に示すノズル体の後壁を開いた状態の断面図である。
図5図3に示すノズル体の後壁を開いた状態の背面図である。
図6】ノズル部から吐出された第1剤と第2剤の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係る2剤吐出容器1をより詳細に例示説明する。
【0012】
なお、本実施形態及び特許請求の範囲において、上下方向は、図1に示すように2剤吐出容器1を正立姿勢とした状態における上下方向を意味するものとする。また、前後方向は、ノズル部22の突出方向に沿う方向(図3における左側が前方、右側が後方)を意味するものとする。
【0013】
図1に示す本発明の一実施形態に係る2剤吐出容器1は、例えば染毛剤などの第1剤と第2剤とを混合して使用される内容物を収納する用途に用いることができるものである。2剤吐出容器1は、二連式エアゾール容器部10とノズル体20とを有している。
【0014】
本実施形態では、二連式エアゾール容器部10は、第1エアゾール缶11と第2エアゾール缶12とを固定部材(固定盤)13で並列に並べて固定した構成となっている。
【0015】
図1図2に示すように、第1エアゾール缶11は、例えば金属製の有底筒状の容器本体11aと、容器本体11aの上端部分に固定されたマウンティングカップ11bと、マウンティングカップ11bの上端から突出する第1ステム11cとを有している。第1エアゾール缶11は、その内部に第1剤を収納している。本実施形態では、第1剤は、染毛剤の一部を構成するものであり、酸化染料とアルカリ剤とを含むため刺激臭が強いゲル状、液体状ないし泡状のものである。第1エアゾール缶11は、第1ステム11cが下方に押し下げられると、第1ステム11cの上端から第1剤を吐出するように構成されている。
【0016】
同様に、第2エアゾール缶12は、例えば金属製の有底筒状の容器本体12aと、容器本体12aの上端部分に固定されたマウンティングカップ12bと、マウンティングカップ12bの上端から突出する第2ステム12cとを有している。第2エアゾール缶12は、その内部に第2剤を収納している。本実施形態では、第2剤は、染毛剤の一部を構成するものであり、第1剤と比較して臭いの少ないゲル状、液体状ないし泡状のものである。第2エアゾール缶12は、第2ステム12cが下方に押し下げられると、第2ステム12cの上端から第2剤を吐出するように構成されている。
【0017】
第1エアゾール缶11及び第2エアゾール缶12は、それぞれ第1ステム11cないし第2ステム12cが押し下げられることで第1ステム11cないし第2ステム12cの上端から第1剤ないし第2剤を吐出するように構成されたものであれば、種々の構成のものを用いることができる。
【0018】
また、二連式エアゾール容器部10としては、第1エアゾール缶11と第2エアゾール缶12とを固定部材13で並列に並べて固定した構成のものに限らず、1つの容器本体の内部に第1剤と第2剤とを別々に収納可能な2つの収納空間を備えるとともに、それぞれの収納空間に対応した一対のステムがマウンティングカップの上端から突出して設けられた構成のものを用いることもできる。
【0019】
ノズル体20は、第1エアゾール缶11の第1ステム11cから吐出された第1剤と第2エアゾール缶12の第2ステム12cから吐出された第2剤とを外部に吐出するためのものである。図2図3に示すように、ノズル体20は、ケース部21、ノズル部22、第1ステム接続部23及び第2ステム接続部24を有している。
【0020】
ケース部21は、前壁21a、後壁21b、上壁21c、下壁21d及び一対の湾曲した側壁21eを有する箱型となっており、その内部は、第1剤及び第2剤が流通可能な空間となっている。
【0021】
前壁21a、上壁21c、下壁21d及び一対の側壁21eは互いに一体に連ねて設けられている。
【0022】
一方、後壁21bは、ヒンジ21fにより上壁21cに連結され、図3に示す閉じた状態と図4に示す開いた状態(ノズル体20を単体で示してる。)との間で揺動自在となっている。なお、本実施形態では、後壁21bは、図3に示す断面において、前方に向けて凸となる形状とされているが、ケース部21の後部を閉塞することができる形状であれば、その形状は種々変更可能である。
【0023】
図2図3に示すように、ノズル部22は横長の角筒状となっており、ケース部21の前壁21aに一体に連ねて設けられて前方に向けて突出している。ノズル部22の内部は吐出路22aとなっており、吐出路22aはケース部21の内部空間に連通している。
【0024】
本実施形態では、ノズル部22は横長の角筒状であるが、筒状であれば、その形状は種々変更可能である。
【0025】
第1ステム接続部23は内部が流路23aとなる円筒状となっており、一方の側壁21eの側に偏った位置においてケース部21の下壁21dに一体に連ねて設けられて下壁21dから下方に突出している。第1ステム接続部23は、第1ステム11cの外側に嵌合して第1ステム11cに接続されており、第1ステム11cとともに上下方向に移動することができる。
【0026】
第2ステム接続部24は内部が流路24aとなる円筒状となっており、第1ステム接続部23とは反対側の側壁21eの側に偏った位置においてケース部21の下壁21dに一体に連ねて設けられて下壁21dから下方に突出している。第2ステム接続部24は、第2ステム12cの外側に嵌合して第2ステム12cに接続されており、第2ステム12cとともに上下方向に移動することができる。
【0027】
ノズル体20が押し下げられると、第1ステム接続部23により第1ステム11cが下方に向けて押し下げられて第1ステム11cから第1剤が吐出されるとともに第2ステム接続部24により第2ステム12cが下方に向けて押し下げられて第2ステム12cから第2剤が吐出される。第1ステム11cから吐出された第1剤は第1ステム接続部23の流路23aを通してケース部21の内部空間に流入し、第2ステム12cから吐出された第2剤は第2ステム接続部24の流路24aを通してケース部21の内部空間に流入する。そして、ケース部21に流入した第1剤及び第2剤は、それぞれノズル部22から外部に吐出される。このように、ノズル体20が押し下げられると、第1ステム11cと第2ステム12cとが同時に押し下げられてノズル部22からは第1剤と第2剤が同時に吐出される。
【0028】
2剤吐出容器1は、固定部材13に、固定部材13およびノズル体20の一部を覆うカバー体30が装着された構成とすることができる。また、カバー体30に、ノズル体20の上方に位置するようにレバー部31を設け、レバー部31を押し下げ操作することにより、ノズル体20が下方に向けて押し下げられる構成とすることもできる。また、カバー体30に、レバー部31を覆うオーバーキャップ32を着脱自在に装着した構成として、不使用時にレバー部31が不意に押し下げられることを防止する構成とすることもできる。
【0029】
カバー体30、レバー部31及びオーバーキャップ32の形状ないし構成は種々変更可能であり、また、カバー体30、レバー部31及びオーバーキャップ32の何れかまたは全てを設けない構成とすることもできる。
【0030】
図2図3及び図5に示すように、ケース部21には区画壁25が設けられている。
【0031】
本実施形態では、区画壁25は、ノズル部22の上下方向中央位置に対向して下壁21dに平行に配置された中央壁部25aと、第1ステム接続部23とノズル部22との間において上壁21cと中央壁部25aの一端とに一体に連なる上壁部25bと、第2ステム接続部24とノズル部22との間において下壁21dと中央壁部25aの他端とに一体に連なる下壁部25cと、を有する断面クランク形状となっており、ケース部21の内部において前壁21aから後壁21bにまで延びて設けられている。このようなクランク形状の区画壁25が設けられることにより、ケース部21の内部は、第1ステム接続部23に連通するとともにノズル部22の下側部分に連通する第1室R1と、第2ステム接続部24に連通するとともにノズル部22の上側部分に連通する第2室R2とに区画されている。
【0032】
なお、区画壁25の形状ないし構成は、ケース部21の内部において前壁21aから後壁21bにまで延びて設けられてケース部21の内部を、第1ステム接続部23に連通するとともにノズル部22の下側部分に連通する第1室R1と第2ステム接続部24に連通するとともにノズル部22の上側部分に連通する第2室R2とに区画することができる形状ないし構成であれば、上記クランク形状に限らず種々変更可能である。
【0033】
後壁21bは、区画壁25の後端に嵌合する溝21gを備えている。本実施形態では、図5に示すように、溝21gは、区画壁25に対応したクランク形状となっており、図3に示すように、閉じた状態において、中央壁部25aの後端、上壁部25bの後端及び下壁部25cの後端に嵌合するようになっている。
【0034】
上記構成を有する2剤吐出容器1では、レバー部31が押し下げ操作され、レバー部31に押されてノズル体20が押し下げられると、第1エアゾール缶11の第1ステム11cから吐出された第1剤がケース部21の第1室R1に流入するとともに第2エアゾール缶12の第2ステム12cから吐出された第2剤がケース部21の第2室R2に流入する。そして、第1室R1に流入した第1剤は、区画壁25に案内されて第1室R1からノズル部22の下半分の部分に向けて流出し、第2室R2に流入した第2剤は、区画壁25に案内されて第2室R2からノズル部22の上半分の部分に向けて流出する。ノズル部22の内部に流出した第1剤と第2剤は、ノズル部22の内部で一体となり、図6に示すように、第1剤41の上の全体に第2剤42が積層された積層状態となってノズル部22から外部に吐出される。したがって、ノズル部22から、例えばブラシ、手のひら、頭皮上などの吐出対称物の上に第1剤と第2剤を吐出すると、第1剤41は、その上面部が第2剤42に覆われた状態となる。
【0035】
このように、本実施形態に係る2剤吐出容器1によれば、第1エアゾール缶11の第1ステム11cから吐出される第1剤41と第2エアゾール缶12の第2ステム12cから吐出される第2剤42とを、第1剤41の上の全体に第2剤42が積層された積層状態としてノズル部22から外部に吐出することができる。これにより、例えば染毛剤のように、第1剤41が刺激臭の強いものであっても、ノズル部22から吐出された第1剤41の上面部の全体が比較的臭いの少ない第2剤42により覆われるようにして、第1剤41の刺激臭を抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態に係る2剤吐出容器1では、ノズル部22の上下方向中央位置に対向して下壁21dに平行に配置された中央壁部25aと、第1ステム接続部23とノズル部22との間において上壁21cと中央壁部25aの一端とに一体に連なる上壁部25bと、第2ステム接続部24とノズル部22との間において下壁21dと中央壁部25aの他端とに一体に連なる下壁部25cと、を有する断面クランク形状の区画壁25によって第1剤41と第2剤42とをノズル部22にまで案内するようにしたので、第1剤41及び第2剤42の粘度等に拘わらず、第1剤41がノズル部22の下半分に正確に案内されるとともに第2剤42がノズル部22の上半分に正確に案内されるようにして、第1剤と第2剤とを、確実にノズル部22から第1剤41の上の全体に第2剤42が積層された積層状態で吐出させることができる。これにより、第1剤41の刺激臭をより確実に抑制することができる。
【0037】
さらに、本実施形態に係る2剤吐出容器1では、ケース部21の後壁21bを、区画壁25の後端に嵌合する溝21gを備えた構成としたので、使用時には、溝21gが区画壁25の後端に嵌合することでケース部21の内部が区画壁25によって確実に第1室R1と第2室R2とに区画されるようにして、第1剤と第2剤とを、確実にノズル部22から第1剤41の上の全体に第2剤42が積層された積層状態で吐出させることができる。これにより、第1剤41の刺激臭を確実に抑制することができる。
【0038】
さらに、本実施形態に係る2剤吐出容器1では、後壁21bをヒンジ21fにより上壁21cに接続された構成としたので、ノズル体20を、合成樹脂材料の射出成形によって、図4に示すように後壁21bを180度開いた状態の形状で一体に形成することができる。これにより、ケース部21の内部にクランク形状の区画壁25を一体に有するノズル体20を、合成樹脂材料の射出成形により容易且つ精度よく形成することができる。
【0039】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0040】
例えば、前記実施の形態においては、第1剤41及び第2剤42は、染毛剤を構成するものとされているが、これに限られない。
【0041】
また、前記実施の形態においては、ノズル部22は、内部が区画されない筒状とされているが、ノズル部22の内部に、区画壁25の中央壁部に連なるとともにノズル部22の内部を上下に区画する区画壁を設けた構成としてもよい。この場合、ノズル部22の内部の区画壁は、ノズル部22の基端から先端までの全範囲に設けてもよく、基端から先端よりも手前の途中位置までの範囲にのみ設けてもよい。
【0042】
さらに、前記実施の形態において、後壁21bをヒンジ21fにより開閉自在の構成としてもよい。この構成によれば、使用後に後壁21bを開くことで、ノズル体20の内部を容易に洗浄することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 2剤吐出容器
10 二連式エアゾール容器部
11 第1エアゾール缶
11a 容器本体
11b マウンティングカップ
11c 第1ステム
12 第2エアゾール缶
12a 容器本体
12b マウンティングカップ
12c 第2ステム
13 固定部材
20 ノズル体
21 ケース部
21a 前壁
21b 後壁
21c 上壁
21d 下壁
21e 側壁
21f ヒンジ
21g 溝
22 ノズル部
22a 吐出路
23 第1ステム接続部
23a 流路
24 第2ステム接続部
24a 流路
25 区画壁
25a 中央壁部
25b 上壁部
25c 下壁部
30 カバー体
31 レバー部
32 オーバーキャップ
41 第1剤
42 第2剤
R1 第1室
R2 第2室
図1
図2
図3
図4
図5
図6