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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141891
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】電子部品およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H03H 3/08 20060101AFI20241003BHJP
   H03H 9/25 20060101ALI20241003BHJP
   H03H 3/02 20060101ALI20241003BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H03H3/08
H03H9/25 A
H03H3/02 B
H01L23/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053758
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】小西 洋輔
【テーマコード(参考)】
5J097
5J108
【Fターム(参考)】
5J097BB15
5J097CC05
5J097HA04
5J108MM02
(57)【要約】
【課題】リッドと枠体とを接合するときに、空隙内のガスを放出させることが可能な電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】電子部品の製造方法は、平面視において、基板10上に設けられた機能素子を囲むように基板上に設けられた枠体とリッド21との対向する面のうちいずれか一方の面にはんだ層24が設けられ、枠体とリッドとの対向する面のうち他方の面のはんだ層と対向する領域に基板の厚さ方向に突出する凸部32および基板の厚さ方向に凹む凹部31を有し、凸部をはんだ層に接触させる工程と、凸部とはんだ層とを接触させ凹部とはんだ層との間の空洞34が枠体の内側から枠体の外側までつながった状態において、はんだ層を加熱することにより、空洞内にはんだ層が流入し枠体とリッドとが接合し、機能素子を前記基板と前記枠体と前記リッドとにより囲まれた空隙に封止する工程とを含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視において、基板上に設けられた機能素子を囲むように前記基板上に設けられた枠体とリッドとの対向する面のうちいずれか一方の面にはんだ層が設けられ、前記枠体と前記リッドとの対向する面のうち他方の面の前記はんだ層と対向する領域に前記基板の厚さ方向に突出する凸部および前記基板の厚さ方向に凹む凹部を有し、前記凸部を前記はんだ層に接触させる工程と、
前記凸部と前記はんだ層とを接触させ前記凹部と前記はんだ層との間の空洞が前記枠体の内側から前記枠体の外側までつながった状態において、前記はんだ層を加熱することにより、前記空洞内に前記はんだ層が流入し前記枠体と前記リッドとが接合し、前記機能素子を前記基板と前記枠体と前記リッドとにより囲まれた空隙に封止する工程と、
を含む電子部品の製造方法。
【請求項2】
前記いずれか一方の面は、前記枠体の面である請求項1に記載の電子部品の製造方法。
【請求項3】
前記凸部と前記凹部との前記基板の厚さ方向における最大距離は、前記はんだ層の厚さより小さくかつ前記はんだ層の厚さの0.1倍以上である請求項1または2に記載の電子部品の製造方法。
【請求項4】
前記はんだ層の厚さは前記枠体の厚さの0.3倍以下である請求項1または2に記載の電子部品の製造方法。
【請求項5】
前記領域は、前記はんだ層に対向する面のうち1/4以上に設けられている請求項1または2に記載の電子部品の製造方法。
【請求項6】
前記リッドは、リッド本体と、前記リッド本体下に設けられた金属層と、を備え、
前記凹部および前記凸部は、前記リッド本体に設けられている請求項1または2に記載の電子部品の製造方法。
【請求項7】
前記リッドは、リッド本体と、前記リッド本体下に設けられた金属層と、を備え、
前記凹部および前記凸部は、前記リッド本体に設けられておらず、前記金属層に設けられている請求項1または2に記載の電子部品の製造方法。
【請求項8】
前記機能素子は、弾性波素子である請求項1または2に記載の電子部品の製造方法。
【請求項9】
前記枠体は、前記基板上に設けられた環状金属層である請求項1または2に記載の電子部品の製造方法。
【請求項10】
基板と、
前記基板上に設けられた機能素子と、
前記基板上に平面視において前記機能素子を囲むように設けられた枠体と、
前記枠体上に設けられたはんだ層と、
前記はんだ層と接合し、前記基板と前記枠体とにより囲まれた空隙に前記機能素子を封止するリッドと、
前記枠体と前記リッドのいずれか一方の前記はんだ層と接合された面に前記基板の厚さ方向に突出する凸部および前記基板の厚さ方向に凹む凹部を有する電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に弾性波素子等の機能素子を設け、機能素子を囲むように基板上に枠体を設け枠体上にリッドを接合することで、リッドと枠体により機能素子を空隙に封止する電子部品が知られている(例えば特許文献1~5)。リッドと枠体とをはんだを用い接合する場合、はんだに凹部を設けることが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-232284号公報
【特許文献2】特開平6-132413号公報
【特許文献3】特開平8-213496号公報
【特許文献4】特表2007-516602号公報
【特許文献5】特開2018-14581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
はんだに凹部を設けることで、リッドと枠体とを接合するときに、凹部を介し、空隙内のガスを放出することができる。しかしながら、はんだが完全に融解する前に凹部が閉じてしまい、ガスの放出が十分でない場合がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、リッドと枠体とを接合するときに、空隙内のガスを放出させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、平面視において、基板上に設けられた機能素子を囲むように前記基板上に設けられた枠体とリッドとの対向する面のうちいずれか一方の面にはんだ層が設けられ、前記枠体と前記リッドとの対向する面のうち他方の面の前記はんだ層と対向する領域に前記基板の厚さ方向に突出する凸部および前記基板の厚さ方向に凹む凹部を有し、前記凸部を前記はんだ層に接触させる工程と、前記凸部と前記はんだ層とを接触させ前記凹部と前記はんだ層との間の空洞が前記枠体の内側から前記枠体の外側までつながった状態において、前記はんだ層を加熱することにより、前記空洞内に前記はんだ層が流入し前記枠体と前記リッドとが接合し、前記機能素子を前記基板と前記枠体と前記リッドとにより囲まれた空隙に封止する工程と、を含む電子部品の製造方法である。
【0007】
上記構成において、前記いずれか一方の面は、前記枠体の面である構成とすることができる。
【0008】
上記構成において、前記凸部と前記凹部との前記基板の厚さ方向における最大距離は、前記はんだ層の厚さより小さくかつ前記はんだ層の厚さの0.1倍以上である構成とすることができる。
【0009】
上記構成において、前記はんだ層の厚さは前記枠体の厚さの0.3倍以下である構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記領域は、前記はんだ層に対向する面のうち1/4以上に設けられている構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記リッドは、リッド本体と、前記リッド本体下に設けられた金属層と、を備え、前記凹部および前記凸部は、前記リッド本体に設けられている構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記リッドは、リッド本体と、前記リッド本体下に設けられた金属層と、を備え、前記凹部および前記凸部は、前記リッド本体に設けられておらず、前記金属層に設けられている構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記機能素子は、弾性波素子である構成とすることができる。
【0014】
上記構成において、前記枠体は、前記基板上に設けられた環状金属層である構成とすることができる。
【0015】
本発明は、基板と、前記基板上に設けられた機能素子と、前記基板上に平面視において前記機能素子を囲むように設けられた枠体と、前記枠体上に設けられたはんだ層と、前記はんだ層と接合し、前記基板と前記枠体とにより囲まれた空隙に前記機能素子を封止するリッドと、前記枠体と前記リッドのいずれか一方の前記はんだ層と接合された面に前記基板の厚さ方向に突出する凸部および前記基板の厚さ方向に凹む凹部を有する電子部品である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リッドと枠体とを接合するときに、空隙内のガスを放出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1(a)および図1(b)は、実施例1に係る弾性波デバイスの断面図である。
図2図2(a)および図2(b)は、実施例1に係る弾性波デバイスの平面図である。
図3図3は、実施例1における弾性波素子の平面図である。
図4図4(a)から図4(c)は、実施例1における弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
図5図5(a)および図5(b)は、実施例1における弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
図6図6(a)から図6(d)は、実施例1における弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。
図7図7(a)から図7(c)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示すはんだ層付近の拡大断面図である。
図8図8(a)から図8(c)は、比較例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示すはんだ層付近の拡大断面図である。
図9図9(a)から図9(c)は、実施例1の変形例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示すはんだ層付近の拡大断面図である。
図10図10(a)は、実施例1の変形例2における弾性波デバイスの製造方法を示すリッドの下面の平面図、図10(b)および図10(c)は、図10(a)のA-A断面図である。
図11図11(a)は、実施例1の変形例3における弾性波デバイスの製造方法を示すリッドの下面の平面図、図11(b)および図11(c)は、図11(a)のA-A断面図である。
図12図12(a)は、実施例1の変形例4における弾性波デバイスの製造方法を拡大断面図、図12(b)は、実施例1の変形例5における弾性波デバイスの製造方法を拡大断面図である。
図13図13(a)および図13(b)は、それぞれ実施例1の変形例6および7における弾性波デバイスのリッドの平面図である。
図14図14(a)は、実施例1の変形例8に係る弾性波デバイスの断面図、図14(b)は、実施例1の変形例8における弾性波素子の断面図である。
図15図15(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図、図15(b)は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し本発明の実施例について説明する。
【実施例0019】
実施例1は、電子部品として、弾性波素子を有する弾性波デバイスの例である。図1(a)および図1(b)は、実施例1に係る弾性波デバイスの断面図である。図2(a)および図2(b)は、実施例1に係る弾性波デバイスの平面図である。図2(a)は、基板10、環状金属層30を主に示している。図2(b)は、上方からリッド21の下面を透視した図であり、リッド本体20および金属層22を主に示している。図1(a)は、図2(a)および図2(b)のA-A断面図であり、図1(b)は、図2(a)および図2(b)のB-B断面図である。基板10の厚さ方向をZ方向、基板10の平面方向をX方向およびY方向とする。
【0020】
図1(a)から図2(b)に示すように、基板10は、支持基板10aと、支持基板10a上に設けられた圧電層10cと、支持基板10aと圧電層10cとの間に設けられた絶縁層10bと、を備えている。圧電層10c上に機能素子として弾性波素子12および金属層14が設けられている。弾性波素子12は例えば弾性表面波素子である。金属層14は、弾性波素子12に電気的に接続された配線およびパッドとして機能する。基板10の周縁部および基板10のビア配線16が設けられた領域において、圧電層10cおよび絶縁層10bが除去されており、基板10の上面は支持基板10aの上面である。ビア配線16は、支持基板10aを貫通する。基板10の下面に端子18が設けられている。ビア配線16は金属層14と端子18とを電気的に接続する。基板10の周縁部における支持基板10a上に、平面視において弾性波素子12を囲むように環状金属層30が設けられている。基板10の上方にリッド21が設けられている。リッド21は、リッド本体20と、リッド本体20の-Z側の面20aに設けられた金属層22とを備えている。環状金属層30と金属層22とははんだ層24により接合されている。リッド21および環状金属層30は、弾性波素子12を空隙26に封止する。
【0021】
基板10の平面形状は略矩形である。環状金属層30および金属層22の平面形状も略矩形であり、基板10の外周に沿って延びる。環状金属層30および金属層22の平面形状は、角が丸くなる角丸長方形である。リッド本体20の面20aに設けられた金属層22の-Z側の面22aのうちはんだ層24に対向する領域38にZ方向に突出する凸部32およびZ方向に凹む凹部31が設けられている。
【0022】
支持基板10aは、例えばサファイア基板、アルミナ基板、石英基板、水晶基板、スピネル基板、SiC基板またはシリコン基板である。絶縁層10bは、例えば酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、窒化シリコン層もしくは窒化アルミニウム層の単層またはこれらの層の積層である。圧電層10cは、例えば単結晶タンタル酸リチウム基板、単結晶ニオブ酸リチウム基板または単結晶水晶基板等の圧電基板である。単結晶タンタル酸リチウム基板および単結晶ニオブ酸リチウム基板は、例えば回転YカットX伝搬基板である。
【0023】
金属層14、ビア配線16および端子18は、例えば銅層、金層、銀層、チタン層、ニッケル層、タングステン層等の金属層の単層またはこれらの層の積層である。環状金属層30は、例えば銅層、金層であり、最上層または最下層にチタン層、ニッケル層、タングステン層等が設けられていてもよい。
【0024】
リッド本体20は、例えばコバール等の金属層、または、例えばサファイア基板、アルミナ基板、石英基板、水晶基板、スピネル基板、SiC基板またはシリコン基板等の絶縁層である。リッド本体20の下面に別の機能素子が設けられていてもよい。この場合、別の機能素子は空隙26に封止される。
【0025】
金属層22は、はんだ層24とリッド本体20とが直接接合できない場合に設けられる層であり、はんだ層24の濡れ性のよい層である。はんだ層24が金錫の場合、金属層22は例えば金層あり、金層とリッド本体20との間にチタン層等の密着層が設けられていてもよい。はんだ層24とリッド本体20とが直接接合できる場合、金属層22は設けられていなくてもよい。はんだ層24は、例えば金錫はんだ、錫銀はんだまたは錫銀銅はんだである。環状金属層30は、シールドとして機能するため、抵抗率の低い材料を用いることが好ましく、例えば銅層または金層である。
【0026】
図3は、実施例1における弾性波素子の平面図である。図3に示すように、弾性波素子12は弾性表面波共振器またはLamb波共振器である。圧電層10c上にIDT(Interdigital Transducer)40と反射器42が形成されている。IDT40は、互いに対向する1対の櫛型電極40aを有する。櫛型電極40aは、複数の電極指40bと複数の電極指40bを接続するバスバー40cとを有する。反射器42は、IDT40の両側に設けられている。IDT40は圧電層10cに弾性表面波を励振する。弾性波の波長は一対の櫛型電極40aの一方の櫛型電極40aの電極指40bのピッチにほぼ等しい。すなわち、弾性波の波長は一対の櫛型電極40aの電極指40bのピッチの2倍にほぼ等しい。IDT40および反射器42は例えばアルミニウム膜、銅膜またはモリブデン膜により形成される。圧電層10c上にIDT40および反射器42を覆うように保護膜または温度補償膜が設けられていてもよい。弾性波素子12は、弾性波を励振する電極を含む。このため、弾性波を制限しないように、弾性波素子12は空隙26に覆われている。
【0027】
[実施例1の製造方法]
図4(a)から図6(d)は、実施例1における弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。図4(a)に示すように、支持基板10a内にビア配線16が設けられ、支持基板10a上に絶縁層10bおよび圧電層10cが設けられている。圧電層10c上に弾性波素子12が設けられている。図4(b)に示すように、ビア配線16上および基板10の周縁領域における圧電層10cおよび絶縁層10bを除去する。弾性波素子12とビア配線16とを接続する金属層14を形成する。
【0028】
図4(c)に示すように、基板10の周縁に開口51を有するマスク層50を形成する。開口51内およびマスク層50上にシード層29を形成する。シード層29は、例えば密着層と密着層上に設けられ密着層より抵抗率の低い低抵抗層を有する。シード層29上に開口51を有するマスク層52を形成する。マスク層50および52は例えばフォトレジストである。
【0029】
図5(a)に示すように、シード層29から電流を供給することで、開口内に低抵抗層30a、バリア層30bおよびはんだ層24を、電界めっき法を用い形成する。低抵抗層30aは、例えばシード層29の上面の低抵抗層と同じ材料であり、例えば銅層または金層である。バリア層30bは、はんだ層24と低抵抗層30aとの元素の相互拡散を抑制する層であり、例えばニッケル層である。バリア層30bは設けられていなくてもよい。
【0030】
図5(b)に示すように、マスク層52を除去する。その後、はんだ層24をマスクにシード層29を除去する。その後、マスク層50を除去する。以降、シード層29の図示を省略する。
【0031】
図6(a)および図6(b)では、図4(a)から図5(b)および図6(c)および図6(d)と上下を逆に図示している。図6(a)に示すように、リッド本体20の-Z側の面20aにおける領域38に凸部32aおよび凹部31aを形成する。凸部32aおよび凹部31aの形成には、ブラスト法、パンチング法またはエッチング法を用いることができる。凸部32aおよび凹部31aは、リッド本体20の面20aの全面に形成してもよい。図6(b)に示すように、リッド本体20領域38における面20a上に金属層22を形成する。金属層22の-Z側の面22aには、凸部32aおよび凹部31aにそれぞれ対応する凸部32および凹部31が形成される。これにより、リッド21が形成される。
【0032】
図6(c)に示すように、基板10の上方にリッド21を配置する。このとき、はんだ層24の上方に領域38が位置するようにする。図6(d)に示すように、金属層22の面22aの凸部32をはんだ層24に接触させた状態で、はんだ層24を加熱して、はんだ層24を融解させる。その後、冷却することではんだ層24により、環状金属層30とリッド21とが接合する。その後、図1(a)のように、基板10の下面を研磨または研削することで、基板10の下面からビア配線16が露出する。基板10の下面に端子18を形成する。以上により、実施例1の弾性波デバイスが製造される。
【0033】
図7(a)から図7(c)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示すはんだ層付近の拡大断面図である。図7(a)は図6(c)のはんだ層24付近の拡大図である。はんだ層24に対向する領域38において、リッド本体20の面20aは凸部32および凹部31を有する。金属層22の面22aは、凸部32aおよび凹部31aにそれぞれ対応する凸部32および凹部31を有する。環状金属層30のリッド本体20側の面30cおよびはんだ層24のリッド本体20側の面24aは、面22aに比べ平坦であり、ほぼ平坦面(例えば算術平均高さが500nm以下)である。はんだ層24の厚さはT1、隣接する凸部32と凹部31とのZ方向における距離はH1、隣接する凸部32の間隔はD1である。
【0034】
図7(b)に示すように、面22aの凸部32をはんだ層24の+Z側の面24aに接触させる。このとき、面22aの凹部31とはんだ層24の面24aとの間に空洞34が形成される。空洞34は、環状金属層30の内側と外側とをつなぐように設けられる。この状態において、はんだ層24の温度を上昇させる。はんだ層24の加熱には、例えば基板10下およびリッド本体20上にヒーターを設けることにより行う。はんだ層24が金錫の場合、錫が20質量%において共晶点を有し、このときのはんだ層24の融点は280℃である。そこで、はんだ層24を280℃以上まで加熱する。このとき、はんだ層24の温度が280℃を越えるまでは、空洞34が維持される。これにより、環状金属層30の内側の気体は環状金属層30の外側に流出可能である。
【0035】
図7(c)の温度がはんだ層24の融点を越えると、はんだ層24が融解して、はんだ層24のはんだの一部が空洞34内に流入し、空洞34が消滅し、金属層22の面22aとはんだ層24とが接触する。その後、はんだ層24の温度を室温まで下げることで、金属層22の面22aとはんだ層24とが接合される。これにより、環状金属層30とリッド21とが接合される。
【0036】
図7(b)において、はんだ層24を加熱するときに、基板10、リッド21および環状金属層30内の空隙26も加熱される。これにより、基板10、リッド21および環状金属層30の表面に吸着されている水分および水素などのガスが発生する。発生したガスは温度の上昇とともに膨張し空洞34を介し外部に放出される。
【0037】
空洞34を設けない場合、図7(b)において発生した水蒸気は、図7(c)において冷却されると水滴となる。水滴が弾性波素子12上に存在すると弾性波素子12の電極指の振動を阻害し弾性波素子12の特性が変化してしまう。
【0038】
実施例1では、図7(b)において、水分等を含むガスの一部が空洞34を介し外部に放出される。このため、図7(c)において空隙26内の気体が冷却されて、空隙26内に水滴が発生することを抑制できる。これにより、弾性波素子12の特性劣化を抑制できる。
【0039】
[比較例1]
図8(a)から図8(c)は、比較例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示すはんだ層付近の拡大断面図である。図8(a)に示すように、比較例1では、領域38におけるリッド本体20の面20aおよび金属層22の面22aは平坦面である。はんだ層24の金属層22側の面24aは凸部32と凹部31とを有する。
【0040】
図8(b)に示すように、面24aの凸部32を金属層22の面22aに接触させる。このとき、面24aの凹部31と金属層22の面22aとの間に空洞34が形成される。はんだ層24の温度が上昇しても空洞34は維持される。しかし、はんだ層24の温度がはんだの融点より低い温度において、はんだ層24におけるはんだが流動しやすくなる。例えば、はんだ層24が金錫の場合、共晶点である錫を20質量%とすることが理想であるが、製造ばらつき等に起因し、錫の組成は10質量%~30質量%にばらついてしまう。錫の組成が20質量%から外れると、はんだ層24が完全に融解する温度より低い温度においてはんだ層24内に液相と固相とが混在する。このため、はんだ層24におけるはんだはより流動しやすくなる。
【0041】
図8(c)に示すように、はんだ層24におけるはんだが流動しやすくなると、はんだ層24の面24aが平坦となり空洞34が消滅する。その後、はんだ層24の温度がさらに上昇するとはんだ層24は完全に融解する。その後、はんだ層24の温度を室温まで下げることで、金属層22の面22aとはんだ層24とが接合される。これにより、環状金属層30とリッド21とが接合される。
【0042】
このように、比較例1では、はんだ層24が融解する前にはんだ層24の面24aが平坦になってしまう。実施例1より低い温度において空洞34が消滅してしまう。これにより、空隙26内のガスが十分に外部に放出されず、室温に冷却後に水滴が生じる可能性がある。
【0043】
一方、実施例1では、図7(b)において、はんだ層24が融解する前に、はんだ層24におけるはんだが流動しやすくなっても、空洞34が維持される。よって、空洞34は、比較例1より高い温度まで維持できる。このため、比較例1に比べ、空隙26内のガスを多く外部に放出することができ、室温に冷却後に水滴が生じる可能性を低減できる。また、金属層22の面22aに凸部32および凹部31が設けられた状態においてはんだ層24と面22aとが接合する。このため、比較例1に比べはんだ層24と金属層22との接合強度が高くなる。
【0044】
実施例1によれば、図7(a)のように、環状金属層30(枠体)のリッド本体20との対向する面30cにはんだ層24が設けられている。金属層22の面22aは、はんだ層24と対向する領域38に凸部32および凹部31を有する。凸部32をはんだ層24に接触させる。図7(b)および図7(c)のように、凸部32とはんだ層24とを接触させ凹部31とはんだ層24との間の空洞34が環状金属層30の内側から外側までつながった状態において、はんだ層24を加熱することにより、空洞34内にはんだ層24が流入し、環状金属層30とリッド本体20とを接合させる。これにより、比較例1より空隙26内のガスを外部に放出することができる。
【0045】
[実施例1の変形例1]
図9(a)から図9(c)は、実施例1の変形例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示すはんだ層付近の拡大断面図である。図9(a)に示すように、実施例1の変形例1では、領域38におけるリッド本体20の面20aおよび金属層22の面22aは平坦面である。はんだ層24は金属層22の面20aに設けられている。はんだ層24の環状金属層30側の面24bは平坦である。環状金属層30のはんだ層24側の面30cは凸部32と凹部31とを有する。
【0046】
図9(b)に示すように、面30cの凸部32をはんだ層24の面24bに接触させる。このとき、面30cの凹部31と面24bとの間に空洞34が形成される。はんだ層24におけるはんだが流動しやすくなっても、空洞34は維持される。
【0047】
図9(c)に示すように、はんだ層24の温度が完全に融解すると、はんだ層24のはんだの一部は空洞34内に流入し、空洞34が消滅する。環状金属層30の面30cとはんだ層24とが接触する。その後、はんだ層24の温度を室温まで下げることで、環状金属層30とリッド21とが接合される。その他の構成および製造方法は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0048】
実施例1の変形例1のように、図9(a)のように、金属層22の環状金属層30との対向する面22aにはんだ層24が設けられている。環状金属層30の面30cは、はんだ層24と対向する領域38に凸部32および凹部31を有する。凸部32をはんだ層24に接触させる。図9(b)および図9(c)のように、はんだ層24の面24bと凸部32とを接触させ凹部31が環状金属層30の内側から外側までつながった状態において、はんだ層24を加熱することにより、環状金属層30とリッド本体20とを接合させる。
【0049】
このように、はんだ層24は、環状金属層30とリッド本体20または金属層22との対向する面30cおよび22aのうちいずれか一方の面に設けられていればよい。面30cおよび22aのうち他方の面ははんだ層24と対向する領域38に凸部32および凹部31を有すればよい。なお、弾性波素子12は、機能素子であればよく、環状金属層30は、弾性波素子12を囲む枠体であればよい。枠体は基板10と同じ材料または異なる材料からなる絶縁体でもよい。
【0050】
凸部32と凹部31とのZ方向における最大距離H1が大きすぎると、凹部31内がはんだで埋まらなくなる。この観点から、距離H1は、はんだ層24の厚さT1より小さいことが好ましく、0.8倍以下がより好ましく、0.5倍以下がさらに好ましい。距離H1は、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。距離H1が小さすぎると、空隙26のガスが外部に放出されにくくなる。この観点から、距離H1は、厚さT1の0.1倍以上が好ましく、0.2倍以上がより好ましく、0.3倍以上がさらに好ましい。距離H1は、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。
【0051】
はんだ層24の厚さT1が小さいとき、比較例1のようにはんだ層24の面24aに凸部32および凹部31を設けると、距離H1が小さくなる。このため、はんだ層24が完全に融解する前にはんだが流動しやすくなると、面24aが平坦となってしまう。よって、実施例1およびその変形例1のように、面22aまたは面30cに凸部32および凹部31を設けることが好ましい。この観点から、はんだ層24の厚さT1は環状金属層30の厚さの0.3倍以下であり、0.2倍以下であり、5μm以下であり、3μm以下である。はんだ層24が薄すぎると、距離H1を大きくできない。この観点から、厚さT1は、環状金属層30の厚さの0.05倍以上であり、1μm以上である。
【0052】
隣接する凸部32の間隔D1が小さすぎると、空洞34の幅が小さくなり、空隙26のガスが放出されにくくなる。この観点から、間隔D1は、距離H1の0.5倍以上が好ましく、1倍以上がより好ましい。間隔D1は、1μm以上が好ましい。間隔D1が大きすぎると、空洞34の中央部において、はんだ層24と凹部31とが接触する可能性がある。この観点から、間隔D1は、距離H1の100倍以下が好ましく、10倍以下がより好ましい。間隔D1は、100μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。
【0053】
[実施例1の変形例2]
図10(a)は、実施例1の変形例2における弾性波デバイスの製造方法を示すリッドの下面の平面図、図10(b)および図10(c)は、図10(a)のA-A断面図である。図10(a)は、上方からリッド21を透過してリッド21の下面を図示している。図10(a)から図10(c)は、図7(b)の状態を示している。図10(a)に示すように、凸部32の平面形状は円形状であり、島状に設けられている。
【0054】
図10(b)の例では、リッド本体20の面20aに複数の凸部32aおよび複数の凹部31aが設けられており、凹部31aの面20aはほぼ平坦である。金属層22の面22aに複数の凸部32および複数の凹部31が設けられており、凹部31における面22aはほぼ平坦である。凸部32aおよび凸部32は、曲線的に-Z方向に突出している。
【0055】
図10(c)の例では、リッド本体20の面20aに複数の凸部32aおよび複数の凹部31aが設けられており、凸部32aにおける面20aはほぼ平坦であり、凹部31aにおける面20aはほぼ平坦である。金属層22の面22aに複数の凸部32および複数の凹部31が設けられており、凸部32における面22aはほぼ平坦であり、凹部31における面22aはほぼ平坦である。凹部31とはんだ層24との間は空洞34である。
【0056】
図10(a)から図10(c)のように、凸部32は島状でもよい。図10(b)のように、凸部32の先端は頂点を有するように突出していてもよく、図10(c)のように、凸部32の先端は略平面でもよい。凸部32の立体形状は、円柱形状等の柱形状、円錐形状等の錐推形状、お椀形状等任意である。凸部32の平面形状は、円形状、楕円形状、四角形状等の多角形状等任意である。凸部32を島状に設けることで、凹部31は領域38を横断する。これにより、空隙26内のガスを、空洞34を介し外側に放出することができる。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0057】
[実施例1の変形例3]
図11(a)は、実施例1の変形例3における弾性波デバイスの製造方法を示すリッドの下面の平面図、図11(b)および図11(c)は、図11(a)のA-A断面図である。図11(a)は、上方からリッド21を透過してリッド21の下面を図示している。図11(a)から図11(c)は、図7(b)の状態を示している。図11(a)に示すように、凸部32の平面形状は細長い長方形状であり、領域38を横断して設けられている。
【0058】
図11(b)の例では、凹部31aの面20aほぼ平坦であり、凹部31における面22aはほぼ平坦である。凸部32aおよび凸部32は、曲線的に-Z方向に突出している。図11(c)の例では、凸部32aにおける面20aはほぼ平坦であり、凹部31aにおける面20aはほぼ平坦である。凸部32における面22aはほぼ平坦であり、凹部31における面22aはほぼ平坦である。
【0059】
図11(a)から図11(c)のように、凸部32および凹部31は領域38を横断して設けられていてもよい。これにより、空隙26内のガスを、空洞34を介し外側に放出することができる。凸部32の平面形状は、直線状でなく曲線状でもよい。図11(b)のように、凸部32の先端は頂点を有するように突出していてもよく、図11(c)のように、凸部32の先端は略平面でもよい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0060】
[実施例1の変形例4]
図12(a)は、実施例1の変形例4における弾性波デバイスの製造方法を拡大断面図である。図12(a)に示すように、面20aの凸部32aおよび凹部31a、面22aの凸部32および凹部31はランダムでもよい。図6(a)において、ブラスト法を用い凸部32aおよび凹部31aを形成すると、凸部32および凹部31はランダムとなる。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
【0061】
[実施例1の変形例5]
図12(b)は、実施例1の変形例5における弾性波デバイスの製造方法を拡大断面図である。図12(b)に示すように、リッド本体20の面20aはほぼ平坦であり、金属層22の面22aは凸部32および凹部31を有してもよい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。実施例1の変形例2から4においても面20aはほぼ平坦でもよい。
【0062】
[実施例1の変形例6]
図13(a)および図13(b)は、それぞれ実施例1の変形例6および7における弾性波デバイスのリッドの平面図である。図13(a)および図13(b)では、リッド21を上方から透過してリッド21の下面を図示している。図13(a)に示すように、凸部32および凹部31は、リッド21の下面のほぼ全域に設けられていてもよい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0063】
[実施例1の変形例7]
図13(b)に示すように、凸部32および凹部31は、リッド21の下面のうち領域38およびその近傍に設けられ、他の領域には設けられていなくてもよい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。実施例1の変形例1~6においても、凸部32および凹部31はリッド21の下面の全域に設けられていてもよいし、領域38およびその近傍以外に設けられていなくてもよい。空隙26のガスを放出する観点から、凸部32および凹部31は、少なくとも領域38の1/4以上に設けられていることが好ましく、1/2以上に設けられていることがより好ましい。領域38の平面形状が略矩形の場合には、矩形の全ての辺に相当する領域に凸部32および凹部31が設けられることが好ましい。
【0064】
[実施例1の変形例8]
図14(a)は、実施例1の変形例8に係る弾性波デバイスの断面図、図14(b)は、実施例1の変形例8における弾性波素子の断面図である。図14(a)に示すように、基板10上に弾性波素子12aが設けられている。基板10は、例えばサファイア基板、アルミナ基板、石英基板、水晶基板、スピネル基板、SiC基板またはシリコン基板である。その他の構成は実施例1の図1(a)と同じである。
【0065】
図14(b)に示すように、圧電薄膜共振器である弾性波素子12aでは、基板10上に圧電膜46が設けられている。圧電膜46を挟むように下部電極44および上部電極48が設けられている。下部電極44と基板10との間に空隙45が形成されている。圧電膜46の少なくとも一部を挟み下部電極44と上部電極48とが対向する領域が共振領域47である。共振領域47において、下部電極44および上部電極48は圧電膜46内に、厚み縦振動モードまたは厚みすべり振動モードの弾性波を励振する。下部電極44および上部電極48は例えばルテニウム膜等の金属膜である。圧電膜46は例えば窒化アルミニウム膜、タンタル酸リチウム膜またはニオブ酸リチウム膜である。空隙45の代わりに弾性波を反射する音響反射膜が設けられていてもよい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。実施例1の変形例8のように、実施例1およびその変形例1から7において、弾性波素子は圧電薄膜共振器でもよい。
【0066】
実施例1およびその変形例では、機能素子として弾性波素子12および12a(弾性表面波共振器または圧電薄膜共振器)の例を説明したが、機能素子は、インダクタまたはキャパシタ等の受動素子、トランジスタを含む能動素子、またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子でもよい。
【実施例0067】
図15(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図である。図15(a)に示すように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の直列共振器S1からS4が直列に接続されている。入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の並列共振器P1からP4が並列に接続されている。直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP4の少なくとも1つの共振器に実施例1およびその変形例の弾性波素子12および12aを用いることができる。直列共振器および並列共振器の個数等は適宜設定できる。フィルタとしてラダー型フィルタを例に説明したが、フィルタは多重モード型フィルタでもよい。
【0068】
図15(b)は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。図15(b)に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ60が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ62が接続されている。送信フィルタ60は、送信端子Txから入力された高周波信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ62は、共通端子Antから入力された高周波信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ60および受信フィルタ62の少なくとも一方を実施例2のフィルタとすることができる。
【0069】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
10 基板
10a 支持基板
10b 絶縁層
10c 圧電層
12、12a 弾性波素子
14、22 金属層
16 ビア配線
18 端子
20 リッド本体
20a、22a、24a、24b、30c 面
21 リッド
24 はんだ層
26 空隙
30 環状金属層
30a 低抵抗層
30b バリア層
31、31a 凹部
32、32a 凸部
34 空洞
38 領域
60 送信フィルタ
62 受信フィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15