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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014193
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】樹脂封止装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/04 20060101AFI20240125BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20240125BHJP
   B29C 43/18 20060101ALI20240125BHJP
   B29C 43/34 20060101ALI20240125BHJP
   B29C 45/02 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B29C33/04
H01L21/56 R
B29C43/18
B29C43/34
B29C45/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116836
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000144821
【氏名又は名称】アピックヤマダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】岡本 雅志
【テーマコード(参考)】
4F202
4F204
4F206
5F061
【Fターム(参考)】
4F202AA36
4F202AD19
4F202AG03
4F202AH37
4F202AJ09
4F202CA12
4F202CB01
4F202CB12
4F202CB17
4F202CC01
4F202CC03
4F202CL02
4F202CN05
4F202CN14
4F202CQ01
4F204AA36
4F204AD19
4F204AG03
4F204AH37
4F204AJ09
4F204FA01
4F204FA15
4F204FB01
4F204FB17
4F204FF23
4F204FN11
4F204FN15
4F204FQ15
4F206AA36
4F206AD19
4F206AG03
4F206AH37
4F206AJ09
4F206JA02
4F206JB12
4F206JB17
4F206JL02
4F206JN43
4F206JQ81
5F061AA01
5F061BA01
5F061BA03
5F061CA21
5F061CA22
5F061DA01
5F061DA12
5F061DA16
(57)【要約】
【課題】短時間で封止金型の温度を低下させることができる樹脂封止装置を実現する。
【解決手段】本発明に係る樹脂封止装置1は、上型204及び下型206を備える封止金型202を用いて、ワークWを樹脂により封止して成形品Wpに加工する樹脂封止装置であって、下型206が固定される下型モールドベース236を備え、下型モールドベース236は、複数の下型ピラー276を間に介在させて下型バックアッププレート216に固定されており、下型ピラー276が配置される下型空間部296において、下型モールドベース236の下面236aに当接もしくは近接させて下型モールドベース236の冷却を行う下型冷却プレート286が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上型及び下型を備える封止金型を用いて、ワークを樹脂により封止して成形品に加工する樹脂封止装置であって、
前記下型が固定される下型モールドベースを備え、
前記下型モールドベースは、複数の下型ピラーを間に介在させて下型バックアッププレートに固定されており、
前記下型ピラーが配置される下型空間部において、前記下型モールドベースの下面に当接もしくは近接させて前記下型モールドベースの冷却を行う下型冷却プレートが設けられていること
を特徴とする樹脂封止装置。
【請求項2】
前記下型冷却プレートは、上面に、冷却に用いられる気体を通流させる第1溝部を有すること
を特徴とする請求項1記載の樹脂封止装置。
【請求項3】
前記下型冷却プレートは、
下面が前記下型バックアッププレートの上面と当接しないように、上下方向の厚さが設定されており、
且つ、
前記下型ピラーと当接しない内径を有して上下に貫通形成され、前記下型ピラーを挿通させる下型ピラー挿通孔を有すること
を特徴とする請求項1記載の樹脂封止装置。
【請求項4】
前記下型モールドベースは、下面に、冷却に用いられる気体を通流させる第2溝部を有すること
を特徴とする請求項1記載の樹脂封止装置。
【請求項5】
上型及び下型を備える封止金型を用いて、ワークを樹脂により封止して成形品に加工する樹脂封止装置であって、
前記上型が固定される上型モールドベースを備え、
前記上型モールドベースは、複数の上型ピラーを間に介在させて上型バックアッププレートに固定されており、
前記上型ピラーが配置される上型空間部において、前記上型モールドベースの上面に当接もしくは近接させて前記上型モールドベースの冷却を行う上型冷却プレートが設けられていること
を特徴とする樹脂封止装置。
【請求項6】
前記上型冷却プレートは、下面に、冷却に用いられる気体を通流させる第3溝部を有すること
を特徴とする請求項5記載の樹脂封止装置。
【請求項7】
前記上型冷却プレートは、
上面が前記上型バックアッププレートの下面と当接しないように、上下方向の厚さが設定されており、
且つ、
前記上型ピラーと当接しない内径を有して上下に貫通形成され、前記上型ピラーを挿通させる上型ピラー挿通孔を有すること
を特徴とする請求項5記載の樹脂封止装置。
【請求項8】
前記上型モールドベースは、上面に、冷却に用いられる気体を通流させる第4溝部を有すること
を特徴とする請求項5記載の樹脂封止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂封止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基材に電子部品が搭載されたワークを封止樹脂(以下、単に「樹脂」と称する場合がある)により封止して成形品に加工する樹脂封止装置の例として、トランスファ成形方式や圧縮成形方式によるものが知られている。
【0003】
トランスファ成形方式は、上型と下型とを備えて構成される封止金型に設けられる二個の上下型の封止領域(キャビティ)に所定量の樹脂を供給するポットを設け、当該各封止領域に対応する位置にワークをそれぞれ配置して、上型と下型とでクランプしポットからキャビティに樹脂を流し込む操作によって樹脂封止する技術である(特許文献1:特開平6-031736号公報参照)。また、圧縮成形方式は、上型と下型とを備えて構成される封止金型に設けられる封止領域(キャビティ)に所定量の樹脂を供給すると共に当該封止領域にワークを配置して、上型と下型とでクランプする操作によって樹脂封止する技術である(特許文献2:特開2019-145550号公報参照)。一例として、上型にキャビティを設けた封止金型を用いる場合、ワーク上の中心位置に一括して樹脂を供給して成形する技術等が知られている。一方、下型にキャビティを設けた封止金型を用いる場合、当該キャビティを含む金型面を覆うフィルム及び樹脂を供給して成形する技術等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-031736号公報
【特許文献2】特開2019-145550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、封止金型を用いてワークの樹脂封止を行う工程においては、稀に樹脂漏れや製品破損(特に、基材を構成するガラスの割れ)等の不具合が発生する場合がある。このような不具合が発生した際は、復旧作業を行うために封止金型を昇温させる加熱機構(ヒータ)の電源を切り、封止金型の温度を低下させなければならない。しかし、封止金型及び当該封止金型の支持部材(モールドベース、プラテン等)は蓄熱量が大きく、復旧作業が可能となる温度まで低下させるためには、長時間待つ必要があった。
【0006】
そこで、従来は、封止金型の表面に対しエアブローを実施して温度低下の促進を図っていた。しかし、封止金型の表面に対してエアブローを実施すると、復旧作業における除去対象である樹脂バリや破損ガラス等をかえって飛散させてしまう要因となるため、効率よく温度低下させることができなかった。特に、大判パネルレベルやウェハレベル用のプレス装置、封止金型の場合には、盤面が大きく肉厚のため、より長時間待つ必要があった。大きさにもよるが、12時間から24時間かかるものもあった。
【0007】
一方、上記のエアブローに代えて、封止金型の内部に冷却水や冷却油を通流させることによって、温度低下の促進を図る構成とすることも考えられる。しかし、冷却水や冷却油を用いる場合には、通流路からの漏れが生じて、装置内部や工場環境を汚染してしまう懸念があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、封止金型の内部においてワークや成形品の破損、樹脂の漏れ等が生じた際の復旧作業を行う場合、あるいは、品種替えのために封止金型の交換作業を行う場合等において、短時間で封止金型の温度を低下させることができ、作業開始までの待ち時間を短縮して装置の稼働率低下を防ぐことができる樹脂封止装置を実現することを目的とする。
【0009】
本発明は、実施形態として以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
【0010】
一実施形態に係る樹脂封止装置は、上型及び下型を備える封止金型を用いて、ワークを樹脂により封止して成形品に加工する樹脂封止装置であって、前記下型が固定される下型モールドベースを備え、前記下型モールドベースは、複数の下型ピラーを間に介在させて下型バックアッププレートに固定されており、前記下型ピラーが配置される下型空間部において、前記下型モールドベースの下面に当接もしくは近接させて前記下型モールドベースの冷却を行う下型冷却プレートが設けられていることを要件とする。また、他の実施形態に係る樹脂封止装置は、上型及び下型を備える封止金型を用いて、ワークを樹脂により封止して成形品に加工する樹脂封止装置であって、前記上型が固定される上型モールドベースを備え、前記上型モールドベースは、複数の上型ピラーを間に介在させて上型バックアッププレートに固定されており、前記上型ピラーが配置される上型空間部において、前記上型モールドベースの上面に当接もしくは近接させて前記上型モールドベースの冷却を行う上型冷却プレートが設けられていることを要件とする。
【0011】
これによれば、封止金型を昇温させるための加熱機構が内蔵されたモールドベースに対して、冷却機能を備える冷却プレートを当接もしくは近接する形で配設することによって、モールドベースと当該モールドベースに固定される封止金型の冷却を効率的に行うことができる。したがって、従来よりも短時間で封止金型の温度を低下させることができ、復旧作業や交換作業を開始するまでの待ち時間の短縮を図ることが可能となる。
【0012】
また、前記下型冷却プレートは、上面に、冷却に用いられる気体を通流させる第1溝部を有することが好ましい。また、前記上型冷却プレートは、下面に、冷却に用いられる気体を通流させる第3溝部を有することが好ましい。これによれば、冷却プレートのヒートシンク効果を高めることができるため、より一層効率よくモールドベースと当該モールドベースに固定される封止金型の冷却が可能となる。
【0013】
また、前記下型冷却プレートは、下面が前記下型バックアッププレートの上面と当接しないように、上下方向の厚さが設定されており、且つ、前記下型ピラーと当接しない内径を有して上下に貫通形成され、前記下型ピラーを挿通させる下型ピラー挿通孔を有することが好ましい。また、前記上型冷却プレートは、上面が前記上型バックアッププレートの下面と当接しないように、上下方向の厚さが設定されており、且つ、前記上型ピラーと当接しない内径を有して上下に貫通形成され、前記上型ピラーを挿通させる上型ピラー挿通孔を有することが好ましい。これによれば、冷却プレートを、封止金型の平坦度を調整するためのピラーと当接しないように配設できるため、金型平坦度には影響を与えず、成形品のTTV(Total Thickness Variation)への悪影響が生じない。
【0014】
また、前記下型モールドベースは、下面に、冷却に用いられる気体を通流させる第2溝部を有することが好ましい。また、前記上型モールドベースは、上面に、冷却に用いられる気体を通流させる第4溝部を有することが好ましい。これによれば、モールドベースの冷却促進を図ることができるため、より一層効率よくモールドベースと当該モールドベースに固定される金型の冷却が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、封止金型の内部においてワークや成形品の破損、樹脂の漏れ等が生じた際の復旧作業を行う場合、あるいは、品種替えのために封止金型の交換作業を行う場合等において、短時間で封止金型の温度を低下させることができる。したがって、それらの作業が開始可能となるまでの待ち時間を短縮することができるため、装置の稼働率低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る樹脂封止装置の例を示す平面図である。
図2図1の樹脂封止装置のプレス装置の例を示す正面断面図である。
図3図2のIII-III線位置における平面図である。
図4図2のIV-IV線位置における底面図である。
図5図1の樹脂封止装置のプレス装置の他の例を示す正面断面図である。
図6図1の樹脂封止装置のプレス装置の他の例を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(全体構成)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、本実施形態に係る樹脂封止装置1の例を示す平面図(概略図)である。尚、説明の便宜上、図中において矢印により樹脂封止装置1における左右方向(X方向)、前後方向(Y方向)、上下方向(Z方向)を示す。また、各実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰返しの説明は省略する場合がある。
【0018】
本実施形態に係る樹脂封止装置1は、上型204及び下型206を備える封止金型202を用いて、ワーク(被成形品)Wを樹脂封止する装置である。以下、樹脂封止装置1として、上型204もしくは下型206の一方に設けられたワーク保持部でワークWを保持し、他方に設けられたキャビティ(金型面を一部含む)をリリースフィルム(以下、単に「フィルム」と称する場合がある)Fで覆って、上型204と下型206とのクランプ動作を行い、ワークWを樹脂で樹脂封止する圧縮成形装置を例として説明する。但し、これに限定されるものではない。リリースフィルムも必須のものではない。
【0019】
先ず、成形対象であるワークWは、代表的な例として、基材に複数個の電子部品が行列状に搭載された構成を備えている。より具体的には、基材の例として、長方形状、円形状等に形成された樹脂基板、セラミックス基板、金属基板、ガラス製・金属製キャリアプレート、リードフレーム、ウェハ等の板状部材が挙げられる。また、電子部品の例として、半導体チップ、MEMSチップ、受動素子、放熱板、導電部材、スペーサ等が挙げられる。但し、これに限定されるものではない。
【0020】
基材に電子部品を搭載する方法の例として、ワイヤボンディング実装、フリップチップ実装等による搭載方法がある。あるいは、樹脂封止後に成形品Wpから基材(キャリアプレート)を剥離する構成の場合には、熱剥離性を有する粘着テープや紫外線照射により硬化する紫外線硬化性樹脂を用いて電子部品を貼付ける方法もある。
【0021】
一方、樹脂の例として、液状の熱硬化性樹脂(例えば、フィラー含有のエポキシ系樹脂等)が用いられる。尚、樹脂は、上記の状態に限定されるものではなく、粒状(顆粒状、粉砕状、粉末状等の総称として用いる)、板状、シート状、固形状、タブレット状等、他の状態(形状)であってもよく、エポキシ系熱硬化性樹脂以外の樹脂であってもよい。
【0022】
また、フィルムFの例として、耐熱性、剥離容易性、柔軟性、伸展性に優れたフィルム材、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(ポリテトラフルオロエチレン重合体)、PET、FEP、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。本実施形態においては、フィルムFとしてロール状のフィルムが用いられる。尚、他の例として、短冊状のフィルムを用いる構成としてもよい(不図示)。
【0023】
続いて、本実施形態に係る樹脂封止装置1の概要について説明する。図1に示すように、樹脂封止装置1は、ワークW及び成形品Wpの搬送を主に行う搬送ユニット100A、ワークWの供給を主に行うワーク供給ユニット100B、樹脂の供給を主に行う樹脂供給ユニット100C、ワークWを樹脂封止して成形品Wpへの加工を主に行うプレスユニット100D、樹脂封止後の成形品Wpのポストキュアを主に行うポストキュアユニット100E、ポストキュア後の成形品Wpの収納を主に行う成形品収納ユニット100F、各機構及び各工程の制御を主に行う制御ユニット100G、を主要構成として備えている。
【0024】
本実施形態においては、搬送ユニット100Aが装置中央に配置されると共に、各ユニットが当該搬送ユニット100Aを囲むように配置されている。具体的に、搬送ユニット100Aの前側にワーク供給ユニット100B、樹脂供給ユニット100C、成形品収納ユニット100Fが配置されている。また、搬送ユニット100Aの後側にプレスユニット100Dが配置されている。また、搬送ユニット100Aの右側及び右前側にポストキュアユニット100Eが配置されている。また、搬送ユニット100Aの右後側に制御ユニット100Gが配置されている。但し、これに限定されるものではない。
【0025】
尚、樹脂封止装置1は、ユニットの構成を変えることによって、全体の構成態様を変更することができる。例えば、図1に示す構成は、プレスユニット100Dを二台配置した例であるが、プレスユニット100Dを一台のみ配置する、あるいは三台以上配置する構成等も可能である。また、他のユニットを追加配置する構成等も可能である(いずれも不図示)。
【0026】
(搬送ユニット)
先ず、樹脂封止装置1が備える搬送ユニット100Aについて説明する。
【0027】
搬送ユニット100Aは、ワークW及び成形品Wpの搬送を行う搬送装置102を備えている。一例として、搬送装置102は、ガイドレール104と、ガイドレール104に沿って所定方向(一例として、左右方向)に往復動するベース部106と、ベース部106に固定されてワークW及び成形品Wpの保持、移動を行う保持移動機構108(一例として、多関節ロボット)と、を備えて構成されている。これにより、ワークWや成形品Wpを保持して、各ユニット間の搬送及び各機構への搬入・搬出等を行うことができる。
【0028】
(ワーク供給ユニット)
続いて、樹脂封止装置1が備えるワーク供給ユニット100Bについて説明する。
【0029】
ワーク供給ユニット100Bは、ワークWの収容に用いられるワークストッカ110を備えている。一例として、ワークストッカ110には、公知のスタックマガジン、スリットマガジン等が用いられ、複数個のワークWを一括して収容可能となっている。当該複数個のワークWは、保持移動機構108によって、一つずつ搬出される構成となっている。
【0030】
(樹脂供給ユニット)
続いて、樹脂封止装置1が備える樹脂供給ユニット100Cについて説明する。この樹脂供給ユニット100Cでは、搬送装置102によってワーク供給ユニット100Bから搬入されたワークWに対して、樹脂の供給(載置)が行われる。
【0031】
樹脂供給ユニット100Cは、シリンジ314内の樹脂(ここでは、液状樹脂)をワークW上へ吐出して供給する一対のディスペンサ312と、当該一対のディスペンサ312の間に交換用の複数個のシリンジ314を回転可能に保持するリボルバ式のシリンジ供給部316と、を備えて構成されている。各ディスペンサ312は、共用のシリンジ供給部316から順次、交換用のシリンジ314の供給を受けながら、樹脂の吐出を行う構成となっている。
【0032】
(プレスユニット)
続いて、樹脂封止装置1が備えるプレスユニット100Dについて説明する。このプレスユニット100Dでは、搬送装置102によって樹脂供給ユニット100Cから搬入されたワークW(樹脂が載置された状態)に対して、樹脂封止が行われる。
【0033】
プレスユニット100Dは、開閉される一対の金型(例えば、合金工具鋼からなる複数の金型ブロック、金型プレート、金型ピラー等やその他の部材が組み付けられたもの)を有する封止金型202を備えている。また、封止金型202を開閉駆動してワークWを樹脂封止するプレス装置250を備えている。さらに、封止金型202に対して、ワークW及び成形品Wpの搬入・搬出を行う搬送ローダ210を備えている(尚、搬送ローダ210を設けずに、前述の保持移動機構108によって直接、搬入・搬出を行う構成としてもよい)。
【0034】
ここで、プレス装置250は、図2に示すように、一対のプラテン254、256と、一対のプラテン254、256が架設される複数のタイバー252と、プラテン256を可動(昇降)させる駆動装置等を備えて構成されている。具体的に、当該駆動装置は、駆動源(例えば、電動モータ)260及び駆動伝達機構(例えば、ボールねじやトグルリンク機構)262等を備えて構成されている(但し、これに限定されるものではない)。本実施形態では、鉛直方向において上方側のプラテン254を固定プラテン(タイバー252に固定されるプラテン)とし、下方側のプラテン256を可動プラテン(タイバー252に摺動可能に保持されて昇降するプラテン)として設定している。但し、これに限定されるものではなく、上下逆に、すなわち上方側を可動プラテン、下方側を固定プラテンに設定してもよく、あるいは、上方側、下方側共に可動プラテンとして設定してもよい(いずれも不図示)。
【0035】
一方、封止金型202は、プレス装置250における上記一対のプラテン254、256間に配設される一対の金型として、鉛直方向における上方側の一方の金型(上型204)と、下方側の他方の金型(下型206)とを備えている。すなわち、上型204が上方側のプラテン(本実施形態では、固定プラテン254)に組み付けられ、下型206が下方側のプラテン(本実施形態では、可動プラテン256)に組み付けられている。この上型204と下型206とが相互に接近・離反することで型閉じ・型開きが行われる(鉛直方向(上下方向)が型開閉方向となる)。
【0036】
また、本実施形態においては、一例として、ロール状のフィルムFを封止金型202の内部へ搬送(供給)するフィルム供給機構213が設けられている。
【0037】
次に、封止金型202における下型206の組付け構造について詳しく説明する。図2に示すように、下型206は、下型モールドベース236に固定されている。この下型モールドベース236には、下型206を所定温度(例えば、100℃~200℃)に加熱する下型加熱機構237(例えば、電熱線ヒータ等)が設けられている。
【0038】
また、下型モールドベース236は、複数の下型ピラー276を間に介在させて下型バックアッププレート216に固定されている(すなわち、下型バックアッププレート216の上に複数の下型ピラー276が固定され、複数の下型ピラー276の上に下型モールドベース236が固定されている)。一例として、下型ピラー276は、セラミック材料を用いて円柱状(例えば、直径が数十mm、高さが数十mm)に形成されている。この下型ピラー276を複数、下型バックアッププレート216の上に立設させ、それらの上面で下型モールドベース236を支持させる構成となっている。このとき、複数の下型ピラー276の上面高さを所定の公差(寸法差)以内となるように高精度に調整することにより、可動プラテン256及び固定プラテン254によって加えられる型閉じ力を下型モールドベース236に対し、ひいては、下型206に対し面方向において均一に伝達させることができる。すなわち、型閉じの際に下型206の平坦度を維持することができる。したがって、型閉じ力が面方向において不均一となって下型206が変形して(撓んで)しまうことに起因する成形不良の発生を防止することができる。
【0039】
また、下型バックアッププレート216は、可動プラテン256に固定されている。尚、下型バックアッププレート216と可動プラテン256との間に他の支持部材や付勢部材等を介在させる構成としてもよい(不図示)。
【0040】
ここで、下型ピラー276が配置される下型バックアッププレート216と下型モールドベース236との間の空間部296(以下、「下型空間部」と称する)において、下型モールドベース236の下面236a(下型206の固定面と上下逆側の面)に当接させて下型冷却プレート286が設けられている。一例として、下型冷却プレート286は、金属材料を用いて形成されている。これにより、下型冷却プレート286をヒートシンクとして作用させて、当接状態で下型モールドベース236から吸熱して、当該下型モールドベース236の冷却を行うことができる。したがって、下型冷却プレート286は、特に熱伝導率の高い材料(ステンレス合金、アルミニウム合金、合金工具鋼)が好適に用いられる。
【0041】
また、下型冷却プレート286は、下面286bが下型バックアッププレート216の上面216aと当接しないように、上下方向の厚さが設定されている。これによれば、下型ピラー276が配置される下型空間部296を活用して下型冷却プレート286を設けることができるため、装置が大型化することもない。
【0042】
また、下型冷却プレート286は、前述の各下型ピラー276を挿通させる下型ピラー挿通孔293が上下方向に貫通形成されている。このとき、各下型ピラー挿通孔293の内径を各下型ピラー276の外径よりも十分大きく(数mmの離間寸法で)形成している。これによれば、下型冷却プレート286が熱の影響によって伸縮した場合にも、下型ピラー276との当接を防止することができる。すなわち、下型206の平坦度には影響を与えず、成形品のTTV(Total Thickness Variation)への悪影響が生じることもない。
【0043】
以上の通り、本実施形態においては、下型ピラー276を設ける構成によって、下型206の変形(撓み)を抑え、成形不良の発生を防止することができる。そのうえで、下型冷却プレート286を設ける構成によって、下型モールドベース236の冷却を行う機構を実現することができる。したがって、下型206を加熱する下型加熱機構237が内蔵された下型モールドベース236に対して、下型冷却プレート286による積極的且つ効率的な冷却を行うことが可能となる。その結果、下型モールドベース236に固定(当接)されている下型206の温度を従来と比べて短時間で低下させることができ、前述の復旧作業や交換作業を開始するまでの待ち時間の短縮を図ることが可能となる。また、エアブローのように、復旧作業における除去対象である樹脂バリや破損ガラス等を飛散させてしまうおそれもない。
【0044】
さらに、本実施形態においては、図3に示すように、下型冷却プレート286の上面286aにおいて、冷却に用いられる気体(例えば、常温もしくは低温の空気等)を通流させる溝部292(第1溝部)が、面方向に沿って(上面286aと平行方向に)供給口292aと排出口292bとを連通するように形成されている。この第1溝部292は、下型ピラー挿通孔293を回避する曲折状であって、複数個(複数本)が設けられており、それぞれの幅寸法が数mm~十数mm程度、深さ寸法が数mm~十数mm程度に形成されている。但し、形状、寸法、個数(本数)は特に限定されるものではない。これによれば、供給口292aから排出口292bへ向けて第1溝部292内に気体を通流させることによって、下型冷却プレート286のヒートシンク効果を高めることができるため、より一層効率よく下型モールドベース236、ひいては下型206の冷却が可能となる。尚、排出口292bにはサイレントマフラ(不図示)を設ける構成が好適である。これによれば、気体の排出時に生じる音量の低減と塵埃等の飛散防止を図ることができる。本実施例では加工がし易いことから片面を加工する曲折状の溝部292としたが、必ずしも溝である必要はなく、孔であってもよい。この場合、孔とメクラ栓により同様に加工することも可能である。
【0045】
次に、下型冷却プレート286の変形例について説明する。具体的に、下型モールドベース236の下面236aと、下型冷却プレート286の上面286aとは、前述の「当接」に代えて「近接」させる構成としてもよい(不図示)。一例として「近接」は、数mm程度の離間寸法に設定される。これによれば、下型モールドベース236の下面236aと、下型冷却プレート286の上面286aとの間に密閉された空間部を形成することができ、当該空間部を冷却用気体の通流路として利用することができる。したがって、下型モールドベース236の下面236aを全面的に冷却用気体によって冷却することができ、併せて、冷却用気体を介した下型冷却プレート286のヒートシンク効果も得ることができる。この場合、冷却プレート286とモールドベース236の間を全体的に囲うことにより気体の流量を制御することも可能であるし、溝をフィンとしてより表面積を多くしてもよい。
【0046】
次に、下型モールドベース236の変形例について説明する。具体的に、前述の下型冷却プレート286の上面286aに冷却用気体を通流させる溝部292(第1溝部)を設ける構成に代えて(もしくは当該構成と共に)、下型モールドベース236の下面236aに冷却用気体を通流させる溝部(第2溝部)を設ける構成としてもよい(不図示)。これによれば、当該第2溝部に冷却用気体を通流させることで、下型モールドベース236の冷却促進を図ることができるため、より一層効率よく下型モールドベース236、ひいては下型206の冷却が可能となる。尚、第2溝部の形状、寸法、個数(本数)は特に限定されるものではない。
【0047】
次に、封止金型202における上型204の組付け構造について詳しく説明する。図2に示すように、上型204は、上型モールドベース234に固定されている。この上型モールドベース234には、上型204を所定温度(例えば、100℃~200℃)に加熱する上型加熱機構235(例えば、電熱線ヒータ等)が設けられている。
【0048】
また、上型モールドベース234は、複数の上型ピラー274を間に介在させて上型バックアッププレート214に固定されている(すなわち、上型バックアッププレート214の下に複数の上型ピラー274が固定され、複数の上型ピラー274の下に上型モールドベース234が固定されている)。一例として、上型ピラー274は、セラミック材料を用いて円柱状(例えば、直径が数十mm、高さが数十mm)に形成されている。この上型ピラー274を複数、上型バックアッププレート214の下に立設させ、それらの下面で上型モールドベース234を支持させる構成となっている。このとき、複数の上型ピラー274の下面高さを所定の公差(寸法差)以内となるように高精度に調整することにより、可動プラテン256及び固定プラテン254によって加えられる型閉じ力を上型モールドベース234に対し、ひいては、上型204に対し面方向において均一に伝達させることができる。すなわち、型閉じの際に上型204の平坦度を維持することができる。したがって、型閉じ力が面方向において不均一となって上型204が変形して(撓んで)しまうことに起因する成形不良の発生を防止することができる。
【0049】
また、上型バックアッププレート214は、固定プラテン254に固定されている。尚、上型バックアッププレート214と固定プラテン254との間に他の支持部材や付勢部材等を介在させる構成としてもよい(不図示)。
【0050】
ここで、上型ピラー274が配置される上型バックアッププレート214と上型モールドベース234との間の空間部294(以下、「上型空間部」と称する)において、上型モールドベース234の上面234a(上型204の固定面と上下逆側の面)に当接させて上型冷却プレート284が設けられている。一例として、上型冷却プレート284は、金属材料を用いて形成されている。これにより、上型冷却プレート284をヒートシンクとして作用させて、当接状態で上型モールドベース234から吸熱して、当該上型モールドベース234の冷却を行うことができる。したがって、上型冷却プレート284は、特に熱伝導率の高い材料(ステンレス合金、アルミニウム合金、合金工具鋼)が好適に用いられる。
【0051】
また、上型冷却プレート284は、上面284bが上型バックアッププレート214の下面214aと当接しないように、上下方向の厚さが設定されている。これによれば、上型ピラー274が配置される上型空間部294を活用して上型冷却プレート284を設けることができるため、装置が大型化することもない。
【0052】
また、上型冷却プレート284は、前述の各上型ピラー274を挿通させる上型ピラー挿通孔291が上下方向に貫通形成されている。このとき、各上型ピラー挿通孔291の内径を各上型ピラー274の外径よりも十分大きく(数mmの離間寸法で)形成している。これによれば、上型冷却プレート284が熱の影響によって伸縮した場合にも、上型ピラー274との当接を防止することができる。すなわち、上型204の平坦度には影響を与えず、成形品のTTV(Total Thickness Variation)への悪影響が生じることもない。
【0053】
以上の通り、本実施形態においては、上型ピラー274を設ける構成によって、上型204の変形(撓み)を抑え、成形不良の発生を防止することができる。そのうえで、上型冷却プレート284を設ける構成によって、上型モールドベース234の冷却を行う機構を実現することができる。したがって、上型204を加熱する上型加熱機構235が内蔵された上型モールドベース234に対して、上型冷却プレート284による積極的且つ効率的な冷却を行うことが可能となる。その結果、上型モールドベース234に固定(当接)されている上型204の温度を従来と比べて短時間で低下させることができ、前述の復旧作業や交換作業を開始するまでの待ち時間の短縮を図ることが可能となる。また、エアブローのように、復旧作業における除去対象である樹脂バリや破損ガラス等を飛散させてしまうおそれもない。
【0054】
さらに、本実施形態においては、図4に示すように、上型冷却プレート284の下面284aにおいて、冷却に用いられる気体(例えば、常温もしくは低温の空気等)を通流させる溝部290(第3溝部)が、面方向に沿って(下面284aと平行方向に)供給口290aと排出口290bとを連通するように形成されている。この第3溝部290は、上型ピラー挿通孔291を回避する曲折状であって、複数個(複数本)が設けられており、それぞれの幅寸法が数mm~十数mm程度、深さ寸法が数mm~十数mm程度に形成されている。但し、形状、寸法、個数(本数)は特に限定されるものではない。これによれば、供給口290aから排出口290bへ向けて第3溝部290内に気体を通流させることによって、上型冷却プレート284のヒートシンク効果を高めることができるため、より一層効率よく上型モールドベース234、ひいては上型204の冷却が可能となる。尚、排出口290bにはサイレントマフラ(不図示)を設ける構成が好適である。これによれば、気体の排出時に生じる音量の低減と塵埃等の飛散防止を図ることができる。
【0055】
次に、上型冷却プレート284の変形例について説明する。具体的に、上型モールドベース234の上面234aと、上型冷却プレート284の下面284aとは、前述の「当接」に代えて「近接」させる構成としてもよい(不図示)。一例として「近接」は、数mm程度の離間寸法に設定される。これによれば、上型モールドベース234の上面234aと、上型冷却プレート284の下面284aとの間に密閉された空間部を形成することができ、当該空間部を冷却用気体の通流路として利用することができる。したがって、上型モールドベース234の上面234aを全面的に冷却用気体によって冷却することができ、併せて、冷却用気体を介した上型冷却プレート284のヒートシンク効果も得ることができる。
【0056】
次に、上型モールドベース234の変形例について説明する。具体的に、前述の上型冷却プレート284の下面284aに冷却用気体を通流させる溝部290(第3溝部)を設ける構成に代えて(もしくは当該構成と共に)、上型モールドベース234の上面234aに冷却用気体を通流させる溝部(第4溝部)を設ける構成としてもよい(不図示)。これによれば、当該第4溝部に冷却用気体を通流させることで、上型モールドベース234の冷却促進を図ることができるため、より一層効率よく上型モールドベース234、ひいては上型204の冷却が可能となる。尚、第4溝部の形状、寸法、個数(本数)は特に限定されるものではない。
【0057】
続いて、プレス装置250の変形例について説明する。図5に示すように、下型206の組付け構造は上記の実施形態と同様である。一方、上型204の組付け構造は上記の実施形態と異なり、以下のようになる。具体的に、上型204は、上プレート218に固定されている。この上プレート218には、上型204を所定温度(例えば、100℃~200℃)に加熱する上型加熱機構219(例えば、電熱線ヒータ等)が設けられている。また、上プレート218は、固定プラテン254に固定されている。尚、上プレート218と固定プラテン254との間に他の支持部材や付勢部材等を介在させる構成としてもよい(不図示)。
【0058】
さらに、プレス装置250の他の変形例について説明する。図6に示すように、上型204の組付け構造は上記の実施形態と同様である。一方、下型206の組付け構造は上記の実施形態と異なり、以下のようになる。具体的に、下型206は、下プレート220に固定されている。この下プレート220には、下型206を所定温度(例えば、100℃~200℃)に加熱する下型加熱機構221(例えば、電熱線ヒータ等)が設けられている。また、下プレート220は、可動プラテン256に固定されている。尚、下プレート220と可動プラテン256との間に他の支持部材や付勢部材等を介在させる構成としてもよい(不図示)。
【0059】
(ポストキュアユニット)
続いて、樹脂封止装置1が備えるポストキュアユニット100Eについて説明する。このポストキュアユニット100Eでは、搬送装置102によってプレスユニット100Dから搬入された成形品Wpに対して、ポストキュアが行われる。
【0060】
ポストキュアユニット100Eは、搬送装置102によって搬入される成形品Wpを内部に保持すると共に設定温度で加熱することによってポストキュアを行う加熱室402を複数個有するオーブン(ポストキュアオーブン)400を一台もしくは複数台備えている。尚、ポストキュアユニット100Eを備えない構成としてもよい(不図示)。
【0061】
(成形品収納ユニット)
続いて、樹脂封止装置1が備える成形品収納ユニット100Fについて説明する。この成形品収納ユニット100Fでは、搬送装置102によってポストキュアユニット100Eから搬入された成形品Wpの収納が行われる。
【0062】
成形品収納ユニット100Fは、成形品Wpの収容に用いられる成形品ストッカ112を備えている。一例として、成形品ストッカ112には、公知のスタックマガジン、スリットマガジン等が用いられ、複数個の成形品Wpを一括して収容可能となっている。当該複数個の成形品Wpは、保持移動機構108によって、一つずつ搬入される構成となっている。
【0063】
(制御ユニット)
続いて、樹脂封止装置1が備える制御ユニット100Gについて説明する。この制御ユニット100Gは、オペレータが樹脂封止装置1の作動条件の入力等を行う操作部152と、オペレータによって入力された作動条件及びあらかじめ記憶された作動条件に沿って樹脂封止装置1における各機構の作動制御を行う制御部150と、を備えて構成されている。尚、操作部152は、制御ユニット100G内に配置される構成に限定されるものではなく、他のユニット内もしくはその隣接位置等に配置される構成としてもよい。
【0064】
以上、説明した通り、本発明に係る樹脂封止装置によれば、封止金型の内部においてワークや成形品の破損、樹脂の漏れ等が生じた際の復旧作業を行う場合、あるいは、品種替えのために封止金型の交換作業を行う場合等において、短時間で封止金型の温度を低下させることができる。したがって、それらの作業が開始可能となるまでの待ち時間を短縮することができるため、装置の稼働率低下を防ぐことができる。
【0065】
尚、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能である。特に、圧縮成形方式による樹脂封止装置用の封止金型を備える構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、トランスファ成形方式による樹脂封止装置用の封止金型を備える構成に対しても同様に適用することができる。
【0066】
また、上記の実施形態においては、鉛直方向における下方側のプラテンが可動プラテンとなる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、鉛直方向における上方側のプラテンが可動プラテンとなる構成や、下方側及び上方側の両方のプラテンが可動プラテンとなる構成に対しても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1 樹脂封止装置
204 上型
206 下型
214 上型バックアッププレート
216 下型バックアッププレート
234 上型モールドベース
236 下型モールドベース
284 上型冷却プレート
286 下型冷却プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6