(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141960
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】店舗運営支援システム及び店舗運営支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053870
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沙魚川 久史
(72)【発明者】
【氏名】櫛原 千春
(72)【発明者】
【氏名】小関 遼
(72)【発明者】
【氏名】中山 隆一
(72)【発明者】
【氏名】小原 大貴
(72)【発明者】
【氏名】五島 栞
(72)【発明者】
【氏名】藤本 璃旺
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】複数店舗の適切な映像確認が可能な店舗運営支援システムを提供する。
【解決手段】店舗運営支援システムは、複数の店舗を撮影する複数の撮影手段が撮影した映像を記録する記録手段と、前記複数の店舗でスタッフが実施する複数の作業タスクを設定するタスク設定手段と、作業タスクの生成または実施に応じて前記映像中の時間位置を特定するタグ位置にタグ付けするタグ付け手段と、特定の作業タスクが選択されると、記録された前記映像のうち、選択された前記特定の作業タスクに対応する前記複数の店舗の作業タスクのタグ位置の映像を表示装置に一覧表示するよう制御する表示制御手段と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の店舗を撮影する複数の撮影手段が撮影した映像を記録する記録手段と、
前記複数の店舗でスタッフが実施する複数の作業タスクを設定するタスク設定手段と、
作業タスクの生成または実施に応じて前記映像中の時間位置を特定するタグ位置にタグ付けするタグ付け手段と、
特定の作業タスクが選択されると、記録された前記映像のうち、選択された前記特定の作業タスクに対応する前記複数の店舗の作業タスクのタグ位置の映像を表示装置に一覧表示するよう制御する表示制御手段と、
を備える店舗運営支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の店舗運営支援システムであって、
前記表示制御手段は、特定の店舗の特定の作業タスクが選択されると、記録された前記映像のうち、選択された前記特定の店舗の前記特定の作業タスクのタグ位置の映像と、前記選択された作業タスクに対応する他の店舗の作業タスクのタグ位置の映像とを、表示装置に一覧表示するよう制御する
店舗運営支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の店舗運営支援システムであって、
前記表示制御手段は、各店舗において、前記選択された作業タスクに対応する作業タスクが複数のタグ位置にタグ付けされているとき、前記選択された作業タスクのタグ位置と最も近いタグ位置の映像を、前記表示装置に表示するよう制御する
店舗運営支援システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の店舗運営支援システムであって、
各店舗には、複数の前記撮影手段が設けられ、
前記作業タスクの種類毎に、前記複数の撮影手段のいずれかが対応付けられ、
前記タグ付け手段は、作業タスクの種類に対応付けられた撮影手段が撮影した映像にタグ付けし、
前記表示制御手段は、選択された前記作業タスクの種類に対応付けられた各店舗の撮影手段が撮影した映像を、前記表示装置に一覧表示するよう制御する
店舗運営支援システム。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の店舗運営支援システムであって、
前記表示制御手段は、前記選択された特定の作業タスクに対応する前記複数の店舗の作業タスクのタグ位置を示すタイムゲージを表示する
店舗運営支援システム。
【請求項6】
請求項5に記載の店舗運営支援システムであって、
前記表示制御手段は、前記一覧表示する各店舗の映像と、当該映像に対応するタグ位置との対応関係を示す情報を表示する
店舗運営支援システム。
【請求項7】
請求項5に記載の店舗運営支援システムであって、
前記表示制御手段は、前記複数の店舗の対応する作業タスクの複数のタグ位置のうち、他のタグ位置から所定値以上離れているタグ位置を、前記タイムゲージ上で強調表示する
店舗運営支援システム。
【請求項8】
請求項5に記載の店舗運営支援システムであって、
前記表示制御手段は、前記複数の店舗の対応する作業タスクの複数のタグ位置のうち、所定範囲内に含まれる複数のタグ位置をグルーピングして、前記タイムゲージ上に表示する
店舗運営支援システム。
【請求項9】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の店舗運営支援システムであって、
前記タグ付け手段は、前記作業タスクの種類に応じて、前記作業タスクの完了または完了前の所定のタイミングをタグ位置とする
店舗運営支援システム。
【請求項10】
複数の店舗を撮影する複数の撮影手段が撮影した映像を記録し、
前記複数の店舗でスタッフが実施する複数の作業タスクを設定し、
作業タスクの生成または実施に応じて、前記映像中の時間位置を特定するタグ位置にタグ付けし、
特定の作業タスクが選択されると、記録された前記映像のうち、選択された前記特定の作業タスクに対応する前記複数の店舗の作業タスクのタグ位置の映像を表示装置に一覧表示するよう制御する
店舗運営支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗スタッフの業務支援および管理者のリモートでの一元管理の支援に関する店舗運営支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遠隔の管理者が、コンビニエンスストア等の各店舗での作業タスクの実施状況や実施した際の作業映像の確認を容易に行えるようにすることで遠隔からの店舗管理を支援する技術が知られている。
【0003】
特許文献1によれば、カメラで監視可能な監視エリア又はカメラの無い作業エリアでのスタッフの滞在時間等に基づき、スタッフが作業を行ったか否かを判断する(0077―0084段落)。スーパーバイザーなどの本部側のユーザが、スケジュールの一覧表示部で1つの作業を選択する操作を行うと、対応する時間帯の映像が表示される(0109段落)。本部側のユーザは、表示された映像を見ることで、スタッフが実際に作業を行ったか否かを確認する(0115段落)。特許文献2によれば、複数店舗を管理するためのシステムにおいて、時刻を選択すると、複数店舗の同時刻の映像を比較して表示する(
図5)。特許文献3によれば、単一店舗を管理するためのシステムにおいて、店舗での作業実施時の映像を容易に確認できるようにし、スケジュール上の作業履歴を選択すると当該時刻の映像を表示する(
図12、
図13)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-141563号公報
【特許文献2】特許第6176502号公報
【特許文献3】特許第5830706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数店舗の運営管理をする場合、複数店舗の映像を比較することで効率的なマネジメントが可能になると考えられるが、同じ種類の作業タスクであっても店舗ごとに作業タイミングが異なる可能性があるため、各店舗の状況の比較を正確には行いづらい場合がある。例えば、特許文献2によれば、選択した時刻の複数店舗の映像を比較して表示するが、適切な時刻を選択しなければ、複数店舗の作業の結果を速やかに的確に確認することが難しい又は出来ない可能性がある。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本開示の目的は、複数店舗の適切な映像確認が可能な店舗運営支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態に係る店舗運営支援システムは、
複数の店舗を撮影する複数の撮影手段が撮影した映像を記録する記録手段と、
前記複数の店舗でスタッフが実施する複数の作業タスクを設定するタスク設定手段と、
作業タスクの生成または実施に応じて前記映像中の時間位置を特定するタグ位置にタグ付けするタグ付け手段と、
特定の作業タスクが選択されると、記録された前記映像のうち、選択された前記特定の作業タスクに対応する前記複数の店舗の作業タスクのタグ位置の映像を表示装置に一覧表示するよう制御する表示制御手段と、
を備える。
【0008】
本実施形態によれば、管理者は、管理者端末を用いて、特定の作業タスクの作業エリアのタグ位置により特定される時間位置の映像を閲覧することができるので、確認すべき映像へのアクセスが容易になる。
【0009】
前記表示制御手段は、特定の店舗の特定の作業タスクが選択されると、記録された前記映像のうち、選択された前記特定の店舗の前記特定の作業タスクのタグ位置の映像と、前記選択された作業タスクに対応する他の店舗の作業タスクのタグ位置の映像とを、表示装置に一覧表示するよう制御してもよい。
【0010】
本実施形態によれば、管理者は、管理者端末を用いて、複数の店舗の、特定の作業タスクの作業エリアのタグ位置により特定される時間位置の映像を閲覧することができるので、確認すべき映像へのアクセスが容易になる。
【0011】
前記表示制御手段は、各店舗において、前記選択された作業タスクに対応する作業タスクが複数のタグ位置にタグ付けされているとき、前記選択された作業タスクのタグ位置と最も近いタグ位置の映像を、前記表示装置に表示するよう制御してもよい。
【0012】
これにより、近い時間帯の同じ種類の作業タスクに関する映像を表示することが出来る。
【0013】
各店舗には、複数の前記撮影手段が設けられ、
前記作業タスクの種類毎に、前記複数の撮影手段のいずれかが対応付けられ、
前記タグ付け手段は、作業タスクの種類に対応付けられた撮影手段が撮影した映像にタグ付けし、
前記表示制御手段は、選択された前記作業タスクの種類に対応付けられた各店舗の撮影手段が撮影した映像を、前記表示装置に一覧表示するよう制御してもよい。
【0014】
本実施形態によれば、作業エリアごと(中食棚等)の各店舗の映像を一覧表示する。これにより、管理者は、各店舗の作業タスクの実施を効率的かつ適切に把握できるようになる。本実施形態によれば、管理者は、複数の店舗の、特定の作業タスクの作業エリアのそれぞれのタグ位置により特定される時間位置の映像を閲覧することができるので、確認すべき映像へのアクセスが容易になり、負担を軽減できる。
【0015】
前記表示制御手段は、前記選択された特定の作業タスクに対応する前記複数の店舗の作業タスクのタグ位置を示すタイムゲージを表示してもよい。
【0016】
これにより、各店舗における特定の作業タスクのタグ位置、即ち、作業のタイミングを、管理者が視覚的に容易に理解できる。
【0017】
前記表示制御手段は、前記一覧表示する各店舗の映像と、当該映像に対応するタグ位置との対応関係を示す情報を表示してもよい。
【0018】
例えば、映像とタグ位置との対応関係を示すように色分けして表示をする。これにより、一覧表示している映像がどの店舗のどの時間帯を表示したものであるについての関係性を容易に把握できるようになる。
【0019】
前記表示制御手段は、前記複数の店舗の対応する作業タスクの複数のタグ位置のうち、他のタグ位置から所定値以上離れているタグ位置を、前記タイムゲージ上で強調表示してもよい。
【0020】
これにより、各店舗における作業時刻の乖離状況を確認可能に表示することができる。タグ位置(作業時刻)に乖離がある場合は、作業タスクの実施状況に問題がある可能性があり、管理者が優先的に確認することができる。
【0021】
前記表示制御手段は、前記複数の店舗の対応する作業タスクの複数のタグ位置のうち、所定範囲内に含まれる複数のタグ位置をグルーピングして、前記タイムゲージ上に表示してもよい。
【0022】
共通の作業タスクについて、所定時間内に行われている場合はまとめて表示することで、管理者が各店舗の作業タスクの実施状況を俯瞰できる。
【0023】
前記タグ付け手段は、前記作業タスクの種類に応じて、前記作業タスクの完了または完了前の所定のタイミングをタグ位置としてもよい。
【0024】
これにより、作業タスクの種類に応じて、適切に完了タイミング又は作業タイミングを判定できる。スタッフの作業中の様子を確認することが望ましい作業もあれば、作業の結果を確認することが望ましい作業もある。本実施形態によれば、作業タスクの種類に応じて適切なタイミングから映像を閲覧することができる。
【0025】
本開示の一形態に係る店舗運営支援方法は、
複数の店舗を撮影する複数の撮影手段が撮影した映像を記録し、
前記複数の店舗でスタッフが実施する複数の作業タスクを設定し、
作業タスクの生成または実施に応じて、前記映像中の時間位置を特定するタグ位置にタグ付けし、
特定の作業タスクが選択されると、記録された前記映像のうち、選択された前記特定の作業タスクに対応する前記複数の店舗の作業タスクのタグ位置の映像を表示装置に一覧表示するよう制御する。
【発明の効果】
【0026】
本開示によれば、複数店舗の適切な映像確認が可能である。
【0027】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態に係る店舗運営支援システムを示す。
【
図8】管理者端末に表示される映像表示GUIの一例である。
【
図9】管理者端末に表示される映像表示GUIの別の例である。
【
図10】管理者端末に表示される映像表示GUIの別の例である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0030】
1.店舗運営支援システムの概要
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る店舗運営支援システムを示す。
【0032】
店舗運営支援システム1は、管理装置10と、管理者端末20と、店舗端末30と、固定カメラ40と、各種センサ50とを含む。店舗端末30と、固定カメラ40と、各種センサ50とは、同一の店舗2に設置される。店舗2は複数ある。管理装置10と、管理者端末20と、店舗端末30と、固定カメラ40と、各種センサ50とは、それぞれ、ネットワーク通信インタフェースを有し、インターネット等のネットワークNに接続される。
【0033】
本明細書において、店舗2は、小売店(コンビニエンスストア、服飾店等)、百貨店、飲食店、テイクアウト店、レンタル店、倉庫、宿泊施設、テーマパーク、屋外施設、公共施設等、スタッフ(人)が現場で作業を行うあらゆる施設を広義に意味し、且つ、これらの具体例に限定されない。店舗2は、店舗内エリア、店舗のバックヤード及び店舗付近の屋外エリアを含む。本実施形態では、店舗2をコンビニエンスストアと想定する。
【0034】
管理装置10は、複数の店舗2のスタッフが行うべき作業タスクを生成して管理者端末20及び店舗端末30に配信したり、複数の店舗2に設置の固定カメラ40が撮影した店舗2の映像を蓄積したりするサーバとして機能するコンピュータである。
【0035】
本明細書において、作業タスクは、例えば、品出し(陳列棚への在庫補充)、床掃除、トイレ掃除、ゴミ箱整理、商品発注、掲示物掲示等、スタッフが店舗2で行うあらゆる作業の個々のタスクを広義に意味し、且つ、これらの具体例に限定されない。
【0036】
管理者端末20は、複数の店舗2を管理する店舗マネージャやエリアマネージャ等の管理者が使用する。管理者端末20は、例えば、パーソナルコンピュータ又はタブレットコンピュータ等である。管理者端末20は、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチパネル等の操作装置及び表示装置を有する。管理者端末20は、複数の店舗2のスタッフが行うべき作業タスクの生成を管理装置10に要求したり、管理装置10が生成した作業タスクの一覧を管理者に対して表示したり、管理装置10に蓄積された複数の店舗2の映像(ライブ映像、記録映像)を管理者に対して表示したりする。また、管理者端末20は、完了した作業タスクについて店舗端末30へフィードバック(コメント、いいね等)を提供してもよい。
【0037】
なお、複数の店舗2がコンビニエンスストア等のチェーン店である場合、典型的には、複数の管理者端末20が存在し、さらに、それぞれの管理者端末20がそれぞれ複数の店舗2を管理する。しかしながら、本実施形態では、簡潔な説明のため、管理者端末20が単数であるケースを説明する。
【0038】
店舗端末30は、店舗2のスタッフが使用する。店舗端末30は、例えば、タブレットコンピュータやパーソナルコンピュータ等の可搬デバイスである。典型的には、店舗端末30は、表示装置及び操作装置を含むタッチパネルを有する。店舗端末30は、管理装置10が生成した作業タスクを表示する。店舗2のスタッフは、店舗端末30を参照して作業タスクを実施し、作業タスクを実施後に店舗端末30を操作して作業タスクを完了する。
【0039】
固定カメラ40は、店舗2に設置され、映像(動画)を常時撮影する撮影手段である。固定カメラ40が撮影する映像は、固定カメラ40のレコーダ及び/又は店舗端末30に一時的に記録されてもよく、さらに、店舗端末30を介して又は介さずに管理装置10に送信され、管理装置10に記録される。典型的には、複数の固定カメラ40が店舗2に設置される。例えば、複数の固定カメラ40は、複数の通路、調理場、レジカウンタ、出入り口、倉庫等を撮影可能な位置にそれぞれ設置される。しかしながら、本実施形態では、簡潔な説明のため、特記しない限り、固定カメラ40が単数であるケースを説明する。なお、固定カメラ40は、パン、チルト及びズームの制御が可能なカメラのように撮影範囲が可変であってもよい。
【0040】
各種センサ50は、例えば、店舗2のゴミ箱の充填率を検出する超音波センサ、店舗2のトイレの利用回数を検出するトイレ扉開閉センサ、店舗2の陳列棚の商品個数を検出するパネルセンサ等を含む。各種センサ50は、検出値を店舗端末30に送信する。店舗端末30は、各種センサ50の検出値を、管理者端末20を介して又は介さずに管理装置10に送信する。
【0041】
2.店舗運営支援システムの機能的構成
【0042】
【0043】
管理装置10の制御回路100において、CPUは、ROMが記憶する情報処理プログラムをRAMにロードして実行することにより、タスク設定部101、表示制御部102、作業完了判定部103及びタグ付け部104として動作する。管理装置10は、HDDやSSD等の大容量の不揮発性の記録装置110を有する。記録装置110は、作業タスク生成条件テーブル120と、複数の店舗2それぞれの作業タスクテーブル130と、タグ付けテーブル140とを記憶し、複数の店舗2の映像を記録する映像記録部150を有する記録手段として機能する。
【0044】
映像記録部150は、各固定カメラ40が撮影した複数の店舗2の映像をファイル化(例えば、1時間の映像を1ファイルに成型する等)して記録する。
【0045】
【0046】
作業タスク生成条件テーブル120は、作業タスクを生成する条件を定義する。具体的には、作業タスク生成条件テーブル120は、作業種類名121と、生成条件122とを互いに関連付けて記録する。作業種類名121は、作業の種類を識別する名称である。生成条件122は、作業種類名121により識別される作業の作業タスクを生成する条件(トリガ、タイミング)である。例えば、6時間毎のスケジュールで床掃除の作業タスクを生成すること、トイレ扉開閉センサが検出した開閉回数が所定値に達する毎にトイレ掃除の作業タスクを生成すること、超音波センサが検出したゴミ箱の充填率が所定値に達する毎にゴミ箱整理の作業タスクを生成すること、毎日16時のスケジュールで商品発注の作業タスクを生成すること、固定カメラ40の画像で検出された陳列棚の商品数等が所定値を下回ると在庫補充の作業タスクを生成すること、管理者による管理者端末20からの指示により掲示物掲示の作業タスクを生成すること等が、作業タスク生成条件テーブル120に定義される。
【0047】
【0048】
作業タスクテーブル130は、管理装置10が作業タスク生成条件テーブル120に従って生成した作業タスクの一覧である。作業タスクテーブル130は、複数の店舗2それぞれについて生成される。作業タスクテーブル130は、作業タスクID135と、作業種類名131と、作業タイミング132と、作業期限133と、実施状況134と、映像ファイルID136と、タグ位置137とを互いに関連付けて記録する。作業タスクID135は、個々の作業タスクを一意に識別し、例えば、シリアル番号や作業タスク生成日時等を含む。作業種類名131は、作業の種類を識別する名称であり、例えば、品出し、トイレ掃除、床掃除、掲示物等である。作業タイミング132は、作業タスクを実施すべきタイミングを示し、例えば、「すぐに」、「お手すき(の時に)」等である。作業期限133は、作業タスクを実施する期限を示し、例えば、「X時まで」、「本日中」等である。実施状況134は、作業タスクの実施状況であり、例えば、「済(確認中)」、「未」等である。
【0049】
映像ファイルID136及びタグ位置137は、作業タスクの生成時にはブランクであり、作業タスク実施後に登録される。映像ファイルID136は、作業タスクの実施中及び実施前後の様子を撮影した映像のファイルを識別する。タグ位置137は、この映像(動画)中の時間位置、具体的には、映像を再生すべき時間位置を特定する。
【0050】
管理装置10は、生成した作業タスクを作業タスクテーブル130に優先度順に記録する。例えば、管理装置10は、作業期限133が近い作業タスク、作業タイミング132が「すぐに」である作業タスク、管理者端末20からの操作により設定された作業タスク等を優先度が高いものとして作業タスクテーブル130の上位に記録する。本例では、管理装置10は、作業タイミング132が「すぐに」であり作業期限133が近い作業タスクの優先度が最高であるとして作業タスクテーブル130の最上位に記録する。
【0051】
管理装置10は、実施状況134が「済」であるタスクは作業タスクテーブル130から順次削除する。あるいは、管理装置10は、管理者が管理者端末20に表示された映像を見て確認し、管理者端末20からの確認完了の通知を受けて、作業タスクを作業タスクテーブル130から削除してもよい。
【0052】
【0053】
タグ付けテーブル140は、作業種類毎のタグ位置を定義する。具体的には、タグ付けテーブル140は、作業種類名141と、カメラ名143と、タグ位置142とを互いに関連付けて記録する。作業種類名141は、作業の種類を識別する名称である。カメラ名143は、この作業種類名141の作業タスクの実施中及び実施前後の様子を撮影する固定カメラ40(即ち、作業エリアを撮影可能な位置に設置された固定カメラ40)を識別する。上述の様に、タグ位置142は、固定カメラ40が撮影した映像(動画)中の時間位置、具体的には、映像を再生すべき時間位置を特定する。タグ位置142は、例えば、「作業中」、「作業完了」等である。「作業中」は、本発明の作業タイミングの一例であって、作業タスクが完了する前の所定のタイミングであり、作業開始から完了までの間、すなわち作業中の時間帯に含まれる。タグ位置142は、「作業中」のより具体的な時間位置として、「作業開始からX分後」、「作業完了のX分前」の様により具体的な時間位置を特定することにより、作業タスクの種類に応じて作業タイミングの時間位置を異ならせてもよい。また、「作業完了」は、本発明の完了タイミングの一例であって、後述するように作業タスクが完了した日時(タイミング)である。したがって、作業タイミングは完了タイミングより前の時点を指す。
【0054】
例えば、作業種類名141「床掃除」は、掃除後の床を映像で確認しても完全に掃除されたのか判断し難く(例えば、隅に落ちている塵埃を視認できない)、スタッフがどの様に掃除しているかを確認した方が掃除の結果を推定しやすいため、タグ位置142は「作業中」である。作業種類名141「調理」は、スタッフが安全に調理(揚げ物等)しているかを確認するため、タグ位置142は「作業中」である。一方、作業種類名141「品出し」や「掲示物」は、スタッフがどの様に作業しているかよりも、品出しされ商品が陳列された状態や、掲示物が掲示された状態を確認する必要があるため、タグ位置142は「作業完了」である。あるいは、例えば、作業種類名141「床掃除」に対するタグ位置142として、「作業中」に代えてより具体的に「作業開始から5分後」等としてもよい。作業開始から比較的早い時間をタグ位置142とすることで、優先的に掃除すべきエリアを最初に掃除しているかどうかを確認できる。
【0055】
3.店舗運営支援システムの動作フロー
【0056】
【0057】
管理装置10のタスク設定部101は、複数の店舗2でスタッフが実施する作業タスクを設定する。具体的には、タスク設定部101は、作業タスク生成条件テーブル120に定義された生成条件122が各店舗2で発生すると、その作業種類名121の作業タスクを生成し、生成した作業タスクを優先度等に従った順序で各店舗2の作業タスクテーブル130に記録する(ステップS101)。
【0058】
管理装置10の表示制御部102は、タスク設定部101が生成した作業タスクを優先度順に記録した各店舗2の作業タスクテーブル130に含まれる作業種類名131と、作業タイミング132と、作業期限133と、実施状況134とを、当該店舗2の管理者端末20及び店舗端末30に表示するための表示データを生成する。表示制御部102は、管理者端末20に表示データを送信し、管理者端末20を介して又は介さずに店舗端末30に表示データを送信する。これにより、表示制御部102は、管理者端末20及び店舗端末30に表示データに基づき作業タスクリストGUI160を表示させる(ステップS102)。
【0059】
【0060】
作業タスクリストGUI160は、作業種類メッセージ161と、作業タイミング162と、作業期限163と、実施状況164とを含む。作業タスクリストGUI160に表示される作業種類メッセージ161と、作業タイミング162と、作業期限163と、実施状況164とは、作業タスクテーブル130の作業種類名131と、作業タイミング132と、作業期限133と、実施状況134とにそれぞれ対応する。実施状況134は、チェックマークがあれば「済」を意味し、チェックマークが無ければ「未」を意味する。
【0061】
各店舗2のスタッフは、当該店舗2の店舗端末30に表示された作業タスクリストGUI160を参照して作業タスクを実施し、作業タスクを完了すると、店舗端末30を操作して作業タスクを完了する。例えば、スタッフは、店舗端末30に表示された作業タスクリストGUI160の該当する作業タスクの実施状況164をタッチ操作して作業タスクを完了する。すると、店舗端末30は作業完了通知を管理装置10に送信する。作業完了通知は、作業タスクID及び作業完了日時等を含む。
【0062】
また、上述の様に、店舗2に設置された固定カメラ40が常時撮影する映像(動画)は、店舗端末30を介して又は介さずに管理装置10に送信され、管理装置10の映像記録部150に記録される。また、店舗端末30は、各種センサ50の検出値を、管理者端末20を介して又は介さずに管理装置10に送信する。
【0063】
管理装置10の作業完了判定部103は、作業タスクが完了した日時(完了タイミング)を判定する(ステップS103)。作業完了判定部103は、作業タスクの種類に応じて、異なる条件で完了タイミングを判定すればよい。これにより、作業タスクの種類に応じて、適切に完了タイミングを判定できる。例えば、作業タスクの種類が品出しの場合、作業完了判定部103は、各店舗2に設置された店舗端末30から作業完了通知を受信すると、作業完了通知に記述された作業完了日時を完了タイミングであるとして判定すればよい。作業タスクの種類がゴミ箱整理の場合、作業完了判定部103は、受信したセンサ50の検出値が所定値(例えば、充填率0%)に達したことを判定すると、完了タイミングを判定すればよい。作業タスクの種類が床掃除の場合、作業完了判定部103は、映像記録部150に記録された、固定カメラ40が常時撮影する映像の画像解析結果により、完了タイミングを判定すればよい。作業完了判定部103は、完了タイミングを判定すると、即ち、完了した作業タスクについて当該店舗2の作業タスクテーブル130の実施状況134を「済(確認中)」又は「済」に更新する。
【0064】
管理装置10の表示制御部102は、作業完了判定部103が各店舗2の作業タスクテーブル130の実施状況134を更新すると、実施状況134を更新後の作業タスクテーブル130を、当該店舗2の管理者端末20及び店舗端末30に表示するための表示データを生成する。表示制御部102は、当該店舗2の管理者端末20に表示データを送信し、管理者端末20を介して又は介さずに当該店舗2の店舗端末30に表示データを送信し、管理者端末20及び店舗端末30に表示データに基づき実施状況164が「チェックマーク」に更新された作業タスクリストGUI160を表示させる(ステップS104)。
【0065】
一方、管理装置10のタグ付け部104は、作業完了判定部103が完了タイミングを判定すると、即ち、特定の店舗2で完了した作業タスクについて映像記録部150に記録された当該店舗2の固定カメラ40が常時撮影する映像中の特定のタグ位置に、タグ付けする。タグ付け部104は、タグ付けした映像の映像ファイルID136及びタグ位置137を、当該店舗2の作業タスクテーブル130に書き込む(ステップS105)。
【0066】
タグ付け部104は、作業タスクの種類に応じて異なるタグ位置にタグ付けする。例えば、タグ付け部104は、作業タスクの種類に応じて、作業タスクの完了または完了前の所定のタイミングをタグ位置とする。具体的には、タグ付け部104は、タグ付けテーブル140を参照し、完了した作業タスクの種類を示す作業種類名141に関連付けられたタグ位置142にタグ付けする。すなわち、
図4に示すように作業タスクの作業の状況を撮影した映像の時間位置と作業タスクとを関連付ける処理(タグ付け)を行う。これにより、タグ付け部104は、作業タスクの種類に応じて、作業タスクの完了タイミング又は作業タイミングを、タグ位置として決定する。タグ位置137は、映像(動画)中の時間位置、具体的には、映像を再生すべき時間位置を特定する。
【0067】
タグ位置142が「作業完了」である場合、タグ付け部104は、作業完了判定部103が判定した完了タイミングをタグ位置として、映像にタグをつける。一方、タグ位置142が「作業中」である場合、タグ付け部104は、作業完了判定部103が判定した完了タイミングと、作業タスクの種類に応じた基準所要時間(例えば、床掃除なら10分間)とから、作業タイミングを推定すればよい。即ち、タグ付け部104は、作業完了判定部103が判定した完了タイミングから特定の基準所要時間だけ遡ったタイミングを、作業タイミングとして推定すればよい。これにより、スタッフが作業タイミングを店舗端末30に入力等しなくても、作業タイミングを適切に推定できる。タグ位置142が「作業中」の場合、タグ付け部104は、作業タスクの種類に応じて、作業タイミングの時間位置を異ならせてもよい。例えば、タグ位置142が「作業開始からX分後」や「作業完了のX分前」である場合、タグ付け部104は、作業タスクの種類に応じて、作業タイミングの時間位置を異ならせる。タグ位置142が「作業完了」又は「作業中」である場合、タグ付け部104は、映像記録部150に記録された、固定カメラ40が常時撮影する映像の画像解析結果により、完了タイミング又は作業タイミングを判定してもよい。
【0068】
なお、タグ付け部104は、作業タスクの種類に応じて複数の固定カメラ40から一部の固定カメラ40を選択し、選択した一部の固定カメラ40が撮影した映像にタグ付けする。一部の固定カメラ40とは、複数の固定カメラ40のうち1以上の固定カメラ40を意味する。即ち、タグ付け部104は、タグ付けテーブル140を参照し、完了した作業タスクの種類を示す作業種類名141に関連付けられたカメラ名143が撮影した映像にタグ付けする。例えば、タグ付け部104は、作業タスクの種類が「調理」である場合、調理場を撮影可能な位置に設置された固定カメラ40が撮影した映像にタグ付けすればよい。
【0069】
一方、管理者端末20は、実施状況164を更新後の作業タスクリストGUI160を表示している(ステップS104)。管理者は、管理者端末20に表示された作業タスクリストGUI160を参照し、実施状況164が「チェックマーク」に更新された作業タスクを示す作業種類メッセージ161を選択操作する。すると、管理者端末20は、選択操作された作業タスクの作業タスクIDを含む、この作業タスクの映像の表示要求を、管理装置10に送信する。
【0070】
管理装置10の表示制御部102は、管理者端末20を用いて管理者より選択された、特定の店舗2の特定の作業タスクの映像の表示要求を、管理者端末20から受信する(ステップS106)。表示制御部102は、当該店舗2の作業タスクテーブル130を参照し、その表示要求に含まれる作業タスクID135に関連付けられた映像ファイルID136により識別される映像ファイルを映像記録部150から読み出す。
【0071】
さらに、表示制御部102は、他の複数の店舗2の、選択された特定の作業タスクと対応する種類の作業タスクのタグ位置137の映像(具体的には、タグ付けテーブル140において、管理者より選択された特定の作業タスクの作業種類名141に関連付けられたカメラ名143により特定される固定カメラ40により撮影された映像)を映像記録部150から読み出す。
【0072】
表示制御部102は、映像記録部150から読み出した、管理者より選択された特定の店舗2及び他の複数の店舗2の映像ファイルを、管理者端末20の表示装置に一覧表示する。表示制御部102は、読みだした複数の映像ファイルを、各映像の店舗2毎に異なるタグ位置137により特定される時間位置から、管理者端末20にストリーミング再生する。これにより、表示制御部102は、選択された特定の店舗2及び他の複数の店舗2について記録された映像のうち、対応する種類の作業タスクの映像を管理者端末20の表示装置に一覧表示するよう制御する(ステップS107)。各映像は、それぞれの映像ファイルID136に固有に関連付けられた店舗2毎に異なるタグ位置137により特定される時間位置から再生される。
【0073】
この様に、作業タスクID135と映像ファイルID136とを紐づけておき、所定の作業タスクが選択されると、各店舗2における当該作業タスクと共通する作業タスクの、店舗2毎に異なるタグ位置137により特定される時間位置の映像を一覧表示する。例えば、品出しの作業タスクが選択されると、各店舗2において品出しタスクの店舗2毎に異なるタグ位置137により特定される時間位置の映像を一覧表示する。これにより、管理者は、各店舗2における対応する種類の作業タスクの質を、店舗2間の比較により容易に把握できるようになる。
【0074】
なお、表示制御手段102は、管理者に選択された特定の作業タスクの時間情報に基づき、他店舗2の、映像を表示すべき作業タスクを決定してもよい。具体的には、表示制御手段102は、各店舗2について、選択された作業タスクと対応する種類の複数の作業タスクの複数のタグ位置にタグ付けされているとき、選択された作業タスクのタグ位置(時間位置)と最も近いタグ位置の映像を、表示装置に表示するよう制御すればよい。例えば、1日に複数回行われる作業タスク(品出し等)の場合、表示制御手段102は、例えば、時間帯の情報に基づき、映像を表示すべき共通する作業タスクを決定すればよい。具体的には、表示制御手段102は、朝、昼、夜等の時間帯に区分して、同一の時間帯に行われた作業タスクを共通する作業タスクとして決定すればよい。また、表示制御手段102は、作業タスクが実行された時刻情報に基づき、選択された作業タスクと直近の時刻に実行されたものを共通する作業タスクとして決定もよい。これにより、近い時間帯の対応する種類の作業タスクに関する映像を表示することが出来る。
【0075】
4.映像表示GUIの例
【0076】
図8は、管理者端末に表示される映像表示GUIの一例である。
【0077】
本例は、特定の店舗2(A店)の特定の作業タスク(品出し)が、管理者端末20を用いて管理者より選択されるケースである。A店の品出しタスクの、タグ位置137により特定される時間位置は、10:20である。
【0078】
映像表示GUI170は、タイムゲージ173を含む。タイムゲージ173は、時間位置を示す。表示制御部102は、タイムゲージ173上に、A店の品出しタスクのタグ位置(10:20)を示すA店オブジェクト171を表示する。表示制御部102は、タイムゲージ173上に、B店の対応する種類の作業タスク(品出し)のタグ位置(10:30)を示すB店オブジェクト172を、さらに表示する。この様に、表示制御手段102は、選択された、特定の店舗(A店)の特定の作業タスクのタグ位置(10:20)と、他の店舗(B店)の特定の作業タスクに対応する作業タスク(品出し)のタグ位置(10:30)とを示すタイムゲージ173を表示する。これにより、各店舗2における特定の作業タスク(品出し)のタグ位置、即ち、作業のタイミングを、管理者が視覚的に容易に理解できる。
【0079】
映像表示GUI170は、さらに、この作業タスク(品出し)の作業エリアの名称(本例では、「中食棚」)176を表示する。作業エリアとは、タグ付けテーブル140(
図5)においてこの作業タスクの作業種類名141(品出し)が関連付けられたカメラ名143(カメラC)により特定される固定カメラ40が撮影するエリアである。
【0080】
映像表示GUI170は、映像表示エリア177を含む。映像表示エリア177は、管理者端末20による表示要求に含まれる特定の店舗2(A店)の作業タスクID135に関連付けられた映像ファイルID136により識別される映像ファイル(即ち、確認すべき作業タスクの映像)を表示する。さらに、映像表示エリア177は、他の複数の店舗2(本例では6店舗)の、共通の作業エリアを撮影する固定カメラ40による複数の映像を同時に表示する。表示制御部102は、映像表示開始時には、それぞれの店舗2のタグ位置(10:20、10:30等、それぞれ異なる時間位置)からストリーミング再生された複数の店舗2の映像を、映像表示エリア177に一覧表示する。
【0081】
この様に、管理者端末20の映像表示GUI170において、複数店舗2における特定の作業タスク(品出し)の作業エリアに関するそれぞれの店舗2のタグ位置により特定される時間位置の映像を一覧表示する。これにより、複数店舗2の、A店で実施された作業タスク(品出し)に対応する種類の作業タスク(品出し)の作業エリアの、その作業タスクのタグ位置(作業完了時等)の映像を、管理者が一覧で比較することが出来る。A店の作業タスク(品出し)に対応する種類の作業タスク(品出し)の、それぞれの店舗2でのタグ位置(作業完了時等)の映像が自動的に表示されるため、管理者は、各店舗2について映像を表示すべき時刻や作業タスクをマニュアルで選択する必要が無く、且つ、適切なタイミングの映像を同時に一覧で目視することができる。
【0082】
映像と合わせて、当該映像に関連する作業タスクの実施時刻に関する情報(A店オブジェクト171、B店オブジェクト172)もタイムゲージ173上に表示する。管理者が管理者端末20を用いて特定の店舗2の特定の作業タスク(A店の品出しタスク)を選択すると、A店の品出しタスクに対応する種類の品出しタスクの複数店舗2のそれぞれの店舗2毎に異なるタグ位置137の映像が一覧表示される。なお、A店オブジェクト171やB店オブジェクト172を選択(クリック、タップ等)することにより、特定の店舗2の特定の作業タスク(A店の品出しタスク、B店の品出しタスク)を選択可能であってもよい。
【0083】
複数店舗2の運営管理をする場合、複数店舗2の映像を比較することで効率的なマネジメントが可能になると考えられるが、対応する種類の作業タスクであっても店舗ごとに作業タイミングが異なる可能性があるため、各店舗の状況の比較を正確には行いづらい場合がある。本実施形態によれば、作業エリアごと(中食棚等)の各店舗2の映像を映像表示エリア177に一覧表示し、と当該作業エリアに関係する作業タスクのタグ位置をタイムゲージ173上に一覧で確認可能に表示する。これにより、管理者は、各店舗2の作業タスクの実施を効率的かつ適切に把握できるようになる。本実施形態によれば、管理者は、管理者端末20を用いて、それぞれの店舗2でのタグ位置(作業完了時等)に特定される時刻の、複数の店舗2の、特定の作業タスクの作業エリアの映像を閲覧することができるので、確認すべき映像へのアクセスが容易になり、負担を軽減できる。管理者は、作業タスクの種類に応じて、スタッフの作業中の様子に加えて作業の結果を速やかに的確に確認することが可能である。
【0084】
変形例として、作業タスクの種類別に、複数のタイムゲージ173(例えば、品出しタスクのタイムゲージ、床掃除タスクのタイムゲージ…)を表示してもよい。あるいは、1個のタイムゲージ173に、複数の店舗2の複数の作業タスクを表示してもよい。あるいは、店舗2ごとに1個のタイムゲージ173を表示し、1個のタイムゲージ173に1つの店舗2の複数種類の作業タスクを表示してもよい(例えば、A店のタイムゲージ、B店のタイムゲージ…)。
【0085】
図9は、管理者端末に表示される映像表示GUIの別の例である。
【0086】
同図では、表示制御部102は、タイムゲージ173上に、A店の品出しタスクのタグ位置(10:20)を示すA店オブジェクト171と、B店の対応する作業タスク(品出し)のタグ位置(10:30)を示すB店オブジェクト172と、C店の対応する作業タスク(品出し)のタグ位置(9:00)を示すC店オブジェクト174とを表示する。
【0087】
表示制御手段102は、各店舗2における作業時刻の乖離状況を確認可能に表示してもよい。例えば、表示制御手段102は、各店舗2における対応する種類の作業タスクのタグ位置により特定される時刻が所定時間(例えば、1時間)以上離れている場合、タグ位置(作業時刻)に乖離があるものとして判定する。タグ位置(作業時刻)に乖離がある場合は、作業タスクの実施状況に問題がある可能性があり、管理者が確認する優先度が高いことが想定される。このため、表示制御手段102は、該当する作業タスクについて強調して表示する。
【0088】
本例では、表示制御手段102は、複数の店舗2(A店、B店、C店)の対応する種類の作業タスク(品出し)の複数のタグ位置(10:20、10:30、9:00)のうち、他のタグ位置(10:20、10:30)のグループの最も近い値(10:20)から所定値(例えば、1時間)以上離れているタグ位置(9:00)を、タイムゲージ上で強調表示してもよい。本例では、表示制御手段102は、C店オブジェクト174を太字で強調表示する。なお、表示制御手段102は、本例の様に他のタグ位置のグループに比べて相対的に離れているタグ位置を強調表示してもよいし、基準値から所定値以上離れているタグ位置を強調表示してもよい。
【0089】
図10は、管理者端末に表示される映像表示GUIの別の例である。
【0090】
同図は、表示制御手段102が、各店舗2における作業時刻の乖離状況を確認可能に表示する別の例である。表示制御手段102は、管理者が各店舗2の作業タスクの実施状況を俯瞰できるように、共通の作業タスクについて、所定時間内に行われている場合はまとめて表示してもよい。具体的には、表示制御手段102は、複数の店舗2の対応する作業タスクの複数のタグ位置のうち、所定範囲内に含まれる複数のタグ位置をグルーピングして、タイムゲージ173上に表示する。
【0091】
同図では、表示制御部102は、タイムゲージ173上に、所定時間範囲内に含まれるA店の品出しタスクのタグ位置(10:20)とB店の対応する作業タスク(品出し)のタグ位置(10:30)をグルーピングしたオブジェクト175と、別の所定時間範囲内に含まれるC店の対応する作業タスク(品出し)のタグ位置(9:00)をグルーピングしたオブジェクト178を表示する。オブジェクト175、178は、グループに含まれる店舗数(2店舗、1店舗)を表示する。
【0092】
この表示方法によっても、タグ位置(作業時刻)に乖離がある場合は、作業タスクの実施状況に問題がある可能性があり、管理者が確認する優先度が高いことが想定される。このような場合に、表示制御手段102は、該当する作業タスクについて強調して表示することができる。
【0093】
5.変形例
【0094】
特定の店舗2の特定の作業タスクを選択するものについて説明したが、特定の店舗2を指定せず単に特定の作業タスクを選択してもよい。この場合、選択した特定の作業タスクに対応する複数の店舗2の映像を表示する。例えば、選択した特定の作業タスクを直近に行った店舗2の映像を表示する。また、特定の作業タスクに加えて、時間帯の情報も選択してもよい。例えば、特定の作業タスク(品出し)に加えて、朝の時間帯が選択されると、選択した特定の作業タスクについて、朝の時間帯に実施されたものについての映像を表示する。
【0095】
表示制御手段102は、表示装置に一覧表示する各店舗の映像と、当該映像に対応するタグ位置との対応関係を示す情報を表示する。例えば、映像とタグ位置との対応関係を示すように色分けして表示をする。これにより、一覧表示している映像がどの店舗のどの時間帯を表示したものであるについての関係性を容易に把握できるようになる。
【0096】
管理装置10は、各店舗2において特定の種類の作業タスクが実施された(作業タスクの完了が判定された)回数を記憶しておき、表示制御手段102は、各店舗2において特定の種類の作業タスクが所定期間内(例えば、1日)に実施された回数を表示してもよい。表示制御手段102は、複数の店舗2において特定の種類の作業タスクが所定期間内に実施された回数のうち、他の店舗2で実施された回数から所定値以上離れている店舗のタグ位置を強調表示してもよい。作業回数が少ない場合は作業タスクが適切に行われていない可能性があり、管理者が確認する優先度が高いことが想定されることから、該当する作業タスクについて強調して表示する。(逆に、作業回数が多い場合、無駄に作業を行っていると捉えてもよい。)そこで、所定期間内(例えば、1日)において作業タスクごとに作業の実施回数を記録し、例えば、作業回数が他店舗2よりも所定回数以上少ない(多い)場合、タスクの実施状況にその旨を表示する。
【0097】
表示制御手段102は、特定の店舗2と関連する複数の店舗2の映像を一覧表示してもよい。近隣の店舗2(所定距離内の店舗)、規模が同じ店舗2(店舗面積等)、立地条件が同じ店舗2(駅前、オフィス街等)等を関連店舗として登録しておく。選択された店舗2との関連店舗についての映像を優先して表示する。これにより、類似の店舗2間での比較が可能になり、各店舗の作業品質をより正確に確認することができる。
【0098】
表示制御部102は、作業のタスクの種類に応じて映像の表示モード(例えば、静止画表示、倍速再生等)を異ならせてもよい。例えば、品出しの作業タスクでは、商品が適切に陳列されているかを確認する必要があるため、作業が完了した映像全体を管理者が確認できるように表示することが求められる。そこで、表示制御部102は、例えば、静止画から表示することで、管理者が状況把握を容易に行えるようになる。一方、床掃除のように映像が長尺である作業タスクや、作業のおおまかな様子を確認できれば十分な作業タスクの場合は、表示制御部102は、例えば、映像を倍速再生することで、管理者が状況把握を速やかにできる。このように作業のタスクの種類に応じて映像の表示モードを異ならせることで、管理者にとって店舗の状況把握を速やかに確認でき、正確に確認できる。
【0099】
上記実施形態では、管理装置10が主に情報処理を実行すると説明したが、管理者端末20及び/又は店舗端末30が管理装置10の情報処理の一部を実行してもよい。
【0100】
上記実施形態では、作業タイミングとして、「作業中」を例に説明したが、作業開始のタイミングである「作業開始」や作業開始よりも前のタイミングである「作業開始前」を用いるようにしてもよい。作業開始のタイミングは、例えば、作業タスクの種類に応じた基準所要時間と完了タイミングとから推定すればよい。作業開始前のタイミングは、例えば、作業開始のタイミングから所定時間遡ったタイミング(作業開始のタイミングの5分前)とすればよい。これにより、管理者は、スタッフが作業タスクを行う前段階の状況(作業タスクを行うスタッフの準備状況や対象となる作業タスクの開始前の状況)を適切に確認できたり、作業タスクの開始からの一連の作業状況を適切に確認できたりするようになる。
【0101】
また、作業タイミングとして、上述した作業中、作業開始、作業開始前のいずれかのみ用いてもよく、2つ或いはすべてを用いてもよい。複数用いる場合には、作業タスクの種別に応じてそれぞれのタグ位置も異なるタイミングとなる。なお、タグ位置は上述の作業タイミング及び完了タイミング以外を用いて、3種以上のタグ位置から作業タスクの種類に応じて決定されてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、作業タイミング及び完了タイミングを用いてタグ位置を決定する構成としているが、作業タイミングのみを用いる構成としてもよい。例えば、作業タスクの種類に応じて作業完了から遡る時間を設定しておき、作業タスクの種別に応じた作業タイミングをタグ位置として決定する。或いは、作業タスクの種類に応じて、作業中、作業開始、作業開始前のいずれかをタグ位置として決定してもよい。
【0103】
また、上記実施形態では、管理装置10のタグ付け部104は、作業完了判定部103が完了タイミングを判定するとタグ付けを行う構成としているが、作業タスクが完了する前にタグ付けを行ってもよい。上述の通り、作業タスクの種類に応じて、作業中、作業開始、作業開始前のタイミングがタグ位置として決定されるため、例えば、作業タスクが生成されたときや、作業タスクが開始されたとき等の作業タスクが実施されているときにタグ付けを行うようにしてもよい。
【0104】
また、タグ付け部104によるタグ付けする処理は上述の実施形態に限られるものではない。タグ付け部は、映像記録部150に記録された映像のうちから、タグ位置142に対応する時刻のフレーム画像を特定する。当該時刻のフレーム画像は、例えば、映像に含まれるフレーム画像に付加されたタイムスタンプに基づいて特定される。そして、特定したフレーム画像に、完了状態に設定された作業タスクの作業の状況を撮影した画像であることを示す情報を関連付ける処理(すなわち、タグ付け)を行うことで、映像と作業タスクの関連付けを行うようにしてもよい。
【0105】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0106】
本発明の一実施形態にかかる店舗運営支援システムは、労働力人口減少や長時間労働の是正などの社会課題の解決に貢献し得るものである。また、本発明の一実施形態にかかる店舗運営支援システムは、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の目標8「働きがいも経済成長も」の達成に貢献することができる。
【符号の説明】
【0107】
1 店舗運営支援システム
10 管理装置
100 制御回路
101 タスク設定部
102 表示制御部
103 作業完了判定部
104 タグ付け部
110 記録装置
120 作業タスク生成条件テーブル
130 作業タスクテーブル
140 タグ付けテーブル
150 映像記録部
2 店舗
20 管理者端末
30 店舗端末
40 固定カメラ
50 センサ