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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141979
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20241003BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20241003BHJP
   G03G 15/23 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G15/20 555
G03G15/20 510
G03G15/23
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053896
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115417
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 弘一
(72)【発明者】
【氏名】工藤 裕貴
【テーマコード(参考)】
2H028
2H033
2H270
【Fターム(参考)】
2H028BA06
2H028BA09
2H028BB04
2H033AA20
2H033BA25
2H033BB12
2H033BB18
2H033BB30
2H033BE03
2H033CA07
2H033CA19
2H033CA22
2H033CA27
2H033CA34
2H033CA36
2H033CA37
2H033CA38
2H270KA35
2H270KA43
2H270LA25
2H270LA70
2H270LA81
2H270LC10
2H270LD04
2H270LD05
2H270LD09
2H270MA34
2H270MA40
2H270MC01
2H270MC44
2H270MC55
2H270MD10
2H270MH16
2H270NE07
2H270NE11
2H270PA26
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】従来の画像形成装置では、両面印刷時に、印刷速度を下げるための制御が不必要に実行される場合があった。
【解決手段】画像形成装置10は、定着器400の温度を検知する温度検知部802と、定着器400を通過した媒体を画像形成部300へ搬送するための両面印刷搬送路700と、両面印刷搬送路700を通過する媒体の通紙枚数を計測する媒体計測部803と、媒体計測部803で計測した通紙枚数に基づいて、媒体の印刷速度の切り替えを行うための閾値温度を設定する閾値温度設定部804と、温度検知部802により検知された温度と閾値温度に基づいて媒体の印刷速度制御を行う印刷速度制御部805と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を用いて媒体に画像を形成する画像形成ユニットと、
前記現像剤を加熱する加熱部と前記加熱部に圧接して前記媒体を搬送する加圧部とを有し前記画像を前記媒体に定着させる定着ユニットと、
前記定着ユニットの温度を検知する温度検知部と、
前記定着ユニットを通過した前記媒体を前記画像形成ユニットへ搬送するための両面印刷搬送路と、
前記両面印刷搬送路を通過する媒体の通紙枚数を計測する媒体計測部と、
前記媒体計測部で計測した前記通紙枚数に基づいて、前記媒体の印刷速度の切り替えを行うための閾値温度を設定する閾値温度設定部と、
前記温度検知部により検知された温度と前記閾値温度に基づいて前記媒体の印刷速度制御を行う印刷速度制御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記媒体計測部は、
前記両面印刷搬送路を通過する媒体において先行の媒体の後端を検知してから後続の媒体の先端を検知するまでの時間を検知し、
前記閾値温度設定部は、
前記通紙枚数及び、前記時間に基づいて前記閾値温度を設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記時間が所定値未満である場合に、
前記閾値温度設定部は、
前記媒体計測部が前記時間が所定値未満であることを検知する前の第1の閾値温度よりも低い第2の閾値温度に設定することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記時間が所定値以上である場合に、
前記閾値温度設定部は、
前記媒体計測部が前記時間が所定値以上であることを検知する前の第1の閾値温度よりも高い第3の閾値温度に設定することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷速度制御部は、
前記閾値温度よりも、前記温度検知部で検知された温度が高いときに、印刷速度を低下するもしくは印刷停止を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記温度検知部は、
前記加熱部の温度を検知する第1検知部と、前記加圧部の温度を検知する第2検知部と、を有し、
前記閾値温度設定部は、
前記第2検知部で検知した温度に基づいて前記閾値温度を設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記閾値温度設定部は、
前記通紙枚数及び、前記両面印刷搬送路を通過する先行する媒体の後端と後行する媒体の先端との距離に基づいて、前記閾値温度を設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、両面印刷時に筐体内部が昇温することによって印刷の品質に問題が生じる場合があり、この対策として、印刷枚数や用紙のサイズに応じて加熱部のヒータの温度を決定し、加熱部の温度に基づいて印刷速度を制御していた。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-337574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の画像形成装置では、両面印刷時に、印刷速度を下げるための制御が不必要に実行される場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る定着器を備えた画像形成装置は、現像剤を用いて媒体に画像を形成する画像形成ユニットと、前記現像剤を加熱する加熱部と前記加熱部に圧接して前記媒体を搬送する加圧部とを有し前記画像を前記媒体に定着させる定着ユニットと、前記定着ユニットの温度を検知する温度検知部と、前記定着ユニットを通過した前記媒体を前記画像形成ユニットへ搬送するための両面印刷搬送路と、前記両面印刷搬送路を通過する媒体の通紙枚数を計測する媒体計測部と、前記媒体計測部で計測した前記通紙枚数に基づいて、前記媒体の印刷速度の切り替えを行うための閾値温度を設定する閾値温度設定部と、前記温度検知部により検知された温度と前記閾値温度に基づいて前記媒体の印刷速度制御を行う印刷速度制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、定着器の温度が上昇している場合であっても不必要な印刷速度の低下や停止を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態に関する画像形成装置の構成を示す断面図である。
図2】本発明の実施の形態に関する画像形成装置の定着器の構成を示す概略図である。
図3】本発明の実施の形態に関する画像形成装置の制御部の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態の両面印刷時における用紙の搬送速度の制御の流れを示すフローチャート図である。
図5】本発明の実施の形態の両面印刷時における用紙通過時のセンサの検知の様子を示す図である。
図6】本発明の実施の形態の両面印刷時における用紙間の時間と通紙枚数の減算値の関係を示した表である。
図7】本発明の実施の形態の両面印刷時における通紙枚数と加圧部閾値温度の関係を示した表である。
図8】本発明の実施の形態の変形例における両面印刷時の用紙の搬送速度の制御の流れを示すフローチャート図である。
図9】本発明の実施の形態の両面印刷時における用紙間の距離と通紙枚数の減算値の関係を示した表である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施の形態>
図1は、本実施の形態に関する画像形成装置の構成を示した断面図である。本実施の形態に係る画像形成装置10は、給紙部100と、用紙搬送路200と、画像形成部300と、定着器400と、用紙排出部500と、用紙反転部600と、両面印刷搬送路700と、制御部800と、印刷された用紙Pが堆積されるスタッカ900と、を有する。
【0009】
給紙部100は、印刷される媒体である用紙Pを収容する給紙トレイ101と、給紙トレイ101から用紙Pを繰り出すホッピングローラ102と、ホッピングローラ102によって繰り出された用紙Pを用紙搬送路200へ搬送する給紙ローラ103と、を有する。
【0010】
用紙搬送路200は、用紙Pを搬送するレジストローラ対201a、201bと、用紙Pの位置を検知する書き出しセンサ202を有する。
【0011】
画像形成部300には、搬送方向上流部からブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの色別のイメージドラムユニット310K、310Y、310M、310Cが設けられている。画像形成部300は、イメージドラムユニット310K、310Y、310M、310Cに対向して設けられた用紙Pを静電吸着し搬送する転写部320と、LEDヘッド330K、330Y、330M、330Cとを有する。イメージドラムユニット310K、310Y、310M、310Cは、使用するトナーの色が異なる以外は同様に構成されているため、ここではブラックのイメージドラムユニット310Kについて説明する。また、画像形成部300は画像形成ユニットに相当するが、それぞれのイメージドラムユニット310K、310Y、310M、310Cを画像形成ユニットに相当してもよい。
【0012】
イメージドラムユニット310Kは、感光体ドラム311Kと、帯電ローラ313Kと、トナーカートリッジ315Kと、現像ローラ316Kと、を有する。
【0013】
感光体ドラム311Kは、表面に像を担持する像担持体である。帯電ローラ313Kは、感光体ドラム311Kに対向するように設けられ、感光体ドラム311Kの表面に一様に帯電させる。トナーカートリッジ315Kにはトナーが収容され、現像ローラ316Kは、現像剤としてのトナーを担持する現像剤担持体である。
【0014】
転写部320は、転写ローラ321K、321Y、321M、321Cと転写ベルト322を有する。転写ローラ321Kは、感光体ドラム上に現像された各色のトナー像を用紙Pに重ねて転写する。転写ベルト322は、イメージドラムユニット310K、310Y、310M、310Cの感光体ドラム311K、311Y、311M、311Cと転写ローラ321K、321Y、321M、321Cに圧接されている。転写ローラ321K、321Y、321M、321Cは、それぞれ導電性のゴム等によって形成され、形成されたトナー像を転写された用紙Pを定着器400へ搬送する。
【0015】
LEDヘッド330K、330Y、330M、330Cは、イメージドラムユニット310K、310Y、310M、310Cに対応して設けられ、感光体ドラム311K、311Y、311M、311Cを露光する。
【0016】
定着器400は、用紙Pの加熱を行う加熱部としての定着ベルト411とヒータ413及び、用紙Pを加圧する加圧部としての加圧ローラ412とを有する。また、定着器400は定着ユニットに相当する。
【0017】
用紙排出部500は、定着器400から排出される用紙Pを検知する排出センサ501と、用紙Pを排出する排出ローラ対502a、502bと、用紙排出部500への搬送と用紙反転部600への搬送の切り替えを行うセパレータ503と、を備えている。
【0018】
用紙反転部600は、反転させる用紙Pを搬送する第1搬送ローラ対601a、601bを有する。両面印刷搬送路700は、媒体センサ701と、第2搬送ローラ対702a、702b、702cを有する。両面印刷搬送路700は、裏面を印刷するために用紙Pを搬送する搬送路である。媒体センサ701は、両面印刷搬送路700における用紙Pの有無を検出するセンサであり、例えば、用紙Pが通過している間はON信号を出力し、用紙Pが通過していない間はOFF信号を出力する。第2搬送ローラ対702a、702b、702cは、画像形成された表面と反対側の裏面を印刷する用紙Pを搬送する。また、搬送モータ602は、ホッピングローラ102、給紙ローラ103、レジストローラ対201a、201b、転写ローラ321、排出ローラ対502a、502b、第1搬送ローラ対601a、601b、第2搬送ローラ対702a、702b、702c等の用紙Pを搬送する全てのローラの駆動源であり、後述する印刷速度制御部805からの指示により用紙Pの搬送速度を制御する。
【0019】
画像形成装置10は、印刷を制御する制御部800を有する。なお、制御部800の詳細は後述する。また、画像形成装置10は印刷された用紙Pを堆積するスタッカ900を有する。
【0020】
図2は、本実施の形態に関する画像形成装置の定着器の構成を示す概略図である。定着器400は、先述した定着ベルト411と、加圧ローラ412の他に、ヒータ413と、第1サーミスタ414と、第2サーミスタ415と、定着モータ416とにより構成されている。また、図中のXは用紙Pが搬送される方向を示している。
【0021】
定着ベルト411は、中空の円筒状に形成された無端状のベルトとなっており、ニップ領域Nに搬送される用紙Pを定着ベルト411を介して加熱するヒータ413と内周面が当接している。加圧ローラ412は、円柱状に形成されたローラであり、回転軸を有している。この回転軸は、所定の支持部材により回転可能に支持されると共に、複数のギアの組合せにより駆動力を伝達する伝達機構を介して定着モータ416から駆動力が伝達されるようになっている。
【0022】
加圧ローラ412は、定着ベルト411と対向して設けられ、ニップ領域Nにおいて定着ベルト411を介してヒータ413を押圧するように設けられている。また、加圧ローラ412は、発泡シリコーンゴム等によって構成されており、十分な弾性を有している。加圧ローラ412は、定着モータ416から駆動力が伝達されると、回転軸を中心として回転する。加圧ローラ412が回転すると、定着ベルト411が加圧ローラ412との摩擦力によって摺動回転する。すなわち、加圧ローラ412の回転によって定着ベルト411が従動する。
【0023】
ヒータ413は、ステンレス又はセラミックを基材とした、いわゆる面状ヒータである。ヒータ413は、図示しない低圧電源回路から所定電圧が供給されることにより、発熱する。
【0024】
第1サーミスタ414は、定着ベルト411の外周面に当接して設けられており、定着ベルト411の温度から温度検知信号S1を生成する。第2サーミスタ415は、加圧ローラ412の外周面に当接して設けられており、加圧ローラ412の温度に応じて温度検知信号S2を生成する。第1サーミスタ414と第2サーミスタ415の設けられる位置は特に限定するものではなく適宜変更してもよい。
【0025】
図3は、本実施の形態に関する画像形成装置の制御部の構成を示すブロック図である。制御部800は、ヒータ制御部801と、温度検知部802と、媒体計測部803と、閾値温度設定部804と、印刷速度制御部805と、温度判定部806と、CPU807と、ROM808と、RAM809と、を有する。
【0026】
制御部800は、所定のプログラムを読み出して実行することで各種処理を行う。
【0027】
ヒータ制御部801は、ヒータ413が一定の温度を保つように監視を行い、あらかじめ設定されている定着ベルト411の温度となるようヒータ413を制御する。
【0028】
温度検知部802は、定着ベルト411の温度を検知する第1サーミスタ414の温度検知信号S1と、加圧ローラ412の温度を検知する第2サーミスタ415の温度検知信号S2と、に基づいて、定着ベルト411および加圧ローラ412の温度を検知する。ヒータ制御部801は、温度検知部802が検知した定着ベルト411の温度に基づき、ヒータ413の温度制御を行うことができる。第1サーミスタ414は、第1検知部に相当し、第2サーミスタ415は第2検知部に相当する。
【0029】
媒体計測部803は、媒体センサ701が検知した結果に基づいて、両面印刷時の用紙Pが通過する枚数である後述する通紙枚数Npと、両面印刷時の先行の用紙の後端を検知してから後続の用紙の先端を検知するまでの時間である後述する時間Yを計測する。
【0030】
閾値温度設定部804は、媒体計測部803で得た両面印刷時の用紙Pの通紙枚数Npと時間Yに基づいて、加圧ローラ412の閾値温度である加圧部閾値温度Tbを設定する。加圧部閾値温度Tbは、印刷速度としての搬送速度を低下させるか否かを判定する基準となる温度である。
【0031】
印刷速度制御部805は、搬送モータ602のモータの駆動速度の制御を行うことで、用紙Pの搬送速度を制御する。本実施の形態では、搬送速度は、前述した搬送モータ602が駆動するローラによって用紙Pが搬送されるときの速度とする。
【0032】
温度判定部806は、温度検知部802によって検知された加圧ローラ412の温度と、閾値温度設定部804によって設定された加圧部閾値温度Tbとを比較し、加圧ローラ412の温度が加圧部閾値温度Tb以上であるか否かを判定する。また、印刷速度制御部805は、温度判定部806の判定結果に基づいて搬送速度を制御する。
【0033】
CPU(Central Processing Unit)807は、ROM(Read Only Memory)808に記憶されている制御プログラムとしての印刷処理プログラムに従い、印刷処理を制御する。ROM808は、画像形成装置10の電源が切れてもデータを保持する不揮発性メモリであり、RAM(Random Access Memory)809は、画像形成装置10の一時的なデータの記憶を行う揮発性メモリである。
【0034】
次に、図1図3を用いて画像形成装置10における動作について説明する。片面印刷の場合、給紙トレイ101に収容されている用紙Pは、搬送モータ602によってホッピングローラ102と給紙ローラ103とが回転することで、用紙搬送路200へ搬送される。用紙Pは、レジストローラ対201a、201bと、書き出しセンサ202と、を有する用紙搬送路200を経て、画像形成部300に搬送される。
【0035】
画像形成部300に設けられる帯電ローラ313Kは、感光体ドラム311Kの表面を一様に帯電させる。一様に帯電された感光体ドラム311Kは、LEDヘッド330Kにより露光され、静電潜像が形成される。現像ローラ316Kは、感光体ドラム311Kに生成された静電潜像にトナーカートリッジ315Kに収納されているトナーを付着させ、転写ローラ321Kによってトナー像は用紙Pに転写される。その他の色についても同様にトナー像が用紙Pに転写され、トナー像が転写された用紙Pは、定着器400に搬送される。
【0036】
定着器400は、ヒータ413と、加圧ローラ412とによって定着ベルト411を介して用紙Pを挟持し加圧することで、用紙Pに転写されたトナー像を定着させる。
【0037】
定着器400でトナー像が定着された用紙Pは、セパレータ503の切り替えにより用紙排出部500へ搬送される。用紙排出部500へ搬送された用紙Pは排出ローラ対502a、502bによって搬送方向Bへ搬送されることで画像形成装置外へ排出され、スタッカ900に堆積する。
【0038】
一方、両面印刷の場合には、給紙部100から用紙搬送路200を経て画像形成部300と定着器400を通過した表面に画像形成された用紙Pは、セパレータ503の切り替えにより搬送方向Cへ搬送され、用紙反転部600へ搬送される。第1搬送ローラ対601a、601bによって用紙Pは反転用紙後端位置Qまで搬送される。反転用紙後端位置Qに用紙Pの後端が到達したときに用紙Pは反転される。反転用紙後端位置Qに用紙Pの後端が到達すると、搬送モータ602が逆駆動する。搬送モータ602の逆駆動により第1搬送ローラ対601a、602bが逆回転して用紙Pが両面印刷搬送路700へ搬送される。よって、用紙Pが反転して両面印刷搬送路700へと搬送される。
【0039】
両面印刷搬送路700において、用紙Pは、媒体センサ701を通過し、第2搬送ローラ対702a、702b、702cによって搬送方向Dへ搬送され、再び画像形成部300に搬送される。再び画像形成部300に搬送された用紙Pの裏面に画像形成が行われる。
【0040】
画像形成部300にて、用紙Pの裏面にも画像形成が行われた後、定着器400にて用紙Pにトナーが定着される。裏面に画像形成された用紙Pは、セパレータ503の排出方向の切り替えにより用紙排出部500へ搬送され、用紙Pは、排出ローラ対502bによって画像形成装置外へ排出され、スタッカ900に堆積する。このように両面印刷が行われる。
【0041】
本実施の形態の搬送速度の制御について、図1図4図5図6図7を合わせて、例えばA4縦送りにおける制御を説明する。本実施の形態では、第1の搬送速度は200mm/s、第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度を100mm/sと設定する。制御部800は、両面印刷指示が入力されると両面印刷を開始する。本実施の形態は、両面印刷搬送路700を通過する用紙Pの枚数を通紙枚数Np、後述する図6にて示す減算する枚数を示した値を減算値α、加圧部閾値温度Tbを決定する減算後の用紙Pの枚数を加圧部閾値温度決定枚数Nxと示す。閾値温度設定部804が加圧部閾値温度Tbを決定するために以下の式(1)を適用する。
Nx=Np-α …(1)
【0042】
図4は、本実施の形態の両面印刷時における1ジョブの用紙Pの搬送速度の制御の流れを示すフローチャート図である。また、本実施の形態では1ジョブの用紙Pの搬送速度の制御の流れを示すが、連続する複数のジョブにおいても同様の制御を行うことができる。S201において、図1に示されるように、両面印刷が開始されると、用紙Pは給紙部100から給紙され、画像形成部300によって表面に画像が形成され、定着器400によって画像が定着される。その後、用紙Pは裏面に画像を形成するために、用紙反転部600へ搬送され、第1搬送ローラ対601a、601bによって反転された後、両面印刷搬送路700へ通紙される。
【0043】
S202において、媒体計測部803は、両面印刷搬送路700へ通紙された用紙Pの枚数を、媒体センサ701による検知の結果に基づいて計測する。具体的には、媒体計測部803は、例えばA4縦送りの用紙Pのカウントを以下の方法で行っている。後述する図5(C)に示されるように、媒体センサ701からの信号がOFFからONへ切り替わり、印刷しているA4縦送りの用紙Pの長さに応じたONの時間の終点で、媒体センサ701からの信号がONからOFFへ切り替わると1枚通過したとカウントする。
【0044】
S203において、媒体計測部803は、媒体センサ701で検知した結果に基づいて先行の用紙P1の後端を検知してから後続の用紙P2の先端を検知するまでの時間Yを計測する。
【0045】
媒体計測部803が用紙Pの時間Yを計測する様子を図5を用いて説明する。図5は、本実施の形態の両面印刷時における用紙とセンサの位置関係と、センサの検知信号を示す図である。また、図5(A)は、先行の用紙P1の後端を媒体センサ701によって検知するときの状態図である。図5(B)は、後続の用紙P2の先端を媒体センサ701によって検知するときの状態図である。図5(C)は、媒体センサ701の検知信号における時間Yを示す図である。媒体計測部803は、媒体センサ701の結果に基づいて、通紙枚数Npを計測し、RAM809に計測した通紙枚数Npを記憶させる。具体的には、図5(A)に示すように搬送方向Dにおける先行の用紙P1の後端が媒体センサ701に到達することで、図5(C)に示すタイミングt1で媒体センサ701からの信号がONからOFFへ切り替わり、図5(B)に示すように後続の用紙P2の先端が媒体センサ701に到達することで、図5(C)に示すタイミングt2で媒体センサ701からの信号がOFFからONへ切り替わる。また、媒体計測部803は、搬送方向Dにおける先行の用紙P1の後端が媒体センサ701に到達することで、媒体センサ701からの信号がONからOFFへ切り替わってから、後続の用紙P2の先端が媒体センサ701へ到達することで媒体センサ701からの信号がOFFからONへ切り替わる、つまりt1からt2までの時間Yを計測する。
【0046】
S204において、媒体計測部803は、時間Yが所定値以上であるか否かを判断する。本実施の形態では、所定値は2秒とする。
【0047】
S205において、時間Yが2秒以上である、つまり媒体計測部803によってS204がYESと判断される場合は、媒体計測部803は式(1)に基づいてRAM809に記憶させた通紙枚数Npから減算値αを減算する。一方で、時間Yが2秒未満である、つまり媒体計測部803によってS204がNOと判断される場合には、減算値αは0となり、S206の動作に進む。
【0048】
ここで、加圧部閾値温度決定枚数Nxを求めるための減算値αについて図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態の両面印刷時における用紙間の時間Yと減算値αの関係を示した表である。本実施の形態では、図6のように時間Yが2秒未満の場合には、減算値αは0となる。通紙枚数Npが減算値αによって減算されない場合(S204がNoの場合)には、熱を持った用紙Pが用紙反転部600や両面印刷搬送路700を通過する頻度が減らないため、通紙に伴って温度の上昇が生じる。用紙反転部600や両面印刷搬送路700の温度が下がらないうちに熱を帯びた後続の用紙が搬送されてしまうためである。つまり、1ジョブの中で減算値αが0となる場合が多くなると、加圧部閾値温度Tbを決定するための加圧部閾値温度決定枚数Nxの値が大きくなりやすくなる。後述するように、加圧部閾値温度決定枚数Nxの値が大きい場合は、加圧部閾値温度Tbが低く設定される、つまり、加圧ローラ412の温度が加圧部閾値温度Tbよりも高くなりやすく、用紙反転部600や両面印刷搬送路700の温度を下げるために印刷速度を低下させる制御が発生する頻度が高くなりやすい。
【0049】
逆に、時間Yが十分に長い場合、例えば、時間Yが2秒以上である場合、用紙反転部600や両面印刷搬送路700は冷却されるため、用紙反転部600や両面印刷搬送路700の温度上昇が少なくなる。よって、S205において、媒体計測部803は通紙枚数Npから減算値αを減算する。
【0050】
時間Yが2秒~4秒未満であった場合は、減算値αは3となるため、通紙枚数Npを3枚減算する。時間Yが4秒~6秒未満であった場合は、減算値αは6となるため、通紙枚数Npを6枚減算する。
【0051】
時間Yが6秒以上経過した場合、用紙反転部600や両面印刷搬送路700の温度は十分に下がるため、媒体計測部803は式(1)によって求める加圧部閾値温度決定枚数Nxを0枚へリセットする。また、式(1)によって求める加圧部閾値温度決定枚数Nxが0未満の場合、例えば、両面印刷搬送路700を通過する用紙Pが3枚であって時間Yが4秒~6秒未満または6秒以上である場合は、通紙枚数Npよりも減算値αが多くなる。このような場合にも、加圧部閾値温度決定枚数Nxを0枚へリセットする。これは、時間Yの間に用紙反転部600や両面印刷搬送路700の温度が十分に下がった状態で後続の用紙が搬送されてくると考えられるためである。
【0052】
S206において、媒体計測部803は式(1)に基づいて加圧部閾値温度決定枚数Nxを決定する。
【0053】
S207において、閾値温度設定部804は、S206で決定した加圧部閾値温度決定枚数Nxに基づいて加圧部閾値温度Tbを決定する。S207における加圧部閾値温度Tbの決定方法について図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態の両面印刷時における加圧部閾値温度決定枚数Nxと加圧部閾値温度Tbの関係を示した表である。
【0054】
両面印刷を行う用紙Pの閾値温度決定枚数Nxが0~4枚の場合、閾値温度設定部804が加圧部閾値温度Tbを150℃に設定する。
【0055】
両面印刷を行う用紙Pの閾値温度決定枚数Nxが5枚~10枚の場合は、閾値温度設定部804が加圧部閾値温度Tbを145℃に設定する。
【0056】
両面印刷を行う用紙Pの閾値温度決定枚数Nxが11枚以上の場合は、閾値温度設定部804が加圧部閾値温度Tbを140℃に設定する。
【0057】
上記において、加圧部閾値温度決定枚数Nxの値が小さいほど加圧部閾値温度Tbを高くする設定する。例えば、加圧ローラ412の温度が145℃であるとき、加圧部閾値温度決定枚数Nxが0から4枚である場合は、加圧部閾値温度Tbが150℃と設定されるため、加圧ローラ412の温度が加圧部閾値温度Tb以上とならず、印刷速度を低下する制御を行う必要はない。しかし、加圧部閾値温度決定枚数Nxが11枚以上である場合は、加圧部閾値温度Tbが140℃で設定されているため、加圧ローラ412の温度が加圧部閾値温度Tb以上となって、印刷速度を低下する制御をする。つまり、減算値αを考慮することで加圧部閾値温度決定枚数Nxを求め、加圧部閾値温度決定枚数Nxに基づいて加圧部閾値温度Tbを決定するため、不要な印刷速度の低下を低減することができる。また、先述した本実施の形態のように、閾値温度決定枚数Nxに応じて段階的に加圧部閾値温度Tbを決定することでより細分化した制御を行うことができる。
【0058】
S208において、温度判定部806は、両面印刷中に温度検知部802で得た加圧ローラ412の温度と、閾値温度設定部804で設定した加圧部閾値温度Tbとを比較する。具体的には、S208がYESである、つまり加圧ローラ412の温度が加圧部閾値温度Tb以上の場合には、S209において、印刷速度制御部805の指示により、搬送モータ602が印刷速度を低下させ、1ジョブの印刷が完了するとS211において印刷を終了する。具体的には、搬送モータ602が、搬送速度を200mm/sから100mm/sへ切り替えることによって、印刷速度の低下を行うことができる。ここで、印刷速度の低下は印刷の停止を含むものでもよい。一方で、S208がNOである、つまり加圧ローラ412の温度が加圧部閾値温度Tb未満である場合には、S210へ進む。
【0059】
S210がNOの場合、つまり制御部800がジョブの終了を判断した場合には、S208における印刷速度の低下をすることなく、S211にて印刷を終了する。一方で、ジョブが終了していない場合(S210がYESの場合)には、S202に戻り、上述したS202からS208までの処理を繰り返す。
【0060】
用紙Pが両面印刷搬送路700を15枚通過する1ジョブを例に挙げ、加圧部閾値温度Tbの決定を行う流れを説明する。媒体計測部803が、用紙P10枚目までの通過において、時間Yを全て1秒と計測すると、図6に示すように減算値αによる減算がないため、10枚目までの閾値温度決定枚数Nxは10枚となる。よって図7に示すように、用紙Pの10枚目印刷時までの加圧部閾値温度Tbは145℃となる。しかし、媒体計測部803が、印刷品質を保つため感光体ドラム311Kのクリーニングを行うことで搬送モータ602が駆動するなどによって、10枚目の用紙Pの搬送方向Dにおける後端から11枚目の用紙Pの搬送方向Dにおける先端までを検知する時間Yを6秒と計測すると、図6に示すように、減算値αにより加圧部閾値温度決定枚数Nxがリセットされるため、閾値温度設定部804は加圧部閾値温度決定枚数Nxを0枚とする。よって、図7の表に示されるように、閾値温度設定部804は加圧部閾値温度Tbを150℃に決定する。つまり、減算値αがない加圧部閾値温度決定枚数Nxに基づいて加圧部閾値温度Tb(第1の閾値温度)145℃を設定するよりも、加圧部閾値温度決定枚数Nxに基づいて設定された加圧部閾値温度Tb(第3の閾値温度)の方が高い温度となる150℃に設定できる。
【0061】
一方で、用紙Pが媒体センサ701を15枚通過するジョブであった場合に、媒体計測部803が全ての用紙Pの通過において、時間Yが1秒と計測する。この場合には、図6に示すように減算値αが0のため通紙枚数Npの減算が行われない。よって、図7の表に示されるように、加圧部閾値温度決定枚数Nxが11枚以上の場合となる、閾値温度設定部804は加圧部閾値温度Tbを140℃に設定する。つまり、媒体計測部803が所定値未満の時間Yを計測する前の通紙枚数Npに基づいて設定された加圧部閾値温度Tb(第1の閾値温度)となる145℃よりも低い加圧部閾値温度Tb(第2の閾値温度)である140℃に設定する。
【0062】
なお、本実施の形態においては、図4のS203からS205までのフローは時間Yに基づく減算値αを用いて通紙枚数Npの減算を行うこととしているが、図4のS203からS205までのフローを省略し、S206において、減算値αを求めず通紙枚数Npのみに基づいて加圧部閾値温度決定枚数Nxを決定する方法、つまりNx=Npとして行ってもよい。具体的には、1ジョブが15枚である場合に、図7の加圧部閾値温度決定枚数Nxと加圧部閾値温度Tbの関係を示す表に基づいて、通紙枚数Npが1枚目から4枚目では加圧部閾値温度Tbを150℃、通紙枚数Npが5枚目から10枚目までは加圧部閾値温度Tbを145℃、11枚目以降は140℃と設定する。S208においては、温度判定部806がS207で決定する加圧部閾値温度Tbと加圧ローラ412の温度を比較し、S209もしくはS210のどちらに進むかを判断する。
【0063】
<効果など>
以上のように、本実施の形態によれば、媒体計測部803によって計測される両面印刷時の通紙枚数Npに基づいて、閾値温度設定部804は加圧部閾値温度Tbを段階的に設定することで、不要な印刷速度の低下を防ぐことができる。さらに、両面印刷時の先行の用紙P1の後端を検知してから後続の用紙P2の先端を検知するまでの時間Yを計測することで、閾値温度設定部804は、通紙枚数Npと時間Yに基づいて加圧部閾値温度Tbを設定する。両面印刷時に加圧ローラ412の温度が高温状態であっても、時間Yが長く用紙反転部600や両面印刷搬送路700が冷えているような状態では、熱を持った用紙Pが冷却されるためトナーの再融解などの問題が起こらない。つまり、このような状況下では加圧部閾値温度Tbを高く設定することができる。これにより、印刷速度を低下する頻度が少なくなり、不要な印刷速度の低下や停止を防ぐことができる。
【0064】
<変形例>
続いて、時間Yの変形例として先行する用紙と後続の用紙との用紙間距離に基づく距離に基づく搬送速度の制御について、図8図9を用いて説明する。前述したように、時間Yは、媒体センサ701で検知された結果に基づいて、媒体計測部803の計測が行われていた。また、先行の用紙P1の後端から後続の用紙P2の先端までの距離は、先述したように媒体計測部803によって計測された時間Yと、媒体センサ701によって検知された用紙Pの搬送速度から距離を求めることで計測することが可能である。この距離は用紙間Dpとする。
【0065】
図8は、本実施の形態の変形例における両面印刷時の搬送速度の制御の流れを示すフローチャート図である。本実施の形態の変形例における搬送速度の制御について、図8のフローチャートを用いて説明を行うが、S303とS304以外は図4と同様の流れで行うため省略する。
【0066】
S303において、媒体計測部803は媒体センサ701による検知の結果をもとに用紙間Dpを計測する。例えば、時間Yが3秒、搬送速度が第1の搬送速度である200mm/sの場合には、用紙間Dpは600mmとなる。
【0067】
S304において、媒体計測部803は媒体センサ701によって検知された結果に基づいて、用紙間Dpが所定値以上の距離であるかを検知する。このとき、用紙間Dpの所定値は、本実施の形態にて示された時間Yの所定値を2秒、通常の搬送速度は200mm/sとすると、400mmとなる。
【0068】
図9は、本実施の形態の両面印刷時における用紙間の距離と通紙枚数の減算の関係を示した表である。媒体計測部803は、媒体センサ701によって検知された結果に基づいて用紙間Dpを計測する。図9に示すように、用紙間Dpの距離が400mm未満である場合は、減算値αが0となり減算を行わない。用紙間Dpの距離が400mm~800mm未満である場合は、通紙枚数Npを3枚減算するため、減算値αが3となる。用紙間Dpが800mm~1200mm未満である場合は、媒体計測部803は通紙枚数Npを6枚減算するため、減算値αが6となる。また、用紙間Dpが1200mm以上では、減算値αがリセットされる。図9による通紙枚数Npの減算方法は、本実施の形態と同様に式(1)を用いて行い、図7に示す加圧部閾値温度決定枚数Nxから加圧部閾値温度Tbを算出する。また、加圧部閾値温度Tbの算出は、本実施の形態にて先述した理由に基づいて行われる。
【0069】
以上の構成により、変形例は本実施の形態と同様に不要な印刷速度の低下を防ぐといった効果を奏し得る。
【0070】
本実施の形態及び変形例は、加圧ローラ412の閾値温度を設定し搬送速度の制御を行っているが、定着ベルト411の閾値温度を設定してもよい。さらに、温度検知部802によって定着ベルト411の温度を検知し、温度判定部806が定着ベルト411の閾値温度と温度検知部802によって検知された定着ベルト411の温度に基づいて定着ベルト411の温度が閾値温度以上であるかを判定し、搬送速度を制御するようにしてもよい。より好ましくは、加圧ローラ412の閾値温度の設定を行うことである。用紙Pの裏面を印刷すると、既に表面に定着されたトナーが裏面印刷時に加圧ローラ412に接触する。これにより、加圧ローラ412の温度がトナーを再融解してしまうほどの温度であるかを検知することが必要である。よって、加圧ローラ412の加圧部閾値温度Tbを設定することにより、不要な印刷速度の低下を防ぐことができる。
【0071】
本実施の形態及び変形例は、搬送モータ602の搬送速度の制御を行っているが、用紙Pの搬送速度を制御することで印刷速度を制御した形態に代えて、例えば、搬送速度の制御の代わりに間欠印刷を行うものでもよい。具体的には、印刷間隔を調整する形態、すなわち、用紙Pをホッピングローラ102で繰り出す間隔の時間を調整する形態であっても良い。
【0072】
本実施の形態及び変形例では、定着ベルト411はベルトを使用しているが、ローラなどの他の形状であってもよい。また、加圧ローラ412はローラを採用しているが、ベルトなどの他の形状であってもよい。これらは、定着ベルト411と加圧ローラ412が用紙Pを搬送し、押圧できることが必要となる。
【0073】
本実施の形態及び変形例では、図7のように加圧部閾値温度決定枚数Nxが0~4枚の場合に、加圧部閾値温度Tbは150℃といった設定を行っているが、加圧部閾値温度決定枚数Nxや加圧部閾値温度Tbは特に限定するものではないため適宜設定してもよい。
【0074】
本実施の形態及び変形例では、第1の搬送速度は200mm/s、第1の搬送速度よりも遅い第2の搬送速度を100mm/sといった設定を行っているが、搬送速度は特に限定するものではないため適宜設定してもよい。同様に、図6図9に示す、時間Y及び用紙間Dpの値や減算値αの値は特に限定するものではないため、適宜設定してもよい。
【0075】
本実施の形態及び変形例は、電子写真方式のプリンタ、コピー機、ファクシミリ、及びこれらの機能を複数兼ね備えた、マルチファンクションプリンタ等に適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
10 画像形成装置
101 給紙トレイ
103 給紙ローラ
320 転写部
201a、201b レジストローラ対
300 画像形成部
400 定着器
411 定着ベルト
412 加圧ローラ
413 ヒータ
414 第1サーミスタ
415 第2サーミスタ
700 両面印刷搬送路
701 媒体センサ
800 制御部
801 ヒータ制御部
802 温度検知部
803 媒体計測部
804 閾値温度設定部
805 印刷速度制御部
806 温度判定部
807 CPU
808 ROM
809 RAM
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9