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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141998
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】塵芥投入箱および塵芥収集車
(51)【国際特許分類】
   B65F 3/00 20060101AFI20241003BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B65F3/00 C
B60P3/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053928
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】宇高 雄太
【テーマコード(参考)】
3E024
【Fターム(参考)】
3E024AA06
3E024BA01
3E024CA02
3E024DC03
(57)【要約】
【課題】後半の操作力を軽減でき、かつ、コンパクトな扉の開閉機構を有する塵芥投入箱
【解決手段】塵芥投入箱20は、投入口21aを上下方向に開閉する扉22と、第1アーム31と、第2アーム32と、第1アーム31を投入箱本体21に回転可能に連結する第1連結部33と、第1アーム31と第2アーム32とを回転可能に連結する第2連結部34と、第2アーム32と扉22の上端部とを回転可能に連結する第3連結部35と、第2アーム32と投入箱本体21とに連結された付勢部材40と、を備える。扉22が閉状態のときの第3連結部35における扉22の法線を第1法線N1と、開状態のときの同法線を第2法線N2とするとき、第1連結部33は、第1法線N1と第2法線N2との間に配置される。第2連結部34は、第1法線N1と第2法線N2との間に位置し、かつ、少なくとも扉22が閉状態のとき第1連結部33よりも第1法線N1寄りに位置する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口が形成された箱状の投入箱本体と、
前記投入口を上下方向に開閉する扉と、
前記投入口に沿って上下方向に延在し、前記扉の移動を案内するガイド部と、
前記扉および前記ガイド部よりも前記投入箱本体の内方に配置された第1アームと、
前記扉および前記ガイド部よりも前記投入箱本体の内方に配置された第2アームと、
前記第1アームの一端を前記投入箱本体に回転可能に連結する第1連結部と、
前記第1アームの他端と前記第2アームの一端とを回転可能に連結する第2連結部と、
前記第2アームの他端と前記扉の上端部とを回転可能に連結する第3連結部と、
前記第2アームに一端が連結され、前記投入箱本体のうち前記第2アームよりも上方部分に他端が連結された付勢部材と、を備え、
側方視において、前記扉が閉状態のときの前記第3連結部における前記扉の法線を第1法線と、前記扉が開状態のときの前記第3連結部における前記扉の法線を第2法線とするとき、
側方視において、前記第1連結部は、前記第1法線と前記第2法線との間に配置され、
側方視において、前記第2連結部は、前記扉が閉状態、開状態、および閉状態と開状態との中間のとき前記第1法線と前記第2法線との間に位置し、かつ、少なくとも前記扉が閉状態のとき前記第1連結部よりも前記第1法線寄りに位置している、
塵芥投入箱。
【請求項2】
前記扉は、閉状態から開くと、前記第2連結部周りに上方に回動した後、前記第1連結部周りに上方に回動する、
請求項1に記載の塵芥投入箱。
【請求項3】
前記第1アームは、前記扉を閉状態から開くと、前記第1連結部周りに下方に回動するかまたは不動であった後、上方に回動する、
請求項2に記載の塵芥投入箱。
【請求項4】
前記第3連結部は、少なくとも前記第1アームが上方に回動するようになった後は、前記第2連結部よりも上方に位置する、
請求項3に記載の塵芥投入箱。
【請求項5】
前記第1連結部は、前記第1法線と前記第2法線との中央よりも前記第2法線寄りに配置されている、
請求項1に記載の塵芥投入箱。
【請求項6】
前記第2連結部は、前記扉が閉状態のとき、前記第1法線と前記第2法線との中央よりも前記第1法線寄りに位置する、
請求項1に記載の塵芥投入箱。
【請求項7】
前記第1アームは、前記第2アームよりも長い、
請求項1に記載の塵芥投入箱。
【請求項8】
前記付勢部材の前記一端は、前記第2アームのうち、前記第2連結部と前記第3連結部との中央よりも前記第2連結部寄りの部分に連結されている、
請求項1に記載の塵芥投入箱。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一つに記載の塵芥投入箱を備えた塵芥収集車。
【請求項10】
前記投入箱本体に接続された塵芥収容箱と、
前記投入口から前記投入箱本体に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込む積込装置と、をさらに備え、
前記積込装置は、
前記投入箱本体の内部に配置され、上下方向に延びる摺動ガイドと、
前記摺動ガイドに沿って摺動可能に構成され、前記投入箱本体に投入された塵芥を巻き込んで移動させる摺動部材と、を備え、
前記第1アーム、前記第2アーム、前記第1連結部、前記第2連結部、前記第3連結部、および前記付勢部材は、側方視において、前記摺動ガイドと前記扉との間に配置されている、
請求項9に記載の塵芥収集車。
【請求項11】
前記第1アーム、前記第2アーム、前記第1連結部、前記第2連結部、前記第3連結部、および前記付勢部材の全部は、前記投入箱本体の内部に収容されている、
請求項10に記載の塵芥収集車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塵芥投入箱、および、それを備えた塵芥収集車に関する。
【背景技術】
【0002】
塵芥の投入口に扉が設けられた塵芥収集車が従来から知られている。例えば特許文献1には、塵芥投入口を開閉するスライド式の投入口カバーと、一端が投入口カバーの上端部に回動可能に連結されたリンク部材と、一端がリンク部材の他端に回動可能に連結され、他端が塵芥投入箱の側壁に回動可能に連結されたアーム部と、アーム部と塵芥投入箱とに係止された引っ張りコイルバネと、を備えた塵芥収集車が記載されている。特許文献1に記載の塵芥収集車では、投入口カバーの開閉は、投入口カバーに取り付けられた取っ手を持った作業者が手動で行うこととされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-183027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような塵芥収集箱では、塵芥の投入口の扉を開放する作業の前半では、引っ張りコイルばねのような付勢部材の補助により、適度な操作力で扉を開くことができる。しかし、扉を開放する作業の前半では、扉を持ち上げるための操作力が大きく増大する。本願発明者は、その理由を分析した。以下、図9および図10を利用して、本願発明者が見出した上記現象の理由を説明する。
【0005】
図9は、従来の塵芥投入箱120の断面図であって、テールゲート122を閉じた状態を示す図である。図10は、従来の塵芥投入箱120の断面図であって、テールゲート122を開いた状態を示す図である。図9に示すように、テールゲート122が閉状態またはそれに近い状態のときには、スプリング140がテールゲート122の移動を補助する力Fは、テールゲート122の移動方向と平行に近い角度に作用する。スプリング140の補助力Fは、アーム部131の回転軌道の接線方向に作用する。そのため、テールゲート122の開放操作当初、スプリング140による補助力Fの方向は、図9に示すように、テールゲート122の移動方向と平行に近い。これにより、テールゲート122の開放操作の前半において、作業者は少ない力でテールゲート122を上方に移動させることができる。
【0006】
しかし、テールゲート122が開状態に近づくと、スプリング140による補助力Fの方向とテールゲート122の移動方向とに大きな乖離が発生する。図10に示すように、テールゲート122が開状態に近づくと、アーム部131の回転軌道の接線方向、すなわち、補助力Fの方向は、テールゲート122の移動方向と大きく異なった方向となる。そのため、テールゲート122の開放操作の後半においては、スプリング140の補助が少なく、テールゲート122を持ち上げるための操作力が大きく増大する。図8のグラフG0は、従来の塵芥投入箱120におけるテールゲート122の開放操作時の操作力を示している。グラフG0に示すように、従来の塵芥投入箱120におけるテールゲート122の開放操時の操作力は、開放作業の中盤以降、急激に上昇する。
【0007】
アーム部131の根元側の連結部133の位置をより上方とすることにより、テールゲート122の開放作業の後半において操作力が大きくなることを抑制することはできる。しかし、かかる構成では、テールゲート122よりも上方にアーム部131およびリンク部材132が飛び出し、本来そこにあった部材の配置が難しくなる。また、アーム部131を長くすることによっても、開放作業の後半において操作力が大きくなることを抑制することができる。アーム部131を長くすれば、開放作業の後半においてもテールゲート122の開方向とスプリング140の補助力Fの方向との乖離が小さくなる。しかし、かかる構成では、アーム部131が長くなる分、塵芥投入箱120が大きくなる。または、塵芥投入箱120を大きくしないとすれば、アーム部131およびリンク部材132の収納が難しくなる。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、投入口の扉を開放する操作の後半における操作力を軽減でき、かつ、コンパクトな扉の開閉機構を有する塵芥投入箱を提案することである。また、かかる塵芥投入箱を備えた塵芥収集車を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の塵芥投入箱は、投入口が形成された箱状の投入箱本体と、前記投入口を上下方向に開閉する扉と、前記投入口に沿って上下方向に延在し、前記扉の移動を案内するガイド部と、前記扉および前記ガイド部よりも前記投入箱本体の内方に配置された第1アームと、前記扉および前記ガイド部よりも前記投入箱本体の内方に配置された第2アームと、前記第1アームの一端を前記投入箱本体に回転可能に連結する第1連結部と、前記第1アームの他端と前記第2アームの一端とを回転可能に連結する第2連結部と、前記第2アームの他端と前記扉の上端部とを回転可能に連結する第3連結部と、前記第2アームに一端が連結され、前記投入箱本体のうち前記第2アームよりも上方部分に他端が連結された付勢部材と、を備える。側方視において、前記扉が閉状態のときの前記第3連結部における前記扉の法線を第1法線と、前記扉が開状態のときの前記第3連結部における前記扉の法線を第2法線とするとき、側方視において、前記第1連結部は、前記第1法線と前記第2法線との間に配置されている。側方視において、前記第2連結部は、前記扉が閉状態、開状態、および閉状態と開状態との中間のとき前記第1法線と前記第2法線との間に位置する。かつ、前記第2連結部は、少なくとも前記扉が閉状態のとき前記第1連結部よりも前記第1法線寄りに位置する。
【0010】
上記塵芥投入箱によれば、扉が閉状態のとき、第2連結部は、第1法線上にある第3連結部よりも扉の開方向の前方に位置する。また、第2連結部は、扉が開状態のとき、第2法線上にある第3連結部よりも扉の開方向の後方に位置する。このように、第2アームの第3連結部に対する位置は、回動途中で、扉の開方向の前方から後方に変わる。これにより、回動途中から、付勢部材の補助力の方向と扉の開方向とを再び近づけることができる。そのため、投入口の扉を開放する操作の後半における操作力を軽減できる。かつ、上記塵芥投入箱によれば、第1連結部、第2連結部、および第3連結部の全てが常時、第1法線と第2法線との間に収まる。従って、第1アームおよび第2アームも常時、第1法線と第2法線との間に収まる。そのため、扉を開閉する機構をコンパクトにすることができる。
【0011】
本発明の好ましい一態様によれば、前記扉は、閉状態から開くと、前記第2連結部周りに上方に回動した後、前記第1連結部周りに上方に回動する。
【0012】
かかる態様によれば、扉が第2連結部周りに回動するときに第2アームも回動する。これにより、第2アームの第3連結部に対する位置が、扉の開方向の前方から後方に変わる。扉の当初の回動中心が第2連結部となるように構成することにより、第2アームの第3連結部に対する位置を回動途中で変えることができる。
【0013】
本発明の好ましい一態様によれば、前記第1アームは、前記扉を閉状態から開くと、前記第1連結部周りに下方に回動するかまたは不動であった後、上方に回動する。
【0014】
かかる態様によれば、扉を第2連結部周りに上方に回動させた後、第1連結部周りに上方に回動させることができる。
【0015】
本発明の好ましい一態様によれば、前記第3連結部は、少なくとも前記第1アームが上方に回動するようになった後は、前記第2連結部よりも上方に位置する。かかる態様によれば、少なくとも第1アームが上方に回動するようになった後は、付勢部材の付勢力を受けた第2アームによって扉が上方に押される。
【0016】
本発明の好ましい一態様によれば、前記第1連結部は、前記第1法線と前記第2法線との中央よりも前記第2法線寄りに配置されている。
【0017】
かかる態様によれば、第1連結部が第2法線の近くに配置されているため、扉の開放の終盤において付勢部材の補助力の方向と扉の開方向とが近くなる。これにより、扉の開放の終盤において扉の操作力の増大を抑制することができる。
【0018】
本発明の好ましい一態様によれば、前記第2連結部は、前記扉が閉状態のとき、前記第1法線と前記第2法線との中央よりも前記第1法線寄りに位置する。
【0019】
かかる態様によれば、第2連結部が第1法線の近くに配置されているため、扉の開放の初期において付勢部材の補助力の方向と扉の開方向とが近くなる。これにより、扉の開放の初期において扉の操作力を小さくすることができる。
【0020】
本発明の好ましい一態様によれば、前記第1アームは、前記第2アームよりも長い。
【0021】
かかる態様によれば、第1アームの長さに応じた力のモーメントが扉に作用し、扉が閉状態に近づくにつれて付勢部材の付勢力が弱まるのを補うことができる。
【0022】
本発明の好ましい一態様によれば、前記付勢部材の前記一端は、前記第2アームのうち、前記第2連結部と前記第3連結部との中央よりも前記第2連結部寄りの部分に連結されている。
【0023】
かかる態様によれば、投入箱本体の付勢部材が連結された部分と、第2アームの付勢部材が連結された部分との距離が長くなり、扉が閉状態に近づくことによる付勢部材の復元力の弱まりを抑制することができる。
【0024】
本発明の好ましい一態様に係る塵芥収集車は、上記した塵芥投入箱のいずれか一つを備えている。
【0025】
本発明の好ましい一態様に係る塵芥収集車は、前記投入箱本体に接続された塵芥収容箱と、前記投入口から前記投入箱本体に投入された塵芥を前記塵芥収容箱に積み込む積込装置と、をさらに備えている。前記積込装置は、前記投入箱本体の内部に配置され、上下方向に延びる摺動ガイドと、前記摺動ガイドに沿って摺動可能に構成され、前記投入箱本体に投入された塵芥を巻き込んで移動させる摺動部材と、を備えている。前記第1アーム、前記第2アーム、前記第1連結部、前記第2連結部、前記第3連結部、および前記付勢部材は、側方視において、前記摺動ガイドと前記扉との間に配置されている。
【0026】
かかる態様によれば、コンパクトに構成した第1アーム、第2アーム、第1連結部、第2連結部、第3連結部を摺動ガイドと扉との間に配置し、塵芥投入箱をコンパクトに構成することができる。
【0027】
本発明の好ましい一態様によれば、前記第1アーム、前記第2アーム、前記第1連結部、前記第2連結部、前記第3連結部、および前記付勢部材の全部は、前記投入箱本体の内部に収容されている
【0028】
かかる態様によれば、コンパクトに構成した第1アーム、第2アーム、第1連結部、第2連結部、第3連結部を全て塵芥投入箱に収容し、塵芥投入箱の防水性およびデザイン性を高めることができる。
【発明の効果】
【0029】
上記塵芥投入箱によれば、投入口の扉を開放する操作の後半における操作力を軽減でき、かつ、扉の開閉機構をコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】一実施形態に係る塵芥収集車の側面図である。
図2】塵芥収集車の背面図である。
図3】テールゲートを閉じた状態の塵芥投入箱の断面図である。
図4】リンクアームの側面図である。
図5】テールゲートを開いた状態の塵芥投入箱の断面図である。
図6】テールゲートの開放操作前半における塵芥投入箱の断面図である。
図7】テールゲートの回動中心が変わった後の塵芥投入箱の断面図である。
図8】実施形態に係る塵芥投入箱および従来の塵芥投入箱におけるテールゲート開放操作時の操作力を示すグラフである。
図9】従来の塵芥投入箱の断面図であって、テールゲートを閉じた状態を示す図である。
図10】従来の塵芥投入箱の断面図であって、テールゲートを開いた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[塵芥収集車の構成]
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、一実施形態に係る塵芥収集車10の側面図である。図2は、塵芥収集車10の背面図である。図1および図2に示すように、本実施形態に係る塵芥収集車10は、車台11と、車台11上に搭載された塵芥収容箱12と、塵芥収容箱12に後方から接続された塵芥投入箱20とを備えている。塵芥収容箱12の前方には運転台14が設けられている。図2に示すように、塵芥投入箱20の後面には、塵芥5の投入口21a(図3参照)を開閉するテールゲート22が設けられている。
【0032】
図3は、塵芥投入箱20の断面図である。図3は、テールゲート22を閉じた状態の塵芥投入箱20の断面図である。図3に示すように、塵芥投入箱20は、投入口21aが形成された箱状の投入箱本体21と、投入口21aを上下方向に開閉するテールゲート22と、を備えている。塵芥収容箱12は、投入箱本体21に接続されている。投入口21aは、投入箱本体21の後面に設けられている。テールゲート22は、作業者により手動で開閉される。テールゲート22の外側面の下部には、開閉作業において作業者が把持する把手23が設けられている。
【0033】
図3に示すように、投入箱本体21の内部には、投入口21aから投入箱本体21に投入された塵芥5を塵芥収容箱12に積み込む積込装置50が設けられている。図3に示すように、積込装置50は、摺動ガイド51と、摺動板52と、摺動シリンダ53と、圧縮板54と、揺動シリンダ55と、を備えている。
【0034】
摺動ガイド51は、投入箱本体21の内部に配置され、上下方向に延びている。ここでは、摺動ガイド51は、一対で構成され、投入箱本体21の左右の側壁に設けられている。摺動ガイド51は、斜め上下方向、詳しくは、後方に向かって下降傾斜するように延びている。摺動ガイド51は、摺動板52が係合する溝51aを備えている。ただし、摺動ガイド51の構成は、これに限定されない。摺動ガイド51は、例えば、上下方向に延びるガイドレールであってもよい。
【0035】
摺動板52は、摺動ガイド51に沿って摺動可能に構成されている。摺動板52は、摺動ガイド51の溝51aに摺動可能に係合した案内ローラ52aを備えている。摺動板52には、摺動シリンダ53が連結されている。摺動シリンダ53は、例えば、油圧シリンダである。摺動シリンダ53は、先端部が投入箱本体21の側壁に取り付けられたシリンダロッド53aと、摺動板52に連結されたシリンダチューブ53bとを備えている。摺動シリンダ53の伸縮動作により、摺動板52は摺動ガイド51に沿って上下に往復移動する。
【0036】
摺動板52の下端部には、圧縮板54が車体前後方向に揺動可能に支持されている。圧縮板54には、揺動シリンダ55が連結されている。揺動シリンダ55は、例えば、油圧シリンダである。揺動シリンダ55は、先端部が摺動板52に連結されたシリンダロッド55aと、圧縮板54に取り付けられたシリンダチューブ55bとを備えている。揺動シリンダ55の伸縮動作により、圧縮板54は前後に揺動する。
【0037】
積込装置50は、摺動板52が上昇位置にあるときに圧縮板54を後方に揺動させる反転工程と、圧縮板54が後方位置にあるときに摺動板52を下方に摺動させる下降工程と、摺動板52が下降位置にあるときに圧縮板54を前方に揺動させ、塵芥5を圧縮板54により圧縮する圧縮工程と、圧縮板54が前方位置にあるときに摺動板52を上方に摺動させ、圧縮した塵芥5を塵芥収容箱12に送り込む上昇工程と、を1サイクルとして動作する。摺動板52および圧縮板54は、摺動ガイド51に沿って摺動可能に構成され、投入箱本体21に投入された塵芥5を巻き込んで移動させる摺動部材の一例である。ただし、積込装置50の構成は、上記したものに限定されるわけではない。
【0038】
以下では、テールゲート22を開閉可能に支持する開閉機構について説明する。図3に示すように、塵芥投入箱20は、テールゲート22の移動を案内するガイド部25と、テールゲート22と投入箱本体21とに連結されたリンクアーム30と、テールゲート22の開動作を補助するスプリング40と、を備えている。
【0039】
ガイド部25は、投入口21aに沿って上下方向に延在し、テールゲート22の移動を案内する。ガイド部25は、ここでは、テールゲート22の前方および後方への動きを規制するガイド溝25aを備えている。テールゲート22は、ガイド溝25aに摺動自在に係合したローラ24を備えている。テールゲート22の開閉軌道は、ガイド部25により規定されている。
【0040】
図3に示すように、テールゲート22は、側方視において、外向きに(後方に向かって)凸した円弧状に構成されている。ガイド溝25aも、側方視において、テールゲート22の形状に対応した、外向きに凸の円弧状に構成されている。テールゲート22の開閉軌道は、概ね、円弧状のテールゲート22の仮想中心を中心とし、テールゲート22の円弧半径を半径とする円弧上を通っている。
【0041】
リンクアーム30は、テールゲート22の内壁の側からテールゲート22を支持している。リンクアーム30は、テールゲート22およびガイド部25よりも投入箱本体21の内方に配置されている。リンクアーム30は、積込装置50の摺動ガイド51よりも後方に配置されている。リンクアーム30は、側方視において、摺動ガイド51とテールゲート22との間に配置されている。リンクアーム30は、投入箱本体21に連結された第1アーム31と、テールゲート22に連結された第2アーム32と、を備えている。第1アーム31と第2アーム32とは連結されている。以下、投入箱本体21と第1アーム31との連結部を第1連結部33と、第1アーム31と第2アーム32との連結部を第2連結部34と、第2アーム32とテールゲート22との連結部を第3連結部35とも呼ぶ。第1連結部33~第3連結部35は、それぞれ、例えば、左右方向に延び回転軸となるピン等を備えている。
【0042】
第1連結部33は、第1アーム31の一端31aを投入箱本体21に回転可能に連結している。ここでは、投入箱本体21は、第1連結部33が設けられるとともに第1連結部33を介して第1アーム31を支持するアームブラケット26を備えている。図3に示すように、第1連結部33によってアームブラケット26に連結された第1アーム31の端部31aは、テールゲート22が閉状態では、第1アーム31の前端部であり、上端部である。第1アーム31は、第1連結部33周りに回動する。
【0043】
第2連結部34は、第1アーム31の他端31bと第2アーム32の一端32aとを回転可能に連結している。図3に示すように、第2連結部34によって第1アーム31に連結された第2アーム32の端部32aは、テールゲート22が閉じられた状態では、第2アーム32の前端である。第2アーム32は、第2連結部34周りに回動する。第3連結部35は、第2アーム32の他端32bとテールゲート22の上端部とを回転可能に連結している。ここで、テールゲート22の「上端部」とは、テールゲート22の最上部近傍、例えば、テールゲート22の最上部から全体長さの10%以内の範囲を指す。テールゲート22の「上端部」は、テールゲート22の最上部には限定されない。
【0044】
図4は、リンクアーム30の側面図である。図4に示すように、第1アーム31は、側面視において直線状に形成されている。第2アーム32は、端部32aを含む直線状の部分32c(ストレート部32cとも呼ぶ)と、端部32bを含む鉤状の部分32d(湾曲部32dとも呼ぶ)と、を備えている。第1アーム31の長さL1は、第2アーム32の長さL2よりも長い。第2アーム32の長さL2は、ここでは、ストレート部32cの伸長方向に関する長さである。第2アーム32のストレート部32cには、スプリング40の一端40a(図3参照)が係止されるスプリング係止部32eが設けられている。スプリング40の一端40aは、第2アーム32のうち、第2連結部34と第3連結部35との中央よりも第2連結部34寄りの部分に連結されている。
【0045】
図5は、テールゲート22を開いた状態の塵芥投入箱20の断面図である。図3および図5に示すように、テールゲート22の開放作業を行うと、テールゲート22は、前斜め上方に弧を描きながら移動する。以下では、テールゲート22を開くときの軌道の周方向をテールゲート22の開方向D1とも呼ぶ。また、テールゲート22を閉じるときの軌道の周方向をテールゲート22の閉方向D2とも呼ぶ。開方向D1と閉方向D2とは、互いに逆方向である。また、図3に示すように、以下では、側方視において、テールゲート22が閉状態のときの第3連結部35におけるテールゲート22の法線を第1法線N1と呼び、図5に示すように、テールゲート22が開状態のときの第3連結部35におけるテールゲート22の法線を第2法線N2と呼ぶ。第1法線N1と第2法線N2とは、テールゲート22の開閉軌道の仮想中心で交差する。
【0046】
図5に示すように、側方視において、第1連結部33は、第1法線N1と第2法線N2との間に配置されている。詳しくは、第1連結部33は、第1法線N1と第2法線N2との中央よりも第2法線N2寄りに配置されている。第3連結部35は、テールゲート22を開閉すると、テールゲート22の開閉軌道に沿って、第1法線N1上と第2法線N2上との間を移動する。第2連結部34も、テールゲート22の開閉操作に伴って移動する。テールゲート22開閉時のリンクアーム30の各部の動きの詳細は後述する。
【0047】
スプリング40は、側方視において、積込装置50の摺動ガイド51とテールゲート22との間に配置されている。スプリング40は、その復元力でテールゲート22の開放操作を補助する付勢部材の一例である。ただし、付勢部材は、スプリング40には限定されない。付勢部材は、例えば、比較的弱い力を出すように調整されたシリンダ等であってもよい。図3に示すように、スプリング40の一端40aは、第2アーム32に連結されている。端部40aは、スプリング40の下端であり、後端である。スプリング40の他端40bは、投入箱本体21のうち第2アーム32よりも上方部分に連結されている。端部40bは、スプリング40の上端であり、前端である。投入箱本体21の上部には、スプリング40の端部40bが係止されるスプリング係止部27が設けられている。スプリング40は、テールゲート22が開放された状態においてもなお自然長より長いように、伸ばされた状態で係止されている。
【0048】
リンクアーム30(第1アーム31、第2アーム32、第1連結部33、第2連結部34、第3連結部35)およびスプリング40は、側方視において、摺動ガイド51とテールゲート22との間に配置されている。本実施形態では、リンクアーム30およびスプリング40は、摺動ガイド51とテールゲート22との間の空間に収容されるようにコンパクトに構成されている。また、リンクアーム30およびスプリング40の全部は、投入箱本体21の内部に収容されている。例えば、投入箱本体21に開口部を設け、開口部からリンクアーム30の一部を投入箱本体21の外部に出すことも可能であるが、防水性およびデザイン性を確保するため、本実施形態では、リンクアーム30およびスプリング40の全部を投入箱本体21の内部に収容している。リンクアーム30およびスプリング40の全部を投入箱本体21の内部に収容することは、リンクアーム30をコンパクトに構成することにより可能となったものである。
【0049】
[テールゲート開放時のリンクアーム各部の動き]
以下では、テールゲート22開放時のリンクアーム30の各部の動きについて説明する。
【0050】
図3に示すように、第2連結部34は、テールゲート22が閉状態のとき、側面視において、第1法線N1と第2法線N2との間であって、かつ、第1連結部33よりも第1法線N1寄りに位置している。第2連結部34は、テールゲート22が閉状態のとき、第1連結部33よりも閉方向D2に位置している。ここでは、第2連結部34は、第1法線N1と第2法線N2との中央よりも第1法線N1寄りに位置している。このとき、第1アーム31は、第1連結部33から、テールゲート22と平行に近い角度で後方下がりに傾斜している。テールゲート22が閉状態のとき、第2連結部34は、第1連結部33よりも後方かつ下方に位置している。テールゲート22が閉状態のとき、第3連結部35は、第1法線N1上に位置している。第3連結部35は、第2連結部34よりもさらに後方に位置している。ここでは、第3連結部35は、第2連結部34よりも後方、かつ、第2連結部34と同程度の上下位置に位置している。第2アーム32は、このとき、後方に向かって概ね水平に延びている。
【0051】
図6は、テールゲート22の開放作業前半における塵芥投入箱20の断面図である。図3および図6に示すように、テールゲート22の開放操作当初、テールゲート22は、第2連結部34周りに上方に(左側面視において反時計回りに)回動する。このテールゲート22の前半の回動において、第1アーム31は、第1連結部33周りに下方に(左側面視において時計回りに)回動する。このときの第1アーム31の回動角度は僅かである。第1アーム31は、このとき不動であってもよい。図6において、二点鎖線で図示した第1アーム31は、テールゲート22が閉状態のときの第1アーム31を示しており、矢印は回動方向を示している。第2アーム32は、第2連結部34周りに上方に(左側面視において反時計回りに)回動する。図6において、二点鎖線で図示した第2アーム32は、テールゲート22が閉状態のときの第2アーム32を示しており、矢印は回動方向を示している。このように、テールゲート22の開放操作当初、テールゲート22は、実質的に、第2連結部34周りに上方に回動する。
【0052】
特許文献1に記載の塵芥投入箱120の説明において説明したのと同様に、スプリング40による補助力Fは、アームの回転軌跡の接線方向に作用する。この場合には、スプリング40による補助力Fは、第2アーム32の回転軌跡の接線方向に作用する。第2アーム32の回転軌跡の接線方向は、第2連結部34と第3連結部35とを結ぶ直線に直交する方向である。第2連結部34は、テールゲート22が閉状態のとき、第1連結部33よりも第1法線N1寄りに、また、第1法線N1と第2法線N2との中央よりも第1法線N1寄りに位置しており、第1法線N1と距離が近い。従って、テールゲート22の開放操作当初、第2連結部34と第3連結部35とを結ぶ直線と第1法線N1との間の角度の差は小さい。また、開放操作当初のテールゲート22の移動方向(開方向)D1は、第1法線N1と概ね直交している。従って、図6に示すように、開放操作当初、スプリング40による補助力Fの方向とテールゲート22の開方向D1との角度の差は小さい。そのため、スプリング40の復元力が効率良くテールゲート22に作用する。また、このときには、スプリング40は長く伸ばされている。そのため、スプリング40の復元力も大きい。それらの結果、テールゲート22の開放操作の前半において、作業者は少ない力でテールゲート22を上方に移動させることができる。
【0053】
図7は、図6よりもさらにテールゲート22を開いた状態を示す図であって、テールゲート22の回動中心が変わった後の塵芥投入箱20の断面図である。図7に示すように、テールゲート22の開放操作の中盤のある時点において、テールゲート22の回動中心および第1アーム31の回動方向は変化する。図7において、二点鎖線で図示した第1アーム31は、図6の状態のときの第1アーム31を示しており、矢印は回動方向を示している。図7において、二点鎖線で図示した第2アーム32は、図6の状態のときの第2アーム32を示しており、矢印は回動方向を示している。図6および図7に示すように、第1アーム31は、テールゲート22を閉状態から開くと、第1連結部33周りに下方に(左側面視において時計回りに)回動した(不動でもよい)後(図6参照)、上方に(左側面視において反時計回りに)回動する(図7参照)。第2アーム32は、テールゲート22と略平行となって(または、テールゲート22と当接して)回動しなくなるまでは上方に回動する。図5に示すように、第2アーム32が回動しなくなると、テールゲート22は、第1連結部33だけを中心に回動を始める。このように、テールゲート22は、閉状態から開くと、第2連結部34周りに上方に回動した後、第1連結部33周りに上方に回動する。
【0054】
図5および図7に示すように、テールゲート22の回動中心が変わった後、第2アーム32の下部は、次第にテールゲート22に接近し、第3連結部35を中心に下方(後方)に折り畳まれたようになる。第2アーム32は、回動の途中で、第3連結部35に対する位置をテールゲート22の開方向D1の前方から後方に(閉方向D2に)変える。第3連結部35は、少なくとも第1アーム31が上方に回動するようになった後は、第2連結部34よりも上方(開方向D1の前方)に位置する。図3および図5に示すように、テールゲート22が開状態となったとき、第2連結部34は、テールゲート22が閉状態のときよりも上方に位置する。第2連結部34は、テールゲート22が閉状態、開状態、および閉状態と開状態との中間のとき、つまり、常時、第1法線N1と第2法線N2との間に位置している。かつ、第2連結部34は、少なくともテールゲート22が閉状態のときには第1連結部33よりも第1法線N1寄りに(閉方向D2に)位置する。本実施形態では、第2連結部34は、テールゲート22が閉状態、開状態、および閉状態と開状態との中間のときの全てにおいて第1連結部33よりも第1法線N1寄りに位置する。ただし、テールゲート22の開閉機構は、テールゲート22がある程度以上に開放されると、第2連結部34が第1連結部33よりも第2法線N2寄りに(開方向D1に)位置するように構成されていてもよい。
【0055】
前述したように、スプリング40による補助力Fは、アームの回転軌道の接線方向に作用する。図5に示すように、第2アーム32が畳まれた後は、アームの回転軌道の接線方向は、第1連結部33と第3連結部35とを結ぶ直線に直交する方向となる。これにより、スプリング40による補助力Fの方向とテールゲート22の移動方向(開方向)D1とが近くなる。その結果、スプリング40の復元力が効率良くテールゲート22に作用する。
【0056】
また、本実施形態では、第1連結部33は、第1法線N1と第2法線N2との中央よりも第2法線N2寄りに位置しており、第2法線N2と距離が近い。従って、テールゲート22が閉状態に近づいた状態では、第1連結部33と第3連結部35とを結ぶ直線と第2法線N2との間の角度差は小さくなる。よって、図5に示すように、テールゲート22が閉状態に近づいた状態では、スプリング40による補助力Fの方向とテールゲート22の移動方向(開方向)D1とが近くなる。これによっても、スプリング40の復元力が効率良くテールゲート22に作用する。
【0057】
一方、テールゲート22が閉状態に近づいてくると、スプリング40の伸びは小さくなり、従って復元力も小さくなる。本実施形態では、これを補うため、スプリング40を第2アーム32に連結し、第1アーム31を第2アーム32よりも長くしている。これにより、第1アーム31の長さに応じた力のモーメントが作用し、スプリング40の復元力が弱まるのが補われる。さらに、本実施形態では、スプリング40は、第2アーム32の半分よりも第1アーム31寄りに連結されている。これにより、投入箱本体21のスプリング係止部27と第2アーム32のスプリング係止部32eとの距離が長くなる。本実施形態では、テールゲート22が閉状態に近づくと、第2アーム32の端部32aの方が端部32bよりも開方向D1の後方に位置する。これにより、スプリング40の復元力の弱まりを抑制できる。それらの結果、テールゲート22の開放操作の後半においても、作業者は少ない力でテールゲート22を上方に移動させることができる。
【0058】
[操作力の改善結果]
図8は、本実施形態に係る塵芥投入箱20および従来の塵芥投入箱120におけるテールゲート22(122)開放操作時の操作力を示すグラフである。図8のグラフG0は、従来の塵芥投入箱120におけるテールゲート122の開放操作時の操作力を示している。グラフG1は、本実施形態に係る塵芥投入箱20におけるテールゲート22の開放操作時の操作力を示している。図8のグラフG0に示すように、従来の塵芥投入箱120におけるテールゲート122の開放操時の操作力は、開放作業の中盤までは若干小さくなりながら概ね維持され、中盤以降、急激に上昇する。それに対し、図8のグラフG1に示すように、本実施形態に係る塵芥投入箱20では、テールゲート22の開放操作時の操作力は、開放作業の序盤でいったん小さくなり、その後上昇する。しかし、操作力の上昇は抑えられており、最終盤においても開放作業当初の操作力を大きく超えない。このように、本実施形態に係る塵芥投入箱20によれば、テールゲート22を開放する操作の後半における操作力を軽減できる。
【0059】
[スペース効率の改善]
従来の塵芥投入箱の説明において前述したように、リンクアームの根元側の連結部の位置をより上方とすることにより、テールゲートの開放作業の後半において操作力が非常に大きくなることを抑制することができる。しかし、かかる構成では、テールゲートよりも上方にリンクアームが飛び出し、本来そこにあった部材の配置が難しくなる。
【0060】
また、リンクアームを長くすることによっても、テールゲートの開放作業の後半において操作力が非常に大きくなることを抑制することができる。しかし、かかる構成では、リンクアームが長くなる分、塵芥投入箱が大きくなる。または、塵芥投入箱を大きくしないとすれば、リンクアームの収納が難しくなる。その結果、例えば、リンクアームの一部を塵芥投入箱の外部まで延ばし、塵芥投入箱の防水性およびデザイン性を低下させるようなことにもなり得る。
【0061】
本実施形態に係る塵芥収集車10では、第1連結部33、第2連結部34、および第3連結部35の位置関係によって、テールゲート22の開放作業の後半において操作力が大きくなることを抑制しつつ、リンクアーム30をコンパクトに構成している。本実施形態では、第1連結部33、第2連結部34、および第3連結部35は、いずれも、第1法線N1と第2法線N2との間、すなわち、テールゲート22の開閉軌道の内方に常時収容されている。言い換えると、リンクアーム30は、常時、テールゲート22の開閉軌道の内方に収容されている。よって、テールゲート22の上方に本来あった部材とリンクアーム30とが干渉することがない。また、テールゲート22の開放操作後半におけるスプリング40の補助力Fは、第2アーム32の第3連結部35に対する位置の変化により確保されているため、第1アーム31および第2アーム32を長くしなくてもよい。そのため、リンクアーム30を摺動ガイド51とテールゲート22との間に配置することが容易にできる。リンクアーム30とスプリング40の全部を投入箱本体21内に収容することも容易にできる。
【0062】
[他の実施形態]
以上、本発明の好適な一実施形態について説明した。しかし、上記実施形態は本発明の実施の形態の一例に過ぎない。本発明は他の種々の形態にて実施することができる。
【0063】
例えば、上記実施形態では、第1アーム31は直線状に、第2アーム32は鉤状に構成されていた。しかし、第1アーム31および第2アーム32の形状は、機能を果たす限りにおいて特に限定されない。テールゲート22の形状も限定されない。テールゲート22は、例えば、断面円弧状ではなく、平板状に構成されていてもよい。その場合、テールゲート22の開閉軌道は、側方視において直線状であってもよい。
【0064】
上記実施形態では、第2アーム32の回動は、第2アーム32がテールゲート22と略平行になること、または、テールゲート22と当接することにより止まった。しかし、第2アーム32の回動は、第2アーム32の回動範囲を規制する第2連結部34の回り止め機構によって止められてもよい。
【0065】
その他、特に言及がない限り、実施形態は本発明を限定しない。例えば、積込装置50の構成は特に限定されない。
【符号の説明】
【0066】
10 塵芥収集車
12 塵芥収容箱
20 塵芥投入箱
21 投入箱本体
21a 投入口
22 テールゲート(扉)
25 ガイド部
30 リンクアーム
31 第1アーム
32 第2アーム
33 第1連結部
34 第2連結部
35 第3連結部
40 スプリング(付勢部材)
50 積込装置
51 摺動ガイド
N1 第1法線
N2 第2法線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10