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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142005
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】カラオケシステム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053937
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 政之
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CF05
5D208CG07
5D208CG10
(57)【要約】
【課題】カラオケ歌唱を支援する視点でガイドボーカルを評価することが可能なカラオケシステムを提供する。
【解決手段】利用者識別情報、楽曲識別情報、及び採点値に対し、再生情報を対応付けて記憶させる記憶処理部、ある楽曲の楽曲識別情報に対応付けられている利用者識別情報の中から、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報がそれぞれ所定数以上対応付けられている利用者識別情報を抽出する抽出部、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量を算出する算出部、採点値の統計量に基づいて、ある楽曲のガイドボーカルの評価を行う評価部を有するカラオケシステム。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲をカラオケ歌唱した利用者の利用者識別情報、当該楽曲の楽曲識別情報、及び当該カラオケ歌唱の採点値に対し、当該カラオケ歌唱を行う際にガイドボーカルを再生したかどうかを示す再生情報を対応付けて記憶手段に記憶させる記憶処理部と、
ある楽曲が指定された場合、当該ある楽曲の楽曲識別情報に対応付けられている利用者識別情報の中から、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報がそれぞれ所定数以上対応付けられている利用者識別情報を抽出する抽出部と、
抽出された前記利用者識別情報に対応付けられている採点値について、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量を算出する算出部と、
算出された、前記ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及び前記ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量に基づいて、前記ある楽曲のガイドボーカルの評価を行う評価部と、
を有するカラオケシステム。
【請求項2】
前記記憶処理部は、カラオケ歌唱の採点値を歌唱区間毎に記憶させ、
前記算出部は、前記採点値の統計量を前記ある楽曲の所定の歌唱区間毎に算出し、
前記評価部は、前記ある楽曲のガイドボーカルを歌唱区間毎に評価することを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記記憶処理部は、楽曲のカラオケ歌唱を行う際にガイドボーカルが再生された場合、当該ガイドボーカルのガイドボーカル識別情報を、当該楽曲の楽曲識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶させ、
前記算出部は、前記ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及び前記ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量を、前記ガイドボーカル識別情報毎に算出し、
前記評価部は、算出された前記ガイドボーカル識別情報毎の統計量に基づいて、ガイドボーカル毎に評価を行うことを特徴とする請求項1または2記載のカラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置は、カラオケ歌唱を支援する機能としてガイドボーカル機能を備える。ガイドボーカル機能は、予め登録されたガイドボーカル(たとえば、プロの歌手等による歌唱)を楽曲の伴奏と併せて再生するものである。カラオケ装置の利用者は、ガイドボーカルをお手本とすることにより、あまり知らない楽曲であっても気軽に歌唱できる。
【0003】
ここで、特許文献1には、より人間的で採点結果が高得点となるガイドボーカルを生成するガイドボーカル生成装置及びガイドボーカル生成方法が開示されている。また、特許文献2には、採点結果が所定の点数以上である歌唱を審査し、ガイドボーカルとして登録する条件を満たしていると判断した場合には、これを全カラオケ装置に対してガイドボーカルとして公開し、ダウンロードして利用できるようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-087617号公報
【特許文献2】特開2003-091291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、プロの歌手等による歌唱のように、聴衆に上手く聴こえたり感動を与えたりする歌唱音声が、必ずしもカラオケ歌唱を支援するガイドボーカルとして有効であるとは限らない。同様に、特許文献1や特許文献2の技術を用いて得られるガイドボーカルは、ガイドボーカル自体の採点結果は高い(すなわち、ガイドボーカル自体の質は高い)が、それを利用したカラオケ歌唱の採点結果が必ずしも高くなるとは限らない。
【0006】
本発明の目的は、カラオケ歌唱を支援する視点でガイドボーカルを評価することが可能なカラオケシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための一の発明は、楽曲をカラオケ歌唱した利用者の利用者識別情報、当該楽曲の楽曲識別情報、及び当該カラオケ歌唱の採点値に対し、当該カラオケ歌唱を行う際にガイドボーカルを再生したかどうかを示す再生情報を対応付けて記憶手段に記憶させる記憶処理部と、ある楽曲が指定された場合、当該ある楽曲の楽曲識別情報に対応付けられている利用者識別情報の中から、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報がそれぞれ所定数以上対応付けられている利用者識別情報を抽出する抽出部と、抽出された前記利用者識別情報に対応付けられている採点値について、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量を算出する算出部と、算出された、前記ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及び前記ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量に基づいて、前記ある楽曲のガイドボーカルの評価を行う評価部と、を有するカラオケシステムである。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カラオケ歌唱を支援する視点でガイドボーカルを評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
図2】実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
図3】実施形態に係るテーブルを示す図である。
図4】実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
図5】変形例に係るテーブルを示す図である。
図6】変形例に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
図1図4を参照して、実施形態に係るカラオケシステムについて説明する。本実施形態におけるカラオケシステムは、一のカラオケ装置により構成される。
【0011】
==カラオケ装置==
カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。図1に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0012】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は利用者のカラオケ歌唱の歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。
【0013】
図2に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0014】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。
【0015】
楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ、区間情報等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、カラオケ演奏された楽曲の歌唱旋律を示すデータであって、利用者によるカラオケ歌唱を評価する際に用いられるデータである。区間情報は、演奏区間を示す。演奏区間は、カラオケ演奏が行われる区間である。演奏区間は、歌唱区間及び非歌唱区間を含む。歌唱区間は、楽曲において歌唱すべき歌詞が設定されている区間(たとえば、1番のAメロ、Bメロ、サビ)である。非歌唱区間は、たとえば前奏、間奏、後奏のような、楽曲において歌唱すべき歌詞が設定されていない区間である。
【0016】
記憶手段10aは、各楽曲に対応する歌詞をカラオケ演奏に合わせて表示装置30等に表示させるための歌詞データ、カラオケ演奏時に表示装置30等に表示される背景映像等の背景映像データ、楽曲の属性情報(楽曲名、歌手名、ジャンル、演奏時間等)、及び楽曲のガイドボーカルを再生するためのガイドボーカルデータを記憶する。ガイドボーカルデータは、個々のガイドボーカルを特定するためのガイドボーカル識別情報が付与されている。ガイドボーカル識別情報は、ガイドボーカルを識別するためのガイドボーカルID等、各ガイドボーカルに固有の情報である。
【0017】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、リモコン装置50との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が各種の操作入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0018】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイク40を通じて入力された音声信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0019】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0020】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、記憶処理部100、抽出部200、算出部300、及び評価部400として機能する。
【0021】
(記憶処理部)
記憶処理部100は、楽曲をカラオケ歌唱した利用者の利用者識別情報、当該楽曲の楽曲識別情報、及び当該カラオケ歌唱の採点値に対し、当該カラオケ歌唱を行う際にガイドボーカルを再生したかどうかを示す再生情報を対応付けて記憶手段10aに記憶させる。
【0022】
利用者識別情報は、利用者を識別するための利用者ID等、各利用者に固有の情報である。カラオケ歌唱の採点値は、カラオケ装置Kが備える公知の採点機能を利用して得られた値である。採点値は、たとえば100点を満点とする数値で示すことができる。再生情報は、ガイドボーカルの再生有無に応じて決定される情報である。具体的に、再生情報は、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報またはガイドボーカルの再生なしを示す再生情報のいずれかである。
【0023】
たとえば、カラオケ歌唱を希望する利用者U1は、リモコン装置50等を操作し、自己の利用者ID***U1を入力する。カラオケ装置Kは、入力された利用者ID***U1を記憶手段10aに登録することにより、ログインを完了する。その後、利用者U1は、リモコン装置50等を操作し、楽曲X1の選曲及びガイドボーカルのありなしの選択を行う。カラオケ装置Kは、選曲された楽曲X1の楽曲ID***X1に基づいて楽曲X1の伴奏データを記憶手段10aから読み出す。またガイドボーカルありが選択された場合、カラオケ装置Kは、選曲された楽曲X1の楽曲ID***X1に基づいて楽曲X1のガイドボーカルデータを記憶手段10aから読み出す。
【0024】
カラオケ装置Kは、演奏手段10dを制御し、伴奏データに基づくカラオケ演奏音及びガイドボーカルデータに基づくガイドボーカルをスピーカ20から放音させる。利用者U1は、カラオケ演奏音及びガイドボーカルに合わせてカラオケ歌唱を行う。カラオケ装置Kは、採点機能を用いて利用者U1のカラオケ歌唱の評価を行い、採点値P1を求める。
【0025】
記憶処理部100は、楽曲X1をカラオケ歌唱した利用者U1の利用者ID***U1、楽曲X1の楽曲ID***X1、及び利用者U1の楽曲X1のカラオケ歌唱の採点値P1に対し、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報を対応付けて記憶手段10aに記憶させる。
【0026】
一方、ガイドボーカルなしが選択された場合、カラオケ装置Kは、演奏手段10dを制御し、伴奏データに基づくカラオケ演奏音をスピーカ20から放音させる。利用者U1は、カラオケ演奏音に合わせてカラオケ歌唱を行う。カラオケ装置Kは、採点機能を用いて利用者U1のカラオケ歌唱の評価を行い、採点値P3を求める。
【0027】
記憶処理部100は、楽曲X1をカラオケ歌唱した利用者U1の利用者ID***U1、楽曲X1の楽曲ID***X1、及び利用者U1の楽曲X1のカラオケ歌唱の採点値P3に対し、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報を対応付けて記憶手段10aに記憶させる。
【0028】
図3は、記憶手段10aに記憶されている利用者識別情報、楽曲識別情報、カラオケ歌唱の採点値、及び再生情報のテーブルの一例である。図3の例において、一の楽曲識別情報に対し、複数の利用者識別情報が対応付けられている。また一の利用者識別情報に対して、複数の採点値及び再生情報が対応付けられている。なお、テーブル中の歌唱日時は、利用者が楽曲のカラオケ歌唱を行った日時である。
【0029】
なお、記憶処理部100は、カラオケ装置Kと通信可能に接続された他のカラオケ装置から受信した利用者識別情報、楽曲識別情報、カラオケ歌唱の採点値、及び再生情報を、記憶手段10aに記憶させてもよい。
【0030】
(抽出部)
抽出部200は、ある楽曲が指定された場合、当該ある楽曲の楽曲識別情報に対応付けられている利用者識別情報の中から、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報がそれぞれ所定数以上対応付けられている利用者識別情報を抽出する。
【0031】
所定数は、たとえば「ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報:40、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報:40」や「ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報:30、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報:20」のように予め一の条件が設定されている。ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報の数とガイドボーカルの再生なしを示す再生情報の数とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。一方、ガイドボーカルのより正確な評価を行うためには、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報の数と、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報の数との差が極端でないこと(たとえば、一方の数に対する他方の数が2倍未満であること)が好ましい。
【0032】
たとえば、カラオケ事業者が、カラオケ装置Kに記憶されているある楽曲のガイドボーカルの評価をチェックしようと考えたとする。この場合、カラオケ事業者は、リモコン装置50を操作し、ガイドボーカルのチェックモードを選択した上で、ある楽曲を指定する。
【0033】
抽出部200は、記憶処理部100により記憶手段10aに記憶された各種情報が登録されているテーブルを参照し、ある楽曲の楽曲識別情報に対応付けられている利用者識別情報の中から、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報がそれぞれ所定数以上対応付けられている利用者識別情報を抽出する。
【0034】
抽出部200は、少なくとも1つの利用者識別情報を抽出することができる。一方、該当する利用者識別情報がない場合、抽出部200は、所定のメッセージ(たとえば「該当する利用者識別情報がないため、指定した楽曲のガイドボーカルの評価はできません」)をリモコン装置50の表示画面に表示させることができる。
【0035】
(算出部)
算出部300は、抽出された利用者識別情報に対応付けられている採点値について、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量を算出する。
【0036】
算出部300は、抽出された利用者識別情報に対応付けられている採点値のうち、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その統計量を算出する。同様に、算出部300は、抽出された利用者識別情報に対応付けられている採点値のうち、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その統計量を算出する。統計量は、たとえば平均値である。
【0037】
抽出された利用者識別情報が複数ある場合、算出部300は、利用者識別情報毎に、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量を算出する(詳細は後述)。
【0038】
(評価部)
評価部400は、算出された、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量に基づいて、ある楽曲のガイドボーカルの評価を行う。
【0039】
ガイドボーカルの評価は、たとえばガイドボーカル寄与度に基づいて行うことができる。ガイドボーカル寄与度は、ガイドボーカルを利用しなかった場合のカラオケ歌唱の採点値とガイドボーカルを利用した場合のカラオケ歌唱の採点値の比率である。たとえば、ガイドボーカル寄与度は、ガイドボーカルを利用した場合のカラオケ歌唱の採点値の統計量を、ガイドボーカルを利用しなかった場合のカラオケ歌唱の採点値の統計量で除した数値とすることができる。この場合、あるガイドボーカルにおけるガイドボーカル寄与度が1より大きくなればなるほど、当該あるガイドボーカルはカラオケ歌唱の採点値を向上させる効果があるといえる。以上より、ガイドボーカル寄与度が高い場合には、ガイドボーカルとしての評価も高いといえる。
【0040】
評価部400は、算出部300により算出された、ある楽曲のガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びある楽曲のガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量からガイドボーカル寄与度を求め、当該ガイドボーカル寄与度に応じてある楽曲のガイドボーカルの評価を行う。
【0041】
評価部400は、評価をカラオケ事業者に対して提示することができる。評価の提示は、たとえばリモコン装置50等の表示画面に評価の値を表示させることにより行うことができる。
【0042】
抽出された利用者識別情報が複数ある場合、評価部400は、利用者識別情報毎に、ガイドボーカル寄与度を求める。評価部400は、求めた複数のガイドボーカル寄与度に基づいて、ガイドボーカルの評価を行う(詳細は後述)。
【0043】
==カラオケ装置Kの動作について==
次に、図4を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。図4は、カラオケ装置Kの動作例を示すフローチャートである。この例において記憶手段10aは図3に示すテーブルを記憶しているとする。
【0044】
カラオケ事業者は、リモコン装置50を操作し、ガイドボーカルのチェックモードを選択した上で楽曲X1を指定する(ステップ10)。
【0045】
抽出部200は、楽曲X1の楽曲IDに対応付けられている利用者IDの中から、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報がそれぞれ所定数以上対応付けられている利用者IDを抽出する(ステップ11)。
【0046】
算出部300は、ステップ11で抽出された利用者IDに対応付けられている採点値について、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量を算出する(ステップ12)。
【0047】
評価部400は、ステップ12で算出された、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量に基づいて、楽曲X1のガイドボーカルの評価を行う(ステップ13)。
【0048】
具体的に、抽出部200は、図3のテーブルを参照し、楽曲X1の楽曲IDに対応付けられている利用者IDの中から、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が30以上、且つガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が20以上対応付けられている利用者IDを抽出する。この例では、複数の利用者ID(利用者U1の利用者ID***U1、利用者U2の利用者ID***U2、利用者U3の利用者ID***U3、・・・・利用者UNの利用者ID***UN、のN個の利用者ID)が抽出されたとする。
【0049】
算出部300は、抽出された利用者IDに対応付けられている採点値について、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量を、利用者ID毎に算出する。
【0050】
たとえば、算出部300は、利用者ID***U1に対応付けられている複数の採点値P1~Pnのうち、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値(P1、P2、P4、・・・・Pn)を特定し、その平均値GVo_U1を算出する。また、算出部300は、利用者ID***U1に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値(P3、P5、P6、・・・・Pn-1)を特定し、その平均値GVx_U1を算出する。
【0051】
同様に、算出部300は、利用者ID***U2に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVo_U2を算出する。また、算出部300は、利用者ID***U2に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVx_U2を算出する。また、算出部300は、利用者ID***U3に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVo_U3を算出する。また、算出部300は、利用者ID***U3に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVx_U3を算出する。また、算出部300は、利用者ID***UNに対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVo_UNを算出する。また、算出部300は、利用者ID***UNに対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVx_UNを算出する。
【0052】
評価部400は、算出部300により算出された、楽曲X1のガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びある楽曲のガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量からガイドボーカル寄与度を、利用者ID毎に求める。
【0053】
たとえば、評価部400は、利用者ID***U1について、算出部300が算出した平均値GVo_U1及び平均値GVx_U1に基づいて、上述したようにガイドボーカル寄与度GVC_U1(=GVo_U1/GVx_U1)を求める。同様に、評価部400は、利用者ID***U2について、算出部300が算出した平均値GVo_U2及び平均値GVx_U2に基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_U2(=GVo_U2/GVx_U2)を求める。また、評価部400は、利用者ID***U3について、算出部300が算出した平均値GVo_U3及び平均値GVx_U3に基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_U3(=GVo_U3/GVx_U3)を求める。評価部400は、利用者ID***UNについて、算出部300が算出した平均値GVo_UN及び平均値GVx_UNに基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_UN(=GVo_UN/GVx_UN)を求める。
【0054】
評価部400は、複数のガイドボーカル寄与度の平均値GVC_Avを求め、平均値GVC_Avを楽曲X1のガイドボーカルの評価Evとして決定する。評価部400は、決定した評価Evをカラオケ事業者に対して提示する。
【0055】
なお、上記例のように複数のガイドボーカル寄与度が求められた場合、評価部400は、全てのガイドボーカル寄与度の平均値を求める代わりに、両端値を除いた平均値を求めてもよい。
【0056】
また、上記例では、抽出部200により抽出される利用者IDが複数ある場合について説明を行った。一方、抽出された利用者IDが1つである場合においても上記処理を行うことができる。この場合、評価部400が求めたガイドボーカル寄与度がそのままガイドボーカルの評価となる。また、抽出部200は、複数の利用者IDを抽出した場合において、再生情報の数が最も多い一の利用者IDを特定し、特定した当該利用者IDに応じて上記の処理を行うことも可能である。
【0057】
また、ガイドボーカルの評価は歌唱区間毎に行うことができる。この場合、記憶処理部100は、カラオケ歌唱の採点値を歌唱区間毎に記憶させる。算出部300は、採点値の統計量をある楽曲の所定の歌唱区間毎に算出する。評価部400は、ある楽曲のガイドボーカルを歌唱区間毎に評価する。
【0058】
たとえば、楽曲X1は、歌唱区間T1、T2、T3、・・・Tnからなるとする。また、上述の利用者ID***U1に対応付けられている採点値P1は、歌唱区間毎の採点値P1_1、P1_2、・・・P1_nを含むとする(採点値P1は、採点値P1_1、P1_2、・・・P1_nの平均値である)。同様に、採点値P2は、歌唱区間毎の採点値P2_1、P2_2、・・・P2_nを含み、採点値Pnは、歌唱区間毎の採点値Pn_1、Pn_2、・・・Pn_nを含むとする。この場合、算出部300は、歌唱区間T1のガイドボーカルを利用した場合のカラオケ歌唱の採点値(たとえばP1_1、P2_1、・・・・Pn_1)を特定し、その平均値GVo_U1_T1を算出する。また、上述の利用者ID***U1に対応付けられている採点値P3は、歌唱区間毎の採点値P3_1、P3_2、・・・P3_nを含み、採点値P5は、歌唱区間毎の採点値P5_1、P5_2、・・・P5_nを含み、採点値Pn-1は、歌唱区間毎の採点値Pn-1_1、Pn-1_2、・・・Pn-1_nを含むとする。この場合、算出部300は、歌唱区間T1のガイドボーカルを利用しなかった場合のカラオケ歌唱の採点値(たとえばP3_1、P5_1、・・・・Pn-1_1)を特定し、その平均値GVx_U1_T1を算出する。
【0059】
同様に、算出部300は、平均値GVo_U2_T1及び平均値GVx_U2_T1、平均値GVo_U3_T1及び平均値GVx_U3_T1、・・・平均値GVo_UN_T1及び平均値GVx_UN_T1を算出する。
【0060】
評価部400は、利用者ID***U1について、算出部300が算出した歌唱区間T1の平均値GVo_U1_T1及び平均値GVx_U1_T1に基づいて、歌唱区間T1のガイドボーカル寄与度GVC_U1_T1(=GVo_U1_T1/GVx_U1_T1)を求める。
【0061】
同様に、評価部400は、利用者ID***U2について、算出部300が算出した平均値GVo_U2_T1及び平均値GVx_U2_T1に基づいて、歌唱区間T1のガイドボーカル寄与度GVC_U2_T1(=GVo_U2_T1/GVx_U2_T1)を求める。また、評価部400は、利用者ID***U3について、算出部300が算出した平均値GVo_U3_T1及び平均値GVx_U3_T1に基づいて、歌唱区間T1のガイドボーカル寄与度GVC_U3_T1(=GVo_U3_T1/GVx_U3_T1)を求める。評価部400は、利用者ID***UNについて、算出部300が算出した平均値GVo_UN_T1及び平均値GVx_UN_T1に基づいて、歌唱区間T1のガイドボーカル寄与度GVC_UN_T1(=GVo_UN_T1/GVx_UN_T1)を求める。
【0062】
評価部400は、歌唱区間T1の複数のガイドボーカル寄与度の平均値GVC_Av_T1を求め、平均値GVC_Av_T1を楽曲X1の歌唱区間T1のガイドボーカルの評価Ev_T1として決定する。評価部400は、楽曲X1の歌唱区間(歌唱区間T1、T2、T3、・・・Tn)毎にガイドボーカルの評価を求める。
【0063】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、楽曲をカラオケ歌唱した利用者の利用者識別情報、当該楽曲の楽曲識別情報、及び当該カラオケ歌唱の採点値に対し、当該カラオケ歌唱を行う際にガイドボーカルを再生したかどうかを示す再生情報を対応付けて記憶手段10aに記憶させる記憶処理部100と、ある楽曲が指定された場合、当該ある楽曲の楽曲識別情報に対応付けられている利用者識別情報の中から、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報がそれぞれ所定数以上対応付けられている利用者識別情報を抽出する抽出部200と、抽出された利用者識別情報に対応付けられている採点値について、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量を算出する算出部300と、算出された、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量に基づいて、ある楽曲のガイドボーカルの評価を行う評価部400と、を有する。
【0064】
このようなカラオケ装置Kによれば、ある楽曲のカラオケ歌唱において、利用者がガイドボーカルを利用した場合に得られた採点値、及び利用者がガイドボーカルを利用しなかった場合に得られた採点値に基づいて、当該ある楽曲のガイドボーカルの評価を行うことができる。ここで、カラオケ歌唱の支援に適切なガイドボーカルを利用した場合、採点値は高くなる。よって、ガイドボーカルとしての評価も高くなる。一方、ガイドボーカル自体の質が高くとも、カラオケ歌唱の支援に適切ではないガイドボーカルを利用した場合、採点値は低くなる。よって、ガイドボーカルとしての評価は低くなる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、カラオケ歌唱を支援する視点でガイドボーカルを評価することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る記憶処理部100は、カラオケ歌唱の採点値を歌唱区間毎に記憶させ、算出部300は、採点値の統計量をある楽曲の所定の歌唱区間毎に算出し、評価部400は、ある楽曲のガイドボーカルを歌唱区間毎に評価することができる。この場合、歌唱区間毎に得られた評価に基づいて、たとえばガイドボーカルの評価が低い歌唱区間のデータを修正したり、差し替えたりすることができる。すなわち、このようなカラオケ装置Kによれば、カラオケ歌唱の支援により適したガイドボーカルを提供できる。
【0066】
<変形例>
上記実施形態では、一の楽曲に対して一のガイドボーカルデータが対応付けられている例について述べた。一方で、一の楽曲に対して複数のガイドボーカルデータが対応付けられている場合もありうる。たとえば、カラオケ事業者は、初めに一の楽曲に対してガイドボーカルの候補となる複数のガイドボーカルデータを対応付けておき、それぞれのガイドボーカルの評価に基づいて最終的に一のガイドボーカルデータを決定することができる。
【0067】
==カラオケ装置==
(記憶処理部)
本変形例に係る記憶処理部100は、楽曲のカラオケ歌唱を行う際にガイドボーカルが再生された場合、当該ガイドボーカルのガイドボーカル識別情報を、当該楽曲の楽曲識別情報に対応付けて記憶手段10aに記憶させる。
【0068】
たとえば、カラオケ歌唱を希望する利用者U1は、リモコン装置50等を操作し、自己の利用者ID***U1を入力する。カラオケ装置Kは、入力された利用者ID***U1を記憶手段10aに登録することにより、ログインを完了する。その後、利用者U1は、リモコン装置50等を操作し、楽曲X1の選曲及びガイドボーカルのありなしの選択を行う。カラオケ装置Kは、選曲された楽曲X1の楽曲ID***X1に基づいて楽曲X1の伴奏データを記憶手段10aから読み出す。ここで、ガイドボーカルありが選択された場合、カラオケ装置Kは、選曲された楽曲X1の楽曲ID***X1に基づいて楽曲X1に対応付けられている複数のガイドボーカルデータのうち、一のガイドボーカルデータGV1を記憶手段10aから読み出す。カラオケ装置Kは、予め決められた順序に応じて一のガイドボーカルデータを読み出してもよいし、ランダムに一のガイドボーカルデータを読み出してもよい。
【0069】
カラオケ装置Kは、演奏手段10dを制御し、伴奏データに基づくカラオケ演奏音及び一のガイドボーカルデータGV1に基づくガイドボーカルをスピーカ20から放音させる。利用者U1は、カラオケ演奏音及びガイドボーカルに合わせてカラオケ歌唱を行う。カラオケ装置Kは、採点機能を用いて利用者U1のカラオケ歌唱の評価を行い、採点値P1を求める。
【0070】
記憶処理部100は、楽曲X1をカラオケ歌唱した利用者U1の利用者ID***U1、楽曲X1の楽曲ID***X1、利用者U1の楽曲X1のカラオケ歌唱の採点値P1に対し、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報と、ガイドボーカルデータGV1に基づくガイドボーカルのガイドボーカルID***GV1を対応付けて記憶手段10aに記憶させる。
【0071】
図5は、本変形例に係る記憶手段10aに記憶されている利用者識別情報、楽曲識別情報、カラオケ歌唱の採点値、再生情報、及びガイドボーカル識別情報のテーブルの一例である。図5の例において、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報に対しては、利用したガイドボーカルのガイドボーカルIDが対応付けられている。
【0072】
(算出部)
本変形例に係る算出部300は、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量を、ガイドボーカル識別情報毎に算出する。
【0073】
算出部300は、抽出された利用者識別情報に対応付けられているガイドボーカル識別情報を参照し、ガイドボーカル識別情報毎に採点値を読み出す。その後、算出部300は、一のガイドボーカル識別情報について、実施形態と同様、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その統計量を算出する。また、算出部300は、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その統計量を算出する。
【0074】
算出部300は、他のガイドボーカル識別情報についても同様の処理を行い、採点値の統計量を算出する。
【0075】
抽出された利用者識別情報が複数ある場合、算出部300は、利用者識別情報毎、且つガイドボーカル識別情報毎に、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量を算出する(詳細は後述)。
【0076】
(評価部)
本変形例に係る評価部400は、算出されたガイドボーカル識別情報毎の統計量に基づいて、ガイドボーカル毎に評価を行う。
【0077】
評価部400は、算出部300により算出された、ある楽曲の一のガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びある楽曲の一のガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量から、一のガイドボーカルのガイドボーカル寄与度を求め、当該ガイドボーカル寄与度に応じてある楽曲の一のガイドボーカルの評価を行う。
【0078】
評価部400は、他のガイドボーカル識別情報についても同様の処理を行い、各ガイドボーカルの評価を行う。評価部400は、各ガイドボーカルの評価を提示することができる。或いは、評価部400は、評価が最も高いガイドボーカルの評価のみを提示することができる。
【0079】
抽出された利用者識別情報が複数ある場合、評価部400は、利用者識別情報毎、且つガイドボーカル識別情報毎に、ガイドボーカル寄与度を求める。評価部400は、求めた複数のガイドボーカル寄与度に基づいて、ガイドボーカルの評価を行う(詳細は後述)。
【0080】
==カラオケ装置Kの動作について==
次に、図6を参照して本変形例におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。図6は、カラオケ装置Kの動作例を示すフローチャートである。この例において記憶手段10aは図5に示すテーブルを記憶しているとする。また、楽曲X1には、3つのガイドボーカルデータGV1~GV3(ガイドボーカルID***GV1~ID***GV3)が対応付けられているとする。
【0081】
カラオケ事業者は、リモコン装置50を操作し、ガイドボーカルのチェックモードを選択した上で楽曲X1を指定する(ステップ20)。
【0082】
抽出部200は、楽曲X1の楽曲IDに対応付けられている利用者IDの中から、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報がそれぞれ所定数以上対応付けられている利用者IDを抽出する(ステップ21)。
【0083】
算出部300は、ステップ21で抽出された利用者IDに対応付けられている採点値について、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量を、利用者識別情報毎且つガイドボーカル識別情報毎に算出する(ステップ22)。
【0084】
評価部400は、ステップ22で算出されたガイドボーカル識別情報毎の統計量に基づいて、楽曲X1のガイドボーカル毎に評価を行う(ステップ23)。
【0085】
具体的に、抽出部200は、図5のテーブルを参照し、楽曲X1の楽曲IDに対応付けられている利用者IDの中から、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が30以上、且つガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が20以上対応付けられている利用者IDを抽出する。この例では、複数の利用者ID(利用者U1の利用者ID***U1、利用者U2の利用者ID***U2、利用者U3の利用者ID***U3、・・・・利用者UNの利用者ID***UN、のN個の利用者ID)が抽出されたとする。
【0086】
算出部300は、抽出された利用者IDに対応付けられている採点値について、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量をガイドボーカルID毎且つガイドボーカルID毎に算出する。
【0087】
たとえば、算出部300は、利用者ID***U1に対応付けられている複数の採点値P1~Pnのうち、ガイドボーカルID***GV1及びガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値(P1、・・・・)を特定し、その平均値GVo_U1_GV1を算出する。また、算出部300は、利用者ID***U1に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値(P3、P5、P6、・・・・Pn-1)を特定し、その平均値GVx_U1を算出する。
【0088】
また、算出部300は、利用者ID***U1に対応付けられている複数の採点値P1~Pnのうち、ガイドボーカルID***GV2及びガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値(P2、・・・・Pn)を特定し、その平均値GVo_U1_GV2を算出する。更に、算出部300は、利用者ID***U1に対応付けられている複数の採点値P1~Pnのうち、ガイドボーカルID***GV3及びガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値(P4・・・・)を特定し、その平均値GVo_U1_GV3を算出する。なお、ID***GV2及びID***GV3についても、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の平均値は、ID***GV1の場合と同様にGVx_U1とすることができる。
【0089】
同様に、算出部300は、利用者ID***U2に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルID***GV1及びガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVo_U2_GV1を算出する。また、算出部300は、利用者ID***U2に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVx_U2を算出する。また、算出部300は、利用者ID***U2に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルID***GV2及びガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVo_U2_GV2を算出する。また、算出部300は、利用者ID***U2に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルID***GV3及びガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVo_U2_GV3を算出する。
【0090】
同様に、算出部300は、利用者ID***U3に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルID***GV1及びガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVo_U3_GV1を算出する。また、算出部300は、利用者ID***U3に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVx_U3を算出する。また、算出部300は、利用者ID***U3に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルID***GV2及びガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVo_U3_GV2を算出する。また、算出部300は、利用者ID***U3に対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルID***GV3及びガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVo_U3_GV3を算出する。
【0091】
同様に、算出部300は、利用者ID***UNに対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルID***GV1及びガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVo_UN_GV1を算出する。また、算出部300は、利用者ID***UNに対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVx_UNを算出する。また、算出部300は、利用者ID***UNに対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルID***GV2及びガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVo_UN_GV2を算出する。また、算出部300は、利用者ID***UNに対応付けられている複数の採点値のうち、ガイドボーカルID***GV3及びガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値を特定し、その平均値GVo_UN_GV3を算出する。
【0092】
評価部400は、算出部300により算出された、楽曲X1のガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びある楽曲のガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量からガイドボーカル寄与度を、利用者ID毎且つガイドボーカルID毎に求める。
【0093】
たとえば、評価部400は、利用者ID***U1且つガイドボーカルID***GV1について、算出部300が算出した平均値GVo_U1_GV1及び平均値GVx_U1に基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_U1_GV1(=GVo_U1_GV1/GVx_U1)を求める。また、評価部400は、利用者ID***U1且つガイドボーカルID***GV2について、算出部300が算出した平均値GVo_U1_GV2及び平均値GVx_U1に基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_U1_GV2(=GVo_U1_GV2/GVx_U1)を求める。また、評価部400は、利用者ID***U1且つガイドボーカルID***GV3について、算出部300が算出した平均値GVo_U1_GV3及び平均値GVx_U1に基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_U1_GV3(=GVo_U1_GV3/GVx_U1)を求める。
【0094】
同様に、評価部400は、利用者ID***U2且つガイドボーカルID***GV1について、算出部300が算出した平均値GVo_U2_GV1及び平均値GVx_U2に基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_U2_GV1(=GVo_U2_GV1/GVx_U2)を求める。また、評価部400は、利用者ID***U2且つガイドボーカルID***GV2について、算出部300が算出した平均値GVo_U2_GV2及び平均値GVx_U2に基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_U2_GV2(=GVo_U2_GV2/GVx_U2)を求める。また、評価部400は、利用者ID***U2且つガイドボーカルID***GV3について、算出部300が算出した平均値GVo_U2_GV3及び平均値GVx_U2に基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_U2_GV3(=GVo_U2_GV3/GVx_U2)を求める。
【0095】
同様に、評価部400は、利用者ID***U3且つガイドボーカルID***GV1について、算出部300が算出した平均値GVo_U3_GV1及び平均値GVx_U3に基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_U3_GV1(=GVo_U3_GV1/GVx_U3)を求める。また、評価部400は、利用者ID***U3且つガイドボーカルID***GV2について、算出部300が算出した平均値GVo_U3_GV2及び平均値GVx_U3に基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_U3_GV2(=GVo_U3_GV2/GVx_U3)を求める。また、評価部400は、利用者ID***U3且つガイドボーカルID***GV3について、算出部300が算出した平均値GVo_U3_GV3及び平均値GVx_U3に基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_U3_GV3(=GVo_U3_GV3/GVx_U3)を求める。
【0096】
同様に、評価部400は、利用者ID***UN且つガイドボーカルID***GV1について、算出部300が算出した平均値GVo_UN_GV1及び平均値GVx_UNに基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_UN_GV1(=GVo_UN_GV1/GVx_UN)を求める。また、評価部400は、利用者ID***UN且つガイドボーカルID***GV2について、算出部300が算出した平均値GVo_UN_GV2及び平均値GVx_UNに基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_UN_GV2(=GVo_UN_GV2/GVx_UN)を求める。また、評価部400は、利用者ID***UN且つガイドボーカルID***GV3について、算出部300が算出した平均値GVo_UN_GV3及び平均値GVx_UNに基づいて、ガイドボーカル寄与度GVC_UN_GV3(=GVo_UN_GV3/GVx_UN)を求める。
【0097】
評価部400は、求めた複数のガイドボーカル寄与度の平均値をガイドボーカルID毎に求める。具体的に、評価部400は、ガイドボーカルID***GV1について、平均値GVC_Av_GV1(ガイドボーカル寄与度GVC_U1_GV1、GVC_U2_GV1、GVC_U3_GV1、・・・・GVC_UN_GV1の平均値)を求め、ガイドボーカルID***GV2について、平均値GVC_Av_GV2(ガイドボーカル寄与度GVC_U1_GV2、GVC_U2_GV2、GVC_U3_GV2、・・・・GVC_UN_GV2の平均値)を求め、ガイドボーカルID***GV3について、平均値GVC_Av_GV3(ガイドボーカル寄与度GVC_U1_GV3、GVC_U2_GV3、GVC_U3_GV3、・・・・GVC_UN_GV3の平均値)を求める。評価部400は、3つの平均値のうち、最も高い値を示す平均値を楽曲X1のガイドボーカルの評価Evとして決定する。評価部400は、決定した評価Evをカラオケ事業者に対して提示する。或いは、評価部400は、GVC_Av_GV1、GVC_Av_GV2、GVC_Av_GV3を各ガイドボーカルの評価として提示してもよい。
【0098】
なお、上記例では、利用者IDを基準として、ガイドボーカルID毎に採点値を算出したが、ガイドボーカルIDを基準として、利用者ID毎に採点値を算出してもよい。
【0099】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケ装置Kにおいて、記憶処理部100は、楽曲のカラオケ歌唱を行う際にガイドボーカルが再生された場合、当該ガイドボーカルのガイドボーカル識別情報を、当該楽曲の楽曲識別情報に対応付けて記憶手段10aに記憶させ、算出部300は、ガイドボーカルの再生ありを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量、及びガイドボーカルの再生なしを示す再生情報が対応付けられている採点値の統計量を、ガイドボーカル識別情報毎に算出し、評価部400は、算出されたガイドボーカル識別情報毎の統計量に基づいて、ガイドボーカル毎に評価を行う。
【0100】
このようなカラオケ装置Kによれば、たとえば一の楽曲について複数のガイドボーカルの候補がある場合において、カラオケ歌唱の採点値に基づいてガイドボーカル毎の評価を行うことができる。
【0101】
<その他>
上記実施形態では、カラオケシステムとしてのカラオケ装置Kが、記憶手段10a及び制御手段10eを有する例で説明を行ったがこれに限られない。カラオケシステムは、サーバ装置及び複数のカラオケ装置を含んでもよい。サーバ装置と各カラオケ装置は通信可能に接続されている。この場合、サーバ装置は、記憶手段10a及び制御手段10eの少なくとも一部を有する。
【0102】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
100 記憶処理部
200 抽出部
300 算出部
400 評価部
K カラオケ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6