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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142016
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20241003BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B41J2/165 101
B41J2/01 123
B41J2/01 401
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053958
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川俣 範幸
(72)【発明者】
【氏名】小林 昭仁
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056EA14
2C056EB13
2C056EB36
2C056EC22
2C056EC35
2C056EC37
2C056EC57
2C056EE18
2C056FA10
2C056FB03
2C056HA42
2C056JA01
2C056JA04
2C056JC17
(57)【要約】
【課題】酸など前処理剤に含まれる成分がインクと反応することにより不具合が発生する可能性を低減することが可能な印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置は、セット位置に位置する前又は後に、酸、塩、並びに、酸および塩、のうち何れか1つを含有する前処理剤を塗布する前処理が行われる被印刷媒体を搬送方向に搬送するプラテンと、ノズルが設けられたノズル面を有し、セット位置に対して搬送方向にある印刷位置にて、プラテンにより搬送された被印刷媒体にノズルから液体を吐出する吐出処理を行う吐出ヘッドと、ノズル面を覆うキャップと、ノズル面がキャップに覆われるキャップ位置と、ノズル面とキャップとが離間するアンキャップ位置との間でキャップの位置を切り替えるキャップ切替機構と、を備え、キャップ切替機構は、印刷開始指示があった後にキャップをアンキャップ位置に移動させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セット位置に位置する前又は後に、酸、塩、並びに、酸および塩、のうち何れか1つを含有する前処理剤を塗布する前処理が行われる被印刷媒体を搬送方向に搬送するプラテンと、
ノズルが設けられたノズル面を有し、前記セット位置に対して前記搬送方向にある印刷位置にて、前記プラテンにより搬送された前記被印刷媒体に前記ノズルから液体を吐出する吐出処理を行う吐出ヘッドと、
前記ノズル面を覆うキャップと、
前記ノズル面が前記キャップに覆われるキャップ位置と、前記ノズル面と前記キャップとが離間するアンキャップ位置との間で前記キャップの位置を切り替えるキャップ切替機構と、を備え、
前記キャップ切替機構は、印刷開始指示があった後に前記キャップを前記アンキャップ位置に移動させる、印刷装置。
【請求項2】
前記キャップ切替機構は、前記前処理の終了後に前記キャップを前記アンキャップ位置に移動させる、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
制御装置と、
前記セット位置と前記印刷位置との間に設けられて前記前処理を行う前処理装置と、
前記搬送方向において前記セット位置と前記前処理装置との間又は前記前処理装置と前記印刷位置との間に設けられて前記被印刷媒体の高さが所定値以上であるか否かを検知するセンサと、をさらに備え、
前記制御装置は、前記セット位置に位置する前記被印刷媒体を前記プラテンにより前記搬送方向に搬送させた後、前記センサから前記被印刷媒体の高さが前記所定値以上であることを示す検知信号を受信しない場合に前記前処理装置により前記前処理を行わせる処理を実行し、
前記キャップ切替機構は、前記前処理の終了後に前記キャップを前記アンキャップ位置に移動させる、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記前処理の終了から前記吐出処理の開始までの間に、前記被印刷媒体を支持する前記プラテンを前記搬送方向に前記印刷位置まで搬送し、又は、前記被印刷媒体を支持する前記プラテンを前記印刷位置を通過させて前記搬送方向へ搬送した後に所定の折り返し位置にて折り返させて前記搬送方向とは逆方向へ前記印刷位置まで搬送する搬送処理を実行し、
前記搬送処理において前記プラテンを前記搬送方向へ搬送して前記印刷位置に着く前又は前記印刷位置を通過した後に、前記キャップ切替機構は前記キャップを前記アンキャップ位置に移動させる、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記プラテンを、前記搬送方向に搬送して前記印刷位置に停止させる第1処理、又は、前記折り返し位置にて折り返させて前記逆方向へ搬送して前記印刷位置に停止させる第2処理を実行し、
前記キャップ切替機構は、前記第1処理又は前記第2処理の終了後に前記キャップを前記アンキャップ位置に移動させる、請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記キャップ切替機構は、前記プラテンが前記印刷位置に停止してから一定時間が経過した後に前記キャップを前記アンキャップ位置に移動させる、請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
制御装置と、
前記セット位置と前記印刷位置との間に設けられて前記前処理を行う前処理装置と、
前記印刷位置から前記前処理装置へ向かう方へ送風する送風機と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記印刷開始指示を受けた後に前記送風機を停止させ、
前記キャップ切替機構は、前記送風機が停止した後に前記キャップを前記アンキャップ位置に移動させる、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項8】
制御装置をさらに備え、
前記吐出ヘッドは、
第1液体を前記被印刷媒体に吐出する第1吐出ヘッドと、
前記第1液体とは異なる第2液体を前記被印刷媒体に吐出する第2吐出ヘッドと、を含み、
前記第1吐出ヘッドおよび前記第2吐出ヘッドを支持しつつ所定の移動方向に移動するキャリッジをさらに備え、
前記制御装置は、
前記第1吐出ヘッドによる前記第1液体の吐出の後で且つ前記第2吐出ヘッドによる前記第2液体の吐出の前に、平面視において前記キャリッジが前記プラテンと重ならないように前記キャリッジを前記移動方向に前記プラテンから離間させた後、前記被印刷媒体を前記プラテンにより前記第2吐出ヘッドの印刷位置まで前記搬送方向に搬送させ、前記第2吐出ヘッドが前記印刷位置に位置するよう前記キャリッジを前記移動方向に沿って前記プラテン側に移動させて前記第2吐出ヘッドによる印刷を実行する、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記キャップ切替機構は、前記キャリッジが前記移動方向に前記プラテンから離間した後に前記キャップを前記キャップ位置に移動させ、かつ、前記キャリッジが前記移動方向に沿って前記プラテン側に移動する前に前記キャップを前記アンキャップ位置に移動させる、請求項8に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送方向に移動可能なトレイに載置された被印刷媒体に印刷を行う印刷装置が知られている。例えば特許文献1には、セット位置でトレイにセットされた被印刷媒体をセット方向に沿って印刷開始位置まで一旦搬送させた後、当該印刷開始位置から上記セット方向とは逆方向に搬送させつつ印刷を行う印刷装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-002726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、被印刷媒体に前処理剤を塗布する印刷装置がある。この前処理剤にはインクを固着させる成分が含まれることがある。上記従来の印刷装置において酸又は塩を含有する前処理剤を塗布する場合には、プリンタ内で前処理剤の一部がミスト状になって当該プリンタ内で舞う恐れがあり、また、被印刷媒体に塗布された前処理剤から酸等が揮発する。そのため、揮発した酸等又は上記ミストがノズル内のインクと反応して当該インクが固着する。その結果、インクが不吐出になったり、又は被印刷媒体におけるインクの色が変わってしまう等の不具合が起こる可能性があった。
【0005】
本発明は、酸など前処理剤に含まれる成分がインクと反応することにより不具合が発生する可能性を低減することが可能な印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷装置は、セット位置に位置する前又は後に、酸、塩、並びに、酸および塩、のうち何れか1つを含有する前処理剤を塗布する前処理が行われる被印刷媒体を搬送方向に搬送するプラテンと、ノズルが設けられたノズル面を有し、前記セット位置に対して前記搬送方向にある印刷位置にて、前記プラテンにより搬送された前記被印刷媒体に前記ノズルから液体を吐出する吐出処理を行う吐出ヘッドと、前記ノズル面を覆うキャップと、前記ノズル面が前記キャップに覆われるキャップ位置と、前記ノズル面と前記キャップとが離間するアンキャップ位置との間で前記キャップの位置を切り替えるキャップ切替機構と、を備え、前記キャップ切替機構は、印刷開始指示があった後に前記キャップを前記アンキャップ位置に移動させるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に従えば、被印刷媒体がセット位置に位置する前又は後に当該被印刷媒体に対して前処理が行われる。つまり、前処理を行う前処理装置を印刷装置とは別に設ける態様(印刷装置にセットする前の被印刷媒体に対してユーザが手動で前処理行う態様を含む)を採ることができ、又は、当該前処理装置を印刷装置の構成要素として当該印刷装置に設ける態様を採ることができる。前処理装置を印刷装置とは別に設ける態様においては、印刷開始指示を受けた後にキャップをアンキャップ位置に移動させることで、被印刷媒体Wに塗布された前処理剤から揮発した酸等が、印刷開始指示を受ける前にノズル内のインクと反応する可能性を低減することができる。これにより、前記反応に基づくインクの固着に起因した不吐出又は被印刷媒体におけるインクの変色等の不具合が起こる可能性を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る印刷装置の正面図である。
図2図1の印刷装置のII-II線断面図である。
図3図1の印刷装置の構成を示すブロック図である。
図4図4Aはキャップがキャップ位置にある状態を示す図であり、図4Bはキャップがアンキャップ位置にある状態を示す図である。
図5図5Aは印刷装置における処理の第1工程を示す模式図であり、図5Bは印刷装置における処理の第2工程を示す模式図である。
図6図6Aは印刷装置における処理の第3工程を示す模式図であり、図6Bは印刷装置における処理の第4工程を示す模式図である。
図7】印刷装置における処理の第5工程を示す模式図である。
図8図8A図6Aの第3工程の変形例を示す模式図であり、図8B図7の第5工程の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る印刷装置について図面を参照しながら説明する。以下に説明する印刷装置は本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除および変更が可能である。
【0010】
本実施形態の印刷装置100は、例えばポリエステル製の布帛である被印刷媒体に対して、液体の例示としてのインクのインク滴を吐出することで印刷を行う。印刷装置100は、カラーインクと総称されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の各色のインクのインク滴を被印刷媒体に吐出することで当該被印刷媒体にカラー画像を印刷する。被印刷媒体にカラー画像を印刷する場合には、布帛の色および材質の影響を低減するために下地インクとして白インク(W)のインク滴が先に吐出され、当該インク滴の上にカラーインクのインク滴が吐出される。以下、印刷装置100の構成について詳しく説明する。
【0011】
図1は一実施形態に係る印刷装置100の正面図である。図2図1の印刷装置100のII-II線断面図である。なお、図1および図2において、互いに直交する方向を、第1方向Dx、第2方向Dy、および第3方向Dzとする。第1方向Dxは例えば左右方向(主走査方向、移動方向)であり、第2方向Dyは例えば前後方向であり、第3方向Dzは例えば上下方向である。第1方向Dxのうち一方の方向をDx1とし、方向Dx1とは逆方向をDx2とする。第2方向Dyのうち一方の方向を搬送方向Dy2とし、方向Dy2とは逆方向をDy1とする。第3方向Dzのうち一方の方向をDz1とし、方向Dz1とは逆方向をDz2とする。但し、上記の方向は何れも例示であって限定されるものではない。
【0012】
図1および図2に示すように、印刷装置100は、筐体1、プラテン5、ガイドレール6、前処理装置43、キャリッジ8、ガイドレール9、送風機11、吐出ヘッド40、および、キャップ50を備える。
【0013】
筐体1の方向Dy1側の壁部には例えば矩形状を成し貫通された開口3が設けられている。
【0014】
ガイドレール6は例えば対をなしており、筐体1の内部から開口3を介して当該筐体1の外部まで第2方向Dyに沿って延在する。
【0015】
プラテン5は布帛である被印刷媒体W(図5)を支持する。プラテン5は、被印刷媒体Wに印刷を行う前には各ガイドレール6の方向Dy1側の端部に位置する。プラテン5はガイドレール6上を第2方向Dyに沿って摺動可能に設けられている。これにより、プラテン5に支持される被印刷媒体Wが搬送方向Dy2と当該搬送方向Dy2の逆方向である方向Dy1に沿って搬送される。
【0016】
前処理装置43は例えば筐体1内において方向Dy1側の上方に配置されている。前処理装置43は、酸、塩、並びに、酸および塩、のうち何れか1つを含有する前処理剤を被印刷媒体Wに塗布する前処理を実行する。前処理剤は、例えば硝酸カルシウム又はクエン酸カルシウム等を含有する。被印刷媒体Wに印刷を行う場合に、被印刷媒体Wへの白インクの定着およびカラーインクの発色を向上させるべく、白インクにより被印刷媒体Wに下地を形成する前に前処理剤が塗布される。プラテン5がガイドレール6上を搬送方向Dy2に移動することで、被印刷媒体Wを前処理装置43の下方に位置させることができる。なお、前処理剤はベースコート剤とも呼ばれる。
【0017】
ガイドレール9は例えば対をなしており、筐体1内において方向Dy2側に配置されている。ガイドレール9は第1方向Dxに沿って延在する。ガイドレール9はキャリッジ8が第1方向Dxに沿って往復移動するように当該キャリッジ8を支持する。
【0018】
キャリッジ8は吐出ヘッド40を支持する。キャリッジ8が第1方向Dxに沿って往復移動することで、吐出ヘッド40は第1方向Dxに沿って往復移動する。本実施形態では、吐出ヘッド40は、例えば2つ設けられ、吐出ヘッド40aおよび吐出ヘッド40bを含む。吐出ヘッド40aおよび吐出ヘッド40bはキャリッジ8に支持されている。吐出ヘッド40aは第1液体として例えば白インクのインク滴を被印刷媒体Wに吐出する。吐出ヘッド40bは上記第1液体とは異なる第2液体として例えば上述のカラーインクのインク滴を被印刷媒体Wに吐出する。吐出ヘッド40aは搬送方向Dy2において吐出ヘッド40bよりも下流側に位置する。なお、本実施形態において吐出ヘッド40aが第1吐出ヘッドに相当し、吐出ヘッド40bが第2吐出ヘッドに相当する。
【0019】
キャップ50は筐体1内において例えば方向Dx1側に設けられている。キャップ50は吐出ヘッド40a,40bの各ノズル面40s(図4)よりも低い位置に設けられる。キャリッジ8がガイドレール9上を方向Dx1に移動することで、吐出ヘッド40a,40bの各ノズル面40sをキャップ50の上方に位置させることができる。なお、キャップ50による各ノズル面40sのキャッピングおよびアンキャッピングについては、後で詳述する。
【0020】
送風機11は例えば2つ設けられる。各送風機11は筐体1内において方向Dy2側の壁部に設けられている。一方の送風機11および他方の送風機11は例えば第1方向Dx1において一対のガイドレール6を挟むように配置されている。各送風機11は前処理装置43へ向かう方向へ送風する。
【0021】
図3図1の印刷装置100の構成を示すブロック図である。図3に示すように、印刷装置100は、上述した構成要素の他に、操作キー28、表示部29、コントローラユニット6、モータドライバIC30,31、ヘッドドライバIC32,33、キャップドライバIC34、前処理ドライバIC35、送風ドライバIC36、および、センサ37を備える。また、印刷装置100は、さらに、搬送モータ38、キャリッジモータ39、キャップモータ42、および、送風モータ44を備える。
【0022】
操作キー28はユーザによる操作入力を受け付ける。表示部29は例えばタッチパネルで構成され、所定情報を表示する。表示部29の一部は操作キーとして機能してもよい。
【0023】
コントローラユニット6は、操作キー4からの入力又は外部入力に基づき印刷機能を実現すると共に表示部5の表示を制御する。コントローラユニット6は、CPUからなる制御装置20、ROM21、RAM22、EEPROM23、HDD24、およびASIC25を有する。制御装置20は、ROM21、RAM22、EEPROM23、HDD24、およびASIC25に電気的に接続されていると共に各ドライバIC30~36を制御する。また、制御装置20はセンサ37の検知信号を受信する。
【0024】
制御装置20は、ROM21に記憶された印刷プログラムを実行することにより、種々の機能を実行する。制御装置20は、コントローラユニット19に1つのプロセッサとして実装されていてもよいし、互いに協働する複数のプロセッサとして実装されていてもよい。印刷プログラムは、コンピュータ読取可能な光磁気ディスク等又はUSBフラッシュメモリ等の記録媒体から読取装置で読み出してROM21に記憶されてもよい。
【0025】
RAM22には、外部から受信した画像データおよび制御装置20の演算結果等が記憶される。EEPROM23には、ユーザが入力した各種の初期設定情報や印刷枚数の累計値等が格納される。HDD24には、外部漏洩が好ましくない機密性の高い情報である特定情報や各種データ等が記憶される。
【0026】
ASIC25には、各ドライバIC30~36が接続されている。制御装置20は、印刷ジョブを受け付けると、印刷プログラムに基づき印刷指令をASIC25へ出力する。ASIC25は、印刷指令に基づき各ドライバIC30~36を駆動する。
【0027】
センサ37は筐体1の外部に設けられている。センサ37は、搬送方向Dy2において後記のセット位置Psと前処理装置43との間に配置されている。センサ37は例えば接触式センサであってもよい。センサ37は、被印刷媒体Wの高さが所定値以上であるか否かを検知する。センサ37は、被印刷媒体Wの高さが所定値以上である場合に当該被印刷媒体Wの高さが所定値以上であることを示す検知信号を制御装置20に送信する。
【0028】
搬送モータ38はプラテン5に接続されている。搬送モータ38が駆動することで、プラテン5は第2方向Dyに往復移動する。キャリッジモータ39はキャリッジ8に接続されている。キャリッジモータ39が駆動することで、キャリッジ8は第1方向Dxに往復移動する。キャップモータ42は例えばボールねじ又はラックアンドピニオンを介して後述のキャップ切替部51に接続されている。キャップモータ42が駆動することで、キャップ切替部51が第3方向Dzに往復移動する。送風モータ44は送風機11に接続されている。送風モータ44が駆動することで、送風機11が送風を行う。
【0029】
制御装置20は、モータドライバIC30により搬送モータ38の動作を制御する。制御装置20は、モータドライバIC31によりキャリッジモータ39の動作を制御する。制御装置20は、ヘッドドライバIC32により吐出ヘッド40aの動作を制御し、ヘッドドライバIC33により吐出ヘッド40bの動作を制御する。また、制御装置20は、キャップドライバIC34によりキャップモータ42の動作を制御する。制御装置20は、前処理ドライバIC35により前処理装置43の動作を制御する。さらに、制御装置20は、送風ドライバIC36により送風モータ44の動作を制御する。
【0030】
図4Aはキャップ50がキャップ位置Pcにある状態を示す図であり、図4Bはキャップ50がアンキャップ位置Paにある状態を示す図である。
【0031】
印刷装置100は、図4A,4Bに示すようにキャップ切替機構52を備える。キャップ切替機構52は、上述のキャップモータ42およびキャップ切替部51を含む。キャップ切替部51はキャップ50を支持している。キャップ切替部51は、キャップ位置Pcと当該キャップ位置Pcの下方の位置であるアンキャップ位置Paとの間でキャップ50の位置を切り替えるべく当該キャップ50を昇降する。キャップ位置Pcとは、キャップ50が吐出ヘッド40a,40bのノズル40nが設けられた各ノズル面40sを覆う位置である。一方、アンキャップ位置Paとは、キャップ50が各ノズル面40sに対して第3方向Dzに離間する位置である。なお、本実施形態では、吐出ヘッド40a,40bの各ノズル面40sが一のキャップ50に覆われる態様としたが、これに限定されるものではなく、一のノズル面40sを一のキャップ50で覆う態様としてもよい。なお、キャップ位置Pcにおいてノズル面40sがキャップ50に覆われることで密閉空間が形成された状態で、図略の吸引ポンプにより上記密閉空間を吸引してノズル40nからインク滴を強制的に吐出させるパージ処理が行われてもよい。
【0032】
続いて、印刷装置100における処理の工程について説明する。図5Aは印刷装置100における処理の第1工程を示す模式図であり、図5Bは印刷装置100における処理の第2工程を示す模式図である。図6Aは印刷装置100における処理の第3工程を示す模式図であり、図6Bは印刷装置100における処理の第4工程を示す模式図である。図7は印刷装置100における処理の第5工程を示す模式図である。
【0033】
図5Aに示すように、制御装置20は、ユーザが被印刷媒体Wをプラテン5上にセットする位置であって搬送方向Dy2における当該プラテン5の位置であるセット位置Psにプラテン5を配置する。ユーザはセット位置Psに位置するプラテン5上に被印刷媒体Wを載置する。このとき、吐出ヘッド40a,40bは、ノズル面40sがキャップ50に対向する位置である図1の待機位置HPに位置する。待機位置HPは、キャップ50によるノズル面40sのキャッピングおよびアンキャッピングが可能な吐出ヘッド40a,40bの位置である。上記のように被印刷媒体Wがプラテン5上に載置される際には、キャップ50はキャップ位置Pcに位置し、これによりノズル面40sがキャップ50に覆われた状態となる。
【0034】
以下、上記の待機位置HPに対して第1方向Dxに離間する位置であって、ノズル面40sがプラテン5に支持された被印刷媒体Wに対向してノズル40nからインク滴を吐出するときの吐出ヘッド40a,40bの位置を印刷位置PPと称する。印刷位置PPはセット位置Psに対して搬送方向Dy2にある位置である。また、プラテン5に支持された被印刷媒体Wが印刷位置PPに位置する吐出ヘッド40a,40bのノズル面40sに対向するときの当該プラテン5の位置を被印刷位置Pi(図7)と称する。
【0035】
次に、制御装置20はユーザから印刷開始指示を含む印刷ジョブを受けた後に、図5Bに示すように、プラテン5に支持された被印刷媒体Wが前処理装置43に対向する位置に向けて当該プラテン5を搬送方向Dy2に移動させる。このとき、制御装置20は、センサ37から被印刷媒体Wの高さが所定値以上であることを示す検知信号を受信しない場合に、被印刷媒体Wを前処理装置43に対向する位置までプラテン5により搬送する。なお、制御装置20はセンサ37から上記検知信号を受信した場合には、プラテン5による被印刷媒体Wの搬送を停止する。
【0036】
その後、制御装置20は前処理装置43により被印刷媒体Wに対して前処理剤を塗布する。制御装置20は、前処理装置43による前処理の開始に伴って、印刷位置PPから前処理装置43へ向かう方へ送風機11により送風する。これにより、筐体1内で舞う前処理剤のミストおよび被印刷媒体Wに塗布された前処理剤から揮発した酸等が吐出ヘッド40a,40bのノズル面40sに近付くことを抑制又は防止することができる。
【0037】
次に、図6Aに示すように、制御装置20は前処理装置43による前処理の終了から吐出ヘッド40a,40bによる吐出処理の開始までの間に、被印刷媒体Wを支持するプラテン5を印刷位置PPに対応する被印刷位置Piを通過させて搬送方向Dy2に所定の折り返し位置Pfまで搬送させる。その後、図6Bに示すように制御装置20は送風機11による送風を停止させる。
【0038】
続いて、図7に示すように、制御装置20はプラテン5を折り返し位置Pfにて折り返させて搬送方向Dy2とは逆の方向Dy1へ搬送して印刷位置PPに対応する被印刷位置Piに停止させる。その後、制御装置20はキャップモータ42を駆動することによってキャップ位置Pcに位置するキャップ50をキャップ切替部51によりアンキャップ位置Paに移動させる。これにより、キャップ50はノズル面40sに対して第3方向Dzに離間する。そして、制御装置20は待機位置HPに位置する吐出ヘッド40a,40bをキャリッジ8により印刷位置PPまで移動させる。このように送風機11による送風を停止させた後にキャップ50をアンキャップ位置Paに移動させることで、ノズル40nに付着するインクが送風に起因して乾燥することを抑制又は防止することができる。
【0039】
次に、制御装置20は被印刷位置Piに停止したプラテン5に支持された被印刷媒体Wに対して吐出ヘッド40aにより先行して白インクのインク滴を吐出させる。これにより、被印刷媒体W上に下地が形成される。このように印刷装置100では、前処理が先行して施された被印刷媒体Wに対して白インクのインク滴を吐出する前における乾燥工程(オーブン又はヒートプレースによる工程)が無く、前処理剤がウェットの状態である被印刷媒体Wに対して上記インク滴を吐出する処理、いわゆるウェットオンウェットの処理が行われる。そして、制御装置20はプラテン5を方向Dy1にさらに搬送し、当該プラテン5に支持された被印刷媒体Wに対して吐出ヘッド40bによりカラーインクを吐出させる。これにより、被印刷媒体Wの下地の上にカラー画像が印刷される。なお、上記のようにプラテン5を折り返し位置Pfで折り返した後に被印刷媒体W上に下地を形成する代わりに、プラテン5を被印刷位置Piを通過させる前に吐出ヘッド40aにより被印刷媒体W上に下地を形成してもよい。この場合、下地を形成してからカラー画像を印刷するまでの時間を比較的長く空けることができ、被印刷媒体Wに対する下地の定着性が向上する。
【0040】
その後、制御装置20はカラー画像が印刷された被印刷媒体Wを支持するプラテン5を方向Dy1にセット位置Psまで搬送させる。ユーザはセット位置Psに戻ったプラテン5から被印刷媒体Wを取り出すことができる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の印刷装置100によれば、プラテン5が折り返し位置Pfにて折り返されて被印刷位置Piに停止した後にキャップ50をアンキャップ位置Paに移動させる。これにより、前処理が行われている間はキャップ50がキャップ位置Pcに位置してノズル面40sを覆い、プラテン5が被印刷位置Piに停止した後にキャップ50はアンキャップ位置Paに移動する。このように前処理が行われている間はノズル面40sがキャップ50に覆われるので、筐体1内に残留する前処理剤のミストおよび被印刷媒体Wに塗布された前処理剤から揮発した酸等が、プラテン5が被印刷位置Piに停止する前にノズル40n内のインクと反応する可能性を低減することができる。加えて、プラテン5が被印刷位置Piに停止した後にキャップ50をアンキャップ位置Paに移動させることで、当該プラテン5の移動に起因して上記ミストおよび上記酸等が筐体1内を舞うことを抑制することができる。よって、上記ミストおよび上記酸等がノズル40n内のインクと反応する可能性をより低減することができる。以上によって、前記反応に基づくインクの固着に起因した不吐出および被印刷媒体Wにおけるインクの変色等の不具合が起こる可能性を低減することが可能となる。
【0042】
また、本実施形態では、制御装置20はセンサ37から被印刷媒体Wの高さが所定値以上であることを示す検知信号を受信しない場合に、被印刷媒体Wを前処理装置43に対向する位置までプラテン5により搬送する。これにより、所定値以上の高さを有する被印刷媒体Wを搬送しないようにすることができる。
【0043】
ここで、本実施形態において、キャップ位置Pcに位置するキャップ50をキャップ切替部51によりアンキャップ位置Paに移動させるタイミングのバリエーションについて説明する。上述の通りプラテン5が折り返し位置Pfにて折り返されて被印刷位置Piに停止した後にキャップ50をアンキャップ位置Paに移動させる代わりに、以下の種々のタイミングでキャップ50をアンキャップ位置Paに移動させることが可能である。
【0044】
制御装置20は、印刷開始指示を受けた後にキャップ切替部51によりキャップ50をキャップ位置Pcからアンキャップ位置Paに移動させてもよい。この場合、前処理装置43を印刷装置100とは別に設ける態様においては、印刷開始指示を受けた後にキャップ50をアンキャップ位置Paに移動させることで、被印刷媒体Wに塗布された前処理剤から揮発した酸等が、印刷開始指示を受ける前にノズル40n内のインクと反応する可能性を低減することができる。他方、前処理装置43を印刷装置100に設ける本実施形態においては、印刷開始指示を受けた後(すなわち印刷開始指示の後に行われる前処理の終了後)にキャップ50をアンキャップ位置Paに移動させることで、上記ミストおよび上記酸等がノズル40n内のインクと反応する可能性を低減することができる。
【0045】
制御装置20は、前処理装置43による被印刷媒体Wに対する前処理の終了後にキャップ切替部51によりキャップ50をキャップ位置Pcからアンキャップ位置Paに移動させてもよい。この場合、少なくとも前処理が行われている間はキャップ50がキャップ位置Pcに位置してノズル面40sを覆うので、上記ミストおよび上記酸等がノズル40n内のインクと反応する可能性を低減することができる。また、プラテン5が被印刷位置Piに停止した後にキャップ50をアンキャップ位置Paに移動させる場合よりも、被印刷媒体Wに対する印刷を迅速に行うことができる。
【0046】
制御装置20は、前処理の終了から吐出処理の開始までの間において、被印刷媒体Wを支持するプラテン5を搬送方向Dy2に被印刷位置Piを通過させた後に、キャップ切替部51によりキャップ50をキャップ位置Pcからアンキャップ位置Paに移動させてもよい。この場合、少なくとも前処理が行われている間はキャップ50がキャップ位置Pcに位置してノズル面40sを覆うので、上記ミストおよび上記酸等がノズル40n内のインクと反応する可能性を低減することができる。また、プラテン5が折り返しの後被印刷位置Piに停止した後にキャップ50をアンキャップ位置Paに移動させる場合よりも、被印刷媒体Wに対する印刷を迅速に行うことができる。
【0047】
制御装置20は、プラテン5が折り返し後被印刷位置Piに停止してから一定時間が経過した後にキャップ切替部51によりキャップ50をキャップ位置Pcからアンキャップ位置Paに移動させてもよい。この場合、プラテン5が被印刷位置Piに停止した後にキャップ50をアンキャップ位置Paに移動させる場合よりも、当該プラテン5の移動に起因して上記ミストおよび上記酸等が筐体1内を舞うことが少なくなり、もって当該ミストおよび当該酸等がノズル40n内のインクと反応する可能性をより低減することができる。
【0048】
制御装置20は、送風機11が停止した後にキャップ切替部51によりキャップ50をキャップ位置Pcからアンキャップ位置Paに移動させてもよい。この場合、送風機11による送風に起因して上記ミストおよび上記酸等が筐体1内を舞うことが少なくなり、もって当該ミストおよび当該酸等がノズル40n内のインクと反応する可能性をより低減することができる。
【0049】
(変形例)
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形例を採用することが可能である。例えば以下の通りである。
【0050】
図8A図6Aの第3工程の変形例を示す模式図であり、図8B図7の第5工程の変形例を示す模式図である。
【0051】
図8Aに示すように、制御装置20は前処理装置43による前処理の終了から吐出ヘッド40a,40bによる吐出処理の開始までの間に、被印刷媒体Wを支持するプラテン5を上記の折り返し位置Pfまで搬送させることなく搬送方向Dy2に被印刷位置Piまで搬送させて停止させてもよい。この変形例においては、制御装置20は、プラテン5が被印刷位置Piに着く前又は停止した後にキャップ切替部51によりキャップ50をキャップ位置Pcからアンキャップ位置Paに移動させてもよい。この場合、プラテン5が被印刷位置Piに停止してから送風機11による送風を停止させてもよい。そして、制御装置20はプラテン5に支持された被印刷媒体Wに対して吐出ヘッド40aに吐出処理を行わせる。その後、制御装置20は、図8Bに示すように被印刷媒体Wに対して吐出ヘッド40bに吐出処理を行わせ、当該吐出処理の終了後にプラテン5を方向Dy1にセット位置Psまで搬送させる。すなわち、本変形例ではプラテン5は折り返し位置Pfまで移動することなく被印刷位置Piで折り返して方向Dy1に移動する。
【0052】
制御装置20は、上述したように、プラテン5を搬送方向Dy2に被印刷位置Piを通過させて折り返し位置Pfで折り返させた後、方向Dy1へ搬送して被印刷位置Piに停止させた。この場合、制御装置20は、プラテン5を搬送方向Dy2に被印刷位置Piを通過させた後にキャップ切替部51によりキャップ50をキャップ位置Pcからアンキャップ位置Paに移動させてもよい。
【0053】
また、吐出ヘッド40aによる白インクの吐出処理の後で且つ吐出ヘッド40bによるカラーインクの吐出処理の前の時期に、以下の処理を実行してもよい。制御装置20は、白インクの吐出処理の後で且つカラーインクの吐出処理の前の時期に、平面視においてキャリッジ8がプラテン5と重ならないように当該キャリッジ8を第1方向Dxにプラテン5から離間させる。その後、制御装置20は、被印刷媒体Wをプラテン5により吐出ヘッド40bの印刷位置まで第2方向Dyに搬送させた後、吐出ヘッド40bが印刷位置に位置するようキャリッジ8を第1方向Dxに沿ってプラテン5側に移動させて当該吐出ヘッド40bによる印刷を実行してもよい。この場合、吐出ヘッド40aによる白インクの吐出処理の後で且つ吐出ヘッド40bによるカラーインクの吐出処理の前の時期にキャリッジ8をプラテン5上から退避させることで、上記ミストおよび酸等がプラテン5の移動に起因して筐体1内を舞っている環境から吐出ヘッド40a,40bを極力遠ざけることができる。これにより、上記ミストおよび上記酸等がノズル40n内のインクと反応する可能性をより低減できる。
【0054】
また、制御装置20は、上記のようにキャリッジ8を第1方向Dxにプラテン5から離間させた後にキャップ50をキャップ位置Pcに移動させて当該キャップ50によりノズル面40sを覆ってもよい。そして、制御装置20は、キャリッジ8がプラテン5側に移動する前にキャップ50をアンキャップ位置Paに移動させてもよい。この場合、上記ミストおよび上記酸等がノズル40n内のインクと反応する可能性をさらに低減できる。
【0055】
また、上記実施形態では、前処理装置43を印刷装置100の構成要素として設けて、セット位置Psに位置するプラテン5に被印刷媒体Wが載置された後に前処理装置43による前処理が行われるように構成したが、これに限定されるものではない。前処理装置43を印刷装置100の構成要素とは別に設けてもよい。この場合、セット位置Psに位置するプラテン5に被印刷媒体Wが載置される前に、印刷装置100とは別に設けられた前処理装置により被印刷媒体Wに対して前処理が行われる。
【0056】
また、上記実施形態では、前処理装置43を筐体1内に設けたが、これに限らず、筐体1の外に設けてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、センサ37を搬送方向Dy2においてセット位置Psと前処理装置43との間に配置したが、これに限定されるものではない。センサ37を筐体1内で且つ搬送方向Dy2において前処理装置43と印刷位置Piとの間に配置してもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、センサ37を搬送方向Dy2においてセット位置Psと前処理装置43との間であって筐体1の外部に配置したが、これに限定されるものではない。センサ37を搬送方向Dy2においてセット位置Psと前処理装置43との間であって筐体1内に配置してもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、キャリッジ8において吐出ヘッド40aを搬送方向Dy2において吐出ヘッド40bよりも下流側に配置したが、これに限らず、吐出ヘッド40aを搬送方向Dy2において吐出ヘッド40bよりも上流側に配置してもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、キャップ切替部51の駆動源としてキャップモータ42を設け、当該キャップモータ42が駆動することでキャップ切替部51がキャップ50をキャップ位置Pc又はアンキャップ位置Paに移動させるように構成したが、これに限定されない。駆動源としてのキャップモータ42を設けることなく、キャリッジ8とキャップ50とを接続するリンク部材を設け、当該キャリッジ8の移動に伴いキャップ50の位置を機械的に変える構成を採用してもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、2つの吐出ヘッド40(吐出ヘッド40aおよび吐出ヘッド40b)をキャリッジ8に設ける態様を採用したが、これに限定されず、当該キャリッジ8には1つ又は3つ以上の吐出ヘッド40を設けてもよい。
【0062】
さらに、上記実施形態では、2つの送風機11を設けたが、これに限定されず、1つ又は3つ以上の送風機11を設けてもよい。
【符号の説明】
【0063】
5 プラテン
8 キャリッジ
11 送風機
20 制御装置
37 センサ
40,40a,40b 吐出ヘッド
40n ノズル
40s ノズル面
43 前処理装置
50 キャップ
52 キャップ切替機構
100 印刷装置
Dy2 搬送方向
Dy1 搬送方向の逆方向
Pa アンキャップ位置
Pc キャップ位置
Pf 折り返し位置
Pi 被印刷位置
PP 印刷位置
Ps セット位置
W 被印刷媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8