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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014202
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】クリップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/86 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
B65D85/86 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116856
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米津 拓真
【テーマコード(参考)】
3E096
【Fターム(参考)】
3E096AA05
3E096BA08
3E096BB01
3E096CA05
3E096CB01
3E096DA09
3E096EA02
3E096FA28
3E096GA12
(57)【要約】
【課題】貫通孔に取り付けられた際に止め栓よりも脱落し難いクリップを提供する。
【解決手段】クリップ10は、コネクタ30を収容するスティック11に取り付けられ、スティック11の外面側に位置する基部10Aと、基部10Aに連結され、内側に弾性変形許容空間10Fが形成され、スティック11の内面側における貫通孔11Aの縁部に係止可能な本体部10Bと、弾性変形許容空間10F内に架け渡される架設部10Cと、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品を収容する筒に取り付けられるクリップであって、
前記筒の外面側に位置する基部と、
前記基部に連結され、内側に弾性変形許容空間が形成され、前記筒の内面側における貫通孔の縁部に係止可能な本体部と、
前記弾性変形許容空間内に架け渡される架設部と、
を備える、クリップ。
【請求項2】
前記架設部は、前記本体部の弾性変形方向の中央を通る中心軸線に対して対称をなす、請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
前記架設部は、前記本体部の内側を3つの空間に分割するように3つの腕部を有しており、
前記腕部のうちの1つは、前記中心軸線に沿って配置されている、請求項2に記載のクリップ。
【請求項4】
前記基部は、板状をなし、板面に凹凸部を有している請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のクリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子部品梱包用のスティック(筒)の止め栓が開示されている。この止め栓は、止め栓本体から外向きに突出した弾性突出部を備える。弾性突出部がスティックに挿入される際に弾性変形することにより、止め栓がスティックの端部に保持される。また、スティックの外周壁に貫通孔を形成し、この貫通孔にクリップを挿入し電子部品のスティックからの抜け出しを抑制する構成を採用することも可能である。特許文献2から4には、コネクタ等を車両のボディへ固定するクリップを止め栓の形状として採用し得る形状の一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4-135478号公報
【特許文献2】特開2011-134520号公報
【特許文献3】特開2017-212124号公報
【特許文献4】実開平6-79194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の止め栓は、スティックに収納された電子部品から受ける荷重によって、止め栓がスティックから脱落してしまう懸念があった。このため、止め栓における貫通孔からの脱落し難さを実現する必要がある。
【0005】
そこで、本開示は、貫通孔に取り付けられた際に止め栓よりも脱落し難いクリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のクリップは、
電気部品を収容する筒に取り付けられるクリップであって、
前記筒の外面側に位置する基部と、
前記基部に連結され、内側に弾性変形許容空間が形成され、前記筒の内面側における貫通孔の縁部に係止可能な本体部と、
前記弾性変形許容空間内に架け渡される架設部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、貫通孔に取り付けられた際に止め栓よりも脱落し難いクリップとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1のクリップがコネクタを収容したスティックに取り付けられた状態を示す斜視図である。
図2図2は、スティックの端部を示す斜視図である。
図3図3は、スティックに収容されるコネクタを示す斜視図である。
図4図4は、実施形態1のクリップがコネクタを収容したスティックに取り付けられた状態をスティックの長手方向から見た図である。
図5図5は、実施形態1のクリップを示す図である。
図6図6は、実施形態1のクリップがコネクタを収容したスティックに取り付けられた状態をスティックの長手方向に直交する方向から見た図である。
図7図7は、実施形態1のクリップをスティックから取り外す状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のクリップは、
(1)電気部品を収容する筒に取り付けられる。このクリップは、筒の外面側に位置する基部と、基部に連結され、内側に弾性変形許容空間が形成され、筒の内面側における貫通孔の縁部に係止可能な本体部と、弾性変形許容空間内に架け渡される架設部と、を備える。この構成によれば、架設部によって本体部がむやみに変形することを防止し、貫通孔に取り付けられた際には、むやみに変形することが防止され、貫通孔から脱落し難くすることができる。
【0010】
(2)本開示のクリップの架設部は、本体部の弾性変形方向の中央を通る中心軸線に対して対称をなすことが好ましい。この構成によれば、本体部をバランスよく変形させることができ、貫通孔に取り付け易くできる。
【0011】
(3)本開示のクリップの架設部は、本体部の内側を3つの空間に分割するように3つの腕部を有しており、腕部のうちの1つは、中心軸線に沿って配置されていることが好ましい。この構成によれば、中心軸線が延びる方向に本体部が変形することを良好に抑制することができるので、貫通孔に挿入し易くなる。
【0012】
(4)本開示のクリップの基部は、板状をなし、板面に凹凸部を有していることが好ましい。この構成によれば、作業者の指が基部を把持した際に、滑り難くすることができる。
【0013】
[本開示の実施形態の詳細]
【0014】
<実施形態1>
実施形態1に係るクリップについて、図1から図7を参照しつつ説明する。図1に示すように、クリップ10は、電気部品であるコネクタ30を収容した状態のスティック11(筒)の端部に取り付けられる。これによって、スティック11からコネクタ30が抜け出すことを防止する。
【0015】
[スティックについて]
スティック11は、長さ方向(長手方向L)の両端が解放された筒状である。本実施形態の場合、スティック11は、合成樹脂製である。図2に示すように、スティック11は、角筒状をなしている。本実施形態1の場合、スティック11の外面部には、第1窪み部11B、第2窪み部11C、及び第3窪み部11Dが内向きに凹んで形成されている。第1窪み部11B、第2窪み部11C、及び第3窪み部11Dは、スティック11の長手方向Lに延びて形成されている(図1参照)。第1窪み部11B、第2窪み部11C、及び第3窪み部11Dは、スティック11を構成する4つの外面部のうち、図2で示す下面を除いた3つの面に1つずつ形成されている。
【0016】
第1窪み部11B及び第3窪み部11Dは、スティック11を構成する4つの外面部のうち反対に位置する外面部に形成されている。第2窪み部11Cは、第1窪み部11Bが形成された外面部、及び第3窪み部11Dが形成された外面部に連なる外面部に形成されている。第2窪み部11Cにおける底部には、板厚方向に貫通して貫通孔11Aが形成されている。貫通孔11Aの外形形状は、四角形状をなしている。スティック11の長手方向Lにおける貫通孔11Aの寸法は、Wである。第2窪み部11Cが形成された外面部と反対に位置する外面部の内面には、内向きに突出して2つの凸部11Fが設けられている。これら凸部11Fは、スティック11の長手方向Lに延びている。
【0017】
[コネクタについて]
図3に示すように、スティック11に収容されるコネクタ30は、基板用コネクタであって、ハウジング12と、複数の端子金具22と、を組み付けて構成されている。ハウジング12は、合成樹脂製である。ハウジング12は、フード部14と、フランジ部15と、一対の側壁部16とを有している。フード部14は、平板状をなした端子保持部13の一方の板面から角筒状に突出している。フランジ部15は、端子保持部13の外周縁から鍔状に外向きに張り出した形態である。
【0018】
一対の側壁部16は、板厚方向を端子保持部13と直交する向きにして、フード部14とは反対向きに突出している。一対の側壁部16は、互いに平行をなし、端子保持部13の外縁をなす四つの辺のうち、互いに離間する2つの辺に連結している。
【0019】
各端子金具22は、細長い金属素材をL字形に屈曲した形状をなす。端子金具22は、端子保持部13を板厚方向に貫通して図示しない相手端子金具に接続する端子接続部23と、一対の側壁部16の間に位置する端子接続部23の端部から直角に屈曲した基板接続部24と、を有する。各基板接続部24は、一対の側壁部16間に位置し、各側壁部16に保護される。基板接続部24の先端部は、図示しない回路基板のスルーホールに貫通される。端子金具22は、端子接続部23を端子保持部13に対して板厚方向に貫通させた状態で端子保持部13に保持されている。複数の端子金具22をハウジング12に取り付けた状態では、端子接続部23同士が互いに平行をなして並列するとともに、基板接続部24同士が互いに平行をなして並列する。基板接続部24が連結する端部とは反対側の端子接続部23の端部は、フード部14内に突出し、フード部14によって包囲されている。端子接続部23は、フード部14に嵌合される図示しない相手コネクタに装着された図示しない相手端子金具に接続される。
【0020】
[スティック内に収容されたコネクタの姿勢について]
スティック11には、スティック11の長手方向Lに一列に並ぶように複数のコネクタ30が収容される(図1参照)。スティック11内におけるコネクタ30の姿勢は、一対の側壁部16がスティック11の長手方向Lに並ぶ向きにされる(図1参照)。
【0021】
図4に示すように、端子保持部13から離れた側の側壁部16の端縁は、第2窪み部11Cの内面に対向する。基板接続部24が延出する側のフランジ部15の外縁は、第1窪み部11Bの内面に対向する。基板接続部24が延出する側と反対側に位置する側壁部16の外縁は、第3窪み部11Dの内面に対向する。端子保持部13から離れた側のフード部14の端縁は、2つの凸部11Fが接触するように対向する。
【0022】
[クリップについて]
クリップ10は、PVC(ポリ塩化ビニル)等の可撓性を有する合成樹脂製である。図5に示すように、クリップ10は、基部10Aと、本体部10Bと、架設部10Cと、を有している。基部10Aは、板状をなしており、一方向に延びて形成されている。ここで、基部10Aが延びる向きEは、図5における左右方向であって、以下、幅方向Eともいう。
【0023】
基部10Aは、板面に凹凸部10Hを有している。凹凸部10Hは、第1凸部10J、第1凹部10K、第2凸部10L、及び第2凹部10Mを有している。第1凸部10J及び第1凹部10Kは、基部10Aの一方の板面において、幅方向Eに交互に並んで配置されている。基部10Aを板面に沿う方向、且つ幅方向Eに直交する方向から見て、第1凹部10Kは、半円状に凹んで形成されている。各第1凸部10Jは、基部10Aの一方の板面の一部である。第1凸部10Jは、第1凹部10Kに対して相対的に突出する部分であり、突出方向の先端面が幅方向Eに沿って平坦に形成されている。
【0024】
第2凸部10L及び第2凹部10Mは、基部10Aの他方の板面において、幅方向Eに交互に並んで配置されている。基部10Aを板面に沿う方向、且つ幅方向Eに直交する方向から見て、第2凸部10Lは、半円状に突出して形成されている。各第2凹部10Mは、基部10Aの他方の板面の一部である。第2凹部10Mは、第2凸部10Lに対して相対的に凹む部分であり、凹み方向の奥端が幅方向Eに沿って平坦に形成されている。基部10Aの他方の板面は、幅方向Eにおける両端に近づくにつれ一方側の板面に近づくように傾斜している。言い換えると、基部10Aは、幅方向Eにおける両端に行くほど薄くなるテーパになっている。
【0025】
本体部10Bは、基部10Aの他方の板面における幅方向Eの中央部から、下方へ突出するように設けられている。本体部10Bの内側には、弾性変形許容空間10Fが形成されている(図5における斜線を付した領域)。弾性変形許容空間10Fは、基部10Aの板面に沿い、且つ幅方向Eに直交する方向(本体部10Bの厚み方向)に本体部10Bを貫通して形成されている。弾性変形許容空間10Fは、本体部10Bと基部10Aとによって囲まれるように形成されている。言い換えると、弾性変形許容空間10Fは、幅方向Eに直線状に延びる基部10Aと、両端の各々が基部10Aに連結するようにU字状をなす本体部10Bと、によって囲まれた空間である。弾性変形許容空間10Fは、本体部10Bが弾性変形することによって幅方向Eに狭められる空間を有する。本体部10Bは、弾性変形許容空間10Fの開口幅を小さくする方向に弾性変形することができる。
【0026】
本体部10Bと、基部10Aとの連結部分には、幅方向Eの中央部(後述する中心軸線C)に向けて凹んだ一対の凹部10Nが形成されている。幅方向Eにおけるこれら凹部10Nの間の寸法は、W1である。幅方向Eにおける本体部10Bの最大寸法は、W2である。本体部10Bは、外力が付与されることによって弾性変形可能である。本体部10Bが弾性変形していない状態において、寸法W2は、寸法W1よりも大きい。寸法W1は、スティック11の長手方向Lにおける貫通孔11Aの寸法Wよりも僅かに大きい(図6参照)。寸法W2は、寸法Wよりも大きい(図6参照)。本体部10Bが幅方向Eの中央部に近づくように弾性変形することによって寸法W2が寸法W1に近づく。
【0027】
架設部10Cは、弾性変形許容空間10F内にかけ渡されるように設けられている。幅方向Eから見て、架設部10Cは、弾性変形許容空間10F内に配置されている(図4参照)。言い換えると、架設部10Cは、弾性変形許容空間10Fから外部(本体部10Bの厚み方向も含む)に突出しないようにされている。架設部10Cは、3つの腕部10Gを有している。架設部10Cは、3つの腕部10Gの各一端部が弾性変形許容空間10F内で連結し、その連結部分から放射状に拡がりY字状をなしている。3つの腕部10Gのうちの1つは、基部10Aの板面に直交する方向に延びており、他端部が基部10Aから離れた本体部10Bの端部に連結している。3つの腕部10Gのうちの1つは、本体部10Bの弾性変形方向の中央を通る中心軸線Cに沿って配置されている。他の2つの腕部10Gの他端部は、本体部10Bと基部10Aとが連結する各部分に1つずつ連結している。架設部10Cは、中心軸線Cに対して対称をなしている。こうして、架設部10Cは、本体部10Bの内側に形成された弾性変形許容空間10Fを3つの空間に分割するように配置されている。
【0028】
クリップ10をスティック11に取り付ける一例について説明する。先ず、スティック11内にコネクタ30を収容する。次に、本体部10Bを貫通孔11Aに挿通する。この場合、幅方向Eをスティック11の長手方向Lに沿わせる。そして、貫通孔11Aを外側から塞ぐように本体部10Bの先端部を貫通孔11Aにあてがいつつ、基部10Aを第2窪み部11Cに向けて押圧する。すると、本体部10Bは、幅方向Eの中央部に近づくように弾性変形する。これとともに、本体部10Bと基部10Aとが連結する各部分に連結する2つの腕部10Gも、幅方向Eの中央部に近づくように弾性変形する。そして、本体部10Bが貫通孔11Aに挿通されるとともに、基部10Aの全体が第2窪み部11C内に配置される(図6参照)。このとき、基部10Aは、スティック11の外面側に位置している。この状態において、幅方向Eの両端部側に位置する基部10Aの第2凸部10Lは、幅方向Eの中央部側に位置する第2凸部10Lよりも第2窪み部11Cの底面に対して離間した状態となる。
【0029】
基部10Aが第2窪み部11C内に配置されると、図6に示すように、本体部10B、及び本体部10Bと基部10Aとが連結する各部分に連結する2つの腕部10Gは、弾性復帰する。このとき、本体部10Bの寸法W2は、貫通孔11Aの寸法Wよりも大きくなる。さらに、一対の凹部10Nは、貫通孔11Aによって、幅方向Eに僅かに圧縮された状態が保持される。これにより、本体部10Bは、スティック11の長手方向Lにおける、内面側の貫通孔11Aの両縁部に10Nを区画する肩部10Pが係止した状態になり、貫通孔11Aからの脱落が抑制される。本体部10Bは、架設部10Cによって内側から支えられているので、不用意に変形することが防止される。
【0030】
貫通孔11Aに取り付けられたクリップ10の本体部10Bは、コネクタ30の片方の側壁部16の外側に対向して接触する。言い換えると、本体部10Bは、幅方向Eの外側からコネクタ30が接触する。こうして、クリップ10は、スティック11に収容されたコネクタ30が外部に抜け出ることを防止する。
【0031】
次に、クリップ10をスティック11から取り外す一例について説明する。先ず、作業者が幅方向Eにおける一方側の基部10Aを把持する。そして、基部10Aがスティック11の外面から外向きに離れる方向に引っ張られる。すると、図7に示すように、基部10Aの一方側に連結された本体部10B、及びこの本体部10Bに連結する腕部10Gが貫通孔11Aの外側に引き出される。このとき、基部10Aに設けられた凹凸部10Hによって、指と基部10Aとが滑り難い。
【0032】
さらに、基部10Aがスティック11の外面から外向きに離れる方向に引っ張られる。すると、幅方向Eにおける他方側に連結された本体部10B、及びこの本体部10Bに連結する腕部10Gも貫通孔11Aの外側に引き出される。こうして、クリップ10はスティック11から取り外される。
【0033】
次に、実施形態1の作用を説明する。
クリップ10は、コネクタ30を収容するスティック11に取り付けられる。このクリップ10は、基部10Aと、本体部10Bと、架設部10Cと、を備える。基部10Aは、スティック11の外面側に位置する。本体部10Bは、基部10Aに連結され、内側に弾性変形許容空間10Fが形成され、スティック11の内面側における貫通孔11Aの縁部に係止可能である。架設部10Cは、弾性変形許容空間10F内に架け渡される。この構成によれば、架設部10Cによって本体部10Bがむやみに変形することを防止し、貫通孔11Aに取り付けられた際には、むやみに変形することが防止され、貫通孔11Aから脱落し難くすることができる。
【0034】
クリップ10の架設部10Cは、本体部10Bの弾性変形方向の中央を通る中心軸線Cに対して対称をなす。この構成によれば、本体部10Bをバランスよく変形させることができ、貫通孔11Aに取り付け易くできる。
【0035】
クリップ10の架設部10Cは、本体部10Bの内側を3つの空間に分割するように3つの腕部10Gを有しており、腕部10Gのうちの1つは、中心軸線Cに沿って配置されている。この構成によれば、中心軸線Cが延びる方向に本体部10Bが変形することを良好に抑制することができるので、貫通孔11Aに挿入し易くなる。
【0036】
クリップ10の基部10Aは、板状をなし、板面に凹凸部10Hを有している。この構成によれば、作業者の指が基部10Aを把持した際に、滑り難くすることができる。
【0037】
[本開示の他の実施形態]
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態1に限定されるものではない。本発明には、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれ、下記のような実施形態も含まれることが意図される。
【0038】
実施形態1とは異なり、スティックには、電気部品として、ICや表面実装に用いるチップ部品などを収容してもよい。
【0039】
クリップの材質は、実施形態1に開示されたものでなくてもよく、ウレタンゴムやシリコーン樹脂等の可撓性を有した材料であればよい。
【0040】
腕部の他端部は、基部と連結していてもよく、あるいは、基部と本体部とにわたって連結していてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10…クリップ
10A…基部
10B…本体部
10C…架設部
10F…弾性変形許容空間
10G…腕部
10H…凹凸部
10J…第1凸部
10K…第1凹部
10L…第2凸部
10M…第2凹部
10N…凹部
10P…肩部
11…スティック(筒)
11A…貫通孔
11B…第1窪み部
11C…第2窪み部
11D…第3窪み部
11F…凸部
12…ハウジング
13…端子保持部
14…フード部
15…フランジ部
16…側壁部
22…端子金具
23…端子接続部
24…基板接続部
30…コネクタ(電気部品)
C…中心軸線
E…幅方向(基部が延びる向き)
L…スティックの長手方向
W,W1,W2…寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7