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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142050
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】睡眠改善提案システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20241003BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054015
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊埜御堂 令
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏典
(72)【発明者】
【氏名】夜久 幸希
(72)【発明者】
【氏名】能登谷 美和子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】ユーザの睡眠の質の本質的な改善をすることが可能な睡眠改善提案システムを提供すること。
【解決手段】睡眠改善提案システム(40)は、ユーザの睡眠の質を測定した睡眠情報を記憶する睡眠情報記憶手段(41)と、ユーザの睡眠中の環境情報を少なくとも3つ以上の睡眠区分に分けて記憶する環境情報記憶手段(42)と、睡眠情報記憶手段に記憶された睡眠情報の判定結果が悪い場合に、環境情報記憶処理において睡眠区分ごとに記憶されている環境情報が、所定の基準値を満たすか否かを判定する判定手段(46)と、判定手段の判定結果に基づいてユーザに推奨される睡眠の改善提案情報を睡眠区分毎に分けて表示する提案処理手段(47)とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの睡眠状態を改善するための提案を表示するための睡眠改善提案システムであって、
ユーザの睡眠の質を測定した睡眠情報を記憶する睡眠情報記憶手段と、
ユーザの睡眠中の環境情報を少なくとも3つ以上の睡眠区分に分けて記憶する環境情報記憶手段と、
前記睡眠情報記憶手段に記憶された睡眠情報の判定結果が悪い場合に、前記環境情報記憶処理において前記睡眠区分ごとに記憶されている環境情報が、所定の基準値を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいてユーザに推奨される睡眠の改善提案情報を前記睡眠区分毎に分けて表示する提案処理手段とを備えた、睡眠改善提案システム。
【請求項2】
前記改善提案情報は、ユーザの睡眠状態を改善するためのユーザへのアドバイスである、請求項1に記載の睡眠改善提案システム。
【請求項3】
前記改善提案情報は、前記睡眠情報と前記環境情報が表示されたグラフ曲線である、請求項1に記載の睡眠改善提案システム。
【請求項4】
前記環境情報は、就寝前、就寝前半、就寝後半、および起床後の4つの睡眠区分に分類される、請求項1または2に記載の睡眠改善提案システム。
【請求項5】
前記判定手段は、前記睡眠情報記憶手段に記憶された睡眠情報の判定結果が悪く、前記環境情報記憶手段において前記睡眠区分ごとに記憶されている環境情報が所定の基準値を満たさない場合に、環境制御を行うアドバイスをする、請求項4に記載の睡眠改善提案システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、睡眠改善提案システムに関し、特に、ユーザの睡眠状態を改善するための提案を表示するための睡眠改善提案システムに関する。
【背景技術】
【0002】
睡眠を取ることによって、脳や身体の疲労回復を行い、翌日の行動の活力を養うため、睡眠の質を向上させることは、健康的な生活を送る上で必要不可欠である。そのため、従来から睡眠の質を向上させるための技術が知られている。
【0003】
たとえば、特開2022-103846号公報(特許文献1)には、ユーザの就寝中の生体情報をリアルタイムに取得し、その生体情報に応じて、リアルタイムに住設機器を制御する睡眠環境制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-103846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の睡眠環境制御システムでは、リアルタイムに住設機器の制御がなされるため、質の高い睡眠を取ることができるが、ユーザは睡眠の質が悪い場合の原因を知ることができないため、睡眠の質の本質的な改善をすることができない。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的はユーザの睡眠の質の本質的な改善をすることが可能な睡眠改善提案システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る睡眠改善提案システムは、ユーザの睡眠状態を改善するための提案を表示するための睡眠改善提案システムであって、ユーザの睡眠の質を測定した睡眠情報を記憶する睡眠情報記憶手段と、ユーザの睡眠中の環境情報を少なくとも3つ以上の睡眠区分に分けて記憶する環境情報記憶手段と、睡眠情報記憶手段に記憶された睡眠情報の判定結果が悪い場合に、環境情報記憶手段において睡眠区分ごとに記憶されている環境情報が、所定の基準値を満たすか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいてユーザに推奨される睡眠の改善提案情報を睡眠区分毎に分けて表示する提案処理手段とを備える。
【0008】
好ましくは、改善提案情報は、ユーザの睡眠状態を改善するためのユーザへのアドバイスである。
【0009】
好ましくは、改善提案情報は、睡眠情報と環境情報が表示されたグラフ曲線である。
【0010】
好ましくは、環境情報は、就寝前、就寝前半、就寝後半、および起床後の4つの睡眠区分に分類される。
【0011】
好ましくは、判定手段は、睡眠情報記憶手段に記憶された睡眠情報の判定結果が悪く、環境情報記憶手段において睡眠区分ごとに記憶されている環境情報が所定の基準値を満たさない場合に、環境制御を行うアドバイスをする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザの睡眠の質の本質的な改善をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る睡眠改善提案システムの概略構成図の一例である。
図2】本発明の実施の形態における睡眠改善提案装置の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係る睡眠改善提案システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施の形態に係る提案処理部が提案した改善提案情報としての表である。
図5】本発明の実施の形態に係るアドバイスの一例を示す表であり、(A)は夏季のアドバイスであり、(B)は冬季のアドバイスである。
図6】本発明の実施の形態に係る提案処理部が提案した改善提案情報としてのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0015】
<概要について>
本実施の形態に係る睡眠改善提案システム1は、ユーザの睡眠の質が悪かった場合に、その原因を環境制御の観点でアドバイスするためのものであり、ユーザの睡眠状態と寝室の環境との関係を見える化して、ユーザの睡眠の質を向上させるための本質的な改善をするためのものである。はじめに、図1を参照しながら、睡眠改善提案システム1の概要について説明する。
【0016】
本実施の形態の睡眠改善提案システム1は、概略構成として、端末10と、複数のセンサ部20と、センサ部20から取得した情報を制御する制御部30と、サーバ部40とを備える。
【0017】
端末10は、たとえばタブレットや、スマートフォンと呼ばれる高機能な情報処理機能を備えた携帯型の端末である。端末10には、専用のアプリケーションソフトウェアがインストールされており、そのアプリケーションを起動させることで、表示、操作することができる。
【0018】
センサ部20は、睡眠センサ部21と、環境センサ部22と、設備情報取得部23とを含む。睡眠センサ部21では、睡眠の質を判断する睡眠情報を入手する。睡眠センサ部21は、外部端末機であり、たとえば腕時計タイプの睡眠計、枕、ベッドなど種々の睡眠計測装置である。睡眠情報としては、たとえば入床(ベッドに入った)時刻、就寝(寝付いた)時刻、覚醒した(起きた)時刻、睡眠の深さ、起床(ベッドを離れた)時刻の5つが測定され、それらの情報から、寝付くまでの時間、中途覚醒の時間、睡眠効率が検出される。これらの検出された3つの情報は、睡眠の指標であり、これらの情報から、睡眠情報の判定結果として、ユーザの睡眠の質が「良い」か「悪い」かが判定される。
【0019】
睡眠情報の判定結果の判定基準は、寝つきが30分以内か、中途覚醒が10分以内か、睡眠効率が85%以上かである。この3つの項目のうち、1つでも逸脱しているものがある場合は、ユーザの睡眠の質は「悪い」と判断される。つまり、この3つの項目の全てが上記範囲内でなければ、ユーザの睡眠の質は「良い」と判断されない。
【0020】
環境センサ部22では、住宅の環境情報としての環境検知情報が入手される。環境センサ部22は、住宅に設置されている、温湿度計、照度計などの外部機器である。環境検知情報は、寝室の温度、寝室の相対湿度、および照度(ベッド面の照度)である。また、環境検知情報として、寝室の騒音を入手してもよい。これらの環境検知情報は、いずれも寝室の情報であり、かつ、就寝中および就寝前後1時間以内の情報である。
【0021】
設備情報取得部23では、住宅の環境情報としての環境設定情報が入手される。設備情報取得部23は、たとえばHEMS(Home Energy Management System)などの空調機および照明設備などの設定情報である。環境設定情報は、予め設定された住宅の設定温度、設定湿度、照明照度出力、照明色温度などである。これらの環境設備情報は、いずれも寝室の情報であり、かつ、就寝中および就寝前後1時間以内の情報である。なお、環境センサ部22で入手した環境検知情報、および、設備情報取得部23で入手した環境設定情報をまとめて「環境情報」ともいう。睡眠センサ部21、環境センサ部22、および設備情報取得部23で取得した複数の情報が制御部30に送信され、保存される。
【0022】
制御部30は、センサ部20で取得したすべてのデータを取りまとめて管理して、サーバ部40に送信する。制御部30では、たとえば住宅の空調機および照明設備などのON/OFFの指示、設定変更などを行うようにしてもよい。
【0023】
<睡眠改善提案システムの構成>
図2を参照して、本実施の形態の睡眠改善提案処理を行うサーバ部40について詳細に説明する。サーバ部40は、典型的にはクラウドサーバであり、サーバ部40と上述した端末10とは、送受信する。サーバ部40は、本実施の形態の睡眠改善提案部である。
【0024】
サーバ部40は、ハードウェア構成として、睡眠情報記憶部41と、環境情報記憶部42と、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)43と、計時動作を行う計時部44と、ネットワークを介して端末10と通信する通信部45とを備えている。
【0025】
睡眠情報記憶部41は、上述した睡眠センサ部21から送信された睡眠情報を記憶する。具体的には、睡眠情報記憶部41は、1日の睡眠情報(寝付きまでの時間、中途覚醒の時間、睡眠効率)、および、1日の睡眠情報の判定結果(睡眠の質が「良い」か「悪い」か)を記憶する。
【0026】
環境情報記憶部42は、上述した環境センサ部22で入手した環境検知情報、および、設備情報取得部23で入手した環境設定情報を記憶する。具体的には、環境情報記憶部42は、寝室の温度、相対湿度、照明の照度、および照明の色温度を記憶する。これらの情報は、「就寝前」、「就寝前半」、「就寝後半」、「起床後」の4区分の睡眠区分ごとに分けて記憶される。「就寝前」は、就寝1時間前から入床であり、「就寝前半」は、入床後から入床後3時間であり、「就寝後半」は、入床後3時間後から起床までであり、「起床後」は、起床後から起床1時間後までである。
【0027】
CPU43は、判定部46と、提案処理部47とを含む。判定部46は、睡眠情報記憶部41に記憶された睡眠情報と、環境情報記憶部42に記憶された環境情報(環境検知情報、環境設定情報)とを比較して、4区分ごとに判定する。判定部46は、睡眠情報記憶部41に記憶された睡眠情報の判定結果が悪い場合に、環境情報記憶部42において睡眠区分ごとに記憶されている環境情報が、所定の基準値を満たすか否かを判定する。
【0028】
環境情報の判定基準は、たとえば室温が24℃以上28℃以下の範囲内か、相対湿度が40%以上70%以下の範囲内かである。温度および相対湿度は、個人差が大きく、快適な温度が個人によって異なる。たとえば40代男性(父)は、温度24℃±2度、相対湿度40%±10℃が快適だとしても、40代女性(母)は、温度26℃±2度、相対湿度60%±10%が快適であったりする。そのため、温度および相対湿度の判断基準は、AIなどの技術手段を用いて各人毎に快適な温度を学習することが好ましい。具体的には、直近7日間の平均値を基準として、温度は基準±2℃、相対湿度は±10%を各人毎の推奨の範囲として設定する。
【0029】
さらに、環境情報の判定基準は、照度が就寝前250lx以下であり、就寝中50lx以下である。色温度は、就寝前および就寝中が暖色であり、起床後が蛍光色または昼白色である。照度および色温度は、個人差がなく絶対的なものであるため、すべてのユーザがこの基準で判断される。
【0030】
提案処理部47は、判定部46による判定結果に基づいてユーザに推奨される睡眠の改善提案情報を4つの睡眠区分毎に分けて処理する。改善提案情報は、睡眠の質を改善するためのアドバイスであり、図4の下欄に示されている。また、改善提案情報は、睡眠状態と環境情報が表示されたグラフであってもよく、図6に示されている。改善提案情報については、後述する。
【0031】
<睡眠改善提案部の動作について>
図3は、本実施の形態に係る睡眠改善提案部のフローチャートである。図4は、改善提案情報の一例としての表である。図3および図4を参照して、睡眠改善提案部の動作について説明する。以下の説明では、睡眠改善提案部で表示されるユーザは、4人家族であるとして説明する。主寝室には、夫婦が就寝し、子供部屋1には子供(兄)が就寝し、子供部屋2には子供(弟)が就寝しているものとする。
【0032】
まず、家族全員分の1日の睡眠情報を取得する(ステップS10)。具体的には、図4の上欄に示すように、ユーザの睡眠情報の判定結果、寝付きまでの時間、中途覚醒時間、睡眠効率を取得する。これらの情報は、上述した睡眠センサ部21から入手する。
【0033】
次に、4つの睡眠区分ごとの環境データを取得する(ステップS12)。具体的には、図4に示すように、4つの睡眠区分(就寝前、就寝前半、就寝後半、就寝後)ごとに、4つの環境情報(温度、相対湿度、照度、色温度)をそれぞれ入手する。
【0034】
ステップS10で取得した睡眠情報の判定結果が「良い」場合は、アドバイスしない(ステップS14にてNo)。睡眠情報の判定結果が良いということは、睡眠に関して何ら指摘することもないからである。図4を参照して、睡眠情報の判定結果が「良い」と判断されている主寝室がこれに該当し、主寝室に関しては、アドバイスは行わない。具体的には、下欄において、問題点「なし」、アドバイス「なし」と表示される。
【0035】
ステップS10で取得した睡眠スコアを確認し、睡眠情報の判定結果が「悪い」場合は(ステップS14にてYes)、環境情報が基準値を満たさないかを確認する(ステップS18)。図4を参照して、睡眠情報の判定結果が「悪い」と判断されている子供部屋1と子供部屋2がこれに該当する。具体的には、子供部屋1は中途覚醒が60分、睡眠効率が80%であり、基準値よりも低い。子供部屋2は、寝つきが45分、睡眠効率が82%であり、基準値よりも低い。
【0036】
そのため、4区分に分けた環境情報のうち、基準値を逸脱している環境情報を確認する。子供部屋1では、就寝後半および起床後の温度が30℃であり、基準値の28℃よりも高かったことが分かる。また、子供部屋2では、就寝前の照度が750lxであり、基準値の250lx以下よりもかなり高かったことが分かる。環境情報が基準値を満たさなければ(ステップS18にてYes)、睡眠区分ごとの環境制御のアドバイスを行う(ステップS22)。
【0037】
図5(A)は、夏季のアドバイス一覧表であり、図5(B)は冬季のアドバイス一覧表が示されている。この一覧表では、夏季は外気温が15℃以上である場合であり、冬季は外気温が15℃未満である場合である。本実施の形態は夏季であるため、図5(A)を参照する。まず、子供部屋1に着目して説明する。就寝後半は、温度が30℃と高いが、就寝前半は、温度が26℃で基準を逸脱していない。図5(A)に示すように、制御の推奨は「冷房連続運転」であり、アドバイスは「冷房を連続運転しましょう」である。また、起床後は、温度が30℃と高く基準値を逸脱している。図5(A)に示すように、「冷房オン(タイマー設定)」であり、アドバイスは「冷房運転をして、就寝環境を整えましょう」である。このアドバイスを参考に、図4の表の下欄に問題点とアドバイスが自動で表示される。子供部屋1の問題点は、就寝後半と起床後の温度が高いことであるため、アドバイスとしては連続運転を推奨、冷房オンと表示される。
【0038】
また、子供部屋2は、就寝前の照度が750lxと高い。そのため、図5(A)に示すように、制御の推奨が「照度設定変更(推奨範囲)」であり、アドバイスは「就寝前は照度を落としましょう」である。このアドバイスを参考に、図4の表の下欄に問題点とアドバイスを記載する。子供部屋2の問題点は、就寝前照度が高いことであるため、アドバイスとしては就寝前低照度を推奨と自動で表示される。このように環境制御とは、温度、相対湿度、照度、色温度の設定を制御することであり、たえば、空調機、加湿器、照明設備の設定変更である。
【0039】
一方で、環境情報が基準値を満たす場合は(ステップS18にてNo)、環境制御以外のアドバイスを行う。具体的には、生活行為、食事の順番で改善提案を行う。生活行為は、たとえば入浴時間およびスマートフォンを見る時間などである。食事は、たとえば飲食時間および飲食内容などである。生活行為、食事は、寝室の環境制御の次に睡眠に影響している可能性が高いからである。
【0040】
本実施の形態の睡眠改善提案システムは、睡眠の質が悪かった場合の問題点を4つの睡眠区分に分けた環境情報に基づいて抽出することができ、4つの睡眠区分ごとに睡眠の質を改善するためのアドバイスが表示されるため、ユーザに詳細な気づきを与えることができ、ユーザの睡眠の質の本質的な改善が可能となる。
【0041】
<変形例>
なお、本実施の形態の睡眠改善提案システムでは、睡眠の質を改善するためのアドバイスを図4に示すような表を用いて行ったが、図6に示すようなグラフを用いて行ってもよい。
【0042】
図6は、睡眠段階と室温との関係を示すグラフである。図6は、横軸に睡眠時間が示されており、縦軸に睡眠段階および室温が示されている。睡眠段階は、覚醒、REM、1~4の6段階で表示されている。
【0043】
睡眠段階の線を参照して、就寝前半は眠りが深かったにも関わらず、就寝後半は2度も覚醒しており、眠りが浅くなったことが分かる。また、室温の曲線を参照して、就寝前半は26℃であるが就寝後半になるにつれて徐々に上昇し32℃に推移していることが分かる。これは、エアコンの温度が2時間のタイマー設定になっており、タイマーが切れたことで室温が上昇したことが原因であることが推測できる。そのため、アドバイスとしては、冷房を連続運転することが考えられる。このように、改善提案情報をグラフで表すことで、時間ごとの睡眠所情報と環境情報とを視覚的に認識することができるため、睡眠の質の本質的な改善につなげることが可能となる。
【0044】
なお、本実施の形態では、睡眠区分が就寝前、就寝前半、就寝後半、および起床後の4つに区分されるとして説明したが、就寝前、就寝前半、就寝後半の少なくとも3つ以上に区分されればよい。
【0045】
本実施の形態では、睡眠センサ部21が睡眠情報の判定を行い、その判定結果をサーバ部40に送信するとして説明したが、睡眠センサ部21が睡眠情報を測定し、睡眠改善提案部40がその睡眠センサ部21で測定した睡眠情報を元に睡眠の質の「良い」「悪い」を判断してもよい。
【0046】
本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0047】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0048】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 睡眠改善提案システム、10 端末、40 サーバ部(睡眠改善提案部)、41 睡眠情報記憶部、42 環境情報記憶部、43 CPU、46 判定部、47 提案処理部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6