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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142068
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】心臓の模擬装置
(51)【国際特許分類】
   G09B 23/28 20060101AFI20241003BHJP
   A61B 5/319 20210101ALI20241003BHJP
   G09B 9/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G09B23/28
A61B5/319
G09B9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054048
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】509180566
【氏名又は名称】公立大学法人札幌市立大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】下水流 裕斗
(72)【発明者】
【氏名】定廣 和香子
(72)【発明者】
【氏名】細谷 多聞
【テーマコード(参考)】
2C032
4C127
【Fターム(参考)】
2C032CA03
2C032CA06
4C127AA02
4C127CC08
4C127HH04
4C127HH16
(57)【要約】
【課題】心臓の活動と心電図の波形との結びつきを学習するための心臓の模擬装置を提供する。
【解決手段】心臓の刺激伝導系における信号の動きを模擬的に表示する複数個のLED210と、心電図の少なくともいずれかの誘導における心臓を見る立体的な方向を模擬的に表示するマーカ300とを備えている。LED210は、心臓の刺激伝導系を模擬する経路を構成する配線220に沿って配列されている。配線220に沿ってLED210の点灯状態が遷移することで信号の動きが表示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の刺激伝導系における信号の動きを模擬的に表示する複数個の照明と、
心電図の少なくともいずれかの誘導における心臓を見る立体的な方向を模擬的に表示する方向表示部とを備えていることを特徴とする心臓の模擬装置。
【請求項2】
少なくとも一部が透明又は半透明である筐体を備えており、
前記複数個の照明が前記筐体内に配置されており、
前記方向表示部が前記筐体の表面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の心臓の模擬装置。
【請求項3】
前記複数個の照明が、洞房結節、結節間路、房室結節、ヒス束、左脚・右脚及びプルキンエ線維を模擬する経路に沿って配列されており、
前記複数個の照明が前記経路に沿った順に光の状態を変化させることで前記信号の動きを表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の心臓の模擬装置。
【請求項4】
前記複数個の照明が表示する前記信号の動きの速さが調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の心臓の模擬装置。
【請求項5】
心臓の刺激伝導系における信号の動きを模擬的に表示する信号表示用画像と、
心電図の少なくともいずれかの誘導における心臓を見る立体的な方向を表示する方向表示用画像とをディスプレイに表示させることを特徴とする心臓の模擬装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心臓の模擬装置に関する。
【背景技術】
【0002】
心電図の学習用の教材として特許文献1のように波形を表示する装置が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-242160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置は、単に心電図波形を表示するのみであり、その波形を生み出す心臓の活動への理解を支援する構成としては十分でない。心臓の活動と心電図の波形との結びつきを学習するための適切な教材が求められている。
【0005】
本発明の目的は、心臓の活動と心電図の波形との結びつきを学習するための心臓の模擬装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の心臓の模擬装置は、心臓の刺激伝導系における信号の動きを模擬的に表示する複数個の照明と、心電図の少なくともいずれかの誘導における心臓を見る立体的な方向を模擬的に表示する方向表示部とを備えている。
【0007】
本発明の心臓の模擬装置によると、心臓の活動の1つである刺激伝導系における信号の動きを誘導に対応する方向から見ながら観察できる。このため、心電図波形と信号の関係とが視覚的に理解しやすい。よって、心臓の活動と心電図波形との結びつきを適切に学習できる。なお、方向表示部は、少なくとも1つの方向を表示するものであればよい。例えば、標準12誘導法における12の誘導のうちいずれか1つに係る心臓を見る方向を表示する方向表示部を備えていてもよい。
【0008】
また、本発明においては、少なくとも一部が透明又は半透明である筐体を備えており、前記複数個の照明が前記筐体内に配置されており、前記方向表示部が前記筐体の表面に配置されていることが好ましい。これによると、筐体内の複数個の照明が表示する信号の動きを、筐体における透明又は半透明の部分を通じて適切に観察できる。
【0009】
また、本発明においては、前記複数個の照明が、洞房結節、結節間路、房室結節、ヒス束、左脚・右脚及びプルキンエ線維を模擬する経路に沿って配列されており、前記複数個の照明が前記経路に沿った順に光の状態を変化させることで前記信号の動きを表示することが好ましい。これによると、照明が信号の動きを見やすく表示できる。なお、光の状態を変化させることには、光の明るさを変化させることや光の色を変化させることが含まれる。
【0010】
また、本発明においては、前記複数個の照明が表示する前記信号の動きの速さが調整可能であることが好ましい。これによると、照明が表示する信号の動きの速さを実際の速さに近づけたり、見やすいように速さを下げたりすることが可能になる。
【0011】
また、本発明の別の観点における心臓の模擬装置は、心臓の刺激伝導系における信号の動きを模擬的に表示する信号表示用画像と、心電図の少なくともいずれかの誘導における心臓を見る立体的な方向を表示する方向表示用画像とをディスプレイに表示させる。
【0012】
上記別の観点における心臓の模擬装置によると、心臓の活動の1つである刺激伝導系の信号の動きを誘導に対応する方向から見ながら観察できる。このため、心電図波形と信号の関係とが視覚的に理解しやすい。よって、心臓の活動と心電図波形との結びつきを適切に学習できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態である第1の実施形態に係る心臓の模擬装置の正面図である。
図2図1の心臓の模擬装置を図1とは異なる角度から見た図である。
図3図1の心臓の模擬装置の電気的構成を示すブロック図である。
図4】本発明の別の一実施形態である第2の実施形態に係る心臓の模擬装置の概略構成を示すブロック図である。
図5図4の模擬装置のディスプレイに表示される画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施形態]
以下、本発明の一実施形態である第1の実施形態に係るヒトの心臓の模擬装置1(以下、模擬装置1)について、図1図3を参照しつつ説明する。図1に示すように、模擬装置1は心臓を模擬した装置であり、楕円体の概略形状を有している。以下、図1に示すように、実際の心臓の配置に基づいて上下・左右・前後の各方向を設定しつつ説明する。
【0015】
模擬装置1は、図1及び図2に示すように、筐体部100、照明部200、マーカ300及び制御部400を有している。筐体部100(本発明でいう筐体)は、内部に照明部200及び制御部400を収容する容器を構成している。筐体部100は、ドーム部110、皿部120及びスイッチ130を有している。ドーム部110は後方に開口したドーム型の概略形状を有している。ドーム部110は、透明又は半透明のプラスチック製等の材質からなり、筐体部100の外側から内側が観察できるように構成されている。皿部120はドーム部110の開口を閉じるように構成された皿状の部材である。皿部120の内部には、制御部400及び制御部400に作動用の電力を供給する電池が収容されている。皿部120の前面には、4つの窪みが後方に向かって窪んだ凹部として形成されている。4つの窪みは、右心房部121、左心房部122、右心室部123及び左心室部124を模擬している。互いの窪みの間の凸部は中隔を模擬している。スイッチ130は、後述する照明部200のLED210の点灯・消灯やその速さを切り替える部材である。ダイヤル式のスイッチ130は、ドーム部110の左側面に設置されている。
【0016】
照明部200は、心臓の刺激伝導系における信号の動きを模擬的に表示する複数のLED210(本発明でいう照明)及び配線220を有している。配線220は、右心房部121から左心房部122、右心室部123及び左心室部124に渡って延びており、洞房結節、結節間路、房室結節、ヒス束、左脚・右脚及びプルキンエ線維を模擬する経路を構成している。配線220は皿部120の前面に固定されている。各LED210は、配線220に沿って互いに間隔を空けつつ一列に配列されている。洞房結節に対応する位置のLED210はLED211、房室結節に対応する位置のLED210はLED212である。LED211及びLED212は他のLED210よりも大きい。複数個のLED210が、後述するように配線210に沿った順に点滅する(つまり、LED210が発する光の状態を変化させる)ことで刺激伝導系の信号の動きを表示する。LED211及びLED212を他のLED210より大きくすることで、洞房結節から結節間路を通じて房室結節にかけての刺激伝導系の各区域における信号の動きを視覚的に分かりやすくしている。
【0017】
マーカ300(本発明でいう方向表示部)は、円形のシール状の部材であり、ドーム部110の外表面に付されている。なお、マーカ300はドーム部110の内表面に付されていてもよい。各マーカ300は、標準12誘導法に含まれる12の誘導において心臓を見る立体的な方向を、筐体100の外部から視認可能に表示している。
【0018】
例えば、マーカ300のうち、6つのマーカ301~306は、標準12誘導法のV1~V6誘導における心臓を見る立体的な方向を表示している。これに応じ、マーカ301には「V1」、マーカ302には「V2」、マーカ303には「V3」、マーカ304には「V4」、マーカ305には「V5」、マーカ306には「V6」と、ドーム部110の外側から視認可能に記されている。V1誘導は右室側から心臓を見る誘導である。V2誘導は、右室と左室前壁側から心臓を見る誘導である。V3誘導は心室中隔と左室前壁から心臓を見る誘導である。V4誘導は心室中隔と左室前壁方向を見る誘導である。V5誘導は左室前壁と側壁を見る誘導である。V6誘導は左室側壁を見る誘導である。これに応じ、マーカ301は右室側を見る位置に、マーカ302は右室と左室前壁側を見る位置に、マーカ303は心室中隔と左室前壁を見る位置に、マーカ304は心室中隔と左室前壁方向を見る位置に、マーカ305は左室前壁と側壁を見る位置に、マーカ306は左室側壁を見る位置にそれぞれ配置されている。これにより、マーカ301~306のそれぞれから筐体部100の中心部をのぞき込むように筐体部100内を観察することで、V1~V6の各誘導において心臓を見る方向を疑似体験できる。また、本実施形態のマーカ300には、図1及び図2に示すように、12誘導法における他の6つの誘導(四肢誘導I~III、aVL、aVR及びaVF)について心臓を見る方向を表示するマーカも1つ以上含まれていてよい。
【0019】
制御部400は、照明部200の動作を制御する電子回路から構成されている。制御部400には、図3に示すように、スイッチ130からその状態を示す信号が入力される。制御部400は、皿部120内に収容されている。制御部400は、以下の回路a、回路b及び回路cを有している。回路aは各LED210の点灯状態・消灯状態を切り替える。回路bは回路aによるLED210の状態の切り替えを配線220に沿った順に遷移させる。これにより、刺激伝導系の信号の動き(図1の白抜き矢印に沿った動き)をLED210で表示させる。回路cはスイッチ130の状態に基づいて回路bによる遷移の速さを切り替える。これによって、刺激伝導系の信号の動きの速さを調整可能である。制御部400は上述の電池からの電力供給により動作する。なお、電池の代わりにAC電源等のその他の電力供給手段が使用されてもよい。
【0020】
以下、模擬装置1を教材として使用する方法の一例について説明する。
【0021】
まず、スイッチ130を操作し、制御部400の作動を開始させる。制御部400の回路aは、洞房結節に対応する位置のLED211及び房室結節に対応する位置のLED212を点灯させる。回路aによる各LED210の点灯状態及び消灯状態の切り替えを回路bが図1の白抜き矢印に沿って次々に遷移させる。これにより、LED210の点灯状態が、洞房結節に対応する位置から、結節間路、房室結節、ヒス束、左脚・右脚及びプルキンエ線維に沿った順にプルキンエ線維の末端に対応する位置まで遷移する。このようなLED210の点灯状態の遷移が、刺激伝導系に沿った信号の動きを模擬的に表す。また、スイッチ130を操作すると、回路cが、スイッチ130から入力される信号に応じて、回路bによるLED210の点灯状態の遷移の速さを切り替える。
【0022】
実際の心臓は、刺激伝導系に沿って伝わる信号により、右心房から右心室及び左心室の各部位において順次、細胞が脱分極により興奮する。その後、時間が経過すると再分極により細胞の興奮がおさまる。心電図波形は、このような心臓の活動を電圧波形として捉えたものである。そして、標準12誘導法は、V1~V6等の各誘導に対応する方向から心臓を見たときの心臓の活動を心電図波形として捉えることができる方法である。したがって、各誘導において心臓を見る方向と、その方向から心臓を見たときの信号の動きとを理解することが、心電図の学習上重要である。
【0023】
そこで、学習者は、マーカ300が示す方向に対応する様々な角度から照明部200を見ることができる位置に模擬装置1を配置しつつ模擬装置1を観察する。例えば、図2は、マーカ303が示す方向に対応する角度で照明部200を見ることができる位置に模擬装置1を配置した例である。そして、学習者の理解に合わせて、LED210の点灯状態が遷移していく動きの速さを調整する。これにより、学習者は、LED210の点灯状態の遷移が示す信号の動きを、各マーカ300に基づいて各誘導に対応する方向から見ることで把握することができる。
【0024】
以上のように、模擬装置1によると、刺激伝導系の信号の動きを各誘導に対応する方向から見ながら観察できる。このため、各誘導が捉える心電図波形と信号の関係とが視覚的に理解しやすい。よって、心臓の活動の1つである刺激伝導系における信号の動きと心電図の波形との結びつきを適切に学習できる。
【0025】
また、透明又は半透明のドーム部110を備えており、複数個のLED210がドーム部110内に配置され、マーカ300がドーム部110の外表面に配置されている。このため、筐体部100内のLED210が表示する信号の動きを、ドーム部110における透明又は半透明の部分を通じて適切に観察できる。
【0026】
また、複数のLED210が、洞房結節、結節間路、房室結節、ヒス束、左脚・右脚及びプルキンエ線維を模擬する経路に沿って配列されており、各LED210の点灯状態が経路に沿った順に遷移することで信号の動きを表示する。このため、各LED210が信号の動きを見やすく表示できる。
【0027】
また、複数のLED210が表示する信号の動きの速さがスイッチ130によって調整可能である。これにより、LED210が表示する信号の動きの速さを実際の速さに近づけたり、見やすいように速さを下げたりすることが可能になる。
【0028】
[第2の実施形態]
以下、本発明の別の一実施形態である第2の実施形態に係る模擬装置2について説明する。
【0029】
模擬装置2は、入力デバイス201、コンピュータ202及びディスプレイ203を備えている。入力デバイス201は、マウス、タッチパッド、タッチパネル等のポインティングデバイス、キーボード等からなる。コンピュータ202は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びストレージを有する。ROM及びRAMには、CPUが各種制御を行うためのプログラムやデータが格納される。RAMは、CPUがプログラムを実行する際に用いるデータを一時的に記憶する。コンピュータ202は、ROMやRAMに格納されたプログラム及びデータからなるソフトウェアがCPU等のハードウェアに所定の処理を実行させることでディスプレイ203に画像を表示させる以下の処理の他、各種の処理を実行する。
【0030】
コンピュータ2は、図5に示す画面IMの画像をディスプレイ203に表示させる。画面IMは、模擬装置1を表現した立体画像G0を含んでいる。立体画像G0は、筐体部100、照明部200及びマーカ300に対応する立体画像G1、G2及びG3を含んでいる。立体画像G1~G3は、筐体部100、照明部200及びマーカ300と同じ立体形状及び位置関係を有している。例えば、筐体部100に対応する立体画像G1は、ドーム部110に対応する透明又は半透明な部分を有している。照明部200に対応する立体画像G2(本発明でいう信号表示用画像)は、立体画像G1の内部に相当する位置に配置されている。立体画像G3(本発明でいう方向表示用画像)は、立体画像G1のドーム部110の表面におけるマーカ300のそれぞれと対応する位置に配置されている。立体画像G2は、LED210及び配線220に対応する画像を含んでいる。この画像において、点灯状態及び消灯状態がLED210と同様に切り替わり、刺激伝導系における信号の動きを模擬的に表示するように配線220の画像に沿って点灯状態が遷移する。
【0031】
さらに、画面IMはメニュー画像Gmを含んでいる。メニュー画像Gmは、「回転」「並進」等の文字の表示を含んだメニュー項目画像を含んでいる。メニュー項目画像はポインティングデバイスを使用して選択可能である。メニュー項目画像が選択されると、その後に画面IM内に表示される設定値入力画像において立体画像G0の回転角度、並進距離、拡大率又は縮小率及び信号の動きの速さが入力可能である。これにより、入力された角度や距離等に基づき、立体画像G0を回転、並進、拡大、縮小したり、立体画像G2において点灯状態が遷移する速さを調整したりすることができる。
【0032】
以上のように構成された模擬装置2において、学習者は、メニュー画像Gmを用いた設定値の入力により、マーカ300に対応する立体画像G3と照明部200に対応する立体画像G2との位置関係やこれらの大きさ、画面IM上の配置等を調整する。これにより、立体画像G3が示す各誘導において心臓を見る方向に対応する様々な角度から、立体画像G2において表示される信号の動きを見ることができる。また、学習者の理解に合わせて、立体画像G2において点灯状態が遷移していく動きの速さを調整できる。
【0033】
<変形例>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
【0034】
例えば、上述の第1の実施形態においては、ダイヤル式のスイッチ130を使用して信号の動きの速さを調整する。これに代えて、様々なスイッチが採用されてもよい。例えば、複数のスイッチで速さを調整するように構成されていてもよいし、スライド式のスイッチで速さを調整するように構成されていてもよい。
【0035】
また、上述の実施形態においては、刺激伝導系の信号の動きを模擬的に表示する手段としてLED210が使用されている。これに代えて、又は加えて、その他の照明が採用されてもよい。例えば、白熱電球を使用した照明が採用されてもよい。
【0036】
また、上述の第1又は第2の実施形態においては、標準12誘導法のうち、V1~V6誘導の6つとその他の誘導とについて心臓を見る方向を表示するマーカ300又は立体画像G3が採用されている。これに関し、標準12誘導法のいずれか1つ以上の誘導についてのマーカ300又は立体画像G3が採用されていれば、上述の第1又は第2の実施形態以外の構成が採用されてもよい。例えば、V1~V6誘導の6つに係るマーカ300又は立体画像G3のみが採用されてもよいし、V1誘導及びI誘導に係るマーカ300又は立体画像G3のみが採用されてもよい。さらに、標準12誘導法以外の誘導における心臓を見る方向を表示するマーカが採用されてもよい。
【0037】
また、上述の第1又は第2の実施形態においては、心臓を見る方向を表示する構成としてマーカ300又は立体画像G3が採用されている。これらに代えて、又は加えて、心臓を見る方向を表示する構成としてマーカ300又は立体画像G3以外の構成が採用されてもよい。例えば、マーカ300の代わりに、又は加えて、形状の異なるマーカやLED等により心臓を見る方向を表示する構成が採用されてもよい。また、立体画像G3の代わりに、又は加えて、誘導に対応する方向を指示する矢印形状の立体画像が採用されてもよい。
【0038】
また、上述の第2の実施形態においては、第1の実施形態に係る模擬装置1を画像で表現した立体画像G0が採用されている。これに代えて、立体画像G0とは別の画像表現が採用されてもよい。例えば、模擬装置1の画像表現ではなく、より実際の心臓に近い画像表現が採用されてもよい。
【0039】
また、上述の第1の実施形態においては、筐体部100内に制御部400が収容されている。これに代えて、制御部400が筐体部100外に設置されていてもよい。この場合、制御部400と筐体部100内の照明部200とが有線接続されてもよい。
【0040】
また、上述の第1の実施形態においては、照明部200に信号の動きを表示させるに当たり、LED210の点灯状態及び消灯状態を切り替えることで、点灯状態が配線220に沿って遷移する構成が採用されている。これに代えて、LED210が発する光の状態をその他の態様で変化させてもよい。例えば、全てのLED210が常時点灯しており、明るさが変化する(強くなる又は弱くなる)状態が配線220に沿って遷移することで信号の動きが表示されてもよい。また、光の色が変化する状態が配線220に沿って遷移することで信号の動きが表示されてもよい。
【0041】
また、上述の第1の実施形態においては、各LED210が配線220に沿って互いに間隔を空けつつ一列に配列されている。これに代えて、又は加えて、LED210が配線220に沿って二列以上で配列されていてもよいし、間隔を空けず、連続して配列されていてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1、2 模擬装置
100 筐体部
200 照明部
300 マーカ
400 制御部
G0、G1、G2、G3 立体画像
図1
図2
図3
図4
図5