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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142077
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】トイレットロール
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/16 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A47K10/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054062
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】西浦 睦実
(72)【発明者】
【氏名】藤田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】大岡 康伸
【テーマコード(参考)】
2D135
【Fターム(参考)】
2D135AA04
2D135AA17
2D135AA20
2D135AB02
2D135AB13
2D135AC08
2D135AD04
2D135CA01
2D135CA03
2D135CA04
2D135CA05
2D135CA06
2D135DA02
2D135DA03
2D135DA05
2D135DA06
2D135DA09
2D135DA16
(57)【要約】
【課題】トイレットペーパーのプライ剥がれを抑えつつ、風合いの良さと良好な吸水性を両立させたトイレットロールを提供する。
【解決手段】少なくとも一方にエンボスパターンが付与された2枚の原紙をグルーで接着処理し、2プライに積層したトイレットペーパーを、ロール状に巻き取ったトイレットロールであって、トイレットペーパーの1プライ当たりの坪量が11g/m以上31g/m以下、単位面積当たりの吸水量が175g/m以上505g/m以下、HF値が70以上90以下であり、エンボスパターンは、第一エンボス及び第二エンボスを含み、トイレットペーパーのロール外周面側における第一エンボスの面積が1.0mm以上4.0mm以下であり、第一エンボスの凸部がトイレットペーパーにおいて占める面積率が9%以上17%以下である、トイレットロールを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方にエンボスパターンが付与された2枚の原紙をグルーで接着処理し、2プライに積層したトイレットペーパーを、ロール状に巻き取ったトイレットロールであって、
前記トイレットペーパーの1プライ当たりの坪量が11g/m以上31g/m以下、単位面積当たりの吸水量が175g/m以上505g/m以下、ティシューソフトネス測定装置TSAにより測定したHF値が70以上90以下であり、
前記エンボスパターンは、第一エンボス及び第二エンボスを含み、
前記トイレットペーパーのロール外周面側における前記第一エンボスの面積が1.0mm以上4.0mm以下であり、前記第一エンボスの凸部が前記トイレットペーパーにおいて占める面積率が9%以上17%以下であることを特徴とする、トイレットロール。
【請求項2】
前記トイレットペーパーの縦方向の伸び率が8%以上20%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
【請求項3】
前記トイレットペーパーの紙厚が0.9mm/10プライ以上2.1mm/10プライ以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
【請求項4】
前記トイレットペーパーにおける、JIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強度と乾燥時の横方向の引張強度との積の平方根GMTを、前記トイレットペーパーの1プライ当たりの坪量で除した値が10以上22以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
【請求項5】
前記トイレットペーパーにおける、JIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強度が260gf/25mm以上740gf/25mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
【請求項6】
前記トイレットペーパーにおける、JIS P 8113に基づく乾燥時の横方向の引張強度が100gf/25mm以上280gf/25mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
【請求項7】
前記トイレットペーパーにおける、JIS P 8135に基づく湿潤時の縦方向の引張強度が110gf/25mm以上190gf/25mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のトイレットロール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンボスパターンが付与された2プライのトイレットペーパーを巻き取ったトイレットロールに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパーは、1プライのみならず、2プライ以上のプライを有する製品も市販されている。
【0003】
2プライ以上のトイレットペーパー製品においては、プライ剥がれを抑えることが必要となる。
一般的にはナーリングエンボスによる接着処理を行うが、その他の方法としては、グルー(糊)による接着が行われる。
【0004】
グルーで接着されたトイレットペーパーに関しては、例えば特許文献1には、二枚以上の原紙シートが重ねられたシート製品であって、シート面に点線状のラインエンボスで区切られた複数の区画からなる模様が形成されており、かつ、ラインエンボスの凸部に付与された糊を介して隣接する原紙シート同士が接着されている、ことを特徴とするエンボス付与シート製品が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には2プライに積層されてグルーで接着処理され、エンボスパターンが付与されたトイレットペーパーをロール状に巻取ったトイレットロールであって、エンボスパターンは、2プライの各々に設けられた、ダブルエンボスパターンであり、トイレットペーパーの1プライあたりの坪量が16g/m以上26g/m以下であり、トイレットロールのロール重量が120g以上280g以下、巻長が32m以上56m以下、巻直径が110mm以上150mm以下、ロール密度が0.09g/cm以上0.20g/cm以下であり、トイレットペーパーの2プライのJIS P 4501に基づくほぐれやすさが、20秒以上60秒以下であり、トイレットペーパーの2プライのJIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向引張強さDMDTが2.8N/25mm以上6.4N/25mm以下、2プライのJIS P 8113に基づく乾燥時の横方向引張強さDCDTが0.8N/25mm以上2.3N/25mm以下であり、DMDT/トイレットペーパーの2プライの坪量が0.06以上0.17以下であり、DCDT/トイレットペーパーの2プライの坪量が0.020以上0.060以下であることを特徴とする、温水洗浄便座トイレ用トイレットロールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-280616号公報
【特許文献2】特開2020-179013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようにグルーで接着処理を行う場合、トイレットロールの風合いや吸水性を改善するためのエンボス処理と同時(エンボス処理後すぐ)に行われることとなるが、グルーの量が多いと吸水性や手触りが悪化する等の現象が生じるため、プライ剥がれ防止と風合い改善を両立することは難しい。
【0008】
特に、トイレットペーパーの坪量が高い場合には、プライ剥がれが起きやすい傾向があるが、単にグルーの塗布量を調整するだけでは、プライ剥がれを抑制し、風合いを改善することは困難であった。
また、特許文献1及び2において開示された技術は、グルーの塗布量が適正でないために、吸水量が少なかったり手触りが良くなかったりするという問題点があった。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、トイレットペーパーのプライ剥がれを抑えつつ、風合いの良さと良好な吸水性を両立させたトイレットロールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明者は鋭意検討を行い、少なくとも一方にエンボスパターンが付与された2枚の原紙をグルーで接着処理し、2プライに積層したトイレットペーパーを、ロール状に巻き取ったトイレットロールにおいて、トイレットペーパーの1プライ当たりの坪量、単位面積当たりの吸水量、ティシューソフトネス測定装置TSAにより測定したHF値をそれぞれ所定の数値範囲とし、更にエンボスパターンに含まれる第一エンボス及び第一エンボスより小さい第二エンボスにおいて、ロール外周面側における第一エンボスの面積を規定し、かつ、第一エンボスの凸部がトイレットペーパーにおいて占める面積率を所定の数値範囲内とすることで、トイレットペーパーのプライ剥がれを抑えつつ、風合いの良さと良好な吸水性を両立させたトイレットロールとすることができ、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
【0011】
(1)本発明の第1の態様は、少なくとも一方にエンボスパターンが付与された2枚の原紙をグルーで接着処理し、2プライに積層したトイレットペーパーを、ロール状に巻き取ったトイレットロールであって、前記トイレットペーパーの1プライ当たりの坪量が11g/m以上31g/m以下、単位面積当たりの吸水量が175g/m以上505g/m以下、ティシューソフトネス測定装置TSAにより測定したHF値が70以上90以下であり、前記エンボスパターンは、第一エンボス及び第二エンボスを含み、前記トイレットペーパーのロール外周面側における前記第一エンボスの面積が1.0mm以上4.0mm以下であり、前記第一エンボスの凸部が前記トイレットペーパーにおいて占める面積率が9%以上17%以下であることを特徴とする、トイレットロールである。
【0012】
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、前記トイレットペーパーの縦方向の伸び率が8%以上20%以下であることを特徴とするものである。
【0013】
(3)本発明の第3の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、前記トイレットペーパーの紙厚が0.9mm/10プライ以上2.1mm/10プライ以下であることを特徴とするものである。
【0014】
(4)本発明の第4の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、前記トイレットペーパーにおける、JIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強度と乾燥時の横方向の引張強度との積の平方根GMTを、前記トイレットペーパーの1プライ当たりの坪量で除した値が10以上22以下であることを特徴とするものである。
【0015】
(5)本発明の第5の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、前記トイレットペーパーにおける、JIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強度が260gf/25mm以上740gf/25mm以下であることを特徴とするものである。
【0016】
(6)本発明の第6の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、前記トイレットペーパーにおける、JIS P 8113に基づく乾燥時の横方向の引張強度が100gf/25mm以上280gf/25mm以下であることを特徴とするものである。
【0017】
(7)本発明の第7の態様は、(1)に記載のトイレットロールであって、前記トイレットペーパーにおける、JIS P 8135に基づく湿潤時の縦方向の引張強度が110gf/25mm以上190gf/25mm以下であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、トイレットペーパーのプライ剥がれを抑えつつ、風合いの良さと良好な吸水性を両立させたトイレットロールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係るトイレットロールの外観を示す斜視図である。
図2】原紙に付与されたエンボスパターンを示す平面図である。
図3】エンボスの面積の求め方を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
【0021】
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。なお、後述する各パラメーターの測定は、JIS P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行うものとする。
また、明細書中における流れ方向とは、トイレットペーパーの巻取り方向であり、トイレットペーパーの幅方向に垂直な方向である。明細書中における縦方向及び横方向との関係としては、縦方向が流れ方向と平行な方向であり、横方向が幅方向と平行な方向であることが好ましい。
【0022】
<トイレットロール>
図1は、本発明の一実施形態に係るトイレットロール1の外観を示す斜視図である。本発明の一実施形態に係るトイレットロール1は、少なくとも一方にエンボスパターンが付与された2枚の原紙をグルーで接着処理し、2プライに積層したトイレットペーパー1xを、ロール状に巻き取ったトイレットロール1である。
なお、図1に示すように、トイレットペーパー1x(以下、単にシートとも称する)の表面のうち、ロール外側に指向した表面をロール外周面1a(トイレットペーパー1xの表面)と称する。また、ロール中心部に指向した表面をロール内周面1b(トイレットペーパー1xの裏面)、巻き取られたトイレットペーパー1xの最外端部をトイレットペーパー1xの最外巻の端縁1eと称する。なお、トイレットペーパー1xは、流れ方向に略等間隔に、幅方向に伸びるミシン目を施してもよい(図示しない)。
【0023】
(巻長及び巻直径)
トイレットロール1の巻長は16m以上31m以下であることが好ましく、20m以上31m以下であることがより好ましく、24m以上31m以下であることが更に好ましい。巻長が16m未満であると、同じ巻直径DRの場合にシート1xがゆるく巻かれていることになってプライ剥がれが起こりやすくなり、31mを超えると、シート1xが押しつぶされて風合いが悪くなる。
また、トイレットロール1の巻直径DRは95mm以上140mm以下であることが好ましく、100mm以上134mm以下であることがより好ましく、107mm以上128mm以下であることが更に好ましい。巻直径DRが95mm未満であると、シート1xが押しつぶされて風合いが悪くなり、140mmを超えると、同じ巻直径DRの場合にシート1xがゆるく巻かれていることになってプライ剥がれが起こりやすくなる。
【0024】
巻長は、トイレットペーパー1xの2箇所のミシン目の間を1枚と換算して、10枚分の長さを実測する。その後、トイレットロール1におけるトイレットペーパー1xの枚数を実測し、巻長は10枚分の長さとトイレットペーパー1xの枚数から比例計算で求める。例えば、10枚分の長さが1.80m、トイレットペーパー1xの枚数が150枚の場合、1.80m×(150/10)=27mとなる。
また、ロールの巻直径DRは、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて測定する。測定は、4個のトイレットロール1を測定し、測定結果を平均する。
【0025】
(シート長及びシート幅)
2箇所のミシン目の間の長さ(トイレットペーパー1xの1枚分のシート長)は、96mm以上130mm以下が好ましく、102mm以上126mm以下がより好ましく、108mm以上120mm以下が更に好ましい。また、トイレットペーパー1xのシート幅は、96mm以上130mm以下が好ましく、102mm以上126mm以下がより好ましく、108mm以上120mm以下が更に好ましい。シート長及びシート幅がいずれも上記の数値範囲内であることにより、トイレットペーパー1xのプライ剥がれを抑えつつ、風合いの良さと良好な吸水性を両立させたトイレットロール1とすることができる。
【0026】
(ロール重量)
そして、トイレットロール1のロール重量は90g以上205g以下であることが好ましく、100g以上195g以下であることがより好ましく、110g以上180g以下であることが更に好ましい。ロール重量が90g未満であると、同じ巻長の場合に坪量が低くなって吸水性に劣り、205gを超えると、同じ巻長の場合に坪量が高くなって手触りに劣る。
上記数値範囲のロール重量は、トイレットロール1におけるコア(紙管)を含まないロール幅114mm当たりの1ロールの重量とする。ロール幅が114mmでない場合は、比例計算により114mm当たりの重量に換算する。
【0027】
(コア外径)
本発明のトイレットロール1の芯の外径である、コア外径DIは特に限定されないが、25mm以上48mm以下であることが好ましく、35mm以上46mm以下であることがより好ましく、37mm以上43mm以下であることが更に好ましい。コア外径DIが上記の数値範囲内であることにより、トイレットペーパー1xのプライ剥がれを抑えつつ、風合いの良さと良好な吸水性を両立させたトイレットロール1とすることができる。
コア外径DIは、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて測定する。測定は、4個のトイレットロール1のコアを測定し、測定結果を平均する。
【0028】
(ロール密度)
トイレットロール1のロール密度は0.07g/cm以上0.19g/cm以下であることが好ましく、0.09g/cm以上0.17g/cm以下であることがより好ましく、0.11g/cm以上0.15g/cm以下であることが更に好ましい。ロール密度が0.07g/cm未満であると、エンボスを強く入れた際にエンボスが適度に慣らされず、シート1xが手触り感に劣り、0.19g/cmを超えると、ロールがきつく巻かれてシート1xが潰されるため肌触りに劣る。
ロール密度は、(ロール重量)÷(ロールの体積)で表される。ロール重量は、ロール幅114mm当たりのトイレットロール1の重量である。ロール体積は[{ロールの外径(巻直径DR)部分の断面積}-(コア外径DI部分の断面積)]×ロール幅(114mm当たりに換算する)で表される。例えば、ロール幅114mm当たりのロール重量(コアを除く)が285g、巻直径DRが119mm、コア外径DIが39mmの場合、ロール密度=0.25g/cmとなる。なお、トイレットロール1にコアが無い場合は、中心孔の直径をコア外径DIとする。
【0029】
<トイレットペーパー>
本発明の一実施形態に係るトイレットペーパー1xに用いる原紙は、木材パルプ100質量%からなるものであってもよく、古紙パルプ、非木材パルプ、液体飲料用紙パック古紙等を含んでよい。しかし、品質の観点から木材パルプ以外のパルプや古紙等の含有率は50質量%以下とすることが好ましい。
目標とする品質を得るためには、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)の含有率が5質量%以上55質量%以下であることが好ましく、15質量%以上45質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上35質量%以下であることが更に好ましい。また、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)の含有率が45質量%以上95質量%以下であることが好ましく、55質量%以上85質量%以下であることがより好ましく、65質量%以上80質量%以下であることが更に好ましい。そして、古紙の含有率が50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、0質量%であることが最も好ましい。
また、最終製品であるトイレットペーパー1xの要求品質に応じ、紙料への添加剤として柔軟剤、嵩高剤、染料、分散剤、乾燥紙力増強剤、濾水向上剤、ピッチコントロール剤、吸水性向上剤等を用いることができる。また、湿潤紙力増強剤は使用しないことが好ましいが、一時性湿潤紙力剤は使用してもよい。
【0030】
(坪量)
本発明の一実施形態に係るトイレットペーパー1xの1プライ当たりの坪量は、11g/m以上31g/m以下である。坪量が11g/m未満であると、トイレットペーパー1xの嵩が低すぎて、吸水性に劣り、手触りも劣る。坪量が31g/mを超えると、トイレットペーパー1xの嵩が高すぎて、手触りに劣る。また、プライ剥がれを起こしやすくなる。
なお、トイレットペーパー1xの1プライ当たりの坪量は、16g/m以上26g/m以下であることが好ましく、18.5g/m以上23.5g/m以下であることがより好ましい。トイレットペーパー1xの1プライ当たりの坪量は、JIS P 8124に基づいて測定する。
【0031】
(紙厚)
本発明の一実施形態に係るトイレットペーパー1xの紙厚は、0.9mm/10プライ以上2.1mm/10プライ以下であることが好ましい。紙厚が0.9mm/10プライ未満であると、トイレットペーパー1xが薄すぎて吸水性に劣る。紙厚が2.1mm/10プライを超えると、トイレットペーパー1xが厚すぎてエンボスが入りにくくなり、プライ剥がれしやすくなる。なお、トイレットペーパー1xの紙厚は1.2mm/10プライ以上1.8mm/10プライ以下であることがより好ましく、1.3mm/10プライ以上1.7mm/10プライ以下であることが更に好ましい。
トイレットペーパー1xの紙厚は、シックネスゲージ(株式会社尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定する。測定条件は、測定荷重3.7kPa、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間にサンプルを置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取る。そして、2プライのトイレットペーパー1xを5組重ねて、10枚分として測定を行ったものを10プライ分の紙厚として算出する。また、測定を10回繰り返して測定結果を平均したものを最終的な紙厚とする。
【0032】
(吸水量)
本発明の一実施形態に係るトイレットペーパー1xの単位面積当たりの吸水量は、175g/m以上505g/m以下である。単位面積当たりの吸水量が175g/m未満であると、トイレットペーパー1xが吸水性に劣り、505g/m以下を超えると、プライ剥がれしやすくなる。なお、トイレットペーパー1xの単位面積当たりの吸水量は、255g/m以上425g/m以下であることが好ましく、300g/m以上380g/m以下であることがより好ましい。
【0033】
また、本発明の一実施形態に係るトイレットペーパー1xの単位重量当たりの吸水量は、7.7g/g以上8.5g/g以下であることが好ましい。単位重量当たりの吸水量が7.7g/g未満であると、トイレットペーパー1xが吸水性に劣り、8.5g/gを超えると、グルーを吸収してしまい、プライ剥がれしやすくなる。なお、トイレットペーパー1xの単位重量当たりの吸水量は、7.9g/g以上8.3g/g以下であることがより好ましく、8.0g/g以上8.2g/g以下であることが更に好ましい。
【0034】
トイレットペーパー1xの各吸水量は以下のように測定する。
まず、トイレットロール1を、温度23℃、湿度50%の環境下で24時間以上保管する。次に、トイレットロール1から、1組(2プライ)のサンプルサイズが幅方向80mm×流れ方向100mmの試験片を採取し、重量を測定する。その後、この試験片をステンレス製の網(東急ハンズネットストア Eggs ステン金網10メッシュ 100mm×200mm、線径0.5mm、以降は網とする)に載せる。この時、サンプルの幅方向(80mm)が網のサイズ100mmに平行になるようにし、また、サンプルの流れ方向(100mm)が網のサイズ200mmに平行になるようにし、サンプルが網からはみ出ないように置く。次に、蒸留水の深さが1cm以上になるように、バットに蒸留水を溜める。
【0035】
その後、試験片と網を静かにバットに沈め含浸させる。この時、試験片は水面に浮いても問題ない。含浸させてから10秒後、サンプルが網からはみ出ないように網を試験片と共に空気中に静かに引き上げ、10秒間静置させる。その後、網を90度傾け、余剰の水分を落とす(除去する)。この時、サンプルは金網に貼りついた状態となるので、90度傾けても、サンプルが落ちることはない。なお、90度傾ける際に、サンプルの上下方向がサンプルの流れ方向になるようにする。
【0036】
そして、90度傾けた状態で120秒間静置させる。120秒後、サンプルを網から剥がし、重量を測定する。2プライのサンプルについて、含浸前のサンプル重量、含浸後のサンプル重量から吸水量を算出する(下記例)。測定を5回繰り返し、値を平均する。なお、以上の作業はすべて、温度23℃、湿度50%の環境下で行うものとする。また、サンプルを採取する際は、ミシン目を含まない部分から採取するが、ミシン目の間隔が100mm以下の場合は、ミシン目を含んでも良い。
(計算例)
含浸前のサンプル重量(サンプルサイズ 80mm×100mm):0.32g
含浸後のサンプル重量:2.08g
吸水量=(含浸後のサンプル重量)-(含浸前のサンプル重量)=1.76(水g/紙0.008m)=220g/m(単位面積当たりの吸水量)
吸水量=(含浸後のサンプル重量)-(含浸前のサンプル重量)=1.76(水g/紙0.32g)=5.5g/g(単位重量当たりの吸水量=(単位面積当たりの吸水量/2プライの坪量))
【0037】
(TSAによる測定値)
本願の一実施形態に係るトイレットペーパー1xの、ティシューソフトネス測定装置TSAにより測定したHF値が70以上90以下である。HF値が上記の数値範囲内であることにより、トイレットペーパー1xのプライ剥がれを抑えつつ、風合いの良さと良好な吸水性を両立させたトイレットロール1とすることができる。
なお、ティシューソフトネス測定装置TSAにより測定したHF値は75以上90以下であることが好ましく、80以上90以下であることがより好ましい。ティシューソフトネス測定装置TSAを使用したHF値は、装置のアルゴリズムをTPIIに設定し、直径が約113mmの円形に加工したサンプルを用いて測定する。これに用いられる測定装置については、例えば、特開2013-236904号公報に詳細に記載されている。ティシューソフトネス測定装置TSAを使用した測定方法については、上記の特許文献を参照することができる。また、測定はトイレットペーパー1xのロール外周面1a側(表側)を2プライのまま測定する。
【0038】
(強度)
トイレットペーパー1xの、JIS P 8113に基づく乾燥時における縦方向の引張強度は260gf/25mm以上740gf/25mm以下であることが好ましい。引張強度が260gf/25mm未満であると、強度が低すぎてミシン目以外の箇所でシート1xが切れやすくなり、また、トイレットペーパー1xがプライ剥がれしやすくなる。引張強度が740gf/25mmを超えると、強度が高すぎてトイレットペーパー1xの手触りに劣る。
なお、縦方向の引張強度は380gf/25mm以上620gf/25mm以下であることが好ましく、425gf/25mm以上575gf/25mm以下であることがより好ましい。
【0039】
また、トイレットペーパー1xの、乾燥時における横方向の引張強度は100gf/25mm以上280gf/25mm以下であることが好ましい。引張強度が100gf/25mm未満であると、強度が低すぎてミシン目以外の箇所でシート1xが切れやすくなり、また、トイレットペーパー1xがプライ剥がれしやすくなる。引張強度が280gf/25mmを超えると、強度が高すぎてトイレットペーパー1xの手触りに劣る。
なお、横方向の引張強度は145gf/25mm以上235gf/25mm以下であることがより好ましく、170gf/25mm以上210gf/25mm以下であることが更に好ましい。
【0040】
さらに、トイレットペーパー1xのJIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強度と乾燥時の横方向の引張強度との積の平方根GMTは、160gf/25mm以上455gf/25mm以下であることが好ましい。GMTが160gf/25mm未満であると、強度が低すぎてミシン目以外の箇所でシート1xが切れやすくなり、また、トイレットペーパー1xがプライ剥がれしやすくなる。GMTが455gf/25mmを超えると、強度が高すぎてトイレットペーパー1xの手触りに劣る。
なお、GMTは235gf/25mm以上385gf/25mm以下であることがより好ましく、275gf/25mm以上340gf/25mm以下であることが更に好ましい。
【0041】
そして、トイレットペーパー1xにおける、JIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強度と乾燥時の横方向の引張強度との積の平方根GMTを、トイレットペーパー1xの1プライ当たりの坪量で除した値は、10以上22以下であることが好ましい。値が10未満であると、強度が低すぎてミシン目以外の箇所でシート1xが切れやすくなり、また、トイレットペーパー1xがプライ剥がれしやすくなる。値が22を超えると、強度が高すぎてトイレットペーパー1xの手触りに劣る。
【0042】
乾燥時の各々の方向の引張強度は、いずれもJIS P 8113に準拠して測定される。試験片幅は25mm、引張速度は300mm/minの条件で、製品プライ数(2プライ)のまま測定する。そして、GMTは乾燥時の縦方向の引張強度と乾燥時の横方向の引張強度との積の平方根として求める。
【0043】
また、本願の一実施形態に係るトイレットペーパー1xの、JIS P 8135に基づく湿潤時の縦方向の引張強度は、110gf/25mm以上190gf/25mm以下であることが好ましい。引張強度が110gf/25mm未満であると、ミシン目以外の箇所でシート1xが切れやすくなり、また、トイレットペーパー1xがプライ剥がれしやすくなる。190gf/25mmを超えると、強度が高すぎてトイレットペーパー1xの手触りに劣る。なお、湿潤時の縦方向の引張強度は、130gf/25mm以上170gf/25mm以下であることがより好ましく、140gf/25mm以上160gf/25mm以下であることが更に好ましい。
湿潤時の縦方向の引張強度は、JIS P 8135に準拠して測定される。試験片幅は25mm、引張速度は300mm/minの条件で、製品プライ数(2プライ)のまま測定する。
【0044】
(縦方向の伸び率)
また、本発明の一実施形態に係るトイレットペーパー1xの、縦方向の伸び率は8%以上20%以下であることが好ましい。伸び率が8%未満であると、トイレットペーパー1xの伸びが悪く、手触りに劣る。伸び率が20%を超えると、トイレットペーパー1xの伸びが良すぎて、プライ剥がれしやすくなる。
なお、縦方向の伸び率は、10%以上18%以下であることが好ましく、12%以上16%以下であることがより好ましい。トイレットペーパー1xの縦方向の伸び率は、上述した乾燥時の各々の方向の引張強度と同じく、いずれもJIS P 8113に準拠して破断伸びを測定する。試験片幅は25mmで、ミシン目がある場合は、ミシン目を含まないように測定する。引張速度は300/minの条件で、製品プライ(2プライ)のまま測定する。
【0045】
(エンボス)
本発明の一実施形態に係るトイレットペーパー1xの積層前の原紙には、エンボスパターンが施されることが好ましい。エンボスパターン(付与されたエンボス)については、図2に示す様な、ドット状で環状に配列する第一エンボス11と、第一エンボス11の領域以外に配置される第二エンボス12を含む。第一エンボス11としては、絵柄と組み併せても良い。なお、第一エンボス11はドット状以外も適宜選択できる。
エンボスについては、ダブルエンボス、あるいは表側のみのエンボス等、トイレットペーパー1xの物性に応じて適宜選択できるが、中でもダブルエンボスが好ましい。
【0046】
ダブルエンボスとは、トイレットペーパー1xの各プライをそれぞれエンボス処理した後、積層して2プライにすることを意味する。2プライ積層する際には、プライボンドグルー(糊)を用い、好ましくはプライの凸部にグルーを塗布して接着処理する。このように接着して2プライにすることにより、プライの接着が強くなり、使用時に破れにくく、プライ剥がれが起きにくい吸水性が良好なトイレットペーパー1xとすることができる。また、美粧性の観点から、顔料インキでプライボンドグルーを着色することができる。なお、グルーは、公知のものを使用することができ、セルロース系を含有していることが好ましい。
グルー中に含まれるセルロール系の含有率は、1%以上10%以下であることが好ましく、1%以上5%以下であることがより好ましく、1%以上3%以下であることがさらに好ましい。また、グルー中には、ポリビニルアルコール、カルボキシポリメチルアルコールが含有されていないことが好ましい。このようなグルーを用いることで、本願のような坪量、強度を有するトイレットペーパー1xにおいて、プライの剥離強度を適正にすることができ、使用時の破れにくさと吸水性、手触り感が良好なトイレットペーパー1xとすることができる。
【0047】
このとき、トイレットペーパー1xのロール外周面1a側における第一エンボス11の面積が1.0mm以上4.0mm以下である。第一エンボスの面積が1.0mm未満であると、トイレットペーパー1xがプライ剥がれしやすくなる。第一エンボスの面積が4.0mmを超えると、トイレットペーパー1xが手触りに劣る。また、第二エンボス12の面積は0.05mm以上0.9mm以下であることが好ましい。
なお、トイレットペーパー1xのロール外周面1a側における第一エンボス11の面積は1.1mm以上4.0mm以下であることが好ましく、1.2mm以上4.0mm以下であることがより好ましい。また、トイレットペーパー1xのロール外周面1a側における第二エンボス12の面積は0.05mm以上0.8mm以下であることがより好ましく、0.05mm以上0.7mm以下であることが更に好ましい。
さらに、トイレットペーパー1xの1シート当たりの第一エンボス11の総エンボス面積は1170mm以上2210mm以下であることが好ましく、1430mm以上1950mm以下であることがより好ましく、1560mm以上1820mm以下であることが更に好ましい。総エンボス面積が上記の数値範囲内であることにより、プライ剥がれを抑えつつ、風合いの良さと良好な吸水性を両立させたトイレットペーパー1x及びトイレットロール1とすることができる。
【0048】
また、第一エンボス11の凸部がトイレットペーパー1xにおいて占める面積率は、9%以上17%以下である。面積率が9%未満であると、トイレットペーパー1xがプライ剥がれしやすくなる。面積率が17%を超えると、トイレットペーパー1xが手触りに劣る。
なお、第一エンボス11の凸部がトイレットペーパー1xにおいて占める面積率は10%以上16%以下であることが好ましく、12%以上14%以下であることがより好ましい。
【0049】
トイレットペーパー1xの、ロール外周面1a側における第一エンボス11及び第二エンボス12の面積は、ワンショット3D形状測定機を用いて計測する。ワンショット3D形状測定機としては、KEYENCE社製の製品名「ワンショット3D形状測定機 VR-3100」を使用することができる。ワンショット3D形状測定機の画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR-H1A」を使用することができる。また、測定条件は、倍率12倍、視野面積24mm×18mmの条件で測定する。倍率および視野面積は、対象となるエンボスの大きさによって適宜変更できる。
【0050】
まず、ワンショット3D形状測定機を用いてトイレットペーパー1xを画像データとして取得し、その画像データについて図3のように計測対象領域Aを設定する。計測対象領域Aは、計測対象となるエンボス(第一エンボス11又は第二エンボス12)が1個以上入るように設定すれば特に制限はない。
次に、エンボス(第一エンボス11又は第二エンボス12)の面積を算出するための高さ閾値を設定する。これは計測対象となるエンボスそれぞれについて、エンボスのエンボス深さを算出し、その深さの中央(高さ方向の中心点)を横切るように水平に引く。高さ閾値を設定することで、設定値におけるエンボスの断面積が自動的に得られる。
このようにして得られた計測対象のエンボス断面積を、暫定的な面積とする。
【0051】
同様の方法で10個のエンボス(第一エンボス11又は第二エンボス12)について計測を行い、得られたエンボスの断面積の平均値をエンボス(第一エンボス11又は第二エンボス12)の面積として最終的に採用する。
なお、面積測定時に計測対象となるエンボス(第一エンボス11又は第二エンボス12)が他の隣接するエンボスと繋がり、1つの領域として計測される場合は、その値は採用せず、別の領域について同様の測定を行う。
最後に、第一エンボス11の面積に関して、トイレットペーパー1xの1シートにおける第一エンボス11の個数を10シート分について数え、その平均値とエンボスの面積を乗算し第一エンボス11の1シート分の総面積を算出する。そして、トイレットペーパー1xの1シート分の面積に対する、第一エンボス11の1シート分の総面積から、第一エンボス11の凸部がトイレットペーパー1xにおいて占める面積率を算出する。
【0052】
<トイレットロールの製造方法>
トイレットペーパー1x及びトイレットロール1の製造工程に関しては、例えば以下のように、(1)抄紙及びクレーピング、(2)エンボス加工、(3)グルーによるプライ接着、(4)ロール巻取り加工、の順で製造することができる。
【0053】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、トイレットペーパーのプライ剥がれを抑えつつ、風合いの良さと良好な吸水性を両立させたトイレットロールを提供することができる。
【実施例0054】
以下の実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0055】
表1~2に示す各条件において、実施例1~9及び比較例1~5の、2プライのトイレットペーパー及びトイレットロールを作製し、以下の評価を行った。
各評価はJIS P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。また、下記の評価以外の各パラメーターは、上述した基準又は測定方法に従って行った。
【0056】
(プライ剥がれ)
モニター20人が実際にトイレットロールからトイレットペーパー(シート)を引き出して使用したとき、不用意にプライが剥がれないかを評価した。使用中にプライ剥がれしにくいと評価したモニターの人数によって、4段階で評価した。
◎:プライ剥がれしにくいと評価したモニターが、18名以上
〇:プライ剥がれしにくいと評価したモニターが、16名以上17名以下
△:プライ剥がれしにくいと評価したモニターが、14名以上15名以下
×:プライ剥がれしにくいと評価したモニターが、13名以下
【0057】
(吸水量)
測定した単位面積当たりの吸水量から、トイレットペーパーの吸水量を評価した。単位面積当たりの吸水量の数値によって、4段階で評価した。
◎:単位面積当たりの吸水量が、300g/m以上
〇:単位面積当たりの吸水量が、255g/m以上300g/m未満
△:単位面積当たりの吸水量が、175g/m以上255g/m未満
×:単位面積当たりの吸水量が、175g/m未満
【0058】
(シートの手触り)
モニター20人が実際にトイレットロールからトイレットペーパー(シート)を引き出して手で触ったとき、シートの手触り(風合い)を評価した。シートの手触りが良いと評価したモニターの人数によって、4段階で評価した。
◎:シートの手触りが良いと評価したモニターが、18名以上
〇:シートの手触りが良いと評価したモニターが、16名以上17名以下
△:シートの手触りが良いと評価したモニターが、14名以上15名以下
×:シートの手触りが良いと評価したモニターが、13名以下
【0059】
表1~2に、各実施例及び各比較例の条件及び評価結果を示す。なお、表1~2における「乾燥強度(縦)」、「乾燥強度(横)」及び「湿潤強度(縦)」は、それぞれ「JIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強度」、「JIS P 8113に基づく乾燥時の横方向の引張強度」及び「JIS P 8135に基づく湿潤時の縦方向の引張強度」を指す。
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
以上より、本実施例によればトイレットペーパーのプライ剥がれを抑えつつ、風合いの良さと良好な吸水性を両立させたトイレットロールが得られることが少なくとも確認された。
【符号の説明】
【0062】
1 トイレットロール
1a ロール外周面
1b ロール内周面
1e トイレットペーパーの最外巻の端縁
1x トイレットペーパー
11、12 エンボス
図1
図2
図3