(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142084
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び鞍乗り型車両
(51)【国際特許分類】
B62J 45/00 20200101AFI20241003BHJP
B62J 45/415 20200101ALI20241003BHJP
B62J 45/414 20200101ALI20241003BHJP
B62J 45/422 20200101ALI20241003BHJP
B62J 50/22 20200101ALI20241003BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B62J45/00
B62J45/415
B62J45/414
B62J45/422
B62J50/22
A63B71/06 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054072
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 大知
(57)【要約】
【課題】乗員の動きがわずかであっても、乗員の運動量を適切に算出可能にすること。
【解決手段】鞍乗り型車両(1)の乗員(RD)の運動量を算出する情報処理装置において、前記鞍乗り型車両(1)の一部を構成すると共に前記乗員(RD)からの荷重が作用する対象部品(100)について、前記荷重の影響を示す所定情報(D1~D5)を取得する情報取得部(31a)と、前記乗員(RD)の運動量として、前記所定情報(D1~D5)に基づいて、前記対象部品(100)に作用した仕事量を算出する算出部(31b)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗り型車両(1)の乗員(RD)の運動量を算出する情報処理装置において、
前記鞍乗り型車両(1)の一部を構成すると共に前記乗員(RD)からの荷重が作用する対象部品(100)について、前記荷重の影響を示す所定情報(D1~D5)を取得する情報取得部(31a)と、
前記乗員(RD)の運動量として、前記所定情報(D1~D5)に基づいて、前記対象部品(100)に作用した仕事量を算出する算出部(31b)と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記対象部品(100)は、前記乗員(RD)が接する部品を含み、
前記情報取得部(31a)は、前記所定情報(D1~D4)として、前記乗員(RD)が接する前記対象部品(100)の変位を示す情報を取得し、
前記算出部(31b)は、前記乗員(RD)の運動量として、前記所定情報(D1~D4)に基づいて、前記対象部品(100)の変位に要した仕事量を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記乗員(RD)は、前記鞍乗り型車両(1)の運転者であり、
前記対象部品(100)は、前記運転者がニーグリップするニーグリップ部(3)を含み、
前記算出部(31b)は、前記乗員(RD)の運動量として、前記ニーグリップ部(3)の変位に要した仕事量を算出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記乗員(RD)は、前記鞍乗り型車両(1)の運転者であり、
前記対象部品(100)は、前記乗員(RD)の運転により左右に傾斜する車体(6)を含み、
前記情報取得部(31a)は、前記所定情報(D5)として、前記車体(6)の左右への傾斜角と、ロール方向の加速度を特定する情報を取得し、
前記算出部(31b)は、前記乗員(RD)の運動量として、前記所定情報(D5)に基づいて、前記車体(6)の傾斜に要した仕事量を算出する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記算出部(31b)は、前記所定情報(D5)に基づいて、走行中の前記車体(6)を左右方向に傾斜させ、その状態を維持する仕事量から、走行中の前記車体(6)の仕事量を減算することによって、前記車体(6)の傾斜に要した仕事量を算出する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記乗員(RD)は、前記鞍乗り型車両(1)の運転者であり、
前記対象部品(100)は、前記乗員(RD)が把持するハンドル(2)を含み、
前記情報取得部(31a)は、前記所定情報(D1)として、前記ハンドル(2)に加わる荷重と、前記ハンドル(2)のひずみ量と、前記ハンドル(2)のひずみの加速度を取得し、
前記算出部(31b)は、前記乗員(RD)の運動量として、前記所定情報(D1)に基づいて、前記ハンドル(2)に作用した仕事量を算出する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記対象部品(100)は、前記乗員(RD)が着座するシート(4)を含み、
前記情報取得部(31a)は、前記所定情報(D3)として、前記シート(4)に加わる荷重と、前記シート(4)のひずみ量と、前記シート(4)のひずみの加速度を取得し、
前記算出部(31b)は、前記乗員(RD)の運動量として、前記所定情報(D3)に基づいて、前記シート(4)に作用した仕事量と、前記シート(4)に作用した荷重変化から特定した前記乗員(RD)の所定動作に要した仕事量との少なくともいずれかを算出する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記対象部品(100)は、前記乗員(RD)である運転者が把持するハンドル(2)のグリップ(2a)と、前記運転者が操作する操作子(2b,5b)と、前記運転者がニーグリップするニーグリップ部(3)と、前記運転者が着座するシート(4)を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記算出部(31b)の算出結果を報知する報知部(40)を有し、
前記算出部(31b)は、前記対象部品(100)に接する前記乗員(RD)の部位毎に、前記乗員(RD)の仕事量を算出し、
前記報知部(40)は、前記乗員(RD)の部位毎に、算出結果を表示する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
乗員(RD)の運動量を算出する情報処理装置(10)を有する鞍乗り型車両であって、
前記情報処理装置(10)は、
前記鞍乗り型車両(1)の一部を構成すると共に前記乗員(RD)からの荷重が作用する対象部品(100)について、前記荷重の影響を示す所定情報(D1~D5)を取得する情報取得部(31a)と、
前記乗員(RD)の運動量として、前記所定情報(D1~D5)に基づいて、前記対象部品(100)に作用した仕事量を算出する算出部(31b)と、
前記算出部(31b)の算出結果を報知する報知部(40)と、
を備える鞍乗り型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び鞍乗り型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の乗員の上半身の加速度を取得し、さらに、車両の加速度を取得することで、これらの加速度の差と乗員の移動ベクトル量から乗員の運動量を算出する技術が開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の構成は、乗員の上半身の加速度が発生しない動きについては、乗員の運動量を算出することができない。
自動二輪車等の鞍乗り型車両の場合、左右への走行時、減速時及び加速時等の状況に応じて乗員が身体の各部を使って運転操作を行うので、上半身の移動を殆ど伴わない場合でも身体を使用する。また、乗員の動きが僅かであっても乗員の運動量が大きい場合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、乗員の動きがわずかであっても、乗員の運動量を適切に算出可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
鞍乗り型車両の乗員の運動量を算出する情報処理装置において、前記鞍乗り型車両の一部を構成すると共に前記乗員からの荷重が作用する対象部品について、前記荷重の影響を示す所定情報を取得する情報取得部と、前記乗員の運動量として、前記所定情報に基づいて、前記対象部品に作用した仕事量を算出する算出部と、を備える情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
乗員の動きがわずかであっても、乗員の運動量を適切に算出可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【
図2】情報処理装置の基本動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置10の構成を示す図である。
この情報処理装置10は、鞍乗り型車両1に搭載され、鞍乗り型車両1が有する対象部品100に作用した仕事量を算出し、算出結果に基づいて乗員RDの消費カロリーを算出する機能を有している。本実施形態において、乗員RDは鞍乗り型車両1の運転者である。
また、対象部品100は、鞍乗り型車両1の一部を構成すると共に乗員RDからの荷重が作用する部品である。そのため、対象部品100に作用した仕事量を算出することによって、乗員RDの運動量、ひいては乗員RDの消費カロリーを算出することが可能である。
【0009】
<対象部品100について>
本実施形態における対象部品100について詳述する。
対象部品100は、乗員RDが接する部品を含んでいる。
図1に示すように、鞍乗り型車両1は、運転時に乗員RDが接触する箇所として、乗員RDが把持するハンドル2と、乗員RDの膝が触れるニーグリップ部3と、乗員RDが着座する乗員RD用のシート4と、乗員RDが足を置く足置き部5とを有している。
【0010】
ハンドル2は、乗員RDが接する対象部品100として、乗員RDが把持するグリップ2aと、乗員RDが手で操作する操作子2bに相当するブレーキレバー及びクラッチレバーとを備えている。また、ニーグリップ部3は、乗員RDが接する対象部品100として、ニーグリップ部3に相当するサイドカバー又はタンクカバーを備えている。また、足置き部5は、乗員RDが接する対象部品100として、足を置くステップ5aと、足で操作する操作子5bに相当するブレーキペダル及びシフトペダルとを備えている。
【0011】
本実施形態では、これら対象部品100(2a,2b,3,4,5a,5b)に作用した仕事量を算出することによって、これら対象部品100に対して行った乗員RDの運動量を算出する。なお、これら対象部品100(2a,2b,3,4,5a,5b)は、「鞍乗り型車両1の一部を構成すると共に乗員RDからの荷重が作用する部品群のうち、乗員RDが接する対象部品100」と定義することができる。
【0012】
また、鞍乗り型車両1は、主に車体フレームからなる車体6と、前輪7と、後輪8と、パワーユニット9等を備える自動二輪車である。鞍乗り型車両1は、車体6を左右に傾けて旋回する揺動車両であるので、乗員RDが身体を使って車体6を左右に傾斜する。
そのため、車体6についても、鞍乗り型車両1の一部を構成すると共に乗員RDからの荷重が作用する対象部品100である。本実施形態では、車体6に作用した仕事量を算出することによっても、乗員RDの運転時の仕事量を算出する。
【0013】
なお、車体6は、「鞍乗り型車両1の一部を構成すると共に乗員RDからの荷重が作用する部品群のうち、乗員RDが接しない対象部品100」と定義することができる。なお、本実施形態では、車体6は、運転時に乗員RDが接しないものと扱うが、運転時に乗員RDが接する構成であってもよい。
【0014】
<情報処理装置10の構成について>
情報処理装置10の構成について説明する。
図1に示すように、鞍乗り型車両1は、情報処理装置10の構成として、各部の状態を検出する検出部20と、制御部30と、報知部40とを備える。検出部20は、ハンドル検出部21と、ニーグリップ検出部22と、シート検出部23と、足置き部検出部24と、車体検出部25と、操作入力部26とを有する。
【0015】
ハンドル検出部21は、ハンドル2(グリップ2a、各操作子2b)に設けられたセンサ等を利用して、ハンドル2に作用した乗員RDの荷重の影響を示す第1情報D1を検出する。第1情報D1は、ハンドル2に作用した乗員RDの仕事量を算出するための情報であり、例えば、ハンドル2に加わる荷重、ハンドル2のひずみ量、ひずみの加速度、及び各操作子2bの操作の有無等である。
例えば、ハンドル2の各部に、ひずみセンサ、圧力センサ、又は、これらセンサを利用した重量センサ、若しくは、各操作子2bの操作の検出スイッチ等を設けることによって、第1情報D1を検出することが可能になる。
【0016】
ニーグリップ検出部22は、ニーグリップ部3に設けられたセンサを利用して、ニーグリップ部3に作用した乗員RDの荷重の影響を示す第2情報D2を検出する。第2情報D2は、ニーグリップ部3に作用した乗員RDの仕事量を算出するための情報であり、例えば、ニーグリップ部3のひずみ量、及び、ひずみの加速度等である。
例えば、ニーグリップ部3に、ひずみセンサ、圧力センサ、又は、これらセンサを利用した重量センサを設けることによって、第2情報D2を検出することが可能になる。
【0017】
シート検出部23は、シート4に設けられたセンサを利用して、シート4に作用した乗員RDの荷重の影響を示す第3情報D3を検出する。第3情報D3は、シート4に作用した乗員RDの仕事量を算出するための情報であり、例えば、シート4に加わる荷重、シート4のひずみ量、及び、ひずみの加速度等である。
シート検出部23に、ひずみセンサ、圧力センサ、又は、これらセンサを利用した重量センサを設けることによって、第3情報D3を検出可能である。
【0018】
足置き部検出部24は、足置き部5の各部(ステップ5a、各操作子5b)に設けられたセンサを利用して、足置き部5に作用した乗員RDの荷重の影響を示す第4情報D4を検出する。第4情報D4は、足置き部5に作用した乗員RDの仕事量を算出するための情報であり、例えば、足置き部5に加わる荷重、足置き部5のひずみ量、ひずみの加速度、及びペダル操作等である。
例えば、足置き部5に、ひずみセンサ、圧力センサ、又は、これらセンサを利用した重量センサ、若しくは、ペダル操作の検出スイッチ等を設けることによって、第4情報D4を検出することが可能になる。
【0019】
車体検出部25は、鞍乗り型車両1に設けられた車両センサを利用して、車体6に作用した乗員RDの荷重の影響を示す第5情報D5を検出する。第5情報D5は、車体6に作用した乗員RDの仕事量を算出するための情報であり、例えば、車体6の加速度(ロール方向の加速度を含む)、車速、車体6の左右への傾斜角等である。
車両センサは、例えば、車速センサ、及び、IMU(Inertial Measurement Unit)等の慣性センサである。慣性センサは、前後左右の加速度と、三軸の角速度等を検出し、三軸の角速度に所定の変換を行うことによって、鞍乗り型車両1のロール角、ピッチ角、及びヨー角を特定し、ロール角から鞍乗り型車両1の左右への傾斜角を特定することが可能である。
【0020】
なお、各検出部20が利用するセンサは、鞍乗り型車両1の駆動系及び制動系の制御に使用するセンサを利用してもよいし、駆動系及び制動系の制御に使用するセンサとは別に設けたセンサでもよい。
また、各センサ、及び各センサによって取得する情報は、乗員RDの仕事量を算出可能な範囲で適宜に変更可能である。
【0021】
操作入力部26は、操作スイッチ等の公知の入力デバイスを有し、乗員RDからの各種指示を入力し、例えば、乗員RDの運動量の表示指示(例えば、消費カロリー表示指示)等を入力する。
制御部30は、プロセッサ31と、メモリ32とを備える。プロセッサ31は、CPU及び周辺回路を備え、メモリ32に記録されたプログラム32aを実行することにより、乗員RDの仕事量や消費カロリーの算出処理等を行うコンピュータとして機能する。プログラム32aを実行することにより、プロセッサ31は、情報取得部31a、算出部31b、及び報知制御部31cとして機能する。
【0022】
なお、情報取得部31a、算出部31b、及び報知制御部31cは、ソフトウェア処理によって実現される構成に限定されず、ハードウェアによって実現される構成でもよい。また、プログラム32aは、予め格納されたプログラムでもよいし、インターネットからダウンロートしたプログラムでもよく、プログラムの取得方法は限定されない。
【0023】
情報取得部31aは、算出部31bの算出処理に使用するデータを取得する入力インターフェースとして機能し、検出部20の検出結果、及びメモリ32に記憶されたデータを取得する。
算出部31bは、情報取得部31aに入力された検出部20の検出結果に基づいて、乗員RDの仕事量や消費カロリーの算出処理を行う。報知制御部31cは、報知部40を利用して、乗員RDの消費カロリー等を乗員RDに報知する処理を行う。
【0024】
メモリ32は、プログラム32aや、算出処理に必要な各種のデータを格納しており、例えば、後述する仕事量E1~E6を算出するための計算式や、計算に使用するデータを格納している。計算に使用するデータは、鞍乗り型車両1の重量(質量)、及び、乗員RDの性別、年齢、体重等の情報を含む。これらはメーカーや乗員RD等によって予め入力されたデータでもよいが、これに限定されない。例えば、乗員RDの体重等については、鞍乗り型車両1のシート4等に乗員RDに体重を計測するセンサーを設け、そのセンサーによって取得するようにしてもよい。
【0025】
報知部40は、乗員RDに報知するデバイスであり、例えば、鞍乗り型車両1に設けられた表示デバイスを有する。報知制御部31cは、報知部40を利用して、算出部31bの算出結果等の情報を表示することにより、乗員RDが視覚で情報を確認できる。
なお、報知部40は、表示デバイスを有する構成に限定されず、音声出力デバイス等の公知の報知デバイスを有し、表示、及び音声等を適宜に組み合わせて報知する構成でもよい。また、報知部40が、通信デバイスを有し、外部の報知デバイスに報知対象の情報を送信することによって、外部の報知デバイスから情報を報知するようにしてもよい。外部の報知デバイスとしては、例えば、乗員RDが携帯する携帯装置を挙げることができる。
【0026】
図2は、情報処理装置10の基本動作を示すフローチャートである。本実施形態では、鞍乗り型車両1が走行中の場合(例えばイグニッションオンの状態の場合)、
図2に示す動作が実行される。なお、前提として、鞍乗り型車両1の走行が開始されると、検出部20による検出が開始され、鞍乗り型車両1の各部の状態が継続して検出されているものとする。
ステップS1において、制御部30は、情報取得部31aにより対象部品100の質量Mを取得する。質量Mは、例えば、メモリ32に予め記憶された情報である。例示すると、対象部品100がグリップ2aの場合は、グリップ2aの質量Mを取得し、対象部品100がニーグリップ部3の場合は、ニーグリップ部3の質量Mを取得する。
【0027】
ステップS2において、制御部30は、情報取得部31aにより対象部品100の加速度aを取得する。加速度aは、検出部20によって検出された情報である。例示すると、対象部品100がグリップ2aの場合は、乗員RDによってグリップ2aが変位する加速度である。この場合、鞍乗り型車両1の走行時(加速時、減速時、鞍乗り型車両1の取り回し時を含む)に乗員RDから入力される力によってグリップ2aが変形するときのひずみの加速度aが取得される。また、対象部品100がニーグリップ部3の場合は、例えば、乗員RDが減速時等にニーグリップしたときに、乗員RDの膝によってニーグリップ部3が変位したときの加速度aが取得される。
【0028】
ステップS3において、制御部30は、情報取得部31aにより対象部品100の変位量drを取得する。変位量drは、検出部20によって検出された情報である。例えば、対象部品100がグリップ2aの場合は、乗員RDによってグリップ2aが変位したときの変位量drが取得される。また、対象部品100がニーグリップ部3の場合は、乗員RDの膝によってニーグリップ部3が変位したときの変位量drが取得される。
【0029】
ステップS4において、制御部30は、算出部31bにより対象部品100に作用した仕事量Jを算出する。仕事量J=質量M×加速度a×変位量drであるので、ステップS1~S3で取得した質量M,加速度a,変位量drを利用して仕事量Jを算出できる。
ステップS5において、制御部30は、算出部31bにより、算出した仕事量J(乗員RDの仕事量に相当)に基づいて乗員RDの消費カロリーを算出する処理(カロリー算出処理)を行う。カロリー算出処理においては、仕事量Jを消費カロリーに換算した値を算出し、この算出値に、乗員RDの基礎代謝量を加算することが好ましい。基礎代謝量を加算することによって、乗員RDが走行時に消費したトータルの消費カロリー、或いは、トータルの消費カロリーに近い数値を算出しやすくなる。
【0030】
基礎代謝量の算出処理は公知の処理を広く適用可能である。例えば、乗員RDの性別、年齢、体重等の少なくともいずれかに基づいて、単位時間当たりの標準基礎代謝量を設定し、この標準基礎代謝量に、運転時間を乗算する処理を適用すればよい。なお、運転時間は、制御部30(算出部31b)が計測すればよい。
【0031】
算出部31bは、乗員RDの部位毎に、仕事量J(乗員RDの仕事量に相当)を算出し、部位毎の消費カロリーを算出する機能を有する。なお、算出した情報はメモリ32に記憶され、鞍乗り型車両1の走行中に累積加算することによって、走行中の乗員RDの消費カロリーをリアルタイムに算出するようにしてもよい。
【0032】
ステップS6において、制御部30は、報知制御部31cにより、報知部40を利用して、算出した消費カロリーを乗員RDに報知する。これにより、乗員RDは、運転中の消費カロリーを確認できる。なお、どの期間の消費カロリーを報知するか、及び、消費カロリーの報知態様は適宜に設定すればよい。
以上が情報処理装置10の基本動作である。
【0033】
図3は、算出する仕事量E1~E6の説明に供する図である。なお、
図3には、各仕事量E1~E6に対応する鞍乗り型車両1の部位と、乗員RDの部位も示している。
ハンドル2については、ハンドル2に作用した乗員RDの仕事量E1を算出する。この仕事量E1は、グリップ2aに作用した乗員RDの仕事量に加え、乗員RDが手で操作する操作子2b(ブレーキレバー及びクラッチレバー)に作用した仕事量を含むことが好ましい。
グリップ2aに作用した乗員RDの仕事量は、上記ステップS1~S4に示す方法で算出する方法に限定されず、J=kgf×m
2×s
-2(=N・m)の計算式等の他の計算式を利用して算出してもよい。なお、kgf:重量キログラム、N:力、s:時間、m:長さである。
【0034】
また、操作子2bに作用した仕事量についても、上記ステップS1~S4等に示す方法で算出する方法に限定されず、適宜な計算式を利用して算出してもよい。例えば、操作子2bの操作毎の乗員RDの予測仕事量をメモリ32に記憶しておき、この予測仕事量に、操作子2bの操作回数を乗算する、といった方法で算出してもよい。なお、予測仕事量は適宜な値に設定すればよい。
この仕事量E1は、乗員RDの腕、又は上半身の運動量に相当するので、乗員RDの腕や上半身の動きが僅かであっても乗員RDの運動量を適切に算出可能になる。
【0035】
図3に示すように、ニーグリップ部3については、ニーグリップ部3に作用した乗員RDの仕事量E3を算出する。この仕事量E2は、上記ステップS1~S4に示す方法で算出する方法に限定されず、適宜な計算式を利用して算出してもよい。
この仕事量E2は、乗員RDの足、又は下半身の運動量に相当するので、乗員RDの足、又は下半身の動きが僅かであっても乗員RDの運動量を適切に算出可能になる。
【0036】
図3に示すように、シート4については、シート4に作用した乗員RDの仕事量E4aを算出する。さらに、シート4に作用した荷重変化から特定した乗員RDの所定動作に要した仕事量E4bを算出することが好ましい。
シート4に作用した乗員RDの仕事量E3aは、上記ステップS1~S4等に示す方法で算出する方法に限定されず、適宜な計算式を利用して算出してもよい。
また、シート4に作用した荷重変化から特定した乗員RDの所定動作に要した仕事量E3bは、例えば、乗員RDの立ち上がり動作に要する仕事量や、乗員RDの着座動作に要する仕事量である。例えば、シート4に作用した荷重変化が乗員RDの立ち上がり動作に対応する荷重変化の場合には、立ち上がり動作に要する仕事量とみなし、シート4に作用した荷重変化が乗員RDの着座動作に対応する荷重変化の場合には、着座動作に要する仕事量とみなす処理を行えばよい。
【0037】
ここで、立ち上がり動作に要する仕事量や、着座動作に要する仕事量は、メモリ32に記憶しておいてもよいし、乗員RDの体重等を利用して所定の計算式で算出してもよい。
シート4に作用した各仕事量E3a,E3bは、乗員RDの下半身、又は全身の運動量に相当するので、乗員RDの下半身、又は全身の動きが僅かであって、乗員RDの運動量を適切に算出可能になる。
【0038】
図3に示すように、足置き部5については、足置き部5に作用した乗員RDの仕事量E5を算出する。この仕事量E5は、ステップ5aに作用した乗員RDの仕事量に加え、乗員RDが足で操作する操作子5b(ブレーキペダル及びシフトペダル)に作用した仕事量を含むことが好ましい。
各仕事量は、上記ステップS1~S4等に示す方法で算出する方法に限定されず、適宜な計算式を利用して算出してもよい。
【0039】
例えば、操作子5bに作用した仕事量については、操作子5bの操作毎の乗員RDの予測仕事量をメモリ32に記憶しておき、この予測仕事量に、操作子5bの操作回数を乗算する、といった方法で算出してもよい。予測仕事量は適宜な値に設定すればよい。
足置き部5に作用した仕事量E5は、乗員RDの足、又は下半身の運動量に相当するので、乗員RDの足や下半身の動きが僅かであっても乗員RDの運動量を適切に算出可能になる。
【0040】
図3に示すように、車体6については、車体6の傾斜に要した乗員RDの仕事量E6を算出する。この仕事量E6は、車体6等の質量と、車体6の左右への傾斜角と、ロール方向の加速度とを特定する第6情報D6を取得し、第6情報D6に基づいて、車体6の傾斜に要した仕事量E6を算出する。
例えば、車体6を左右方向に傾けたときに遠心力又は重力により発生する仕事量J1から、車体6を左右方向に傾けたときの実際の仕事量J2を減算することによって、車体6の変化を乗員RDが抑えている際の仕事量を算出することができる。
【0041】
ここで、仕事量J1=(M+m)×α1/sinθ×s1であり、M:車体質量、m:乗員RDの体重、α1/sinθ:乗員RDが傾いた車体を自立方向に操作しなかった場合の加速度、s1:車体6の変位である。また、仕事量J2=(M+m)×α2/sinθ×s2であり、α2/sinθ:乗員RDが傾いた車体を自立方向に操作した場合の加速度、s2:変位である。角度θは、鉛直方向に対する車体6の左右への傾斜角度である。仕事量E6を算出する方法は上記の方法に限定されず、他の計算式を利用して算出してもよい。
【0042】
車体6の傾斜に要した仕事量E6は、乗員RDの下半身、又は全身の運動量に相当するので、乗員RDの動きが僅かであっても乗員RDの運動量を適切に算出可能になる。
なお、走行中(運転中)、これらの仕事量E1~E6を加算し、さらに、乗員RDの基礎代謝量を加算することによって、走行中の乗員RDの運動量を算出することができる。この運動量をカロリーに換算することによって、乗員RDが消費した消費カロリーを得ることができ、乗員RDの健康管理に役立つ情報を得ることができる。
【0043】
また、走行中の仕事量E1~E6のうち、乗員RDの同じ部位毎に仕事量を累積加算することによって、乗員RDの部位毎の運動量、つまり、乗員RDの部位毎の消費カロリーを得ることができる。この情報を乗員RDに報知することによって、乗員RDは消費カロリーが多い部位と少ない部位を把握することができ、健康管理に役立てることができる。
なお、部位毎の運動量(消費カロリー)を算出する場合に、部位毎の基礎代謝量を加算するようにしてもよい。部位毎の基礎代謝量の算出処理は公知の処理を適用すればよく、例えば、乗員RDの性別、年齢、体重等の少なくともいずれかに基づいて、単位時間当たりの部位毎の標準基礎代謝量を設定し、標準基礎代謝量に、運転時間を乗算する処理を適用する方法を挙げることができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の情報処理装置10は、乗員RDからの荷重が作用する対象部品100について、荷重の影響を示す第1情報D1~第5情報D5を取得する情報取得部31aと、乗員RDの運動量として、第1情報D1~第6情報D6に基づいて、対象部品100に作用した仕事量E1~E6を算出する算出部31bとを備える。
この構成によれば、乗員RDの動きがわずかであっても、対象部品100に作用した仕事量E1~E6を算出することができ、鞍乗り型車両1の乗員RDの運動量を適切に算出し易くなる。なお、第1情報D1~第5情報D5は、本発明の所定情報に相当する。
【0045】
また、対象部品100は、乗員RDが接する部品を含み、情報取得部31aは、乗員RDが接する対象部品100の変位を示す第1情報D1~第5情報D5を取得し、算出部31bは、乗員RDの運動量として、第1情報D1~第5情報D5に基づいて、対象部品100の変位に要した仕事量E1~E5を算出する。
この構成によれば、乗員RDの動きがわずかであっても、乗員RDが接する対象部品100に作用した仕事量E1~E5を算出することができ、乗員RDの運動量を適切に算出し易くなる。
【0046】
また、乗員RDは、鞍乗り型車両1の運転者であり、対象部品100は、運転者がニーグリップするニーグリップ部3を含み、算出部31bは、乗員RDの運動量として、ニーグリップ部3の変位に要した仕事量E2を算出する。これにより、鞍乗り型車両1の運転操作に要した乗員RDの運動量を適切に算出できる。
【0047】
また、対象部品100は、乗員RDの運転により左右に傾斜する車体6を含み、情報取得部31aは、車体6の左右への傾斜角と、ロール方向の加速度を特定する第6情報D6を取得し、算出部31bは、乗員RDの運動量として、第6情報D6に基づいて、車体6の傾斜に要した仕事量E6を算出する。これにより、鞍乗り型車両1の傾斜に関わる運転操作に要した乗員RDの運動量を適切に算出できる。
この場合、算出部31bは、第6情報D6に基づいて、走行中の車体6を左右方向に傾斜させ、その状態を維持する仕事量J1から、走行中の車体6の仕事量J2を減算することによって、車体6の傾斜に要した仕事量を算出するようにしてもよい。これにより、車体6の傾斜を乗員RDが抑える運転に要した運動量を適切に算出できる。
【0048】
また、対象部品100は、乗員RDが把持するハンドル2を含み、情報取得部31aは、ハンドル2に加わる荷重と、ハンドル2のひずみ量と、ハンドル2のひずみの加速度を特定する第1情報D1を取得し、算出部31bは、乗員RDの運動量として、第1情報D1に基づいて、ハンドル2に作用した仕事量E1を算出する。これにより、鞍乗り型車両1のハンドル2に関わる運転操作に要した乗員RDの運動量を適切に算出できる。
【0049】
また、対象部品100は、乗員RDが着座するシート4を含み、情報取得部31aは、シート4に加わる荷重と、シート4のひずみ量と、シート4のひずみの加速度を特定する第3情報D3を取得し、算出部31bは、乗員RDの運動量として、第3情報D3に基づいて、シート4に作用した仕事量E3aと、シート4に作用した荷重変化から特定した乗員RDの所定動作(立ち上がり動作、及び着座動作に相当)に要した仕事量E3bを算出する。これにより、運転中の動作に伴う乗員RDの運動量を適切に算出できる。なお、仕事量E3a,E3bの少なくともいずれかを算出するようにしてもよい。
【0050】
また、対象部品100は、乗員RDが把持するハンドル2のグリップ2aと、乗員RDが操作する操作子2b,5bと、乗員RDがニーグリップするニーグリップ部3と、乗員RDが着座するシート4を含むので、乗員RDが直接触れて運転操作する箇所に作用した乗員RDのトータルの仕事量を算出しやすくなる。したがって、乗員RDが直接触れて運転操作することに要した乗員RDのトータルの運動量を算出できる。
【0051】
また、算出部31bは、対象部品100に接する乗員RDの部位毎に、乗員RDの仕事量を算出し、報知部40は、乗員RDの部位毎に、算出結果を報知する。これにより、乗員RDは運動量が多い部位と少ない部位を把握することができ、乗員RDの健康管理に役立つ情報を提供できる。
【0052】
上述の実施形態は、あくまでも本発明の一態様の例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、上述の実施形態では、情報処理装置10が鞍乗り型車両1に搭載される装置の場合を例示したが、これに限定されず、鞍乗り型車両1に搭載されていない装置でもよい。例えば、情報処理装置10は、乗員RDが携帯するスマートフォンや、タブレットコンピュータ等の通信機能を有する携帯型装置でもよい。
【0053】
情報処理装置10が通信機能を有する携帯型装置の場合、携帯型装置は、
図1に示す制御部30及び報知部40を備え、鞍乗り型車両1に設けられた検出部20の検出結果を通信により取得するように構成すればよい。
【0054】
また、本発明を適用可能な鞍乗り型車両は、
図1に示す自動二輪車に限定されず、スクータ型車両等の任意の自動二輪車でもよいし、ATV等の三輪車及び四輪車を含む鞍乗り型車両でもよい。
また、仕事量の算出対象である乗員RDは、運転者に限定されず、同乗者でもよい。同乗者の場合、例えば、同乗者が触れる部品に作用した仕事量を算出するようにすればよい。
本実施例では対象部品の荷重影響・仕事量に基づき計算したが、対象部品に連結された部品にかかる荷重影響・仕事量から計算してもよい。
【0055】
また、乗員RDの運動量を算出するためのプログラム32aは、電気通信回線を介して通信ネットワーク上の配信サーバ等からダウンロードされて任意のコンピュータで実行可能なプログラム、又は、磁気記録媒体、光記録媒体、半導体記録媒体等の記録媒体に格納され、記録媒体から任意のコンピュータが読み取って実行するプログラム等に広く適用可能である。
【0056】
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0057】
(構成1)鞍乗り型車両の乗員の運動量を算出する情報処理装置において、前記鞍乗り型車両の一部を構成すると共に前記乗員からの荷重が作用する対象部品について、前記荷重の影響を示す所定情報を取得する情報取得部と、前記乗員の運動量として、前記所定情報に基づいて、前記対象部品に作用した仕事量を算出する算出部と、を備える情報処理装置。
この構成によれば、乗員の動きがわずかであっても、乗員の運動量を適切に算出可能になる。
【0058】
(構成2)前記対象部品は、前記乗員が接する部品を含み、前記情報取得部は、前記所定情報として、前記乗員が接する前記対象部品の変位を示す情報を取得し、前記算出部は、前記乗員の運動量として、前記所定情報に基づいて、前記対象部品の変位に要した仕事量を算出する、構成1に記載の情報処理装置。
この構成によれば、乗員の動きがわずかであっても、乗員が接する対象部品に作用した仕事量を算出することができ、乗員の運動量を適切に算出し易くなる。
【0059】
(構成3)前記乗員は、前記鞍乗り型車両の運転者であり、前記対象部品は、前記運転者がニーグリップするニーグリップ部を含み、前記算出部は、前記乗員の運動量として、前記ニーグリップ部の変位に要した仕事量を算出する、構成2に記載の情報処理装置。
この構成によれば、鞍乗り型車両の運転操作に要した乗員の運動量を適切に算出できる。
【0060】
(構成4)前記乗員は、前記鞍乗り型車両の運転者であり、前記対象部品は、前記乗員の運転により左右に傾斜する車体を含み、前記情報取得部は、前記所定情報として、前記車体の左右への傾斜角と、ロール方向の加速度を特定する情報を取得し、前記算出部は、前記乗員の運動量として、前記所定情報に基づいて、前記車体の傾斜に要した仕事量を算出する、構成1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
この構成によれば、鞍乗り型車両の傾斜に関わる運転操作に要した乗員の運動量を適切に算出できる。
【0061】
(構成5)前記算出部は、前記所定情報に基づいて、走行中の前記車体を左右方向に傾斜させ、その状態を維持する仕事量から、走行中の前記車体の仕事量を減算することによって、前記車体の傾斜に要した仕事量を算出する、構成4に記載の情報処理装置。
この構成によれば、車体の傾斜を乗員が抑える運転に要した運動量を適切に算出できる。
【0062】
(構成6) 前記乗員は、前記鞍乗り型車両の運転者であり、前記対象部品は、前記乗員が把持するハンドルを含み、前記情報取得部は、前記所定情報として、前記ハンドルに加わる荷重と、前記ハンドルのひずみ量と、前記ハンドルのひずみの加速度を取得し、前記算出部は、前記乗員の運動量として、前記所定情報に基づいて、前記ハンドルに作用した仕事量を算出する、構成1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
この構成によれば、鞍乗り型車両のハンドルに関わる運転操作に要した乗員の運動量を適切に算出できる。
【0063】
(構成7) 前記対象部品は、前記乗員が着座するシートを含み、前記情報取得部は、前記所定情報として、前記シートに加わる荷重と、前記シートのひずみ量と、前記シートのひずみの加速度を取得し、前記算出部は、前記乗員の運動量として、前記所定情報に基づいて、前記シートに作用した仕事量と、前記シートに作用した荷重変化から特定した前記乗員の所定動作に要した仕事量との少なくともいずれかを算出する、構成1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
この構成によれば、運転中の動作に伴う乗員の運動量を適切に算出できる。
【0064】
(構成8)前記対象部品は、前記乗員である運転者が把持するハンドルのグリップと、前記運転者が操作する操作子と、前記運転者がニーグリップするニーグリップ部と、前記運転者が着座するシートを含む、構成1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
この構成によれば、乗員が直接触れて運転操作することに要した乗員のトータルの運動量を算出しやすくなる。
【0065】
(構成9)前記算出部の算出結果を報知する報知部を有し、前記算出部は、前記対象部品に接する前記乗員の部位毎に、前記乗員の仕事量を算出し、前記報知部は、前記乗員の部位毎に、算出結果を表示する、構成1から8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
この構成によれば、乗員の運動量が多い部位と少ない部位を把握することができる。
【0066】
(構成10)乗員の運動量を算出する情報処理装置を有する鞍乗り型車両であって、前記情報処理装置は、前記鞍乗り型車両の一部を構成すると共に前記乗員からの荷重が作用する対象部品について、前記荷重の影響を示す所定情報を取得する情報取得部と、前記乗員の運動量として、前記所定情報に基づいて、前記対象部品に作用した仕事量を算出する算出部と、前記算出部の算出結果を報知する報知部と、備える鞍乗り型車両。
この構成によれば、乗員の動きがわずかであっても、乗員の運動量を適切に算出可能になる。
【符号の説明】
【0067】
1 鞍乗り型車両
2 ハンドル
2b ブレーキレバー及びクラッチレバーに相当する操作子
3 ニーグリップ部
4 シート
5 足置き部
5a ステップ
5b ブレーキペダル及びシフトペダルに相当する操作子
6 車体
10 情報処理装置
31 プロセッサ
31a 情報取得部
31b 算出部
31c 報知制御部
32 メモリ
32a プログラム
40 報知部
100 対象部品
D1~D6 第1情報~第6情報
E1~E6 仕事量
RD 乗員(運転者)