IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイホン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-インターホン機器 図1
  • 特開-インターホン機器 図2
  • 特開-インターホン機器 図3
  • 特開-インターホン機器 図4
  • 特開-インターホン機器 図5
  • 特開-インターホン機器 図6
  • 特開-インターホン機器 図7
  • 特開-インターホン機器 図8
  • 特開-インターホン機器 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142088
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】インターホン機器
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20241003BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H04M1/02 G
H05K5/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054081
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135127
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 正己
(72)【発明者】
【氏名】石川 琢朗
【テーマコード(参考)】
4E360
5K023
【Fターム(参考)】
4E360AB06
4E360AB12
4E360AB64
4E360BA01
4E360BC05
4E360BD05
4E360EA05
4E360EA13
4E360ED02
4E360GA29
4E360GB28
4E360GC08
5K023AA05
5K023BB25
5K023CC06
5K023EE05
5K023LL06
5K023RR01
(57)【要約】
【課題】本体ケースの背面側に簡易な防水構造が設けられてなるインターホン機器を提供する。
【解決手段】前ケース2と後ケース3との組み付け状態において、前ケース2の左側板2Dと右側板2Eとの後端を、後ケース3の左右両側縁よりも後方へ突出させた。また、後ケース3の後面における左右両側縁に、平面状に形成された凹部9及び平面部13を夫々上下方向に延設した。一方、設置枠10の左辺部及び右辺部に、左右方向で設置枠10の内側へ突出する当接段部11を、左辺部又は右辺部に沿って上下方向へ延設した。そして、左側板2Dの後端及び右側板2Eの後端の一部を設置枠10の当接段部11に夫々当接させることにより、凹部9の前壁表面及び平面部13の表面と当接段部11の前面とが前後方向で離隔した状態で、本体ケースが設置枠10に取り付けられるようにした。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後面に開口する略方体箱状に形成された前ケースと、前記前ケースの後面開口内に嵌め込まれる略板状に形成された後ケースとを組み付けてなる本体ケースと、前記本体ケースを所定の設置面に設置するための設置部材とを備えたインターホン機器であって、
前記前ケースと前記後ケースとの組み付け状態において、前記前ケースの左側板と右側板との後端が、前記後ケースの左右両側縁よりも後方へ突出しているとともに、
前記後ケースの後面における左右少なくとも何れか一方の側縁に沿って、平面状に形成された平面部が上下方向に延設されており、
前記左側板の後端及び前記右側板の後端の少なくとも一部を前記設置部材に当接させることにより、前記平面部と前記設置部材側とが前後方向で離隔した状態で、前記本体ケースが前記設置部材に取り付けられ、前記平面部と、前記平面部の後側に対向している前記設置部材側の部分とが水滴を下方へ導くための誘導部とされていることを特徴とするインターホン機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば住戸の玄関に設置されるインターホン子機等のインターホン機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のインターホン機器としては、本体ケース内への水の浸入を防止する防水構造を設けてなるものがある。たとえば特許文献1に記載のインターホン機器では、マイク孔の近傍に、マイク孔に溜まろうとする水を下方へ排水するための排水路を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-197967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防水性の向上を考えると、インターホン機器の本体ケースの前面側のみならず、背面側にも防水構造を設けた方が望ましい。ただ、複雑な防水構造を設けるとなると、コスト高を招いてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、本体ケースの背面側に簡易な防水構造が設けられてなるインターホン機器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、後面に開口する略方体箱状に形成された前ケースと、前ケースの後面開口内に嵌め込まれる略板状に形成された後ケースとを組み付けてなる本体ケースと、本体ケースを所定の設置面に設置するための設置部材とを備えたインターホン機器であって、前ケースと後ケースとの組み付け状態において、前ケースの左側板と右側板との後端が、後ケースの左右両側縁よりも後方へ突出しているとともに、後ケースの後面における左右少なくとも何れか一方の側縁に沿って、平面状に形成された平面部が上下方向に延設されており、左側板の後端及び右側板の後端の少なくとも一部を設置部材に当接させることにより、平面部と設置部材側とが前後方向で離隔した状態で、本体ケースが設置部材に取り付けられ、平面部と、平面部の後側に対向している設置部材側の部分とが水滴を下方へ導くための誘導部とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前ケースと後ケースとの組み付け状態において、前ケースの左側板と右側板との後端が、後ケースの左右両側縁よりも後方へ突出しているとともに、後ケースの後面における左右少なくとも何れか一方の側縁に沿って、平面状に形成された平面部が上下方向に延設されている。そして、左側板の後端及び右側板の後端の少なくとも一部を設置部材に当接させることにより、平面部と設置部材側とが前後方向で離隔した状態で、本体ケースが設置部材に取り付けられ、平面部と、平面部の後側に対向している設置部材側の部分とが水滴を下方へ導くための誘導部とされている。したがって、本体ケースの背面側に簡易な構造の防水構造を設けることができ、低コストで防水性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】インターホン子機を前面から示した説明図である。
図2】インターホン子機1の本体ケースを設置枠10から取り外した状態を示した説明図である。
図3】インターホン子機の本体ケースを後面から示した説明図である。
図4】インターホン子機の本体ケースを後面から示した斜視説明図である。
図5】後ケースを後面から示した斜視説明図である。
図6図1中のA-A線断面を示した説明図である。
図7図6中の要部である誘導部周りを拡大して示した説明図である。
図8図1中のB-B線断面を示した説明図である。
図9図8中の要部である誘導部周りを拡大して示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となるインターホン子機について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
図1は、インターホン子機1を前面から示した説明図である。図2は、インターホン子機1の本体ケースを設置枠10から取り外した状態を示した説明図である。図3は、インターホン子機1の本体ケースを後面から示した説明図である。図4は、インターホン子機1の本体ケースを後面から示した斜視説明図である。図5は、後ケース3を後面から示した斜視説明図である。図6は、図1中のA-A線断面を示した説明図である。図7は、図6中の要部である誘導部周りを拡大して示した説明図である。図8は、図1中のB-B線断面を示した説明図である。図9は、図8中の要部である誘導部周りを拡大して示した説明図である。
【0011】
インターホン子機1は、前側に配置される前ケース2及び後側に配置される後ケース3を組み付けた本体ケースと、その本体ケースを前方から覆うように組み付けられた化粧カバー4とを有してなる。また、インターホン子機1の前面上部には、インターホン子機1の前方を撮像するためのカメラ部5が設けられている。さらに、インターホン子機1の前面におけるカメラ部5の右側には、通話のためのマイク部6が設けられている。加えて、インターホン子機1の前面におけるカメラ部5の下側には、来訪者が居住者を呼び出す際に操作する呼出ボタン8が設けられている。該呼出ボタン8は、通話のためのスピーカ部としての機能や夜間照明としての機能をも兼ね備えている。そして、このようなインターホン子機1は、後述する設置枠10を介して住戸の玄関の壁面等の設置面に設置されており、来訪者によって呼出ボタン8が操作されると、住戸内に設置されているインターホン親機(図示せず)を呼び出すとともに、カメラ部5を作動させて来訪者等を含んだインターホン子機1前方の映像を撮像する。また、インターホン親機において応答ボタンが操作される等の応答操作がなされると、マイク部6及びスピーカ部を作動させ、インターホン親機との間で通話可能な状態とする。
【0012】
ここで、本発明の要部となる本体ケース背面における防水構造について説明する。
前ケース2は、正面視略矩形の前板2Aと、前板2Aの上縁から後方へ延びる上板2Bと、前板2Aの下縁から後方へ延びる下板2Cと、前板2Aの左縁から後方へ延びる左側板2Dと、前板2Aの右縁から後方へ延びる右側板2Eとを有していて、後面に開口する略方体箱状に形成されている。
【0013】
また、後ケース3は、略矩形板状に形成されてなり、本体ケースの組み立てに際しては、前ケース2の後面開口内に嵌め込んだ状態でネジ止めされる。また、後ケース3の後面の左右両側部には、各側縁に沿って上下方向へ延びる凹部9が夫々設けられている。凹部9は、前方へ凹んだ凹部として形成されており、前壁、上壁、下壁、及び左右方向で後ケース3内側の側壁により囲まれ、左右方向で後ケース外側及び後側に開口している。また、凹部9の前壁は、凹凸のない平面状に形成されている。加えて、後ケース3の後面における凹部9、9よりも下方にも、前後方向に凹凸のない平面部13、13が夫々上下方向へ延設されている。
【0014】
さらに、設置枠10は、上辺部、左辺部、右辺部、及び下辺部を、インターホン子機1の本体ケースよりも一回り大きな正面視矩形のフレーム状に連結した合成樹脂製の部材である。左辺部及び右辺部で設置枠10内側となる面(左辺部の右面や右辺部の左面)には、左右方向で設置枠10の内側へ突出する当接段部11が、左辺部又は右辺部に沿って上下方向へ延設されている。
【0015】
そして、上述したような前ケース2に後ケース3を組み付けると、後ケース3は前ケース2の後面開口内に嵌め込まれ、前ケース2の上板2B、下板2C、左側板2D、及び右側板2Eの後端が、後ケース3の外周縁よりも後方へ突出する。特に後ケース3の左右両側縁では、凹部9及び平面部13の左右方向で外側の側縁に沿って、左側板2D若しくは右側板2Eの突出部分が上下方向へ延びる格好となっている。また、このようなインターホン子機1の本体ケースを設置枠10に取り付けると、後ケース3の外周縁よりも後方へ突出している左側板2D及び右側板2Eの後端部、特に上下両端における後端部が、対応する当接段部11の前面に夫々当接しており、後ケース3の後面における左右両側縁部と当接段部11との間に隙間が形成される。すなわち、凹部9内では、図6及び図7に示すように、後ケース3の後面(凹部9の前壁表面)と当接段部11との間に、後ケース3の側縁と前ケース2の左側板2D若しくは右側板2Eとの隙間t3よりも十分広い隙間t1が形成される。また、平面部13内では、図8及び図9に示すように、後ケース3の後面(平面部13の表面)と当接段部11との間に、後ケース3の側縁と前ケース2の左側板2D若しくは右側板2Eとの隙間t3よりも十分広い隙間t2が形成される。そして、このように後ケース3の後面における左右両側縁に沿って、凹部9の前壁や平面部13表面と当接段部11とにより前後から挟まれ、隙間t3よりも前後方向への隙間t1、t2が広く形成された空間が上下方向に延びているため、凹部9内及び平面部13内に到達した水滴は、後ケース3の側縁と前ケース2の左側板2D若しくは右側板2Eとの隙間t2から本体ケース内へ浸入することなく、凹部9の前壁表面や平面部13の表面、当接段部11の表面に沿って下方へ移動しやすくなる。すなわち、凹部9の前壁、平面部13、及び当接段部11が、水滴を下方へ導く誘導部として機能することになる。
【0016】
以上のような構成を有するインターホン子機1によれば、前ケース2と後ケース3との組み付け状態において、前ケース2の左側板2Dと右側板2Eとの後端が、後ケース3の左右両側縁よりも後方へ突出している。また、後ケース3の後面における左右両側縁に、平面状に形成された凹部9及び平面部13が夫々上下方向に延設されている。一方、設置枠10の左辺部及び右辺部に、左右方向で設置枠10の内側へ突出する当接段部11が、左辺部又は右辺部に沿って上下方向へ延設されている。そして、左側板2Dの後端及び右側板2Eの後端の一部を設置枠10の当接段部11に夫々当接させることにより、凹部9の前壁表面及び平面部13の表面と当接段部11の前面とが前後方向で離隔した状態で、本体ケースが設置枠10に取り付けられるようにした。このとき、凹部9の前壁表面と当接段部11の前面との隙間t1、及び平面部13の表面と当接段部11の前面との隙間t2は、後ケース3の側縁と前ケース2の左側板2D若しくは右側板2Eとの隙間t3よりも広くなっている。すると、凹部9内や平面部13内に到達した水滴は、後ケース3の側縁と前ケース2の左側板2D若しくは右側板2Eとの隙間t3から本体ケース内へ浸入することなく、凹部9の前壁表面や平面部13の表面、当接段部11の前面等を伝って下方へ移動しやすくなる。つまり、凹部9の前壁表面、平面部13の表面、及び当接段部11の前面が、凹部9内及び平面部13内に水滴を下方へ導く誘導部として機能する。したがって、本体ケースの背面側に簡易な構造の防水構造を設けることができ、低コストで防水性の向上を図ることができる。
【0017】
なお、本発明に係るインターホン機器は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、インターホン機器の全体的な構成は勿論、本体ケース背面における防水構造に係る構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
【0018】
たとえば、上記実施形態では、後ケースの後面に前方へ凹んだ凹部を設けることによって、左側板若しくは右側板の突出部分と対向して上下方向に延びる壁部を設けているが、そのような凹部を設けずに、後ケースの後面の左右両側縁において、その上端から下端にかけて一連の平面部を設けるとしても何ら問題はない。
また、上記実施形態では、左側板の後端及び右側板の後端の夫々一部しか設置部材に当接させないとしているが、左側板の後端及び右側板の後端の全てを設置部材に当接させるように構成することも可能であるし、左側板の後端及び右側板の後端を設置部材のどこに当接させるか、すなわち設置部材の具体的形状等についても適宜設計変更可能である。
【0019】
さらに、上記実施形態において、誘導部は、本体ケースの左右両側に夫々1箇所ずつしか設けていないが、左右両側に夫々複数箇所設けるとしてもよいし、左右何れか一方にしか誘導部を設けないとすることも可能で、誘導部の位置や数については適宜設計変更することができる。
加えて、上記実施形態では、インターホン機器の一例であるインターホン子機について説明しているが、本発明は、設置部材を介して前ケースと後ケースとを組み付けてなる本体ケースを設置面に設置するものであれば、インターホン親機や集合玄関機等の他のインターホン機器についても好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0020】
1・・インターホン子機(インターホン機器)、2・・前ケース、2D・・左側板、2E・・右側板、3・・後ケース、9・・凹部(平面部)、10、設置枠(設置部材)、11・・当接段部(平面部の後側に対向している設置部材側の部分)、13・・平面部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9