(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142090
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】支持装置および支持方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054083
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 誠治
(72)【発明者】
【氏名】中村 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】荒井 善男
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA12
5F131AA13
5F131BA00
5F131CA45
5F131CA46
5F131EB02
5F131EB03
5F131EC31
5F131KA12
5F131KA40
(57)【要約】
【課題】支持部材を追加する場合にセンサを追加することなく、支持部材に付与された情報を読み取ることができる支持装置および支持方法を提供する。
【解決手段】支持装置EA1は、情報が付与された支持部材11~16で支持対象物WK1、WK2を支持する支持手段10と、支持部材11~16を移動させる移動手段20と、支持部材11~16に付与された情報を読み取る読取手段30とを備え、情報は、支持部材11~16の形状および支持部材11~16の色の少なくとも一方によって決定され、読取手段30は、所定の検知領域DAをセンシングする単一のセンサ31を備え、所定の検知領域DAを移動する支持部材11~16の形状または支持部材11~16の色を単一のセンサ31で検知することで、支持部材11~16に付与された情報を読み取る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報が付与された支持部材で支持対象物を支持する支持手段と、
前記支持部材を移動させる移動手段と、
前記支持部材に付与された情報を読み取る読取手段とを備え、
前記情報は、前記支持部材の形状および前記支持部材の色の少なくとも一方によって決定され、
前記読取手段は、所定の検知領域をセンシングする単一のセンサを備え、前記所定の検知領域を移動する前記支持部材の形状または前記支持部材の色を前記単一のセンサで検知することで、前記支持部材に付与された前記情報を読み取ることを特徴とする支持装置。
【請求項2】
前記支持部材には、凹部および凸部の少なくとも一方が形成され、
前記情報は、前記凹部および前記凸部の前記少なくとも一方の数、形状もしくは配置、または前記凹部の深さおよび前記凸部の高さの少なくとも一方による前記支持部材の形状の違いによって決定されることを特徴とする請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
前記情報は、前記支持部材に付された色の色相、明度、彩度、数または配置による当該支持部材の色の違いによって決定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の支持装置。
【請求項4】
情報が付与された支持部材で支持対象物を支持する支持工程と、
前記支持部材を移動させる移動工程と、
前記支持部材に付与された情報を読み取る読取工程とを実施し、
前記情報は、前記支持部材の形状および前記支持部材の色の少なくとも一方によって決定され、
前記読取工程では、所定の検知領域をセンシングする単一のセンサによって、前記所定の検知領域を移動する前記支持部材の形状または前記支持部材の色を検知することで、前記支持部材に付与された前記情報を読み取ることを特徴とする支持方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持装置および支持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
支持部材で支持対象物を支持し、当該支持部材に付与された情報を読み取る支持装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された光照射装置1(支持装置)は、テーブル31における被照射体IR(支持対象物)の支持領域を変更する第1~第5区画プレート51~55(支持部材)に形成された区画孔50A~50Gの数、位置(情報)を読み取る際、支持部材に形成された貫通孔59A~59D(凹部)の各々に対向して配置された複数のセンサ5A~5D(センサ)で凹部を検知し、その検知結果に基づいて、支持部材に付与された情報を読み取る。そのため、新たな支持部材を追加する場合、支持部材に付与された情報の位置に応じて追加のセンサが必要になるという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、支持部材を追加する場合にセンサを追加することなく、支持部材に付与された情報を読み取ることができる支持装置および支持方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、支持部材を移動させ、所定の検知領域を移動する支持部材の形状または支持部材の色を単一のセンサで検知することで、支持部材に付与された情報を読み取るため、支持部材を追加する場合にセンサを追加することなく、支持部材に付与された情報を読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(A)、(B)は、本発明の第1実施形態に係る支持装置の説明図。
【
図2】(A)、(B)は、本発明の第2実施形態に係る支持装置の説明図。(C)は、本発明の変形例に係る支持装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な
図1(A)、
図2(A)の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な
図1(A)、
図2(A)中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
[第1実施形態]
図1(A)、(B)において、支持装置EA1は、情報が付与された支持部材としてのテーブル11~16で支持対象物WK1、WK2を支持する支持工程を実施する支持手段10と、テーブル11~16を移動させる移動工程を実施する移動手段20と、テーブル11~16に付与された情報を読み取る読取工程を実施する読取手段30とを備えている。
なお、テーブル11~16に付与された情報は、テーブル11~16の形状によって決定される。本実施形態の場合、テーブル11~16には、凹部11E~11G、12E~12G、13E~13G、14E~14G、15G、16Gが形成され、テーブル11~16に付与された情報は、凹部11E~11G、12E~12G、13E~13G、14E~14G、15G、16Gの配置によるテーブル11~16の形状の違いによって決定される。本実施形態の情報は、テーブル11~16における吸引形態、非粘着処理およびテーブル11~16で支持する支持対象物WK1、WK2の大きさである。また、凹部11E~11G、12E~12G、13E~13G、14E~14G、15G、16Gの配置は、テーブル11~16の左端縁を基準位置として決定される。
【0011】
支持手段10は、支持面11A、12Aに設けられた多孔質部材11C、12Cで支持対象物WK1、K2を吸着保持するテーブル11、12と、支持面13A、14Aに設けられた吸引孔13B、14Bで支持対象物WK1、WK2を吸着保持するテーブル13、14と、支持対象物WK1、WK2を吸着保持せずに支持面15A、16Aで支持するテーブル15、16とを備え、テーブル11~16を交換可能な構成とされている。
【0012】
テーブル11は、支持対象物WK1を支持する支持面11Aと、支持面11Aに設けられ、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段と連通する凹部11Bと、凹部11B内に配置された多孔質部材11Cと、前面11Dに設けられ、テーブル11の情報に応じて形成された複数の凹部11E、11F、11Gとを備えている。凹部11Eは、支持面11Aにおける吸引形態を判別するために設けられ、前面11Dの第1判別領域AR1に形成されている。凹部11Eの位置からは、多孔質部材11Cによる吸引形態が採用されていることが判別される。凹部11Fは、支持面11Aの非粘着処理を判別するために設けられ、前面11Dの第1判別領域AR1よりも右方の第2判別領域AR2に形成されている。凹部11Fの位置からは、支持面11Aに非粘着処理としてフッ素樹脂コーティングやシリコンコーティング等のコーティング処理が施されていることが判別される。凹部11Gは、支持面11Aで支持する支持対象物WK1の大きさを判別するために設けられ、前面11Dの第2判別領域AR2よりも右方の第3判別領域AR3に形成されている。凹部11Gの位置からは、支持面11Aで支持される支持対象物WK1の大きさが判別される。
テーブル12は、テーブル11と同様の構成であり、テーブル11の各構成の付番号の2番目の1の記号を2に置き換えることで説明ができるので、凹部12Gの位置について説明し、その他の説明を省略する。凹部12Gは、支持面12Aで支持対象物WK2が支持されるため、凹部11Gとは異なる位置に形成されている。凹部12Gの位置からは、支持面12Aで支持される支持対象物WK2の大きさが判別され、支持対象物WK2が支持対象物WK1よりも大きいことが判別される。
【0013】
テーブル13は、支持対象物WK1を支持する支持面13Aと、支持面13Aに設けられ、図示しない減圧手段(保持手段)に連通する吸引孔13Bと、前面13Dに設けられ、テーブル13の情報に応じて形成された複数の凹部13E、13F、13Gとを備えている。凹部13Eは、凹部11E、12Eと異なる位置に形成され、凹部13Eの位置からは、吸引孔13Bよる吸引形態が採用されていることが判別される。凹部13Fは、凹部11F、12Fと異なる位置に形成され、凹部13Fの位置からは、支持面13Aに非粘着処理として粗面処理が施されていることが判別される。なお、支持面13Aには、支持面11Aと同様に支持対象物WK1が支持されるため、凹部13Gの位置は、凹部11Gと同じ位置になる。
テーブル14は、テーブル13と同様の構成であり、テーブル13の各構成の付番号の2番目の3の記号を4に置き換えることで説明ができるので、凹部14Gの位置について説明し、その他の説明を省略する。支持面14Aには、支持面12Aと同様に支持対象物WK2が支持されるため、凹部14Gの位置は、凹部12Gと同じ位置になる。
【0014】
テーブル15は、支持対象物WK1を支持する支持面15Aと、支持面15Aに設置された環状のゴムや樹脂等の弾性部材15Bと、前面15Dに設けられ、テーブル15の情報に応じて形成された凹部15Gとを備えている。支持面15Aは、支持対象物WK1を吸引する構成とはなっておらず、非粘着処理も施されていないため、前面15Dの第1判別領域AR1および第2判別領域AR2には、凹部が形成されていない。一方、支持面15Aには支持対象物WK1が支持されるため、凹部15Gの位置は、凹部11G、13Gと同じ位置になる。
テーブル16は、テーブル15と同様の構成であり、テーブル15の各構成の付番号の2番目の5の記号を6に置き換えることで説明ができので、凹部16Gの位置について説明し、その他の説明を省略する。支持面16Aには、支持面12A、14Aと同様に支持対象物WK2が支持されるため、凹部16Gの位置は、凹部12G、14Gと同じ位置になる。
【0015】
移動手段20は、駆動機器としてのリニアモータ21と、リニアモータ21のスライダ21Aに支持され、テーブル11~16を支持する複数の支持台22~24とを備えている。支持台22~24は、リニアモータ21のスライダ21A上に左右方向に並設され、それぞれが前後方向に延設されている。
【0016】
読取手段30は、所定の検知領域DAをセンシングする光学センサや超音波センサ等の単一のセンサ31を備え、所定の検知領域DAを移動するテーブル11~16の形状を単一のセンサ31で検知することで、テーブル11~16に付与された情報を読み取る構成となっている。
【0017】
以上の支持装置EA1の動作を説明する。
先ず、
図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置された支持装置EA1に対し、当該支持装置EA1の使用者(以下、単に「使用者」という)が、支持対象物WK1、WK2の種類、大きさ、支持対象物WK1、WK2に施される処理等に応じて、例えば同図に示すように、テーブル11を支持台22、23上の所定の位置に載置し、ボルトやねじ等の図示しない固定手段でテーブル11を支持台22、23に固定する。次いで、使用者が、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して、テーブル11の情報を入力するともに、自動運転開始の信号を入力する。その後、移動手段20がリニアモータ21を駆動し、
図1(A)に示すように、テーブル11がセンサ31による所定の検知領域DAよりも右方に位置するまで、テーブル11を右方に移動させる。この際、読取手段30が単一のセンサ31を駆動し、所定の検知領域DAを通過する凹部11E、11F、11Gを順番に検知することで、凹部11E、11F、11Gの位置から、テーブル11の吸引形態、非粘着処理および支持対象物WK1の大きさを読み取る。次に、支持手段10がリニアモータ21を駆動し、テーブル11を初期位置に復帰させた後、読取手段30は、読み取ったテーブル11の情報と、操作手段を介して入力された情報との対応を検証し、テーブル11が適格なものか不適格なものかを判定する。その結果、テーブル11が不適格なものであると判断されると、読取手段30がスピーカや表示器等の図示しない警告手段に所定の信号を出力し、当該警告手段を介して音や光等の警告シグナルを発することで、テーブル11の交換が必要であることを使用者に知らせる。
【0018】
一方、テーブル11が適格なものであると判断された場合、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、
図1(A)中二点鎖線で示すように、支持面11A上の所定の位置に支持対象物WK1を載置すると、支持手段10が図示しない減圧手段を駆動し、支持面11Aでの支持対象物WK1の吸着保持を開始する。そして、移動手段20がリニアモータ21を駆動し、テーブル11を右方に移動させ、当該テーブル11が所定の位置に到達すると、支持対象物WK1に所定の処理を施す図示しない処理手段によって、支持対象物WK1に所定の処理が施される。次いで、支持手段10が図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面11Aでの支持対象物WK1の吸着保持を解除すると、使用者または図示しない搬送手段が支持対象物WK1を次工程に搬送する。その後、支持手段10がリニアモータ21を駆動し、テーブル11を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0019】
以上のような実施形態によれば、テーブル11~16を移動させ、所定の検知領域DAを移動するテーブル11~16の形状を単一のセンサ31で検知することで、テーブル11~16に付与された情報を読み取るため、テーブルを追加する場合にセンサ31を追加することなく、テーブル11~16に付与された情報を読み取ることができる。
【0020】
[第2実施形態]
図2(A)、(B)に示す支持装置EA2では、テーブル11~16に付与された情報は、テーブル11~16の色によって決定され、本実施形態の場合、テーブル11~16に付された色の色相によるテーブル11~16の色の違いによって決定される。また、テーブル11~16の色部11J~11L、12J~12Lの配置は、テーブル11~16の左端縁を基準位置として決定される。
【0021】
テーブル11は、第1実施形態で示した凹部11E、11F、11Gに代えて、前面11Dの異なる所定の位置に設けられ、テーブル11の情報に応じて色が付された複数の色部11J、11K、11Lを備えている。色部11Jは、支持面11Aにおける吸引形態を判別するために色が付され、前面11Dの左端縁から右方に所定距離離れた第1判別位置PN1に設けられている。色部11Jに付された色の色相からは、多孔質部材11Cによる吸引形態が採用されていることが判別される。色部11Kは、支持面11Aの非粘着処理を判別するために色が付され、前面11Dの第1判別位置PN1よりも右方で、前面11Dの左端縁から右方に所定距離離れた第2判別位置PN2に設けられている。色部11Lに付された色の色相からは、支持面11Aに非粘着処理としてコーティング処理が施されていることが判別される。色部11Lは、支持面11Aで支持する支持対象物WK1の大きさを判別するために色が付され、前面11Dの第2判別位置PN2よりも右方で、前面11Dの左端縁から右方に所定距離離れた第3判別位置PN3に設けられている。色部11Jに付された色の色相からは、支持面11Aで支持される支持対象物WK1の大きさが判別される。
【0022】
テーブル12は、凹部12E、12F、12Gに代えて、テーブル12の情報に応じて色が付された複数の色部12J、12K、12Lを備えている。色部12J、12K、12Lは、テーブル12の左端縁を基準位置として、色部11J、11K、11Lと同じ位置に設けられている。テーブル12の吸引形態および非粘着処理判は、テーブル11と同じであるため、色部12J、12Kに付された色の色相は、色部11J、11Kの色相と同じである。一方、色部12Lに付された色の色相は、色部11Lの色相とは異っており、色部12Lの色相からは、支持面12Aで支持される支持対象物WK2の大きさが支持対象物WK1よりも大きいことが判別される。
【0023】
テーブル13~16は、テーブル11、12と同様に、それぞれの凹部13E~13G、14E~14G、15G、16Gに代えて、各々の吸引形態、非粘着処理および支持対象物WK1、WK2の大きさを判別するための色部を備えている。例えば、テーブル13、14は、テーブル11、12とは吸引形態および非粘着処理が異なるため、第1判別位置PN1および第2判別位置PN2に設けられた色部の色相が、色部11J、11Kの色相と異なる。また、テーブル15、16の色部は、第3判別位置PN3にのみ設けられ、支持面15A、16Aで支持される支持対象物WK1、WK2の大きさが異なることから、それぞれの色部に付された色の色相が異なる。
【0024】
読取手段30は、移動手段20で所定の検知領域DAを移動するテーブル11~16の色を単一のセンサ31で検知することで、テーブル11~16に付与された情報を読み取る構成となっている。本実施形態の場合、センサ31は、色を検知可能なカラーセンサで構成される。
【0025】
以上の支持装置EA2では、例えば、テーブル11を支持台22、23上の所定の位置に載置して固定した場合、上記と同様にして、読取手段30が単一のセンサ31によって、所定の検知領域DAを通過する色部11J、11K、11Lに付されたの色の色相を順番に検知することで、テーブル11の吸引形態、非粘着処理および支持対象物WK1の大きさを読み取る。即ち、本実施形態によれば、テーブル11~16を移動させ、所定の検知領域DAを移動するテーブル11~16の色を単一のセンサ31で検知することで、テーブル11~16に付与された情報を読み取るため、テーブルを追加する場合にセンサ31を追加することなく、テーブル11~16に付与された情報を読み取ることができる。
【0026】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0027】
例えば、支持手段10は、交換可能なテーブル11~16の数に応じて、支持台22~24の数を増やしたり、減らしたりしてもよいし、リニアモータ21のスライダ21Aで支持台22、23のみを支持し、当該支持台22、23の位置をテーブル11~16の大きさに応じて変更可能な構成としてもよいし、支持台22~24を介さずにスライダ21Aでテーブル11~16を直接支持してもよい。
テーブル11~16には、一部または全ての凹部11E~11G、12E~12G、13E~13G、14E~14G、15G、16Gに代えて凸部が形成されていてもよいし、凹部および凸部の両方が形成されていてもよい。
テーブル11~16には、吸引形態、非粘着処理および支持対象物WK1、WK2の大きさ以外の情報が付与されていてもよく、例えば、支持面11Aにおける吸引領域の大きさをテーブル11に付与し、
図2(C)に示すように、吸引領域の大きさを判別するためにテーブル11に設けた色部11Mの色から、テーブル11における吸引領域の大きさを読み取れるようにしてもよい。なお、
図2(C)では、色部11J~11Mが上下方向および左右方向に並設されている。
テーブル11とテーブル12、またはテーブル13とテーブル14とでは、吸引形態および非粘着処理の一方または両方が互いに異なっていてもよく、この場合、凹部11E、11F、12E、12F、13E、13F、14E、14Fの位置や凸部の位置、色部11J、11K、12J、12Kに付された色の色相を、吸引形態や非粘着処理に応じて変更してもよい。
テーブル11~14は、支持面11A、12A、13A、14Aで支持対象物WK1、WK2を吸着保持せずに支持する構成とされてもよく、この場合、前面11D、12D、13D、14Dの第1判別領域AR1に凹部11E、12E、13E、14Eや凸部が形成されていなくてもよい。
テーブル15、16は、弾性部材15B、16Bに代えてまたは併用して、支持面15A、16Aで吸着保持が可能な構成とされてもよいし、支持面15A、16Aに非粘着処理が施されていてもよく、支持面15A、16Aで吸着保持が可能な構成とされた場合、吸引形態に対応する凹部や凸部が前面15D、16Dの第1判別領域AR1に形成されていてもよいし、支持面15A、16Aに非粘着処理が施された場合、非粘着処理に対応する凹部や凸部が前面15D、16Dの第2判別領域AR2に形成されていてもよい。
支持面11A、12A、13A、14A、15A、16Aに施す非粘着処理は、例えば、フッ素樹脂コーティングやシリコンコーティング等のコーティング処理であってもよいし、ブラスト加工やエッチング加工等による粗面処理であってもよい。
凹部11E~11G、12E~12G、13E~13G、14E~14G、15G、16G、凸部、または色部11J~11M、12J~12L等の情報は、テーブル11~16の前面、後面、右側面、左側面、上面、下面等、テーブル11~16のどの面に設けられてもよいし、移動手段20によるテーブル11~16の移動方向に沿った方向であれば、上下方向、左右方向、前後方向またはこれらのうちの少なくとも1方向に交わる方向等、どのような方向に並設されてもよい。
凹部11E~11G、12E~12G、13E~13G、14E~14G、15G、16G、凸部、または色部11J~11M、12J~12Lの配置の基準となる基準位置は、テーブル11~16の左端縁、右端縁、前方端縁、後方端縁、上方端縁、下方端縁、中心位置等、テーブル11~16のどの位置であってもよい。
支持手段10は、テーブル11~16に代えて、例えば、支持対象物WK1、WK2を把持するメカチャックやチャックシリンダ等の把持部材を支持部材として備えていてもよく、この場合、把持部材の所定の位置を基準位置として、当該把持部材に凹部や凸部、色部を設けてもよい。
支持部材に付与された情報は、支持部材の形状および支持部材の色の両方によって決定されてもよいし、凹部および凸部の少なくとも一方の数形状または配置による支持部材の形状の違いによって決定されてもよいし、凹部の深さおよび凸部の高さの少なくとも一方による支持部材の形状の違いによって決定されてもよいし、支持部材に付された色の明度、彩度、数または配置による支持部材の色の違いによって決定されてもよいし、それらのうちの2つ以上の組み合わせによる違いによって形成されてもよい。例えば、凹部または凸部の数による支持部材の形状の違いによって情報が決定される場合、第1判別領域AR1に凹部または凸部が1つ形成されていれば多孔質部材による吸引形態、凹部または凸部が2つ形成されていれば吸引孔による吸引形態と決定してもよいし、凹部または凸部の形状による支持部材の形状の違いによって情報が決定される場合、第1判別領域AR1に円形の凹部または凸部が形成されていれば多孔質部材による吸引形態、矩形の凹部または凸部が形成されていれば吸引孔による吸引形態と決定してもよいし、凹部および凸部の数による支持部材の形状の違いによって情報が決定される場合、第1判別領域AR1に凹部、凸部が合計で1つ形成されていれば多孔質部材による吸引形態、凹部、凸部が合計で2つ形成されていれば吸引孔による吸引形態と決定してもよいし、支持部材に付された色の明度による支持部材の色の違いによって情報が決定される場合、第1判別位置PN1の色部に付された色の明度が高ければ多孔質部材による吸引形態、明度が低ければ吸引孔による吸引形態と決定してもよいし、凹部および色の配置による違いによって情報が決定される場合、例えば、第1判別領域AR1に形成された凹部の配置によって吸引形態を決定し、第2判別領域AR2に形成された凹部の配置によって非粘着処理を決定し、第3判別領域AR3の色部に付された色の配置によって支持対象物WK1、WK2の大きさを決定してもよい。
支持部材に付与される情報としては、前記実施形態で示したものの他、例えば、支持部材の種類、形状、大きさ、材質、識別番号、品名等、何ら限定されるものではない。
【0028】
移動手段20は、例えば、
図2(C)に示すように、リニアモータ21のスライダ21Aに支持された駆動機器としての直動モータ25と、直動モータ25の出力軸25Aに支持され、支持台22~24を支持する基台26とを備え、テーブル11~16を左右方向および上下方向に移動可能な構成とされてもよい。
移動手段20は、支持部材の厚み方向(Z方向)に伸びる所定の回転軸を中心に支持部材を回転可能な構成であってもよく、回転する支持部材に付与した情報を読取手段30で読み取るようにしてもよい。
固定手段は、例えば、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって支持台22~24でテーブル11~16を吸着保持可能とすることで、支持台22~24にテーブル11~16を固定するものであってもよい。
【0029】
読取手段30は、支持部材に付与された情報を読取可能な単一のセンサ31であれば、どのようなセンサを備えていてもよいし、支持部材の形状や支持部材の色を鏡や反射板等の反射手段で反射させ、支持部材の形状または支持部材の色を単一のセンサ31で検知することで、支持部材に付与された情報を読み取ってもよい。
読取手段30は、支持部材に付与された情報を読取可能な位置に設ければよく、支持部材の前方、後方、側方、上方、下方等に設けてもよい。
【0030】
処理手段は、例えば、支持対象物WK1、WK2を検査する検査手段、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段で支持対象物WK1、WK2に接着シートを貼付するシート貼付手段、支持対象物WK1、WK2に貼付された接着シートを剥離するシート剥離手段、支持対象物WK1、WK2を清掃する清掃手段、支持対象物WK1、WK2を研磨する研磨手段や研削する研削手段等、支持対象物WK1、WK2に所定の処理を施すものであればどのようなものでもよいし、本発明の支持装置EA1、EA2に備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0031】
接着シートおよび支持対象物WK1、WK2の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートおよび支持対象物WK1、WK2は、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートが採用された場合は、当該接着シートを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、支持対象物WK1、WK2としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0032】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、移動手段は、支持部材を移動させるものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0033】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や樹脂等の変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持、固定)手段や支持(保持、固定)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持、固定)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持、固定)する構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0034】
EA1、EA2…支持装置
10…支持手段
11…テーブル(支持部材)
11E~11G…凹部
12…テーブル(支持部材)
12E~12G…凹部
13…テーブル(支持部材)
13E~13G…凹部
14…テーブル(支持部材)
14E~14G…凹部
15…テーブル(支持部材)
15G…凹部
16…テーブル(支持部材)
16G…凹部
20…移動手段
30…読取手段
31…センサ
WK1、WK2…支持対象物