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特開2024-142111画像形成装置、サーバおよびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142111
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】画像形成装置、サーバおよびシステム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20241003BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241003BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241003BHJP
   G06F 3/12 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
G03G21/00 390
B41J29/38 204
G03G21/00 396
H04N1/00 127A
G06F3/12 392
G06F3/12 329
G06F3/12 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054124
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴史
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HJ08
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP00
2C061HP08
2C061HQ01
2H270KA59
2H270KA60
2H270KA62
2H270MB09
2H270NB02
2H270NC08
2H270NC13
2H270ND04
2H270ND14
2H270ND28
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
(57)【要約】
【課題】画像形成装置およびその消耗品を対象とする本体契約の契約期間の満了時に、ユーザの要望に対応可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】サーバ(8)と通信可能な画像形成装置(1)であって、本体(10)と、本体に装着可能な消耗品(4)と、本体メモリ(62)と、コントローラ(61)と、を備え、本体メモリ(62)は、本体を対象とする本体契約および消耗品を対象とする消耗品契約が締結されている第1契約モードであること、消耗品契約のみが締結されている第2契約モードであること、および、本体契約および消耗品契約が締結されていない市販モードであること、のいずれかを示すモード情報を記憶可能であり、コントローラ(61)は、第1契約モードの第1解除情報をサーバから受信した場合、第1契約モードから、第2契約モードまたは市販モードにモード情報を切り替える第1切替処理を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと通信可能な画像形成装置であって、
本体と、
前記本体に装着可能な消耗品と、
本体メモリと、
コントローラと、を備え、
前記本体メモリは、
前記本体を対象とする本体契約および前記消耗品を対象とする消耗品契約が締結されている第1契約モードであること、
前記消耗品契約のみが締結されている第2契約モードであること、および、
前記本体契約および前記消耗品契約が締結されていない市販モードであること、
のいずれかを示すモード情報を記憶可能であり、
前記コントローラは、
前記第1契約モードの第1解除情報を前記サーバから受信した場合、前記第1契約モードから、前記第2契約モードまたは前記市販モードに前記モード情報を切り替える第1切替処理を実行する、
画像形成装置。
【請求項2】
前記第1解除情報は、
前記本体契約の対象となる前記本体の買い取りを示す買取情報を含む、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記第2契約モードの第2解除情報を前記サーバから受信した場合、前記第2契約モードから、前記市販モードに前記モード情報を切り替える第2切替処理を実行する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記モード情報は、前記画像形成装置で使用できる機能を停止する機能停止モードをさらに含み、
前記コントローラは、
前記第1契約モードの前記第1解除情報とは異なる第3解除情報を前記サーバから受信した場合、前記第1契約モードから、前記機能停止モードに前記モード情報を切り替える第3切替処理を実行する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第3解除情報は、
前記本体契約の対象となる前記本体の返却を示す返却情報を含む、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
ユーザインタフェースをさらに備え、
前記コントローラは、
前記第3切替処理を実行する場合、前記ユーザインタフェースのみ利用可とし、
前記ユーザインタフェースを介して前記画像形成装置の利用が停止されたことを報知させる、
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
ユーザ端末および画像形成装置と通信可能なサーバであって、
サーバメモリと、
サーバ制御部と、を備え、
前記サーバメモリは、
前記画像形成装置の本体を対象とする本体契約、および前記本体に装着可能な消耗品を対象とする消耗品契約が締結されている第1契約モードであること、および、
前記消耗品契約のみが締結されている第2契約モードであること、
のいずれかを示す契約モード情報を前記画像形成装置に対応させて記憶可能であり、
前記サーバ制御部は、
前記画像形成装置の前記第1契約モードの解除情報を前記ユーザ端末から受信した場合、前記第1契約モードの解除後に実行可能な前記第2契約モードか、前記第1契約モードでも前記第2契約モードでもない市販モードか、前記本体の返却か、を含む第1条件を前記ユーザ端末に通知する第1通知処理と、
前記ユーザ端末から前記第1条件の選択を受け付ける第1受付処理と、
前記第1受付処理で受け付けた前記第1条件の選択内容に前記画像形成装置の前記契約モード情報を更新する第1契約切替処理と、
前記第1契約切替処理で更新した前記契約モード情報を前記画像形成装置に通知する第1契約解除通知処理と、
を実行する、サーバ。
【請求項8】
前記サーバ制御部は、
前記画像形成装置の前記第2契約モードの解除情報を前記ユーザ端末から受信した場合、前記第2契約モードの解除後に実行可能な前記第1契約モードでも前記第2契約モードでもない市販モードか、前記消耗品の買い取りか、を含む第2条件を前記ユーザ端末に通知する第2通知処理と、
前記ユーザ端末から前記第2条件の選択を受け付ける第2受付処理と、
前記第2受付処理で受け付けた前記第2条件の選択内容に前記画像形成装置の前記契約モード情報を更新する第2契約切替処理と、
前記第2契約切替処理で更新した前記契約モード情報を前記画像形成装置に通知する第2契約解除通知処理と、
を実行する、請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能なサーバと、前記サーバと通信可能なユーザ端末と、を含むシステムであって、
前記画像形成装置は、
本体と、前記本体に装着可能な消耗品と、本体メモリと、コントローラと、を有し、
前記サーバは、
サーバメモリと、サーバ制御部と、を有し、
前記サーバメモリは、
前記画像形成装置の前記本体を対象とする本体契約、および前記消耗品を対象とする消耗品契約が締結されている第1契約モードであること、および、
前記消耗品契約のみが締結されている第2契約モードであること、
のいずれかを示す契約モード情報を前記画像形成装置に対応させて記憶可能であり、
前記サーバ制御部は、
前記画像形成装置の前記第1契約モードの解除情報を前記ユーザ端末から受信した場合、前記第1契約モードの解除後に実行可能な前記第2契約モードか、前記第1契約モードでも前記第2契約モードでもない市販モードか、前記本体の返却か、を含む第1条件を前記ユーザ端末に通知する第1通知処理と、
前記ユーザ端末から前記第1条件の選択を受け付ける第1受付処理と、
前記第1受付処理で受け付けた前記第1条件の選択内容に前記画像形成装置の前記契約モード情報を更新する第1契約切替処理と、
前記第1契約切替処理で更新した前記契約モード情報を前記画像形成装置に通知する第1契約解除通知処理と、
を実行する、システム。
【請求項10】
前記サーバ制御部は、
前記画像形成装置の前記第2契約モードの解除情報を前記ユーザ端末から受信した場合、前記第2契約モードの解除後に実行可能な前記第1契約モードでも前記第2契約モードでもない市販モードか、前記消耗品の買い取りか、を含む第2条件を前記ユーザ端末に通知する第2通知処理と、
前記ユーザ端末から前記第2条件の選択を受け付ける第2受付処理と、
前記第2受付処理で受け付けた前記第2条件の選択内容に前記画像形成装置の前記契約モード情報を更新する第2契約切替処理と、
前記第2契約切替処理で更新した前記契約モード情報を前記画像形成装置に通知する第2契約解除通知処理と、
を実行する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記本体メモリは、
前記本体を対象とする本体契約および前記消耗品を対象とする消耗品契約が締結されている第1契約モードであること、
前記消耗品契約のみが締結されている第2契約モードであること、および、
前記本体契約および前記消耗品契約が締結されていない市販モードであること、
のいずれかを示すモード情報を記憶可能であり、
前記コントローラは、
前記第1契約モードの第1解除情報を前記サーバから受信した場合、前記第1契約モードから、前記第2契約モードまたは前記市販モードに前記モード情報を切り替える第1切替処理を実行する、
請求項9または請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1解除情報は、
前記本体契約の対象となる前記本体の買い取りを示す買取情報を含む、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記第2契約モードの第2解除情報を前記サーバから受信した場合、前記第2契約モードから、前記市販モードに前記モード情報を切り替える第2切替処理を実行する、
請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置、サーバおよびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置を利用するユーザに対して定額印刷サービスが広く提供されている。定額印刷サービスは、サブスクリプションサービスとも呼ばれる。例えば、特許文献1には、定額印刷サービスの利用に関する契約が締結された契約機である画像形成装置において、予め定められた期間中、予め設定された枚数までなら、一定の利用料金で印刷が許可されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2014/120199号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなサブスクリプションサービスにおいて、ユーザは、事業者と「本体契約」を締結することによって、事業者から提供された契約専用の画像形成装置を毎月定額で使用することができる契約がある。そして、画像形成装置およびその消耗品を対象とする本体契約の契約期間の満了時に、別の契約(消耗品のみの契約モード)にするか、契約のない状態(市販モード)にするかを、選択したいという要望がある。
【0005】
本開示は、上述の問題点を鑑みたものであり、画像形成装置およびその消耗品を対象とする本体契約の契約期間の満了時に、ユーザの要望に対応可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本開示の第1の態様の画像形成装置は、サーバと通信可能な画像形成装置であって、本体と、前記本体に装着可能な消耗品と、本体メモリと、コントローラと、を備え、前記本体メモリは、前記本体を対象とする本体契約および前記消耗品を対象とする消耗品契約が締結されている第1契約モードであること、前記消耗品契約のみが締結されている第2契約モードであること、および、前記本体契約および前記消耗品契約が締結されていない市販モードであること、のいずれかを示すモード情報を記憶可能であり、前記コントローラは、前記第1契約モードの第1解除情報を前記サーバから受信した場合、前記第1契約モードから、前記第2契約モードまたは前記市販モードに前記モード情報を切り替える第1切替処理を実行するものである。
【0007】
第2の態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記第1解除情報は、前記本体契約の対象となる前記本体の買い取りを示す買取情報を含むようにしてもよい。
【0008】
第3の態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記コントローラは、前記第2契約モードの第2解除情報を前記サーバから受信した場合、前記第2契約モードから、前記市販モードに前記モード情報を切り替える第2切替処理を実行するようにしてもよい。
【0009】
第4の態様は、第1の態様の画像形成装置であって、前記モード情報は、前記画像形成装置で使用できる機能を停止する機能停止モードをさらに含み、前記コントローラは、前記第1契約モードの前記第1解除情報とは異なる第3解除情報を前記サーバから受信した場合、前記第1契約モードから、前記機能停止モードに前記モード情報を切り替える第3切替処理を実行するようにしてもよい。
【0010】
第5の態様は、第4の態様の画像形成装置であって、前記第3解除情報は、前記本体契約の対象となる前記本体の返却を示す返却情報を含むようにしてもよい。
【0011】
第6の態様は、第4の態様の画像形成装置であって、ユーザインタフェースをさらに備え、前記コントローラは、前記第3切替処理を実行する場合、前記ユーザインタフェースのみ利用可とし、前記ユーザインタフェースを介して前記画像形成装置の利用が停止されたことを報知させるようにしてもよい。
【0012】
第7の態様のサーバは、ユーザ端末および画像形成装置と通信可能なサーバであって、サーバメモリと、サーバ制御部と、を備え、前記サーバメモリは、前記画像形成装置の本体を対象とする本体契約、および前記本体に装着可能な消耗品を対象とする消耗品契約が締結されている第1契約モードであること、および、前記消耗品契約のみが締結されている第2契約モードであること、のいずれかを示す契約モード情報を前記画像形成装置に対応させて記憶可能であり、前記サーバ制御部は、前記画像形成装置の前記第1契約モードの解除情報を前記ユーザ端末から受信した場合、前記第1契約モードの解除後に実行可能な前記第2契約モードか、前記第1契約モードでも前記第2契約モードでもない市販モードか、前記本体の返却か、を含む第1条件を前記ユーザ端末に通知する第1通知処理と、前記ユーザ端末から前記第1条件の選択を受け付ける第1受付処理と、前記第1受付処理で受け付けた前記第1条件の選択内容に前記画像形成装置の前記契約モード情報を更新する第1契約切替処理と、前記第1契約切替処理で更新した前記契約モード情報を前記画像形成装置に通知する第1契約解除通知処理と、を実行するものである。
【0013】
第8の態様は、第7の態様のサーバであって、前記サーバ制御部は、前記画像形成装置の前記第2契約モードの解除情報を前記ユーザ端末から受信した場合、前記第2契約モードの解除後に実行可能な前記第1契約モードでも前記第2契約モードでもない市販モードか、前記消耗品の買い取りか、を含む第2条件を前記ユーザ端末に通知する第2通知処理と、前記ユーザ端末から前記第2条件の選択を受け付ける第2受付処理と、前記第2受付処理で受け付けた前記第2条件の選択内容に前記画像形成装置の前記契約モード情報を更新する第2契約切替処理と、前記第2契約切替処理で更新した前記契約モード情報を前記画像形成装置に通知する第2契約解除通知処理と、を実行するようにしてもよい。
【0014】
第9の態様のシステムは、画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能なサーバと、前記サーバと通信可能なユーザ端末と、を含むシステムであって、前記画像形成装置は、本体と、前記本体に装着可能な消耗品と、本体メモリと、コントローラと、を有し、前記サーバは、サーバメモリと、サーバ制御部と、を有し、前記サーバメモリは、前記画像形成装置の前記本体を対象とする本体契約、および前記消耗品を対象とする消耗品契約が締結されている第1契約モードであること、および、前記消耗品契約のみが締結されている第2契約モードであること、のいずれかを示す契約モード情報を前記画像形成装置に対応させて記憶可能であり、前記サーバ制御部は、前記画像形成装置の前記第1契約モードの解除情報を前記ユーザ端末から受信した場合、前記第1契約モードの解除後に実行可能な前記第2契約モードか、前記第1契約モードでも前記第2契約モードでもない市販モードか、前記本体の返却か、を含む第1条件を前記ユーザ端末に通知する第1通知処理と、前記ユーザ端末から前記第1条件の選択を受け付ける第1受付処理と、前記第1受付処理で受け付けた前記第1条件の選択内容に前記画像形成装置の前記契約モード情報を更新する第1契約切替処理と、前記第1契約切替処理で更新した前記契約モード情報を前記画像形成装置に通知する第1契約解除通知処理と、を実行するものである。
【0015】
第10の態様は、第9の態様のシステムであって、前記サーバ制御部は、前記画像形成装置の前記第2契約モードの解除情報を前記ユーザ端末から受信した場合、前記第2契約モードの解除後に実行可能な前記第1契約モードでも前記第2契約モードでもない市販モードか、前記消耗品の買い取りか、を含む第2条件を前記ユーザ端末に通知する第2通知処理と、前記ユーザ端末から前記第2条件の選択を受け付ける第2受付処理と、前記第2受付処理で受け付けた前記第2条件の選択内容に前記画像形成装置の前記契約モード情報を更新する第2契約切替処理と、前記第2契約切替処理で更新した前記契約モード情報を前記画像形成装置に通知する第2契約解除通知処理と、を実行するようにしてもよい。
【0016】
第11の態様は、第9の態様または第10の態様のシステムであって、前記本体メモリは、前記本体を対象とする本体契約および前記消耗品を対象とする消耗品契約が締結されている第1契約モードであること、前記消耗品契約のみが締結されている第2契約モードであること、および、前記本体契約および前記消耗品契約が締結されていない市販モードであること、のいずれかを示すモード情報を記憶可能であり、前記コントローラは、前記第1契約モードの第1解除情報を前記サーバから受信した場合、前記第1契約モードから、前記第2契約モードまたは前記市販モードに前記モード情報を切り替える第1切替処理を実行するようにしてもよい。
【0017】
第12の態様は、第11の態様のシステムであって、前記第1解除情報は、前記本体契約の対象となる前記本体の買い取りを示す買取情報を含むようにしてもよい。
【0018】
第13の態様は、第11の態様のシステムであって、前記コントローラは、前記第2契約モードの第2解除情報を前記サーバから受信した場合、前記第2契約モードから、前記市販モードに前記モード情報を切り替える第2切替処理を実行するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
第1の態様の画像形成装置によれば、コントローラは、第1契約モードの第1解除情報をサーバから受信した場合、モード情報を第1契約モードから第2契約モードに切り替える。つまり、本体契約は解除し、消耗品契約のみ継続する。これにより、ユーザは、本体契約の契約料金を支払わないで、消耗品契約の契約料金だけを支払えばよいため、定期的な支出を抑制することができる。
【0020】
また、コントローラは、第1契約モードの第1解除情報をサーバから受信した場合、モード情報を第1契約モードから市販モードに切り替える。つまり、契約中の本体契約および消耗品契約を解除する。これにより、ユーザは、定期的な支出が無くなり、印刷コストを下げることができる。
【0021】
第2の態様の画像形成装置によれば、第1解除情報には、本体の買い取りを示す買取情報が含まれる。その結果、ユーザは、画像形成装置およびその消耗品を対象とする本体契約の契約期間の満了時に、画像形成装置を事業者から買い取って引き続き使用できる。
【0022】
第3の態様の画像形成装置によれば、コントローラは、消耗品契約のみが締結されている第2契約モードの第2解除情報をサーバから受信した場合、モード情報を第2契約モードから市販モードに切り替える。つまり、契約中の消耗品契約を解除する。これにより、ユーザは、定期的な支出が無くなり、印刷コストを下げることができる。
【0023】
第4の態様の画像形成装置によれば、コントローラは、第1解除情報とは異なる第3解除情報をサーバから受信した場合、第1契約モードから、機能停止モードにモード情報を切り替える。これにより、コントローラは、第3解除情報をサーバから受信した場合は、画像形成装置の使用できる機能を停止するため、画像形成装置が不正に使用されるのを防止することが可能となる。
【0024】
第5の態様の画像形成装置によれば、本体契約の対象となる本体の返却を示す返却情報を含む第3解除情報をサーバから受信した場合、モード情報を第1契約モードから機能停止モードに切り替える。これにより、画像形成装置の本体契約の解除後に、本体を返却する場合は、コントローラは、画像形成装置の使用できる機能を停止して、本体の返却を待つことが可能となる。
【0025】
第6の態様の画像形成装置によれば、ユーザは、ユーザインタフェースを介して、画像形成装置の利用が停止されたことを容易に認識することができる。
【0026】
第7の態様のサーバによれば、サーバは、ユーザ端末から第1契約モードの契約解除を受け付けると、契約解除後の第2契約モードか、第1契約モードでも第2契約モードでもない市販モードか、本体の返却か、を含む第1条件をユーザ端末に通知する。これにより、ユーザは、契約解除後の第1条件を容易に選択することができる。また、サーバは、画像形成装置の契約モード情報を、選択された第1条件に更新する。そして、サーバは、更新した契約モード情報を画像形成装置に通知する。これにより、更新した契約モード情報を受信した画像形成装置は、契約モードを更新することが可能となる。
【0027】
第8の態様のサーバによれば、サーバは、ユーザ端末から第2契約モードの契約解除を受け付けると、契約解除後の第1契約モードでも第2契約モードでもない市販モードか、消耗品の買い取りか、を含む第2条件をユーザ端末に通知する。これにより、ユーザは、契約解除後の第2条件を容易に選択することができる。また、サーバは、画像形成装置の契約モード情報を、選択された第2条件に更新する。そして、サーバは、更新した契約モード情報を画像形成装置に通知する。これにより、更新した契約モード情報を受信した画像形成装置は、契約モードを更新することが可能となる。
【0028】
第9の態様のシステムによれば、サーバは、ユーザ端末から第1契約モードの契約解除を受け付けると、契約解除後の第2契約モードか、第1契約モードでも第2契約モードでもない市販モードか、本体の返却か、を含む第1条件をユーザ端末に通知する。これにより、ユーザは、契約解除後の第1条件を容易に選択することができる。また、サーバは、画像形成装置の契約モード情報を、選択された第1条件に更新する。そして、サーバは、更新した契約モード情報を画像形成装置に通知する。これにより、更新した契約モード情報を受信した画像形成装置は、契約モードを更新することが可能となる。
【0029】
第10の態様のシステムによれば、サーバは、ユーザ端末から第2契約モードの契約解除を受け付けると、契約解除後の第1契約モードでも第2契約モードでもない市販モードか、消耗品の買い取りか、を含む第2条件をユーザ端末に通知する。これにより、ユーザは、契約解除後の第2条件を容易に選択することができる。また、サーバは、画像形成装置の契約モード情報を、選択された第2条件に更新する。そして、サーバは、更新した契約モード情報を画像形成装置に通知する。これにより、更新した契約モード情報を受信した画像形成装置は、契約モードを更新することが可能となる。
【0030】
第11の態様のシステムによれば、コントローラは、第1契約モードの第1解除情報をサーバから受信した場合、モード情報を第1契約モードから第2契約モードに切り替える。つまり、本体契約は解除し、消耗品契約のみ継続する。これにより、ユーザは、本体契約の契約料金を支払わないで、消耗品契約の契約料金だけを支払えばよいため、定期的な支出を抑制することができる。
【0031】
また、コントローラは、第1契約モードの第1解除情報をサーバから受信した場合、モード情報を第1契約モードから市販モードに切り替える。つまり、契約中の本体契約および消耗品契約を解除する。これにより、ユーザは、定期的な支出が無くなり、印刷コストを下げることができる。
【0032】
第12の態様のシステムによれば、第1解除情報には、本体の買い取りを示す買取情報が含まれる。その結果、ユーザは、画像形成装置を対象およびその消耗品とする本体契約の契約期間の満了時に、画像形成装置を事業者から買い取って引き続き使用できる。
【0033】
第13の態様のシステムによれば、コントローラは、消耗品契約のみが締結されている第2契約モードの第2解除情報をサーバから受信した場合、モード情報を第2契約モードから市販モードに切り替える。つまり、契約中の消耗品契約を解除する。これにより、ユーザは、定期的な支出が無くなり、印刷コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本開示の実施形態1における画像形成システムの全体概略構成を示すブロック図である。
図2】トナーカートリッジが有するトナーメモリに記憶される情報の一例を説明するブロック図である。
図3】本体メモリに記憶される情報の一例を説明するブロック図である。
図4】サーバのサーバ制御部が実行する契約解除受付処理の一例を示すフローチャートである。
図5】複合機のコントローラが実行する契約モード変更処理の一例を示すフローチャートである。
図6】複合機のコントローラが実行する契約モード変更処理の一例を示すフローチャートである。
図7】複合機の契約モードと使用可能な消耗品との組み合わせの一例を説明するテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
〔実施形態1〕
以下、本開示の実施形態1について図1図7を参照しつつ説明する。本実施形態では、一例として、画像形成装置は、印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能を有する、いわゆる複合機(MFP:Multi Function Printer)である。印刷機能は、レーザープリンタで構成されている場合について説明する。
【0036】
[画像形成システムの概要]
図1は、本実施形態の画像形成システム100の全体概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像形成システム100は、複合機1と、サーバ8と、ユーザ端末9とを含む。
【0037】
複合機1は、複合機1に対する後述の「本体契約」や「消耗品契約」などの契約の締結により提供されるサービスを実現するための装置である。また、複合機1は、契約の対象となる装置であるともいえる。以下では、ユーザが指定した、または、事業者からユーザに提供された、契約の対象となる複合機1を「契約対象機」とも称する。
【0038】
例えば、ユーザは、事業者と「契約」の一例である「本体契約」を締結する。これにより、ユーザは、事業者から提供された契約専用の本体10を、例えば、毎月定額で使用することができるサービスが提供される。従って、ユーザが事業者と「本体契約」を締結した場合は、複合機1の所有権は事業者に属する。一方、ユーザが複合機1を購入して、事業者と「本体契約」を締結していない場合は、複合機1の所有権はユーザに属する。
【0039】
また、例えば、ユーザは、事業者と「契約」の一例である「消耗品契約」を締結する。これにより、ユーザは、契約専用の消耗品を、例えば、毎月定額で使用することができる。これらの契約の締結は、サービスを提供する事業者と、ユーザとの間で、サービスの利用期間、利用料金(契約料金ともいう。)などが取り決められた上で、事業者がユーザにサービスを提供することを事業者とユーザが了承することである。
【0040】
すなわち、本実施形態の複合機1では、「消耗品契約」が締結された後、複合機1は、締結した契約の内容に基づく契約専用の消耗品を使用した印刷(以下、「契約印刷」と称することもある。)を実行することが可能となる。
【0041】
また、本実施形態の複合機1では、「本体契約」が締結された後、ユーザは、締結した契約の内容に基づく契約専用の本体10の使用が可能となる。つまり、「本体契約」が締結された後、ユーザは、契約が締結された複合機1の使用が可能となる。
【0042】
また、ユーザは、「本体契約」を締結した場合は、同時に、「消耗品契約」も締結する場合がある。ユーザは、「本体契約」と「消耗品契約」とを締結することによって、契約専用の本体10の複合機1で、契約専用の消耗品を使用した契約印刷を行うことが可能となる。
【0043】
[ユーザ端末9]
ユーザが利用するユーザ端末9は、サーバ8と通信して、契約の締結、解除、および、その他の手続を実行するための装置である。ユーザ端末9としては、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン等、標準的な通信機能を備えた情報処理端末が採用され得る。また、ユーザはユーザ端末9を介して、複合機1に印刷指示をして、契約専用の消耗品を使用した任意の枚数の印刷を行ってもよい。画像形成システム100を構成するユーザ端末9、サーバ8、および複合機1は、インターネットなどのネットワークNTを介して、互いに通信することができる。
【0044】
ユーザ端末9は、ユーザの各種入力操作を受け付けるための入力インタフェースと、サーバ8と通信するための通信インタフェースと、を有している。ユーザは、ユーザ端末9を介して入力操作を行うことによって、サーバ8に「消耗品契約」の契約対象機を登録する。例えば、ユーザは自分の識別情報と、「消耗品契約」の契約対象機としたい複合機1の識別情報とを、ユーザ端末9に入力する。ユーザ端末9は入力を受け付けると、サーバ8に対して入力された情報を送信する。
【0045】
[サーバ8]
サーバ8は、複合機1とネットワークNTを介して通信する外部の装置であって、複合機1の稼働状態を管理する管理装置の一例である。本実施形態では、サーバ8は事業者が管理するサーバである。図1に示すように、サーバ8は、サーバ制御部81と、サーバメモリ82と、通信インタフェース83と、タイマ84と、を備えている。サーバ制御部81と、サーバメモリ82と、通信インタフェース83と、タイマ84とは、バス85を介して互いに接続されている。サーバ制御部81は、サーバ8を制御するCPU(Central Processing Unit)である。サーバメモリ82は、サーバ8の動作に必要なデータを記憶する記憶装置である。
【0046】
サーバ制御部81は、複合機1から受信した通知またはリクエストに応じて、サーバメモリ82が記憶している登録テーブルを更新する。「登録テーブル」とは、ユーザにより、または、サーバ8により、契約対象機に指定された複合機1を識別する装置IDとユーザ名、および、ユーザを識別するユーザIDと対応付けて登録したデータテーブルである。つまり、登録テーブルはユーザと契約対象機である複合機1とを対応付ける情報を含む。また、「登録テーブル」は、契約対象機を識別する装置IDと、「本体契約」および「消耗品契約」のそれぞれが契約中か否かを表すデータと、を対応付けて記憶する。つまり、「登録テーブル」は、契約対象機それぞれに対して契約中か否かを表すデータでもある。
【0047】
サーバメモリ82は、領域821と、領域822とを有する。サーバメモリ82は領域821に装置情報を記憶する。サーバメモリ82は領域822に登録テーブルを記憶する。なお、各領域821、822は書き替え可能な領域である。装置情報とは、複合機1に関する種々の情報をまとめたデータである。装置情報は、複合機1の1台ごとに分けて記憶される。装置情報は少なくとも、複合機1を識別する装置IDを含んでいる。他にも、装置情報は、複合機1が印刷した印刷物の累計枚数と、複合機1が契約印刷で印刷した印刷物の累計枚数と、本体契約の契約期間、本体契約の契約料金、契約料金の支払い期限、契約料金の支払い有りの情報または契約料金の支払い無しの情報等を装置IDに対応付けて含むようにしてもよい。
【0048】
通信インタフェース83は、ユーザ端末9および複合機1と通信するための有線インタフェースまたは無線インタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。サーバ制御部81は、通信インタフェース83を介して各種データ、通知、および要求を複合機1から受信する。また、サーバ制御部81は、通信インタフェース83を介して各種データ、通知、および要求を複合機1へ送信する。
【0049】
例えば、サーバ制御部81は、通信インタフェース83を介して複合機1から、装置IDと、印刷物の累計枚数と、契約印刷で印刷した印刷物の累計枚数とを受信する。そして、サーバ制御部81は、受信した装置IDと、各累計枚数とを対応付けて、複合機1の装置情報としてサーバメモリ82の領域821に記憶させてもよい。
【0050】
[複合機1]
図1に示すように、複合機1は、コントローラ61と、本体メモリ62と、通信インタフェース63と、ディスプレイ64と、操作部65と、印刷部66と、スキャナ部67と、ファクシミリ及び電話通信部68と、カートリッジ通信部71と、を備えている。コントローラ61と、本体メモリ62と、通信インタフェース63と、ディスプレイ64と、操作部65と、印刷部66と、スキャナ部67と、ファクシミリ及び電話通信部68と、カートリッジ通信部71とは、バス72を介して互いに接続されている。
【0051】
また、複合機1は、トナーカートリッジ4がドラムカートリッジ20に装着された状態で、ドラムカートリッジ20と共に、本体10に脱着可能に装着されている。ドラムカートリッジ20は、画像形成を行うために使用される部品として、不図時の感光体ドラムを有している。また、ドラムカートリッジ20は、ドラムメモリ22を有していてもよい。ドラムメモリ22は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。ドラムメモリ22は、例えばフラッシュROM(Read Only Memory)またはEEPROM(登録商標、Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。
【0052】
ドラムメモリ22は、ドラムカートリッジ20の感光体ドラムに関する情報を記憶していてもよい。ドラムメモリ22はドラムIDを記憶していてもよい。ドラムメモリ22はドラム寿命情報を記憶していてもよい。ドラムIDは、個々のドラムカートリッジ20を識別するための固有のシリアルナンバーである。ドラム寿命情報は、感光体ドラムの寿命を表す情報である。
【0053】
また、図2に示すように、トナーカートリッジ4は、消耗品メモリの一例としてのトナーメモリ42を有する。トナーメモリ42は、トナーカートリッジ4の外表面に配置される。トナーメモリ42は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリ、例えば、フラッシュROMまたはEEPROM(登録商標)である。
【0054】
トナーメモリ42は、トナーカートリッジ4に関する情報を記憶するために、第1領域421と、第2領域422と、第3領域423と、を有している。トナーメモリ42は第1領域421にトナーIDを記憶している。トナーメモリ42は第2領域422
に第2種別情報を記憶している。トナーメモリ42は第3領域423にトナー残量情報を記憶している。なお、第3領域423は、データの書き替えが可能であってよい。
【0055】
トナーIDは、例えば、個々のトナーカートリッジ4を識別するための固有のシリアルナンバーである。なお、トナーIDには、各トナーカートリッジ4の色を表す情報が含まれていてもよい。
【0056】
第2種別情報は、トナーカートリッジ4の種別を表す情報である。本実施形態において、トナーカートリッジ4の種別は2種類存在する。1つは、契約対象機でのみ使用可能な専用の消耗品の一例としての「専用カートリッジ」である。もう1つは、契約対象機でない複合機1でも使用可能な通常の消耗品の一例としての「通常カートリッジ」である。なお、第2種別情報は、トナーIDに含まれていてもよい。すなわち、トナーIDは、個々のトナーカートリッジ4を識別する情報であると同時に、個々のトナーカートリッジ4の種別が何であるかを表す情報であってよい。
【0057】
トナー残量情報は、トナーカートリッジ4のトナーの残量を表す情報である。トナーの残量は、一例として、満杯から空までの複数の段階に対応する値で構成され、満杯から空までの複数の段階のうち、トナー残量に対応する値が第3領域423に記憶されている。トナーメモリ42が記憶するトナーの残量の各段階は、上述の値に基づいて、「FULL」~「EMPTY」等の文字列であってもよいし、「100%」~「0%」などの数値であってもよいし、文字列と数値を組み合わせた情報であってもよい。
【0058】
カートリッジ通信部71は、例えば、端子などであり、本体10に装着されたドラムカートリッジ20のドラムメモリ22と、ドラムカートリッジ20と共に本体10に装着されたトナーカートリッジ4のトナーメモリ42と、のそれぞれに電気的に接続される。
【0059】
コントローラ61は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)を有する。また、コントローラ61は、タイマ69を有しており、時間の計測が可能に構成されている。コントローラ61は、種々の処理を実行することによって、複合機1の印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能の使用を可能とする。
【0060】
なお、コントローラ61は、CPU等のプロセッサを備えてもよい。この場合、本体メモリ62に印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能を実現する制御プログラムが記憶されていてもよい。そして、コントローラ61のプロセッサが、本体メモリ62が記憶する制御プログラムにしたがって動作することにより、複合機1における印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能の使用が実現されてもよい。
【0061】
また、コントローラ61自体が、制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えていてもよい。記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、制御プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを利用してもよい。
【0062】
また、制御プログラムは、制御プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介してコンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、制御プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0063】
ドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4が本体10に装着されると、ドラムメモリ22およびトナーメモリ42は、カートリッジ通信部71を介して、コントローラ61と電気的に接続される。コントローラ61は、カートリッジ通信部71を介してドラムメモリ22およびトナーメモリ42からの情報の読出処理を実行することが可能となる。また、コントローラ61は、カートリッジ通信部71を介して、ドラムメモリ22およびトナーメモリ42への情報の書き込み処理と書き替え処理との少なくとも一方を実行することが可能となる。
【0064】
本体メモリ62は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。本体メモリ62は、例えばフラッシュROMまたはEEPROM(登録商標)である。図3に示すように、本体メモリ62は、種々の情報を記憶する領域621~領域626を有している。本体メモリ62は、領域621にトナー情報を記憶している。
【0065】
トナー情報は、複合機1に装着された個々のトナーカートリッジ4に関する情報である。例えば、トナー情報は、あるトナーメモリ42から読み出されたトナーIDに、同一のトナーメモリ42から読み出された第2種別情報およびトナー残量情報を対応付けたデータであってよい。そして、本体メモリ62は領域621に、このように対応付けたデータをトナーカートリッジ4毎に記憶してよい。
【0066】
また、本体メモリ62は、領域622に装置IDを記憶している。装置IDは、複合機1を識別するための識別情報である。装置IDは、例えば複合機1のシリアルナンバーであってもよい。
【0067】
また、本体メモリ62は、領域623に契約情報を記憶している。契約情報は、「契約モード」と「通常モード」との2種類のモードのいずれかであることとする。「契約モード」は、複合機1を対象とする「消耗品契約」を締結している状態であることを表わす。「通常モード」は、複合機1を対象とする「消耗品契約」を締結していない状態であるか、「消耗品契約」が解除済であることを表わす。複合機1の工場からの出荷時には、領域623には初期値として、「通常モード」に対応する値が格納されている。コントローラ61は「契約情報」を適宜書き替える。
【0068】
また、本体メモリ62は、領域624に第1種別情報を記憶している。第1種別情報は、複合機1の種別を表す情報である。本実施形態において、複合機1の種別は2種類存在する。1つは、「本体契約」が締結されている場合に使用可能な専用の本体の一例としての「専用本体」である。もう1つは、「本体契約」が締結されておらず、または、「本体契約」の締結に関わらず使用可能な通常の本体の一例としての「通常本体」である。
【0069】
コントローラ61は、第1種別情報を適宜書き換える。複合機1の工場からの出荷時には、領域624には、初期値として「通常本体」に対応する値が記憶されている。なお、第1種別情報は、装置IDに含まれてもよい。すなわち、装置IDは、個々の複合機1を識別する情報であると同時に、個々の複合機1の種別が何であるかを表す情報であってもよい。
【0070】
また、本体メモリ62は、領域625に第1枚数カウンタを記憶している。第1枚数カウンタは、複合機1における印刷枚数の累計である。また、本体メモリ62は、領域626に第2枚数カウンタを記憶している。第2枚数カウンタは、複合機1が契約印刷で印刷した印刷物の枚数を示す。第2枚数カウンタは、複合機1が契約モードから通常モードに移行する度に0にカウントリセットされてもよいし、今まで複合機1において契約に基づく印刷で印刷された印刷物の枚数の累計であってもよい。以降、特段の記載がない限り、第2枚数カウンタの値は契約印刷で印刷された印刷物の枚数の累計であることとする。
【0071】
また、本体メモリ62は、複合機1の契約状態を表す「モード情報」を記憶する。ここで、複合機1の契約状態を表す「モード情報」として、
(1)「本体契約」および「消耗品契約」が締結された「第1契約モード」と、
(2)「消耗品契約」のみが締結された「第2契約モード」と、
(3)「本体契約」および「消耗品契約」が締結されていない「市販モード」と、
(4)「本体契約」が解約されて本体10を事業者に返却する「機能停止モード」と、
の4つのうち、いずれかが本体メモリ62に記憶される。
【0072】
また、図1に示すように、通信インタフェース63は、ユーザ端末9およびサーバ8と通信するための有線インタフェースまたは無線インタフェースであり、ネットワークNTに接続されている。また、通信インタフェース63は、電話回線にも接続されている。コントローラ61は、通信インタフェース63を介して各種データ、通知、および要求をサーバ8等から受信する。また、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して各種データ、通知、および要求をサーバ8へ送信する。
【0073】
ディスプレイ64は、例えば液晶ディスプレイである。操作部65は、ユーザによる操作を受け付ける装置である。ユーザは、操作部65を操作することによって、種々の指示を複合機1に入力可能である。尚、操作部65は、ディスプレイ64の画面上に一体的に配置されたタッチパネルによって構成されてもよい。
【0074】
印刷部66は、図示しない搬送機構により給紙トレイ中の用紙を取り出して搬送する。印刷部66は、搬送される用紙に対してドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4によるレーザープリンタ方式により画像を印刷する。従って、複合機1は、印刷部66を使用できる印刷機能を有する。尚、トナーカートリッジ4には、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックのそれぞれのトナーカートリッジ4が含まれる。しかし、以下、特に断らない限り、それらを区別せずに単に「トナーカートリッジ4」と表記して説明する。
【0075】
スキャナ部67は、CCDやCMOSなどの光電変換素子を用いて光学的に読み取り対象物である原稿を読み取る。その後、複合機1は、スキャナ部67で読み取った画像を表すスキャンデータを生成する。従って、複合機1は、スキャナ部67を使用できるスキャナ機能を有する。
【0076】
ファクシミリ及び電話通信部68は、通信インタフェース63を介して、電話回線に接続される。ファクシミリ及び電話通信部68は、外部の通信先装置との間でファクシミリ信号としての画像データの送信、受信、および、所望の通話先との音声通信を行う。従って、複合機1は、ファックス送信機能とファックス受信機能とを有する。
【0077】
[契約解除受付処理]
次に、複合機1の契約解除を受け付けて契約を解除する契約解除受付処理について図4に基づいて説明する。図4は、サーバ8のサーバ制御部81が実行する契約解除受付処理の一例を示すフローチャートである。図4にフローチャートで示されるプログラムは、予めサーバメモリ82に記憶されている。また、サーバ制御部81は、ユーザ端末9から契約解除の要求を受け付けた際に、契約解除受付処理のプログラムを起動して、ステップS111の処理に進む。
【0078】
図4に示すように、ステップS111において、サーバ制御部81は、通信インタフェース83を介してユーザ端末9から契約解除を要求する契約解除要求情報を受け付ける。そして、サーバ制御部81は、契約解除要求情報に含まれる、ユーザ名と、ユーザを識別するユーザIDと、ユーザ端末9を識別する端末IDと、契約解除の対象に指定された複合機1を識別する装置IDと、を読み出し、サーバメモリに記憶する。その後、サーバ制御部81は、ステップS112の処理に進む。
【0079】
ステップS112において、サーバ制御部81は、サーバメモリ82に記憶する登録テーブルから、契約解除要求情報に含まれるユーザ名およびユーザIDに対応して記憶される装置IDを読み出す。そして、サーバ制御部81は、登録テーブルから読み出した装置IDと、契約解除要求情報に含まれる複合機1の装置IDとが一致するか否か判定する。
【0080】
そして、サーバ制御部81は、登録テーブルから読み出した装置IDと、契約解除要求情報に含まれる複合機1の装置IDとが異なる場合は、複合機1は契約対象機でないと判定して、契約解除受付処理を終了する。
【0081】
一方、サーバ制御部81は、登録テーブルから読み出した装置IDと、契約解除要求情報に含まれる複合機1の装置IDとが一致する場合は、複合機1が契約対象機であると判定する。そして、サーバ制御部81は、サーバメモリ82に記憶される登録テーブルから、契約解除要求情報に含まれる複合機1の装置IDと対応付けられた「本体契約」および「消耗品契約」のそれぞれが契約中か否かを表すデータを読み出す。その後、サーバ制御部81は、ステップS113の処理に進む。
【0082】
ステップS113において、サーバ制御部81は、契約解除要求がされた複合機1に対して「本体契約」および「消耗品契約」の両方が契約中(第1契約モード)であるか否かを判定する。つまり、サーバ制御部81は、製品である複合機1と消耗品であるトナーカートリッジ4との両方についてサブスクリプション契約を締結しているか否かを判定する。
【0083】
そして、サーバ制御部81は、契約解除要求がされた複合機1に対して「本体契約」および「消耗品契約」の両方が契約中(第1契約モード)であると判定した場合は(S113:YES)、ステップS114の処理に進む。ステップS114において、サーバ制御部81は、通信インタフェース83を介して、ユーザ端末9に対して、「本体契約」および「消耗品契約」の両方の契約解除後に、ユーザが実行可能な条件(以下、「第1条件」ともいう。)を通知する。これにより、ユーザは、契約解除後の第1条件を容易に選択することができる。
【0084】
例えば、サーバ制御部81は、
(1-1)「本体契約」および「消耗品契約」の両方を解約して、複合機1を事業者に返却する(製品返却)、
(1-2)複合機1を買い取り(製品買取)、「消耗品契約」のみを締結する(第2契約モード)、
(1-3)「本体契約」および「消耗品契約」の両方を解約して、複合機1および専用カートリッジの両方を買い取る(市販モード)、
などを通信インタフェース83を介して、ユーザ端末9に対して通知する。
【0085】
ユーザは、ユーザ端末9にて受信した第1条件を含む通知を受信した場合、ユーザ端末9が備える入力部を介して、選択された第1条件を含む情報をサーバ制御部81へ送信する。その後、サーバ制御部81は、通信インタフェース83を介して、ユーザ端末9からユーザの選択した第1条件を受け付けて、サーバメモリ82に記憶する。
【0086】
サーバ制御部81は、受け付けた第1条件の選択内容に従って、サーバメモリ82に記憶される登録テーブルにおける、複合機1の装置IDと対応付けられた「本体契約」および「消耗品契約」のそれぞれが契約中か否かを表すデータを更新する。また、サーバ制御部81は、複合機1の装置IDに対応付けてサーバメモリ82に記憶する契約モードである「第1契約モード」を、例えば、「第2契約モード」、「市販モード」、「製品返却」のうちの選択された第1条件に更新する。その後、サーバ制御部81は、後述のステップS116の処理に進む。
【0087】
一方、ステップS113で、サーバ制御部81は、契約解除要求がされた複合機1に対して「消耗品契約」のみが契約中(第2契約モード)であると判定した場合は(S113:NO)、ステップS115の処理に進む。ステップS115において、サーバ制御部81は、通信インタフェース83を介して、ユーザ端末9に対して、「消耗品契約」の契約解除後に、ユーザが実行可能な条件(以下、「第2条件」ともいう。)を通知する。これにより、ユーザは、契約解除後の第2条件を容易に選択することができる。
【0088】
例えば、サーバ制御部81は、
(2-1)「消耗品契約」を解約して、消耗品サブスクリプション契約を解除する。また、専用カートリッジを事業者に返却する(市販モード、消耗品返却)、
(2-2)「消耗品契約」を解約して、消耗品サブスクリプション契約を解除する。また、専用カートリッジを買い取る(市販モード、消耗品買取)、
などを通信インタフェース83を介して、ユーザ端末9に対して通知する。
【0089】
ユーザは、ユーザ端末9にて受信した第2条件を含む通知を受信した場合、ユーザ端末9が備える入力部を介して、選択された第2条件を含む情報をサーバ制御部81へ送信する。その後、サーバ制御部81は、通信インタフェース83を介して、ユーザ端末9からユーザの選択した第2条件を受け付けて、サーバメモリ82に記憶する。
【0090】
サーバ制御部81は、受け付けた第2条件の選択内容に従って、サーバメモリ82に記憶される登録テーブルにおける、複合機1の装置IDと対応付けられた「本体契約」および「消耗品契約」のそれぞれが契約中か否かを表すデータを更新する。また、サーバ制御部81は、複合機1の装置IDに対応付けてサーバメモリ82に記憶する契約モードである「第2契約モード」を、例えば、「市販モード、消耗品返却」、「市販モード、消耗品返却」のうちの選択された第2条件に更新する。その後、サーバ制御部81は、ステップS116の処理に進む。
【0091】
ステップS116において、サーバ制御部81は、上記ステップS114においてユーザが選択した第1条件、または、上記ステップS115において、ユーザが選択した第2条件をサーバメモリ82から読み出す。そして、サーバ制御部81は、サーバメモリ82から読み出した第1条件または第2条件を、契約解除情報として、上記ステップS111で受け付けた契約解除要求情報に含まれる装置IDに対応する複合機1へ通信インタフェース83を介して、送信する。その後、サーバ制御部81は、ステップS117の処理に進む。
【0092】
例えば、サーバ制御部81は、ユーザが第1条件を選択した場合は、(1-1)製品返却、(1-2)製品買取、第2契約モード、(1-3)市販モード、のうちのユーザが選択した第1条件に対応するものを契約解除情報として、複合機1へ送信する。また、サーバ制御部81は、ユーザが第2条件を選択した場合は、(2-1)市販モード、消耗品返却、(2-2)市販モード、消耗品買取、のうちのユーザが選択した第2条件に対応するものを契約解除情報として、複合機1へ送信する。
【0093】
ステップS117において、サーバ制御部81は、複合機1への送信において、通信エラーが発生していないか否かを判定する。そして、サーバ制御部81は、複合機1への送信において、通信エラーが発生していないと判定した場合は(S117:YES)、ステップS118の処理に進む。ステップS118において、サーバ制御部81は、通信インタフェース83を介して、複合機1の契約解除を完了した旨を表す契約完了情報をユーザ端末9に送信した後、契約解除受付処理を終了する。
【0094】
一方、サーバ制御部81は、複合機1への送信において、通信エラーが発生したと判定した場合は(S117:NO)、ステップS119の処理に進む。ステップS119において、サーバ制御部81は、上記ステップS111で受け付けた契約解除要求情報に含まれる端末IDをサーバメモリ82から読み出す。
【0095】
そして、サーバ制御部81は、複合機1(製品)への送信で、通信エラーが発生した旨を表すエラー情報を、読み出した端末IDに対応するユーザ端末9へ通信インタフェース83を介して、送信する。また、サーバ制御部81は、複合機1のネットワークNTへの接続確認を依頼する確認依頼情報を、読み出した端末IDに対応するユーザ端末9へ通信インタフェース83を介して、送信する。その後、サーバ制御部81は、ステップS120の処理に進む。ステップS120において、サーバ制御部81は、所定時間、例えば、約30分~約1時間待った後、再度、ステップS116以降の処理を実行する。
【0096】
[契約モード変更処理]
次に、複合機1が契約状態の変更に基づいて、本体メモリ62に記憶するモード情報を変更する契約モード変更処理の流れについて図5図7に基づいて説明する。なお、複合機1の工場出荷時、または、販売会社の出荷時において、「本体契約」および「消耗品契約」が締結されている場合について説明する。
【0097】
図5および図6は、複合機1のコントローラ61またはユーザが実行する契約モード変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7は、複合機1の契約モードと使用可能な消耗品との組み合わせの一例を説明するテーブルである。図7に示されるテーブルは、予め本体メモリ62に記憶されている。コントローラ61は、起動された際に、契約モード変更処理のステップS11の処理に進む。
【0098】
なお、複合機1が工場で生産された時には、「本体契約」および「消耗品契約」が締結されていない「市販モード」が本体メモリ62に記憶されている。従って、本体メモリ62の領域623の契約情報には、「通常モード」が記憶されている。また、本体メモリ62の領域624の第1種別情報には、「通常本体」が記憶されている。
【0099】
図5に示すように、ステップS11において、複合機1のコントローラ61は、例えば、工場出荷時に、「市販モード」に替えて、製品本体と消耗品の契約モードである「第1契約モード」を「モード情報」として本体メモリ62に記憶する。また、コントローラ61は、本体メモリ62の領域623の契約情報には、「契約モード」を記憶する。また、コントローラ61は、本体メモリ62の領域624の第1種別情報には、「専用本体」を記憶する。その後、コントローラ61は、ステップS12の処理に進む。
【0100】
ステップS12において、ユーザにより複合機1のセットアップがされる。セットアップとは、例えば、各色のトナーカートリッジ4が装着される。また、通信インタフェース63がユーザにより通信ケーブルを介して、ネットワークNTに接続される。また、不図示の電源プラグが電源に接続され、複合機1に電力の供給が開始される。その後、コントローラ61は、ステップS13の処理に進む。
【0101】
ステップS13において、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、ネットワークNTに接続されたサーバ8に試験用の通信メッセージを送信した後、ステップS14の処理に進む。ステップS14において、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、サーバ8から返答メッセージを受信したか否かを判定する。つまり、コントローラ61は、通信インタフェース63を介してサーバ8に接続できたか否かを判定する。
【0102】
そして、コントローラ61は、サーバ8から返答メッセージを受信していない、つまり、通信インタフェース63を介してサーバ8に接続できていないと判定した場合は(S14:NO)、ステップS15の処理に進む。ステップS15において、コントローラ61は、サーバ8との通信接続エラーが発生した旨をディスプレイ64の画面に表示して、ユーザに報知する。その後、コントローラ61は、再度ステップS13以降の処理を実行する。
【0103】
一方、コントローラ61は、サーバ8から返答メッセージを受信した、つまり、通信インタフェース63を介してサーバ8に接続できていると判定した場合は(S14:YES)、ステップS16の処理に進む。ステップS16において、コントローラ61は、本体10に装着された各トナーカートリッジ4の種別を検出する。具体的には、コントローラ61は、カートリッジ通信部71を介して、各トナーメモリ42の第2領域422の第2種別情報を読み出し、本体メモリ62の領域621に記憶する。その後、コントローラ61は、ステップS17の処理に進む。
【0104】
ステップS17において、コントローラ61は、本体メモリ62から「モード情報」である「第1契約モード」を読み出す。そして、コントローラ61は、図7に示すテーブルを本体メモリ62から読み出す。そして、コントローラ61は、「第1契約モード」、つまり、「製品本体と消耗品の契約モード」に対応する通常カートリッジ(市販消耗品)と、専用カートリッジ(契約消耗品)とのそれぞれの利用の可否を判断する。
【0105】
ここで、図7に示すテーブルには、モード情報である「市販モード」に対応して、通常カートリッジ(市販消耗品)は「利用可能」、専用カートリッジ(契約消耗品)は「利用禁止」とする情報が記憶されている。また、「第1契約モード」、つまり、「製品本体と消耗品の契約モード」に対応して、通常カートリッジは「利用禁止」、専用カートリッジは「利用可能」とする情報が記憶されている。また、「第2契約モード」、つまり、「消耗品のみ契約モード」に対応して、通常カートリッジは「利用可能(課金対象外)」、専用カートリッジは「利用可能」とする情報が記憶されている。
【0106】
ここではコントローラ61は、本体メモリ62から「モード情報」である「第1契約モード」を読み出しているため、コントローラ61は、通常カートリッジは「利用禁止」つまり利用不可で、専用カートリッジは「利用可能」であると判断する。続いて、コントローラ61は、上記ステップS16で本体メモリ62の領域621に記憶した各トナーカートリッジ4の第2種別情報を読み出し、本体10に装着されたトナーカートリッジ4の全てが専用カートリッジの組み合せであるか否かを判定する。つまり、コントローラ61は、本体10に装着された各トナーカートリッジ4が使用可能な組み合わせであるか否かを判定する。
【0107】
そして、コントローラ61は、本体10に装着されたトナーカートリッジ4の全てが専用カートリッジの組み合せでないと判定した場合は(S17:NO)、ステップS18の処理に進む。ステップS18において、コントローラ61は、本体10に装着されたトナーカートリッジ4が使用可能な専用カートリッジの組み合わせでない旨をディスプレイ64の画面に表示して、ユーザに報知する。その後、コントローラ61は、再度ステップS16以降の処理を実行する。
【0108】
一方、コントローラ61は、本体10に装着されたトナーカートリッジ4の全てが専用カートリッジの組み合せであると判定した場合は(S17:YES)、ステップS19の処理に進む。ステップS19において、コントローラ61は、印刷ジョブの印刷枚数をカウントする。そして、コントローラ61は、本体メモリ62の領域625に記憶する第1枚数カウンタに印刷ジョブの印刷枚数を加算して累計印刷枚数を更新する。また、「第1契約モード」であることから、コントローラ61は、本体メモリ62の領域626に記憶する第2枚数カウンタに印刷ジョブの印刷枚数を加算して、契約印刷の累計枚数を更新する。その後、コントローラ61は、ステップS20の処理に進む。
【0109】
ステップS20において、コントローラ61は、所定期間毎、例えば、数時間毎、または、24時間毎に、本体メモリ62の領域621に記憶する各カートリッジの第2種別情報と、各領域625、626に記憶する累計枚数のカウント値とを読み出す。そして、コントローラ61は、本体メモリ62の領域621に記憶する各カートリッジの第2種別情報と、各領域625、626に記憶する累計枚数のカウント値とを、領域622に記憶する装置IDと共に、サーバ8へ通信インタフェース63を介して送信する。その後、コントローラ61は、ステップS21の処理に進む。
【0110】
ステップS21において、コントローラ61は、本体メモリ62からモード情報である「第1契約モード」を読み出し、領域622に記憶する「装置ID」と共に、サーバ8へ通信インタフェース63を介して送信する。その後、コントローラ61は、ステップS22の処理に進む。
【0111】
一方、サーバ8のサーバ制御部81は、通信インタフェース83を介して、複合機1からモード情報である「第1契約モード」と、「装置ID」とを受信すると、サーバメモリ82に記憶する。そして、サーバ制御部81は、受信したモード情報が「第1契約モード」であることから、領域822に記憶する登録テーブルにて、受信した装置IDに対応する「本体契約」と「消耗品契約」とを、契約中を表すデータに更新して、モード情報を同期させる。
【0112】
図6に示すように、ステップS22において、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、サーバ8から「本体契約」と「消耗品契約」とに関する「契約解除情報」を受信したか否かを判定する。そして、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、サーバ8から「本体契約」と「消耗品契約」とに関する「契約解除情報」を受信していないと判定した場合は(S22:NO)、再度ステップS16以降の処理を実行する。
【0113】
一方、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、サーバ8から「本体契約」と「消耗品契約」とに関する「契約解除情報」を受信したと判定した場合は(S22:YES)、ステップS23の処理に進む。ステップS23において、コントローラ61は、「契約解除情報」が(1-1)「本体契約」および「消耗品契約」の両方を解約して、複合機1を事業者に返却する(製品返却)旨を表しているか否かを判定する。つまり、コントローラ61は、「本体契約」および「消耗品契約」の両方を解約した後、複合機1(専用本体)とトナーカートリッジ4(専用消耗品)の利用なしか否かを判定する。すなわち、コントローラ61は、複合機1を契約解除後も、継続して使用(利用)しないのか否かを判定する。
【0114】
そして、コントローラ61は、「契約解除情報」が(1-1)「本体契約」および「消耗品契約」の両方を解約して、複合機1を事業者に返却する(製品返却)旨を表している(第3解除情報)と判定した場合は(S23:YES)、ステップS24の処理に進む。ステップS24において、コントローラ61は、本体メモリ62からモード情報を読み出す。そして、コントローラ61は、モード情報を、(1)「本体契約」および「消耗品契約」が締結された「第1契約モード」から、(4)「本体契約」が解約されて本体10を事業者に返却する「機能停止モード」に変更して、再度本体メモリ62に記憶する。
【0115】
なお、「機能停止モード」とは、印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能のユーザによる使用(利用)を不可とするモードである。なお、コントローラ61は、印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能との一部の機能のユーザによる使用を不可としてもよい。但し、コントローラ61は、ユーザインタフェースであるディスプレイ64と、通信インタフェース63を介したネットワークNTへの接続は、利用可能に設定する。その後、コントローラ61は、ステップS25の処理に進む。
【0116】
これにより、コントローラ61は、「本体契約」および「消耗品契約」の両方を解約して、複合機1を事業者に返却する(製品返却)旨を表している「契約情報」(第3解除情報)をサーバ8から受信した場合は、複合機1の使用できる機能を停止する。その結果、複合機1の「本体契約」および「消耗品契約」の両方の契約解除後において、複合機1が不正に使用されるのを防止することが可能となる。また、事業者は、複合機1の使用できる機能を停止して、本体10の返却を待つことが可能となる。
【0117】
ステップS25において、コントローラ61は、ディスプレイ64に、印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能のユーザによる利用を停止した旨を表示する。例えば、コントローラ61は、「これ以上ご利用いただけません」とディスプレイ64に表示して、複合機1の利用停止を報知する。その後、コントローラ61は、契約モード変更処理を終了する。これにより、ユーザは、ディスプレイ64を介して、複合機1の印刷機能と、スキャナ機能と、ファックス送受信機能とを含む複数の機能の利用が停止されたことを容易に認識することができる。
【0118】
一方、上記ステップS23で、コントローラ61は、「契約解除情報」が(1-1)「本体契約」および「消耗品契約」の両方を解約して、複合機1を事業者に返却する(製品返却)旨を表していないと判定した場合は(S23:NO)、ステップS26の処理に進む。ステップS26において、コントローラ61は、「契約解除情報」が(1-3)「本体契約」および「消耗品契約」の両方を解約して、複合機1および専用カートリッジの両方を買い取る(市販モード)旨を表している(第1解除情報)か否かを判定する。
【0119】
そして、コントローラ61は、「契約解除情報」が(1-3)「本体契約」および「消耗品契約」の両方を解約して、複合機1および専用カートリッジの両方を買い取る(市販モード)旨を表していると判定した場合は(S26:YES)、ステップS27の処理に進む。ステップS27において、コントローラ61は、本体メモリ62からモード情報を読み出す。そして、コントローラ61は、モード情報を、(1)「本体契約」および「消耗品契約」が締結された「第1契約モード」から、(3)「本体契約」および「消耗品契約」が締結されていない「市販モード」に変更して、再度本体メモリ62に記憶する。その後、コントローラ61は、ステップS28の処理に進む。
【0120】
ステップS28において、コントローラ61は、カートリッジ通信部71を介して、各トナーカートリッジ4のトナーメモリ42の第2領域422に記憶される「専用カートリッジ」を「通常カートリッジ」に書き替える。また、コントローラ61は、本体メモリ62の領域621に記憶する各トナーカートリッジ4の第2種別情報を「専用カートリッジ」から「通常カートリッジ」に書き替える。また、コントローラ61は、本体メモリ62の領域623の契約情報を「契約モード」から「通常モード」に書き替える。また、コントローラ61は、領域624の第1種別情報を「専用本体」から「通常本体」に書き替える。その後、コントローラ61は、契約モード変更処理を終了する。
【0121】
これにより、ユーザは、定期的な支出が無くなり、印刷コストを下げることができる。また、ユーザは、複合機1を対象とする「本体契約」の契約期間の満了時に、複合機1を事業者から買い取って引き続き使用できる。
【0122】
一方、上記ステップS26で、コントローラ61は、「契約解除情報」が(1-3)「本体契約」および「消耗品契約」の両方を解約して、複合機1および専用カートリッジの両方を買い取る(市販モード)旨を表していないと判定した場合は(S26:NO)、ステップS29の処理に進む。つまり、コントローラ61は、「契約解除情報」が(1-2)複合機1を買い取り(製品買取)、「消耗品契約」のみを締結する(第2契約モード)旨を表している(第2解除情報)と判定した場合は(S26:NO)、ステップS29の処理に進む。
【0123】
ステップS29において、コントローラ61は、本体メモリ62からモード情報を読み出す。そして、コントローラ61は、モード情報を、(1)「本体契約」および「消耗品契約」が締結された「第1契約モード」から、(2)「消耗品契約」のみが締結された「第2契約モード」に変更して、再度本体メモリ62に記憶する。また、コントローラ61は、本体メモリ62の領域624の第1種別情報を「専用本体」から「通常本体」に書き替える。その後、コントローラ61は、再度ステップS16以降の処理を実行する。これにより、ユーザは、「本体契約」の契約料金を支払わないで、「消耗品契約」の契約料金だけを支払えばよいため、定期的な支出を抑制することができる。
【0124】
その後、コントローラ61は、ステップS16~ステップS22の処理を実行する。そして、ステップS22において、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、サーバ8から「消耗品契約」に関する「契約解除情報」を受信していないと判定した場合は(S22:NO)、再度ステップS16以降の処理を実行する。
【0125】
一方、コントローラ61は、通信インタフェース63を介して、サーバ8から「消耗品契約」に関する「契約解除情報」を受信したと判定した場合は(S22:YES)、ステップS23の処理に進む。ステップS23において、コントローラ61は、本体メモリ62の第1種別情報を読み出し、第1種別情報が「通常本体」を表していることから、複合機1を継続して使用(利用)すると判定して(S23:NO)、ステップS26の処理に進む。
【0126】
ステップS26において、コントローラ61は、「契約解除情報」が(2-2)「消耗品契約」を解約して、専用カートリッジを買い取る(市販モード、消耗品買取)旨を表しているか否かを判定する。そして、コントローラ61は、「契約解除情報」が(2-2)「消耗品契約」を解約して、専用カートリッジを買い取る(市販モード、消耗品買取)旨を表していると判定した場合は(S26:YES)、ステップS27の処理に進む。
【0127】
ステップS27において、コントローラ61は、本体メモリ62からモード情報を読み出す。そして、コントローラ61は、モード情報を、(2)「消耗品契約」のみが締結された「第2契約モード」から、(3)「本体契約」および「消耗品契約」が締結されていない「市販モード」に変更して、再度本体メモリ62に記憶する。その後、コントローラ61は、ステップS28の処理に進む。
【0128】
ステップS28において、コントローラ61は、カートリッジ通信部71を介して、各トナーカートリッジ4のトナーメモリ42の第2領域422に記憶される「専用カートリッジ」を「通常カートリッジ」に書き替える。また、コントローラ61は、本体メモリ62の領域621に記憶する各トナーカートリッジ4の第2種別情報を「専用カートリッジ」から「通常カートリッジ」に書き替える。また、コントローラ61は、本体メモリ62の領域623の契約情報を「契約モード」から「通常モード」に書き替える。その後、コントローラ61は、契約モード変更処理を終了する。これにより、ユーザは、定期的な支出が無くなり、印刷コストを下げることができる。
【0129】
一方、上記ステップS26で、コントローラ61は、「契約解除情報」が(2-2)「消耗品契約」を解約して、専用カートリッジを買い取る(市販モード、消耗品買取)旨を表していないと判定した場合は(S26:NO)、ステップS29の処理に進む。つまり、コントローラ61は、「契約解除情報」が(2-1)「消耗品契約」を解約して、専用カートリッジを事業者に返却する(市販モード、消耗品返却)旨を表していると判定した場合は(S26:NO)、ステップS29の処理に進む。
【0130】
ステップS29において、コントローラ61は、本体メモリ62からモード情報を読み出す。そして、コントローラ61は、モード情報を、(2)「消耗品契約」のみが締結された「第2契約モード」から、(3)「本体契約」および「消耗品契約」が締結されていない「市販モード」に変更して、再度本体メモリ62に記憶する。また、コントローラ61は、本体メモリ62の領域623の契約情報を「契約モード」から「通常モード」に書き替える。また、コントローラ61は、ディスプレイ64に、トナーカートリッジ4を事業者に返却する必要がある旨を表示した後、再度ステップS16以降の処理を実行する。これにより、ユーザは、定期的な支出が無くなり、印刷コストを下げることができる。
【0131】
[変形例1]
本開示の画像形成装置は、複合機1に限られない。画像形成装置は、印刷機能のみを有する装置、例えば、レーザープリンタやインクジェットプリンタであってもよい。
【0132】
[変形例2]
ドラムカートリッジ20は、感光体ドラムと、カートリッジ筐体と、ドラムメモリ22と、帯電器と、現像ローラを有してもよい。カートリッジ筐体には、感光体ドラム、ドラムメモリ22、帯電器及び現像ローラが設けられる。また、トナーカートリッジ4は、カートリッジ筐体及びトナーメモリ42を有するが、現像ローラを有しない。カートリッジ筐体はトナーを収容する。現像ローラの外周面は、ドラムカートリッジ20の内部で感光体ドラムの外周面と接触する。
【0133】
[変形例3]
トナーカートリッジ4は、図示しない2つのカートリッジから構成されていてもよい。トナーカートリッジ4を構成する2つのカートリッジのうち1つ目のカートリッジは、現像ローラを有する。トナーカートリッジ4を構成する2つのカートリッジのうち2つ目のカートリッジは、カートリッジ筐体と、トナーメモリ42と、を有する。カートリッジ筐体はトナーを収容する。
【0134】
[変形例4]
複合機1は、ドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4に代えて、図示しない1つのカートリッジを備えてもよい。1つのカートリッジは、感光体ドラムと、カートリッジ筐体と、メモリと、帯電器と、現像ローラと、を有する。現像ローラの外周面は、1つのカートリッジの内部で感光体ドラムの外周面と接触する。1つのカートリッジのカートリッジ筐体はトナーを収容する。
【0135】
[変形例5]
また、複合機1では、ドラムカートリッジ20とトナーカートリッジ4とが本体10に対して互いに独立して着脱可能であってもよい。
【0136】
[変形例6]
複合機1の印刷部66は、インクジェットプリンタ方式であってもよい。印刷部66がインクジェットプリンタ方式である場合、複合機1の本体10には、ドラムカートリッジ20およびトナーカートリッジ4ではなく、インクカートリッジが装着される。なお、複合機1に装着されるインクカートリッジの個数は、特に限定されない。例えば、複合機1には、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの4色それぞれに対応する、合計4個のインクカートリッジが装着されてよいし、ブラック1色のみが装着されてもよい。
【0137】
インクカートリッジは、インクメモリを内蔵している。インクメモリには、例えば、インクIDと、インク種別情報と、インク残量と、新品フラグと、発注済み情報と、が記憶されている。インクIDは、トナーIDと同様の情報である。インク種別情報は、第2種別情報と同様の情報である。
【0138】
印刷部66がインクジェットプリンタ方式である場合においても、図5図6の処理の流れは同様である。具体的には、印刷部66がインクジェットプリンタ方式である場合、前述の実施形態の説明における「トナーカートリッジ4」、「トナーメモリ42」をそれぞれ、インクカートリッジ、インクメモリ、に読みかえればよい。また、「トナーID」、「第2種別情報」、および「トナー残量情報」をそれぞれ、インクID、インク種別情報、およびインク残量情報に読みかえればよい。印刷部66がインクジェットプリンタ方式である場合も、前記実施形態の複合機1と同様の効果を奏する。
【0139】
[ソフトウェアによる実現例]
複合機1(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、複合機1としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、複合機1のコントローラ61としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0140】
この場合、複合機1は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0141】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、複合機1が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して複合機1に供給されてもよい。
【0142】
また、コントローラ61の機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。
【0143】
〔付記事項〕
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0144】
1 複合機、4 トナーカートリッジ、8 サーバ、9 ユーザ端末、10 本体、61 コントローラ、62 本体メモリ、63、83 通信インタフェース、64 ディスプレイ、81 サーバ制御部、82 サーバメモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7