(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142120
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241003BHJP
G06Q 50/18 20120101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054136
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】野口 正俊
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L049CC32
5L050CC11
5L050CC32
(57)【要約】
【課題】製品に対し適用される法規制の情報をユーザが容易に確認できる情報処理装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置10は、製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに含む法規制情報を製品の第1識別情報ごとに関連付けた第1データベースを構築し、製品の第2識別情報ごとに、第1識別情報を含む製品の出荷情報を関連付け、第1データベースにおいて同一の第1識別情報に関連付けられている法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築する制御部13、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに含む法規制情報を前記製品の第1識別情報ごとに関連付けた第1データベースを構築し、前記製品の第2識別情報ごとに、前記第1識別情報を含む前記製品の出荷情報を関連付け、前記第1データベースにおいて同一の前記第1識別情報に関連付けられている前記法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築する制御部、
を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記法規制情報は、前記法規制の有効期限を含み、
前記制御部は、前記有効期限までの残り期間がユーザにより設定された所定期間以下になったと判定すると、前記第2データベースのうち、判定結果に該当する前記第2識別情報並びに前記第2識別情報に関連付けられている前記出荷情報及び前記法規制情報を前記ユーザに通知する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記法規制情報は、前記法規制に関する指令名を含み、
前記制御部は、ユーザにより入力された前記指令名に関連付けられている前記第2識別情報、前記出荷情報、及び前記法規制情報を前記第2データベースから読み出して前記ユーザに提供する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、ユーザにより入力された前記第2識別情報に関連付けられている前記出荷情報及び前記法規制情報を前記第2データベースから読み出して前記ユーザに提供する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記法規制情報は、前記法規制に対する前記製品の適合の可否を含む、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、ユーザにより入力された、受注製品の前記第1識別情報及び出荷先の情報に関連付けられている全ての前記法規制に対し前記製品が適合していると前記第1データベースを用いて判定すると、前記受注製品の出荷を許可する情報を前記ユーザに提供する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、ユーザにより入力された、受注製品の前記第1識別情報及び出荷先の情報に関連付けられている全ての前記法規制に対し前記製品が適合していると前記第2データベースを用いて前記第2識別情報ごとに判定すると、前記受注製品の出荷を許可する情報を前記ユーザに提供する、
情報処理装置。
【請求項8】
製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに含む法規制情報を前記製品の第1識別情報ごとに関連付けた第1データベースを構築するステップと、
前記製品の第2識別情報ごとに、前記第1識別情報を含む前記製品の出荷情報を関連付け、前記第1データベースにおいて同一の前記第1識別情報に関連付けられている前記法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築するステップと、
を含む、
情報処理方法。
【請求項9】
情報処理装置に、
製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに含む法規制情報を前記製品の第1識別情報ごとに関連付けた第1データベースを構築するステップと、
前記製品の第2識別情報ごとに、前記第1識別情報を含む前記製品の出荷情報を関連付け、前記第1データベースにおいて同一の前記第1識別情報に関連付けられている前記法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築するステップと、
を含む動作を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品の在庫及び出荷などを管理するための技術が知られている。例えば、特許文献1には、荷物の入荷時には、届いた荷物を検品する必要があり、手間がかかるという課題を解決する在庫管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、出荷製品及び在庫製品が各国の法規制に適合しているか否かを確認するために、製品の製造記録及び設計情報、並びに最新の法規制の要件などの必要な情報をリストなどでユーザ自身が手作業により比較し、突き合わせていた。
【0005】
本開示は、製品に対し適用される法規制の情報をユーザが容易に確認できる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの実施形態に係る情報処理装置は、製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに含む法規制情報を前記製品の第1識別情報ごとに関連付けた第1データベースを構築し、前記製品の第2識別情報ごとに、前記第1識別情報を含む前記製品の出荷情報を関連付け、前記第1データベースにおいて同一の前記第1識別情報に関連付けられている前記法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築する制御部、を備える。
【0007】
これにより、製品に対し適用される法規制の情報をユーザが容易に確認できる。情報処理装置は、製品の第2識別情報ごとに出荷情報を関連付け、法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築することで、在庫製品及び出荷済みの製品がどの法規制に適合しているかをユーザがデータベース上で管理することを可能にする。したがって、ユーザは、製造された製品ごとにどの法規制に適合しているかを容易に管理できる。結果として、製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに管理するための工数が低減し、ユーザの手間が省かれる。
【0008】
一実施形態における情報処理装置では、前記法規制情報は、前記法規制の有効期限を含み、前記制御部は、前記有効期限までの残り期間がユーザにより設定された所定期間以下になったと判定すると、前記第2データベースのうち、判定結果に該当する前記第2識別情報並びに前記第2識別情報に関連付けられている前記出荷情報及び前記法規制情報を前記ユーザに通知してもよい。
【0009】
これにより、製造した製品に対する法規制の有効期限の管理が容易となる。例えば、ユーザは、変更された法規制の施行後に対象となる国又は地域で販売できない在庫製品が保管されている場合に、法規制の有効期限が切れて法規制が変更される前に当該在庫製品を販売するべく、その保管場所及び数量を容易に管理できる。また、有効期限が切れていない国又は地域への製品の販売可否の判断が容易となる。例えば、ユーザは、所定の国又は地域で法規制が変更された後でも、従来の製品仕様及び適合規格などが依然として適用可能であり、製品を販売可能な国又は地域を容易に取得又は照合可能である。
【0010】
一実施形態における情報処理装置では、前記法規制情報は、前記法規制に関する指令名を含み、前記制御部は、ユーザにより入力された前記指令名に関連付けられている前記第2識別情報、前記出荷情報、及び前記法規制情報を前記第2データベースから読み出して前記ユーザに提供してもよい。
【0011】
これにより、情報処理装置は、該当する法規制に適合している製品の製品型番及び在庫拠点などの必要な情報をユーザに提供可能である。ユーザは、特定の法規制に適合した在庫製品及び出荷製品を容易に把握できる。法規制への不適合などがあった場合、在庫製品及び出荷製品をユーザが把握することは必須である。情報処理装置は、ユーザによる必要な情報の把握を容易に実現可能である。
【0012】
一実施形態における情報処理装置では、前記制御部は、ユーザにより入力された前記第2識別情報に関連付けられている前記出荷情報及び前記法規制情報を前記第2データベースから読み出して前記ユーザに提供してもよい。
【0013】
これにより、情報処理装置は、その製品がどの法規制に対応していたかのユーザによる確認を可能にする。ユーザは、製品の故障などで製品の交換が必要となった場合、どの法規制に対応していれば良いかを明確に把握でき、在庫製品の出荷可否を容易に判断できる。すなわち、ユーザは、出荷先の製品が故障した場合、第2データベースを用いて出荷時の法規制情報を確認可能であり、どのシリアル番号を有する製品が出荷可能であるかを容易に確認できる。
【0014】
一実施形態における情報処理装置では、前記法規制情報は、前記法規制に対する前記製品の適合の可否を含んでもよい。
【0015】
これにより、情報処理装置は、例えば、後述する
図9及び
図11に示すフローチャートにおける判定処理を実行可能である。ユーザは、情報処理装置による当該判定処理に基づいて、製品の出荷可否を容易に把握できる。
【0016】
一実施形態における情報処理装置では、前記制御部は、ユーザにより入力された、受注製品の前記第1識別情報及び出荷先の情報に関連付けられている全ての前記法規制に対し前記製品が適合していると前記第1データベースを用いて判定すると、前記受注製品の出荷を許可する情報を前記ユーザに提供してもよい。ユーザは、第1データベースに基づく情報処理装置のこのような判定処理に基づいて、受注製品の出荷可否を自身の端末装置で容易に確認できる。
【0017】
一実施形態における情報処理装置では、前記制御部は、ユーザにより入力された、受注製品の前記第1識別情報及び出荷先の情報に関連付けられている全ての前記法規制に対し前記製品が適合していると前記第2データベースを用いて前記第2識別情報ごとに判定すると、前記受注製品の出荷を許可する情報を前記ユーザに提供してもよい。ユーザは、第2データベースに基づく情報処理装置のこのような判定処理に基づいて、受注製品の出荷可否を自身の端末装置で容易に確認できる。
【0018】
幾つかの実施形態に係る情報処理方法は、製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに含む法規制情報を前記製品の第1識別情報ごとに関連付けた第1データベースを構築するステップと、前記製品の第2識別情報ごとに、前記第1識別情報を含む前記製品の出荷情報を関連付け、前記第1データベースにおいて同一の前記第1識別情報に関連付けられている前記法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築するステップと、を含む。
【0019】
これにより、製品に対し適用される法規制の情報をユーザが容易に確認できる。製品の第2識別情報ごとに出荷情報が関連付けられ、法規制情報がさらに関連付けられた第2データベースが構築されることで、在庫製品及び出荷済みの製品がどの法規制に適合しているかをユーザがデータベース上で管理可能である。したがって、ユーザは、製造された製品ごとにどの法規制に適合しているかを容易に管理できる。結果として、製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに管理するための工数が低減し、ユーザの手間が省かれる。
【0020】
幾つかの実施形態に係るプログラムは、情報処理装置に、製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに含む法規制情報を前記製品の第1識別情報ごとに関連付けた第1データベースを構築するステップと、前記製品の第2識別情報ごとに、前記第1識別情報を含む前記製品の出荷情報を関連付け、前記第1データベースにおいて同一の前記第1識別情報に関連付けられている前記法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築するステップと、を含む動作を実行させる。
【0021】
これにより、製品に対し適用される法規制の情報をユーザが容易に確認できる。情報処理装置は、製品の第2識別情報ごとに出荷情報を関連付け、法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築することで、在庫製品及び出荷済みの製品がどの法規制に適合しているかをユーザがデータベース上で管理することを可能にする。したがって、ユーザは、製造された製品ごとにどの法規制に適合しているかを容易に管理できる。結果として、製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに管理するための工数が低減し、ユーザの手間が省かれる。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、製品に対し適用される法規制の情報をユーザが容易に確認できる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成の一例を示す構成図である。
【
図2】
図1の情報処理装置、第1端末装置、及び第2端末装置のそれぞれの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図2の情報処理装置の記憶部に記憶されている情報の内容を説明するためのブロック図である。
【
図4】
図1の情報処理装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【
図5】
図1の情報処理装置が実行する処理の第1例を説明するための模式図である。
【
図6】
図1の情報処理装置が実行する処理の第2例を説明するための模式図である。
【
図7】
図1の情報処理装置が実行する処理の第3例を説明するための模式図である。
【
図8】
図1の情報処理装置が実行する処理の第4例を説明するためのフローチャートである。
【
図9】
図1の情報処理装置が実行する処理の第5例を説明するためのフローチャートである。
【
図10】
図1の情報処理装置が実行する処理の第5例を説明するための模式図である。
【
図11】
図1の情報処理装置が実行する処理の第6例を説明するためのフローチャートである。
【
図12】
図1の情報処理装置が実行する処理の第6例を説明するための模式図である。
【
図13】
図1の情報処理装置が実行する処理の第7例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
従来技術の背景及び問題点についてより詳細に説明する。
【0025】
従来、製造した製品がどの法規制に適合できているかを確認するための確立された管理方法が存在しなかった。在庫製品がどの法規制に適合しているかを確認する場合、ユーザが直接介入し、表計算ソフト及びデータベースソフト製品などに入力及び登録された法規制情報と製品の情報とを照らし合わせる必要があった。さらに、これらの情報は、部署又は在庫拠点ごとに存在し、管理されていた。したがって、ユーザは、複数の書類を照らし合わせて確認を行う必要があった。
【0026】
製品は、出荷先としての販売国又は販売地域で要求される法規制に適合している必要がある。不適合な製品を提供又は販売すると、刑事上の罰則及び行政上の罰則、並びに製品回収などが適用される可能性もある。
【0027】
所定の国又は地域で法規制が変更となり、製品の販売可否が変わる場合も想定される。例えば、これまで販売が可能であった品質値及び性能値などを含む製品の条件が変わることで、出荷先としての販売国又は販売地域が新たに限定される。結果として、製品の販売可能先の見直しが必要となる。このような場合、既に製造され、出庫済みとなり、滞留在庫となっている製品などが、変更後の法規制に対しても適合しているか否かを確認し、継続して販売が可能な国又は地域及び製品の条件などを確認して製品を流通させる必要がある。
【0028】
しかしながら、以上のような場合、ユーザは、海外の在庫拠点に保管されている在庫製品を人手で調査し、製品のネームプレートの製造年月日及びシリアル番号に基づいて、どの時点のどの国又は地域の法規制に適合した在庫製品であるのかなどを調査する必要があった。したがって、製品が所定の法規制に適合しているか否かを把握するために多くの工数が必要となり、手間がかかっていた。
【0029】
世界各国又は各地域の法規制では、製品が故障したときに、製品の状態及び部品仕様などを自発的に変更して製品を修理及び返却することが禁じられる場合も多くある。例えば、防爆製品など、規格適合が厳格に管理されている工業製品においては、過去販売時に認証などを取得したものと同一の製品仕様で原状復帰を行うことが要求される。したがって、ユーザは、いつ、どの出荷先に、どの法規制に適合した製品を販売したかの情報も把握する必要がある。
【0030】
以上のように、在庫製品及び修理された製品などは、法規制への適合可否の調査及び確認を行わずに流通させると、法規制に不適合となる所定の国又は地域を拠点に在庫管理及び販売などされる可能性もある。同様に、法規制の変更により販売不可となった在庫製品が当該法規制を製品に課している国又は地域に出荷されてしまう可能性もある。
【0031】
本開示は、以上のような問題点を解決するために、製品に対し適用される法規制の情報をユーザが容易に確認できる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【0032】
以下では、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について主に説明する。
【0033】
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の構成の一例を示す構成図である。
図1を参照しながら、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の概要について主に説明する。情報処理システム1は、情報処理装置10に加えて、第1端末装置20と、第2端末装置30とを有する。
【0034】
図1では説明の簡便のため、端末装置について第1端末装置20及び第2端末装置30の2つのみを図示しているが、情報処理システム1が有する端末装置の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
図1では説明の簡便のため、情報処理装置10について1つのみ図示しているが、情報処理システム1が有する情報処理装置10の数は2つ以上であってもよい。情報処理装置10、第1端末装置20、及び第2端末装置30のそれぞれは、移動体通信網及びインターネットなどを含むネットワーク40と通信可能に接続されている。
【0035】
一実施形態の概要として、情報処理装置10は、製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに含む法規制情報を製品の第1識別情報ごとに関連付けた第1データベースを構築する。
【0036】
本開示において、「製品」は、フィールド機器を含む測定装置、制御装置、分析装置、及び他の任意の電子機器などを含む。「法規制」は、国又は地域ごとに定められる法律に基づいて製品に対し課される規制を含む。法規制は、例えば、電気安全規格、機械安全規格、及び環境保全規格などの任意の規格を製品に対して課すものである。「法規制情報」は、法規制に関する指令名、法規制に対する製品の適合の可否、及び法規制の有効期限などを含む。「第1識別情報」は、製品を1つのグループとして特定可能な、製品に関連する任意の情報を含む。第1識別情報は、製品仕様を特徴付ける製品型番などを含む。
【0037】
情報処理装置10は、製品の第2識別情報ごとに、第1識別情報を含む製品の出荷情報を関連付け、第1データベースにおいて同一の第1識別情報に関連付けられている法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築する。
【0038】
本開示において、「第2識別情報」は、製品を一個体として特定可能な、製品に付属する任意の情報を含む。第2識別情報は、シリアル番号、製品管理番号、及びライセンス番号などを含む。「出荷情報」は、製品の出荷に関連する任意の情報を含む。出荷情報は、製品の第1識別情報、在庫の有無、出荷先、在庫拠点、及び在庫拠点において製品が保管されている棚番号などのロケーションなどを含む。在庫拠点は、その製品が在庫として現在保管されている国又は地域を意味する。
【0039】
情報処理装置10は、例えば、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置を含む。情報処理装置10は、これらに限定されず、PC(Personal Computer)又はスマートフォンなどの任意の汎用の電子機器であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。情報処理装置10は、製品を各国又は各地域に販売などする事業者により管理される。
【0040】
第1端末装置20は、例えば、PC、タブレットPC、又はスマートフォンなどの汎用の電子機器を含む。第1端末装置20は、第1ユーザが使用する電子機器である。第1端末装置20は、これらに限定されず、第1ユーザが使用する1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0041】
第2端末装置30は、例えば、PC、タブレットPC、又はスマートフォンなどの汎用の電子機器を含む。第2端末装置30は、第2ユーザが使用する電子機器である。第2端末装置30は、これらに限定されず、第2ユーザが使用する1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0042】
第1ユーザは、情報処理装置10を管理する事業者において、製品の法規制情報を管理する管理部署に所属するユーザなどを含む。第1ユーザは、第1端末装置20を用いて製品の第1識別情報及び法規制情報を入力し、第1端末装置20を介して情報処理装置10に提供する。第2ユーザは、例えば、第1ユーザとは異なる他のユーザである。第2ユーザは、情報処理装置10を管理する事業者において、製品を実際に製造、出荷、及び在庫管理などを行う部署に所属するユーザなどを含む。第2ユーザは、第2端末装置30を用いて製品の第2識別情報及び出荷情報を入力し、第2端末装置30を介して情報処理装置10に提供する。
【0043】
図2は、
図1の情報処理装置10、第1端末装置20、及び第2端末装置30のそれぞれの構成の一例を示すブロック図である。
図2を参照しながら、情報処理システム1に含まれる情報処理装置10、第1端末装置20、及び第2端末装置30のそれぞれの構成の一例について主に説明する。
【0044】
図2に示すとおり、情報処理装置10は、通信部11、記憶部12、及び制御部13を有する。
【0045】
通信部11は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)などの移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限定されず任意の通信規格に対応してもよい。一実施形態において、情報処理装置10は、通信部11を介してネットワーク40に接続されている。通信部11は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0046】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などの記憶装置を含む。記憶部12は、情報処理装置10の動作を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部12は、情報処理装置10の動作によって得られた情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信などの任意の手段で取得される各種データなどを記憶する。
【0047】
記憶部12は、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、情報処理装置10に内蔵されているものに限定されず、USB(Universal Serial Bus)などのデジタル入出力ポートなどによって接続されている外付け型の記憶装置であってもよい。
【0048】
制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。本開示において、「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部13は、情報処理装置10を構成する各構成部と通信可能に接続され、情報処理装置10全体の動作を制御する。
【0049】
情報処理システム1に含まれる第1端末装置20の構成について主に説明する。
図2に示されるように、第1端末装置20は、通信部21、記憶部22、入力部23、出力部24、及び制御部25を有する。
【0050】
通信部21は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば、4G及び5Gなどの移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限定されず任意の通信規格に対応してもよい。一実施形態において、第1端末装置20は、通信部21を介してネットワーク40に接続されている。通信部21は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0051】
記憶部22は、HDD、SSD、EEPROM、ROM、及びRAMなどの記憶装置を含む。記憶部22は、第1端末装置20の動作を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部22は、第1端末装置20の動作によって得られた情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信などの任意の手段で取得される各種データなどを記憶する。
【0052】
記憶部22は、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、第1端末装置20に内蔵されているものに限定されず、USBなどのデジタル入出力ポートなどによって接続されている外付け型の記憶装置であってもよい。
【0053】
入力部23は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。当該入力インタフェースは、物理キー、静電容量キー、出力部24のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラなどの撮像モジュール、及び音声入力を受け付けるマイクロフォンなどを含む。
【0054】
出力部24は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。当該出力インタフェースは、情報を映像で出力するディスプレイ、及び情報を音声で出力するスピーカなどを含む。
【0055】
制御部25は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部25は、第1端末装置20を構成する各構成部と通信可能に接続され、第1端末装置20全体の動作を制御する。
【0056】
情報処理システム1に含まれる第2端末装置30の構成について主に説明する。
図2に示されるように、第2端末装置30は、通信部31、記憶部32、入力部33、出力部34、及び制御部35を有する。
【0057】
通信部31は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば、4G及び5Gなどの移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限定されず任意の通信規格に対応してもよい。一実施形態において、第2端末装置30は、通信部31を介してネットワーク40に接続されている。通信部31は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0058】
記憶部32は、HDD、SSD、EEPROM、ROM、及びRAMなどの記憶装置を含む。記憶部32は、第2端末装置30の動作を実現するために必要な情報を記憶する。記憶部32は、第2端末装置30の動作によって得られた情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信などの任意の手段で取得される各種データなどを記憶する。
【0059】
記憶部32は、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部32は、第2端末装置30に内蔵されているものに限定されず、USBなどのデジタル入出力ポートなどによって接続されている外付け型の記憶装置であってもよい。
【0060】
入力部33は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。当該入力インタフェースは、物理キー、静電容量キー、出力部34のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、カメラなどの撮像モジュール、及び音声入力を受け付けるマイクロフォンなどを含む。
【0061】
出力部34は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。当該出力インタフェースは、情報を映像で出力するディスプレイ、及び情報を音声で出力するスピーカなどを含む。
【0062】
制御部35は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部35は、第2端末装置30を構成する各構成部と通信可能に接続され、第2端末装置30全体の動作を制御する。
【0063】
図3は、
図2の情報処理装置10の記憶部12に記憶されている情報の内容を説明するためのブロック図である。
図3に示されるように、情報処理装置10の記憶部12は、第1データベース及び第2データベースを記憶する。
【0064】
本開示において、「第1データベース」は、例えば、製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに含む法規制情報を製品の第1識別情報ごとに関連付けたものを含む。「第2データベース」は、例えば、製品の第2識別情報ごとに、第1識別情報を含む製品の出荷情報を関連付け、第1データベースにおいて同一の第1識別情報に関連付けられている法規制情報をさらに関連付けたものを含む。第1データベース及び第2データベースは、後述するとおり、情報処理装置10の制御部13が実行する情報処理に基づいて構築され、情報処理装置10を管理する事業者によって管理される。
【0065】
図4は、
図1の情報処理装置10が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図4を参照しながら、
図1の情報処理装置10の制御部13が実行する情報処理方法の一例について主に説明する。
【0066】
ステップS100では、制御部13は、第1識別情報及び法規制情報を取得する。例えば、制御部13は、第1識別情報及び法規制情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して第1端末装置20から受信する。
【0067】
第1ユーザは、例えば、第1端末装置20の入力部23の物理キーなどを用いて文字入力により第1識別情報及び法規制情報を入力してもよい。第1ユーザは、製品又は製品の保管棚などに貼り付けられている、バーコード及びQRコード(登録商標)などを含む二次元コードを入力部23の撮像モジュールに読み取らせることで第1識別情報を入力してもよい。第1端末装置20の制御部25は、入力部23により得られた第1識別情報及び法規制情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。
【0068】
ステップS101では、制御部13は、ステップS100において取得された第1識別情報及び法規制情報に基づいて、法規制情報を第1識別情報ごとに関連付けた第1データベースを構築する。制御部13は、構築された第1データベースを、記憶部12に格納する。
【0069】
ステップS102では、制御部13は、第2識別情報及び出荷情報を取得する。例えば、制御部13は、第2識別情報及び出荷情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して第2端末装置30から受信する。
【0070】
第2ユーザは、例えば、第2端末装置30の入力部33の物理キーなどを用いて文字入力により第2識別情報及び出荷情報を入力してもよい。第2ユーザは、製品又は製品の保管棚などに貼り付けられている、バーコード及びQRコード(登録商標)などを含む二次元コードを入力部33の撮像モジュールに読み取らせることで第2識別情報を入力してもよい。第2端末装置30の制御部35は、入力部33により得られた第2識別情報及び出荷情報を、通信部31及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。
【0071】
ステップS103では、制御部13は、ステップS102において取得された第2識別情報及び出荷情報に基づいて、第2識別情報ごとに出荷情報を関連付ける。制御部13は、関連付けた各情報を、記憶部12に一時的に格納する。
【0072】
ステップS104では、制御部13は、ステップS101において構築された第1データベース並びにステップS103において互いに関連付けられた第2識別情報及び出荷情報に基づいて、第2データベースを構築する。
【0073】
制御部13は、ステップS103において第2識別情報ごとに出荷情報を関連付け、ステップS104において第2識別情報ごとに法規制情報をさらに関連付けることで第2データベースを構築する。制御部13は、ステップS103において第2識別情報に関連付けられた出荷情報に含まれる第1識別情報と同一の第1識別情報に関連付けられている法規制情報を第1データベースから読み出す。制御部13は、ステップS103において出荷情報が関連付けられている第2識別情報への追加属性情報として、読み出した法規制情報を付与する。以上のとおり、制御部13は、ステップS104における関連付けの処理を実行する。制御部13は、構築された第2データベースを、記憶部12に格納する。
【0074】
以上により、情報処理装置10は、製造した製品と法規制情報とを関連付け、製造した製品ごとに適合している法規制をユーザが管理することを容易にする。
【0075】
図5は、
図1の情報処理装置10が実行する処理の第1例を説明するための模式図である。
図5は、
図4に示されるフローチャートのステップS101において構築された第1データベースの一例を示す。第1データベースでは、第1識別情報としての製品型番ごとに法規制情報が関連付けられ管理されている。
図5では、「Model a」及び「Model b」の2つの製品型番に対する法規制情報のみが例示されているが、第1データベースに含まれる製品型番の数は2つに限定されない。
【0076】
第1識別情報としての製品型番の1つである「Model a」の製品について、複数の国又は地域ごとに適用される法規制の情報が関連付けられている。
【0077】
属性1乃至属性3は、A国の指令名1に関連する情報である。属性1は、法規制に関する指令名として「A国の指令名1」という情報を示す。法規制に関する指令名は、他と容易に区別できる独自の名称で管理される。属性2は、属性1に示される「A国の指令名1」という法規制に対するModel aの製品の適合の可否を示し、Model aについて「可」を示す。すなわち、Model aの製品は、A国の指令名1の法規制に適合する。属性3は、属性1に示される「A国の指令名1」という法規制の有効期限を示し、当該法規制が「xx.xx.xx」の年月日まで有効であることを示す。
【0078】
属性4乃至属性6は、A国の指令名2に関連する情報である。属性4は、法規制に関する指令名として「A国の指令名2」という情報を示す。属性5は、属性4に示される「A国の指令名2」という法規制に対するModel aの製品の適合の可否を示し、Model aについて「可」を示す。すなわち、Model aの製品は、A国の指令名2の法規制にも適合する。属性6は、属性4に示される「A国の指令名2」という法規制の有効期限を示し、当該法規制が「zz.zz.zz」の年月日まで有効であることを示す。
【0079】
属性n-2乃至属性nは、N国の指令名Nに関連する情報である。属性n-2は、法規制に関する指令名として「N国の指令名N」という情報を示す。属性n-1は、属性n-2に示される「N国の指令名N」という法規制に対するModel aの製品の適合の可否を示し、Model aについて「可」を示す。すなわち、Model aの製品は、N国の指令名Nの法規制にも適合する。属性nは、属性n-2に示される「N国の指令名N」という法規制の有効期限を示し、当該法規制が「ww.ww.ww」の年月日まで有効であることを示す。
【0080】
第1識別情報としての製品型番の1つである「Model b」の製品について、複数の国又は地域ごとに適用される法規制の情報が関連付けられている。
【0081】
属性1乃至属性3は、A国の指令名1に関連する情報である。属性1は、法規制に関する指令名として「A国の指令名1」という情報を示す。属性2は、属性1に示される「A国の指令名1」という法規制に対するModel bの製品の適合の可否を示し、Model bについて「否」を示す。すなわち、Model bの製品は、A国の指令名1の法規制に適合しない。属性3は、属性1に示される「A国の指令名1」という法規制の有効期限を示し、当該法規制が「xx.xx.xx」の年月日まで有効であることを示す。
【0082】
属性4乃至属性6は、A国の指令名2に関連する情報である。属性4は、法規制に関する指令名として「A国の指令名2」という情報を示す。属性5は、属性4に示される「A国の指令名2」という法規制に対するModel bの製品の適合の可否を示し、Model bについて「否」を示す。すなわち、Model bの製品は、A国の指令名2の法規制にも適合しない。属性6は、属性4に示される「A国の指令名2」という法規制の有効期限を示し、当該法規制が「zz.zz.zz」の年月日まで有効であることを示す。
【0083】
属性n-2乃至属性nは、N国の指令名Nに関連する情報である。属性n-2は、法規制に関する指令名として「N国の指令名N」という情報を示す。属性n-1は、属性n-2に示される「N国の指令名N」という法規制に対するModel bの製品の適合の可否を示し、Model bについて「可」を示す。すなわち、Model bの製品は、N国の指令名Nの法規制に適合する。属性nは、属性n-2に示される「N国の指令名N」という法規制の有効期限を示し、当該法規制が「ww.ww.ww」の年月日まで有効であることを示す。
【0084】
図6は、
図1の情報処理装置10が実行する処理の第2例を説明するための模式図である。
図6は、
図4に示されるフローチャートのステップS103において互いに関連付けられた第2識別情報及び出荷情報の一例を示す。
【0085】
図6では、製品型番Model aのシリアル番号「S/N:1」及び製品型番Model bのシリアル番号「S/N:2」の2つのシリアル番号に対する出荷情報のみが例示されているが、シリアル番号の数は2つに限定されない。例えば、「Model a」の製品型番について、1号機からi号機までの製品にそれぞれ対応するシリアル番号として「S/N:11」から「S/N:1i」が
図6の第2識別情報に含まれていてもよい。例えば、「Model b」の製品型番について、1号機からj号機までの製品にそれぞれ対応するシリアル番号として「S/N:21」から「S/N:2j」が
図6の第2識別情報に含まれていてもよい。
【0086】
第2識別情報としてのシリアル番号の1つである「S/N:1」の製品について、複数の項目を含む出荷情報が関連付けられている。
【0087】
属性1は、シリアル番号「S/N:1」で特定される製品の第1識別情報として「Model a」の製品型番を示す。属性2は、当該製品の在庫の有無を示し、当該製品について「有」であり在庫として管理されていることを示す。属性3は、当該製品の出荷先としての国又は地域を示し、当該製品がA国に出荷されていることを示す。属性4は、当該製品の在庫拠点を示し、当該製品が拠点Cにおいて在庫管理されていることを示す。属性5は、在庫拠点における棚番号などのロケーションを示し、当該製品が拠点Cの「M-1」のロケーションに保管されていることを示す。
【0088】
第2識別情報としてのシリアル番号の1つである「S/N:2」の製品について、複数の項目を含む出荷情報が関連付けられている。
【0089】
属性1は、シリアル番号「S/N:2」で特定される製品の第1識別情報として「Model b」の製品型番を示す。属性2は、当該製品の在庫の有無を示し、当該製品について「有」であり在庫として管理されていることを示す。属性3は、当該製品の出荷先としての国又は地域を示し、当該製品がB国に出荷されていることを示す。属性4は、当該製品の在庫拠点を示し、当該製品が拠点Dにおいて在庫管理されていることを示す。属性5は、在庫拠点における棚番号などのロケーションを示し、当該製品が拠点Dの「N-8」のロケーションに保管されていることを示す。
【0090】
図7は、
図1の情報処理装置10が実行する処理の第3例を説明するための模式図である。
図7は、
図4に示されるフローチャートのステップS104において構築された第2データベースの一例を示す。第2データベースでは、第2識別情報としてのシリアル番ごとに出荷情報及び法規制情報の両方が関連付けられ管理されている。
【0091】
図7では、製品型番Model aのシリアル番号「S/N:1」及び製品型番Model bのシリアル番号「S/N:2」の2つのシリアル番号に対する出荷情報及び法規制情報のみが例示されているが、シリアル番号の数は2つに限定されない。例えば、「Model a」の製品型番について、1号機からi号機までの製品にそれぞれ対応するシリアル番号として「S/N:11」から「S/N:1i」が
図7の第2識別情報に含まれていてもよい。例えば、「Model b」の製品型番について、1号機からj号機までの製品にそれぞれ対応するシリアル番号として「S/N:21」から「S/N:2j」が
図7の第2識別情報に含まれていてもよい。
【0092】
制御部13は、
図6において出荷情報が関連付けられている第2識別情報への追加属性情報として、
図5に示す法規制情報を付与する。
図7の上段に示す出荷情報は、
図6に示す出荷情報と同一である。
図7の下段に示す法規制情報は、
図5に示す法規制情報と同一である。
【0093】
制御部13は、
図6に示す第2識別情報「S/N:1」の製品について、「Model a」の製品型番と同一の第1識別情報に関連付けられている法規制情報を
図5に示す第1データベースから読み出し、追加属性情報として第2識別情報「S/N:1」に付与する。制御部13は、
図6に示す第2識別情報「S/N:2」の製品について、「Model b」の製品型番と同一の第1識別情報に関連付けられている法規制情報を
図5に示す第1データベースから読み出し、追加属性情報として第2識別情報「S/N:2」に付与する。
【0094】
以上のようにして構築された第2データベースの利用について主に説明する。
【0095】
情報処理装置10の制御部13は、ユーザにより入力された指令名に関連付けられている第2識別情報、出荷情報、及び法規制情報を第2データベースから読み出してユーザに提供する。第1ユーザは、例えば、第1端末装置20の入力部23の物理キーなどを用いて文字入力により指令名を入力する。第1端末装置20の制御部25は、入力部23により得られた指令名の情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。
【0096】
情報処理装置10の制御部13は、ネットワーク40及び通信部11を介して受信した指令名の情報に従って、対応するキー及び属性の全ての情報を読み出しユーザに提供する。情報処理装置10の制御部13は、当該情報を、通信部11及びネットワーク40を介して第1ユーザの第1端末装置20に送信する。第1端末装置20の制御部25は、ネットワーク40及び通信部21を介して受信した上記の情報を、出力部24を用いて第1ユーザに出力する。
【0097】
情報処理装置10の制御部13は、ユーザにより入力された第2識別情報に関連付けられている出荷情報及び法規制情報を第2データベースから読み出してユーザに提供する。第1ユーザは、例えば、第1端末装置20の入力部23の物理キーなどを用いて文字入力により第2識別情報を入力する。第1端末装置20の制御部25は、入力部23により得られた第2識別情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。
【0098】
情報処理装置10の制御部13は、ネットワーク40及び通信部11を介して受信した第2識別情報に従って、対応する属性の全ての情報を読み出しユーザに提供する。情報処理装置10の制御部13は、当該情報を、通信部11及びネットワーク40を介して第1ユーザの第1端末装置20に送信する。第1端末装置20の制御部25は、ネットワーク40及び通信部21を介して受信した上記の情報を、出力部24を用いて第1ユーザに出力する。
【0099】
図8は、
図1の情報処理装置10が実行する処理の第4例を説明するためのフローチャートである。情報処理装置10の制御部13は、
図7の第2データベースに含まれる有効期限までの残り期間がユーザにより設定された所定期間以下になったと判定すると、第2データベースのうち、判定結果に該当する第2識別情報並びに第2識別情報に関連付けられている出荷情報及び法規制情報をユーザに通知する。
図8を参照しながら、当該通知処理の流れを主に説明する。
【0100】
ステップS200では、制御部13は、通知の設定情報を取得する。本開示において、「設定情報」は、法規制の有効期限を確認する周期、有効期限までの残り期間に対する閾値としての所定期間、通知周期、及びメールアドレスなどの通知先などを含む。例えば、制御部13は、設定情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して第1端末装置20から受信する。
【0101】
第1ユーザは、例えば、第1端末装置20の入力部23の物理キーなどを用いて文字入力により設定情報を入力する。第1端末装置20の制御部25は、入力部23により得られた設定情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。
【0102】
ステップS201では、制御部13は、ステップS200において取得された、法規制の有効期限を確認する周期に従って、
図7に示す第2データベース内の法規制の有効期限を読み出す。
【0103】
ステップS202では、制御部13は、ステップS201において読み出された有効期限までの残り期間がステップS200において取得された所定期間以下になったか否かを判定する。例えば、制御部13は、各有効期限についてそのx日前になったか否かを判定する。制御部13は、所定期間以下になったと判定すると、ステップS203の処理を実行する。制御部13は、所定期間以下になっていないと判定すると、ステップS201の処理を再度実行する。
【0104】
ステップS203では、制御部13は、ステップS202において所定期間以下になったと判定すると、所定期間以下になった有効期限が関連付けられている第2識別情報、出荷情報、及び法規制情報を第2データベースから読み出し、ステップS200において取得された通知先に通知する。通知先は、第1ユーザを含む複数の関係ユーザを含む。
【0105】
例えば、制御部13は、
図7の第2データベースにおいて、A国の指令名1が有効期限のx日前となったと判定すると、当該有効期限が該当するシリアル番号「S/N:1」のキー及び属性の全ての情報を読み出し、第1ユーザを含む複数の関係ユーザに通知する。同様に、制御部13は、当該有効期限が該当するシリアル番号「S/N:2」のキー及び属性の全ての情報を読み出し、第1ユーザを含む複数の関係ユーザに通知する。
【0106】
制御部13は、これらの情報を、ステップS200において取得された通知周期で、通知先としての複数の関係ユーザのメールアドレス宛に、通信部11及びネットワーク40を介して送信する。例えば、制御部13は、y日ごとに、複数の関係ユーザにメールで通知する。第1端末装置20の制御部25は、第1ユーザのメールアドレスで受信した上記の情報を、出力部24を用いて第1ユーザに出力する。
【0107】
図9は、
図1の情報処理装置10が実行する処理の第5例を説明するためのフローチャートである。
図10は、
図1の情報処理装置10が実行する処理の第5例を説明するための模式図である。処理の第5例は、例えば、対応する在庫製品がない場合に製品の受注を受け、新たに製造される製品の出荷可否を判定するようなケースを想定している。
【0108】
情報処理装置10の制御部13は、ユーザにより入力された、受注製品の第1識別情報及び出荷先の情報に関連付けられている全ての法規制に対し製品が適合していると第1データベースを用いて判定すると、受注製品の出荷を許可する情報をユーザに提供する。
図9及び
図10を参照しながら、当該提供処理の流れを主に説明する。
【0109】
ステップS300では、制御部13は、第1識別情報及び出荷先の情報を取得する。例えば、制御部13は、第1識別情報及び出荷先の情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して第1端末装置20から受信する。
【0110】
第1ユーザは、例えば、第1端末装置20の入力部23の物理キーなどを用いて文字入力により第1識別情報及び出荷先の情報を入力する。第1端末装置20の制御部25は、入力部23により得られた第1識別情報及び出荷先の情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。
【0111】
ステップS301では、制御部13は、ステップS300において取得された第1識別情報をキーとして、
図5に示されるような第1データベースより法規制への適合可否を全て読み出す。例えば、制御部13は、ステップS300においてModel aという第1識別情報を取得すると、製品型番Model aに関連付けられている全ての属性の情報を第1データベースより読み出す。続いて、制御部13は、ステップS300においてA国という出荷先の情報を取得すると、出荷先A国に関連する属性の情報のみを抽出する。制御部13は、A国以外の非対象国の属性の情報を削除し、削除した後のデータを記憶部12に改めて格納する。
【0112】
ステップS301における抽出処理により得られたデータは、
図10に示されるとおりのものである。
図10に示すデータは、A国を出荷先として製品型番Model aの製品の受注を受けた場合にステップS301により抽出されたものである。
【0113】
ステップS302では、制御部13は、ステップS301において抽出された全ての法規制に対し受注製品が適合しているか否かを判定する。制御部13は、全て適合していると判定すると、ステップS303の処理を実行する。制御部13は、1つでも適合していないと判定すると、ステップS304の処理を実行する。
【0114】
ステップS303では、制御部13は、ステップS302において全て適合していると判定すると、受注製品の出荷を許可する情報をユーザに提供する。例えば、
図10においてModel aの製品はA国の全ての法規制に適合しているので、A国を出荷先とするModel aの受注製品については、出荷が許可される。
【0115】
一方で、ステップS304では、制御部13は、ステップS302において1つでも適合していないと判定すると、受注製品の出荷を許可しない情報をユーザに提供する。
【0116】
制御部13は、受注製品の出荷を許可する情報又は受注製品の出荷を許可しない情報を、通信部11及びネットワーク40を介して第1ユーザの第1端末装置20に送信する。第1端末装置20の制御部25は、ネットワーク40及び通信部21を介して受信した上記の情報を、出力部24を用いて第1ユーザに出力する。
【0117】
図11は、
図1の情報処理装置10が実行する処理の第6例を説明するためのフローチャートである。
図12は、
図1の情報処理装置10が実行する処理の第6例を説明するための模式図である。処理の第6例は、例えば、対応する在庫製品がある場合に製品の受注を受け、当該在庫製品の出荷可否を判定するようなケースを想定している。
【0118】
情報処理装置10の制御部13は、ユーザにより入力された、受注製品の第1識別情報及び出荷先の情報に関連付けられている全ての法規制に対し製品が適合していると第2データベースを用いて第2識別情報ごとに判定すると、受注製品の出荷を許可する情報をユーザに提供する。
図11及び
図12を参照しながら、当該提供処理の流れを主に説明する。
【0119】
ステップS400では、制御部13は、第1識別情報及び出荷先の情報を取得する。例えば、制御部13は、第1識別情報及び出荷先の情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して第1端末装置20から受信する。
【0120】
第1ユーザは、例えば、第1端末装置20の入力部23の物理キーなどを用いて文字入力により第1識別情報及び出荷先の情報を入力する。第1端末装置20の制御部25は、入力部23により得られた第1識別情報及び出荷先の情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。
【0121】
ステップS401では、制御部13は、ステップS400において取得された第1識別情報をキーとして、
図7に示されるような第2データベースの第2識別情報ごとに法規制への適合可否を全て読み出す。例えば、制御部13は、ステップS400においてModel aという第1識別情報を取得すると、製品型番Model aに関連付けられている全ての属性の情報を第2データベースより第2識別情報ごとに読み出す。続いて、制御部13は、ステップS400においてA国という出荷先の情報を取得すると、出荷先A国に関連する属性の情報のみを法規制情報から抽出する。制御部13は、A国以外の非対象国の属性の情報を法規制情報から削除し、削除した後のデータを記憶部12に改めて格納する。
【0122】
ステップS401における抽出処理により得られたデータは、
図12に示されるとおりのものである。
図12に示すデータは、A国を出荷先として製品型番Model aの製品の受注を受けた場合にステップS401により抽出されたものである。
【0123】
ステップS402では、制御部13は、ステップS401において抽出された全ての法規制に対し受注製品が適合しているか否かを判定する。制御部13は、全て適合していると判定すると、ステップS403の処理を実行する。制御部13は、1つでも適合していないと判定すると、ステップS404の処理を実行する。
【0124】
ステップS403では、制御部13は、ステップS402において全て適合していると判定すると、受注製品の出荷を許可する情報をユーザに提供する。
【0125】
一方で、ステップS404では、制御部13は、ステップS402において1つでも適合していないと判定すると、受注製品の出荷を許可しない情報をユーザに提供する。
【0126】
制御部13は、受注製品の出荷を許可する情報又は受注製品の出荷を許可しない情報を、通信部11及びネットワーク40を介して第1ユーザの第1端末装置20に送信する。第1端末装置20の制御部25は、ネットワーク40及び通信部21を介して受信した上記の情報を、出力部24を用いて第1ユーザに出力する。
【0127】
制御部13は、ステップS402乃至ステップS404における処理を、ステップS401において抽出した全ての第2識別情報に対し個別に実行する。例えば、制御部13は、これらの処理を、
図12に示すシリアル番号S/N:1及びS/N:5の全てに対し個別に実行する。シリアル番号S/N:1の製品はA国の全ての法規制に適合しているので、A国を出荷先とするModel aの受注製品については、シリアル番号S/N:1の製品の出荷が許可される。シリアル番号S/N:5の製品も同様にA国の全ての法規制に適合しているので、A国を出荷先とするModel aの受注製品については、シリアル番号S/N:5の製品についても出荷が許可される。
【0128】
図13は、
図1の情報処理装置10が実行する処理の第7例を説明するための模式図である。
図13は、所定の法規制の有効期限が切れて当該法規制について改正版が適用されたときの情報処理装置10の制御部13による処理について示す。制御部13は、法規制が変更されると、以下の処理を実行する。
【0129】
制御部13は、法規制が変更された国又は地域、その指令名、第1識別情報ごとの適合可否、及び有効期限を情報として取得する。例えば、制御部13は、これらの情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して第1端末装置20から受信する。
【0130】
第1ユーザは、例えば、第1端末装置20の入力部23の物理キーなどを用いて文字入力により上記の情報を入力する。第1端末装置20の制御部25は、入力部23により得られた上記の情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。
【0131】
制御部13は、取得された上記の情報を、記憶部12に格納されている第1データベース及び第2データベースに追加する。例えば、
図13に示されるように、制御部13は、変更されたA国の指令名1に関連する情報を取得すると、当該情報を、第1データベースの属性1-1乃至属性3-1に追加する。第1データベースにおいて、全ての製品型番に対し、変更された法規制に関連する情報が付与される。同様に、制御部13は、例えば、
図7の第2データベースの属性6-3の後に属性6-1-1、6-2-1、及び6-3-1として当該情報を追加する。第2データベースにおいて、全ての製品型番のシリアル番号ごとに、変更された法規制に関連する情報が付与される。
【0132】
第1ユーザは、所定の製品型番を有する製品のi号機などが、変更された法規制に適合すると、そのタイミングで、第1端末装置20の入力部23を用いて
図13の属性2-1の情報を「否」から「可」に変更する。情報処理装置10の制御部13は、ユーザからの入力情報に基づいて、記憶部12に格納されている第1データベース及び第2データベースにおける対応する適合可否の情報を更新する。
【0133】
制御部13は、第1データベースに含まれる全ての「有効期限」を、例えば1日に1回、定期的に確認し、有効期限が切れた指令名に対する適合可否の情報を「NA(Not Applicable)」と更新する。制御部13は、例えば
図9、11に示すフローチャートに含まれる各種判定処理において、「NA」の属性を示す法規制を判定対象から除外する。これにより、制御部13は、最新の法規制への適合可否のみを判定結果に反映し、有効期限の切れた法規制に対する判定処理を実行しない。
【0134】
以上のような一実施形態に係る情報処理装置10によれば、製品に対し適用される法規制の情報をユーザが容易に確認できる。情報処理装置10は、製品の第2識別情報ごとに出荷情報を関連付け、法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築することで、在庫製品及び出荷済みの製品がどの法規制に適合しているかをユーザがデータベース上で管理することを可能にする。したがって、ユーザは、製造された製品ごとにどの法規制に適合しているかを容易に管理できる。結果として、製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに管理するための工数が低減し、ユーザの手間が省かれる。
【0135】
情報処理装置10は、有効期限までの残り期間が所定期間以下になったと判定すると、該当する情報をユーザに通知する。これにより、製造した製品に対する法規制の有効期限の管理が容易となる。例えば、ユーザは、変更された法規制の施行後に対象となる国又は地域で販売できない在庫製品が保管されている場合に、法規制の有効期限が切れて法規制が変更される前に当該在庫製品を販売するべく、その保管場所及び数量を容易に管理できる。また、有効期限が切れていない国又は地域への製品の販売可否の判断が容易となる。例えば、ユーザは、所定の国又は地域で法規制が変更された後でも、従来の製品仕様及び適合規格などが依然として適用可能であり、製品を販売可能な国又は地域を容易に取得又は照合可能である。
【0136】
情報処理装置10は、ユーザにより入力された指令名に関連付けられている情報を第2データベースから読み出してユーザに提供することで、該当する法規制に適合している製品の製品型番及び在庫拠点などの必要な情報をユーザに提供可能である。ユーザは、特定の法規制に適合した在庫製品及び出荷製品を容易に把握できる。法規制への不適合などがあった場合、在庫製品及び出荷製品をユーザが把握することは必須である。情報処理装置10は、ユーザによる必要な情報の把握を容易に実現可能である。
【0137】
情報処理装置10は、ユーザにより入力された第2識別情報に関連付けられている出荷情報及び法規制情報を第2データベースから読み出してユーザに提供することで、その製品がどの法規制に対応していたかのユーザによる確認を可能にする。ユーザは、製品の故障などで製品の交換が必要となった場合、どの法規制に対応していれば良いかを明確に把握でき、在庫製品の出荷可否を容易に判断できる。すなわち、ユーザは、出荷先の製品が故障した場合、第2データベースを用いて出荷時の法規制情報を確認可能であり、どのシリアル番号を有する製品が出荷可能であるかを容易に確認できる。
【0138】
情報処理装置10は、法規制情報が法規制に対する製品の適合の可否を含むことで、例えば
図9及び
図11に示すフローチャートにおける判定処理を実行可能である。ユーザは、情報処理装置10による当該判定処理に基づいて、製品の出荷可否を容易に把握できる。
【0139】
情報処理装置10は、受注製品の第1識別情報及び出荷先の情報に関連付けられている全ての法規制に対し製品が適合していると判定すると、受注製品の出荷を許可する情報をユーザに提供する。ユーザは、第1データベースに基づく情報処理装置10のこのような判定処理に基づいて、受注製品の出荷可否を自身の端末装置で容易に確認できる。
【0140】
情報処理装置10は、受注製品の第1識別情報及び出荷先の情報に関連付けられている全ての法規制に対し製品が適合していると第2識別情報ごとに判定すると、受注製品の出荷を許可する情報をユーザに提供する。ユーザは、第2データベースに基づく情報処理装置10のこのような判定処理に基づいて、受注製品の出荷可否を自身の端末装置で容易に確認できる。
【0141】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0142】
例えば、スマートフォン又はコンピュータなどの汎用の電子機器を、上述した一実施形態に係る情報処理装置10として機能させることも可能である。具体的には、一実施形態に係る情報処理装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、電子機器のメモリに格納し、電子機器のプロセッサにより当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0143】
又は、本開示は、一実施形態に係る情報処理装置10などに各機能を実行させるために1つ又は複数のプロセッサにより実行可能なプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現し得る。本開示の範囲には、これらも包含されると理解されたい。
【0144】
上記実施形態では、情報処理装置10は、有効期限までの残り期間がユーザにより設定された所定期間以下になったと判定すると、第2データベースのうち必要な情報をユーザに通知すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような通知処理を実行しなくてもよい。
【0145】
上記実施形態では、情報処理装置10は、ユーザにより入力された指令名に関連付けられている情報を第2データベースから読み出してユーザに提供すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような提供処理を実行しなくてもよい。
【0146】
上記実施形態では、情報処理装置10は、ユーザにより入力された第2識別情報に関連付けられている出荷情報及び法規制情報を第2データベースから読み出してユーザに提供すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような提供処理を実行しなくてもよい。
【0147】
上記実施形態では、法規制情報は、法規制に対する製品の適合の可否を含むと説明したが、これに限定されない。法規制情報は、このような情報を含まなくてもよい。例えば、第1データベース及び第2データベースにおいて管理される法規制情報に法規制に対する製品の適合の可否を含めず、当該適合の可否についてはユーザ自身で別途情報を入手し確認するようにしてもよい。
【0148】
上記実施形態では、情報処理装置10は、受注製品の第1識別情報及び出荷先の情報に関連付けられている全ての法規制に対し製品が適合していると第1データベースを用いて判定すると、受注製品の出荷を許可する情報をユーザに提供すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような提供処理を実行しなくてもよい。
【0149】
上記実施形態では、情報処理装置10は、受注製品の第1識別情報及び出荷先の情報に関連付けられている全ての法規制に対し製品が適合していると第2データベースを用いて第2識別情報ごとに判定すると、受注製品の出荷を許可する情報をユーザに提供すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような提供処理を実行しなくてもよい。
【0150】
情報処理システム1は、第1ユーザの第1端末装置20及び第2ユーザの第2端末装置30を有すると説明したが、これに限定されない。第1ユーザと第2ユーザとは互いに同一のユーザであってもよく、情報処理システム1が有する端末装置の数も1つであってもよい。
【0151】
以上のような情報処理システム1は、法規制への対応を管理するための製品管理システムに応用可能である。
【0152】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに含む法規制情報を前記製品の第1識別情報ごとに関連付けた第1データベースを構築し、前記製品の第2識別情報ごとに、前記第1識別情報を含む前記製品の出荷情報を関連付け、前記第1データベースにおいて同一の前記第1識別情報に関連付けられている前記法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築する制御部、
を備える、
情報処理装置。
[付記2]
付記1に記載の情報処理装置であって、
前記法規制情報は、前記法規制の有効期限を含み、
前記制御部は、前記有効期限までの残り期間がユーザにより設定された所定期間以下になったと判定すると、前記第2データベースのうち、判定結果に該当する前記第2識別情報並びに前記第2識別情報に関連付けられている前記出荷情報及び前記法規制情報を前記ユーザに通知する、
情報処理装置。
[付記3]
付記1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記法規制情報は、前記法規制に関する指令名を含み、
前記制御部は、ユーザにより入力された前記指令名に関連付けられている前記第2識別情報、前記出荷情報、及び前記法規制情報を前記第2データベースから読み出して前記ユーザに提供する、
情報処理装置。
[付記4]
付記1乃至3のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、ユーザにより入力された前記第2識別情報に関連付けられている前記出荷情報及び前記法規制情報を前記第2データベースから読み出して前記ユーザに提供する、
情報処理装置。
[付記5]
付記1乃至4のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記法規制情報は、前記法規制に対する前記製品の適合の可否を含む、
情報処理装置。
[付記6]
付記5に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、ユーザにより入力された、受注製品の前記第1識別情報及び出荷先の情報に関連付けられている全ての前記法規制に対し前記製品が適合していると前記第1データベースを用いて判定すると、前記受注製品の出荷を許可する情報を前記ユーザに提供する、
情報処理装置。
[付記7]
付記5又は6に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、ユーザにより入力された、受注製品の前記第1識別情報及び出荷先の情報に関連付けられている全ての前記法規制に対し前記製品が適合していると前記第2データベースを用いて前記第2識別情報ごとに判定すると、前記受注製品の出荷を許可する情報を前記ユーザに提供する、
情報処理装置。
[付記8]
製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに含む法規制情報を前記製品の第1識別情報ごとに関連付けた第1データベースを構築するステップと、
前記製品の第2識別情報ごとに、前記第1識別情報を含む前記製品の出荷情報を関連付け、前記第1データベースにおいて同一の前記第1識別情報に関連付けられている前記法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築するステップと、
を含む、
情報処理方法。
[付記9]
情報処理装置に、
製品に対し適用される法規制の情報を国又は地域ごとに含む法規制情報を前記製品の第1識別情報ごとに関連付けた第1データベースを構築するステップと、
前記製品の第2識別情報ごとに、前記第1識別情報を含む前記製品の出荷情報を関連付け、前記第1データベースにおいて同一の前記第1識別情報に関連付けられている前記法規制情報をさらに関連付けた第2データベースを構築するステップと、
を含む動作を実行させる、
プログラム。
【符号の説明】
【0153】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 第1端末装置
21 通信部
22 記憶部
23 入力部
24 出力部
25 制御部
30 第2端末装置
31 通信部
32 記憶部
33 入力部
34 出力部
35 制御部
40 ネットワーク