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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142129
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】直流電力を供給する配線器具
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20241003BHJP
   H02G 3/08 20060101ALI20241003BHJP
   H02G 3/02 20060101ALI20241003BHJP
   H01R 25/00 20060101ALI20241003BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H05K7/20 Z
H02G3/08
H02G3/02
H01R25/00 A
H01R13/46 303Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054151
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 純輝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智士
(72)【発明者】
【氏名】菊池 悟
【テーマコード(参考)】
5E087
5E322
5G357
5G361
【Fターム(参考)】
5E087EE10
5E087EE11
5E087MM09
5E087QQ01
5E087QQ03
5E087RR07
5E322AB04
5E322CA05
5E322FA02
5G357CA10
5G357CB02
5G357CC01
5G357CC05
5G357CE01
5G361AA02
5G361AB12
5G361AC03
5G361AD01
(57)【要約】
【課題】断熱性能に優れた、直流電力を供給する配線器具を提供する。
【解決手段】実施形態の一例である直流電力を供給する配線器具2は、電子部品が搭載された基板と、基板に実装され直流電力を出力する端子52と、端子の電力出力側端部に位置する第一の筐体10と、電力出力側端とは反対側に設けられた第二の筐体20とを含む。配線器具2は、第一の筐体10と第二の筐体20との間、または端子52および基板の一方または両方と第一の筐体10の内壁面との間に配置された断熱部材であって、第二の筐体20よりも熱伝導率の低い材料で構成された断熱部材を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が搭載された基板と、
前記基板に実装され直流電力を出力する端子と、
前記端子の電力出力側端部に位置する第一の筐体と、
前記電力出力側端とは反対側に設けられた第二の筐体と、
前記第一の筐体と前記第二の筐体との間、または前記端子および前記基板の一方または両方と前記第一の筐体の内壁面との間に配置された断熱部材であって、前記第二の筐体よりも熱伝導率の低い材料で構成された断熱部材と、を備える、直流電力を供給する配線器具。
【請求項2】
前記断熱部材は、前記第一の筐体と前記第二の筐体との間に配置され、かつ、外面を形成する筐体の一部を構成している、
請求項1に記載の直流電力を供給する配線器具。
【請求項3】
前記第一の筐体および前記断熱部材の組立方向と、前記断熱部材および前記第二の筐体の組立方向は、同じ第一の組立方向であり、
前記第一の筐体は、前記第一の組立方向において、前記端子と重なる位置に開口が形成されている、
請求項2に記載の直流電力を供給する配線器具。
【請求項4】
前記断熱部材は、前記端子と対向する内壁面から前記端子に向かって延び、前記第一の筐体と前記基板との間に配置される壁部を有する、
請求項2に記載の直流電力を供給する配線器具。
【請求項5】
前記断熱部材は、前記第一の筐体の内壁面と前記端子および前記基板との間に配置され、かつ、前記第一の筐体の内壁面に隣接する位置に配置される、
請求項1に記載の直流電力を供給する配線器具。
【請求項6】
前記断熱部材は、シート状である、
請求項5に記載の直流電力を供給する配線器具。
【請求項7】
前記断熱部材は、前記第一の筐体の内壁面と前記基板との間に配置され、かつ、多数の気泡を含んで構成される、
請求項1に記載の直流電力を供給する配線器具。
【請求項8】
前記断熱部材は、前記第一の筐体の内壁面と前記端子との間に圧縮された状態で配置され、かつ、前記第一の筐体の内壁面と前記端子とに接触している、
請求項1に記載の直流電力を供給する配線器具。
【請求項9】
前記断熱部材が樹脂製である、
請求項1または請求項2に記載の直流電力を供給する配線器具。
【請求項10】
前記第一の筐体が樹脂製であり、前記第二の筐体が金属製である、
請求項1に記載の直流電力を供給する配線器具。
【請求項11】
前記第二の筐体が、複数の筐体に分割された構造を有する、
請求項1に記載の直流電力を供給する配線器具。
【請求項12】
前記断熱部材の輻射率が、前記第一の筐体の内壁の輻射率より低い、
請求項1に記載の直流電力を供給する配線器具。
【請求項13】
前記電子部品と前記端子との間に、遮熱部が設けられている、
請求項1に記載の直流電力を供給する配線器具。
【請求項14】
前記断熱部材は、前記第一の筐体を構成する材料の熱伝導率より低い熱伝導率を有する材料で構成される、
請求項1に記載の直流電力を供給する配線器具。
【請求項15】
USBコンセント装置である、
請求項1に記載の直流電力を供給する配線器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、直流電力を供給する配線器具に関し、特にUSB(Universal Serial Bus)端子を備えた、直流電力を供給する配線器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等の電子機器に直流電力を供給するための配線器具として、USBコンセントが広く知られている。USBコンセント等の配線器具は、電子部品が搭載された基板と、直流電力を出力する端子と、基板および端子を囲む筐体とを備える。電子部品は、交流電力を直流電力に変換する電力変換部品、および直流電力を端子から出力するための出力回路部品を含む。これらの電子部品は、複数の基板に分散配置されるか、または1つの基板に配置される。電力変換部品等の電子部品および端子は作動時に発熱する可能性があるが、従来、この発熱の影響は大きな問題ではなかった。しかし、近年、直流電力供給装置の高出力化、小型化が進んでおり、単位容積あたりの出力として定義される発熱密度は大きく増加している。
【0003】
直流電力を供給する配線器具の発熱密度の増加に伴い、壁等の設置場所に設置された状態でユーザが触れることができる電力出力側の筐体部分に電子部品等の発熱部品から発生した熱が伝わらないように、断熱性を向上することが強く求められている。特許文献1には、電子部品が搭載された基板を収容する本体ユニットが、前側、後側の2つのケーシングを固定することにより構成され、壁から露出する電力出力側端を有する前側ケーシングを樹脂により形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-137444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、直流電力を供給する配線器具を設置場所に設置した状態でユーザが触れることができる電力出力側の筐体部分に、発熱部品から発生した熱が伝わらないようにするために、発熱部品と電力出力側の筐体部分との間の熱抵抗を高くすることが考えられる。特許文献1に開示された構造を含む従来の技術では、この熱抵抗を高くすることについて十分に考慮されておらず、未だ改良の余地が大きい。特に、発熱密度が高い配線器具には、発熱部品と電力出力側の筐体部分との間の熱抵抗を高くして断熱性能に優れた構造を適用することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様である直流電力を供給する配線器具は、電子部品が搭載された基板と、基板に実装され直流電力を出力する端子と、端子の電力出力側端部に位置する第一の筐体と、電力出力側端とは反対側に設けられた第二の筐体と、第一の筐体と第二の筐体との間、または第一の筐体の内壁面と端子および基板の一方または両方との間に配置された断熱部材であって、第二の筐体よりも熱伝導率の低い材料で構成された断熱部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、断熱性能に優れた直流電力を供給する配線器具を提供できる。本開示に係る直流電力を供給する配線器具は、発熱部品と電力出力側の筐体部分である第一の筐体との間の熱抵抗を大きくできる断熱構造が形成される。このため、発熱密度が高い場合でも、発熱部品から発生する熱が、ユーザが触れることができる部分に伝わることを効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第一の実施形態である直流電力を供給する配線器具を用いたコンセントの斜視図である。
図2】第一の実施形態である直流電力を供給する配線器具の外観を示す斜視図である。
図3】第一の実施形態である直流電力を供給する配線器具の分解斜視図である。
図4】第一の実施形態である直流電力を供給する配線器具の前後方向断面図である。
図5】第一の実施形態である直流電力を供給する配線器具の電力出力側部分において断熱構造を説明するための左右方向断面図である。
図6】第一の実施形態において、第一の筐体と断熱部材との係合構造を説明するための左右方向断面図である。
図7】第二の実施形態である直流電力を供給する配線器具を示している図5に対応する図である。
図8】第三の実施形態である直流電力を供給する配線器具の概略左右方向断面図である。
図9】第四の実施形態である直流電力を供給する配線器具の概略左右方向断面図である。
図10】第五の実施形態である直流電力を供給する配線器具の概略左右方向断面図である。
図11】第六の実施形態である直流電力を供給する配線器具の概略左右方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る直流電力を供給する配線器具の実施形態の一例について詳細に説明する。なお、以下で説明する複数の実施形態および変形例の各構成要素を選択的に組み合わせてなる形態は本開示の範囲に含まれている。
【0010】
[第一の実施形態]
図1図6を参照しながら、第一の実施形態である直流電力を供給する配線器具2について詳細に説明する。図1は、配線器具2を用いたコンセント1の斜視図である。
【0011】
図1に示すように、コンセント1は、直流電力を供給する2つの配線器具2と、1つの電源コンセント装置3とを備えた配線器具であって、建物の壁100に設置されている。コンセント1は、開口部4aが形成された枠状の化粧プレート4を備え、化粧プレート4の開口部4aから配線器具2および電源コンセント装置3の前面2a,3aが露出した構造を有する。化粧プレート4は、正面視矩形枠状のプレートであって、壁100に形成される施工孔、施工孔の周囲に設置される取付枠等が見えないように覆っている。コンセント1は、例えば、取付枠にねじ止めされる枠状の金属プレートを備える。化粧プレート4は、例えば、その裏面に形成された爪を金属プレートの孔に引っ掛けることで金属プレートに固定される。
【0012】
コンセント1は、壁100に形成された施工孔に、配線器具2および電源コンセント装置3が挿入された状態で設置されている。壁面に沿うように配置されるコンセント1の前面には、配線器具2および電源コンセント装置3の前面2a,3aだけが、化粧プレート4の開口部4aから露出している。詳しくは後述するが、配線器具2は交流電力を直流電力に変換する電力変換部品等の電子部品と、直流電力を出力する端子とを含み、電子部品および端子の一方または両方からの熱を、ユーザが触れることができる部分である前面2aに伝わりにくくするための断熱構造を備える。一方、配線器具2は、電子部品から発生する熱を効果的に低減するための放熱構造が、前面2aがある電力出力側端とは反対側に設けられてもよい。
【0013】
図1に示す例では、2つの配線器具2が互いに隣接配置され、配線器具2と電源コンセント装置3が上下方向に並ぶように、コンセント1が壁100に設置されている。2つの配線器具2は電源コンセント装置3よりも上に配置されているが、配線器具2を備えるコンセントにおいて、これらの配置は特に限定されず、配線器具2の数も特に限定されない。また、配線器具2を備えるコンセントは、電源コンセント装置3の代わりに、光コンセント、LANコンセント、電話線用コンセント等を備えていてもよく、配線器具2のみを備えていてもよい。
【0014】
本明細書では、説明の便宜上、コンセント1、配線器具2、および配線器具2の各構成要素について、前後、上下、左右の方向を示す用語を使用する。前後方向は、配線器具2に接続されるコネクタが挿抜される方向を意味する。上下方向は、鉛直方向に沿った方向であり、左右方向は、上下方向および前後方向に直交する方向である。左右とは、配線器具2を前方から見た場合の左右とする。
【0015】
配線器具2の一例は、USBコンセント装置である。USBコンセント装置は、USBコネクタ102を接続可能な装置であって、交流電力を直流電力に変換する電力変換部品を含み、スマートフォン等の電子機器101に直流電力を供給する。図1では、電子機器101から延びるケーブル103のUSBコネクタ102が配線器具2に接続されている。本実施形態では、配線器具2がUSBコンセント装置であるものとして説明する。なお、電源コンセント装置3は、100V又は200Vの交流電力を出力する一般的なコンセント装置である。コンセント1の前面には、2つの配線器具2の接続口2bおよび電源コンセント装置3の接続口3bが、上下方向に並んで設けられている。
【0016】
本明細書におけるUSBには、USB1.0、USB1.1、USB2.0、USB3.0、USB3.1、USB3.2、USB4等の様々な世代(転送速度の規格)のUSBが含まれる。また、USBの端子形状は、特に限定されず、A端子、B端子、C端子、ミニUSB、マイクロUSB等のいずれであってもよい。また、図1に示す例では、配線器具2を含むコンセント1が壁100に設置されているが、配線器具2は、机、棚、カウンター台、ベッド等の什器、自動車、飛行機、鉄道車両等の乗物などに設置されてもよい。
【0017】
図2は、配線器具2の外観を示す斜視図であり、図3は、配線器具2の分解斜視図である。
【0018】
図2および図3に示すように、配線器具2は、装置の外観形状を形成する筐体として、後述の直流電力を出力する端子52の電力出力側端部に位置する第一の筐体10、電力出力側端とは反対側に設けられた第二の筐体20、および第三の筐体30を備える。第三の筐体30は、断熱部材に相当する。配線器具2は、全体として略直方体状の外観形状を有し、上下方向長さ<左右方向長さ<前後方向長さとなっている。なお、配線器具2の上下方向長さ、左右方向長さ、前後方向長さの大小関係はこれに限定されるものではない。第三の筐体30は、第二の筐体20に対してスナップフィット構造70により固定されている。第一の筐体10は、第三の筐体30に対して後述のように係止片を用いた係止構造により連結される。これにより、3つの筐体10,20,30が一体化され、電力変換部品等を収容する内部空間72(後述の図4参照)が形成される。第二の筐体20は、上下方向に分かれた第一部材20aと第二部材20bとが連結されることにより構成される。
【0019】
スナップフィット構造70は、第三の筐体30に形成された一対の固定片32と、第一部材及び第二部材の外面21,22にそれぞれ形成された、固定片32の開口部33に嵌る突起23,24とで構成されている。第一部材20aおよび第二部材20bは、上下方向に沿った第一の組立方向Xに組み立てられ、第三の筐体30は、第一部材20aおよび第二部材20bの前端部を左右両側から挟持するように設けられる。また、第一部材20aおよび第二部材20bは、第一の筐体10と反対側の端部(後端部)同士がネジ71(図3)を用いて固定されている。
【0020】
第一の筐体10には、USBコネクタ102を挿入可能な開口である接続口2bが形成され、第一の筐体10の表面がコンセント1における配線器具2の前面2aとなる。即ち、配線器具2は、接続口2bが形成された第一の筐体10の表面が化粧プレート4の開口部4aから露出するように、コンセント1の取付枠に固定される。なお、第二の筐体20と第三の筐体30は、壁100の内部に配置され、通常の使用状態においてユーザの手が触れる場所には配置されない。
【0021】
配線器具2は、交流電力を直流電力に変換する電力変換部品を含む電子部品が実装された第一の基板40と、直流電力を出力する端子52と、直流電力を出力する出力回路部品を含む電子部品が実装された第二の基板50とを備える。第一の基板40は、絶縁基板41と、絶縁基板41上に配置された、電力変換部品を含む電子部品とを有する。第二の基板50は、絶縁基板51と、絶縁基板51上に配置された、出力回路部品を含む電子部品とを有する。端子52は、USB端子であって、第二の基板50の絶縁基板51に実装されている。
【0022】
第一の筐体10及び第三の筐体30は第二の基板50を囲み、第二の筐体20の第一部材20aおよび第二部材20bは第一の基板40を囲む。第一の筐体10は、端子52の電力出力側端である前端を囲み、第三の筐体30は、第二の基板50の絶縁基板51と、絶縁基板51に配置された電子部品を囲んでいる。なお、第一の基板40の一部が第三の筐体30の内部まで延びていてもよい。逆に、第二の基板50の一部、例えば、絶縁基板51と、絶縁基板51の第二の筐体20側に配置された電子部品のみが、第二の筐体20の内部側に入り込んでいてもよい。
【0023】
第三の筐体30は、第一の筐体10と第二の筐体20との間に配置され、かつ、配線器具2の外面を形成する筐体の一部を構成している。さらに、第三の筐体30の一部である前端壁部34(後述の図5参照)は、第一の筐体10の内壁面と第二の基板50との間に配置される。さらに、第三の筐体30は、第二の筐体20よりも熱伝導率の低い材料で構成される。これにより、第一の筐体10と第三の筐体30との間で接触熱抵抗が発生するので、発熱部品である電子部品と電力出力側の筐体部分である第一の筐体10との間の熱抵抗を大きくできる断熱構造が形成される。
【0024】
配線器具2の高出力化、小型化に伴って装置の発熱密度は大きく増加しているが、上記の断熱構造が形成されるので、発熱部品から発生する熱が、ユーザが触れることができる部分である前面2aに伝わることを効果的に抑制できる。
【0025】
なお、図示は省略するが、配線器具2は、第一部材20aおよび第二部材20bの少なくとも一方の内面と、第一の基板40を構成する電力変換部品および絶縁基板41の少なくとも一方との間に介在する放熱部材を備える構成としてもよい。この構成によれば、発熱源である電力変換部品から第一部材20aまたは第二部材20bへの放熱部材を介した放熱経路を形成でき、接触熱抵抗が低く放熱性に優れた放熱構造を形成できる。また、個の放熱構造を、電力出力側とは反対側の配線器具2の後側に形成できる。
【0026】
以下、図3図6を適宜参照しながら、配線器具2の各構成要素について詳説する。図4は、配線器具2の前後方向断面図である。図5は、配線器具2の電力出力側部分において断熱構造を説明するための左右方向断面図である。図6は、第一の筐体10と第三の筐体30との係合構造を説明するための左右方向断面図である。
【0027】
[第一の基板]
図3および図4に示すように、第一の基板40は、第一部材20aと第二部材20bとが組み立てられる第二の組立方向Yに対して基板表面が垂直となるように、第一部材20aと第二部材20bとに囲まれた内部空間72に配置されている。つまり、絶縁基板41の表面の略法線方向が第二の組立方向Y(上下方向)であり、第一の基板40は、絶縁基板41の表面が左右方向および前後方向に沿うように配置されている。ここで、略法線方向とは、実質的に法線方向と認識される方向を意味し、例えば、法線から5°程度傾いた範囲を含む。
【0028】
第一の基板40は、絶縁基板41上に配置された電子部品を含むプリント配線基板である。第一の基板40は、系統電源から供給される交流電力を直流電流に変換して、第二の基板50の端子52に出力するための電源回路を含む。電源回路は、絶縁基板41の表面および内部に形成された配線により、電力変換部品が電気的に接続されて構成されている。第一の基板40には、系統電源に接続される端子が設けられ、また第一部材20aおよび第二部材20bの少なくとも一方には、系統電源につながるケーブルの挿通孔が形成される(いずれも図示せず)。
【0029】
第一の基板40は、電源回路を構成する広義の電力変換部品として、半導体素子42、トランス43、コモンモードコイル44、電解コンデンサ45等を含む。半導体素子42としては、例えば、スイッチング素子、ダイオード、トランジスタ等が含まれる。電源回路の作動時において、電力変換部品の一部が発熱するが、特に、半導体素子42とトランス43の発熱量が大きい。このため、半導体素子42およびトランス43等の電力変換部品から発生する熱が第二の筐体20に、輻射、対流および絶縁基板41等を介した熱伝導により伝わりやすい。したがって、第二の筐体20から前面2aを有する第一の筐体10への伝熱を抑制する必要がある。本実施形態では、第一の筐体10と第二の筐体20との間に第三の筐体30が配置されるので、第一の筐体10と第三の筐体30との間での接触熱抵抗が発生する。これにより、発熱部品である第一の基板40から発生する熱が、ユーザが触れることができる部分である前面2aに伝わることを効果的に抑制できる。
【0030】
本実施形態では、トランス43、コモンモードコイル44、および電解コンデンサ45が絶縁基板41の第一の面(図4の上面)上に配置され、複数の半導体素子42が絶縁基板41の第二の面(図4の下面)上に配置されているが、各電子部品の配置はこれに限定されない。
【0031】
[第二の基板]
第二の基板50は、絶縁基板51上に配置された端子52を含むプリント配線基板であって、第一の筐体10の内部空間72に配置されている。第二の基板50は、第一の基板40と電気的に接続され、第一の基板40の電源回路で変換された直流電力を端子52から出力するための出力回路を含む。本実施形態では、第二の基板50が第一の基板40に対して垂直に配置されている。すなわち、絶縁基板51の表面が第一の基板40の絶縁基板41の表面の法線方向に沿った状態である。第一の基板40と第二の基板50は、例えば、突起と、突起が挿入される開口部とを有し、互いに固定されていてもよい。
【0032】
第一の基板40が第二の筐体20の内側に固定され、第二の基板50が第三の筐体30の内側に固定されてもよい。例えば第二の筐体20の内面に図示しない部材を介して第一の基板40が固定されてもよい。例えば、第一の基板40の絶縁基板41の第二の組立方向Yの両側に配置された電子部品と第二の筐体20の内面との間に熱伝導性の高い材料製の放熱部材が挟まれた状態で、第二の筐体20に第一の基板40が固定されてもよい。また、図5に示すように、第二の基板50の絶縁基板51の左右両端の前側面は、第三の筐体30の後述の中間壁部57の内面において、後側に向いた段差面35に接触している。
【0033】
第二の基板50には、第一の基板40と反対の方向(前方)を向いた絶縁基板51の前面に、端子52、電解コンデンサ53等の電子部品が配置されている。本実施形態において、端子52の数は1つであるが、端子52の数は特に限定されず、2つ以上とすることも可能である。
【0034】
端子52は、例えば、絶縁基板51の前面の中央部に配置される。端子52は、USBコネクタ102を接続可能なUSB端子であって、全体として扁平な筒状に形成されている。なお、USB端子のタイプは特に限定されない。端子52は、第一の筐体10に形成された開口である接続口2bを介してUSBコネクタ102を挿抜可能な状態で配置されている。本実施形態では、第二の筐体20に対して第三の筐体30が組み立てられる第一の組立方向X(前後方向)に沿ってUSBコネクタ102が挿抜可能な状態で端子52が設けられている。
【0035】
[第一の筐体]
第一の筐体10は、端子52の電力出力側端(図5の上端)を囲む筐体であり、第三の筐体30の前面を覆うカバーである。上記のように、接続口2bが形成された第一の筐体1010の電力出力側端の表面が、コンセント1の前面に露出する配線器具2の前面2aとなる。接続口2bは、左右方向に延びた長孔であって、配線器具2の前方を向いた第一の筐体10の表面において左右方向および上下方向の中央部に形成されている。第一の筐体10は、正面視略矩形形状を有し、左右方向の長さが上下方向の長さよりも長い前端壁部11と、前端壁部11の周縁部から後方に延びる周壁部12とを有する。なお、接続口は、複数が形成されてもよく、また、横長形状に限定せず、縦長形状としてもよい。図6に示すように、周壁部12の後端面の左右方向両端部のそれぞれで上下方向両端部の合計4つの位置から係止片13が突出し、係止片13の先端部に、係止片13の他の部分より左右方向の厚みが大きくなった肉厚部14が設けられる。
【0036】
第一の筐体10は、金属製であってもよいが、好ましくは樹脂製である。第一の筐体10の前面2aはユーザが触れることができる部分であるため、第一の筐体10は、第一の基板40および第二の基板50からの熱が伝わり難い樹脂材料で構成されることが好ましい。第一の筐体10を構成する樹脂は、特に限定されないが、一例としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。
【0037】
[第三の筐体]
第三の筐体30は、第二の基板50を収容する内部空間72を形成する筐体であり、第一の筐体10に結合される。第三の筐体30は、正面視略矩形状であり、前端に前端壁部34を有し、左右方向両端部に段差部が形成された段付きの矩形筒状である。前端壁部34は、左右方向及び上下方向の中央部に、端子52の中間部が前後方向に貫通可能な正面視略矩形状の開口36(図5)を有する。さらに、前端壁部34の左右方向両端部のそれぞれで上下方向両端部である合計4つの位置には、前後方向に貫通する係止孔37(図6)が形成される。係止孔37は正面視略矩形状であり、左右方向の幅が、第一の筐体10に設けられた係止片13の肉厚部14以外の部分の左右方向の厚みより大きいが、肉厚部14の左右方向の厚みより小さくなっている。これにより、第一の筐体10の係止片13が肉厚部14を弾性変形させながら第三の筐体30の係止孔37に挿入され、肉厚部14が係止孔37の縁に係止されることにより、第一の筐体10と第三の筐体30とが連結される。この状態で、第一の筐体10の後端面が第三の筐体30の前端壁部34の前面に、接触または近接対向する。
【0038】
さらに、第三の筐体30は、後側の断面略矩形の筒状部55が、前端壁部34を有する左右方向の中央部分の断面略矩形の筒状部56より左右方向外側に張り出した幅広形状となっている。後側の筒状部55の左右方向両端部の前端には段差部となる中間壁部57が設けられる。これにより、第三の筐体30は、左右方向両端部の前側面が左右方向中央部の前端壁部34より後側に凹んだ形状を有する。第三の筐体30は、この凹んだ部分にコンセント1の取付枠に嵌合する突起31が形成されている。
【0039】
第三の筐体30は、第二の筐体20よりも熱伝導率の低い材料で構成され、例えば樹脂製である。第三の筐体30を構成する樹脂は、第一の筐体10の場合と同様に、特に限定されないが、一例としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。第三の筐体30は、後述のように、第一の筐体10と熱伝導率が同じ材料、例えば樹脂材料から構成されてもよい。一方、第三の筐体30は、第一の筐体10を構成する材料の熱伝導率より低い熱伝導率を有する材料で構成されてもよい。例えば、第一の筐体10を金属製とすると共に、第三の筐体30を樹脂製としてもよい。
【0040】
さらに、第三の筐体30は、端子52と対向する左右方向に向いた内壁面から端子に向かって延び、第一の筐体10と第二の基板50との間に配置される前端壁部34を有する。これにより、後述のように、第二の基板50からの熱の対流および輻射による、第二の基板50から第一の筐体10の前面2aへの伝熱を抑制できる。
【0041】
第三の筐体30は、スナップフィット構造70を構成する固定片32を有する。固定片32は、第三の筐体30の左右両端部から後方に延出した板状部分であって、左右両端部に1つずつ形成されている。左右の固定片32は、互いに同じ形状、同じ大きさを有し、第二の筐体20の第一部材20aおよび第二部材20bを左右両側から挟持するように形成されている。固定片32は、第一部材20aおよび第二部材20bの外面21,22に当接し、材料の弾性を利用して外面21,22を左右から押圧する。各固定片32には、外面21,22の突起23,24がそれぞれ嵌合する2つの開口部33が形成されている。
【0042】
第三の筐体30が、第二の筐体20に組み付けられる第一の組立方向Xは、第二の組立方向Yの略法線方向である。例えば、第二の基板50が固定された第一の基板40を、第二の筐体20の第一部材20aおよび第二部材20bに囲まれた内部空間72に収容した後、第一の筐体10に第一の組立方向Xに組み付けられた第三の筐体30が、スナップフィット構造70により、第二の筐体20に対し、第一の組立方向Xに組み付けられる。なお、第一の筐体10を第三の筐体30に組み付ける順番は、第三の筐体30を第二の筐体20に組み付けた後でもよい。
【0043】
上記のように、第一の筐体10および第三の筐体30の組立方向と、第三の筐体30および第二の筐体20の組立方向とは、同じ第一の組立方向Xである。また、第一の筐体10は、第一の組立方向Xにおいて、端子52と重なる位置に開口である接続口2bが形成されている。
【0044】
[第二の筐体20]
第二の筐体20は、電力変換部品が搭載された第一の基板40を収容する筐体であって、第一の筐体10と異なり、コンセント1の前面には露出しない。第一の基板40の一部は第一の筐体10の内部空間72に配置されていてもよいが、発熱量が大きい半導体素子42、トランス43等は、第二の筐体20の内部空間72のみに配置されることが好ましい。配線器具2は、第一の基板40の電力変換部品から発生した熱が、第一の筐体10に伝わり難い構造を有し、他方、第二の筐体20には効率良く伝達される構成としてもよい。
【0045】
第二の筐体20は、第三の筐体30よりも熱伝導率の高い材料で構成され、発熱源から伝達された熱を効率良く装置外部に放熱するために、好ましくは金属製である。第二の筐体20を構成する金属は、特に限定されないが、熱伝導性、軽量性、加工性等の観点から、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。第二の筐体20は、第一部材20aと第二部材20bとが、第一の基板40を挟むように対向配置されて第二の組立方向Yに組み立てられることにより、有底角筒状に形成される。これにより、第二の筐体20は、複数の筐体に分割された構造を有する。
【0046】
第一部材20aは、第一の基板40の絶縁基板41と実質的に平行に配置される主壁25と、主壁25の端部に設けられた側壁26a、26b、26cとを含む。主壁25は矩形形状を有し、側壁26a、26b、26cは主壁25の三辺に沿ってそれぞれ形成されている。側壁26a、26b、26cは、主壁25よりも小さな矩形形状の壁であって、例えば、主壁25に対して垂直に形成され、互いに同じ高さを有する。主壁25および側壁26a、26b、26cは、第二部材20bと組み合わされることにより、有底角筒体の筒壁を形成する。
【0047】
第二部材20bは、第一部材20aと同様の外観形状を有する。第二部材20bは、第一の基板40の絶縁基板41と実質的に平行に配置される主壁27と、主壁27の端部に設けられた側壁28a、28b、28cとを含む。主壁27は、第一部材の主壁25と実質的に同じ大きさを有し、主壁25と平行に配置される。側壁28a、28b、28cは、主壁27の三辺に沿ってそれぞれ形成されている。側壁28a、28b、28cは、例えば、主壁28に対して垂直に形成され、互いに同じ高さを有する。
【0048】
第一部材20aおよび第二部材20bからなる有底角筒体は、第一の基板40を収容する有底角筒状のケースであって、主壁25,27同士が互いに平行に配置され、各部材の側壁同士を突き合わせて形成されている。主壁25,27の第一の筐体10側の前端部には側壁が存在しないため、当該ケースの前端部には開口部が形成される。なお、各筐体の側壁には、互いに係合する突起と溝のような嵌合構造が形成されていてもよい。
【0049】
第一部材20aの側壁26bには、ネジ71を通す貫通孔29が形成されている。また、第二部材20bの側壁28bの内面には、第一部材20aの内部まで延びたリブ60が形成されている。リブ60は、ネジ71が締結されるネジ孔を有する。本実施形態では、側壁26bの貫通孔29に挿入されて、リブ60のネジ孔に締結されるネジ71を用いて、第一部材20aおよび第二部材20bの後端部同士が互いに固定されている。
【0050】
第一部材20aおよび第二部材20bの左右両端の側壁26a、26c、28a、28cには、スナップフィット構造70を構成する突起23,24が形成される。各突起23,24は、例えば扁平な四角柱形状である。突起23,24は、固定片32の開口部33の縁に引っ掛かって筐体の連結状態を維持可能なものであればよい。また、側壁26a、26c、28a、28cの外面21,22には、突起23,24を囲むように凹部61,62が形成されている。第三の筐体30の固定片32が、第一部材20aおよび第二部材20bの凹部61、62に嵌り、固定片32の開口部33に突起23,24が嵌合することにより、2つの部材20a、20bと第三の筐体30との安定した連結状態が維持される。
【0051】
本実施形態では、第二の筐体20が、上下方向に分かれた第一部材20aと第二部材20bとを上下方向である第二の組立方向Yに組み立てることにより構成される。一方、第二の筐体20は、これに限定せず、例えば、左右方向に分かれた第一部材と第二部材とを左右方向である第三方向に組み立てることにより構成されてもよい。または、第二の筐体20は、角筒状の第一部材と、第一部材の後端開口を塞ぐ第二部材とを、第一の組立方向Xに組み立てることにより構成されてもよい。または、第二の筐体20は、有底角筒状の単一の部材により形成され、第一の基板40が前端開口から内側に組み付け可能である構成としてもよい。
【0052】
[効果]
本実施形態では、第三の筐体30は、第一の筐体10と第二の筐体20との間に配置され、かつ、配線器具2の外面を形成する筐体の一部を構成している。さらに、第三の筐体30の一部である前端壁部34は、第一の筐体10の内壁面と第二の基板50との間に配置される。さらに、第三の筐体30は、第二の筐体20よりも熱伝導率の低い材料で構成される。これにより、上記のように、第一の筐体10と第三の筐体30との間で接触熱抵抗が発生するので、発熱部品である電子部品と電力出力側の筐体部分である第一の筐体10との間の熱抵抗を大きくできる断熱構造が形成される。このため、発熱部品から発生する熱が、ユーザが触れることができる部分である前面2aに伝わることを効果的に抑制できる。また、第三の筐体30が前端壁部34を有し、その前端壁部34が第一の筐体10と第二の基板50との間に配置されることによっても、発熱部品から発生する熱が前面2aに伝わることを効果的に抑制できる。
【0053】
例えば、ユーザが触れることができる前面2aの主な受熱経路として以下の5経路が考えられる。
(1)第二の基板50および端子52からの熱の対流
(2)第二の基板50および端子52からの熱の輻射
(3)第二の基板50からの熱伝導
(4)第二の筐体20からの熱伝導
(5)端子52からの熱伝導
これらの受熱経路では、第二の基板50、端子52、および、第二の筐体20に囲まれる第一の基板40が発熱部品である。
【0054】
本実施形態によれば、これらのうち、(1)~(4)の受熱経路における熱抵抗を増大できる。具体的には、(1)(2)について、本例の構成では、第三の筐体30は、端子52と対向する左右方向に向いた内壁面から端子52に向かって延び、第一の筐体10と第二の基板50との間に配置される前端壁部34を有する。これにより、第二の基板50および端子の後側部分からの熱の対流および輻射が、前端壁部34を持つ第三の筐体30を介して第一の筐体10に伝わるので、(1)(2)の受熱経路における熱抵抗が増大する。このため、第二の基板50および端子52から第一の筐体10の前面2aへの伝熱を抑制できる。
【0055】
(3)について、第一の筐体10と第二の筐体20との間に第三の筐体30が連結されるので、第一の筐体10および第三の筐体30の接触部または対向部間での、微小隙間の存在により、接触熱抵抗が発生する。これにより、(3)の受熱経路における熱抵抗が増大する。このため、第二の基板50から第一の筐体10の前面2aへの熱伝導を抑制できる。
【0056】
(4)について、(3)と同様に、第一の筐体10および第三の筐体30の接触部または対向部間での、微小隙間の存在により、接触熱抵抗が発生する。これにより、(4)の受熱経路における熱抵抗が増大する。このため、第二の筐体20から、第一の筐体10の前面2aへの熱伝導を抑制できる。したがって、本例の構成によれば、前面2aの受熱経路における熱抵抗を増大できるので、発熱部品である、第一の基板40および第二の基板50から発生する熱が前面2aに伝わることを効果的に抑制できる。例えば、本例の構成によれば、配線器具2の発熱密度が高くなる場合でも、前面2aでの温度上昇値を30度以下に抑制しやすくなる。
【0057】
(3)(4)について、第一の筐体10および第三の筐体30の熱伝導率が同じ場合でも効果がある。このため、第一の筐体10および第三の筐体30は、同じ材料、例えば樹脂により形成されてもよい。
【0058】
なお、上記では、配線器具2に設ける基板が第一の基板40および第二の基板50の2つである場合を説明したが、これに限定せず、例えば、配線器具2に設ける基板は、3つ以上でもよく、または、第二の筐体20内、または第三の筐体30内に配置される1つの基板のみとしてもよい。
【0059】
[第二の実施形態]
図7を参照しながら、第二の実施形態である配線器具2Aについて説明する。以下では、第一の実施形態と共通する構成については同じ符号を用いて重複する説明を省略または簡略化し、主に第一の実施形態との相違点を説明する。
【0060】
図7は、第二の実施形態である配線器具2Aを示している図5に対応する図である。図7に示すように、配線器具2Aは、第三の筐体30aが、第二の基板50に配置された電子部品と端子52との間に設けられた遮熱部38を含む点で、第一の実施形態の配線器具2と異なる。遮熱部38は、前端壁部34の内面から後方に延びるように突出した隔壁状である。遮熱部38の先端は、第二の基板50の絶縁基板51付近まで延びている。遮熱部38により端子52に対し仕切られる電子部品は、例えば電解コンデンサ53である。電解コンデンサ53は、出力回路を構成する部品であり、端子52より耐熱性が低い。耐熱性が低いとは、例えば、正常に動作可能な温度範囲を示す作動保証温度(性能保証温度)の上限が低いことである。また、端子52は、USBコネクタ102(図1)が接続され、外部の電子機器101(図1)への直流電力の出力が行われる場合に発熱する発熱部品である。
【0061】
本実施形態では、遮熱部38が設けられることにより、端子52から放射される熱が電解コンデンサ53等の耐熱性が低い電子部品に影響することを抑制できる。遮熱部38は、端子52と電解コンデンサ53との間を遮るように配置される。
【0062】
遮熱部38は、熱伝導性の低い材料で構成されることが好ましい。遮熱部38は、樹脂製の第三の筐体30aに一体に設けられるので、遮熱部38も樹脂により形成される。遮熱部は、これに限定するものではなく、端子と電解コンデンサ等の電子部品との間を遮る、第三の筐体から独立した板部材、または、電子部品に被せることができる断面矩形または円形等の筒形状の部材としてもよい。この場合も遮熱部は、樹脂により構成できる。また、遮熱部は、多数の気泡を含むものであってもよい。遮熱部は、例えば、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム、フェノールフォーム等の発泡材料、或いはセルロースファイバー等の繊維材料で構成されてもよい。
【0063】
第二の基板50に、発熱量が高い第一の電子部品と、第一の電子部品より発熱量が低く、かつ耐熱性が低い第二の電子部品とが配置される場合に、第一の電子部品と第二の電子部品との間に遮熱部が設けられてもよい。例えば第一の電子部品として、半導体素子やトランスが挙げられ、第二の電子部品として電解コンデンサが挙げられる。この場合,遮熱部により、第一の電子部品から放射される熱が、第二の電子部品に影響することを抑制できる。このように遮熱部が設けられることにより、電解コンデンサ45等の作動保証温度が低い電子部品に対する熱影響を効果的に抑制できる。
【0064】
[第三の実施形態]
図8を参照しながら、第三の実施形態である配線器具2Bについて説明する。図8は、配線器具2Bの概略左右方向断面図である。以下では、第一の実施形態と共通する構成については同じ符号を用いて重複する説明を省略または簡略化し、主に第一の実施形態との相違点を説明する。
【0065】
図8に示すように、配線器具2Bは、第一の筐体10aが直接に、第二の筐体20に連結されている。また、第一の筐体10aの内壁面に剛性を有する剛性部品である断熱部材81が隣接して配置されている。なお、図8では、第一の筐体10aおよび第二の筐体20の内部空間72に配置される第一の基板40の図示を省略している。
【0066】
具体的には、第一の筐体10aは、第一の実施形態の第一の筐体10と、第三の筐体30において、前端壁部34がない形状とを一体化させたような形状を有する。このため、第一の筐体10aは、前端に前端壁部11を有し、左右方向両端部に段差部が形成された段付きの矩形筒状である。より具体的には、第一の筐体10aは、後側の断面略矩形の筒状部8282が、前端壁部11を有する左右方向の中央部分の断面略矩形の筒状部83より左右方向外側に張り出した幅広形状となっている。後側の筒状部82の左右方向両端部の前端には段差部となる中間壁部84が設けられる。これにより、第一の筐体10aは、左右方向両端部の前側面が左右方向中央部の前端壁部11より後側に凹んだ形状を有する。第一の筐体10aは、この凹んだ部分にコンセント1(図1)の取付枠に嵌合する突起(図示せず)が形成されている。
【0067】
第一の筐体10aは、筒状部82の左右方向両端の後端に、スナップフィット構造を構成する固定片85を有する。固定片85の形状は、第一の実施形態の第三の筐体30に設けられた固定片32と同様である。また、第二の基板50に配置された端子52の電力出力側端は、第一の筐体10aの前端壁部11の接続口2bに入り込み、前端壁部11で囲まれている。
【0068】
一方、断熱部材81は、端子52および第二の基板50と第一の筐体10aの内壁面との間に配置され、かつ、第一の筐体10aの内壁面に隣接する位置に配置される。断熱部材81は、第一の筐体10aの内面の略全面に隣接するように嵌まり合うことが可能な形状である。このため、断熱部材81は、前端壁部11の内面に隣接する前端壁部86と、前端壁部86の周縁部から後方に延びる前側の筒状部87および後側の筒状部88と、後側の筒状部88の左右両端部の前端に設けられた中間壁部89とを有する。各筒状部87,88および中間壁部89は、それぞれ第一の筐体10aの各筒状部82,83および中間壁部84の内壁面に隣接する。
【0069】
なお、隣接とは、対象の面に接触する場合と、対象の面に非接触で微小隙間を介して対向する場合との両方の意味を有する。例えば、断熱部材81の各筒状部87,88および中間壁部89は、それぞれ第一の筐体10aの各筒状部82,83および中間壁部84の内壁面に接触させるが、断熱部材81の前端壁部86は、第一の筐体10aの前端壁部11の内壁面に非接触で、微小隙間を介して対向させる構成としてもよい。
【0070】
一方、断熱部材81には、第一の筐体10aと異なり、固定片は形成されていない。第二の基板50は、後側の筒状部88の内側に嵌り込み、中間壁部89の内壁面に接触している。また、前端壁部86には、端子52の中間部が前後方向に貫通可能な開口90が形成される。
【0071】
断熱部材81は、第一の実施形態の第三の筐体30と同様に、第二の筐体20よりも熱伝導率の低い材料で構成され、好ましくは、第三の筐体30を構成する樹脂と同様の樹脂により形成される。
【0072】
本実施形態の場合には、第二の基板50および端子52の後側部分からの対流および輻射による熱が、断熱部材81を介して第一の筐体10aに伝わる。これにより、第一の実施形態で説明した「(1)第二の基板50および端子52からの熱の対流」、および「(2)第二の基板50および端子52からの熱の輻射」の受熱経路における熱抵抗が増大する。このため、第二の基板50および端子52から第一の筐体10aの前面2aへの伝熱を抑制できる。
【0073】
また、第二の基板50からの伝導による熱が、断熱部材81を介して第一の筐体10aに伝わる。これにより、第二の基板50と第一の筐体10aの前面2aとの間の熱伝導経路において、第一の筐体10aおよび断熱部材81の間での接触熱抵抗が発生する。これにより、第一の実施形態で説明した「(3)第二の基板50からの熱伝導」の受熱経路における熱抵抗が増大する。このため、第二の基板50から第一の筐体10の前面2aへの伝熱を抑制できる。
【0074】
(3)について、第一の筐体10aおよび断熱部材81の熱伝導率が同じ場合でも効果がある。このため、第一の筐体10aおよび断熱部材81は、同じ材料、例えば樹脂により形成されてもよい。
【0075】
上記では、断熱部材81が剛性を有する剛性部品である場合を説明した。一方、断熱部材は、柔軟性を有するシート部材により構成されてもよい。例えば、ゴム製のシート材により形成されるシート部材を第一の筐体10aの内面に貼り付けてもよい。また、断熱部材は、第一の筐体10aの内壁より輻射率が低い構成としてもよい。これにより、第二の基板50および端子52から第一の筐体10aの前面2aへの伝熱を抑制できる。さらに、断熱部材は、第一の筐体10aより熱伝導率が低い材料により構成されてもよい。
【0076】
断熱部材の輻射率を低くする構成として、例えば透明基板上に金属層を形成することができる。例えば、金属層として、近赤外線を反射して遮熱性を高めるとともに、遠赤外線を反射することにより断熱性を高める作用を得られるものを用いる。金属層の材料としては、遠赤外線の反射率が高いものが好ましく、Ag、Au、Cu、Ni、Cr、Fe、Al等を主成分とするものが好ましく用いられる。透明基板としては、ガラス板や可撓性の透明樹脂フィルム等が用いられる。また、断熱部材として、透明基板にガラス板を用いた低放射率ガラスにおいて、ガラス表面にAg等の金属と化学物質を組み合わせた多層コーティングを施した構成を用いることもできる。
【0077】
また、断熱部材81は第一の筐体および第二の筐体のいずれかに、スナップフィット等の係止構造、またはねじ止め等により固定されてもよい。
【0078】
なお、図8の構成において、断熱部材8を第一の筐体10bの内壁面の全面に隣接して配置した構成としてもよい。
【0079】
[第四の実施形態]
図9を参照しながら、第四の実施形態である配線器具2Cについて説明する。図9は、配線器具2Cの概略左右方向断面図である。以下では、第一の実施形態または第三の実施形態と共通する構成については同じ符号を用いて重複する説明を省略または簡略化し、主に第一の実施形態または第三の実施形態との相違点を説明する。
【0080】
図9に示すように、配線器具2Cは、第一の筐体10bの内壁面に、剛性を有する剛性部品である断熱部材81aが隣接して配置されている。断熱部材81aは、第三の実施形態の断熱部材81の場合と異なり、第一の筐体10bの前側の筒状部83と前端壁部11との内壁面のみに隣接するように配置されている。
【0081】
具体的には、断熱部材81aは、前端壁部11の内面に隣接する前端壁部86と、前端壁部86の周縁部から後方に延びる筒状部87とを有する有底矩形筒状である。筒状部87は、第一の筐体10bの前側の筒状部83の内壁面に隣接する。筒状部87の開口端は、第一の筐体10bの中間壁部84の内面から後側(図9の下側)には突出しない。
【0082】
第一の筐体10bの後側の筒状部82aの前端部は、第三の実施形態の第一筐体よりも厚みが大きくなっており、その内壁面に第二の基板50の絶縁基板51が嵌合されている。また、絶縁基板51の左右方向両端部の前側面は、中間壁部84の内面に接触している。
【0083】
本実施形態の構成では、第二の基板が断熱部材を介さずに、直接的に第一の筐体10bに接触している。これにより、本実施形態は、第三の実施形態と異なり、「(3)第二の基板50からの熱伝導」の受熱経路における熱抵抗が増大する効果は得られない。一方、本実施形態は、第三の実施形態と同様に、「(1)第二の基板50および端子52からの熱の対流」、および「(2)第二の基板50および端子52からの熱の輻射」の受熱経路における熱抵抗が増大する効果は得られる。
【0084】
なお、本実施形態においても、第三の実施形態と同様に、断熱部材は、柔軟性を有するシート部材により構成されてもよい。また、断熱部材は、第一の筐体10bの内壁より輻射率が低い構成としてもよい。さらに、断熱部材は、第一の筐体10bより熱伝導率が低い材料により構成されてもよい。
【0085】
[第五の実施形態]
図10を参照しながら、第五の実施形態である配線器具2Dについて説明する。図10は、配線器具2Dの概略左右方向断面図である。以下では、第一の実施形態または第四の実施形態と共通する構成については同じ符号を用いて重複する説明を省略または簡略化し、主に第一の実施形態または第四の実施形態との相違点を説明する。
【0086】
図10に示すように、配線器具2Dは、第一の筐体10bの前側の筒状部83の内壁面に、断熱部材91が隣接して配置されている。断熱部材91は、第四の実施形態の断熱部材81aと異なり、第一の筐体10bの内壁面と第二の基板50との間に配置される。また、断熱部材91は、第一の筐体10bの内壁面と端子52との間に圧縮された状態で配置され、かつ、第一の筐体10bの内壁面と端子52とに接触している。また、断熱部材91は、第一の筐体10bと第二の基板50の絶縁基板51、および端子52とで囲まれる空間内の略全体に敷き詰められている。
【0087】
断熱部材91は、第二の筐体20よりも熱伝導率の低い材料で構成される。断熱部材91は、第一の筐体10bよりも熱伝導率の低い材料で構成されてもよい。断熱部材91は、多数の気泡を含んで構成される。断熱部材91は、例えば、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム、フェノールフォーム等の発泡材料で構成されてもよい。
【0088】
なお、図10の構成では、断熱部材91が、第一の筐体10bの前側の筒状部83の内壁面および前端壁部11の内壁面の全体に敷き詰められているが、断熱部材は前端壁部11の内壁面に接触させず、非接触で微小隙間を介して対向させてもよい。
【0089】
本実施形態の構成では、断熱部材91が、第一の筐体10bの前側の筒状部83の内壁面および前端壁部11の内壁面の略全体に敷き詰められている。これにより、第二の基板50または端子52の後側部分からの熱の対流が発生せず、第二の基板50または端子52の後側部分からの熱が、熱伝導率の低い断熱部材91を介して、熱伝導または輻射により第一の筐体10bに伝わる。これにより、第四の実施形態と同様に、「(1)第二の基板50および端子52からの熱の対流」、および「(2)第二の基板50および端子52からの熱の輻射」の受熱経路における熱抵抗が増大する効果を得られる。
【0090】
また、本実施の形態では、断熱部材91は、第一の筐体10bの内壁面と端子52との間に圧縮された状態で配置され、かつ、第一の筐体10bの内壁面と端子52とに接触している。これにより、断熱部材91を第一の筐体10bに組み付ける際に、第二の基板50の端子52の周囲に断熱部材91を嵌め込んだ状態で断熱部材91を圧縮しながら、断熱部材91を第一の筐体10b内に押し込むように第二の基板50を移動させればよく、組み付け作業性を高くできる。
【0091】
なお、断熱部材は、樹脂等から構成され、剛性を有する剛性部品として、第一の筐体10bの前側の筒状部83の内壁面および前端壁部11の内壁面の略全体に敷き詰められた構成としてもよい。
【0092】
また、第一の筐体10bの熱伝導率が十分に低ければ、断熱部材と第一の筐体10bの熱伝導率が同じでも、上記の(1)(2)の効果が得られる。このため、断熱部材の熱伝導率を第一の筐体10bの熱伝導率と同じとすることもできる。例えば、断熱部材と第一の筐体10bとを、樹脂製で、剛性を有する剛性部品とし、熱伝導率を互いに同じとすることもできる。
【0093】
[第六の実施形態]
図11を参照しながら、第六の実施形態である配線器具2Eについて説明する。図11は、配線器具2Eの概略左右方向断面図である。以下では、第一の実施形態または第五の実施形態と共通する構成については同じ符号を用いて重複する説明を省略または簡略化し、主に第一の実施形態または第五の実施形態との相違点を説明する。
【0094】
図10に示すように、配線器具2Eは、第五の実施形態の場合と異なり、断熱部材92は、第一の筐体10b、第二の基板50の絶縁基板51、および端子52で囲まれる空間内の一部である、第一の筐体10bの筒状部83の内側奥部のみに敷き詰められている。また、断熱部材92は、第一の筐体10bの内壁面と端子52との間に圧縮された状態で配置され、かつ、第一の筐体10bの内壁面と端子52とに接触している。
【0095】
本実施形態の構成によれば、第二の基板50または端子52の後側部分からの対流および輻射による熱が、熱伝導率の低い断熱部材92を介して第一の筐体10bに伝わる。これにより、第四の実施形態と同様に、「(1)第二の基板50および端子52からの熱の対流」、および「(2)第二の基板50および端子52からの熱の輻射」の受熱経路における熱抵抗が増大する効果を得られる。一方、本実施形態では、第一の筐体10bの筒状部83の内側の空間の存在により、第二の基板50または端子52の後側部分からの対流は発生するので、(1)による効果は第五の実施形態の方が高いと考えられる。
【0096】
なお、本実施の形態において、断熱部材は、樹脂等から構成され、剛性を有する剛性部品として、第一の筐体10bの前側の筒状部83の内側奥部のみに敷き詰められた構成としてもよい。
【0097】
また、第二の実施形態から第六の実施形態において、ユーザが触れることができる部分の温度上昇を抑制できる効果は低くなるが、断熱部材が、第一の筐体の内壁面と端子および基板の一方である、端子のみとの間に配置された構成とすることもできる。
【0098】
なお、上記各実施形態は、本開示の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。本開示の直流電力を供給する配線器具は、複数の実施形態および変形例の各構成要素を選択的に組み合わせてなる形態であってもよい。
【0099】
上記で説明した本開示の構成は、以下の通りである。
(構成1)
電子部品が搭載された基板と、
前記基板に実装され前記直流電力を出力する端子と、
前記端子の電力出力側端部に位置する第一の筐体と、
前記電力出力側端とは反対側に設けられた第二の筐体と、
前記第一の筐体と前記第二の筐体との間、または前記端子および前記基板の一方または両方と前記第一の筐体の内壁面との間に配置された断熱部材であって、前記第二の筐体よりも熱伝導率の低い材料で構成された断熱部材と、を備える、直流電力を供給する配線器具。
(構成2)
前記断熱部材は、前記第一の筐体と前記第二の筐体との間に配置され、かつ、外面を形成する筐体の一部を構成している、
構成1に記載の直流電力を供給する配線器具。
(構成3)
前記第一の筐体および前記断熱部材の組立方向と、前記断熱部材および前記第二の筐体の組立方向は、同じ第一の組立方向であり、
前記第一の筐体は、前記第一の組立方向において、前記端子と重なる位置に開口が形成されている、
構成2に記載の直流電力を供給する配線器具。
(構成4)
前記断熱部材は、前記端子と対向する内壁面から前記端子に向かって延び、前記第一の筐体と前記基板との間に配置される壁部を有する、
構成2に記載の直流電力を供給する配線器具。
(構成5)
前記断熱部材は、前記第一の筐体の内壁面と前記端子および前記基板との間に配置され、かつ、前記第一の筐体の内壁面に隣接する位置に配置される、
構成1に記載の直流電力を供給する配線器具。
(構成6)
前記断熱部材は、シート状である、
構成5に記載の直流電力を供給する配線器具。
(構成7)
前記断熱部材は、前記第一の筐体の内壁面と前記基板との間に配置され、かつ、多数の気泡を含んで構成される、
構成1に記載の直流電力を供給する配線器具。
(構成8)
前記断熱部材は、前記第一の筐体の内壁面と前記端子との間に圧縮された状態で配置され、かつ、前記第一の筐体の内壁面と前記端子とに接触している、
構成1に記載の直流電力を供給する配線器具。
(構成9)
前記断熱部材が樹脂製である、
構成1または構成2に記載の直流電力を供給する配線器具。
(構成10)
前記第一の筐体が樹脂製であり、前記第二の筐体が金属製である、
構成1から構成9のいずれか1つに記載の直流電力を供給する配線器具。
(構成11)
前記第二の筐体が、複数の筐体に分割された構造を有する、
構成1から構成10のいずれか1つに記載の直流電力を供給する配線器具。
(構成12)
前記断熱部材の輻射率が、前記第一の筐体の内壁の輻射率より低い、
構成1から構成11のいずれか1つに記載の直流電力を供給する配線器具。
(構成13)
前記電子部品と前記端子との間に、遮熱部が設けられている、
構成1から構成12のいずれか1つに記載の直流電力を供給する配線器具。
(構成14)
前記断熱部材は、前記第一の筐体を構成する材料の熱伝導率より低い熱伝導率を有する材料で構成される、
構成1から構成13のいずれか1つに記載の直流電力を供給する配線器具。
(構成15)
USBコンセント装置である、
構成1から構成14のいずれか1つに記載の直流電力を供給する配線器具。
【符号の説明】
【0100】
1 コンセント、2,2A,2B,2C,2D,2E 直流電力を供給する配線器具(配線器具)、2a,3a 前面、2b,3b 接続口、3 電源コンセント装置、4 化粧プレート、4a 開口部、10,10a、10b 第一の筐体、11 前端壁部、12 周壁部、13 係止片、14 肉厚部、20 第二の筐体、20a 第一部材、20b 第二部材、21,22 外面、23,24 突起、25,27 主壁、29 貫通孔、30 第三の筐体、31 突起、32 固定片、33 開口部、34 前端壁部、35 段差面、36 開口、37 係止孔、38 遮熱部、40 第一の基板、41,51 絶縁基板、42 半導体素子、43 トランス、44 コモンモードコイル、45,53 電解コンデンサ、50 第二の基板、51 絶縁基板、52 端子、55,56 筒状部、57 中間壁部、60 リブ、61,62 凹部、70 スナップフィット構造、71 ネジ、72 内部空間、80 遮熱部、81,81a 断熱部材、82,83、82a 筒状部、84 中間壁部、85 固定片、86 前端壁部、87,88 筒状部、89 中間壁部、90 開口、91,92 断熱部材、100 壁、101 電子機器、102 USBコネクタ、103 ケーブル
図1
図2
図3
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図5
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図11