(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142145
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】車両用制御装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/08 20060101AFI20241003BHJP
B60Q 1/00 20060101ALI20241003BHJP
B60Q 1/04 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B60Q1/08
B60Q1/00 C
B60Q1/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054176
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 康平
(72)【発明者】
【氏名】三宅 正倫
(72)【発明者】
【氏名】村岡 悟
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339BA01
3K339BA22
3K339CA01
3K339CA24
3K339CA25
3K339GB01
3K339GB21
3K339JA10
3K339KA02
3K339MA05
3K339MC03
3K339MC13
3K339MC77
(57)【要約】
【課題】車外環境に応じた適切な外部照明の点灯制御を行う。
【解決手段】車両用制御装置20は、外部照明制御部20Bと、変更部20Cと、を備える。外部照明制御部20Bは、車両の外部の照度が閾値以下となったときに車両の外部照明24を自動的に点灯させる。変更部20Cは、車両に設けられたワイパー22の作動状況に基づいて閾値を変更する。変更部20Cは、ワイパー22の作動状況の度合いが所定度合い以上と判断したときに、閾値を現在の設定値より低い値に変更する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外部の照度が閾値以下となったときに前記車両の外部照明を自動的に点灯させる外部照明制御部と、
前記車両に設けられたワイパーの作動状況に基づいて前記閾値を変更する変更部と、
備え、
前記変更部は、
前記ワイパーの前記作動状況の度合いが所定度合い以上と判断したときに、前記閾値を現在の設定値より低い値に変更する、
車両用制御装置。
【請求項2】
前記ワイパーの作動状況の度合いは、
前記ワイパーの作動速度および作動回数を含み、
前記変更部は、
前記作動速度が前記所定度合いである所定速度以上であると判断したときに、前記閾値を初期設定値より低い第1設定値に変更し、
前記作動速度が前記所定速度未満であり、且つ前記作動回数が前記所定度合いである所定回数以上であると判断したときに、前記閾値を前記初期設定値より低く且つ前記第1設定値より高い第2設定値に変更する、
請求項1に記載の車両用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のワイパーの作動速度が高速作動となったときに、車両のライトを自動的に点灯制御する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、車両の外部の明るさに拘わらずワイパーの作動速度に応じてライトが自動点灯されており、車外の照度がライト不要な明るさである場合であってもライトが点灯制御される場合があった。すなわち、従来技術では、車外環境に応じた適切な外部照明の点灯制御が行われていなかった。
【0005】
本開示が解決しようとする課題は、車外環境に応じた適切な外部照明の点灯制御を行うことができる車両用制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる車両用制御装置は、外部照明制御部と、変更部と、を備える。外部照明制御部は、車両の外部の照度が閾値以下となったときに前記車両の外部照明を自動的に点灯させる。変更部は、車両に設けられたワイパーの作動状況に基づいて閾値を変更する。変更部は、前記ワイパーの前記作動状況の度合いが所定度合い以上と判断したときに、前記閾値を現在の設定値より低い値に変更する。
【発明の効果】
【0007】
本開示にかかる車両用制御装置によれば、車外環境に応じた適切な外部照明の点灯制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、車載システムの一例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、外部照明制御部が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、変更部が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本開示に係る情報処理装置および情報処理システムの実施形態を説明する。
【0010】
図1は、本実施形態の車載システム1の一例を示す模式図である。車載システム1は、車両に搭載されたシステムである。
【0011】
車載システム1は、ワイパスイッチ12と、ライトスイッチ14と、信号処理ECU(Electronic Control Unit)16と、照度センサ18と、車両用制御装置20と、ワイパー22と、外部照明24と、を備える。
【0012】
ワイパスイッチ12およびライトスイッチ14と信号処理ECU16とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。信号処理ECU16、照度センサ18、ワイパー22、および外部照明24と、車両用制御装置20とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
【0013】
ワイパスイッチ12は、ユーザによって操作される操作スイッチであり、ワイパー22の作動モードの選択を受付けるためのスイッチである。
【0014】
ワイパー22は、車両のガラスを払拭する機構である。例えば、ワイパー22は、車両のフロントガラスを払拭するためのフロントワイパー、および、リアウィンドウを払拭するためのリアワイパー等である。
【0015】
ワイパー22の作動モードは、ワイパー22の作動回数および作動速度の異なる複数のモードを含む。
【0016】
ワイパー22の作動速度は、ワイパー22の払拭速度である。ワイパー22の作動回数は、単位時間あたりにワイパー22が作動した回数である。言い換えると、ワイパー22の作動回数は、単位時間あたりの払拭回数である。詳細には、例えば、棒状のワイパー22が一端部を支点として回動するように動作することでウィンドウを払拭する場面を想定する。この場合、作動回数は、例えば、一往復の回動(払拭)を1回としてカウントしたときの、単位時間当たりの払拭回数である。なお、作動回数は、一方向への回動(払拭)を1回としてカウントしたときの、単位時間当たりの払拭回数であってもよい。
【0017】
例えば、ワイパー22の作動モードには、ワイパーオフモード、間欠動作モード、低速動作モード、および高速動作モード、等の作動モードが含まれる。
【0018】
ワイパーオフモードとは、ワイパー22の作動停止を表す作動モードである。間欠動作モードとは、ワイパー22を一定の間隔を隔てて間欠的に動作させるモードである。低速動作モードとは、連続して低速で動作させるモードである。高速動作モードとは、連続して高速で動作させるモードである。低速とは、所定速度未満の速度である。高速とは、所定速度以上の速度である。
【0019】
ユーザはワイパスイッチ12を操作することで、所望の作動モードとなるようにワイパー22の作動モードを切り替え選択することが可能である。
【0020】
ライトスイッチ14は、ユーザによって操作される操作スイッチであり、外部照明24の点灯モードの選択を受付けるためのスイッチである。
【0021】
外部照明24は、車両に設けられ、車両の外部を照らすための照明である。外部照明24は、例えば、ヘッドライト、車幅灯、番号灯、テールランプ等である。本実施形態では、外部照明24が、少なくともヘッドライトを含む形態を想定して説明する。
【0022】
外部照明24の点灯モードは、点灯条件および消灯条件の少なくとも一方の異なる複数のモードを含む。例えば、外部照明24の点灯モードは、消灯モード、手動点灯モード、およびオート点灯モードを含む。
【0023】
消灯モードとは、外部照明24の常時消灯を表す点灯モードである。手動点灯モードとは、ユーザによるライトスイッチ14の操作指示に応じた点灯内容で外部照明24を点灯させるモードである。言い換えると、手動点灯モードとは、ユーザが手動で外部照明24の点灯および消灯のための操作を行うモードである。
【0024】
オート点灯モードとは、車両の外部の照度が閾値以下となったときに車両の外部照明24を自動的に点灯させるモードである。
【0025】
ユーザはライトスイッチ14を操作することで、所望の点灯モードとなるようにライトスイッチ14の点灯モードを切り替え選択することが可能である。
【0026】
例えば、ワイパスイッチ12およびライトスイッチ14は1つのコンビネーションスイッチとして構成され、ワイパスイッチ12およびライトスイッチ14の各々の複数のモードを切り替えるための複数のスイッチを有する。具体的には、例えば、ワイパスイッチ12およびライトスイッチ14は、車両のハンドル軸から突出して設けられたレバーの角度、レバー先端部のレバー本体部に対する回転位置、および回転位置の操作維持時間、等を調整することで、ワイパスイッチ12およびライトスイッチ14の各々の上記何れかのモードを選択可能に構成されている。
【0027】
信号処理ECU16は、ワイパスイッチ12およびライトスイッチ14の各々のユーザによる操作によって切り替えられたモードを表す信号を車両用制御装置20へ出力する。
【0028】
詳細には、信号処理ECU16は、ユーザによるワイパスイッチ12の操作によって選択された、ワイパーオフモード、間欠動作モード、低速動作モード、または高速動作モードを表す作動モード情報を、ワイパー22の現在選択されている作動モードとして車両用制御装置20へ出力する。
【0029】
また、信号処理ECU16は、ユーザによるライトスイッチ14の操作によって選択された、消灯モード、手動点灯モード、またはオート点灯モードを表す点灯モード情報を、外部照明24の現在選択されている点灯モードとして車両用制御装置20へ出力する。
【0030】
照度センサ18は、車両の外部の照度を検出する公知のセンサである。照度センサ18は、車両の外部の照度の検出結果を車両用制御装置20へ出力する。
【0031】
車両用制御装置20は、車両に設けられたECUであり、車両に設けられたワイパー22の作動および外部照明24の点灯消灯を制御する。
【0032】
車両用制御装置20は、ワイパー作動制御部20Aと、外部照明制御部20Bと、変更部20Cと、を備える。
【0033】
ワイパー作動制御部20A、外部照明制御部20B、および変更部20Cの一部または全ては、例えば、CPU等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよい。また、ワイパー作動制御部20A、外部照明制御部20B、および変更部20Cの一部または全ては、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよい。また、ワイパー作動制御部20A、外部照明制御部20B、および変更部20Cの一部または全ては、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
【0034】
ワイパー作動制御部20Aは、ワイパー22の作動を制御する。詳細には、ワイパー作動制御部20Aは、信号処理ECU16から受付けた作動モード情報によって表される、現在選択されているワイパー22の作動モードに応じて、ワイパー22の作動を制御する。
【0035】
例えば、現在選択されているワイパー22の作動モードがワイパーオフモードである場合を想定する。この場合、ワイパー作動制御部20Aは、ワイパー22を作動させない、すなわち停止させるように制御する。また、現在選択されているワイパー22の作動モードが間欠動作モードである場合を想定する。この場合、ワイパー作動制御部20Aは、ワイパー22を間欠動作させるように制御する。詳細には、この場合、ワイパー作動制御部20Aは、ワイパー22を一定の間隔を隔てて間欠的に動作させるように制御する。ワイパー22を動作させるように制御するとは、ワイパー22にウィンドウの払拭動作を実行させるように制御することを意味する。
【0036】
また、現在選択されているワイパー22の作動モードが低速動作モードである場合を想定する。この場合、ワイパー作動制御部20Aは、ワイパー22を低速で連続して動作させるように制御する。また、現在選択されているワイパー22の作動モードが高速動作モードである場合を想定する。この場合、ワイパー作動制御部20Aは、ワイパー22を高速で連続して動作させるように制御する。
【0037】
なお、ワイパー作動制御部20Aは、ワイパスイッチ12から信号処理ECU16を介して受け付けた現在選択されているワイパー22の作動モードの作動モード情報に替えて、または該現在選択されている作動モード情報と共に、車両の走行状況に応じてワイパー22の作動を制御してもよい。例えば、ワイパー作動制御部20Aは、車両に設けられた降雨センサによって検出された降雨状況および車両の車速の少なくとも一方の情報に応じて、車両の乗員の視界が遮られることを抑制する適切な作動モードを選択し、選択した作動モードに応じてワイパー22の作動を制御してもよい。
【0038】
また、ワイパー作動制御部20Aは、ワイパー22の作動制御内容を表す作動状況情報を、後述する変更部20Cへ出力する。
【0039】
例えば、ワイパー作動制御部20Aは、ワイパー22の作動モードがワイパーオフモードであり、ワイパー22を作動させないように制御中である場合、ワイパー22の停止を表す作動状況情報を変更部20Cへ出力する。また、ワイパー作動制御部20Aは、ワイパー22の作動モードが間欠動作モードであり、一定の間隔を隔ててワイパー22を動作(すなわち間欠動作)させるように制御中である場合、該制御による該間欠動作時のワイパー22の作動速度および作動回数を表す作動状況情報を、変更部20Cへ出力する。また、ワイパー作動制御部20Aは、ワイパー22の作動モードが低速動作モードであり、低速で連続してワイパー22を動作させるように制御中である場合、該制御による該低速動作モードの動作時のワイパー22の作動速度および作動回数を表す作動状況情報を、変更部20Cへ出力する。また、ワイパー作動制御部20Aは、ワイパー22の作動モードが高速動作モードであり、高速で連続してワイパー22を動作させるように制御中である場合、該制御による該高速動作モードの動作時のワイパー22の作動速度および作動回数を表す作動状況情報を、変更部20Cへ出力する。
【0040】
外部照明制御部20Bは、車両の外部の照度が閾値以下となったときに、車両の外部照明24を自動的に点灯させる。言い換えると、外部照明制御部20Bは、外部照明24の点灯モードがオート点灯モードであるときに車両の外部の照度が閾値以下となった場合に、車両の外部照明24を自動的に点灯させる。
【0041】
詳細には、外部照明制御部20Bは、現在選択されている外部照明24の点灯モード情報に応じて、外部照明24の点灯消灯を制御する。
【0042】
例えば、外部照明制御部20Bは、信号処理ECU16から受付けた点灯モード情報によって表される、現在選択されている外部照明24の点灯モードに応じて、外部照明24の点灯消灯を制御する。
【0043】
例えば、現在選択されている外部照明24の点灯モードが、消灯モードである場合を想定する。この場合、外部照明制御部20Bは、外部照明24を消灯させるように制御する。また、現在選択されている外部照明24の点灯モードが、手動点灯モードである場合を想定する。この場合、外部照明制御部20Bは、ユーザによるライトスイッチ14の操作によって手動点灯モードが選択されたときに、外部照明24を点灯制御する。
【0044】
また、例えば、現在選択されている外部照明24の点灯モードが、オート点灯モードである場合を想定する。この場合、外部照明制御部20Bは、車両の外部の照度が閾値以下となったときに、車両の外部照明24を自動的に点灯させる。外部照明制御部20Bは、照度センサ18から取得した車両の外部の照度が閾値以下であるか否かを判別し、該照度が該閾値以下である場合、外部照明24を自動的に点灯させる。
【0045】
変更部20Cは、車両に設けられたワイパー22の作動状況に基づいて、該閾値を変更する。すなわち、変更部20Cは、オート点灯モードであるときに外部照明制御部20Bが外部照明24を点灯するか否かの判断に用いる閾値を、ワイパー22の作動状況に応じて変更する。外部照明制御部20Bは、オート点灯モード時に、変更部20Cによって変更された閾値を用いて、外部照明24を点灯させるか否かを判断する。
【0046】
変更部20Cは、ワイパー22の作動状況の度合いが所定度合い以上と判断したときに、閾値を現在の設定値より低い値に変更する。
【0047】
ワイパー22の作動状況とは、ワイパー22の作動状況を表す情報である。ワイパー22の作動状況の度合いは、具体的には、ワイパー22の作動速度、およびワイパー22の作動回数によって表される。
【0048】
変更部20Cは、ワイパー作動制御部20Aから現在のワイパー22の作動状況情報を取得することで、ワイパー22の現在の作動状況を取得する。そして、変更部20Cは、取得したワイパー22の作動状況を用いて、作動状況の度合いが所定度合い以上と判断したときに、閾値を現在の設定値より低い値に変更する。
【0049】
詳細には、本実施形態では、変更部20Cは、ワイパー22の作動状況によって表される作動速度が所定度合いである所定速度以上であると判断したときに、外部照明制御部20Bで用いる閾値を、初期設定値T3より低い第1設定値T1に変更する。
【0050】
変更部20Cが作動速度の判断に用いる所定速度は、予め定めればよい。例えば、所定速度は、ワイパー22の作動モードである低速動作モードと高速動作モードとの切り分けに用いる速度と同じ速度を定めてもよい。例えば、ある速度未満のワイパー22の動作を低速動作モードとし、該ある速度以上のワイパー22の動作を高速動作モードとする場合を想定する。この場合、所定速度として、該ある速度と同じ値を予め設定してもよいし、異なる速度を設定してもよい。また、この所定速度は、ユーザによる操作指示などに応じて適宜変更可能としてもよい。
【0051】
また、変更部20Cは、ワイパー22の作動状況によって表される作動速度が上記所定速度未満であり、且つ該作動状況によって表される作動回数が上記所定度合いである所定回数以上であると判断したときに、上記閾値を初期設定値T3より低く且つ第1設定値T1より高い第2設定値T2に変更する。
【0052】
変更部20Cが作動回数の判断に用いる所定回数は予め定めればよい。例えば、所定回数は4回などであるが、この値に限定されない。また、この所定回数は、ユーザによる操作指示などに応じて適宜変更可能としてもよい。
【0053】
変更部20Cが、ワイパー22の作動状況に応じて閾値を変更することで、外部照明制御部20Bが外部照明24の点灯の判断に用いる閾値は、初期設定値T3、初期設定値T3より小さい第2設定値T2、または第2設定値2より小さい第1設定値T1、の何れかの設定値に変更される。
【0054】
変更部20Cは、外部照明制御部20Bによる処理中に上記変更処理を割り込み処理により繰り返し実行する。このため、外部照明24の点灯モードがオート点灯モードである場合、外部照明制御部20Bは、変更部20Cによってワイパー22の作動状況に応じて順次変更される最新の閾値を用いて、車両の外部の照度が該閾値以下である場合、車両の外部照明24を自動点灯させる。
【0055】
例えば、外部照明24の点灯モードがオート点灯モードであり、ワイパー22の作動状況の度合いが時間経過に伴って大きくなり、且つ、車両の外部の照度が同じ照度である場面を想定する。この場合、本実施形態の車両用制御装置20では、変更部20Cが上記処理により閾値を変更することで、より早いタイミングで車両の外部照明24を自動点灯させることができる。
【0056】
また、例えば、外部照明24の点灯モードがオート点灯モードであり、ワイパー22の作動状況の度合いが時間経過に伴って小さくなり、且つ、車両の外部の照度が同じ照度である場面を想定する。この場合、本実施形態の車両用制御装置20では、変更部20Cが上記処理により閾値を変更することで、より遅いタイミングで車両の外部照明24を自動点灯させることができる。
【0057】
また、例えば、外部照明24の点灯モードがオート点灯モードであり、ワイパー22の作動状況の度合いが一定であり、且つ、車両の外部の照度が時間経過に伴って変動する場合を想定する。この場合、本実施形態の車両用制御装置20では、変更部20Cは作動状況の度合いが一定であるため閾値を変更しない。このため、外部照明制御部20Bは、車両の外部の照度が閾値以上となったときに外部照明24を自動的に点灯させることで、車両の外部の照度に応じて車両の外部照明24を自動点灯させることができる。
【0058】
このため、本実施形態の車両用制御装置20は、車外環境に応じた適切な外部照明24点灯制御を行うことができる。
【0059】
次に、本実施形態の車両用制御装置20が実行する情報処理の流れの一例を説明する。
【0060】
図2は、本実施形態の外部照明制御部20Bが実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0061】
外部照明制御部20Bは、現在選択されている点灯モードがオート点灯モードであるか否かを判断する(ステップS100)。外部照明制御部20Bは、信号処理ECU16から受付けた点灯モード情報によって表される、現在選択されている外部照明24の点灯モードが、オート点灯モードであるか否かを判別することでステップS100の判断を行う。
【0062】
現在選択されている点灯モードがオート点灯モードではない場合(ステップS100:No)、ステップS102へ進む。ステップS102では、外部照明制御部20Bは、現在選択されている手動点灯モードまたは消灯モードに応じた点灯制御を実行する(ステップS102)。すなわち、外部照明制御部20Bは、現在選択されている外部照明24の点灯モードが消灯モードである場合、外部照明24を消灯させるように制御する。また、現在選択されている外部照明24の点灯モードが手動点灯モードである場合、外部照明制御部20Bは、ユーザによるライトスイッチ14の操作によって手動点灯モードが選択されたときに、外部照明24を点灯制御する。そして、本ルーチンを終了する。
【0063】
一方、現在選択されている点灯モードがオート点灯モードである場合(ステップS100:Yes)、ステップS104へ進む。ステップS104では、外部照明制御部20Bは、車両の外部の照度が閾値以下であるか否かを判断する。外部照明制御部20Bは、照度センサ18の検出結果によって表される車両の外部の照度が、閾値以下であるか否かを判別することで、ステップS104の判断を行う。
【0064】
車両の外部の照度が閾値以下であると判断すると(ステップS104:Yes)、ステップS106へ進む。外部照明制御部20Bは、外部照明24を自動点灯させ(ステップS106)、本ルーチンを終了する。また、車両の外部の照度が閾値以下ではない場合(ステップS104:No)、本ルーチンを終了する。
【0065】
次に、変更部20Cが実行する情報処理の流れの一例を説明する。
【0066】
図3は、変更部20Cが実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。変更部20Cは、
図2に示す外部照明制御部20Bによる外部照明の点灯制御中に、
図3に示す処理ルーチンを割り込み処理により繰り返し実行する。このため、外部照明制御部20Bが点灯制御に用いる閾値は、変更部20Cによってワイパー22の作動状況の度合いに応じて逐次変更される。
【0067】
変更部20Cは、現在選択されている点灯モードがオート点灯モードであるか否かを判断する(ステップS200)。変更部20Cは、信号処理ECU16から受付けた点灯モード情報によって表される、現在選択されている外部照明24の点灯モードが、オート点灯モードであるか否かを判別することでステップS200の判断を行う。
【0068】
現在選択されている外部照明24の点灯モードが手動点灯モードまたは消灯モードである場合(ステップS200:No)、ステップS202へ進む。ステップS202では、変更部20Cは、閾値を初期設定値T3に変更する(ステップS202)。そして、本ルーチンを終了する。
【0069】
一方、現在選択されている外部照明24の点灯モードがオート点灯モードである場合(ステップS200:Yes)、ステップS204へ進む。ステップS204では、変更部20Cは、ワイパー22の現在の作動速度および作動回数を、ワイパー22の現在の作動状況の度合いとして取得する(ステップS204)。
【0070】
変更部20Cは、ステップS204で取得した作動状況の度合いがワイパー22の停止を表すか否かを判断する(ステップS206)。ワイパー22の停止と判断した場合(ステップS206:Yes)、変更部20Cは、閾値を初期設定値T3に変更する(ステップS208)。そして、本ルーチンを終了する。
【0071】
一方、ステップS206でワイパー22が停止していない、すなわち作動中であると判断した場合(ステップS206:No)、ステップS210へ進む。ステップS210では、変更部20Cは、ステップ204で取得したワイパー22の作動速度が所定速度以上であるか否かを判断する(ステップS210)。ワイパー22の作動速度が所定速度以上であると判断した場合(ステップS210:Yes)、変更部20Cは、閾値を第1設定値T1に変更する(ステップS212)。第1設定値T1は、上述したように、初期設定値T3より低く、且つ、第2設定値T2より低い設定値である。そして、本ルーチンを終了する。
【0072】
一方、ステップS210でワイパー22の作動速度が所定速度未満であると判断すると(ステップS210:No)、ステップS214へ進む。ステップS214では、変更部20Cは、ワイパー22の作動回数が所定回数以上であるか否かを判断する(ステップS214)。ワイパー22の作動回数が所定回数以上であると判断した場合(ステップS214:Yes)、ステップS216へ進む。ステップS216では、変更部20Cは、閾値を第2設定値T2に変更する(ステップS216)。第2設定値T2は、上述したように、初期設定値T3より低く、第1設定値T1より高い設定値である。そして、本ルーチンを終了する。
【0073】
ステップS214でワイパー22の作動回数が所定回数未満であると判断すると(ステップS214:No)、ステップS218へ進む。ステップS218では、変更部20Cは、閾値と初期設定値T3に変更する(ステップS218)。そして、本ルーチンを終了する。
【0074】
以上説明したように、本実施形態の車両用制御装置20は、外部照明制御部20Bと、変更部20Cと、を備える。外部照明制御部20Bは、車両の外部の照度が閾値以下となったときに車両の外部照明24を自動的に点灯させる。変更部20Cは、車両に設けられたワイパー22の作動状況に基づいて閾値を変更する。変更部20Cは、ワイパー22の作動状況の度合いが所定度合い以上と判断したときに、閾値を現在の設定値より低い値に変更する。
【0075】
このように、本実施形態の車両用制御装置20では、変更部20Cがワイパー22の作動状況の度合いに応じて閾値を変更し、外部照明制御部20Bは、車両の外部の照度が該閾値以下となったときに外部照明24を自動的に点灯させる。
【0076】
このため、本実施形態の車両用制御装置20は、車両の外部の明るさおよびワイパー22の作動状況の度合いの双方に応じた外部照明24の点灯制御を行うことができる。
【0077】
従って、本実施形態の車両用制御装置20は、車外環境に応じた適切な外部照明24の点灯制御を行うことができる。
【0078】
また、本実施形態の車両用制御装置20では、外部照明制御部20Bは車両の外部の照度が閾値以下となったときに外部照明24を自動的に点灯させる。
【0079】
このため、本実施形態の車両用制御装置20では、ワイパー22が作動している場合であっても、車両の外部が閾値未満の明るい照度を示す場合には外部照明24を点灯させないように制御することができ、また、車両の外部が閾値以下の暗い照度を示す場合には外部照明24を自動点灯するように制御することができる。
【0080】
よって、本実施形態の車両用制御装置20は、上記効果に加えて、ユーザによる外部照明24の手動点灯操作の煩わしさの低減、および、視界不良による車両の外部照明24の早期点灯、の両立を図ることができる。
【0081】
また、本実施形態の車両用制御装置20は、ワイパー22の作動状況の度合いである作動速度が所定速度以上であると判断したときに、閾値を初期設定値T3より低い第1設定値T1に変更する。また、車両用制御装置20は、ワイパー22の作動状況の度合いである作動速度が所定速度未満であり、且つ作動回数が所定回数以上であると判断したときに、閾値を初期設定値T3より低く且つ第1設定値T1より高い第2設定値T2に変更する。初期設定値T3と、第2設定値T2と、第1設定値T1との関係は、初期設定値T3>第2設定値T2>第1設定値T1の関係を示す。
【0082】
このように、本実施形態の変更部20Cでは、ワイパー22の作動状況の度合いである作動速度が所定速度以上である場合には、閾値を最も低い値である第1設定値T1に設定する。このため、本実施形態の車両用制御装置20では、ワイパー22の作動速度が所定速度以上と速い場合には、視界不良の度合いが高いとし、外部照明24をより早期に自動点灯可能とすることができる。
【0083】
また、本実施形態の変更部20Cでは、外部照明24の点灯モードがオート点灯モードではない場合、外部照明24の点灯モードがオート点灯モードであり且つワイパー22が停止している場合、または、外部照明24の点灯モードがオート点灯モードであり且つ作動状況の度合いが所定度合い未満(作動速度が所定速度未満、作動回数が所定回数未満)である場合には、閾値を初期設定値T3に変更する。このため、本実施形態の車両用制御装置20は、ワイパー22の作動状況の度合いおよび外部照明24の点灯モードに応じて、閾値を初期設定値T3に戻す。
【0084】
よって、本実施形態の車両用制御装置20は、車外環境に応じた適切な外部照明24の点灯制御を行うことができる。
【0085】
なお、上記実施形態の車両用制御装置20で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、HDD(ハードディスクドライブ)に記憶されていてもよい。また、上記実施形態の車両用制御装置20で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、ROM(Read Only Memory)に予め組み込まれて提供されていてもよい。
【0086】
また、上記実施形態の車両用制御装置20で実行される上記処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disc)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるようにしてもよい。また、上記実施形態の車両用制御装置20で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、上記実施形態の情報処理装置10で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
【0087】
なお、上記には、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
20 車両用制御装置
20B 外部照明制御部
20C 変更部
22 ワイパー
24 外部照明