(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142146
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】流し台の固定構造、水栓柱の固定構造、及び固定部材
(51)【国際特許分類】
E03C 1/18 20060101AFI20241003BHJP
E03B 9/20 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
E03C1/18
E03B9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054177
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000108719
【氏名又は名称】タキロンシーアイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 真翔
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061BA06
2D061BD10
2D061BG01
2D061DE01
(57)【要約】
【課題】意匠性や設置の自由度を低下させることなく、流し台や水栓柱を簡単に地面に固定する。
【解決手段】流し台の固定構造は、流し台10と、地中に埋設された埋設板20と、を備える。流し台10は、地面に載置され、排水を流す排水口12dを有する流し台本体11と、一端部が流し台本体11の裏面部に形成された複数の被固定部16にそれぞれ固定される一方、他端部がそれぞれ地中に埋設される複数の支柱30と、を有し、埋設板20は、流し台本体11の下側の地中に埋設されるとともに、被固定部16に対応する位置に複数の支柱30がそれぞれ貫通する複数の支柱貫通部21を有し、各支柱30の他端部は、複数の支柱貫通部21をそれぞれ貫通して、地中にそれぞれ埋設されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外設置用の流し台を地面に固定するための流し台の固定構造であって、
流し台と、
地中に埋設された埋設板と、を備え、
前記流し台は、
地面に載置され、排水を流す排水口を有する流し台本体と、
一端部が前記流し台本体の裏面部に形成された複数の被固定部にそれぞれ固定される一方、他端部がそれぞれ地中に埋設される複数の支柱と、
を有し、
前記埋設板は、前記流し台本体の下側の地中に埋設されるとともに、前記被固定部に対応する位置に前記複数の支柱がそれぞれ貫通する複数の支柱貫通部を有し、
前記各支柱の前記他端部は、前記複数の支柱貫通部をそれぞれ貫通して、地中にそれぞれ埋設されていることを特徴とする流し台の固定構造。
【請求項2】
請求項1に記載の流し台の固定構造において、
前記排水口には、排水配管が接続され、
前記排水配管は、前記埋設板に形成された配管貫通部を貫通して、該埋設板よりも上側で前記排水口に接続されていることを特徴とする流し台の固定構造。
【請求項3】
請求項1に記載の流し台の固定構造において、
前記各支柱の少なくとも前記他端部は、それぞれ中空であることを特徴とする流し台の固定構造。
【請求項4】
請求項1に記載の流し台の固定構造において、
前記各被固定部は、前記支柱の横断面と相似する横断面形状を有しかつ上側に向かって横断面積が小さくなりかつ最小横断面積が前記支柱の横断面積よりも小さい孔部をそれぞれ有し、
前記各支柱貫通部は、前記支柱の横断面と相似する横断面形状をそれぞれ有するとともに、横断面積が前記支柱の横断面積よりもそれぞれ大きいことを特徴とする流し台の固定構造。
【請求項5】
請求項1に記載の流し台の固定構造において、
前記各支柱貫通部の周囲に、前記支柱の横断面積よりも小さい貫通孔をもつ弾性部材を備えることを特徴とする流し台の固定構造。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つに記載の流し台の固定構造において、
前記流し台本体に隣接して配置され、上端側に水栓が取り付けられた水栓柱を更に備え、
前記埋設板は、前記水栓柱の下端部が貫通する水栓柱貫通部を有し、
前記水栓柱の前記下端部は、前記水栓柱貫通部を貫通して地中に埋設されており、
前記水栓柱の前記下端部と前記埋設板とは、地中において力学的に接続されていることを特徴とする流し台の固定構造。
【請求項7】
屋外設置用の水栓柱の固定構造であって、
上端側に水栓が取り付けられた水栓柱と、
前記水栓柱の下端部が貫通する水栓柱貫通部を有し、地中に埋設された埋設板と、を備え、
前記水栓柱貫通部は、前記埋設板の端部又は端部の近傍位置に形成されており、
前記水栓柱の前記下端部は、前記水栓柱貫通部を貫通して地中に埋設されており、
前記水栓柱と前記埋設板とは、地中において力学的に接続されていることを特徴とする水栓柱の固定構造。
【請求項8】
屋外設置用の流し台及び水栓柱の少なくとも一方を地面に固定するための固定部材であって、
前記流し台が載置された地面の地中に埋設された埋設板を備え、
前記埋設板は、一端部が前記流し台の裏面部に形成された複数の被固定部にそれぞれ固定されかつ他端部が地中にそれぞれ埋設される複数の支柱が貫通する複数の支柱貫通部、及び前記埋設板の端部又は端部の近傍位置に形成されかつ前記水栓柱の下端部が貫通しかつ前記水栓柱と前記埋設板とが、地中において前記水栓柱と力学的に接続された水栓柱貫通部の少なくとも一方を有することを特徴とする固定部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、流し台の固定構造、水栓柱の固定構造、及び固定部材に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
最近では、屋外に設置する流し台や水栓柱は、シンプルなデザインが好まれるようになり、材料も比較的軽量なものが採用されるようになっている。流し台等が軽量化されると、風等により流し台等が動きやすくなるため、流し台等を動かないように地面に固定するための固定構造が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、流し台本体の裏面に装着された状態で、流し台本体の底面から突出して流し台本体の設置部に埋め込まれる埋め込み部を有し、この埋め込み部にその側方に張り出す張出部が設けられている固定金具により、流し台を地面に固定する構造が開示されている。
【0004】
また、特許文献1では、流し台本体に水栓柱を配置させるための切欠部が形成されている。
【0005】
また、特許文献2では、水栓柱の外周を囲繞する囲繞部と、該囲繞部を取り囲む外側環部と、囲繞部の外周から外側環部の内周へと延びる複数のリブを備える水栓柱用固定板を用いて、水栓柱を水栓が地上に位置した状態で固定する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-248592号公報
【特許文献2】特開平10-114973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載のような固定構造では、流し台本体と固定金具の一端部とを接続した後で、固定金具の他端部をモルタルに埋設させるという作業が必要になる。モルタル施工が必要になると、養生を行ったり、モルタルが硬化するまでの時間が必要になったりして、手間がかかる。
【0008】
また、特許文献1に記載のものでは、水栓柱は、水栓柱を流し台本体の切欠部を通して固定するようになっている。このような切欠部を設けると、流し台本体に大きな凹凸構造が出来てしまい、意匠性が悪化してしまう。また、水栓柱を地面に固定するために、水栓柱をある程度深く埋設する必要がある。このため、布基礎のように基礎部分が住宅の壁面よりも外側に張り出す基礎を採用している住宅に対しては、水栓柱を壁面に寄せにくく、設置の自由度が低下してしまう。
【0009】
また、布基礎を用いた住宅など、水栓柱を深く埋設できない場合に、水栓柱を住宅の壁面に寄せて配置するときには、水栓柱を金具で該壁面に直接締結する方法が知られている。しかし、締結箇所が目立ってしまうため、意匠性が低下してしまう。
【0010】
特許文献2に記載のような水栓柱用固定板を用いれば、流し台本体に切欠部を設けずとも水栓柱を地面に固定することができる。しかしながら、水栓柱を地面に固定するためには、外側環部をある程度大きくする必要があるため、住宅の壁面に寄せることが困難となり、この場合も、設置の自由度を高くすることが難しい。また、外側環部を大きくすると、水栓柱用固定板の底面積分の底面を有する穴を、水栓柱の埋設深さまで掘らなくてはならないため、設置に手間がかかる。
【0011】
ここに開示された技術は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、意匠性や設置の自由度を低下させることなく、流し台や水栓柱を簡単に地面に固定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、ここに開示された技術の第1の態様では、屋外設置用の流し台を地面に固定するための流し台の固定構造を対象として、流し台と、地中に埋設された埋設板と、を備え、前記流し台は、地面に載置され、排水を流す排水口を有する流し台本体と、一端部が前記流し台本体の裏面部に形成された複数の被固定部にそれぞれ固定される一方、他端部がそれぞれ地中に埋設される複数の支柱と、を有し、前記埋設板は、前記流し台本体の下側の地中に埋設されるとともに、前記被固定部に対応する位置に前記複数の支柱がそれぞれ貫通する複数の支柱貫通部を有し、前記各支柱の前記他端部は、前記複数の支柱貫通部をそれぞれ貫通して、地中にそれぞれ埋設されている、という構成とした。
【0013】
この構成によると、モルタル等を用いずに、埋設板と支柱の他端部とを地中に埋設させればよいため、流し台を簡単に設置させることができる。設置した後は、風等により流し台本体があおられても、地中に埋設された支柱が流し台本体を支えるため、流し台本体が動くことが抑制される。
【0014】
また、支柱貫通部と流し台本体の被固定部とが対応しているため、支柱を被固定部に対応するように簡単に位置決めすることができる。このため、流し台を簡単に地面に固定することができる。
【0015】
また、被固定部は流し台本体の裏面部に形成されているため、流し台を地面に設置した状態では支柱は見えないか、少なくとも目立たない。このため、意匠性を高くすることができる。
【0016】
したがって、意匠性や設置の自由度を低下させることなく、流し台を簡単に地面に固定することができる。
【0017】
ここに開示された技術の第2の態様では、前記第1の態様において、前記埋設板は、上側から見て、その外縁部が前記流し台本体の外側に位置しており、前記排水口には、排水配管が接続され、前記排水配管は、前記埋設板に形成された配管貫通部を貫通して、該埋設板よりも上側で前記排水口に接続されている。
【0018】
この構成により、排水配管と埋設板との相対位置が決まるため、流し台の設置がより簡単になる。また、排水配管が配管貫通部を貫通して埋設板よりも上側で排水口に接続されていることにより、埋設板の移動が抑制されるため、埋設板を埋め戻す際の施工が簡単になる。
【0019】
ここに開示された技術の第3の態様では、前記第1の態様において、前記支柱の少なくとも前記他端部は中空である。
【0020】
この構成により、支柱を地中に挿し込みやすくなって、流し台の設置がより簡単になる。また、支柱の内側に土が入り込むため、支柱の外側及び内側に地中からの摩擦が働くようになって、支柱が抜けにくくなる。これにより、流し台をより効果的に地面に固定することができる。
【0021】
ここに開示された技術の第4の態様では、前記第1の態様において、前記各被固定部は、前記支柱の横断面と相似する横断面形状を有しかつ上側に向かって横断面積が小さくなりかつ最小横断面積が前記支柱の横断面積よりも小さい孔部をそれぞれ有し、前記各支柱貫通部は、前記支柱の横断面と相似する横断面形状をそれぞれ有するとともに、横断面積が前記支柱の横断面積よりもそれぞれ大きい。
【0022】
この構成によると、支柱の一端部は、流し台本体の被固定部の孔部に挿し込むだけで、該被固定部に強固に固定される。一方で、支柱の他端部は、埋設板の支柱貫通部を簡単に挿通できる。これにより、流し台の設置がより簡単になる。
【0023】
ここに開示された技術の第5の態様では、前記第1の態様において、前記各支柱貫通部の周囲に、前記支柱の横断面積よりも僅かに小さい貫通孔をもつ弾性部材を備える。
【0024】
この構成によると、流し台本体とともに支柱が抜けようとしても、流し台本体と支柱が浮き上がろうとしたときに、弾性部材により支柱が抜けるのが抑制される。このため、流し台を簡単に地面に固定することができる。
【0025】
また、弾性部材により支柱が抜けるのを抑制できるため、支柱を深く埋設させる必要がない。このため、設置の自由度をより高くすることができる。
【0026】
ここに開示された技術の第6の態様では、前記第1~5の態様のいずれか1つにおいて、前記流し台本体に隣接して配置され、上端側に水栓が取り付けられた水栓柱を更に備え、前記埋設板は、前記水栓柱の下端部が貫通する水栓柱貫通部を有し、前記水栓柱の前記下端部は、前記水栓柱貫通部を貫通して地中に埋設されており、前記水栓柱の前記下端部と前記埋設板とは、地中において力学的に接続されている。
【0027】
尚、本開示において、「力学的に接続」とは、接続されている部材同士(ここでは、水栓柱と埋設板)が、一体的に変位するような接続状態をいう。より詳しくは、「力学的に接続」とは、一方の部材(例えば水栓柱)が変位すると、他方の部材(例えば埋設板)も同様に変位するような接続状態であって、接続されている部材同士が相対的にぐらつきにくい接続状態をいう。言い換えると、部材同士が力学的に接続されていれば、一方の部材が変位しにくい状態であれば、他方の部材も変位しにくくなる。
【0028】
この構成によると、水栓柱と埋設板とが地中において力学的に接続されていることで、接続箇所が露出せず意匠性を高くできる。また、埋設板が地中に埋められた状態では、埋設板が変位しないため、埋設板と力学的に接続された水栓柱もぐらつきにくくなる。さらに、水栓柱により埋設板が移動しにくくなるため、埋設板を埋め戻す際の施工が簡単になる。
【0029】
ここに開示された技術の第7の態様では、屋外設置用の水栓柱の固定構造を対象として、上端側に水栓が取り付けられた水栓柱と、前記水栓柱の下端部が貫通する水栓柱貫通部を有し、地中に埋設された埋設板と、を備え、前記水栓柱貫通部は、前記埋設板の端部又は端部の近傍位置に形成されており、前記水栓柱の前記下端部は、前記水栓柱貫通部を貫通して地中に埋設されており、前記水栓柱と前記埋設板とは、地中において力学的に接続されている、という構成とした。
【0030】
この構成によると、水栓柱と埋設板とが地中において力学的に接続されていることで、接続箇所が地上に露出せず意匠性を高くできる。また、埋設板が地中に埋められた状態では、埋設板が変位しないため、埋設板と力学的に接続された水栓柱もぐらつきにくくなる。これにより、水栓柱自体の埋設深さが浅くてもよくなる。さらに、水栓柱貫通部が埋設板の端部又は端部の近傍位置に形成されているため、住宅の壁面や庭の隅に水栓柱を寄せて配置することができる。
【0031】
したがって、意匠性や設置の自由度を低下させることなく、水栓柱を簡単に地面に固定することができる。
【0032】
ここに開示された技術の第8の態様では、屋外設置用の流し台及び水栓柱の少なくとも一方を地面に固定するための固定部材を対象として、前記流し台が載置された地面の地中に埋設された埋設板を備え、前記埋設板は、一端部が前記流し台の裏面部に形成された複数の被固定部にそれぞれ固定されかつ他端部が地中にそれぞれ埋設される複数の支柱が貫通する複数の支柱貫通部、及び前記埋設板の端部又は端部の近傍位置に形成されかつ前記水栓柱の下端部が貫通しかつ前記水栓柱と前記埋設板とが、地中において前記水栓柱と力学的に接続された水栓柱貫通部の少なくとも一方を有する、という構成とした。
【0033】
この構成によると、流し台を設置する場合には、支柱貫通部と流し台の被固定部とが対応しているため、支柱を被固定部に対応するように簡単に位置決めすることができる。このため、流し台を簡単に地面に固定することができるとともに、設置の自由度を高くすることができる。
【0034】
また、水栓柱を設置する場合には、水栓柱と埋設板とが地中において力学的に接続されていることで、接続箇所が地上に露出せず意匠性を高くできるとともに、設置の自由度を高くすることができる。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように、ここに開示された技術によると、意匠性や設置の自由度を低下させることなく、流し台や水栓柱を簡単に地面に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る固定構造により地面に固定された流し台と水栓柱とを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、流し台本体を下側から見た底面図である。
【
図3】
図3は、
図1のIII-III線相当の平面で切断した断面図である。
【
図6】
図7は、地面に固定された流し台本体及び水栓柱を上側から見た平面図である。
【
図7】
図7は、水栓柱と埋設板の接続部を示す拡大図である。
【
図8】
図8は、流し台本体及び水栓柱を屋外に配置した状態を示す断面図である。
【
図9】
図9は、埋設板の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明において、鉛直上側を上側といい、鉛直下側を下側という。前後方向は、流し台10側を前側、水栓柱40側を後側という。左右方向は、前側から後側を見たときの右側を右側といい、左側を左側という。
【0038】
〈全体構成〉
図1は、流し台10と水栓柱40とを示す。流し台10及び水栓柱40は、屋外、特に住宅の庭等に設置される。
【0039】
流し台10は、地面Gに載置された流し台本体11を備える。流し台本体11は、平面視で略矩形状をなす。流し台本体11は、排水を貯留可能な貯水部12と、貯水部12を前後方向及び左右方向から囲む周壁部13と、貯水部12の上端部と周壁部13の上端部とを連結する連結部14と、を有する。貯水部12は、底面部12aと、底面部12aの前後方向の端部及び左右方向の端部からそれぞれ立設された壁部12bとを有する。貯水部12の前側の壁部は、下側に向かって後側に傾斜した傾斜壁部12cとなっている。貯水部12の傾斜壁部12c以外の壁部12bは、下側に向かって真っ直ぐに立設されている。
【0040】
図2に示すように、貯水部12は、底面部12aの後側部分に、排水を排出するための排水口12dを有する。流し台本体11の裏面側において、貯水部12と周壁部13との間は、複数のリブ15により前後方向及び左右方向に接続されている。リブ15は、貯水部12、周壁部13、及び連結部14に一体になっている。また、貯水部12の底面部12aの裏面部にも、複数のリブ15が形成されている。流し台本体11は、貯水部12と周壁部13との間の領域において、後述する支柱30の上端部が固定される被固定部16が四隅にそれぞれ設けられている。被固定部16の詳細については後述する。
【0041】
流し台本体11は、限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂で構成されている。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、AES樹脂等があげられるが、耐候性の観点から、AES樹脂が好ましい。
【0042】
水栓柱40は、流し台本体11の後側に、該流し台本体11と隣接して配置されている。水栓柱40は、下端部が地中に埋設される一方で、上端部は地面Gから鉛直上側に延びている。水栓柱40は、上端部に水栓41を有する。水栓柱40は、四角筒状であって、内部に水供給路42(
図8参照)が配置されている。水供給路42は、上端部が水栓41に接続され、下端部が給水配管43(
図8参照)に接続されている。
【0043】
〈流し台及び水栓柱の固定構造〉
次に、流し台10及び水栓柱40を地面Gに固定する固定構造について説明する。
【0044】
図3に示すように、流し台10は、上端部が流し台本体11の被固定部16に固定される複数(ここでは4本)の支柱30を有する。支柱30の下端は、流し台本体11の下側の地中に埋設された埋設板20の支柱貫通部21を貫通して地中に埋設される。流し台本体11は、支柱30と埋設板20とにより地面Gに固定される。埋設板20の埋設深さは65mm程度であり、支柱30の埋設深さは、120mm程度である。埋設板20及び支柱30の埋設深さは、これらよりも深くてもよい。
【0045】
図3に示すように、支柱30は、中空円筒状をなしている。支柱30が中空円筒状をなしていることで、支柱30は、地中に挿し込みやすくなっている。また、支柱30が中空円筒状をなしていることで、支柱30下端部の内側には土が入り込むため、支柱30の外側と内側との両方に地中からの摩擦が働く。
【0046】
図4は、右前部分の被固定部16において支柱30が固定される前の状態を示す。被固定部16は、支柱30の横断面と相似する横断面形状を有し、支柱30の上端部が挿入される孔部16aを有する。特に本実施形態では孔部16aは、横断面形状が円形であって、上側に向かって径が小さくなるテーパー状をなしている。孔部16aの最大横断面積(下端の横断面積)は、支柱30の横断面積よりも大きい一方で、孔部16aの最小横断面積(上端の横断面積)は、支柱30の横断面積よりも小さい。このため、支柱30は、被固定部16の孔部16aに簡単に挿入されるとともに、支柱30を孔部16aの上端まで挿し込めば、被固定部16と支柱30とが強固に固定される。
【0047】
支柱30は、限定されるものではないが、例えば、ポリ塩化ビニル製のパイプや樹脂被覆鉄管で構成されている。
【0048】
図5及び
図6に示すように、埋設板20は、平面視で略矩形状をなす。埋設板20は、上側から見て、その外縁部が流し台本体11の外側に位置している。特に、埋設板20の後側の部分は、前側、左側、及び右側と比較して、流し台本体11の後側に大きく広がっている。
【0049】
埋設板20は、支柱30がそれぞれ貫通する複数(ここでは4つ)の支柱貫通部21を有する。支柱貫通部21は、流し台本体11の被固定部16の位置に対応して設けられている。支柱貫通部21は、支柱30の横断面と相似する横断面形状をそれぞれ有するとともに、横断面積が支柱30の横断面積よりもそれぞれ大きい。特に本実施形態では、支柱貫通部21の凹端面形状は円形であり支柱貫通部21の直径は支柱30の外直径よりも大きい。
【0050】
各支柱貫通部21の下側(埋設板20の裏面側)には、環状の弾性部材31がそれぞれ接着されている。弾性部材31は、支柱30の外れ止めとして設けられている。弾性部材31の貫通孔31aの直径は、支柱30が挿通していない状態では支柱30の外直径より小さいが、支柱30が貫通した状態では、支柱30により押し広げられて支柱30と同じ直径になる(
図3参照)。これにより、支柱30は、弾性部材31の復帰力により締め付けられて、弾性部材31から外れにくくなる。ここで、貫通孔31aの横断面積は、貫通孔31aの最も狭い部分の横断面積を計測することにより得られる。尚、支柱30の横断面積に対する貫通孔31aの横断面積は、支柱30の挿通を大きく阻害せず、かつ、支柱30の外れ止めとなる程度に支柱30と貫通孔31aとの摩擦力を確保できる範囲であれば特に限定されるものではない。例えば、弾性部材31がEPDM等のゴム製であれば、貫通孔31aの横断面積を支柱30aの横断面積に対して2~18%程度小さくすることが好ましく、弾性部材31がポリウレタン製のスポンジ等の比較的柔らかい素材であれば、貫通孔31aの横断面積を支柱30aの横断面積に対して5~30%程度小さくするのが好ましい。
【0051】
埋設板20は、排水配管17(
図8参照)が貫通する配管貫通部22を有する。配管貫通部22は、流し台本体11の排水口12dの位置に合わせて形成される。排水配管17は、埋設板20よりも上側で流し台本体11の排水口12dに接続される。
【0052】
埋設板20の後側の部分には、水栓柱40が貫通する水栓柱貫通部23を有する。水栓柱貫通部23は、埋設板20の後側の端部に形成されている。より具体的には、水栓柱貫通部23は、埋設板20の後側端部を前側に向かってコ字状に切り欠いた切欠で構成されている。水栓柱貫通部23の左右方向の幅は、水栓柱40の左右方向の幅と略同じであって、水栓柱40を水栓柱貫通部23内に配置したときに、水栓柱40の左右の面が水栓柱貫通部23の左右の面部に接触する程度の幅である。
【0053】
埋設板20は、例えば、ポリ塩化ビニルやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂で構成されている。
【0054】
図7に示すように、水栓柱40は、埋設板20と力学的に接続されるとともに、その下端部が埋設板20と一緒に地中に埋設されることにより地面Gに固定される。具体的には、水栓柱40と埋設板20とは、埋設板20の水栓柱貫通部23の左右両側に固定された一対のL字金具24と、一対のL字金具24を左右方向に連結する連結金具25とにより力学的に接続される。図示を省略しているが、一対のL字金具24と埋設板20、及び一対のL字金具24と連結金具25とは、互いにボルト及びナットで接続される。一対のL字金具24と連結金具25とは、それぞれ埋設板20と一緒に地中に埋められる。つまり、水栓柱40と埋設板20とは地中で力学的に接続される。
【0055】
一対のL字金具24は、第1面部24aと、第1面部24aとは直交して上側に延びる第2面部24bと有する。各第1面部24aは、埋設板20の上面にそれぞれ接触する一方で、各第2面部24bは、前側部分が埋設板20よりも上側で水栓柱40の左右の面部にそれぞれ接触する。連結金具25は、後側に開口を有するU字状をなしている。連結金具25は、前側部分が埋設板20よりも上側で水栓柱40の後側の面部に接触する。
【0056】
このように、埋設板20、各L字金具24、連結金具25が配置されることで、水栓柱40と埋設板20とが力学的に接続されて一体的になっている。水栓柱40と埋設板20とが力学的に接続されることで、水栓柱40が変位するときには、その変位の力が埋設板20に伝えられて、埋設板20も同様に変位する。つまり、水栓柱40と埋設板20とは、相対的にはぐらつきにくい。このため、埋設板20が地中に埋められる前の状態では、水栓柱40の左右方向及び前後方向にぐらつくときには、埋設板20は水栓柱40と一緒に変位する。一方で、埋設板20が地中に埋められた状態では、埋設板20が変位し難いため、水栓柱40もぐらつきにくくなる。これにより、水栓柱40自体の埋設深さを浅くしたとしても、水栓柱40のぐらつきを抑制することができる。本実施形態において、水栓柱40の埋設深さは、120mm程度である。水栓柱40の埋設深さは、120mmよりも深くてもよく、特に限定されるものではない。
【0057】
〈住宅の庭への設置〉
次に、流し台10及び水栓柱40を実際に住宅の庭に設置する場合について説明する。
【0058】
図8は、流し台10及び水栓柱40を実際に住宅の庭、特に住宅の壁面に寄せて設置した状態を示す。この住宅は、基礎Bが布基礎で構成されており、基礎Bの端部がT字になっている。このため、基礎Bは、地中において住宅の壁面よりも外側(庭側)に張り出している。
【0059】
初期状態において、埋設板20には、4つの支柱貫通部21と水栓柱貫通部23は設けられている一方で、配管貫通部22は設けられていない。また、
図8では、地中と重複して見えていないが、埋設板20には、各支柱貫通部21の下側に弾性部材31がそれぞれ接着されている。水栓柱40は、前側の面部に給水配管43を通すための孔を有しているとする。
【0060】
流し台10及び水栓柱40を住宅の庭に設置するときには、まず、給水配管43と、排水配管17とを施工する。次に、水栓柱40を設置する穴と、埋設板20を設置する別の穴を地中に掘削する。水栓柱40を設置する穴は、埋設板20を設置する穴よりも深く掘削する。水栓柱40を設置する穴は、基礎Bと同程度の深さまで掘削する。
【0061】
次に、給水配管43と排水配管17との相対位置に応じて、埋設板20に配管貫通部22を穿設する。
【0062】
次いで、掘削した穴に水栓柱40の下端部を設置する。このとき、水栓柱40内の水供給路42と給水配管43とを接続する。
【0063】
次に、掘削した別の穴に埋設板20を設置する。このとき、埋設板20の水栓柱貫通部23を水栓柱40が貫通するとともに、排水配管17が配管貫通部22を貫通するように、埋設板20を設置する。
【0064】
次いで、水栓柱40と埋設板20とを、一対のL字金具24と連結金具25とで、力学的に接続する。
【0065】
次に、4つの支柱30を設置する。各支柱30は、埋設板20の各支柱貫通部21及び弾性部材31の貫通孔31aを貫通して地中にそれぞれ挿し込まれる。このとき、貫通孔31aは支柱30により押し広げられる。
【0066】
次いで、水栓柱40の下端部と埋設板20とを埋め戻す。このとき、土を転圧して、埋設板20の上の土の密度を出来る限り高くするのが好ましい。水栓柱40の下端部と埋設板20とを埋め戻した状態では、一対のL字金具24と連結金具25とは地中に埋められている。また、排水配管17と各支柱30の上端部は、地面Gよりも上側に位置する。
【0067】
そして、流し台本体11の被固定部16に各支柱30をそれぞれ固定するとともに、排水口12dと排水配管17とを接続する。
【0068】
以上のようにして、流し台10及び水栓柱40が、布基礎の住宅の庭に、住宅の壁面に寄せた状態で設置される。前述のように、本実施形態では、モルタル等を用いることなく、流し台10及び水栓柱40を設置することができる。
【0069】
〈実施形態の効果〉
したがって、本実施形態では、流し台10は、地面Gに載置され、排水を流す排水口12dを有する流し台本体11と、上端部が流し台本体11の裏面部に形成された複数の被固定部16にそれぞれ固定される一方、下端部がそれぞれ地中に埋設される複数の支柱30と、を有し、流し台本体11の下側の地中に埋設された埋設板20を備え、各支柱30の下端部は、埋設板20に形成された複数の支柱貫通部21をそれぞれ貫通して、地中にそれぞれ埋設されている。
【0070】
すなわち、特に本実施形態では、流し台10の固定部材として、上端部が流し台本体11の裏面部に形成された複数の被固定部16にそれぞれ固定されかつ下端部が地中にそれぞれ埋設される複数の支柱30が貫通する複数の支柱貫通部21を備える埋設板20を用いている。
【0071】
これにより、モルタル等を用いずに、埋設板20と支柱30の下端部とを地中に埋設させればよいため、流し台10を簡単に設置させることができる。設置した後は、風等により流し台本体11があおられても、地中に埋設された支柱30が支えるため流し台本体11が動くことが抑制される。さらに流し台本体11とともに支柱30が抜けようとしても、流し台本体11が浮き上がろうとしたときに、支柱30が地中と摩擦力で支えられるとともに、支柱貫通部21の周囲の弾性部材31に引っ掛かって、支柱30が抜けるのが抑制される。また、弾性部材31により支柱30が抜けるのを抑制できるため、支柱30を深く埋設させる必要がない。このため、設置の自由度を高くすることができる。また、被固定部16は流し台本体11の裏面部に形成されているため、流し台10を地面Gに設置した状態では外側から支柱30が見えない。このため、意匠性を高くすることができる。したがって、意匠性や設置の自由度を低下させることなく、流し台10を簡単に地面Gに固定することができる。
【0072】
また、本実施形態では、流し台本体11の排水口12dには、排水配管17が接続され、排水配管17は、埋設板20に形成された配管貫通部22を貫通して、埋設板20よりも上側で排水口12dに接続されている。これにより、排水配管17と埋設板20との相対位置が決まるため、流し台10の設置がより簡単になる。また、排水配管17が配管貫通部22を貫通して埋設板20よりも上側で排水口12dに接続されていることにより、埋設板20の移動が抑制されるため、埋設板20の埋め戻しの際の施工が簡単になる。
【0073】
また、本実施形態では、各支柱30はそれぞれ中空円筒状である。これにより、支柱30を地中に挿し込みやすくなって、流し台10の設置がより簡単になる。また、支柱30の内側に土が入り込むため、支柱30の外側及び内側の両方に地中からの摩擦が働くようになって、支柱30がより抜けにくくなる。これにより、流し台10をより効果的に地面Gに固定することができる。
【0074】
また、本実施形態では、各被固定部16は、円形の横断面を有しかつ上側に向かって横断面積が小さくなりかつ最小横断面積が支柱の横断面積よりも小さい孔部16aをそれぞれ有し、各支柱貫通部21は、円形の横断面形状をそれぞれ有するとともに、横断面積が支柱30の横断面積よりもそれぞれ大きい。支柱30の上端部は、流し台本体11の被固定部16の孔部16aに挿し込むだけで、被固定部16に強固に固定される。一方で、支柱30の下端部は、埋設板20の支柱貫通部21を簡単に挿通できる。これにより、流し台10の設置がより簡単になる。
【0075】
また、本実施形態では、埋設板20は、上端部に水栓41が取り付けられた水栓柱40の下端部が貫通する水栓柱貫通部23を有し、水栓柱40の下端部は、水栓柱貫通部23を貫通して地中に埋設されており、水栓柱40の下端部と埋設板20とは、地中において力学的に接続されている。
【0076】
すなわち、特に本実施形態では、水栓柱40の固定部材として、埋設板20を用いており、埋設板20は、埋設板20の端部に形成されかつ水栓柱40の下端部が貫通しかつ水栓柱40と埋設板20とが、地中において水栓柱40と力学的に接続された水栓柱貫通部23を有する。
【0077】
水栓柱40と埋設板20とが地中において力学的に接続されていることで、接続箇所が地上に露出せず意匠性を高くできる。また、埋設板20が地中に埋められた状態では、埋設板20が変位しないため、埋設板20と力学的に接続された水栓柱40もぐらつきにくくなる。これにより、水栓柱40自体の埋設深さが浅くてもよくなって、設置の自由度を向上させることができる。
【0078】
特に、本実施形態では、水栓柱貫通部23は、埋設板20の端部又は端部の近傍位置に形成されている。これにより、住宅の壁面や庭の隅に水栓柱40を寄せて配置することができ、水栓柱40の設置の自由度をより向上させることができる。
【0079】
〈変形例〉
図9は、前述の実施形態における埋設板20の変形例を示す。ここで示す埋設板220は、水栓柱貫通部223が、コ字状ではなく、四角形状になっている点で、前述の実施形態とは異なる。水栓柱貫通部223は、水栓柱40の横断面と相似するとともに、水栓柱40の横断面積よりも僅かに大きい横断面積を有する。より具体的には、水栓柱貫通部223は、水栓柱40の周壁部が水栓柱貫通部223の内周部に摺動する程度の横断面積を有する。水栓柱40が水栓柱貫通部223に挿通された状態では、埋設板220は、水栓柱40がぐらついたときに、一緒に変位しようとする。つまり、水栓柱40が水栓柱貫通部223に挿通された状態では、埋設板220と水栓柱40とは一体的かつ力学的に接続される。本変形例では、水栓柱貫通部223は、埋設板220の端部近傍に位置する。
【0080】
本変形例によると、水栓柱40を水栓柱貫通部223に挿通させた時点で、埋設板220と水栓柱40とが力学的に接続される。このため、埋設板220と水栓柱40とを金具により接続しなくてもよくなる。このため、前述の実施形態と比較して、水栓柱40の設置をより簡単にすることができる。尚、必要に応じて本変形例においても一対のL字金具24と連結金具25を用いて埋設板220と水栓柱40とをさらに接続してもよい。これにより、より強固に埋設板220と水栓柱40とを接続することができ、水栓柱40のぐらつきをより効果的に抑制することができる。
【0081】
(その他の実施形態)
ここに開示された技術は、前述の実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
【0082】
例えば、前述の実施形態では、流し台10と水栓柱40とは、セットで設置されていた。これに限らず、流し台10と水栓柱40とは、単独で設置されてもよい。すなわち、埋設板20,220を用いて、流し台10のみを設置してもよいし、水栓柱40のみを設置してもよい。流し台10のみを設置する場合は、埋設板20,220に水栓柱貫通部23,223を形成する必要はない。また、水栓柱40のみを設置する場合は、埋設板20,220に支柱貫通部21や配管貫通部22を形成する必要はない。
【0083】
また、前述の実施形態では、支柱30は、全体が円筒状をなしていた。これに限らず、支柱30は、地中に埋められる部分が円筒状であればよく、被固定部16に固定される部分は中実状であってもよい。
【0084】
また、前述の実施形態では、埋設板20は、上側から見て、その外縁部が流し台本体11の外側に位置する程度の大きさを有していた。これに限らず、水栓柱40は埋設板20で支えずとも十分に固定される埋設深さが確保できる場合など、流し台10のみを固定する際には、埋設板20は前側半分だけでもよい。流し台本体11は排水配管17と接続されているため、埋設板20が前側半分だけであっても、十分に流し台10を地面Gに固定することができる。
【0085】
また、前述の実施形態では、埋設板20の支柱貫通部21の下側に弾性部材31がそれぞれ設けられていたが、弾性部材31は、必須ではなく省略してもよい。設置場所の地質により、弾性部材31は設けずとも十分に支柱30を固定することができ、この場合、部材の減少によりコスト削減ができる。
【0086】
また、前述の実施形態では水栓柱40は四角柱状であったが、円柱状であってもよい。この場合、水栓柱貫通部23はU字状あるいは円形状に形成する。また、連結金具25における水栓柱40と接する部分を、円柱状の水栓柱の外形に合わせた円弧部を持つ形状にする。
【0087】
また、前述の実施形態では被固定部16と支柱30とを嵌合させて固定する構造としたが、被固定部16と支柱30とを接着により固定する構造してもよい。
【0088】
また、前述の実施形態では弾性部材31は各支柱貫通部21の下側に接着する構造としたが、各支柱貫通部21に直接嵌合するようにしてもよい。
【0089】
また、前述の実施形態では貫通孔31aの横断面積は孔軸方向で一定としていた。これに限らず、例えば貫通孔31aの内側の一部に、内周を一周する膨出部を設けたり、貫通孔31aの内径が下側に向かって次第に狭くなるようテーパーを設けたりしてもよい。膨出部やテーパーを設けることで、支柱30の貫通孔31aへの挿通をよりスムーズにすることができる。
【0090】
また、前述の実施形態では配管貫通部22は設置時に穿設するようにしていた。これに限らず、流し台本体11と埋設板20との組み合わせが予め決まっている場合は、配管貫通部22を予め設けておいてもよい。現場での作業がより少なくなるため、流し台10をより簡単に設置できるようになる。
【0091】
前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0092】
ここに開示された技術は、屋外設置用の流し台や水栓柱を、意匠性や設置の自由度を低下させることなく、簡単に地面に固定する際に有用である。
【符号の説明】
【0093】
10 流し台
11 流し台本体
12d 排水口
16 被固定部
16a 孔部
17 排水配管
20 埋設板
21 支柱貫通部
22 配管貫通部
23 水栓柱貫通部
30 支柱
31 弾性部材
31a 貫通孔
40 水栓柱
41 水栓
220 埋設板
223 水栓柱貫通部