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特開2024-142158弾性波デバイス、フィルタ、およびマルチプレクサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142158
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】弾性波デバイス、フィルタ、およびマルチプレクサ
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/17 20060101AFI20241003BHJP
   H03H 9/54 20060101ALI20241003BHJP
   H03H 9/70 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H03H9/17 F
H03H9/54 Z
H03H9/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054195
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】石田 守
【テーマコード(参考)】
5J108
【Fターム(参考)】
5J108AA01
5J108AA07
5J108BB01
5J108BB08
5J108CC04
5J108DD02
5J108EE03
5J108HH04
5J108HH05
(57)【要約】
【課題】スプリアスを抑制することが可能な弾性波デバイスを提供すること。
【解決手段】弾性波デバイス100は、基板10と、基板10上に設けられた圧電層14と、圧電層14の少なくとも一部を挟んで基板10上に設けられ、圧電層14に厚みすべり振動を励振する下部電極お12よび上部電極16と、圧電層14を挟んで下部電極12と上部電極16とが重なる共振領域50に設けられ、複数の線状パターン22を有し、複数の線状パターン22が伸びる延伸方向62は厚みすべり振動の振動方向60とは圧電層14の面内方向において異なる方向である付加膜20とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた圧電層と、
前記圧電層の少なくとも一部を挟んで前記基板上に設けられ、前記圧電層に厚みすべり振動を励振する下部電極および上部電極と、
前記圧電層を挟んで前記下部電極と前記上部電極とが重なる共振領域に設けられ、複数の線状パターンを有し、前記複数の線状パターンが伸びる延伸方向は前記厚みすべり振動の振動方向とは前記圧電層の面内方向において異なる方向である付加膜と、を備える、弾性波デバイス。
【請求項2】
前記延伸方向は、前記厚みすべり振動の振動方向に対して15°以上75°以下で傾くことで前記厚みすべり振動の振動方向とは異なる方向である、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
基板と、
前記基板上に設けられた圧電層と、
前記圧電層の少なくとも一部を挟んで前記基板上に設けられ、前記圧電層に厚みすべり振動を励振する下部電極および上部電極と、
前記圧電層を挟んで前記下部電極と前記上部電極とが重なる共振領域に設けられ、複数の島状パターンを有し、前記複数の島状パターンにおいて最短間隔で隣接するパターンが並んだ最短間隔方向は前記厚みすべり振動の振動方向に対して前記圧電層の面内方向において傾いた方向である付加膜と、を備える、弾性波デバイス。
【請求項4】
前記最短間隔方向は、前記厚みすべり振動の振動方向に対して5°以上85°以下で傾いた方向である、請求項3に記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記最短間隔方向は、前記厚みすべり振動の振動方向に対して15°以上75°以下で傾いた方向である、請求項3に記載の弾性波デバイス。
【請求項6】
前記共振領域は、平面視において、前記厚みすべり振動の振動方向で対向する2辺が互いに平行である、請求項1または3に記載の弾性波デバイス。
【請求項7】
前記圧電層は、単結晶タンタル酸リチウム層または単結晶ニオブ酸リチウム層である、請求項1または3に記載の弾性波デバイス。
【請求項8】
請求項1および3の少なくとも一方に記載の弾性波デバイスを備えるフィルタ。
【請求項9】
入力端子と出力端子との間に直列に接続された複数の直列共振器と、
前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された複数の並列共振器と、を備え、
前記複数の直列共振器のうち2以上の直列共振器は、請求項1に記載の弾性波デバイスであり、前記延伸方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きが互いに異なる、および/または、前記複数の並列共振器のうち2以上の並列共振器は、請求項1に記載の弾性波デバイスであり、前記延伸方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きが互いに異なる、請求項8に記載のフィルタ。
【請求項10】
入力端子と出力端子との間に直列に接続された複数の直列共振器と、
前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された複数の並列共振器と、を備え、
前記複数の直列共振器のうち2以上の直列共振器は、請求項3に記載の弾性波デバイスであり、前記最短間隔方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きが互いに異なる、および/または、前記複数の並列共振器のうち2以上の並列共振器は、請求項3に記載の弾性波デバイスであり、前記最短間隔方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きが互いに異なる、請求項8に記載のフィルタ。
【請求項11】
入力端子と出力端子との間に直列に接続された複数の直列共振器と、
前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された複数の並列共振器と、を備え、
前記複数の直列共振器のうち少なくとも1つの直列共振器は請求項1に記載の弾性波デバイスであり、他の少なくとも1つの直列共振器は請求項3に記載の弾性波デバイスであり、前記少なくとも1つの直列共振器における前記延伸方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きと前記他の少なくとも1つの直列共振器における前記最短間隔方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きとが互いに異なる、および/または、前記複数の並列共振器のうち少なくとも1つの並列共振器は請求項1に記載の弾性波デバイスであり、他の少なくとも1つの並列共振器は請求項3に記載の弾性波デバイスであり、前記少なくとも1つの並列共振器における前記延伸方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きと前記他の少なくとも1つの並列共振器における前記最短間隔方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きとが互いに異なる、請求項8に記載のフィルタ。
【請求項12】
入力端子と出力端子との間に直列に接続された1または複数の直列共振器と、
前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された1または複数の並列共振器と、を備え、
前記1または複数の直列共振器のうち少なくとも1つの直列共振器および前記1または複数の並列共振器のうち少なくとも1つの並列共振器は、請求項1に記載の弾性波デバイスであり、
前記少なくとも1つの直列共振器は前記少なくとも1つの並列共振器より前記複数の線状パターンの幅または間隔が小さい、請求項8に記載のフィルタ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの直列共振器は前記少なくとも1つの並列共振器より前記厚みすべり振動の振動方向に対する前記延伸方向の角度が大きい、請求項12に記載のフィルタ。
【請求項14】
入力端子と出力端子との間に直列に接続された1または複数の直列共振器と、
前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された1または複数の並列共振器と、を備え、
前記1または複数の直列共振器のうち少なくとも1つの直列共振器および前記1または複数の並列共振器のうち少なくとも1つの並列共振器は、請求項3に記載の弾性波デバイスであり、
前記少なくとも1つの直列共振器は前記少なくとも1つの並列共振器より前記複数の島状パターンの幅または前記最短間隔方向における間隔が小さい、請求項8に記載のフィルタ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの直列共振器は前記少なくとも1つの並列共振器より前記厚みすべり振動の振動方向に対する前記最短間隔方向の角度が大きい、請求項14に記載のフィルタ。
【請求項16】
請求項8に記載のフィルタを備えるマルチプレクサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波デバイス、フィルタ、およびマルチプレクサに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の無線端末の高周波回路用のフィルタおよびデュプレクサとして、圧電薄膜共振器を使用したフィルタおよびデュプレクサが知られている。圧電薄膜共振器は、圧電層と、圧電層を挟む下部電極および上部電極と、を備える。圧電層を挟み下部電極と上部電極が対向する領域は、弾性波が共振する共振領域である。周波数調整のために、共振領域に付加膜を設けることが知られている(例えば特許文献1、2)。圧電層にニオブ酸リチウム層またはタンタル酸リチウム層を用い、共振領域に厚みすべり振動を励振することが知られている(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-172494号公報
【特許文献2】特開2011-41136号公報
【特許文献3】特開2008-42871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圧電層に厚みすべり振動が励振される場合、周波数調整のために共振領域に付加膜を設けた場合にスプリアスが発生することがある。
【0005】
本発明は、スプリアスを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、基板と、前記基板上に設けられた圧電層と、前記圧電層の少なくとも一部を挟んで前記基板上に設けられ、前記圧電層に厚みすべり振動を励振する下部電極および上部電極と、前記圧電層を挟んで前記下部電極と前記上部電極とが重なる共振領域に設けられ、複数の線状パターンを有し、前記複数の線状パターンが伸びる延伸方向は前記厚みすべり振動の振動方向とは前記圧電層の面内方向において異なる方向である付加膜と、を備える、弾性波デバイスである。
【0007】
上記構成において、前記延伸方向は、前記厚みすべり振動の振動方向に対して15°以上75°以下で傾くことで前記厚みすべり振動の振動方向とは異なる方向である構成とすることができる。
【0008】
本発明は、基板と、前記基板上に設けられた圧電層と、前記圧電層の少なくとも一部を挟んで前記基板上に設けられ、前記圧電層に厚みすべり振動を励振する下部電極および上部電極と、前記圧電層を挟んで前記下部電極と前記上部電極とが重なる共振領域に設けられ、複数の島状パターンを有し、前記複数の島状パターンにおいて最短間隔で隣接するパターンが並んだ最短間隔方向は前記厚みすべり振動の振動方向に対して前記圧電層の面内方向において傾いた方向である付加膜と、を備える、弾性波デバイスである。
【0009】
上記構成において、前記最短間隔方向は、前記厚みすべり振動の振動方向に対して5°以上85°以下で傾いた方向である構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記最短間隔方向は、前記厚みすべり振動の振動方向に対して15°以上75°以下で傾いた方向である構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記共振領域は、平面視において、前記厚みすべり振動の振動方向で対向する2辺が互いに平行である構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記圧電層は、単結晶タンタル酸リチウム層または単結晶ニオブ酸リチウム層である構成とすることができる。
【0013】
本発明は、上記に記載の弾性波デバイスを備えるフィルタである。
【0014】
上記構成において、入力端子と出力端子との間に直列に接続された複数の直列共振器と、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された複数の並列共振器と、を備え、前記複数の直列共振器のうち2以上の直列共振器は、請求項1に記載の弾性波デバイスであり、前記延伸方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きが互いに異なる、および/または、前記複数の並列共振器のうち2以上の並列共振器は、請求項1に記載の弾性波デバイスであり、前記延伸方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きが互いに異なる構成とすることができる。
【0015】
上記構成において、入力端子と出力端子との間に直列に接続された複数の直列共振器と、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された複数の並列共振器と、を備え、前記複数の直列共振器のうち2以上の直列共振器は、請求項3に記載の弾性波デバイスであり、前記最短間隔方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きが互いに異なる、および/または、前記複数の並列共振器のうち2以上の並列共振器は、請求項3に記載の弾性波デバイスであり、前記最短間隔方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きが互いに異なる構成とすることができる。
【0016】
上記構成において、入力端子と出力端子との間に直列に接続された複数の直列共振器と、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された複数の並列共振器と、を備え、前記複数の直列共振器のうち少なくとも1つの直列共振器は請求項1に記載の弾性波デバイスであり、他の少なくとも1つの直列共振器は請求項3に記載の弾性波デバイスであり、前記少なくとも1つの直列共振器における前記延伸方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きと前記他の少なくとも1つの直列共振器における前記最短間隔方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きとが互いに異なる、および/または、前記複数の並列共振器のうち少なくとも1つの並列共振器は請求項1に記載の弾性波デバイスであり、他の少なくとも1つの並列共振器は請求項3に記載の弾性波デバイスであり、前記少なくとも1つの並列共振器における前記延伸方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きと前記他の少なくとも1つの並列共振器における前記最短間隔方向の前記厚みすべり振動の振動方向に対する傾きとが互いに異なる構成とすることができる。
【0017】
上記構成において、入力端子と出力端子との間に直列に接続された1または複数の直列共振器と、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された1または複数の並列共振器と、を備え、前記1または複数の直列共振器のうち少なくとも1つの直列共振器および前記1または複数の並列共振器のうち少なくとも1つの並列共振器は、請求項1に記載の弾性波デバイスであり、前記少なくとも1つの直列共振器は前記少なくとも1つの並列共振器より前記複数の線状パターンの幅または間隔が小さい構成とすることができる。
【0018】
上記構成において、前記少なくとも1つの直列共振器は前記少なくとも1つの並列共振器より前記厚みすべり振動の振動方向に対する前記延伸方向の角度が大きい構成とすることができる。
【0019】
上記構成において、入力端子と出力端子との間に直列に接続された1または複数の直列共振器と、前記入力端子と前記出力端子との間に並列に接続された1または複数の並列共振器と、を備え、前記1または複数の直列共振器のうち少なくとも1つの直列共振器および前記1または複数の並列共振器のうち少なくとも1つの並列共振器は、請求項3に記載の弾性波デバイスであり、前記少なくとも1つの直列共振器は前記少なくとも1つの並列共振器より前記複数の島状パターンの幅または前記最短間隔方向における間隔が小さい構成とすることができる。
【0020】
上記構成において、前記少なくとも1つの直列共振器は前記少なくとも1つの並列共振器より前記厚みすべり振動の振動方向に対する前記最短間隔方向の角度が大きい構成とすることができる。
【0021】
本発明は、上記に記載のフィルタを備えるマルチプレクサである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、スプリアスを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1(a)は、実施例1に係る弾性波デバイスの平面図、図1(b)は、図1(a)のA-A断面図である。
図2図2(a)および図2(b)は、圧電層がニオブ酸リチウム層またはタンタル酸リチウム層である場合の圧電層の結晶方位と、厚みすべり振動の振動方向と、の関係を示す図である。
図3図3(a)から図3(c)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図(その1)である。
図4図4(a)から図4(c)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図(その2)である。
図5図5(a)および図5(b)は、比較例1および比較例2に係る弾性波デバイスの平面図である。
図6図6(a)および図6(b)は、モデルA、Bの周波数に対するアドミッタンス|Y|のシミュレーション結果である。
図7図7(a)および図7(b)は、モデルC、Dの周波数に対するアドミッタンス|Y|のシミュレーション結果である。
図8図8(a)から図8(c)は、実施例1の周波数に対するアドミッタンス|Y|のシミュレーション結果(その1)である。
図9図9(a)および図9(b)は、実施例1の周波数に対するアドミッタンス|Y|のシミュレーション結果(その2)である。
図10図10(a)および図10(b)は、実施例1の周波数に対するアドミッタンス|Y|のシミュレーション結果(その3)である。
図11図11(a)および図11(b)は、実施例1の変形例1および変形例2に係る弾性波デバイスの平面図である。
図12図12(a)および図12(b)は、実施例1の変形例3および変形例4に係る弾性波デバイスの平面図である。
図13図13(a)は、実施例2に係る弾性波デバイスの平面図、図13(b)は、図13(a)のA-A断面図である。
図14図14は、実施例2の周波数に対するアドミッタンス|Y|のシミュレーション結果である。
図15図15(a)および図15(b)は、実施例2の変形例1および変形例2に係る弾性波デバイスの平面図である。
図16図16は、実施例3に係る弾性波デバイスの断面図である。
図17図17は、実施例3の周波数に対するアドミッタンス|Y|のシミュレーション結果である。
図18図18は、実施例4に係るフィルタの平面図である。
図19図19(a)および図19(b)は、モデルE、Fの周波数に対するアドミッタンス|Y|のシミュレーション結果である。
図20図20は、実施例5に係るデュプレクサの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【実施例0025】
図1(a)は、実施例1に係る弾性波デバイスの平面図、図1(b)は、図1(a)のA-A断面図である。圧電層14の法線方向をZ方向、圧電層14の平面方向であって互いに直交する方向をX方向およびY方向とする。X方向、Y方向、およびZ方向は、圧電層14の結晶方位のX軸、Y軸、およびZ軸とは必ずしも対応しない。結晶方位を示す場合は、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向と記載し、X方向、Y方向、およびZ方向と区別する。
【0026】
図1(a)および図1(b)に示すように、実施例1に係る弾性波デバイス100は、基板10と、下部電極12と、圧電層14と、上部電極16と、エッジ膜18a、18bと、絶縁膜19と、付加膜20と、を備える。
【0027】
絶縁膜19は、基板10上に設けられ、凹部30を有する。圧電層14は、凹部30を覆うように絶縁膜19上に設けられている。圧電層14の上面および下面は平坦面である。下部電極12は、圧電層14の下面に設けられている。下部電極12と基板10との間には空隙32が形成されている。上部電極16は、圧電層14の上面に設けられている。圧電層14の少なくとも一部を挟み下部電極12と上部電極16とが平面視において重なる領域は共振領域50である。共振領域50は平面視において空隙32と重なって位置する。空隙32は平面視において共振領域50より大きい。下部電極12および上部電極16の厚さは、例えば20nm~150nm程度である。圧電層14の厚さは、例えば200nm~1000nm程度である。
【0028】
下部電極12と上部電極16との間に高周波電力が印加されると、共振領域50内の圧電層14に弾性波の変位がZ方向にほぼ直交する方向(すなわち厚さに対して歪み方向)に振動する弾性波が励振される。この振動を厚みすべり振動という。厚みすべり振動の変位の最も大きい方向(厚みすべり振動の変位方向)を厚みすべり振動の振動方向60とする。ここでは、厚みすべり振動の振動方向60はY方向である。弾性波の波長は圧電層14の厚さのほぼ2倍である。共振領域50の平面形状は矩形である。矩形はほぼ直線の4つの辺を有する。4つの辺のうち一対の辺はほぼX方向に伸び、別の一対の辺はほぼY方向に延びる。
【0029】
共振領域50は、中央領域52と、中央領域52に対してY方向の両側に位置するエッジ領域54と、を有する。エッジ領域54はほぼX方向に伸びる。エッジ領域54のY方向の幅はX方向においてほぼ一定である。エッジ膜18aは、エッジ領域54において上部電極16の上面に設けられている。エッジ膜18bは、エッジ領域54において下部電極12の下面に設けられ、凹部30内に位置している。エッジ膜18a、18bは、ピストンモードを実現してスプリアスを抑制するために設けられている。エッジ膜18a、18bは、平面視にて矩形状をしている。エッジ膜18a、18bの厚さは、例えば10nm~70nm程度である。
【0030】
付加膜20は共振領域50に設けられている。付加膜20は共振周波数を調整するために設けられている。付加膜20は例えば上部電極16上に設けられている。付加膜20は複数の線状パターン22を有する。線状パターン22は、厚みすべり振動の振動方向60とは異なる方向に伸びている。線状パターン22が伸びた延伸方向62は線状パターン22の長手方向に対応する。厚みすべり振動の振動方向60に対する線状パターン22の延伸方向62の角度θは0°より大きく90°以下である。線状パターン22は、平面視において、短手方向で対向する辺が互いにほぼ平行でかつほぼ直線となっている。なお、短手方向で対向する辺は、互いに傾いている場合や、少なくとも一部が曲線となっている場合でもよい。複数の線状パターン22は、例えば短手方向において同じ幅Wを有し、同じ間隔Lで並んでいる。
【0031】
基板10は、例えばシリコン基板、サファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板、石英基板、水晶基板、ガラス基板、セラミック基板、またはGaAs基板等である。絶縁膜19は、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、または酸化アルミニウム膜等である。圧電層14は、例えば単結晶ニオブ酸リチウム層、単結晶タンタル酸リチウム層、または水晶等である。下部電極12および上部電極16は、例えばルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、またはイリジウム(Ir)等の単層膜またはこれらの積層膜である。
【0032】
エッジ膜18aおよび18bは、例えば下部電極12および上部電極16において例示した金属膜または酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等の絶縁膜である。付加膜20も、例えば下部電極12および上部電極16において例示した金属膜または酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等の絶縁膜である。
【0033】
ここで、圧電層14がニオブ酸リチウム層またはタンタル酸リチウム層である場合の圧電層14の結晶方位と、厚みすべり振動の振動方向60と、の関係について説明する。まず、オイラー角(φ、θ、ψ)の定義について説明する。右手系のXYZ座標系において、圧電層14の上面の法線方向をZ方向とし、Z方向に直交する方向であって圧電層14の上面の面方向で互いに直交する方向をX方向およびY方向とする。X方向、Y方向、およびZ方向をそれぞれ結晶方位のX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向とする。次に、Z方向を中心に+X方向から+Y方向に角度φ回転させる。角度φ回転後のX方向を中心に+Y方向から+Z方向に角度θ回転させる。角度θ回転後のZ方向を中心に+X方向から+Y方向に角度ψ回転させる。このように回転させたときのオイラー角は(φ、θ、ψ)となる。なお、(φ、θ、ψ)を用い表現されるオイラー角は、等価なオイラー角を含む。
【0034】
図2(a)および図2(b)は、圧電層がニオブ酸リチウム層またはタンタル酸リチウム層である場合の圧電層の結晶方位と、厚みすべり振動の振動方向と、の関係を示す図である。図2(a)および図2(b)における左側の破線矢印は圧電層14の結晶軸の方位を示す。右側の実線矢印は図1(a)および図1(b)のX方向、Y方向、およびZ方向に対応する。図2(a)に示すように、+X方向、+Y方向、および+Z方向をそれぞれ圧電層14の結晶方位の+X軸方向、+Y軸方向、および+Z軸方向とする。図2(b)に示すように、図2(a)の状態から、X方向を中心にYZ平面上において+Y方向および+Z方向を+Y方向から-Z方向に105°回転させる。このように回転させると、結晶方位の+Z軸方向を+Y軸方向に向かって105°回転させた方向が+Z方向となる。このとき、Y方向が厚みすべり振動の振動方向60となる。オイラー角では(0°、-105°、0°)となる。なお、上記と同様の方法によって導出されるオイラー角が(0°、-105°、90°)の場合には、X方向が厚みすべり振動の振動方向60となる。オイラー角の各角度は±5°の範囲内を許容し、±1°の範囲内であることがより好ましい。
【0035】
[製造方法]
図3(a)から図4(c)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。図3(a)に示すように、圧電層14上に下部電極12を形成する。ここでの圧電層14は、図1(b)における圧電層14より厚い層(基板)である。下部電極12は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて成膜し、その後、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて所望の形状にパターニングすることで形成する。下部電極12はリフトオフ法により形成してもよい。その後、下部電極12の先端部にエッジ膜18bを形成する。エッジ膜18bは、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、またはCVD法を用いて成膜し、その後、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて所望の形状にパターニングすることで形成する。エッジ膜18bはリフトオフ法により形成してもよい。
【0036】
図3(b)に示すように、圧電層14上に、下部電極12およびエッジ膜18bを覆うように犠牲層95を形成する。犠牲層95は、例えばMgO、ZnO、Ge、またはSiO等のエッチング液またはエッチングガスに容易に溶解できる材料から選択される。犠牲層95は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、またはCVD法を用いて成膜し、その後、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて所望の形状にパターニングすることで形成する。犠牲層95はリフトオフ法により形成してもよい。その後、圧電層14上に犠牲層95を覆う絶縁膜19を成膜し、絶縁膜19の上面を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて研磨する。これにより、絶縁膜19は、所望の厚さとなり、上面が平坦化される。
【0037】
図3(c)に示すように、絶縁膜19を基板10に接合する。絶縁膜19と基板10の接合は、直接接合法により接合してもよいし、接合材を介して接合してもよい。その後、圧電層14の上面を例えばCMP法を用いて研磨して所望の厚さにする。
【0038】
図4(a)に示すように、圧電層14上に上部電極16を形成する。上部電極16は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、またはCVD法を用いて成膜し、その後、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて所望の形状にパターニングすることで形成する。上部電極16はリフトオフ法により形成してもよい。
【0039】
図4(b)に示すように、上部電極16の先端部にエッジ膜18aを形成する。下部電極12と上部電極16が圧電層14を挟んで重なる領域に付加膜20を形成する。エッジ膜18aおよび付加膜20は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、またはCVD法を用いて成膜し、その後、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて所望の形状にパターニングすることで形成する。エッジ膜18aおよび付加膜20はリフトオフ法により形成してもよい。
【0040】
図4(c)に示すように、圧電層14を貫通する貫通孔(不図示)を介し、犠牲層95のエッチング液またはエッチングガス等のエッチング媒体を下部電極12の下の犠牲層95に導入する。これにより、犠牲層95が除去される。犠牲層95が除去されることで、絶縁膜19に凹部30が形成され、下部電極12と絶縁膜19との間に空隙32が形成される。以上により、実施例1に係る弾性波デバイスが形成される。
【0041】
[比較例]
図5(a)および図5(b)は、比較例1および比較例2に係る弾性波デバイスの平面図である。図5(a)に示すように、比較例1に係る弾性波デバイス1000では、共振領域50に付加膜が設けられていない。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0042】
図5(b)に示すように、比較例2に係る弾性波デバイス1100では、共振領域50に複数の島状パターン24を有する付加膜20aが設けられている。複数の島状パターン24は格子状に配置され、各々は平面視にて円形形状をしている。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0043】
[シミュレーション]
比較例1および比較例2に係る弾性波デバイスに対してシミュレーションを行った。比較例2に係る弾性波デバイスに対しては、島状パターン24の直径Dおよび間隔Lを異ならせた3つのモデルに対してシミュレーションを行った。シミュレーションを行った比較例1をモデルA、比較例2をモデルB、C、Dとする。シミュレーション条件は以下である。
共通の条件
弾性波の波長λ:圧電層14の厚さの2倍
下部電極12:厚さ44nmのアルミニウム膜
圧電層14:厚さ440nmのニオブ酸リチウム層
上部電極16:厚さ44nmのアルミニウム膜
エッジ膜18a、18b:厚さ50nmの酸化シリコン膜
エッジ膜18a、18bの幅:880nm
X方向の条件:共振領域50のX方向の幅が34λ
Y方向の条件:共振領域50のY方向の幅が34λ
比較例2のモデルBの条件
島状パターン24:厚さ10nmの酸化シリコン膜
島状パターン24の直径D:2.0μm
島状パターン24の間隔L:1.0μm
比較例2のモデルCの条件
島状パターン24:厚さ10nmの酸化シリコン膜
島状パターン24の直径D:2.0μm
島状パターン24の間隔L:0.75μm
比較例2のモデルDの条件
島状パターン24:厚さ10nmの酸化シリコン膜
島状パターン24の直径D:1.5μm
島状パターン24の間隔L:1.0μm
【0044】
図6(a)から図7(b)は、モデルAからDの周波数に対するアドミッタンス|Y|のシミュレーション結果である。図6(a)に示すように、モデルA(比較例1)では、共振周波数frと反共振周波数faの間においてスプリアスの発生は抑制されていた。図6(b)、図7(a)、および図7(b)に示すように、モデルB、C、D(比較例2)では、共振周波数frと反共振周波数faの間においてスプリアス66が発生した。モデルCはモデルBよりもスプリアス66が高周波側にシフトし、モデルDはモデルCよりもスプリアス66が高周波側にシフトした。すなわち、島状パターン24の間隔Lが小さくなり、島状パターン24の直径Dが小さくなることで、スプリアス66の発生周波数は高周波側にシフトした。
【0045】
モデルB、C、D(比較例2)でスプリアス66が発生したのは以下の理由によるものと考えられる。モデルB、C、D(比較例2)では、図5(b)のように、共振周波数を調整するため、格子状に配置された島状パターン24を有する付加膜20aが設けられている。このように、複数の島状パターン24が格子状に配置されていると、厚みすべり振動の弾性波が励振される場合では、島状パターン24に起因して発生する不要波の位相が揃うために互いに強め合うようになり、その結果、スプリアス66が発生したことが考えられる。
【0046】
実施例1に係る弾性波デバイスに対してシミュレーションを行った。シミュレーション条件は以下である。
弾性波の波長λ:圧電層14の厚さの2倍
下部電極12:厚さ44nmのアルミニウム膜
圧電層14:厚さ440nmのニオブ酸リチウム層
上部電極16:厚さ44nmのアルミニウム膜
エッジ膜18a、18b:厚さ50nmの酸化シリコン膜
エッジ膜18a、18bの幅:880nm
X方向の条件:共振領域50のX方向の幅が34λ
Y方向の条件:共振領域50のY方向の幅が34λ
線状パターン22:厚さ10nmの酸化シリコン膜
線状パターン22の幅W:2.0μm
線状パターン22の間隔L:1.0μm
振動方向60に対する線状パターン22の延伸方向62の角度θ:0°、15°、30°、45°、60°、75°、90°
【0047】
図8(a)から図10(b)は、実施例1の周波数に対するアドミッタンス|Y|のシミュレーション結果である。図8(a)から図10(b)に示すように、厚みすべり振動の振動方向60に対する線状パターン22の延伸方向62の角度θが0°の場合ではスプリアス66が大きかったが、角度θが15°、30°、45°、60°、75°、90°の場合ではスプリアス66は低減した。このシミュレーション結果から、振動方向60とは異なる方向に伸びる線状パターン22を有する付加膜20を用いることで、スプリアス66の発生を抑制できることが分かる。また、角度θの大きさによりスプリアス66が発生する周波数が変化し、角度θが小さくなるとスプリアス66の発生周波数は共振周波数frに近づき、角度θが大きくなるとスプリアス66の発生周波数は反共振周波数faに近づくことが分かる。
【0048】
実施例1においてスプリアス66の発生が抑制されたのは以下の理由によるものと考えられる。複数の線状パターン22が厚みすべり振動の振動方向60に対して傾いた方向に伸びていることで、厚みすべり振動の弾性波が励振される場合、線状パターン22に起因して発生する不要波の位相が互いにずれる。このため、線状パターン22に起因する不要波が互いに強め合うことが抑制され、その結果、スプリアス66の発生が抑制されたと考えられる。
【0049】
[変形例]
図11(a)から図12(b)は、実施例1の変形例1から変形例4に係る弾性波デバイスの平面図である。図11(a)に示すように、実施例1の変形例1に係る弾性波デバイス110では、線状パターン22の幅および間隔が一定ではなく、複数の幅の線状パターン22が複数の間隔で設けられている。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。図11(b)に示すように、実施例1の変形例2に係る弾性波デバイス120では、線状パターン22の各辺は直線ではなく、少なくとも一部において曲線となっている。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0050】
図12(a)に示すように、実施例1の変形例3に係る弾性波デバイス130では、共振領域50が平面視において楕円形形状をしている。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。図12(b)に示すように、実施例1の変形例4に係る弾性波デバイス140では、共振領域50が平面視において五角形以上の多角形形状をしている。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0051】
実施例1およびその変形例によれば、共振領域50に設けられた付加膜20は複数の線状パターン22を有する。複数の線状パターン22の延伸方向62は厚みすべり振動の振動方向60とは異なっている。これにより、図8(b)から図10(b)のように、スプリアス66の発生を抑制することができる。スプリアス66を抑制する観点から、厚みすべり振動の振動方向60に対する複数の線状パターン22の延伸方向62の角度θは、5°以上90°未満が好ましく、5°以上85°以下がより好ましく、15°以上75°以下が更に好ましく、30°以上60°以下がより更に好ましい。
【0052】
また、実施例1では、図1(a)のように、共振領域50は、平面視において、厚みすべり振動の振動方向60で対向する2辺が互いに平行である。このような場合に、複数の線状パターン22の延伸方向62を厚みすべり振動の振動方向60と異なる方向にすることにより、線状パターン22に起因する不要波が互いに強め合うことが抑制されやすい。よって、スプリアス66の発生を抑制することができる。2辺が互いに平行とは、製造誤差程度に傾いている場合を許容し、例えば一方の辺に対して他方の辺が5°以下で傾いている場合でもよく、3°以下が傾いている場合でもよい。
【実施例0053】
図13(a)は、実施例2に係る弾性波デバイスの平面図、図13(b)は、図13(a)のA-A断面図である。図13(a)および図13(b)に示すように、実施例2に係る弾性波デバイス200では、共振領域50に、複数の島状パターン24を有する付加膜20aが設けられている。複数の島状パターン24は、平面視において、例えば直径Dの大きさが互いに等しい円形形状をしている。複数の島状パターン24は、格子状に配置されてなく、X方向で隣接する列がY方向にずれて千鳥状に設けられている。複数の島状パターン24は、厚みすべり振動の振動方向60に対して角度δで傾いた方向で並んだ間隔L1は、振動方向60で並んだ間隔L2より小さくなっている。すなわち、複数の島状パターン24が最短間隔で並んだ最短間隔方向64は、厚みすべり振動の振動方向60に対して角度δで傾いている。角度δは0°より大きく90°より小さい。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0054】
[シミュレーション]
実施例2に係る弾性波デバイスに対してシミュレーションを行った。シミュレーション条件は以下である。
弾性波の波長λ:圧電層14の厚さの2倍
下部電極12:厚さ44nmのアルミニウム膜
圧電層14:厚さ440nmのニオブ酸リチウム層
上部電極16:厚さ44nmのアルミニウム膜
エッジ膜18a、18b:厚さ50nmの酸化シリコン膜
エッジ膜18a、18bの幅:880nm
X方向の条件:共振領域50のX方向の幅が34λ
Y方向の条件:共振領域50のY方向の幅が34λ
島状パターン24:厚さ10nmの酸化シリコン膜
島状パターン24の直径D:1.0μm
島状パターン24の間隔L1:0.82μm
島状パターン24の間隔L2:2.0μm
振動方向60に対する最短間隔方向64の角度δ:45°
【0055】
図14は、実施例2の周波数に対するアドミッタンス|Y|のシミュレーション結果である。図14に示すように、島状パターン24の最短間隔方向64が厚みすべり振動の振動方向60に対して45°傾いた場合では、スプリアス66は小さく抑えられた。このシミュレーション結果から、島状パターン24を用いた場合では、島状パターン24の最短間隔方向64を振動方向60に対して傾けることで、スプリアス66の発生を抑制できることが分かる。
【0056】
[変形例]
図15(a)および図15(b)は、実施例2の変形例1および変形例2に係る弾性波デバイスの平面図である。図15(a)に示すように、実施例2の変形例1に係る弾性波デバイス210では、複数の島状パターン24の直径が一定ではなく、複数の直径の島状パターン24が設けられている。その他の構成は実施例2と同じであるため説明を省略する。図15(b)に示すように、実施例2の変形例2に係る弾性波デバイス220では、島状パターン24は、平面視において矩形形状をしている。その他の構成は実施例2と同じであるため説明を省略する。なお、矩形形状以外にも、楕円形形状やオーバル形状等、その他の形状をしていてもよい。
【0057】
なお、実施例2においても、実施例1の変形例3または変形例4と同様に、共振領域50は平面視において楕円形形状である場合や、五角形以上の多角形形状である場合でもよい。
【0058】
実施例2およびその変形例によれば、共振領域50に設けられた付加膜20aは複数の島状パターン24を有する。複数の島状パターン24において最短間隔で隣接するパターンが並んだ最短間隔方向64は厚みすべり振動の振動方向60に対して傾いた方向である。これにより、図14から分かるように、実施例1と同様、スプリアス66の発生を抑制することができる。スプリアス66を抑制する観点から、厚みすべり振動の振動方向60に対する複数の島状パターン24の最短間隔方向64の角度δは、実施例1と同様、0°以上85°以下の場合が好ましく、15°以上75°以下の場合がより好ましく、30°以上60°以下の場合が更に好ましい。
【0059】
また、実施例2でも、実施例1と同じく、共振領域50は、平面視において、厚みすべり振動の振動方向60で対向する2辺が互いに平行である。これにより、実施例1と同様に、島状パターン24に起因する不要波が互いに強め合うことが抑制されやすく、スプリアス66の発生を抑制することができる。
【実施例0060】
図16は、実施例3に係る弾性波デバイスの断面図である。図16に示すように、実施例3に係る弾性波デバイス300は、空隙32の代わりに、音響反射膜70が設けられている。音響反射膜70は、音響インピーダンスの低い低音響インピーダンス膜71と音響インピーダンスの高い高音響インピーダンス膜72とが交互に設けられている。低音響インピーダンス膜71および高音響インピーダンス膜72の厚さは例えばそれぞれほぼλ/4である。これにより、音響反射膜70は弾性波を反射する。低音響インピーダンス膜71と高音響インピーダンス膜72の積層数は任意に設定できる。音響反射膜70は、音響特性の異なる少なくとも2種類の層が間隔をあけて積層されていればよい。また、基板10が音響反射膜70の音響特性の異なる少なくとも2種類の層のうちの1層であってもよい。例えば、音響反射膜70は、基板10中に音響インピーダンスの異なる膜が一層設けられている構成でもよい。低音響インピーダンス膜71は例えば酸化シリコン(SiO)膜等の誘電体膜である。高音響インピーダンス膜72は例えばタングステン(W)膜、銅(Cu)膜、金(Au)膜、またはモリブデン(Mo)膜等の金属膜、もしくは、窒化シリコン(SiN)膜、窒化アルミニウム(AlN)膜、酸化アルミニウム(Al)膜、または酸化タンタル(Ta)膜等の誘電体膜である。また、エッジ膜18bは上部電極16上に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであるため説明を省略する。
【0061】
[シミュレーション]
実施例3に係る弾性波デバイスに対してシミュレーションを行った。シミュレーション条件は以下である。
弾性波の波長λ:圧電層14の厚さの2倍
下部電極12:厚さ44nmのアルミニウム膜
圧電層14:厚さ440nmのニオブ酸リチウム層
上部電極16:厚さ44nmのアルミニウム膜
エッジ膜18a、18b:厚さ50nmの酸化シリコン膜
エッジ膜18a、18bの幅:880nm
X方向の条件:共振領域50のX方向の幅が34λ
Y方向の条件:共振領域50のY方向の幅が34λ
線状パターン22:厚さ10nmの酸化シリコン膜
線状パターン22の幅W:2.0μm
線状パターン22の間隔L:1.0μm
振動方向60に対する線状パターン22の角度θ:90°
【0062】
図17は、実施例3の周波数に対するアドミッタンス|Y|のシミュレーション結果である。図17に示すように、実施例3においても、スプリアス66の発生が抑制された。このシミュレーション結果から、下部電極12の下に空隙32が設けられたFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)の場合に限られず、下部電極12の下に弾性波を反射する音響反射膜70が設けられたSMR(Solidly Mounted Resonator)の場合でも、スプリアス66の発生を抑制できることが分かる。
【実施例0063】
図18は、実施例4に係るフィルタの平面図である。図18では、下部電極12を破線で図示し、上部電極16を実線で図示している。図18に示すように、実施例4に係るフィルタ400は、基板10上に、1または複数の直列共振器S1~S4と、1または複数の並列共振器P1~P3と、が設けられている。直列共振器S1~S4は、入力端子に相当する入力パッド80と出力端子に相当する出力パッド82との間に直列に接続されている。並列共振器P1~P3は、入力パッド80と出力パッド82との間に並列に接続されている。並列共振器P1~P3は、一端が入力パッド80と出力パッド82との間の経路に接続され、他端がグランド端子に相当するグランドパッド84に接続されている。直列共振器S1~S4および並列共振器P1~P3の少なくとも1つの共振器に実施例1から実施例3に係る弾性波デバイスを用いることができる。ラダー型フィルタの共振器の個数は適宜設定できる。
【0064】
実施例4において、直列共振器S1~S4および並列共振器P1~P3に実施例1またはその変形例に係る弾性波デバイス用いた場合、角度θ(図1(a)参照)は15°以上75°以下の場合でもよいし、30°以上60°以下の場合でもよいし、45°の場合でもよい。角度θが45°に近い弾性波デバイスを用いることで、図8(a)から図10(b)に示すように、スプリアス66を効果的に低減することができる。直列共振器S1~S4および並列共振器P1~P3に実施例2またはその変形例に係る弾性波デバイス用いた場合も同様に、角度δ(図13(a)参照)は15°以上75°以下の場合でもよいし、30°以上60°以下の場合でもよいし、45°の場合でもよい。
【0065】
また、実施例4において、直列共振器S1~S4に実施例1またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いた場合、直列共振器S1~S4の角度θを互いに異ならせてもよい。例えば直列共振器S1の角度θを45°、直列共振器S2の角度θを40°、直列共振器S3の角度θを50°、直列共振器S4の角度θを55°としてもよい。並列共振器P1~P3においても同様に、例えば並列共振器P1の角度θを45°、並列共振器P2の角度θを50°、並列共振器P3の角度θを40°のように、並列共振器P1~P3の角度θを互いに異ならせてもよい。直列共振器S1~S4および並列共振器P1~P3に実施例2またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いた場合でも同様に角度δを互いに異ならせてもよい。直列共振器S1~S4および並列共振器P1~P3に実施例1およびその変形例と実施例2およびその変形例とを用いた場合では、角度θおよび角度δを互いに異ならせてもよい。
【0066】
このように、直列共振器S1~S4のうちの2以上の直列共振器に実施例1またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いた場合、線状パターン22の延伸方向62の厚み振動の振動方向60に対する傾きの角度θが互いに異なるようにしてもよい。並列共振器P1~P3のうちの2以上の並列共振器に実施例1またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いた場合、線状パターン22の延伸方向62の厚み振動の振動方向60に対する傾きの角度θが互いに異なるようにしてもよい。これにより、フィルタ全体としてのスプリアスを低減させることができる。これは、図8(a)から図10(b)のように、角度θが異なる場合ではスプリアス66の発生周波数が異なるため、共振器各々で発生するスプリアス66が互いに干渉して強まることが抑制されるためである。
【0067】
同様に、直列共振器S1~S4のうちの2以上の直列共振器に実施例2またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いた場合、島状パターン24の最短間隔方向64の厚み振動の振動方向60に対する傾きの角度δが互いに異なるようにしてもよい。並列共振器P1~P3のうちの2以上の並列共振器に実施例2またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いた場合、島状パターン24の最短間隔方向64の厚み振動の振動方向60に対する傾きの角度δが互いに異なるようにしてもよい。これにより、フィルタ全体としてのスプリアスを低減させることができる。
【0068】
また、直列共振器S1~S4のうちの少なくとも1つの直列共振器に実施例1またはその変形例に係る弾性波デバイスを用い、他の少なくとも1つの直列共振器に実施例2またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いてもよい。この場合、少なくとも1つの直列共振器における線状パターン22の延伸方向62の厚み振動の振動方向60に対する傾きの角度θと、他の少なくとも1つの直列共振器における島状パターン24の最短間隔方向64の厚み振動の振動方向60に対する傾きの角度δとが互いに異なるようにしてもよい。同様に、並列共振器P1~P3のうちの少なくとも1つの並列共振器に実施例1またはその変形例に係る弾性波デバイスを用い、他の少なくとも1つの並列共振器に実施例2またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いてもよい。この場合、少なくとも1つの並列共振器における線状パターン22の延伸方向62の厚み振動の振動方向60に対する傾きの角度θと、他の少なくとも1つの並列共振器における島状パターン24の最短間隔方向64の厚み振動の振動方向60に対する傾きの角度δとが互いに異なるようにしてもよい。
【0069】
また、実施例4において、直列共振器S1~S4および並列共振器P1~P3に実施例1またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いた場合、直列共振器S1~S4は並列共振器P1~P3よりも線状パターン22の幅Wまたは間隔Lを小さくしてもよい。このことに関するシミュレーションを以下に示す。
【0070】
[シミュレーション]
実施例1に係る弾性波デバイスにおいて、線状パターン22の幅を異ならせた2つのモデルE、Fに対するシミュレーションを以下に示す。シミュレーション条件は以下である。
共通の条件
弾性波の波長λ:圧電層14の厚さの2倍
下部電極12:厚さ44nmのアルミニウム膜
圧電層14:厚さ440nmのニオブ酸リチウム層
上部電極16:厚さ44nmのアルミニウム膜
エッジ膜18a、18b:厚さ50nmの酸化シリコン膜
エッジ膜18a、18bの幅:880nm
X方向の条件:共振領域50のX方向の幅が34λ
Y方向の条件:共振領域50のY方向の幅が34λ
線状パターン22:厚さ10nmの酸化シリコン膜
振動方向60に対する線状パターン22の角度θ:75°
モデルEの条件
線状パターン22の幅W:2.0μm
線状パターン22の間隔L:1.0μm
モデルFの条件
線状パターン22の幅W:1.0μm
線状パターン22の間隔L:1.0μm
【0071】
図19(a)および図19(b)は、モデルE、Fの周波数に対するアドミッタンス|Y|のシミュレーション結果である。図19(a)および図19(b)に示すように、モデルEは共振周波数frと反共振周波数faの間にスプリアス66が発生したのに対し、モデルFでは共振周波数frと反共振周波数faの間のスプリアスの発生は抑制された。これは、図6(b)および図7(b)に示したシミュレーション結果を踏まえると、線状パターン22の幅Wを狭くしたモデルFは、スプリアス66の発生周波数が高周波側に移動したために、共振周波数frと反共振周波数faの間のスプリアスの発生が抑制されたと考えられる。
【0072】
ラダー型フィルタにおいて、通過帯域の高周波側の減衰極は直列共振器の反共振周波数の位置に生成される。このため、直列共振器でのスプリアスの発生周波数を反共振周波数より高くすることで、通過帯域内へのスプリアスの影響を抑えることができる。
【0073】
したがって、実施例4において、直列共振器S1~S4の線状パターン22の幅Wを並列共振器P1~P3の線状パターン22の幅Wより狭くすることで、直列共振器S1~S4においてスプリアス66の発生周波数を反共振周波数faより高くすることができる。また、図6(b)および図7(a)のシミュレーション結果を踏まえると、直列共振器S1~S4の線状パターン22の間隔Lを並列共振器P1~P3の線状パターン22の間隔Lより小さくすることでも、直列共振器S1~S4においてスプリアス66の発生周波数を反共振周波数faより高くすることができる。なお、直列共振器S1~S4および並列共振器P1~P3に実施例2またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いた場合では、直列共振器S1~S4では並列共振器P1~P3よりも島状パターン24の直径Dまたは間隔L1を小さくすることで同様の効果が得られる。
【0074】
このように、直列共振器S1~S4のうち少なくとも1つの直列共振器および並列共振器P1~P3のうち少なくとも1つの並列共振器に実施例1またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いる。この場合、実施例1またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いた直列共振器および並列共振器において、直列共振器は並列共振器より線状パターン22の幅Wまたは間隔Lを小さくする。これにより、直列共振器においてスプリアス66の発生周波数を反共振周波数faより高い周波数にすることができ、通過特性の劣化を抑制できる。
【0075】
同様に、直列共振器S1~S4のうち少なくとも1つの直列共振器および並列共振器P1~P3のうち少なくとも1つの並列共振器に実施例2またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いる。この場合、実施例2またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いた直列共振器および並列共振器において、直列共振器は並列共振器より島状パターン24の直径Dまたは間隔L1を小さくする。これにより、直列共振器においてスプリアス66の発生周波数を反共振周波数faより高い周波数にすることができ、通過特性の劣化を抑制できる。
【0076】
図8(a)から図10(b)のように、線状パターン22の厚み振動の振動方向60に対する傾きの角度θが大きくなると、スプリアス66は高周波側にシフトする。一方、角度θが45°程度のときにスプリアス66が最も小さく抑えられる。これらのことから、並列共振器P1~P3には、角度θが45°近傍の弾性波デバイスを用いることが好ましい。直列共振器S1~S4には、角度θが並列共振器P1~P3に用いた弾性波デバイスより大きい弾性波デバイスを用い、幅Wまたは間隔Lを小さくして、スプリアス66の発生周波数を反共振周波数faより高くすることが好ましい。
【0077】
同様に、実施例2またはその変形例に係る弾性波デバイスを用いた場合では、並列共振器P1~P3には、角度δが45°近傍の弾性波デバイスを用いることが好ましい。直列共振器S1~S4には、角度δが並列共振器P1~P3に用いた弾性波デバイスより大きい弾性波デバイスを用い、直径Dまたは間隔L1を小さくして、スプリアス66の発生周波数を反共振周波数faより高くすることが好ましい。
【実施例0078】
図20は、実施例5に係るデュプレクサの回路図である。図20に示すように、実施例5に係るデュプレクサ500は、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ90が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ92が接続されている。送信フィルタ90は、送信端子Txから入力された信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ92は、共通端子Antから入力された信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ90および受信フィルタ92の少なくとも一方を、実施例4のフィルタとすることができる。マルチプレクサとしてデュプレクサを例に示したが、トリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
【0079】
以上、本願発明の実施形態について詳述したが、本願発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本願発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
10…基板、12…下部電極、14…圧電層、16…上部電極、18a、18b…エッジ膜、19…絶縁膜、20、20a…付加膜、22…線状パターン、24…島状パターン、30…凹部、32…空隙、50…共振領域、52…中央領域、54…エッジ領域、60…厚みすべり振動の振動方向、62…延伸方向、64…最短間隔方向、66…スプリアス、70…音響反射膜、71…低音響インピーダンス膜、72…高音響インピーダンス膜、80…入力パッド、82…出力パッド、84…グランドパッド、90…送信フィルタ、92…受信フィルタ、95…犠牲層、100、110、120、130、140、200、210、220、300…弾性波デバイス、400…フィルタ、500…デュプレクサ
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