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特開2024-142169情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142169
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054211
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100220663
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】野中 亮吾
(72)【発明者】
【氏名】宮田 亜衣
(72)【発明者】
【氏名】岡本 圭介
(72)【発明者】
【氏名】滝口 結花
(72)【発明者】
【氏名】柴野 菜穂子
(72)【発明者】
【氏名】志々目 裕太
(72)【発明者】
【氏名】岡田 強志
(72)【発明者】
【氏名】小松 昭太
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】推奨商品の情報を提供する技術を改善する。
【解決手段】情報処理装置20は、複数の来場者を、指定席情報に基づいて、2以上のグループに分割し、分割された各グループに所属する来場者をイベント会場へ輸送する1以上の車両10を配車し、各グループに所属する来場者がイベント会場で使用する推奨商品を選定し、各グループに所属する来場者に推奨商品の購入を促すコンテンツを決定する制御部23を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
推奨商品の情報を提供する情報処理装置であって、
複数の来場者を、指定席情報に基づいて、2以上のグループに分割し、分割された各グループに所属する来場者をイベント会場へ輸送する1以上の車両を配車し、前記各グループに所属する来場者が前記イベント会場で使用する前記推奨商品を選定し、前記各グループに所属する来場者に前記推奨商品の購入を促すコンテンツを決定する制御部を備える、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記指定席情報は、座席位置であり、
前記制御部は、前記座席位置が所定の範囲内にある来場者を同一グループに所属させる、情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、特定の形状又は図柄を表現するよう配置される座席位置の来場者を同一グループに所属させ、前記特定の形状又は図柄の表現に予め紐づけられた商品を前記推奨商品に選定する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記複数の来場者それぞれの識別情報と、来場履歴と、各来場時の商品購入履歴とを紐づけて記録する記録部を更に備える、情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記各グループに所属する来場者の前記商品購入履歴に基づいて、過去に販売された商品の購入数が第1の閾値以上である商品と同一カテゴリの商品を推奨商品に選定する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記各グループに所属する来場者の前記商品購入履歴に基づいて、過去に販売された商品の購入数が第2の閾値未満である商品と同一カテゴリの商品を推奨商品に選定する、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記推奨商品の購入を促すコンテンツは、前記推奨商品を購入した場合の効果を示す情報を含む、情報処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記推奨商品の購入を促すコンテンツは、前記推奨商品と、過去に販売された同一カテゴリの商品との差分を示す情報を含む、情報処理装置。
【請求項9】
推奨商品の情報を提供する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
複数の来場者を、指定席情報に基づいて、2以上のグループに分割することと、
分割された各グループに所属する来場者をイベント会場へ輸送する1以上の車両を配車することと、
前記各グループに所属する来場者が前記イベント会場で使用する前記推奨商品を選定することと、
前記各グループに所属する来場者に前記推奨商品の購入を促すコンテンツを決定することと、
を実行する、情報処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理方法であって、
前記指定席情報は、座席位置であり、
前記座席位置が所定の範囲内にある来場者を同一グループに所属させることを更に実行する、情報処理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理方法であって、
特定の形状又は図柄を表現するよう配置される座席位置の来場者を同一グループに所属させることと、
前記特定の形状又は図柄の表現に予め紐づけられた商品を前記推奨商品に選定することと、を更に実行する、情報処理方法。
【請求項12】
請求項9に記載の情報処理方法であって、
前記複数の来場者それぞれの識別情報と、来場履歴と、各来場時の商品購入履歴とを紐づけて記録することを更に実行する、情報処理方法。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理方法であって、
前記各グループに所属する来場者の前記商品購入履歴に基づいて、過去に販売された商品の購入数が第1の閾値以上である商品と同一カテゴリの商品を推奨商品に選定することを更に実行する、情報処理方法。
【請求項14】
請求項12に記載の情報処理方法であって、
前記各グループに所属する来場者の前記商品購入履歴に基づいて、過去に販売された商品の購入数が第2の閾値未満である商品と同一カテゴリの商品を推奨商品に選定することを更に実行する、情報処理方法。
【請求項15】
請求項9に記載の情報処理方法であって、
前記推奨商品の購入を促すコンテンツは、前記推奨商品を購入した場合の効果を示す情報を含む、情報処理方法。
【請求項16】
請求項9に記載の情報処理方法であって、
前記推奨商品の購入を促すコンテンツは、前記推奨商品と、過去に販売された同一カテゴリの商品との差分を示す情報を含む、情報処理方法。
【請求項17】
推奨商品の情報を提供する情報処理装置に、
複数の来場者を、指定席情報に基づいて、2以上のグループに分割することと、
分割された各グループに所属する来場者をイベント会場へ輸送する1以上の車両を配車することと、
前記各グループに所属する来場者が前記イベント会場で使用する前記推奨商品を選定することと、
前記各グループに所属する来場者に前記推奨商品の購入を促すコンテンツを決定することと、
を実行させる、プログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のプログラムであって、
前記指定席情報は、座席位置であり、
前記座席位置が所定の範囲内にある来場者を同一グループに所属させることを更に実行させる、プログラム。
【請求項19】
請求項18に記載のプログラムであって、
特定の形状又は図柄を表現するよう配置される座席位置の来場者を同一グループに所属させることと、
前記特定の形状又は図柄の表現に予め紐づけられた商品を前記推奨商品に選定することと、を更に実行させる、プログラム。
【請求項20】
請求項17に記載のプログラムであって、
前記複数の来場者それぞれの識別情報と、来場履歴と、各来場時の商品購入履歴とを紐づけて記録することを更に実行させる、プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イベントが開催されると、来場者(観客、又は聴衆など)をイベント会場へ輸送する車両が運行される。例えば、特許文献1には、来場者を乗合によりイベント会場へ送迎する技術が開示されている。また、イベント会場では、来場者が選手、又はアーティストへの応援などのイベントに対する働きかけに使用する、販売商品(応援グッズなど)の情報があふれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-80651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
来場者が選手、又はアーティストを応援し、更には自分自身も熱狂するためには、来場者のイベントに対する働きかけ方を多様化することが求められる。そのための一例は、各来場者へその座席位置に応じた商品を販売することである。しかしながら、来場者の座席位置に応じた推奨商品の情報を提供する技術が周知されていなかった。
【0005】
したがって、推奨商品の情報を提供する技術には改善の余地があった。
【0006】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、推奨商品の情報を提供する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、推奨商品の情報を提供する情報処理装置であって、複数の来場者を、指定席情報に基づいて、2以上のグループに分割し、分割された各グループに所属する来場者をイベント会場へ輸送する1以上の車両を配車し、前記各グループに所属する来場者が前記イベント会場で使用する前記推奨商品を選定し、前記各グループに所属する来場者に前記推奨商品の購入を促すコンテンツを決定する制御部を備える。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、推奨商品の情報を提供する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、複数の来場者を、指定席情報に基づいて、2以上のグループに分割することと、分割された各グループに所属する来場者をイベント会場へ輸送する1以上の車両を配車することと、前記各グループに所属する来場者が前記イベント会場で使用する前記推奨商品を選定することと、前記各グループに所属する来場者に前記推奨商品の購入を促すコンテンツを決定することと、を実行する。
【0009】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、推奨商品の情報を提供する情報処理装置に、複数の来場者を、指定席情報に基づいて、2以上のグループに分割することと、分割された各グループに所属する来場者をイベント会場へ輸送する1以上の車両を配車することと、前記各グループに所属する来場者が前記イベント会場で使用する前記推奨商品を選定することと、前記各グループに所属する来場者に前記推奨商品の購入を促すコンテンツを決定することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態によれば、推奨商品の情報を提供する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図3】イベント会場の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0013】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、車両10と、情報処理装置20とを備える。車両10及び情報処理装置20は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク2と通信可能に接続されている。
【0014】
車両10は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。自動車は、ガソリン車、BEV(Battery Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又はFCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)等であるが、これらに限られない。システム1が備える車両10の数は、任意に定められてもよい。
【0015】
本実施形態において車両10は、イベント会場へ複数の来場者を輸送する。複数の来場者全員を収容する1以上の車両10が、出発時刻、到着時刻、又は出発時刻及び到着時刻をずらして運行されるものとしてもよい。車両10は、駅前広場などの所定の出発場所からイベント会場までの区間を運行するものとしてもよい。車両10は、複数の来場者をイベント会場へ輸送する間に、車室内で複数の来場者に推奨商品の購入を促すコンテンツを提示してもよい。車両10は、ネットワーク2を介して、情報処理装置20と通信可能に接続される。
【0016】
情報処理装置20は、例えばサーバ装置等のコンピュータである。情報処理装置20は、ネットワーク2を介して車両10と通信可能に接続されている。
【0017】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置20は、複数の来場者を、指定席情報に基づいて、2以上のグループに分割し、分割された各グループに所属する来場者をイベント会場へ輸送する1以上の車両を配車し、各グループに所属する来場者がイベント会場で使用する推奨商品を選定し、各グループに所属する来場者に推奨商品の購入を促すコンテンツを決定する。
【0018】
このように、本実施形態によれば、複数の来場者を分割したグループごとに、推奨商品が提示される。その結果、複数の来場者は、その座席位置に応じた推奨商品の情報を知得することが出来る。したがって、来場者がその座席位置に応じた推奨商品を購入する蓋然性が向上する点で、推奨商品の情報を提供する技術が改善される。
【0019】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
【0020】
(車両の構成)
図1に示すように、車両10は、通信部11と、測位部12と、出力部13と、記憶部14と、制御部15とを備える。
【0021】
通信部11は、ネットワーク2に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)若しくは5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られない。本実施形態において、車両10は、通信部11及びネットワーク2を介して情報処理装置20と通信する。
【0022】
測位部12は、車両10の位置情報を取得する1つ以上の装置を含む。具体的には、測位部12は、例えばGPSに対応する受信機を含むが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応する受信機を含んでもよい。
【0023】
出力部13は、音声を出力可能な少なくとも1つの音声出力用インタフェース、及び文字又は映像を表示可能な少なくとも1つの表示用インタフェースを含んで構成される。音声出力用インタフェースは、例えば、スピーカである。表示用インタフェースは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイ等のディスプレイである。ただし、音声出力用インタフェース及び表示用インタフェースは、これらに限定されない。
【0024】
記憶部14は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部14に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部14は、車両10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部14は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、及び情報処理装置20より受信した自車両の運行計画並びに自車両に乗車する複数の来場者それぞれの識別情報等を記憶してもよい。記憶部14に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク2から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0025】
制御部15は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部15は、車両10全体の動作を制御する。
【0026】
(情報処理装置の構成)
図1に示すように、情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0027】
通信部21は、ネットワーク2に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置20は、通信部21及びネットワーク2を介して車両10と通信する。
【0028】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び複数の来場者それぞれの識別情報と、来場履歴と、各来場時の商品購入履歴とを紐づけて記録する情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク2から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0029】
制御部23は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部23は、情報処理装置20全体の動作を制御する。
【0030】
(情報処理装置の動作フロー)
図2は、情報処理装置20の動作を示すフローチャートである。図3は、イベント会場4の概要を示す図である。図2及び図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の動作について説明する。本動作は、イベント会場4で販売される推奨商品7の情報の提供に関する。
【0031】
ステップS101:制御部23は、イベントのチケットを購入した複数の来場者3(3A~3H)の識別情報を取得する。
【0032】
制御部23は、通信部21及びネットワーク2を介して、イベントのチケットを販売する販売業者のサーバより、イベントのチケットを購入した複数の来場者3の識別情報を取得する。来場者3A~3Hは、それぞれ複数の来場者より構成される。
【0033】
記憶部22は、複数の来場者3の識別情報と、来場履歴と、各来場時の商品購入履歴とを紐づけて記録してもよい。記憶部22は、販売業者のサーバより取得した複数の来場者3の識別情報に基づいて、今回の来場履歴と商品購入履歴とを、個々の来場者3について記憶部22に記憶されている過去の来場履歴と、各来場時の商品購入履歴とに追加する形で紐づけて記録してもよい。
【0034】
ステップS102:制御部23は、複数の来場者3を、指定席情報に基づいて、2以上のグループに分割する。
【0035】
本実施形態において、指定席情報とは、座席位置6(6A~6H)である。制御部23は、座席位置6が所定の範囲内にある来場者3を同一グループに所属させてもよい。図3に示すように、座席位置6A,6B,6C,6D,6E,6F,6G,及び6Hは、それぞれ所定の範囲内にある座席位置である。制御部23は、座席位置6A,6B,6C,6D,6E,6F,6G,及び6Hにそれぞれ座る来場者3A,3B,3C,3D,3E,3F,3G,及び3Hをそれぞれ同一グループに所属させてもよい。なお、座席位置6(6A~6H)は、来場者3がチケットを購入する際に、応援チーム、臨場感、眺め、チケット価格などをもとに、来場者により決定される。
【0036】
また、制御部23は、特定の形状又は図柄を表現するよう配置される座席位置6の来場者3を同一グループに所属させてもよい。図3に示すように、座席位置6B及び6Fは,それぞれ“X”,“Y”の人文字を表示するように配置されている。制御部23は、座席位置6Bに座る来場者3B、及び座席位置6Fに座る来場者3Fをそれぞれ同一グループに所属させてもよい。
【0037】
ステップS103:制御部23は、分割された各グループに所属する来場者3をイベント会場4へ輸送する1以上の車両10を配車する。
【0038】
制御部23は、各グループに所属する来場者3(3A~3H)を所定の出発場所5からイベント会場4まで輸送する1以上の車両10(10A~10H)を配車する。各グループに所属する来場者3(例えば、グループAに所属する来場者3A)の人数が車両10の1台の乗車定員を超える場合、制御部23は来場者3Aを分乗させる2台以上の車両10を配車してもよい。制御部23は、各グループに所属する来場者3のそれぞれを乗車させる1以上の車両10の運行計画を策定する。なお、イベント会場4の混雑緩和のため、制御部23は、所定の出発場所5からの出発時刻、イベント会場4への到着時刻、又は出発時刻及び到着時刻を、所定時間Tだけずらすように、1以上の車両10の運行計画を策定してもよい。所定時間Tは、説明の便宜上10分とするが、10分に限定せず、任意に決定してもよい。
【0039】
ステップS104:制御部23は、各グループに所属する来場者3がイベント会場4で使用する推奨商品7を選定する。
【0040】
推奨商品7は、情報処理装置20が各来場者にその座席位置6に応じて推奨する商品(応援グッズなど)である。推奨商品7とは、応援幕、Tシャツ、ユニフォーム、メガホン、うちわ、スティックバルーン、タオル、旗、パネル(人文字用パネルを含む)、又は帽子(キャップ)、などであるが、それらに限られない。図3では、推奨商品7としてチームXの選手の背番号100を大きく表示した旗が例示されている。
【0041】
制御部23は、分割された各グループに所属する来場者3の商品購入履歴に基づいて、過去に販売された商品の購入数が第1の閾値以上である商品と同一カテゴリの商品を推奨商品7に選定してもよい。商品のカテゴリは、応援幕、Tシャツ、ユニフォーム、メガホン、うちわ、スティックバルーン、タオル、旗、パネル、又は帽子、などであってもよい。座席位置6が所定の範囲内にある来場者3の多くが、同一の推奨商品7を使用すると、所定の範囲内の座席位置6の来場者3が一体となった応援を行うことが可能となる。図3の例を挙げると、例えば、所定の範囲内の座席位置6A,6B,6CがチームXの応援団の座席位置であるとすると、座席位置6A,6B,6Cの来場者3A,3B,3Cが、チームXのチームカラーで染めた推奨商品7を使用すれば、来場者3A,3B,3Cは、チームXを鼓舞することができるとともに、一体感を味わうことができる。
【0042】
制御部23は、分割された各グループに所属する来場者3の商品購入履歴に基づいて、過去に販売された商品の購入数が第2の閾値未満である商品と同一カテゴリの商品を推奨商品7に選定してもよい。少数の来場者3が使用する商品であっても、特定の選手或いは出演者にアピール効果が高い推奨商品7を選定すれば、特定の選手或いは出演者を鼓舞することが可能となる。たとえば、図3に示すように、来場者3Cが、座席位置6Cで、応援するチームXの中で人気と知名度とが必ずしも高いとは言えない選手の背番号100を大きく表示した推奨商品7を応援に使用すれば、普段あまり目立たない当該選手を鼓舞することができる。
【0043】
制御部23は、特定の形状又は図柄を表現するよう配置される座席位置6B,6Fの来場者3B,3Fを同一グループに所属させた場合、特定の形状又は図柄の表現に予め紐づけられた商品を推奨商品7に選定してもよい。座席位置6B,6Fの来場者3B,3Fが、特定の形状又は図柄の表現する2以上の色のパネル又は帽子などの推奨商品7を所定のルールに基づいて使用すれば、来場者3B,3Fは客席でマスゲーム(例えば、図3における人文字“X”,人文字“Y”など)による応援を行うことができる。
【0044】
ステップS105:制御部23は、各グループに所属する来場者3に推奨商品7の購入を促すコンテンツを決定する。
【0045】
制御部23は、各グループに販売する推奨商品7を紹介する映像及び音声によるコンテンツをそれぞれ決定し、各グループの来場者3が乗車する車両10にそれぞれのコンテンツを配信する。
【0046】
推奨商品7の購入を促すコンテンツは、推奨商品7を購入した場合の効果を示す情報を含むものであってもよい。当該コンテンツは、運行中の車両10の車室内でスピーカとディスプレイとを備える出力部13により提示される。当該コンテンツは、実際のイベント会場4で推奨商品7を使用したデモ動画を含むものであってもよい。来場者3が、実際に推奨商品7が使用される場面をイメージできれば、来場者3の購入意欲が刺激され、推奨商品7の販売が促進される。
【0047】
推奨商品7の購入を促すコンテンツは、推奨商品7と、過去に販売された同一カテゴリの商品との差分を示す情報を含むものであってもよい。推奨商品7が過去に販売された商品と同一カテゴリの商品である場合、過去に販売された商品を購入した来場者3に新旧商品の違いを端的に伝えることができるため、推奨商品7の販売が促進される。
【0048】
ステップS106:制御部23は、車両10にコンテンツを提示させる。
【0049】
車両10は、通信部11及びネットワーク2を介して、情報処理装置20の制御部23が決定したコンテンツを受信する。そして、当該コンテンツは、運行中の車両10の車室内で各グループに所属する来場者3にスピーカとディスプレイとを備える出力部13により提示される。
【0050】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置20は、複数の来場者3を、指定席情報に基づいて、2以上のグループに分割し、分割された各グループに所属する来場者3をイベント会場4へ輸送する1以上の車両10を配車し、各グループに所属する来場者3がイベント会場4で使用する推奨商品7を選定し、各グループに所属する来場者3に推奨商品7の購入を促すコンテンツを決定する。
【0051】
かかる構成によれば、複数の来場者3を分割したグループごとに、推奨商品7が提示される。その結果、複数の来場者3は、その座席位置6に応じた推奨商品7の情報を知得することが出来る。したがって、来場者3がその座席位置6に応じた推奨商品7を購入する蓋然性が向上する点で、推奨商品7の情報を提供する技術が改善される。
【0052】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0053】
例えば、上述した実施形態において、情報処理装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。また例えば、情報処理装置20の一部の構成要素を通信可能に接続された他のサーバに設けた実施形態も可能である。たとえば、複数の来場者3それぞれの識別情報と、来場履歴と、各来場時の商品購入履歴とを紐づけて記録する動作を、当該他のサーバに実行させてもよい。かかる場合、情報処理装置20は、複数の来場者3それぞれの識別情報などを当該他のサーバより取得することが出来るため、記憶部22のメモリ容量を節約できる。
【0054】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【0055】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
推奨商品の情報を提供する情報処理装置であって、
複数の来場者を、指定席情報に基づいて、2以上のグループに分割し、分割された各グループに所属する来場者をイベント会場へ輸送する1以上の車両を配車し、前記各グループに所属する来場者が前記イベント会場で使用する前記推奨商品を選定し、前記各グループに所属する来場者に前記推奨商品の購入を促すコンテンツを決定する制御部を備える、情報処理装置。
[付記2]
付記1に記載の情報処理装置であって、
前記指定席情報は、座席位置であり、
前記制御部は、前記座席位置が所定の範囲内にある来場者を同一グループに所属させる、情報処理装置。
[付記3]
付記2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、特定の形状又は図柄を表現するよう配置される座席位置の来場者を同一グループに所属させ、前記特定の形状又は図柄の表現に予め紐づけられた商品を前記推奨商品に選定する、情報処理装置。
[付記4]
付記1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記複数の来場者それぞれの識別情報と、来場履歴と、各来場時の商品購入履歴とを紐づけて記録する記録部を更に備える、情報処理装置。
[付記5]
付記4に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記各グループに所属する来場者の前記商品購入履歴に基づいて、過去に販売された商品の購入数が第1の閾値以上である商品と同一カテゴリの商品を推奨商品に選定する、情報処理装置。
[付記6]
付記4に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記各グループに所属する来場者の前記商品購入履歴に基づいて、過去に販売された商品の購入数が第2の閾値未満である商品と同一カテゴリの商品を推奨商品に選定する、情報処理装置。
[付記7]
付記1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記推奨商品の購入を促すコンテンツは、前記推奨商品を購入した場合の効果を示す情報を含む、情報処理装置。
[付記8]
付記1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記推奨商品の購入を促すコンテンツは、前記推奨商品と、過去に販売された同一カテゴリの商品との差分を示す情報を含む、情報処理装置。
[付記9]
推奨商品の情報を提供する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
複数の来場者を、指定席情報に基づいて、2以上のグループに分割することと、
分割された各グループに所属する来場者をイベント会場へ輸送する1以上の車両を配車することと、
前記各グループに所属する来場者が前記イベント会場で使用する前記推奨商品を選定することと、
前記各グループに所属する来場者に前記推奨商品の購入を促すコンテンツを決定することと、
を実行する、情報処理方法。
[付記10]
付記9に記載の情報処理方法であって、
前記指定席情報は、座席位置であり、
前記座席位置が所定の範囲内にある来場者を同一グループに所属させることを更に実行する、情報処理方法。
[付記11]
付記10に記載の情報処理方法であって、
特定の形状又は図柄を表現するよう配置される座席位置の来場者を同一グループに所属させることと、
前記特定の形状又は図柄の表現に予め紐づけられた商品を前記推奨商品に選定することと、を更に実行する、情報処理方法。
[付記12]
付記9から11のいずれか一項に記載の情報処理方法であって、
前記複数の来場者それぞれの識別情報と、来場履歴と、各来場時の商品購入履歴とを紐づけて記録することを更に実行する、情報処理方法。
[付記13]
付記12に記載の情報処理方法であって、
前記各グループに所属する来場者の前記商品購入履歴に基づいて、過去に販売された商品の購入数が第1の閾値以上である商品と同一カテゴリの商品を推奨商品に選定することを更に実行する、情報処理方法。
[付記14]
付記12に記載の情報処理方法であって、
前記各グループに所属する来場者の前記商品購入履歴に基づいて、過去に販売された商品の購入数が第2の閾値未満である商品と同一カテゴリの商品を推奨商品に選定することを更に実行する、情報処理方法。
[付記15]
付記9から14のいずれか一項に記載の情報処理方法であって、
前記推奨商品の購入を促すコンテンツは、前記推奨商品を購入した場合の効果を示す情報を含む、情報処理方法。
[付記16]
付記9から15のいずれか一項に記載の情報処理方法であって、
前記推奨商品の購入を促すコンテンツは、前記推奨商品と、過去に販売された同一カテゴリの商品との差分を示す情報を含む、情報処理方法。
[付記17]
推奨商品の情報を提供する情報処理装置に、
複数の来場者を、指定席情報に基づいて、2以上のグループに分割することと、
分割された各グループに所属する来場者をイベント会場へ輸送する1以上の車両を配車することと、
前記各グループに所属する来場者が前記イベント会場で使用する前記推奨商品を選定することと、
前記各グループに所属する来場者に前記推奨商品の購入を促すコンテンツを決定することと、
を実行させる、プログラム。
[付記18]
付記17に記載のプログラムであって、
前記指定席情報は、座席位置であり、
前記座席位置が所定の範囲内にある来場者を同一グループに所属させることを更に実行させる、プログラム。
[付記19]
付記18に記載のプログラムであって、
特定の形状又は図柄を表現するよう配置される座席位置の来場者を同一グループに所属させることと、
前記特定の形状又は図柄の表現に予め紐づけられた商品を前記推奨商品に選定することと、を更に実行させる、プログラム。
[付記20]
付記17から19のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記複数の来場者それぞれの識別情報と、来場履歴と、各来場時の商品購入履歴とを紐づけて記録することを更に実行させる、プログラム。
【符号の説明】
【0056】
1 システム
2 ネットワーク
3,3A~3H 来場者
4 イベント会場
5 出発場所
6,6A~6H 座席位置
7 推奨商品
10 車両
11 通信部
12 測位部
13 出力部
14 記憶部
15 制御部
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
図1
図2
図3