(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142172
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】方法、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054216
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100221899
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】野中 亮吾
(72)【発明者】
【氏名】宮田 亜衣
(72)【発明者】
【氏名】岡本 圭介
(72)【発明者】
【氏名】滝口 結花
(72)【発明者】
【氏名】柴野 菜穂子
(72)【発明者】
【氏名】志々目 裕太
(72)【発明者】
【氏名】岡田 強志
(72)【発明者】
【氏名】小松 昭太
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】イベント会場を訪れるユーザを輸送する技術を改善する。
【解決手段】情報処理装置20が実行する方法であって、イベント会場を訪れる複数の観客それぞれの属性情報を取得すること、属性情報に基づいて、複数の観客を2以上のグループに分けること、及び同じグループに分けられた観客同士を同じ車両30でイベント会場へ輸送するように、2以上の車両30の運行計画を決定することを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実行する方法であって、
イベント会場を訪れる複数の観客それぞれの属性情報を取得すること、
前記属性情報に基づいて、前記複数の観客を2以上のグループに分けること、及び
同じグループに分けられた観客同士を同じ車両で前記イベント会場へ輸送するように、前記2以上の車両の運行計画を決定すること
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記2以上のグループにそれぞれ対応する2以上のチャットルームを設定することを更に含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記イベント会場で開催されるイベントの終了後に前記2以上のチャットルームを解消することを更に含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記属性情報は、前記イベント会場における観客の指定席の位置情報を含み、
前記情報処理装置は、互いの指定席が所定距離以上離れている観客同士を同じグループにする、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記属性情報は、前記イベント会場で開催されるイベントの複数の参加者又は複数の参加団体のうち、観客の興味対象として設定された参加者又は参加団体を示す情報を含み、
前記情報処理装置は、興味対象が一致する観客同士を同じグループにする、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
グループ毎に、興味対象が前記イベント会場に到着する予定時刻よりも早い時刻を目標時刻として設定することを更に含み、
前記情報処理装置は、各グループが各目標時刻までに前記イベント会場に到着するように前記運行計画を決定する、方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法であって、
グループ毎に、興味対象に関連する施設を経由地として設定することを更に含み、
前記情報処理装置は、各グループが各経由地を経由して前記イベント会場に到着するように前記運行計画を決定する、方法。
【請求項8】
コンピュータに、
イベント会場を訪れる複数の観客それぞれの属性情報を取得すること、
前記属性情報に基づいて、前記複数の観客を2以上のグループに分けること、及び
同じグループに分けられた観客同士を同じ車両で前記イベント会場へ輸送するように、前記2以上の車両の運行計画を決定すること
を実行させる、プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、前記2以上のグループにそれぞれ対応する2以上のチャットルームを設定することを更に実行させる、プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、前記イベント会場で開催されるイベントの終了後に前記2以上のチャットルームを解消することを更に実行させる、プログラム。
【請求項11】
請求項8に記載のプログラムであって、
前記属性情報は、前記イベント会場における観客の指定席の位置情報を含み、
前記コンピュータは、互いの指定席が所定距離以上離れている観客同士を同じグループにする、プログラム。
【請求項12】
請求項8に記載のプログラムであって、
前記属性情報は、前記イベント会場で開催されるイベントの複数の参加者又は複数の参加団体のうち、観客の興味対象として設定された参加者又は参加団体を示す情報を含み、
前記コンピュータは、興味対象が一致する観客同士を同じグループにする、プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、グループ毎に、興味対象が前記イベント会場に到着する予定時刻よりも早い時刻を目標時刻として設定することを更に実行させ、
前記コンピュータは、各グループが各目標時刻までに前記イベント会場に到着するように前記運行計画を決定する、プログラム。
【請求項14】
請求項12に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、グループ毎に、興味対象に関連する施設を経由地として設定することを更に実行させ、
前記コンピュータは、各グループが各経由地を経由して前記イベント会場に到着するように前記運行計画を決定する、プログラム。
【請求項15】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
イベント会場を訪れる複数の観客それぞれの属性情報を取得し、
前記属性情報に基づいて、前記複数の観客を2以上のグループに分け、
同じグループに分けられた観客同士を同じ車両で前記イベント会場へ輸送するように、前記2以上の車両の運行計画を決定する、情報処理装置。
【請求項16】
請求項15に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記2以上のグループにそれぞれ対応する2以上のチャットルームを設定する、情報処理装置。
【請求項17】
請求項15に記載の情報処理装置であって、
前記属性情報は、前記イベント会場における観客の指定席の位置情報を含み、
前記制御部は、前記複数の観客を2以上のグループに分ける際、互いの指定席が所定距離以上離れている観客同士を同じグループにする、情報処理装置。
【請求項18】
請求項15に記載の情報処理装置であって、
前記属性情報は、前記イベント会場で開催されるイベントの複数の参加者又は複数の参加団体のうち、観客の興味対象として設定された参加者又は参加団体を示す情報を含み、
前記制御部は、前記複数の観客を2以上のグループに分ける際、興味対象が一致する観客同士を同じグループにする、情報処理装置。
【請求項19】
請求項18に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
グループ毎に、興味対象が前記イベント会場に到着する予定時刻よりも早い時刻を目標時刻として設定し、
各グループが各目標時刻までに前記イベント会場に到着するように前記運行計画を決定する、情報処理装置。
【請求項20】
請求項18に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
グループ毎に、興味対象に関連する施設を経由地として設定し、
各グループが各経由地を経由して前記イベント会場に到着するように前記運行計画を決定する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イベント会場を訪れるユーザを輸送する技術が知られている。例えば特許文献1には、ユーザ毎のイベント情報とユーザ同士の関係性を取得し、これらの情報をもとにグループを作成し、当該グループでの乗合移動を提案することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イベント会場を訪れるユーザを輸送する技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、イベント会場を訪れるユーザを輸送する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
情報処理装置が実行する方法であって、
イベント会場を訪れる複数の観客それぞれの属性情報を取得すること、
前記属性情報に基づいて、前記複数の観客を2以上のグループに分けること、及び
同じグループに分けられた観客同士を同じ車両で前記イベント会場へ輸送するように、前記2以上の車両の運行計画を決定すること
を含む。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
コンピュータに、
イベント会場を訪れる複数の観客それぞれの属性情報を取得すること、
前記属性情報に基づいて、前記複数の観客を2以上のグループに分けること、及び
同じグループに分けられた観客同士を同じ車両で前記イベント会場へ輸送するように、前記2以上の車両の運行計画を決定すること
を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
イベント会場を訪れる複数の観客それぞれの属性情報を取得し、
前記属性情報に基づいて、前記複数の観客を2以上のグループに分け、
同じグループに分けられた観客同士を同じ車両で前記イベント会場へ輸送するように、前記2以上の車両の運行計画を決定する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、イベント会場を訪れるユーザを輸送する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、複数の端末装置10と、情報処理装置20と、複数の車両30と、を備える。端末装置10、情報処理装置20及び車両30は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク40と通信可能に接続される。本実施形態において、システム1は、イベント会場を訪れる複数の観客を当該イベント会場へ輸送するように各車両30の運行計画を決定するために用いられる。イベント会場は、例えばアリーナ、競技場、又はお祭り会場等であるが、これらに限られない。
【0013】
端末装置10は、ユーザによって使用される任意のコンピュータである。例えばスマートフォン若しくはタブレット端末等の汎用のコンピュータ、又は専用のコンピュータが、端末装置10として採用可能である。例えばユーザは、端末装置10を用いて、イベント会場で開催されるイベントのチケットを購入することができる。本実施形態では、イベント会場で開催されるイベントは、スポーツの試合であるものとして説明するが、当該例に限られず任意のイベントであってもよい。以下、端末装置10のユーザは、イベント会場を訪れる予定の観客であるものとして説明する。
【0014】
情報処理装置20は、例えばサーバ装置であるが、これに限られず任意のコンピュータであってもよい。情報処理装置20は、ネットワーク40を介して端末装置10と通信可能である。本実施形態において、情報処理装置20は、各車両30の運行計画を決定する。
【0015】
車両30は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。自動車は、BEV(Battery Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又はFCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)等であるが、これらに限られない。車両30は、運転者によって直接又は遠隔から運転可能であってもよい。或いは車両30は、例えばSAE(Society of Automotive Engineers)において定義されるレベル1乃至5等の自動運転が可能であってもよい。システム1は、2以上の任意の数の車両30を備えてもよい。本実施形態において、車両30は、情報処理装置20によって決定された運行計画に従い、観客をイベント会場へ輸送する。
【0016】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置20は、イベント会場を訪れる複数の観客それぞれの属性情報を取得する。情報処理装置20は、属性情報に基づいて、複数の観客を2以上のグループに分ける。そして情報処理装置20は、同じグループに分けられた観客同士を同じ車両30でイベント会場へ輸送するように、2以上の車両30の運行計画を決定する。
【0017】
このように、本実施形態によれば、イベント会場を訪れる複数の観客が、それぞれの属性情報に基づいて2以上のグループに分けられる。そして複数の観客は、決定された運行計画に従いグループ毎にイベント会場へ車両30で輸送される。属性情報に基づいて同じグループに分けられた観客同士を同じ車両30に乗車させることにより、車両30の乗車中に当該観客同士の交流が促進され得る。例えば、イベント会場でスポーツの試合が開催される場合に、同じ出場チームを応援している観客同士を同じ車両30に乗車させることで、イベント会場への移動中であっても観客同士の交流を促すことができる。したがって、イベント会場への移動中における観客同士の交流が促進され得る点で、イベント会場を訪れるユーザを輸送する技術が改善される。
【0018】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
(端末装置の構成)
図2に示すように、端末装置10は、通信部11と、測位部12と、出力部13と、入力部14と、記憶部15と、制御部16と、を備える。
【0019】
通信部11は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)若しくは5G(5th Generation)等の移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格等に対応するが、これらに限られず任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、端末装置10は、通信部11及びネットワーク40を介して情報処理装置20と通信する。
【0020】
測位部12は、端末装置10の位置情報を取得する1つ以上の装置を含む。具体的には、測位部12は、例えばGPS(Global Positioning System)に対応する受信機を含むが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応する受信機を含んでもよい。端末装置10がユーザによって携帯可能な携帯端末である場合、端末装置10の位置情報はユーザの位置情報として扱われてもよい。
【0021】
出力部13は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力装置を含んでもよい。当該出力装置は、例えば情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限られない。出力部13は、外部の出力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0022】
入力部14は、ユーザ入力を検出する1つ以上の入力装置を含んでもよい。当該入力装置は、例えば物理キー、静電容量キー、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、音声入力を受け付けるマイクロフォン、又はカメラ等であるが、これらに限られない。入力部14は、外部の入力装置を接続するためのインタフェースを含んでもよい。
【0023】
記憶部15は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部15に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部15は、端末装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部15は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部15に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0024】
制御部16は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部16は、端末装置10全体の動作を制御する。
【0025】
(情報処理装置の構成)
図3に示すように、情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0026】
通信部21は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置20は、通信部21及びネットワーク40を介して端末装置10と通信する。
【0027】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0028】
制御部23は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部23は、情報処理装置20全体の動作を制御する。
【0029】
(車両の構成)
図4に示すように、車両30は、通信部31と、測位部32と、記憶部33と、制御部34と、を備える。
【0030】
通信部31は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格に対応するが、これらに限られない。本実施形態において、車両30は、通信部31及びネットワーク40を介して情報処理装置20と通信する。
【0031】
測位部32は、車両30の位置情報を取得する1つ以上の装置を含む。具体的には、測位部32は、例えばGPSに対応する受信機を含むが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応する受信機を含んでもよい。
【0032】
記憶部33は、1つ以上のメモリを含む。記憶部33に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部33は、車両30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部33は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部33に記憶された情報は、例えば通信部31を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0033】
制御部34は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部34は、車両30全体の動作を制御する。
【0034】
(情報処理装置の動作フロー)
図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の動作について説明する。
【0035】
ステップS100:情報処理装置20の制御部23は、イベント会場を訪れる複数の観客それぞれの属性情報を取得する。
【0036】
具体的には、制御部23は、開催日程等の決まっているイベントのためにイベント会場を訪れる予定の観客一人一人の属性情報を取得する。属性情報を取得するタイミングは、例えばチケット購入時、又はイベント開催日の数日前等であるが、これらに限られず任意のタイミングであってもよい。また、一度取得した情報は、観客によって更新可能であってもよい。
【0037】
属性情報の取得には、任意の手法が採用可能である。例えば、情報処理装置20の制御部23は、チケット購入時に観客によって端末装置10に入力された属性情報を、通信部21及びネットワーク40を介して受信することにより取得してもよい。
【0038】
属性情報は、観客に関する任意の情報を含んでもよい。本実施形態において、属性情報は、イベント会場で開催されるイベントの複数の参加者(例えば、出場選手)又は複数の参加団体(例えば、出場チーム)のうち、観客の興味対象として設定された参加者又は参加団体(例えば、観客が応援している選手又はチーム)を示す情報を含む。
【0039】
ステップS101:制御部23は、属性情報に基づいて、複数の観客を2以上のグループに分ける。
【0040】
複数の観客のグループ分けには、任意の手法が採用可能である。本実施形態において、制御部23は、属性情報に示される興味対象が一致する観客同士(例えば、応援チームが同じ観客同士)を同じグループにする。
【0041】
ステップS102:制御部23は、同じグループに分けられた観客同士を同じ車両30でイベント会場へ輸送するように、2以上の車両30の運行計画を決定する。
【0042】
具体的には、制御部23は、ステップS101で分けられたグループ毎に車両30を割当て、2以上のグループを2以上の車両30でそれぞれイベント会場へ輸送するように、車両30の運行計画を決定する。
【0043】
運行計画は、車両30の運行に関する任意の情報を含んでもよい。例えば、運行計画は、車両30と、当該車両30の運転手と、当該車両30に乗車させるグループとを紐づける情報、及び車両30の経路情報等を含む。車両30の経路情報は、例えば出発地、目的地、出発予定時刻、到着予定時刻、経由地、及び走行経路等を示す情報を含むが、これらに限られず車両30の経路に関する任意の情報を含んでもよい。
【0044】
ステップS103:制御部23は、2以上のグループにそれぞれ対応する2以上のチャットルームを設定する。
【0045】
具体的には、制御部23は、グループ毎にチャットルームを作成する。そして制御部23は、グループに属する各観客のユーザアカウントを、当該グループに対応するチャットルームに追加する。チャットルームは、例えばテキスト、画像、又は音声等を含むメッセージを送受信することで観客同士が交流可能な仮想のスペースである。同一のチャットルームに追加されたユーザアカウントに係る観客同士は、例えば端末装置10を用いて相互に交流可能である。
【0046】
チャットルームの形式は、例えばチャット形式又はタイムライン形式等であるが、これらに限られず、任意の形式であってもよい。また、チャットルームを設定するタイミングは、グループを分けた後の任意のタイミングであってもよい。かかる構成によれば、イベント会場への移動中以外の場面においても観客同士の交流が促進され得る。
【0047】
ステップS104:制御部23は、イベント会場で開催されるイベントの終了後に2以上のチャットルームを解消する。
【0048】
チャットルームを解消するタイミングは、イベント終了後の任意のタイミングであってもよい。
【0049】
以上述べたように、情報処理装置20は、イベント会場を訪れる複数の観客それぞれの属性情報を取得する。情報処理装置20は、属性情報に基づいて、複数の観客を2以上のグループに分ける。そして情報処理装置20は、同じグループに分けられた観客同士を同じ車両30でイベント会場へ輸送するように、2以上の車両30の運行計画を決定する。
【0050】
かかる構成によれば、イベント会場を訪れる複数の観客が、それぞれの属性情報に基づいて2以上のグループに分けられる。そして複数の観客は、決定された運行計画に従いグループ毎にイベント会場へ車両30で輸送される。属性情報に基づいて同じグループに分けられた観客同士を同じ車両30に乗車させることにより、車両30の乗車中に当該観客同士の交流が促進され得る。例えば、イベント会場でスポーツの試合が開催される場合に、同じ出場チームを応援している観客同士を同じ車両30に乗車させることで、イベント会場への移動中であっても観客同士の交流を促すことができる。したがって、イベント会場への移動中における観客同士の交流が促進され得る点で、イベント会場を訪れるユーザを輸送する技術が改善される。
【0051】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0052】
例えば、上述した実施形態において、情報処理装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させてもよい。また、情報処理装置20の一部又は全部の構成要素を端末装置10に設けた実施形態も可能である。
【0053】
また、上述した実施形態において、情報処理装置20の動作フローをステップS100~S104に分けて説明した。しかしながら、一部のステップが省略された実施形態も可能である。例えば、ステップS103~S104の動作が省略されてもよい。
【0054】
また、上述した実施形態において、属性情報が、イベント会場で開催されるイベントの複数の参加者又は複数の参加団体のうち、観客の興味対象として設定された参加者又は参加団体を示す情報を含む例について説明した。また制御部23が、属性情報に基づいて複数の観客を2以上のグループに分ける際、属性情報に示される興味対象が一致する観客同士を同じグループにする例について説明した。しかしながら、属性情報の内容、及び属性情報に基づくグループ分けの手法は、当該例に限られない。
【0055】
例えば、属性情報は、イベント会場における観客の指定席の位置情報を含んでもよい。そして制御部23は、互いの指定席が所定距離以上離れている観客同士(例えば、指定席の列番号が3以上離れている観客同士)を同じグループにしてもよい。一般的には、指定席が隣接していない観客同士がイベント会場で交流することは難しい。これに対して、上述した実施形態の変形例によれば、互いの指定席が所定距離以上離れている観客同士、すなわちイベント会場で交流することが難しい観客同士を同じグループにすることで、観客同士の交流機会を増加させることができる。
【0056】
また、上述した実施形態において、運行計画を決定する際に属性情報を用いる変形例も可能である。
【0057】
例えば、制御部23は、グループ毎に興味対象(例えば、応援チーム)がイベント会場に到着する予定時刻を取得してもよい。予定時刻の取得には、任意の手法が採用可能である。続いて制御部23は、グループ毎に、取得された予定時刻よりも早い時刻(例えば、予定時刻の10分前)を目標時刻として設定してもよい。そして制御部23は、各グループが各目標時刻までにイベント会場に到着するように運行計画を決定してもよい。かかる構成によれば、例えば、観客は、応援チームのイベント会場到着予定時刻よりも早く到着することによって、選手の会場入りに立ち会うことができる。これにより、観客のイベント体験が向上し得る。
【0058】
また例えば、制御部23は、グループ毎に興味対象に関連する施設を取得してもよい。関連する施設の取得には、任意の手法が採用可能である。続いて制御部23は、グループ毎に、取得された関連する施設を経由地として設定してもよい。そして制御部23は、グループ毎に各経由地を経由してイベント会場に到着するように運行計画を決定してもよい。興味対象に関連する施設としては、オリンピック開催時に、出場選手が過去に利用した選手村内の施設等が挙げられる。これらの経由地を通ることで、観客同士の交流をより活発にすることができる。
【0059】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【0060】
また、上述した実施形態において、車両30は、運転手による運転を必要としない自動運転車両であってもよい。かかる場合において、情報処理装置20の制御部23は、各車両30に対して、決定された運行計画に従って運行するように指示を送信することによって、各車両30の自動運転を制御してもよい。
【0061】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
情報処理装置が実行する方法であって、
イベント会場を訪れる複数の観客それぞれの属性情報を取得すること、
前記属性情報に基づいて、前記複数の観客を2以上のグループに分けること、及び
同じグループに分けられた観客同士を同じ車両で前記イベント会場へ輸送するように、前記2以上の車両の運行計画を決定すること
を含む、方法。
[付記2]
付記1に記載の方法であって、
前記2以上のグループにそれぞれ対応する2以上のチャットルームを設定することを更に含む、方法。
[付記3]
付記2に記載の方法であって、
前記イベント会場で開催されるイベントの終了後に前記2以上のチャットルームを解消することを更に含む、方法。
[付記4]
付記1から3のいずれか一項に記載の方法であって、
前記属性情報は、前記イベント会場における観客の指定席の位置情報を含み、
前記情報処理装置は、互いの指定席が所定距離以上離れている観客同士を同じグループにする、方法。
[付記5]
付記1から4のいずれか一項に記載の方法であって、
前記属性情報は、前記イベント会場で開催されるイベントの複数の参加者又は複数の参加団体のうち、観客の興味対象として設定された参加者又は参加団体を示す情報を含み、
前記情報処理装置は、興味対象が一致する観客同士を同じグループにする、方法。
[付記6]
付記5に記載の方法であって、
グループ毎に、興味対象が前記イベント会場に到着する予定時刻よりも早い時刻を目標時刻として設定することを更に含み、
前記情報処理装置は、各グループが各目標時刻までに前記イベント会場に到着するように前記運行計画を決定する、方法。
[付記7]
付記5又は6に記載の方法であって、
グループ毎に、興味対象に関連する施設を経由地として設定することを更に含み、
前記情報処理装置は、各グループが各経由地を経由して前記イベント会場に到着するように前記運行計画を決定する、方法。
[付記8]
コンピュータに、
イベント会場を訪れる複数の観客それぞれの属性情報を取得すること、
前記属性情報に基づいて、前記複数の観客を2以上のグループに分けること、及び
同じグループに分けられた観客同士を同じ車両で前記イベント会場へ輸送するように、前記2以上の車両の運行計画を決定すること
を実行させる、プログラム。
[付記9]
付記8に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、前記2以上のグループにそれぞれ対応する2以上のチャットルームを設定することを更に実行させる、プログラム。
[付記10]
付記9に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、前記イベント会場で開催されるイベントの終了後に前記2以上のチャットルームを解消することを更に実行させる、プログラム。
[付記11]
付記8から10のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記属性情報は、前記イベント会場における観客の指定席の位置情報を含み、
前記コンピュータは、互いの指定席が所定距離以上離れている観客同士を同じグループにする、プログラム。
[付記12]
付記8から11のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記属性情報は、前記イベント会場で開催されるイベントの複数の参加者又は複数の参加団体のうち、観客の興味対象として設定された参加者又は参加団体を示す情報を含み、
前記コンピュータは、興味対象が一致する観客同士を同じグループにする、プログラム。
[付記13]
付記12に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、グループ毎に、興味対象が前記イベント会場に到着する予定時刻よりも早い時刻を目標時刻として設定することを更に実行させ、
前記コンピュータは、各グループが各目標時刻までに前記イベント会場に到着するように前記運行計画を決定する、プログラム。
[付記14]
付記12又は13に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、グループ毎に、興味対象に関連する施設を経由地として設定することを更に実行させ、
前記コンピュータは、各グループが各経由地を経由して前記イベント会場に到着するように前記運行計画を決定する、プログラム。
[付記15]
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
イベント会場を訪れる複数の観客それぞれの属性情報を取得し、
前記属性情報に基づいて、前記複数の観客を2以上のグループに分け、
同じグループに分けられた観客同士を同じ車両で前記イベント会場へ輸送するように、前記2以上の車両の運行計画を決定する、情報処理装置。
[付記16]
付記15に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記2以上のグループにそれぞれ対応する2以上のチャットルームを設定する、情報処理装置。
[付記17]
付記15又は16に記載の情報処理装置であって、
前記属性情報は、前記イベント会場における観客の指定席の位置情報を含み、
前記制御部は、前記複数の観客を2以上のグループに分ける際、互いの指定席が所定距離以上離れている観客同士を同じグループにする、情報処理装置。
[付記18]
付記15から17のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記属性情報は、前記イベント会場で開催されるイベントの複数の参加者又は複数の参加団体のうち、観客の興味対象として設定された参加者又は参加団体を示す情報を含み、
前記制御部は、前記複数の観客を2以上のグループに分ける際、興味対象が一致する観客同士を同じグループにする、情報処理装置。
[付記19]
付記18に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
グループ毎に、興味対象が前記イベント会場に到着する予定時刻よりも早い時刻を目標時刻として設定し、
各グループが各目標時刻までに前記イベント会場に到着するように前記運行計画を決定する、情報処理装置。
[付記20]
付記18又は19に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
グループ毎に、興味対象に関連する施設を経由地として設定し、
各グループが各経由地を経由して前記イベント会場に到着するように前記運行計画を決定する、情報処理装置。
【符号の説明】
【0062】
1 システム
10 端末装置
11 通信部
12 測位部
13 出力部
14 入力部
15 記憶部
16 制御部
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 車両
31 通信部
32 測位部
33 記憶部
34 制御部
40 ネットワーク