(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142181
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】真空ポンプ、制御装置及び昇温時間制御方法
(51)【国際特許分類】
F04D 19/04 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
F04D19/04 H
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054227
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】508275939
【氏名又は名称】エドワーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105201
【弁理士】
【氏名又は名称】椎名 正利
(72)【発明者】
【氏名】本間 隆太郎
(72)【発明者】
【氏名】坂口 祐幸
【テーマコード(参考)】
3H131
【Fターム(参考)】
3H131AA02
3H131BA11
3H131BA15
3H131CA35
(57)【要約】
【課題】加熱に伴う高温から基板の保護をしつつ、ポンプの昇温時間の短縮を図れる真空ポンプ、制御装置及び昇温時間制御方法を提供する。
【解決手段】ヒータ1の近くに配設された温度センサ3から温度情報が検出され、制御装置200に入力される。制御装置200の昇温状態判定部では、ステップ1で昇温状態の判定が開始される。ステップ3では、入力された温度情報が定格温度と比較される。この定格温度はポンプの機種や仕様によっても異なるが、生成物堆積防止に必要な目標温度として定義される。そして、ステップ5に示すように、入力されたすべての温度情報が定格温度よりも高くなったときに昇温後モードと判断され、ステップ9でこの処理が完了する。一方、ステップ7に示すように、定格温度よりも低い状態のときには昇温中モードと判断され、ステップ9でこの処理が完了する。その後は、周期的にステップ1~ステップ9の動作は繰り返される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
堆積物の生成を防止するために少なくとも一箇所にヒータの配設された加熱部と、
電装部内が高温になるのを防止するため冷却機構の配設されたベース部と、
該ベース部の温度を計測するベース部温度計測手段と、
前記冷却機構による冷却を行うか否かを制御する水冷バルブと、
前記ヒータのすべての温度が予め設定された設定温度を超えているか否かにより、昇温後であるか、昇温中であるかを判断する温度判断手段とを備え、
該温度判断手段による判断結果と前記ベース部温度計測手段で計測された温度に基づき、前記水冷バルブが制御されることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項2】
前記温度判断手段で昇温中と判断され、前記ベース部温度計測手段で計測された温度が冷却用温度下限値以下のときに前記冷却機構による冷却が行われないことを特徴とする請求項1記載の真空ポンプ。
【請求項3】
前記ベース部温度計測手段で計測された温度が冷却用温度上限値以上のときに前記冷却機構による冷却が行われることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の真空ポンプ。
【請求項4】
前記冷却用温度上限値が前記電装部内に配設された基板保護の可能な限界温度値若しくは該限界温度値に対して所定の余裕を持たせた温度値に設定されたことを特徴とする請求項3記載の真空ポンプ。
【請求項5】
前記温度判断手段で昇温後と判断されたときに、前記冷却機構による冷却が行われることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の真空ポンプ。
【請求項6】
前記加熱部の温度を計測する加熱部温度計測手段を備え、
前記設定温度は、加熱用温度下限値と加熱用温度上限値を有し、
該加熱部温度計測手段で計測された温度が前記加熱用温度下限値以下のときに前記ヒータによる加熱が行われ、前記加熱部温度計測手段で計測された温度が前記加熱用温度上限値以上のときに前記ヒータによる加熱が停止されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の真空ポンプ。
【請求項7】
前記加熱部による加熱領域と前記電装部を含む前記ベース部の冷却領域とが熱的に仕切られていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の真空ポンプ。
【請求項8】
堆積物の生成を防止するために少なくとも一箇所にヒータの配設された加熱部と、
電装部内が高温になるのを防止するため冷却機構の配設されたベース部と、
該ベース部の温度を計測するベース部温度計測手段と、
前記冷却機構による冷却を行うか否かを制御する水冷バルブとを備えた真空ポンプの制御装置であって、
前記ヒータのすべての温度が予め設定された設定温度を超えているか否かにより、昇温後であるか、昇温中であるかを判断する温度判断手段を備え、
該温度判断手段による判断結果と前記ベース部温度計測手段で計測された温度に基づき、前記水冷バルブを制御することを特徴とする制御装置。
【請求項9】
堆積物の生成を防止するために少なくとも一箇所にヒータの配設された加熱部と、
電装部内が高温になるのを防止するため冷却機構の配設されたベース部と、
該ベース部の温度を計測するベース部温度計測手段と、
前記冷却機構による冷却を行うか否かを制御する水冷バルブとを備えた真空ポンプの昇温時間を制御する方法であって、
前記ヒータのすべての温度が予め設定された設定温度を超えているか否かにより、昇温後であるか、昇温中であるかを判断し、
昇温中と判断されたとき、前記ベース部温度計測手段で計測された温度に基づき前記水冷バルブを制御することを特徴とする真空ポンプの昇温時間制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空ポンプ、制御装置及び昇温時間制御方法に係わり、特に加熱に伴う高温から基板の保護をしつつ、ポンプの昇温時間の短縮を図れる真空ポンプ、制御装置及び昇温時間制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のエレクトロニクスの発展に伴い、メモリや集積回路といった半導体の需要が急激に増大している。
これらの半導体は、きわめて純度の高い半導体基板に不純物をドープして電気的性質を与えたり、エッチングにより半導体基板上に微細な回路を形成したりなどして製造される。
そして、これらの作業は空気中の塵等による影響を避けるため高真空状態のチャンバ内で行われる必要がある。このチャンバの排気には、一般に真空ポンプが用いられているが、特に残留ガスが少なく、保守が容易等の点から真空ポンプの中の一つであるターボ分子ポンプが多用されている。
【0003】
また、半導体の製造工程では、さまざまなプロセスガスを半導体の基板に作用させる工程が数多くあり、ターボ分子ポンプはチャンバ内を真空にするのみならず、これらのプロセスガスをチャンバ内から排気するのにも使用される。
ところで、プロセスガスは、反応性を高めるため高温の状態でチャンバに導入される場合がある。
【0004】
そして、これらのプロセスガスは、排気される際に冷却されてある温度になると固体となり排気系に生成物を析出する場合がある。そして、この種のプロセスガスがターボ分子ポンプ内で低温となって固体状となり、ターボ分子ポンプ内部に付着して堆積する場合がある。
ターボ分子ポンプ内部にプロセスガスの析出物が堆積すると、この堆積物がポンプ流路を狭め、ターボ分子ポンプの性能を低下させる原因となる。
【0005】
この問題を解決するために、従来はターボ分子ポンプのポンプ外周にヒータや環状の水冷管を巻着させ、かつ例えばヒータの近くに温度センサを埋め込み、この温度センサの信号に基づきヒータ周りの温度を一定の範囲の高温に保つようにヒータの加熱が行われている(特許文献1を参照)。この制御温度は高い方が生成物が堆積し難いため、この温度は可能な限り高くすることが望ましい。
【0006】
一方、電装部には半導体素子等の搭載されたプリント基板が配設されている。そして、このようにベース部を高温にした際には、プリント基板の温度が、半導体素子の限界温度を超えるおそれがある。このため、プリント基板を含む電装部の温度が、半導体素子の限界温度を超えないように、安全上の観点から、通常、水冷管に常時冷却水を流すことが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の温度制御では以下の(1)~(3)のような需要すべてに答えることができない。
(1)高温によるプリント基板の誤動作や故障の防止のためにベース部を常時水冷する。
(2)昇温時間短縮を実現するため、昇温中はベース部の水冷を停止する。
(3)昇温中に半導体素子の限界温度を超える場合は冷却のために水冷を開始する。
【0009】
ここに、(1)であれば、コントローラは介在させずに常時水冷することで実現できるが、(1)と(2)の両方を実現する場合、通常は水冷管のバルブ(水冷バルブ)は常時開くでよいが、ある区間(昇温中)では停止する必要がある。
これをコントローラで制御しようとした場合、上述の温度制御では前記ヒータ周りの目標温度を維持するために上限温度と下限温度の間でオン、オフ動作してしまう。このため(1)~(3)のすべてを満足する制御はできない。
【0010】
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、加熱に伴う高温から基板の保護をしつつ、ポンプの昇温時間の短縮を図れる真空ポンプ、制御装置及び昇温時間制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このため本発明(請求項1)の真空ポンプは、堆積物の生成を防止するために少なくとも一箇所にヒータの配設された加熱部と、電装部内が高温になるのを防止するため冷却機構の配設されたベース部と、該ベース部の温度を計測するベース部温度計測手段と、前記冷却機構による冷却を行うか否かを制御する水冷バルブと、前記ヒータのすべての温度が予め設定された設定温度を超えているか否かにより、昇温後であるか、昇温中であるかを判断する温度判断手段とを備え、該温度判断手段による判断結果と前記ベース部温度計測手段で計測された温度に基づき、前記水冷バルブが制御されることを特徴とする。
【0012】
加熱部に配設されたヒータのすべての温度が予め設定された設定温度を超えているか否かにより、昇温後であるか、昇温中であるかを判断する。そして、この判断の結果とベース部で計測された温度に基づき、水冷バルブが制御される。
これにより、ポンプの昇温時間の短縮が半導体素子の保護を安全に行いつつ実現できる。
【0013】
また、本発明(請求項2)の真空ポンプは、前記温度判断手段で昇温中と判断され、前記ベース部温度計測手段で計測された温度が冷却用温度下限値以下のときに前記冷却機構による冷却が行われないことを特徴とする。
【0014】
これにより、昇温中においてポンプの昇温時間の短縮を実現できる。
【0015】
更に、本発明(請求項3)の真空ポンプは、前記ベース部温度計測手段で計測された温度が冷却用温度上限値以上のときに前記冷却機構による冷却が行われることを特徴とする。
【0016】
電装部周りのベース部で計測された温度を基に冷却制御することにより、電装部の温度管理を適性に行なうことができる。
【0017】
更に、本発明(請求項4)の真空ポンプは、前記冷却用温度上限値が前記電装部内に配設された基板保護の可能な限界温度値若しくは該限界温度値に対して所定の余裕を持たせた温度値に設定されたことを特徴とする。
【0018】
これにより、半導体素子の限界温度を超える場合には、冷却機構による冷却が行われるので、半導体素子の高温による故障や異常が防止でき安全である。
【0019】
更に、本発明(請求項5)の真空ポンプは、前記温度判断手段で昇温後と判断されたときに、前記冷却機構による冷却が行われることを特徴とする。
【0020】
昇温が完了した時点では、水冷バルブは常に開かれた状態となる。これにより、加熱に伴う高温から基板の保護が可能である。
【0021】
更に、本発明(請求項6)の真空ポンプは、前記加熱部の温度を計測する加熱部温度計測手段を備え、前記設定温度は、加熱用温度下限値と加熱用温度上限値を有し、該加熱部温度計測手段で計測された温度が前記加熱用温度下限値以下のときに前記ヒータによる加熱が行われ、前記加熱部温度計測手段で計測された温度が前記加熱用温度上限値以上のときに前記ヒータによる加熱が停止されることを特徴とする。
【0022】
これにより、ベース部以外の部位では高温を維持でき、生成物が堆積するのを安定的に防止できる。
【0023】
更に、本発明(請求項7)の真空ポンプは、前記加熱部による加熱領域と前記電装部を含む前記ベース部の冷却領域とが熱的に仕切られていることを特徴とする。
【0024】
これにより、相互の領域への熱の伝導が防げるので、更に確実に、ポンプの昇温時間の短縮が半導体素子の保護を安全に行いつつ実現できる。
【0025】
更に、本発明(請求項8)は、堆積物の生成を防止するために少なくとも一箇所にヒータの配設された加熱部と、電装部内が高温になるのを防止するため冷却機構の配設されたベース部と、該ベース部の温度を計測するベース部温度計測手段と、前記冷却機構による冷却を行うか否かを制御する水冷バルブとを備えた真空ポンプの制御装置であって、前記ヒータのすべての温度が予め設定された設定温度を超えているか否かにより、昇温後であるか、昇温中であるかを判断する温度判断手段を備え、該温度判断手段による判断結果と前記ベース部温度計測手段で計測された温度に基づき、前記水冷バルブを制御することを特徴とする。
【0026】
更に、本発明(請求項9)は、堆積物の生成を防止するために少なくとも一箇所にヒータの配設された加熱部と、電装部内が高温になるのを防止するため冷却機構の配設されたベース部と、該ベース部の温度を計測するベース部温度計測手段と、前記冷却機構による冷却を行うか否かを制御する水冷バルブとを備えた真空ポンプの昇温時間を制御する方法であって、前記ヒータのすべての温度が予め設定された設定温度を超えているか否かにより、昇温後であるか、昇温中であるかを判断し、昇温中と判断されたとき、前記ベース部温度計測手段で計測された温度に基づき前記水冷バルブを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明(請求項1)によれば、ヒータのすべての温度が予め設定された設定温度を超えているか否かにより、昇温後であるか、昇温中であるかを判断する温度判断手段を備え、温度判断手段による判断結果とベース部温度計測手段で計測された温度に基づき、水冷バルブが制御されるように構成したので、ポンプの昇温時間の短縮が半導体素子の保護を安全に行いつつ実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施形態であるターボ分子ポンプの構成図
【
図3】電流指令値が検出値より大きい場合の制御を示すタイムチャート
【
図4】電流指令値が検出値より小さい場合の制御を示すタイムチャート
【
図8】ベース部以外の部位に対する温度制御を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について説明する。このターボ分子ポンプ100の縦断面図を
図1に示す。
図1において、ターボ分子ポンプ100は、円筒状の外筒127の上端に吸気口101が形成されている。そして、外筒127の内方には、ガスを吸引排気するためのタービンブレードである複数の回転翼102(102a、102b、102c・・・)を周部に放射状かつ多段に形成した回転体103が備えられている。この回転体103の中心にはロータ軸113が取り付けられており、このロータ軸113は、例えば5軸制御の磁気軸受により空中に浮上支持かつ位置制御されている。回転体103は、一般的に、アルミニウム又はアルミニウム合金などの金属によって構成されている。
【0030】
上側径方向電磁石104は、4個の電磁石がX軸とY軸とに対をなして配置されている。この上側径方向電磁石104に近接して、かつ上側径方向電磁石104のそれぞれに対応して4個の上側径方向センサ107が備えられている。上側径方向センサ107は、例えば伝導巻線を有するインダクタンスセンサや渦電流センサなどが用いられ、ロータ軸113の位置に応じて変化するこの伝導巻線のインダクタンスの変化に基づいてロータ軸113の位置を検出する。この上側径方向センサ107はロータ軸113、すなわちそれに固定された回転体103の径方向変位を検出し、制御装置200に送るように構成されている。
【0031】
この制御装置200においては、例えばPID調節機能を有する補償回路が、上側径方向センサ107によって検出された位置信号に基づいて、上側径方向電磁石104の励磁制御指令信号を生成し、
図2に示すアンプ回路150(後述する)が、この励磁制御指令信号に基づいて、上側径方向電磁石104を励磁制御することで、ロータ軸113の上側の径方向位置が調整される。
【0032】
そして、このロータ軸113は、高透磁率材(鉄、ステンレスなど)などにより形成され、上側径方向電磁石104の磁力により吸引されるようになっている。かかる調整は、X軸方向とY軸方向とにそれぞれ独立して行われる。また、下側径方向電磁石105及び下側径方向センサ108が、上側径方向電磁石104及び上側径方向センサ107と同様に配置され、ロータ軸113の下側の径方向位置を上側の径方向位置と同様に調整している。
【0033】
さらに、軸方向電磁石106A、106Bが、ロータ軸113の下部に備えた円板状の金属ディスク111を上下に挟んで配置されている。金属ディスク111は、鉄などの高透磁率材で構成されている。ロータ軸113の軸方向変位を検出するために軸方向センサ109が備えられ、その軸方向位置信号が制御装置200に送られるように構成されている。
【0034】
そして、制御装置200において、例えばPID調節機能を有する補償回路が、軸方向センサ109によって検出された軸方向位置信号に基づいて、軸方向電磁石106Aと軸方向電磁石106Bのそれぞれの励磁制御指令信号を生成し、アンプ回路150が、これらの励磁制御指令信号に基づいて、軸方向電磁石106Aと軸方向電磁石106Bをそれぞれ励磁制御することで、軸方向電磁石106Aが磁力により金属ディスク111を上方に吸引し、軸方向電磁石106Bが金属ディスク111を下方に吸引し、ロータ軸113の軸方向位置が調整される。
【0035】
このように、制御装置200は、この軸方向電磁石106A、106Bが金属ディスク111に及ぼす磁力を適当に調節し、ロータ軸113を軸方向に磁気浮上させ、空間に非接触で保持するようになっている。なお、これら上側径方向電磁石104、下側径方向電磁石105及び軸方向電磁石106A、106Bを励磁制御するアンプ回路150については、後述する。
【0036】
一方、モータ121は、ロータ軸113を取り囲むように周状に配置された複数の磁極を備えている。各磁極は、ロータ軸113との間に作用する電磁力を介してロータ軸113を回転駆動するように、制御装置200によって制御されている。また、モータ121には図示しない例えばホール素子、レゾルバ、エンコーダなどの回転速度センサが組み込まれており、この回転速度センサの検出信号によりロータ軸113の回転速度が検出されるようになっている。
【0037】
さらに、例えば下側径方向センサ108近傍に、図示しない位相センサが取り付けてあり、ロータ軸113の回転の位相を検出するようになっている。制御装置200では、この位相センサと回転速度センサの検出信号を共に用いて磁極の位置を検出するようになっている。
【0038】
回転翼102(102a、102b、102c・・・)とわずかの空隙を隔てて複数枚の固定翼123(123a、123b、123c・・・)が配設されている。回転翼102(102a、102b、102c・・・)は、それぞれ排気ガスの分子を衝突により下方向に移送するため、ロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成されている。固定翼123(123a、123b、123c・・・)は、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅などの金属、又はこれらの金属を成分として含む合金などの金属によって構成されている。
【0039】
また、固定翼123も、同様にロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成され、かつ外筒127の内方に向けて回転翼102の段と互い違いに配設されている。そして、固定翼123の外周端は、複数の段積みされた固定翼スペーサ125(125a、125b、125c・・・)の間に嵌挿された状態で支持されている。
【0040】
固定翼スペーサ125はリング状の部材であり、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅などの金属、又はこれらの金属を成分として含む合金などの金属によって構成されている。固定翼スペーサ125の外周には、わずかの空隙を隔てて外筒127が固定されている。外筒127の底部にはベース部129が配設されている。ベース部129には排気口133が形成され、外部に連通されている。チャンバ(真空チャンバ)側から吸気口101に入ってベース部129に移送されてきた排気ガスは、排気口133へと送られる。
【0041】
さらに、ターボ分子ポンプ100の用途によって、固定翼スペーサ125の下部とベース部129の間には、ネジ付スペーサ131が配設される。ネジ付スペーサ131は、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、又はこれらの金属を成分とする合金などの金属によって構成された円筒状の部材であり、その内周面に螺旋状のネジ溝131aが複数条刻設されている。ネジ溝131aの螺旋の方向は、回転体103の回転方向に排気ガスの分子が移動したときに、この分子が排気口133の方へ移送される方向である。回転体103の回転翼102(102a、102b、102c・・・)に続く最下部には円筒部102dが垂下されている。この円筒部102dの外周面は、円筒状で、かつネジ付スペーサ131の内周面に向かって張り出されており、このネジ付スペーサ131の内周面と所定の隙間を隔てて近接されている。回転翼102および固定翼123によってネジ溝131aに移送されてきた排気ガスは、ネジ溝131aに案内されつつベース部129へと送られる。
【0042】
ベース部129は、ターボ分子ポンプ100の基底部を構成する円盤状の部材であり、一般には鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属によって構成されている。ベース部129はターボ分子ポンプ100を物理的に保持すると共に、熱の伝導路の機能も兼ね備えているので、鉄、アルミニウムや銅などの剛性があり、熱伝導率も高い金属が使用されるのが望ましい。
【0043】
かかる構成において、回転翼102がロータ軸113と共にモータ121により回転駆動されると、回転翼102と固定翼123の作用により、吸気口101を通じてチャンバから排気ガスが吸気される。回転翼102の回転速度は通常20000rpm~90000rpmであり、回転翼102の先端での周速度は200m/s~400m/sに達する。吸気口101から吸気された排気ガスは、回転翼102と固定翼123の間を通り、ベース部129へ移送される。このとき、排気ガスが回転翼102に接触する際に生ずる摩擦熱や、モータ121で発生した熱の伝導などにより、回転翼102の温度は上昇するが、この熱は、輻射又は排気ガスの気体分子などによる伝導により固定翼123側に伝達される。
【0044】
固定翼スペーサ125は、外周部で互いに接合しており、固定翼123が回転翼102から受け取った熱や排気ガスが固定翼123に接触する際に生ずる摩擦熱などを外部へと伝達する。
【0045】
なお、上記では、ネジ付スペーサ131は回転体103の円筒部102dの外周に配設し、ネジ付スペーサ131の内周面にネジ溝131aが刻設されているとして説明した。しかしながら、これとは逆に円筒部102dの外周面にネジ溝が刻設され、その周囲に円筒状の内周面を有するスペーサが配置される場合もある。
【0046】
また、ターボ分子ポンプ100の用途によっては、吸気口101から吸引されたガスが上側径方向電磁石104、上側径方向センサ107、モータ121、下側径方向電磁石105、下側径方向センサ108、軸方向電磁石106A、106B、軸方向センサ109などで構成される電装部に侵入することのないよう、電装部は周囲をステータコラム122で覆われ、このステータコラム122内はパージガスにて所定圧に保たれる場合もある。
【0047】
この場合には、ベース部129には図示しない配管が配設され、この配管を通じてパージガスが導入される。導入されたパージガスは、保護ベアリング120とロータ軸113間、モータ121のロータとステータ間、ステータコラム122と回転翼102の内周側円筒部の間の隙間を通じて排気口133へ送出される。
【0048】
ここに、ターボ分子ポンプ100は、機種の特定と、個々に調整された固有のパラメータ(例えば、機種に対応する諸特性)に基づいた制御を要する。この制御パラメータを格納するために、上記ターボ分子ポンプ100は、その本体内に電子回路部141を備えている。電子回路部141は、EEP-ROM等の半導体メモリ及びそのアクセスのための半導体素子等の電子部品、それらの実装用の基板143等から構成される。この電子回路部141は、ターボ分子ポンプ100の下部を構成するベース部129の例えば中央付近の図示しない回転速度センサの下部に収容され、気密性の底蓋145によって閉じられている。
【0049】
ところで、半導体の製造工程では、チャンバに導入されるプロセスガスの中には、その圧力が所定値よりも高くなり、或いは、その温度が所定値よりも低くなると、固体となる性質を有するものがある。ターボ分子ポンプ100内部では、排気ガスの圧力は、吸気口101で最も低く排気口133で最も高い。プロセスガスが吸気口101から排気口133へ移送される途中で、その圧力が所定値よりも高くなったり、その温度が所定値よりも低くなったりすると、プロセスガスは、固体状となり、ターボ分子ポンプ100内部に付着して堆積する。
【0050】
例えば、Alエッチング装置にプロセスガスとしてSiCl4が使用された場合、低真空(760[torr]~10-2[torr])かつ、低温(約20[℃])のとき、固体生成物(例えばAlCl3)が析出し、ターボ分子ポンプ100内部に付着堆積することが蒸気圧曲線からわかる。これにより、ターボ分子ポンプ100内部にプロセスガスの析出物が堆積すると、この堆積物がポンプ流路を狭め、ターボ分子ポンプ100の性能を低下させる原因となる。そして、前述した生成物は、排気口133付近やネジ付スペーサ131付近の圧力が高い部分で凝固、付着し易い状況にあった。
【0051】
そのため、この問題を解決するために、ベース部129等の外周にヒータ1や環状の水冷管149を巻着させ、かつ例えばヒータ1の近くに温度センサ3(例えばサーミスタ)を埋め込み、この温度センサ3の信号に基づいてベース部129の温度を一定の高い温度(設定温度)に保つように、ヒータ1の加熱や水冷管149による冷却(以下TMSという。TMS;Temperature Management System)が行われるようになっている。水冷管149には冷却を制御するために図示しない水冷バルブが配設されている。
但し、TMSの効率を上げるために、更に排気口133に図示しないヒータを配設し、かつ、このヒータの近くに、図示しない温度センサが配設されてもよい。なお、ベース部129の水冷管149の近くには冷却を制御するために温度センサ5が配設されている。
ヒータ1や排気口133に配設されたヒータの加熱部周りに形成される加熱領域と、電装部を含むベース部129の冷却領域とは構造的に分離されているため、熱的に仕切られている。これにより、相互の領域への熱の伝導が防げるので、更に確実に、ポンプの昇温時間の短縮が半導体素子の保護を安全に行いつつ実現できる。
【0052】
次に、このように構成されるターボ分子ポンプ100に関して、その上側径方向電磁石104、下側径方向電磁石105及び軸方向電磁石106A、106Bを励磁制御するアンプ回路150について説明する。このアンプ回路150の回路図を
図2に示す。
【0053】
図2において、上側径方向電磁石104等を構成する電磁石巻線151は、その一端がトランジスタ161を介して電源171の正極171aに接続されており、また、その他端が電流検出回路181及びトランジスタ162を介して電源171の負極171bに接続されている。そして、トランジスタ161、162は、いわゆるパワーMOSFETとなっており、そのソース-ドレイン間にダイオードが接続された構造を有している。
【0054】
このとき、トランジスタ161は、そのダイオードのカソード端子161aが正極171aに接続されるとともに、アノード端子161bが電磁石巻線151の一端と接続されるようになっている。また、トランジスタ162は、そのダイオードのカソード端子162aが電流検出回路181に接続されるとともに、アノード端子162bが負極171bと接続されるようになっている。
【0055】
一方、電流回生用のダイオード165は、そのカソード端子165aが電磁石巻線151の一端に接続されるとともに、そのアノード端子165bが負極171bに接続されるようになっている。また、これと同様に、電流回生用のダイオード166は、そのカソード端子166aが正極171aに接続されるとともに、そのアノード端子166bが電流検出回路181を介して電磁石巻線151の他端に接続されるようになっている。そして、電流検出回路181は、例えばホールセンサ式電流センサや電気抵抗素子で構成されている。
【0056】
以上のように構成されるアンプ回路150は、一つの電磁石に対応されるものである。そのため、磁気軸受が5軸制御で、電磁石104、105、106A、106Bが合計10個ある場合には、電磁石のそれぞれについて同様のアンプ回路150が構成され、電源171に対して10個のアンプ回路150が並列に接続されるようになっている。
【0057】
さらに、アンプ制御回路191は、例えば、制御装置200の図示しないディジタル・シグナル・プロセッサ部(以下、DSP部という)によって構成され、このアンプ制御回路191は、トランジスタ161、162のon/offを切り替えるようになっている。
【0058】
アンプ制御回路191は、電流検出回路181が検出した電流値(この電流値を反映した信号を電流検出信号191cという)と所定の電流指令値とを比較するようになっている。そして、この比較結果に基づき、PWM制御による1周期である制御サイクルTs内に発生させるパルス幅の大きさ(パルス幅時間Tp1、Tp2)を決めるようになっている。その結果、このパルス幅を有するゲート駆動信号191a、191bを、アンプ制御回路191からトランジスタ161、162のゲート端子に出力するようになっている。
【0059】
なお、回転体103の回転速度の加速運転中に共振点を通過する際や定速運転中に外乱が発生した際等に、高速かつ強い力での回転体103の位置制御をする必要がある。そのため、電磁石巻線151に流れる電流の急激な増加(あるいは減少)ができるように、電源171としては、例えば50V程度の電圧が使用されるようになっている。また、電源171の正極171aと負極171bとの間には、電源171の安定化のために、通常コンデンサが接続されている(図示略)。
【0060】
かかる構成において、トランジスタ161、162の両方をonにすると、電磁石巻線151に流れる電流(以下、電磁石電流iLという)が増加し、両方をoffにすると、電磁石電流iLが減少する。
【0061】
また、トランジスタ161、162の一方をonにし他方をoffにすると、いわゆるフライホイール電流が保持される。そして、このようにアンプ回路150にフライホイール電流を流すことで、アンプ回路150におけるヒステリシス損を減少させ、回路全体としての消費電力を低く抑えることができる。また、このようにトランジスタ161、162を制御することにより、ターボ分子ポンプ100に生じる高調波等の高周波ノイズを低減することができる。さらに、このフライホイール電流を電流検出回路181で測定することで電磁石巻線151を流れる電磁石電流iLが検出可能となる。
【0062】
すなわち、検出した電流値が電流指令値より小さい場合には、
図3に示すように制御サイクルTs(例えば100μs)中で1回だけ、パルス幅時間Tp1に相当する時間分だけトランジスタ161、162の両方をonにする。そのため、この期間中の電磁石電流iLは、正極171aから負極171bへ、トランジスタ161、162を介して流し得る電流値iLmax(図示せず)に向かって増加する。
【0063】
一方、検出した電流値が電流指令値より大きい場合には、
図4に示すように制御サイクルTs中で1回だけパルス幅時間Tp2に相当する時間分だけトランジスタ161、162の両方をoffにする。そのため、この期間中の電磁石電流iLは、負極171bから正極171aへ、ダイオード165、166を介して回生し得る電流値iLmin(図示せず)に向かって減少する。
【0064】
そして、いずれの場合にも、パルス幅時間Tp1、Tp2の経過後は、トランジスタ161、162のどちらか1個をonにする。そのため、この期間中は、アンプ回路150にフライホイール電流が保持される。
【0065】
次に、加熱に伴う高温から基板の保護をしつつ、ポンプの昇温時間の短縮を図る方法について説明する。
まず、ベース部の温度制御部の動作について説明する。
ヒータ1の近くに配設された温度センサ3からは温度情報が検出され、制御装置200に入力される。但し、排気口133に配設された図示しない温度センサ等からも温度情報が検出され、制御装置200に入力されてもよい。
【0066】
制御装置200にはベース部の温度制御部が備えられている。このベース部の温度制御部では、
図5に示すように、ステップ1で動作が開始される。ステップ10では、昇温状態判定部のサブルーチン処理が行なわれるために
図6のステップ2に移行する。この昇温状態判定部は温度判断手段に相当し、
図6のステップ3で、入力されたすべての温度情報が定格温度と比較される。この定格温度はポンプの機種や仕様によっても異なるが、生成物堆積防止に必要な目標温度として定義され、例えば、定格運転時は100~150度に設定される。そして、ステップ5に示すように、入力されたすべての温度情報が定格温度よりも高くなったときに昇温後モードと判断され、ステップ9でベース部の温度制御部に処理が復帰する。一方、ステップ7に示すように、定格温度よりも低い状態のときには昇温中モードと判断され、ステップ9でベース部の温度制御部に処理が復帰する。
【0067】
続いて、
図5のステップ13では、ステップ3で行なわれた判断の結果が昇温後モードであるか、あるいは昇温中モードであるかが読まれる。そして、昇温中モードと判断されたときにはステップ17に進み、加熱冷却制御が行なわれる。この加熱冷却制御は従来行なわれているTMS制御のプログラムを流用して行なうことができる。従って、制御装置200の改造がプログラムの一部追加という形で簡単に行なえる。このプログラムの追加は、ステップ1~ステップ9、ステップ13、15、19である。
その後は、周期的にステップ1~ステップ19の動作が繰り返される。
【0068】
制御装置200には加熱冷却制御部が備えられている。この加熱冷却制御部では
図7に示すサブルーチン処理が行なわれるようになっている。そして、ステップ17の処理が行なわれる際には、ステップ21にステップが移行し、ステップ23では、水冷バルブの動作が選択される。その後、ステップ25では、ベース部温度計測手段に相当する温度センサ5で計測された温度値が、予め設定された冷却用温度上限値以上か否かが判定される。例えば、この冷却用温度上限値は、基板143の保護が可能な温度の上限値である。
【0069】
ステップ25で温度センサ5で計測された温度値が、冷却用温度上限値以上であると判断されたときにはステップ27に進み水冷バルブが開かれる。この冷却用温度上限値は、電装部の温度を考慮し余裕を持たせて設定されることが望ましい。
【0070】
これにより、電装部周りのベース部129で計測された温度センサ5の温度を基に冷却制御することにより、電装部の温度管理を適性に行なうことができる。
そして、昇温中モードのときに半導体素子の限界温度を超える場合には、冷却のために水冷を開始することができるので、半導体素子の高温による故障や異常が防止でき安全である。
【0071】
一方、ステップ25で温度センサ5で計測された温度値が、冷却用温度上限値未満であると判断されたときにはステップ29に進み、予め設定された冷却用温度下限値以下か否かが判定される。冷却用温度下限値以下であると判断されたときにはステップ31に進み水冷バルブが停止される。この冷却用温度下限値は再び水冷オフに戻る温度に設定される。その後、ステップ33に進み、以降、ステップ21からステップ33までの処理が周期的に繰り返される。一方、ステップ29で温度センサ5で計測された温度値が、冷却用温度下限値を超えている場合には、ステップ33に進む。
【0072】
ポンプの昇温時の例として、ポンプ交換後の際には温度センサ5で計測される温度値は、冷却用温度下限値以下であるので、水冷バルブは停止され、ヒータ1により加熱のみされるので、昇温時間は短縮される。これにより、昇温中モード時においては昇温時間の短縮を実現できる。また、半導体素子の限界温度を超える場合には、ステップ25、ステップ27により冷却のために水冷ができるので安全である。
【0073】
次に、ベース部以外の部位に対する加熱冷却制御部による温度制御について説明する。
図8のステップ41では、ベース部以外の部位に対する加熱冷却制御部による温度制御が開始される。ステップ43では、加熱冷却制御のサブルーチン処理が行なわれ、
図7のステップ21にステップが移行し、ステップ23では、ヒータの動作が選択される。その後、ステップ51に進み、温度センサ3で計測される温度値が加熱用温度上限値以上か否か判断される。そして、加熱用温度上限値以上の場合にはヒータ1をオフする。一方、加熱用温度上限値未満の場合にはステップ55に進み、温度センサ3で計測される温度値が加熱用温度下限値以下か否か判断される。そして、加熱用温度下限値以下の場合にはステップ57に進み、ヒータ1をオンする。ステップ55で加熱用温度下限値を超えている場合にはステップ33に進む。
【0074】
これにより、ベース部以外の部位では高温を維持でき、生成物が堆積するのを安定的に防止できる。
また、
図6のステップ13で読まれたモードが昇温後モードである場合には、ステップ15に進み水冷バルブが開かれる。即ち、昇温が完了した時点では、水冷バルブは常に開かれた状態となる。これにより、加熱に伴う高温から基板143の保護が可能である。
即ち、ベース部の水冷バルブの制御については、昇温中モードの場合はTMSと同じく上限温度、下限温度に基づいたオン、オフ動作を行い、昇温後モードの場合には常時オンする。
【0075】
なお、昇温中モードは回転体103の回転中に行なうと、回転時に発生する前述の摩擦熱やモータ121からの発熱を利用できるので昇温時間の短縮が可能となるが、回転体103が停止された磁気浮上中に行なわれるようにしても良い。
以上により、生成物の堆積を防止しつつ、基板の保護とポンプの昇温時間の短縮ができる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変および組合せをなすことができ、そして、本発明が当該改変や組合わされたものにも及ぶことは当然である。
【符号の説明】
【0076】
1 ヒータ
3、5 温度センサ
100 ポンプ本体
102 回転翼
103 回転体
104 上側径方向電磁石
105 下側径方向電磁石
107 上側径方向変位センサ
108 下側径方向変位センサ
113 ロータ軸
121 モータ
122 ステータコラム
127 外筒
129 ベース部
149 水冷管
200 制御装置