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特開2024-142207成長度推定システム、及び、成長度推定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142207
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】成長度推定システム、及び、成長度推定方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20241003BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054272
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】西山 高史
(72)【発明者】
【氏名】樋口 由樹
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L010AA21
5L049AA04
5L049AA21
(57)【要約】
【課題】子供の成長度を推定することができる成長度推定システムを提供する。
【解決手段】成長度推定システム10は、住宅70に設置されたセンサによってセンシングされた第1情報、及び、住宅70内に位置する機器の使用状況を示す第2情報の少なくとも一方の情報を取得する取得部54と、取得された少なくとも一方の情報に基づいて、住宅70に居住する親と子供とが住宅70内の同じ場所で過ごした時間である共有時間を推定する第1推定部55と、推定された共有時間に基づいて、子供の成長度を推定する第2推定部56と、推定された成長度を可視化するための可視化情報を出力する出力部57とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅に設置されたセンサによってセンシングされた第1情報、及び、前記住宅内に位置する機器の使用状況を示す第2情報の少なくとも一方の情報を取得する取得部と、
取得された前記少なくとも一方の情報に基づいて、前記住宅に居住する親と子供とが前記住宅内の同じ場所で過ごした時間である共有時間を推定する第1推定部と、
推定された前記共有時間に基づいて、前記子供の成長度を推定する第2推定部と、
推定された前記成長度を可視化するための可視化情報を出力する出力部とを備える
成長度推定システム。
【請求項2】
前記第1情報には、前記住宅の玄関に設置された画像センサによってセンシングされた画像情報、及び、前記住宅に設置された電力センサによってセンシングされた前記住宅内の各部屋の消費電力を示す消費電力情報が含まれ、
前記取得部は、前記少なくとも一方の情報として、前記画像情報、及び、前記消費電力情報を取得し、
前記第1推定部は、
取得された前記画像情報に基づいて、前記住宅内に前記親と前記子供とが位置する第1期間を特定し、
取得された前記消費電力情報に基づいて、特定された前記第1期間のうち前記親と前記子供とが同じ部屋に位置すると推定される第2期間を特定し、
特定された前記第2期間の長さを、前記共有時間であると推定する
請求項1に記載の成長度推定システム。
【請求項3】
前記第1情報には、前記住宅に設置された複数の人感センサであって設置高さが異なる複数の人感センサによってセンシングされた人検知情報、及び、前記住宅に設置された電力センサによってセンシングされた前記住宅内の各部屋の消費電力を示す消費電力情報が含まれ、
前記取得部は、前記少なくとも一方の情報として、前記人検知情報、及び、前記消費電力情報を取得し、
前記第1推定部は、
取得された前記人検知情報に基づいて、前記住宅内に前記親と前記子供とが位置する第1期間を特定し、
取得された前記消費電力情報に基づいて、特定された前記第1期間のうち前記親と前記子供とが同じ部屋に位置すると推定される第2期間を特定し、
特定された前記第2期間の長さを、前記共有時間であると推定する
請求項1に記載の成長度推定システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記第2情報を取得し、
前記第1推定部は、取得された前記第2情報に基づいて、前記共有時間を推定する
請求項1に記載の成長度推定システム。
【請求項5】
前記第2情報は、前記子供の学習に使用される学習機器の使用状況を示す情報である
請求項4に記載の成長度推定システム。
【請求項6】
前記第2情報は、ゲーム機器の使用状況を示す情報である
請求項4に記載の成長度推定システム。
【請求項7】
前記第1情報は、前記住宅に設置された音センサによってセンシングされた音情報であり、
前記取得部は、前記少なくとも一方の情報として、前記音情報を取得し、
前記第1推定部は、取得された前記音情報に基づいて、前記親の声と前記子供の声とが含まれる期間の長さを前記共有時間であると推定する
請求項1に記載の成長度推定システム。
【請求項8】
さらに、複数組の親子に対するアンケート結果に基づいて作成された基準情報であって、親子が同じ場所で過ごした時間と成長度との関係性を示す基準情報を記憶する記憶部を備え、
前記第2推定部は、推定された前記共有時間と前記基準情報とを照合することにより、前記子供の成長度を推定する
請求項1~7のいずれか1項に記載の成長度推定システム。
【請求項9】
前記可視化情報は、共有時間を示す座標軸と成長度を示す座標軸とによって構成される座標平面上に、推定された前記共有時間を示す点がプロットされた画面を表示するための情報である
請求項8に記載の成長度推定システム。
【請求項10】
成長度推定システムによって実行される成長度推定方法であって、
住宅に設置されたセンサによってセンシングされた第1情報、及び、前記住宅内に位置する機器の使用状況を示す第2情報の少なくとも一方の情報を取得する取得ステップと、
取得された前記少なくとも一方の情報に基づいて、前記住宅に居住する親と子供とが前記住宅内の同じ場所で過ごした時間である共有時間を推定する第1推定ステップと、
推定された前記共有時間に基づいて、前記子供の成長度を推定する第2推定ステップと、
推定された前記成長度を可視化するための可視化情報を出力する出力ステップとを含む
成長度推定方法。
【請求項11】
請求項10に記載の成長度推定方法を前記成長度推定システムに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成長度推定システム、及び、成長度推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
子育てに取り組む親にとって、子供の学業成績等は重大な関心事の1つである。特許文献1には、人間関係及び人間の様々な行動を反映した大量データ全般を解析し、学校や学習塾などにおける学業成績の向上を図る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/015569号
【特許文献2】特許第6172601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、子供の成長度を推定することができる成長度推定システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る成長度推定システムは、住宅に設置されたセンサによってセンシングされた第1情報、及び、前記住宅内に位置する機器の使用状況を示す第2情報の少なくとも一方の情報を取得する取得部と、取得された前記少なくとも一方の情報に基づいて、前記住宅に居住する親と子供とが前記住宅内の同じ場所で過ごした時間である共有時間を推定する第1推定部と、推定された前記共有時間に基づいて、前記子供の成長度を推定する第2推定部と、推定された前記成長度を可視化するための可視化情報を出力する出力部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る成長度推定方法は、成長度推定システムによって実行される成長度推定方法であって、住宅に設置されたセンサによってセンシングされた第1情報、及び、前記住宅内に位置する機器の使用状況を示す第2情報の少なくとも一方の情報を取得する取得ステップと、取得された前記少なくとも一方の情報に基づいて、前記住宅に居住する親と子供とが前記住宅内の同じ場所で過ごした時間である共有時間を推定する第1推定ステップと、推定された前記共有時間に基づいて、前記子供の成長度を推定する第2推定ステップと、推定された前記成長度を可視化するための可視化情報を出力する出力ステップとを含む。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記成長度推定方法を前記成長度推定システムに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る成長度推定システム等は、子供の推定度を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る成長度推定システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、画像センサ及び人感センサユニットの設置例を示す図である。
図3図3は、成長度の推定動作の例1のフローチャートである。
図4図4は、基準情報を示す模式図である。
図5図5は、可視化情報に基づいて表示される画面の一例を示す図である。
図6図6は、キッチンで過ごす親と子供とを示す図である。
図7図7は、成長度の推定動作の例1の変形例のフローチャートである。
図8図8は、成長度の推定動作の例2のフローチャートである。
図9図9は、成長度の推定動作の例2の変形例のフローチャートである。
図10図10は、成長度の推定動作の例3のフローチャートである。
図11図11は、成長度の推定動作の例4のフローチャートである。
図12図12は、成長度の推定動作の例5のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る成長度推定システムの構成について説明する。図1は、実施の形態に係る成長度推定システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
成長度推定システム10は、親と子供とが居住している住宅70に設置されたセンサ群20によってセンシングされた第1情報、及び、住宅70内に位置する機器群30の使用状況を示す第2情報の少なくとも一方の情報に基づいて、子供の成長度を推定することができるシステムである。ここでの成長度とは、身長及び体重などの肉体的な成長度ではなく、精神的な成長度を意味する。
【0014】
成長度推定システム10は、センサ群20と、機器群30と、第1サーバ41と、第2サーバ42と、情報処理システム50と、情報端末60とを備える。
【0015】
まず、センサ群20について説明する。センサ群20には、画像センサ21、人感センサユニット22、電力センサ23、及び、音センサ24が含まれる。なお、情報処理システム50は、センサ群20に含まれる各センサを2つ以上備えてもよい。
【0016】
画像センサ21は、例えば、住宅70の玄関に設置され、住宅70の居住者を撮影(センシング)し、画像情報を出力するカメラである。画像情報とは、画像の実データを意味する。図2は、画像センサ21の設置例(住宅70の玄関)を示す図である。画像センサ21は、例えば、玄関から住宅70の中に入る人の顔が映るような位置に設置される。画像センサ21は、レンズ、及び、イメージセンサによって実現される。なお、画像センサ21が玄関に設置されることは必須ではなく、設置場所については適宜定められればよい。
【0017】
人感センサユニット22は、例えば、住宅70の玄関に設置される、設置高さが異なる複数の人感センサ(図2の人感センサ22a及び人感センサ22b)によって実現される。複数の人感センサのそれぞれは、例えば、人の体から発せられる赤外線を検知(センシング)する焦電センサである。人感センサユニット22は、複数の人感センサの検知結果を示す人検知情報を出力する。人感センサユニット22は、コンセントまたは照明の壁スイッチなどの配線器具に内蔵されてもよい。
【0018】
なお、人感センサユニット22が玄関に設置されることは必須ではなく、設置場所については適宜定められればよい。人感センサユニット22は、住宅70内の複数の部屋それぞれに設置されてもよい。複数の部屋には、リビング、キッチン、洗面所、浴室、書斎、トイレ、寝室、及び、子供部屋などの少なくとも一部が含まれる。
【0019】
電力センサ23は、住宅70における消費電力を計測(センシング)し、計測した消費電力を示す消費電力情報を出力する。電力センサ23は、例えば、電力計測機能(電流センサ)を有する分電盤であり、住宅70に設けられた分岐回路ごとに消費電力を計測する。成長度推定システム10においては、1つの分岐回路が1つの部屋に対応している。つまり、電力センサ23は、住宅70内の複数の部屋それぞれの消費電力を計測することができる。
【0020】
音センサ24は、住宅70内に設置され、当該音センサ24の音を取得(センシング)し、取得した音の音情報を出力するマイクロフォンである。音センサ24は、例えば、コンデンサマイク、ダイナミックマイク、または、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)マイクなどによって実現される。なお、音センサ24は、住宅70内の複数の部屋それぞれに設置されてもよい。
【0021】
次に、機器群30について説明する。機器群30には、学習機器31、及び、ゲーム機器32が含まれる。
【0022】
学習機器31は、住宅70の子供が親とともに取り組む学習用のコンテンツを当該子供と親に提供する機器である。学習機器31は、学習専用の機器であってもよいし、パーソナルコンピュータであってもよいし、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0023】
ゲーム機器32は、住宅70の居住者がコンピュータゲームを楽しむための機器である。ゲーム機器32は、ゲーム専用の機器であってもよいし、パーソナルコンピュータであってもよいし、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0024】
次に、第1サーバ41及び第2サーバ42について説明する。第1サーバ41は、学習機器31の利用状況(利用時間)を管理するサーバ装置であり、住宅70外に設けられる。第1サーバ41は、例えば、学習機器31用のアプリケーションプログラムを製造及び販売する第1事業者が使用するサーバ装置である。第1サーバ41は、学習機器31の利用状況を情報処理システム50へ提供することができる。なお、学習機器31の利用状況は、学習機器31から第1サーバ41を介さずに直接的に情報処理システム50へ提供されてもよい。
【0025】
第2サーバ42は、ゲーム機器32の利用状況(利用時間)を管理するサーバ装置であり、住宅70外に設けられる。第2サーバ42は、例えば、ゲーム機器32用のアプリケーションプログラムを製造及び販売する第2事業者が使用するサーバ装置である。第2サーバ42は、ゲーム機器32の利用状況を情報処理システム50へ提供することができる。なお、ゲーム機器32の利用状況は、ゲーム機器32から第2サーバ42を介さずに直接的に情報処理システム50へ提供されてもよい。
【0026】
次に、情報処理システム50について説明する。情報処理システム50は、住宅70に居住する子供の成長度を推定するための情報処理を行うシステムである。情報処理システム50は、1つまたは複数の装置によって実現される。1つまたは複数の装置は、例えば、全て住宅70外に設けられるが、一部が住宅70内に設けられてもよいし、全てが住宅70内に設けられてもよい。言い換えれば、情報処理システム50は、クラウドシステムとして実現されてもよいし、クライアントサーバシステムとして実現されてもよいし、オンプレミスのシステムとして実現されてもよい。情報処理システム50は、通信部51と、情報処理部52と、記憶部53とを備える。
【0027】
通信部51は、情報処理システム50が、センサ群20、第1サーバ41、第2サーバ42、及び、情報端末60などと通信を行うための通信回路である。通信部51は、例えば、有線通信を行う有線通信回路であるが、無線通信を行う無線通信回路であってもよい。通信部51が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0028】
情報処理部52は、上記の情報処理を行う。情報処理部52は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部52は、機能的な構成要素として、取得部54、第1推定部55、第2推定部56、及び、出力部57を有する。取得部54、第1推定部55、第2推定部56、及び、出力部57の機能は、例えば、情報処理部52を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部53に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0029】
記憶部53は、情報処理部52が上記の情報処理を実行するために必要な情報が記憶される記憶装置である。このような情報には、情報処理部52によって実行されるコンピュータプログラムが含まれる。記憶部53は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよい。
【0030】
情報端末60は、住宅70の居住者が所持する情報端末であり、具体的には、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、または、タブレット端末などである。情報端末60は、居住者が成長度推定システム10(情報処理システム50)を利用するためのユーザインターフェース装置として使用される。
【0031】
[成長度の推定動作の例1]
親と子供とが共に過ごす時間は、子供(特に幼児)の成長に関係するといわれている。具体的には、親と共に過ごす時間が長ければ長いほど、子供の成長は早い(成長度が良好である)といわれている。そこで、成長度推定システム10は、住宅70内で親と子供とが共に過ごす時間をセンサ群20に含まれるセンサのセンシング等によって推定し、子供の成長度を推定する。以下、このような成長度の推定動作について説明する。図3は、成長度の推定動作の例1のフローチャートである。
【0032】
情報処理システム50の通信部51は、画像センサ21によってセンシングされた画像情報を受信し、取得部54は、受信された画像情報を取得する(S11)。第1推定部55は、取得された画像情報に基づいて、住宅70内に親と子供とが位置する第1期間を特定する(S12)。
【0033】
上述のように、画像センサ21は、例えば、玄関に設置されていることから、第1推定部55は、画像センサ21によってセンシングされた画像情報を用いた入場及び退場の管理技術によって、居住者の外出及び帰宅を検出することができる。なお、居住者の全員の顔画像を属性(父、母、及び、子供など)と対応付けて記憶部53に事前登録しておけば、第1推定部55は、画像情報に顔認証技術を適用することによって、どの居住者が外出しており、どの居住者が在宅であるかを判定することができる。顔画像の事前登録は、例えば、情報端末60をユーザインターフェース装置として行われる。
【0034】
第1推定部55は、親及び子供の両方が在宅しているという判定を行うと、当該判定が行われたタイミングを起点として、親及び子供の少なくとも一方が外出したタイミングまでの期間を第1期間として特定することができる。
【0035】
第1期間の間、通信部51は、電力センサ23によってセンシングされた消費電力情報を受信し、取得部54は、受信された消費電力情報を取得する(S13)。第1推定部55は、取得された消費電力情報に基づいて、親及び子供が同じ部屋に位置すると推定される第2期間を特定する(S14)。
【0036】
上述のように、消費電力情報は、住宅70内の複数の部屋(複数の分岐回路)のそれぞれの消費電力を示す情報である。第1推定部55は、取得された消費電力情報に基づいて、複数の部屋のうち、1つの部屋で消費電力が大きく、他の全ての部屋における消費電力が待機電力相当の消費電力である(消費電力が低い)ことを、当該1つの部屋に親及び子供が位置すると推定することができる。第1推定部55は、1つの部屋に親及び子供が位置すると推定される期間を、第2期間とみなすことができる。なお、分岐回路における待機電力は、特許文献2(特許第6172601号)などに記載されている技術を用いて推定することができる。
【0037】
次に、第1推定部55は、特定された第2期間の長さを、親と子供とが住宅70内の同じ場所で過ごした時間である共有時間であると推定する(S15)。
【0038】
以上のステップS11~S15の処理は、例えば、1ヶ月などの所定期間の間、繰り返される。第1推定部55は、所定期間における、共有時間の合計を算出する(S16)。
【0039】
次に、第2推定部56は、算出された共有時間(第1推定部55によって推定された共有時間)と、記憶部53に記憶された基準情報とを照合することにより、子供の成長度を推定する(S17)。
【0040】
基準情報は、あらかじめ記憶部53に記憶された情報である。基準情報は、複数組の親子に対するアンケート結果に基づいて作成された情報であって、親子が所定期間あたりに同じ場所で過ごした時間と成長度との関係性を示す情報である。図4は、基準情報を示す模式図である。
【0041】
図4の座標平面における横軸は、親子が同じ場所で過ごした時間を示し、縦軸は、子供の成長度を示している。図4にプロットされた多数の点のそれぞれは、1組の親子が同じ場所で過ごした時間と子供の成長度と意味する。同じ場所で過ごした時間(横軸)は、例えば、親子の自己申告によって定まり、成長度(縦軸)は、例えば、子供のテストのスコアによって定まる。ここでのテストは、知育、徳育、または、体育の少なくとも1つの成長度合いを評価するためのテストである。
【0042】
基準情報は、例えば、図4に示される多数の点の近似直線(一次関数)である。第2推定部56は、ステップS17において得られる共有時間と基準情報とを照合する(言い換えれば、共有時間を基準情報に対応する一次関数に代入する)ことにより、子供の成長度を推定することができる。第2推定部56は、具体的には、子供の現時点の成長度が、テストにおけるn点(n≧0)のレベルに相当することを推定することができる。なお、図4に示される基準情報によれば、共有時間が長いほど、子供の成長度が良好であると推定される。
【0043】
次に、出力部57は、ステップS17において推定された成長度を可視化するための可視化情報を出力する(S18)。出力部57は、例えば、通信部51を用いて、可視化情報を情報端末60へ出力(送信)する。この結果、情報端末60のディスプレイには、図5に示されるような画面が表示される。図5は、可視化情報に基づいて表示される画面の一例を示す図である。
【0044】
図5の画面は、共有時間を示す座標軸と成長度を示す座標軸とによって構成される座標平面上に、推定された共有時間を示す点がプロットされた画面である。このような画面が表示される場合、可視化情報は、共有時間を示す座標軸と成長度を示す座標軸とによって構成される座標平面上に、推定された共有時間を示す点がプロットされた画面を表示するための情報であるといえる。なお、可視化情報に基づいて表示される画面は、図5のような画面に限定されず、例えば、単に成長度を数値で示してもよい。
【0045】
以上説明したように、成長度推定システム10は、画像センサ21から画像情報を取得し、取得された画像情報に基づいて、住宅70内に親と子供とが位置する第1期間を特定する。成長度推定システム10は、電力センサ23から消費電力情報を取得し、取得された消費電力情報に基づいて、特定された第1期間のうち親と子供とが同じ部屋に位置すると推定される第2期間を特定する。成長度推定システム10は、特定された第2期間の長さを共有時間であると推定し、推定された共有時間に基づいて、子供の成長度を推定する。
【0046】
このような成長度推定システム10は、住宅70に設置されたセンサ(画像センサ21及び電力センサ23)によってセンシングされた第1情報に基づいて、子供の成長度を推定することができる。
【0047】
一般的には、親の就労が子供の生活習慣に及ぼす影響を調査したり、子供の家庭での生活状況をデータとして収集及び分析したりする場合には、アンケート調査が行われる。つまり、親が自身及び子供の暮らしぶり、例えば、起床時刻、就寝時刻、及び、食事をとる時刻などをアンケートによって収集することが一般的である。
【0048】
これに対し、成長度推定システム10においては、親及び子供の住宅70における暮らしぶりを示すデータ(上述の共有時間)を、親及び子供を煩わせることなく自然に収集することができる利点がある。
【0049】
[成長度の推定動作の例1の変形例]
なお、親と子供とが住宅70内のキッチンで過ごした共有時間については、以下のように推定することもできる。図6は、キッチンで過ごす親と子供とを示す図であり、図7は、親と子供とがキッチンで過ごした共有時間の推定動作(成長度の推定動作の例1の変形例)のフローチャートである。
【0050】
情報処理システム50の通信部51は、電力センサ23によってセンシングされた消費電力情報を受信し、取得部54は、受信された消費電力情報を取得する(S21)。本変形例では、消費電力情報は、キッチンに設けられたIH(Induction Heating)コンロの単独の消費電力を示している。
【0051】
第1推定部55は、取得された消費電力情報に基づいて、IHコンロの消費電力が待機電力よりも大きい(IHコンロが使用されている)ことを検出する(S22)。通常、子供がIHコンロを使用する可能性は低いことから、第1推定部55は、IHコンロが使用されていることを、親(大人)が住宅70内に位置していることと同一視することができる。
【0052】
次に、通信部51は、画像センサ21によってセンシングされた画像情報を受信し、取得部54は、受信された画像情報を取得する(S23)。第1推定部55は、取得された画像情報に基づいて、子供の帰宅を検出する(S24)。上述のように、第1推定部55は、画像情報を用いた入場及び退場の管理技術、及び、顔認証技術により、子供の帰宅を検出することができる。
【0053】
第1推定部55は、子供の帰宅が検出されたタイミングを起点として、親及び子供の少なくとも一方が外出したタイミングまでの期間を第1期間として特定する(S25)。第1期間の間、通信部51は、電力センサ23によってセンシングされた消費電力情報を受信し、取得部54は、受信された消費電力情報を取得する(S26)。第1推定部55は、取得された消費電力情報に基づいて、親及び子供がキッチンに位置すると推定される第2期間を特定する(S27)。第1推定部55は、取得された消費電力情報に基づいて、複数の部屋のうち、キッチンで消費電力が大きく、他の全ての部屋における消費電力が待機電力相当の消費電力である(消費電力が低い)ことを、キッチンに親及び子供が位置すると推定することができる。
【0054】
次に、第1推定部55は、特定された第2期間の長さを、親と子供とが住宅70内の同じ場所で過ごした時間である共有時間であると推定する(S28)。
【0055】
このように、親と子供とが住宅70内のキッチンで過ごした共有時間については、IHコンロの消費電力情報に基づいて親の在宅を検出することにより、推定することができる。
【0056】
[成長度の推定動作の例2]
次に、成長度の推定動作の例2について説明する。図8は、成長度の推定動作の例2のフローチャートである。以下の成長度の推定動作の例2では、住宅70内の複数の部屋それぞれに人感センサユニット22が設置されているものとして説明が行われる。
【0057】
情報処理システム50の通信部51は、複数の人感センサユニット22のそれぞれによってセンシングされた人検知情報を受信し、取得部54は、受信された人検知情報を取得する(S31)。第1推定部55は、取得された人検知情報に基づいて、住宅70内に親と子供とが位置する第1期間を特定する(S32)。
【0058】
図2に示されるように、1つの人感センサユニット22は、設置高さが異なる2つの人感センサ22a及び人感センサ22bによって実現され、人感センサ22aは、大人の肩の高さに設置され、人感センサ22bは、人感センサ22aの直下の足の脛の高さに設置されている。
【0059】
第1推定部55は、人検知情報が、人感センサ22a及び人感センサ22bの両方が同時に反応した第1検知状態を示す場合には、人感センサユニット22の前を大人(親)が通った(大人が住宅70内に位置する)と判定することができる。また、第1推定部55は、住宅70内の複数の人感センサユニット22のいずれも所定期間(例えば、30分)以上、第1検知状態とならなかった場合には、大人(親)が住宅70内からいなくなったと判定することができる。
【0060】
第1推定部55は、人検知情報が、人感センサ22a及び人感センサ22bのうち人感センサ22bのみが反応した第2検知状態を示す場合には、人感センサユニット22の前を、大人よりも身長の低い子供が通った(子供が住宅70内に位置する)と判定することができる。また、第1推定部55は、住宅70内の複数の人感センサユニット22のいずれも所定期間(例えば、30分)以上、第2検知状態とならなかった場合には、子供が住宅70内からいなくなったと判定することができる。
【0061】
以上のような判定により、第1推定部55は、親及び子供の両方が在宅している第1期間として特定することができる。
【0062】
以降のステップS33~ステップS38の処理は、成長度の推定動作の例1のステップS13~ステップS18と同様であるため詳細な説明が省略される。
【0063】
以上説明したように、成長度推定システム10は、人感センサユニット22から人検知情報を取得し、取得された人検知情報に基づいて、住宅70内に親と子供とが位置する第1期間を特定する。成長度推定システム10は、電力センサ23から消費電力情報を取得し、取得された消費電力情報に基づいて、特定された第1期間のうち親と子供とが同じ部屋に位置すると推定される第2期間を特定する。成長度推定システム10は、特定された第2期間の長さを共有時間であると推定し、推定された共有時間に基づいて、子供の成長度を推定する。
【0064】
このような成長度推定システム10は、住宅70に設置されたセンサ(人感センサユニット22及び電力センサ23)によってセンシングされた第1情報に基づいて、子供の成長度を推定することができる。
【0065】
[成長度の推定動作の例2の変形例]
なお、親と子供とが住宅70内のキッチンで過ごした共有時間については、以下のように推定することもできる。図9は、親と子供とがキッチンで過ごした共有時間の推定動作(成長度の推定動作の例2の変形例)のフローチャートである。以下の成長度の推定動作の例2では、住宅70内の玄関に人感センサユニット22が設置されているものとして説明が行われる。
【0066】
情報処理システム50の通信部51は、電力センサ23によってセンシングされた消費電力情報を受信し、取得部54は、受信された消費電力情報を取得する(S41)。本変形例では、消費電力情報は、キッチンに設けられたIHコンロの消費電力を示している。
【0067】
第1推定部55は、取得された消費電力情報に基づいて、IHコンロの消費電力が待機電力よりも大きい(IHコンロが使用されている)ことを検出する(S42)。通常、子供がIHコンロを使用する可能性は低いことから、第1推定部55は、IHコンロが使用されていることを、親(大人)が住宅70内に位置していることと同一視することができる。
【0068】
次に、通信部51は、玄関に設置された人感センサユニット22によってセンシングされた人検知情報を受信し、取得部54は、受信された人検知情報を取得する(S43)。第1推定部55は、取得された人検知情報に基づいて、子供の帰宅を検出する(S44)。第1推定部55は、人検知情報が、人感センサ22a及び人感センサ22bのうち人感センサ22bのみが反応した第2検知状態を示す場合には、人感センサユニット22の前を子供が通った(子供が帰宅した)と判定することができる。
【0069】
第1推定部55は、子供の帰宅が検出されたタイミングを起点として、親及び子供の少なくとも一方が外出したタイミングまでの期間を第1期間として特定する(S45)。親及び子供の少なくとも一方が外出したタイミングは、成長度の推定動作の例1と同様に画像情報に基づいて判定されてもよいし、成長度の推定動作の例2と同様に複数の人感センサユニット22のそれぞれの人検知情報に基づいて判定されてもよい。
【0070】
第1期間の間、通信部51は、電力センサ23によってセンシングされた消費電力情報を受信し、取得部54は、受信された消費電力情報を取得する(S46)。第1推定部55は、取得された消費電力情報に基づいて、親及び子供がキッチンに位置すると推定される第2期間を特定する(S47)。第1推定部55は、取得された消費電力情報に基づいて、複数の部屋のうち、キッチンで消費電力が大きく、他の全ての部屋における消費電力が待機電力相当の消費電力である(消費電力が低い)ことを、キッチンに親及び子供が位置すると推定することができる。
【0071】
次に、第1推定部55は、特定された第2期間の長さを、親と子供とが住宅70内の同じ場所で過ごした時間である共有時間であると推定する(S48)。
【0072】
このように、親と子供とが住宅70内のキッチンで過ごした共有時間については、IHコンロの消費電力情報に基づいて親の在宅を検出し、かつ、人感センサユニット22の人検知情報により子供の帰宅を検出することにより、推定することができる。
【0073】
[成長度の推定動作の例3]
次に、成長度の推定動作の例3について説明する。図10は、成長度の推定動作の例3のフローチャートである。
【0074】
情報処理システム50の通信部51は、第1サーバ41から学習機器31の使用状況(利用時間)を示す情報を受信し、取得部54は、受信された情報を取得する(S51)。なお、通信部51は、学習機器31の使用状況を示す情報を学習機器31から受信してもよい。
【0075】
第1推定部55は、取得された情報に基づいて、親と子供とが住宅70内の同じ場所で過ごした時間である共有時間の長さを推定する(S52)。上述のように、学習機器31は、住宅70の子供が親とともに取り組む学習用のコンテンツを当該子供と親に提供する機器である。したがって、第1推定部55は、ステップS51において取得された情報が示す学習機器31の利用時間を、親と子供とが住宅70内の同じ場所で過ごした時間である共有時間であるとみなすことができる。
【0076】
以降のステップS53~ステップS55の処理は、成長度の推定動作の例1のステップS16~ステップS18と同様であるため詳細な説明が省略される。
【0077】
以上説明したように、成長度推定システム10は、第1サーバ41(または学習機器31)から学習機器31の使用状況を示す情報を取得し、取得された情報に基づいて、共有時間を推定し、推定された共有時間に基づいて、子供の成長度を推定する。
【0078】
このような成長度推定システム10は、住宅70内に位置する機器(学習機器31)の使用状況を示す第2情報に基づいて、子供の成長度を推定することができる。
【0079】
[成長度の推定動作の例4]
次に、成長度の推定動作の例4について説明する。図11は、成長度の推定動作の例4のフローチャートである。
【0080】
情報処理システム50の通信部51は、第2サーバ42からゲーム機器32の使用状況(利用時間)を示す情報を受信し、取得部54は、受信された情報を取得する(S61)。例えば、親及び子供のそれぞれのアカウント情報(ログインIDなど)を記憶部53に事前登録しておくことにより、第1推定部55は、当該アカウント情報を有する者(親及び子供)ユーザのゲーム機器32の使用状況を第2サーバ42に問い合わせることができる。アカウント情報の事前登録は、例えば、情報端末60をユーザインターフェース装置として行われる。なお、通信部51は、ゲーム機器32の使用状況を示す情報をゲーム機器32から受信してもよい。
【0081】
第1推定部55は、取得された情報に基づいて、親と子供とが住宅70内の同じ場所で過ごした時間である共有時間の長さを推定する(S62)。第1推定部55は、ステップS61において取得された情報に基づいて、親がゲーム機器32を利用している期間と、子供がゲーム機器32を利用している期間とが重複する期間を、親子が一緒にゲームをしている期間とみなすことができる。つまり、第1推定部55は、この重複する期間を、親と子供とが住宅70内の同じ場所で過ごした時間である共有時間であるとみなすことができる。
【0082】
以降のステップS63~ステップS65の処理は、成長度の推定動作の例1のステップS16~ステップS18と同様であるため詳細な説明が省略される。
【0083】
以上説明したように、成長度推定システム10は、第2サーバ42(またはゲーム機器32)からゲーム機器32の使用状況を示す情報を取得し、取得された情報に基づいて、共有時間を推定し、推定された共有時間に基づいて、子供の成長度を推定する。
【0084】
このような成長度推定システム10は、住宅70内に位置する機器(ゲーム機器32)の使用状況を示す第2情報に基づいて、子供の成長度を推定することができる。
【0085】
[成長度の推定動作の例5]
次に、成長度の推定動作の例5について説明する。図12は、成長度の推定動作の例5のフローチャートである。
【0086】
情報処理システム50の通信部51は、音センサ24によってセンシングされた音情報を受信し、取得部54は、受信された音情報を取得する(S71)。
【0087】
第1推定部55は、取得された音情報に基づいて、親と子供とが住宅70内の同じ場所で過ごした時間である共有時間の長さを推定する(S72)。第1推定部55は、音情報に対して話者認識処理を行い、単位時間(例えば5分間など)ごとに、当該単位時間に親及び子供の声の両方が含まれるか否かを判定する。親及び子供の両方の声が含まれる単位時間は、共有時間と判定され、親及び子供の両方の少なくとも一方の声が含まれない単位時間は、共有時間ではないと判定される。なお、話者認識を行うための親及び子供の基準音声の事前登録(録音)は、例えば、情報端末60をユーザインターフェース装置として行われる。
【0088】
以降のステップS73~ステップS75の処理は、成長度の推定動作の例1のステップS16~ステップS18と同様であるため詳細な説明が省略される。
【0089】
以上説明したように、成長度推定システム10は、音センサ24によってセンシングされた音情報を取得し、取得された音情報に基づいて、親の声と子供の声とが含まれる期間の長さを共有時間であると推定し、推定された共有時間に基づいて、子供の成長度を推定する。
【0090】
このような成長度推定システム10は、住宅70に設置されたセンサ(音センサ24)によってセンシングされた第1情報に基づいて、子供の成長度を推定することができる。
【0091】
[変形例]
上記実施の形態で説明した、成長度の推定動作の例1~5は併用されてもよく、例えば、成長度の推定動作の例1~5によって推定された共有時間を合算し、合算した共有時間に基づいて子供の成長度が推定されてもよい。
【0092】
また、上記実施の形態では、基準情報を生成するための多数の点(図4参照)の横軸に相当する同じ場所で過ごした時間の長さは、例えば、親子の自己申告(アンケート)によって定まると説明された。しかしながら、基準情報を生成するための同じ場所で過ごした時間の長さは、上記実施の形態で説明した共有時間の推定方法を、多数の住宅70(多数の親子)に対して適用すること(つまり、センシング等)によって推定することも可能である。
【0093】
また、基準情報を生成するための多数の点の縦軸に相当するスコアは、例えば、数か月の間隔をおいて行われた複数回のテストにおけるスコアの差分(上昇幅)などであってもよい。
【0094】
[効果等]
以下、本明細書の開示内容から得られる発明を例示し、当該発明から得られる効果等について説明する。
【0095】
発明1は、住宅70に設置されたセンサによってセンシングされた第1情報、及び、住宅70内に位置する機器の使用状況を示す第2情報の少なくとも一方の情報を取得する取得部54と、取得された少なくとも一方の情報に基づいて、住宅70に居住する親と子供とが住宅70内の同じ場所で過ごした時間である共有時間を推定する第1推定部55と、推定された共有時間に基づいて、子供の成長度を推定する第2推定部56と、推定された成長度を可視化するための可視化情報を出力する出力部57とを備える、成長度推定システム10である。
【0096】
このような成長度推定システム10は、住宅70に設置されたセンサのセンシング結果、または、住宅70内に位置する機器の使用状況から推定される共有時間に基づいて、子供の成長度を推定することができる。
【0097】
発明2は、第1情報には、住宅70の玄関に設置された画像センサ21によってセンシングされた画像情報、及び、住宅70に設置された電力センサ23によってセンシングされた住宅70内の各部屋の消費電力を示す消費電力情報が含まれ、取得部54は、少なくとも一方の情報として、画像情報、及び、消費電力情報を取得し、第1推定部55は、取得された画像情報に基づいて、住宅内に親と子供とが位置する第1期間を特定し、取得された消費電力情報に基づいて、特定された第1期間のうち親と子供とが同じ部屋に位置すると推定される第2期間を特定し、特定された第2期間の長さを、共有時間であると推定する、発明1の成長度推定システム10である。
【0098】
このような成長度推定システム10は、画像センサ21及び電力センサ23のセンシング結果に基づいて、共有時間を推定することができる。
【0099】
発明3は、第1情報には、住宅70に設置された複数の人感センサであって設置高さが異なる複数の人感センサによってセンシングされた人検知情報、及び、住宅70に設置された電力センサによってセンシングされた住宅70内の各部屋の消費電力を示す消費電力情報が含まれ、取得部54は、少なくとも一方の情報として、人検知情報、及び、消費電力情報を取得し、第1推定部55は、取得された人検知情報に基づいて、住宅70内に親と子供とが位置する第1期間を特定し、取得された消費電力情報に基づいて、特定された第1期間のうち親と子供とが同じ部屋に位置すると推定される第2期間を特定し、特定された第2期間の長さを、共有時間であると推定する、発明1の成長度推定システム10である。
【0100】
このような成長度推定システム10は、複数の人感センサ(人感センサユニット22)及び電力センサ23のセンシング結果に基づいて、共有時間を推定することができる。
【0101】
発明4は、取得部54は、第2情報を取得し、第1推定部55は、取得された第2情報に基づいて、共有時間を推定する、発明1の成長度推定システム10である。
【0102】
このような成長度推定システム10は、住宅70内に位置する機器の使用状況に基づいて、共有時間を推定することができる。
【0103】
発明5は、第2情報は、子供の学習に使用される学習機器31の使用状況を示す情報である、発明4の成長度推定システム10である。
【0104】
このような成長度推定システム10は、学習機器31の使用状況に基づいて、共有時間を推定することができる。
【0105】
発明6は、第2情報は、ゲーム機器32の使用状況を示す情報である、発明4の成長度推定システム10である。
【0106】
このような成長度推定システム10は、ゲーム機器32の使用状況に基づいて、共有時間を推定することができる。
【0107】
発明7は、第1情報は、住宅70に設置された音センサ24によってセンシングされた音情報であり、取得部54は、少なくとも一方の情報として、音情報を取得し、第1推定部55は、取得された音情報に基づいて、親の声と子供の声とが含まれる期間の長さを共有時間であると推定する、発明1の成長度推定システム10である。
【0108】
このような成長度推定システム10は、音センサのセンシング結果に基づいて、共有時間を推定することができる。
【0109】
発明8は、さらに、複数組の親子に対するアンケート結果に基づいて作成された基準情報であって、親子が同じ場所で過ごした時間と成長度との関係性を示す基準情報を記憶する記憶部を備え、第2推定部は、推定された共有時間と基準情報とを照合することにより、子供の成長度を推定する、発明1~7のいずれかの成長度推定システム10である。
【0110】
このような成長度推定システム10は、推定された共有時間と基準情報とを照合することにより、子供の成長度を推定することができる。
【0111】
発明9は、可視化情報は、共有時間を示す座標軸と成長度を示す座標軸とによって構成される座標平面上に、推定された共有時間を示す点がプロットされた画面を表示するための情報である、発明8に記載の成長度推定システム10である。
【0112】
このような成長度推定システム10は、共有時間を示す座標軸と成長度を示す座標軸とによって構成される座標平面上に、推定された共有時間を示す点がプロットすることにより、子供の成長度を可視化することができる。
【0113】
発明10は、成長度推定システム10によって実行される成長度推定方法であって、住宅70に設置されたセンサによってセンシングされた第1情報、及び、住宅70内に位置する機器の使用状況を示す第2情報の少なくとも一方の情報を取得する取得ステップと、取得された少なくとも一方の情報に基づいて、住宅70に居住する親と子供とが住宅70内の同じ場所で過ごした時間である共有時間を推定する第1推定ステップと、推定された共有時間に基づいて、子供の成長度を推定する第2推定ステップと、推定された成長度を可視化するための可視化情報を出力する出力ステップとを含む、成長度推定方法である。
【0114】
このような成長度推定方法は、住宅70に設置されたセンサのセンシング結果、または、住宅70内に位置する機器の使用状況から推定される共有時間に基づいて、子供の成長度を推定することができる。
【0115】
発明11は、発明10に記載の成長度推定方法を成長度推定システム10に実行させるためのプログラムである。
【0116】
このようなプログラムによれば、成長度推定システム10は、住宅70に設置されたセンサのセンシング結果、または、住宅70内に位置する機器の使用状況から推定される共有時間に基づいて、子供の成長度を推定することができる。
【0117】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0118】
例えば、上記実施の形態では、成長度推定システムは、複数の装置によって実現された。この場合、成長度推定システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。また、成長度推定システムは、単一の装置によって実現されてもよい。情報処理システムについても同様である。
【0119】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0120】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0121】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0122】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0123】
例えば、本発明は、上記実施の形態に係る情報処理システムに相当する単一装置(サーバ装置、または、EMS(Energy Management System)コントローラなど)として実現されてもよい。また、本発明は、成長度推定システムなどのコンピュータが実行する成長度推定方法として実現されてもよいし、このような成長度推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0124】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0125】
10 成長度推定システム
20 センサ群
21 画像センサ
22 人感センサユニット
22a、22b 人感センサ
23 電力センサ
24 音センサ
30 機器群
31 学習機器
32 ゲーム機器
41 第1サーバ
42 第2サーバ
50 情報処理システム
51 通信部
52 情報処理部
53 記憶部
54 取得部
55 第1推定部
56 第2推定部
57 出力部
60 情報端末
70 住宅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12