(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142216
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】テストシステム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G01R31/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054289
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】瀧田 伸幸
【テーマコード(参考)】
2G036
【Fターム(参考)】
2G036AA19
2G036AA28
2G036BB09
(57)【要約】
【課題】信号遅延の増加を低減する。
【解決手段】テストシステム100は、デバイスの特性試験に用いられる少なくとも1つのユニットがそれぞれ接続される、複数のバックプレーン(10,20~23,及び30~33)と、ユニットを制御する統合コントローラ(1)と、を備える。バックプレーン同士が木構造で接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスの特性試験に用いられる少なくとも1つのユニットがそれぞれ接続される、複数のバックプレーンと、
前記ユニットを制御する統合コントローラと、を備え、
前記バックプレーン同士が木構造で接続される、
テストシステム。
【請求項2】
前記統合コントローラは、前記特性試験の種類に応じて、前記複数のバックプレーンのそれぞれに接続されるユニットの中から、他のユニットの動作を制御するプライマリユニットを決定する、
請求項1に記載のテストシステム。
【請求項3】
前記複数のバックプレーンのそれぞれに接続されるユニットは、前記プライマリユニットの位置を示す信号を他のユニットに送信する、
請求項2に記載のテストシステム。
【請求項4】
前記プライマリユニットは、前記他のユニットから動作の準備が完了したことを示す信号を受信してから所定時間経過後に、前記他のユニットが動作することを許可する信号を前記他のユニットに送信する、
請求項2に記載のテストシステム。
【請求項5】
前記木構造の最上位に位置するバックプレーンは、前記ユニット同士を同期させるための同期信号を生成し、生成した前記同期信号を他のバックプレーンに送信する、
請求項1に記載のテストシステム。
【請求項6】
前記デバイスは、半導体デバイスである、
請求項1~5のいずれか1項に記載のテストシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、テストシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のユニットを同期させる方法として、複数のユニットをディージーチェーン接続する方法が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ディージーチェーンでは接続するユニット数に比例して信号遅延が増加する。
【0005】
本開示の一態様は、信号遅延の増加を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るテストシステムは、デバイスの特性試験に用いられる少なくとも1つのユニットがそれぞれ接続される、複数のバックプレーンと、前記ユニットを制御する統合コントローラと、を備え、前記バックプレーン同士が木構造で接続される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、信号遅延の増加を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態に係るテストシステムの一例を示す概略構成図である。
【
図2】正常時におけるプライマリユニット及びセカンダリユニットの動作例を示すタイミングチャートである。
【
図3】異常が発生した場合におけるプライマリユニット及びセカンダリユニットの動作例を示すタイミングチャートである。
【
図4】異常が発生した場合におけるプライマリユニット及びセカンダリユニットの他の動作例を示すタイミングチャートである。
【
図5】バックプレーンに入力される信号の流れ及びバックプレーンから出力される信号の流れを示す図である。
【
図6】バックプレーンに入力される信号の流れ及びバックプレーンから出力される信号の流れを示す図である。
【
図7】バックプレーンに入力される信号の流れ及びバックプレーンから出力される信号の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態について、詳細に説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
(テストシステムの構成例)
図1を参照して本実施形態に係るテストシステム100の構成例について説明する。
図1は、テストシステム100の一例を示す概略構成図である。
【0011】
図1に示すように、テストシステム100は、バックプレーン10,20~23,及び30~33と、各バックプレーンの内部バス10a,20a~23a,及び30a~33aに接続される複数のユニット10g~10j,20g~20j…と、複数のユニット10g~10j,20g~20j…を制御する統合コントローラ1と、を備える。
【0012】
バックプレーン10,20~23,及び30~33は、図示しないメモリ及びCPUから構成されるプロセッサを有し、各種信号の入力、出力、制御、及び演算などに関する機能を有する。各バックプレーンの内部には内部バス10a,20a~23a,及び30a~33aが設けられる。
【0013】
内部バス10a,20a~23a,及び30a~33aには、複数のユニット10g~10j,20g~20j,21g~21j,22g~22j,23g~23j,30g~30j,31g~31j,32g~32j,及び33g~33jが接続される。
図1では、1つの内部バスに4つのユニットが接続される例を示すが、1つの内部バスに接続されるユニットの数は4つに限定されず、0~n(n:自然数)の間で任意の数のユニットが接続可能である。
【0014】
各ユニットは、デバイスの特性試験に用いられる。特性試験の対象となるデバイスの一例として半導体デバイスが挙げられる。半導体デバイスとしては、ダイオード、トランジスタ、サイリスタなどの個別半導体デバイス、及び個別半導体デバイスを集積したIC(Integrated Circuit)などが挙げられる。ただし、特性試験の対象となるデバイスは、半導体デバイスに限定されるものではなく、他のデバイスを対象としてもよい。
【0015】
統合コントローラ1は、例えばマイクロコンピュータなどで構成することができる。一例として、統合コントローラ1は、図示しないメモリ及びCPU(Central Processing Unit)から構成されるプロセッサを内蔵し、メモリに予め格納されたプログラムをCPUが実行することによって各ユニットを制御することができる。詳細な制御内容については後述するが、例えば統合コントローラ1は、各ユニットの動作モードを決定することができる。
【0016】
統合コントローラ1は、各ユニットと通信可能に接続される。統合コントローラ1と各ユニットとの接続方法は特に限定されず、統合コントローラ1と各ユニットは有線で接続されてもよいし、無線で接続されてもよい。統合コントローラ1と各ユニットが有線で接続される場合、統合コントローラ1は、各バックプレーンを介して各ユニットに接続される。
【0017】
各バックプレーンは、通信可能に接続される。各バックプレーンの接続方法については特に限定されないが、例えば、各バックプレーンは内部バスのバスコネクタを介して接続される。
【0018】
本実施形態では、
図1に示すように、各バックプレーンの接続方式として、木構造を用いる。木構造とは、1つのルートノードから始まり、複数の子ノードが枝分かれしていく構造である。木構造において、ルートノードは最上位のノードであり、ルートノード以下のすべての子ノードはルートノードからの深さを有する。また、各ノードは複数の子ノードを持つことができるが、複数の親ノードを持つことはできない。
【0019】
本実施形態では、このような木構造を用いてバックプレーン同士を接続する。本実施形態において、第1階層が最上位のノードに該当し、以下第2階層、第3階層…と深くなっていく。
【0020】
第1階層に位置するバックプレーン10に4つのバックプレーン20~23が接続される。4つのバックプレーン20~23は、第2階層に位置する。
【0021】
バックプレーン20~23にはさらに複数のバックプレーンが接続される。なお、
図1では、紙面の都合上、バックプレーン20にだけ4つのバックプレーン30~33が接続される例を示しているが、バックプレーン21~23にもそれぞれ4つのバックプレーンが接続される。4つのバックプレーン30~33は、第3階層に位置する。階層が上位の1つのバックプレーンには、階層が下位の4つのバックプレーンが接続される。階層が深くなるほど、バックプレーンの数は増加していく。以下では、階層が上位のバックプレーンを「上位バックプレーン」と称する場合がある。また、階層が下位のバックプレーンを「下位バックプレーン」と称する場合がある。本実施形態では、1つの上位バックプレーンに対し4つの下位バックプレーンが接続される例を示すが、これは一例であり、接続される下位バックプレーンの数は4つに限定されず、適宜変更可能である。
【0022】
バックプレーン10,20~23,及び30~33は、それぞれ1chのToUpperポート10b,20b~23b,及び30b~33bと、4chのToLowerポート10c~10f,20c~20f,21c~21f,22c~22f,23c~23f,30c~30f,31c~31f,32c~32f,及び33c~33fを備える。これらのポートは、各種信号の入出力ポートとして機能する。
【0023】
ToUpperポートは、上位バックプレーンに近い上位側のポートである。これに対し、ToLowerポートは、下位バックプレーンに近い下位側のポートである。
【0024】
上位バックプレーンのToLowerポートは、下位バックプレーンのToUpperポートに接続される。具体的には、ToLowerポート10cは、ToUpperポート20bに接続される。また、ToLowerポート10dは、ToUpperポート21bに接続される。また、ToLowerポート10eは、ToUpperポート22bに接続される。また、ToLowerポート10fは、ToUpperポート23bに接続される。
【0025】
同様に、ToLowerポート20cは、ToUpperポート30bに接続される。また、ToLowerポート20dは、ToUpperポート31bに接続される。また、ToLowerポート20eは、ToUpperポート32bに接続される。また、ToLowerポート20fは、ToUpperポート33bに接続される。
【0026】
なお、木構造の最上位に位置するバックプレーン10のToUpperポート10bには何も接続されない。
【0027】
各バックプレーンは、電源投入時の条件によって決定されるロールと、内部バスに接続されるユニットの動作モードの2つの条件によって、合計で4種類に分類される。「ロール」について説明する。「ロール」には、「ルート」と「チャイルド」の2つの概念が含まれる。各バックプレーンは、電源投入時の条件によって「ルートバックプレーン」として機能するか、又は「チャイルドバックプレーン」として機能するか、決定される。
【0028】
「ルートバックプレーン」と「チャイルドバックプレーン」について説明する。ルートバックプレーンは、各ユニットを同期させるための同期信号を生成し、生成した同期信号をToLowerポートからチャイルドバックプレーンに送信する。各バックプレーンの内部バスに接続される各ユニットは、ToUpperポートに入力された同期信号に同期する。ルートバックプレーンは、木構造の最上位に位置することになり、1台しか存在しない。したがって、ルートバックプレーン以外のバックプレーンは、全てチャイルドバックプレーンとなる。
図1に照らせば、バックプレーン10がルートバックプレーンであり、バックプレーン20~23,及び30~33はチャイルドバックプレーンである。
【0029】
本実施形態において、同期信号が伝達する方向は、常に上位から下位への方向に固定されている。すなわち、同期信号は、第1階層、第2階層、第3階層…の順に伝達される。同期信号の周期は特に限定されないが、本実施形態では1MHzとして説明する。以下、同期信号について「GSync信号」と称する。
【0030】
次に、電源投入時の条件について説明する。電源投入時の条件とは、電源投入時に自身のToUpperポートにGSync信号が入力されているか否かである。電源投入時に自身のToUpperポートにGSync信号が入力されている場合、そのバックプレーンは「チャイルドバックプレーン」として機能することになる。一方で、電源投入時に自身のToUpperポートにGSync信号が入力されていない場合、そのバックプレーンは「ルートバックプレーン」として機能することになる。
【0031】
次に、「バックプレーンの内部バスに接続されるユニットの動作モード」について説明する。本実施形態では、半導体デバイスの特性試験の種類に応じて、ユニットの動作モードは2つのモードに分類される。2つのモードとは、プライマリモードとセカンダリモードである。
【0032】
各ユニットは、統合コントローラ1の指令に基づいて、プライマリモード又はセカンダリモードのどちらかのモードで動作する。以下では、ユニットがプライマリモードで動作する場合、そのユニットをプライマリユニットと称する場合がある。また、ユニットがセカンダリモードで動作する場合、そのユニットをセカンダリユニットと称する場合がある。プライマリユニットは、全てのバックプレーンにおいて1台しか存在しない。したがって、プライマリユニット以外のユニットは、全てセカンダリユニットとなる。
【0033】
特性試験の種類として、例えば半導体デバイスが絶縁ゲート型バイポーラトランジスタであれば、コレクタ漏れ電流の測定試験、ゲート漏れ電流の測定試験、及びゲート閾値電圧の測定試験などが挙げられる。
【0034】
特性試験の種類に応じて、どのユニットをプライマリモードで動作させ、どのユニットをセカンダリモードで動作させるかについては、予め設定されている。統合コントローラ1は、特性試験の種類に応じて各ユニットに対し動作モードを指示する。統合コントローラ1からの指令は、各バックプレーンに通知され、各ユニットの動作モードが決定される。各ユニットは、統合コントローラ1の指示にしたがい、プライマリモード、もしくはセカンダリモードで動作する。
【0035】
以上説明したように、各バックプレーンは、次の4種類に分類される。すなわち、(1)ルートバックプレーンであり、内部バスにプライマリモードで動作するプライマリユニットが接続されているバックプレーン、(2)ルートバックプレーンであり、かつ、内部バスにプライマリユニットは接続されていないバックプレーン、(3)チャイルドバックプレーンであり、かつ、内部バスにプライマリユニットが接続されているバックプレーン、(4)チャイルドバックプレーンであり、かつ、内部バスにプライマリユニットは接続されていないバックプレーン、の4種類に分類される。
【0036】
上記の(1)、(3)に該当する場合、バックプレーンは、プライマリモードで動作する。上記の(2)、(4)に該当する場合、バックプレーンは、セカンダリモードで動作する。なお、以下では、ユニットとバックプレーンの動作モードを区別するため、ユニットのプライマリモード及びセカンダリモードについては、プライマリモード(U)及びセカンダリモード(U)と称し、バックプレーンのプライマリモード及びセカンダリモードについては、プライマリモード(B)及びセカンダリモード(B)と称する。
【0037】
電源投入時に決定されたロールに関し、電源投入中の変更は起こらない。一方で、動作モードについては、電源投入中でも特性試験の種類に応じて変わる。すなわち、プライマリユニット及びセカンダリユニットの位置は、特性試験の種類に応じて動的に変わる。
【0038】
(プライマリモード(U)及びセカンダリモード(U)の動作例)
次に、ユニットの動作例、すなわちプライマリモード(U)及びセカンダリモード(U)の動作例について説明する。正常時の動作例と、異常が発生した場合の動作例の2つに分けて説明する。
【0039】
(正常時の動作例)
最初に
図2を参照して、正常時の動作例について説明する。
図2は、正常時におけるプライマリユニット及びセカンダリユニットの動作例を示すタイミングチャートである。
【0040】
図2の横軸は時間である。
図2の縦軸について説明する。図中の「C」は各信号の信号線を示す。各信号には、「GSync」で示されるGSync信号、「ENA」で示されるENA信号、及び「RDY」で示されるRDY信号が含まれる。
【0041】
GSync信号は、上述したように各ユニットを同期させるための同期信号である。
【0042】
「ENA信号」は、プライマリユニットがセカンダリユニットに出力する信号であり、セカンダリユニットが動作することを許可するための信号である。すなわち、ENA信号は、木構造で接続されている全てのセカンダリユニットに対して測定試験に係るステップシーケンサの開始を通知する信号である。バックプレーン同士が木構造で接続されている、ということはユニット同士も木構造で接続されているといえる。ただし、同一の内部バスに複数のユニットが接続されている場合は、これらのユニットは木構造ではなく並列に接続されている。
【0043】
ENA信号は、RDY信号がHiになるまではLoである。プライマリユニットは、RDY信号がHiになったことを確認した後、ENA信号をHiにする。
【0044】
「RDY信号」は、セカンダリユニットがプライマリユニットに出力する信号であり、測定試験の動作の準備が完了したことを示す信号である。
【0045】
「P」はプライマリモード(U)で動作するプライマリユニットを示す。「S1」及び「S2」は、セカンダリモード(U)で動作するセカンダリユニットを示す。なお、
図2では紙面の都合上、3つ目以降のセカンダリユニットは省略されている。
【0046】
「IDLE」とは、統合コントローラ1からの指令を待っている待機状態を示す。「SET」とは、統合コントローラ1から指令が送信され、動作モードを設定している状態を示す。「SET」で示される期間において、そのユニットがプライマリモード(U)で動作するのか、セカンダリモード(U)で動作するのかが設定される。「IDLE」で示される期間では、まだそのユニットのモードがプライマリモード(U)であるのか、セカンダリモード(U)であるのか設定されていない点に留意されたい。なお、プライマリモード(U)及びセカンダリモード(U)の設定は、ステップシーケンサが動作していない状態で行われる。
【0047】
動作モードが設定された後、セカンダリユニットS2はRDY信号をプライマリユニットPに出力する(タイミングT11)。同様に、動作モードが設定された後、セカンダリユニットS1はRDY信号をプライマリユニットPに出力する(タイミングT12)。プライマリユニットPは、セカンダリユニットS1,S2からRDY信号を受信した後、すなわちRDY信号がHiであることを確認した後、ENA信号をHiにしてセカンダリユニットS1,S2に出力する(タイミングT13)。
【0048】
図中の「Wait For Ready」は、RDY信号がHiになることを待機している状態を示す。また、図中の「Wait For Enable」は、ENA信号がHiになることを待機している状態を示す。
【0049】
ENA信号をHiにして出力する際、プライマリユニットPは「dmy」で示される所定期間だけ待機し、その後ENA信号をHiにして出力する。「dmy」を挿入する理由はプライマリユニットPとセカンダリユニットS1,S2との同期の精度を高めるためである。「dmy」の期間としてGSync信号の100サイクル程度まで設定可能である。なお、「dmy」の挿入は必須ではない。
【0050】
タイミングT13において、ENA信号がHiになる。プライマリユニットP、及びHiのENA信号を受信したセカンダリユニットS1,S2は特性試験を開始する。より詳しくは、セカンダリユニットS1,S2はENA信号が立ち上がった次の同期タイミングから動作を開始する。本実施形態によれば、木構造で各ユニットが接続されるため、信号遅延が低減され、同期の精度を向上させることが可能となる。これにより、効率よく特性試験を行うことができる。図中の「Action」は、特性試験が行われている状態を示す。特性試験終了後、プライマリユニットPはENA信号をLoにし、セカンダリユニットS1,S2はRDY信号をLoにする(タイミングT14)。特性試験終了後は、測定結果処理などが行われ、次の特性試験の準備が開始される。図中の「RES」は、測定結果処理などが行われている状態を示す。
【0051】
(プライマリユニットPに異常が発生した場合の動作例)
次に、
図3を参照して、プライマリユニットP及びセカンダリユニットS1,S2の他の動作例について説明する。
図2ではプライマリユニットP及びセカンダリユニットS1,S2が正常に動作した場合の動作例を説明したが、
図3ではプライマリユニットPに異常が発生した場合の動作例について説明する。なお、説明をわかりやすくするため、
図3では、プライマリユニットPの状態について正常時の状態と異常時の状態の両方が示されている。図中のState(Normal)が正常時の状態を示し、State(Err)が異常時の状態を示す。
【0052】
タイミングT21において、プライマリユニットPに異常が発生したと仮定する。異常を検知したプライマリユニットPは、ENA信号をLoにして、特性試験の停止処理開始をセカンダリユニットS1,S2に通知する(タイミングT22)。図中の「ERR」は、異常が発生している状態を示す。なお、異常時の停止処理は、例えば、AD(Analog digital),DI(Digital Input),Extのいずれかが停止条件を満たしたら開始するように設定することができる。
【0053】
ENA信号がLoであることを検知したセカンダリユニットS1,S2は、停止処理に移行し、RDY信号をLoにする(タイミングT23)。停止処理では、DAC(Digital Analog Converter),DO(Digital Out)をラストステップの設定に固定した状態で、ステップシーケンサは最後まで実行される(タイミングT23)。ステップシーケンサを最後まで実行する理由は、途中でステップシーケンサの処理を停止すると、予期せぬエラーが生じるおそれがあり、これを防止するためである。
【0054】
(プライマリユニットPに異常が発生した場合の動作例)
次に、
図4を参照して、プライマリユニットP及びセカンダリユニットS1,S2の他の動作例について説明する。
図3ではプライマリユニットPに異常が発生した場合の動作例について説明したが、
図4では2つのセカンダリユニットのうち、セカンダリユニットS2に異常が発生した場合の動作例について説明する。なお、
図4でも
図3と同様に、プライマリユニットPの状態について正常時の状態と異常時の状態の両方が示されている。図中のState(Normal)が正常時の状態を示し、State(Err)が異常時の状態を示す。ただし、
図4では、State(Err)は、プライマリユニットP自身の異常ではなく、セカンダリユニットS2に発生した異常に起因して停止処理が行われている状態を示す。
【0055】
タイミングT31において、セカンダリユニットS2に異常が発生したと仮定する。異常を検知したセカンダリユニットS2は、RDY信号をLoにして、特性試験の停止処理開始をプライマリユニットPに通知する(タイミングT31)。
【0056】
RDY信号がLoであることを検知したプライマリユニットPは、異常が発生していない他のユニット、すなわちセカンダリユニットS1に対して停止処理を指示するために、ENA信号をLoにする(タイミングT32)。ENA信号がLoであることを検知したセカンダリユニットS1は停止処理を開始する(タイミングT33)。なお、セカンダリユニットS2に異常が発生した場合でもプライマリユニットPに異常が発生した場合と同様に、ステップシーケンサは最後まで実行される。
【0057】
(プライマリモード(B)及びセカンダリモード(B)の動作例)
次に、バックプレーンの動作例、すなわち、プライマリモード(B)及びセカンダリモード(B)の動作例について説明する。
【0058】
最初に、
図5を参照して、プライマリモード(B)の動作例について説明する。
図5は、プライマリモード(B)で動作するバックプレーンに入力される信号の流れ及びプライマリモード(B)で動作するバックプレーンから出力される信号の流れを示す図である。
【0059】
図5に示すバックプレーンは、上述の分類に照らせば、(3)チャイルドバックプレーンであり、かつ、内部バスにプライマリユニットが接続されているバックプレーン、に分類される。したがって、
図5に示すバックプレーンは、
図1に照らせば、バックプレーン20~23,及び30~33のいずれかとなる。
図5に示すバックプレーンの内部バスに接続されている複数のユニットの内、1つがプライマリユニットであり、残りは全てセカンダリユニットである。
図5に示すバックプレーンは、第1階層以外に位置する。図中の「TU」はToUpperポートを示す。ToUpperポートは上位バックプレーンに接続される。図中の「TL[0]」、「TL[1]」、「TL[2]」、「TL[3]」は、4つのToLowerポートを示し、それぞれのToLowerポートは下位バックプレーンに接続される。プライマリユニットは全てのバックプレーンにおいて1台しか存在しないため、上位バックプレーンに接続されているユニットは全てセカンダリユニットであり、下位バックプレーンに接続されているユニットも全てセカンダリユニットである。
【0060】
上位バックプレーンから出力されたGSync信号は、ToUpperポートに入力される。
図5に示すバックプレーンは、GSync信号を各ToLowerポートから下位バックプレーンに出力する。
【0061】
上位バックプレーンから出力されたRDY信号は、ToUpperポートに入力される。また、下位バックプレーンから出力されたRDY信号は、ToLowerポートに入力される。RDY信号の論理和は、内部バスに割り当てられた入力ピンRDYiに入力される。
【0062】
RDY信号がHiであるとき、内部バスに割り当てられた出力ピンENAoからENA信号が出力される。
図5に示すバックプレーンは、出力ピンENAoから出力されたENA信号をToUpperポートから上位バックプレーンに出力する。また、
図5に示すバックプレーンは、出力ピンENAoから出力されたENA信号を各ToLowerポートから下位のユニットに出力する。
【0063】
図中の「EPI」(Existence Primary Input)及び「EPO」(Existence Primary Output)は、木構造接続においてプライマリユニットがどこに存在するのか、プライマリユニットの位置を示す信号である。
【0064】
より詳しくは、該当ポートに入力されるEPI信号がHiであるとき、該当ポートに繋がる経路にプライマリユニットが存在することを示す。一方、該当ポートに入力されるEPI信号がLoであるとき、該当ポートに繋がる経路にプライマリユニットが存在しないことを示す。
【0065】
該当ポートから出力されるEPO信号がHiであるとき、該当ポートより前の経路にプライマリユニットが存在することを示す。一方、該当ポートから出力されるEPO信号がLoであるとき、該当ポートより前の経路にプライマリユニットが存在しないことを示す。「該当ポートより前の経路」とは、該当ポートから出力されるEPO信号の方向とは逆方向の経路を意味する。なお、EPI信号及びEPO信号について、各ユニットによって生成される信号であり、バックプレーンを介して信号の送受信が行われる。
【0066】
図5において、ToUpperポートにはLoのEPI信号が入力される。これにより、
図5に示すバックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、ToUpperポートに繋がる経路にプライマリユニットが存在しないと認識できる。
図5に示すバックプレーンは、ToUpperポートからHiのEPO信号を上位バックプレーンに出力する。これにより、上位バックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、ToUpperポートより前の経路にプライマリユニットが存在すると認識できる。
【0067】
各ToLowerポートにはLoのEPI信号が入力される。これにより、
図5に示すバックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、各ToLowerポートに繋がる経路にプライマリユニットが存在しないと認識できる。
図5に示すバックプレーンは、各ToLowerポートからHiのEPO信号を下位バックプレーンに出力する。これにより、下位バックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、ToLowerポートより前の経路にプライマリユニットが存在すると認識できる。
【0068】
次に、
図6を参照して、セカンダリモード(B)の動作例について説明する。
図6は、セカンダリモード(B)で動作するバックプレーンに入力される信号の流れ及びセカンダリモード(B)で動作するバックプレーンから出力される信号の流れを示す図である。
【0069】
図6に示すバックプレーンは、上述の分類に照らせば、(4)チャイルドバックプレーンであり、かつ、内部バスにプライマリユニットは接続されていないバックプレーン、に分類される。したがって、
図6に示すバックプレーンは、
図1に照らせば、バックプレーン20~23,及び30~33のいずれかとなる。
図6に示すバックプレーンの内部バスに接続されている複数のユニットは全てセカンダリユニットである。
図6に示すバックプレーンは、第1階層以外に位置する。図中の「TU」、「TL[0]」、「TL[1]」、「TL[2]」、「TL[3]」については、
図5と同じである。プライマリユニットは、
図6に示すバックプレーンの上位に位置するものとする。
【0070】
上位バックプレーンから出力されたGSync信号は、ToUpperポートに入力される。
図6に示すバックプレーンは、GSync信号を各ToLowerポートから下位のユニットに出力する。
【0071】
上位のどこかに位置するプライマリユニットから出力されたENA信号は、ToUpperポートに入力される。
図6に示すバックプレーンは、ENA信号を各ToLowerポートから下位ユニットに出力する。また、ENA信号は、内部バスに割り当てられた入力ピンENAiに入力される。
【0072】
下位バックプレーンから出力されたRDY信号は、ToLowerポートに入力される。内部バスに割り当てられた出力ピンRDYoからRDY信号が出力される。
図6に示すバックプレーンは、下位バックプレーンから出力されたRDY信号及び出力ピンRDYoから出力されたRDY信号の論理和をToUpperポートから上位バックプレーンに出力する。
【0073】
ToUpperポートにはHiのEPI信号が入力される。これにより、
図6に示すバックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、ToUpperポートに繋がる経路にプライマリユニットが存在すると認識できる。
図6に示すバックプレーンは、ToUpperポートからLoのEPO信号を上位バックプレーンに出力する。これにより、上位バックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、ToUpperポートより前の経路にプライマリユニットが存在しないと認識できる。
【0074】
各ToLowerポートにはLoのEPI信号が入力される。これにより、
図6に示すバックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、各ToLowerポートに繋がる経路にプライマリユニットが存在しないと認識できる。
図6に示すバックプレーンは、各ToLowerポートからHiのEPO信号を下位バックプレーンに出力する。これにより、下位バックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、ToLowerポートより前の経路にプライマリユニットが存在すると認識できる。
【0075】
次に、
図7を参照して、セカンダリモード(B)の他の動作例について説明する。
図7に示すバックプレーンは、
図6に示すバックプレーンと同様に、(4)チャイルドバックプレーンであり、かつ、内部バスにプライマリユニットは接続されていないバックプレーン、に分類される。
図7が
図6と異なるのは、
図6ではプライマリユニットが上位に位置していたのに対し、
図7ではプライマリユニットが下位に位置することである。具体的には、
図7ではプライマリユニットはTL[0]に繋がる経路に位置するものとする。TL[0]に繋がる経路に存在するユニットにはプライマリユニット及びセカンダリユニットが含まれる。TL[1],TL[2],及びTL[3]に繋がる経路に存在するユニットは全てセカンダリユニットである。
【0076】
上位バックプレーンから出力されたGSync信号は、ToUpperポートに入力される。
図7に示すバックプレーンは、GSync信号を各ToLowerポートから下位ユニットに出力する。
【0077】
TL[0]に繋がる経路のどこかに位置するプライマリユニットから出力されたENA信号は、TL[0]に入力される。
図7に示すバックプレーンは、ENA信号をToUpperポートから上位ユニットに出力する。また、
図7に示すバックプレーンは、ENA信号をTL[1],TL[2],及びTL[3]から下位バックプレーンに出力する。また、ENA信号は、内部バスで割り当てられた入力ピンENAiに入力される。
【0078】
下位バックプレーンから出力されたRDY信号は、TL[1],TL[2],及びTL[3]に入力される。また、上位バックプレーンから出力されたRDY信号は、ToUpperポートに入力される。また、内部バスに割り当てられた出力ピンRDYoからRDY信号が出力される。
図7に示すバックプレーンは、下位バックプレーンから出力されたRDY信号、上位バックプレーンから出力されたRDY信号、及び出力ピンRDYoから出力されたRDY信号の論理和をTL[0]からプライマリユニットが接続されているバックプレーンに出力する。
【0079】
ToUpperポートにはLoのEPI信号が入力される。これにより、
図7に示すバックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、ToUpperポートに繋がる経路にプライマリユニットが存在しないと認識できる。
図7に示すバックプレーンは、ToUpperポートからHiのEPO信号を上位バックプレーンに出力する。これにより、上位バックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、ToUpperポートより前の経路にプライマリユニットが存在すると認識できる。
【0080】
TL[0]にはHiのEPI信号が入力される。これにより、
図7に示すバックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、TL[0]に繋がる経路にプライマリユニットが存在すると認識できる。TL[1],TL[2],及びTL[3]にはLoのEPI信号が入力される。これにより、
図7に示すバックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、TL[1],TL[2],及びTL[3]に繋がる経路にプライマリユニットが存在しないと認識できる。
【0081】
図7に示すバックプレーンは、TL[0]からLoのEPO信号を下位バックプレーンに出力する。これにより、TL[0]に繋がる経路に存在する下位バックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、TL[0]より前の経路にプライマリユニットが存在しないと認識できる。また、
図7に示すバックプレーンは、TL[1],TL[2],及びTL[3]からHiのEPO信号を下位バックプレーンに出力する。これにより、TL[1],TL[2],及びTL[3]に繋がる経路に存在する下位バックプレーンの内部バスに接続されている各ユニットは、TL[1],TL[2],及びTL[3]より前の経路にプライマリユニットが存在することを認識できる。
【0082】
なお、バックプレーンがルートバックプレーンとして機能する場合、当該バックプレーンがGSync信号を生成し、自身の内部バスに割り当てられたGSYNCとToLowerポートのGSYNCから、他のチャイルドバックプレーンに生成したGSync信号を出力する。GSync信号が伝達する方向は、バックプレーンの動作モードに関係なく、常に上位から下位への方向に固定されている。
【0083】
(作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係るテストシステム100によれば、以下の作用効果が得られる。
【0084】
テストシステム100は、複数のバックプレーン10,20~23,及び30~33と、統合コントローラ1と、を備える。各バックプレーンには、デバイスの特性試験に用いられる複数のユニット10g~10j,20g~20j…が接続される。ただし、1つのバックプレーンに対し必ずしもユニットは複数接続される必要はなく、少なくとも1つのユニットが接続されていれば足りる。バックプレーン同士は木構造で接続される。すなわち、バックプレーンに接続されるユニットも木構造で接続される。従来技術のように複数のユニットをディージーチェーン接続すると、ユニット数に比例して信号遅延が増加してしまう。これに対し、本実施形態のように、複数のユニットを木構造で接続すれば信号遅延の増加を低減することが可能となる。具体的には、ユニット数をnとすると、ディージーチェーンではX(n)で信号遅延が増加するが、木構造ではX(logn)での増加に抑えられる。Xは所定の関数を示す。例えば、ユニットを5台接続する場合を考える。
図1に示す第1階層及び第2階層のように木構造接続すると、5台をディージーチェーン接続した場合と比較して、信号遅延の増加は4分の1まで低減される。なお、この例では1つのバックプレーンに1つのユニットが接続される場合を想定している。本実施形態によれば、ユニット間の同期の精度を向上させることが可能となり、効率よく特性試験を行うことができる。
【0085】
統合コントローラ1は、特性試験の種類に応じて、複数のバックプレーンのそれぞれに接続されるユニットの中から、他のユニット(セカンダリユニット)の動作を制御するプライマリユニットを決定する。これにより、特性試験の種類ごとに、プライマリユニット及びセカンダリユニットの位置を変更することが可能となる。木構造においては信号の方向は自動的に再構築されるため、プライマリユニットを指定するだけで所望の特性試験を行うことができ、ソフトウェアによる管理負荷を低減できる。
【0086】
複数のバックプレーンのそれぞれに接続されるユニットは、プライマリユニットの位置を示す信号を他のユニットに送信する。各バックプレーンは木構造の深さ方向に連なるため、セカンダリユニットは、プライマリユニットとは逆方向に信号を伝達する必要がある。各ユニットは、自身がプライマリモードで動作しているのか、もしくはセカンダリモードで動作しているのか認識している。しかし、各ユニットは、他のユニットがどのモードで動作しているのかは認識していない。そこで、本実施形態では、EPI信号及びEPO信号を用いてプライマリユニットがどこに位置しているのか各ユニットに認識させる構成とした。これにより、セカンダリユニットは、プライマリユニットが位置する方向とは逆方向にENA信号を伝達し、プライマリユニットが位置する方向へRDY信号を伝達することができる。これにより、バケツリレーのように、全てのバックプレーン内でハンドシェーク信号を伝達させることができる。
【0087】
プライマリユニットは、他のユニットから動作の準備が完了したことを示す信号を受信してから所定時間経過後に、他のユニットが動作することを許可する信号を他のユニットに送信する。これにより、各ユニット間の同期の精度を向上させることが可能となる。なお、「準備が完了したことを示す信号」はRDY信号に相当する。また、「動作することを許可する信号」はENA信号に相当する。
【0088】
木構造の最上位に位置するバックプレーンは、ユニット同士を同期させるための同期信号(GSync信号)を生成し、生成した同期信号を他のバックプレーンに送信する。これにより、木構造の特性を活用した同期処理を行うことができる。
【0089】
本開示は半導体デバイスの特性試験に好適に用いることができる。
【0090】
〔ソフトウェアによる実現例〕
統合コントローラ1としての機能は、統合コントローラ1としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0091】
この場合、統合コントローラ1は、プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。コンピュータがプログラムを実行することにより、上述した実施形態で説明した各機能が実現される。
【0092】
プログラムは、一時的ではなく、コンピュータが読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、統合コントローラ1が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して統合コントローラ1に供給されてもよい。
【0093】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
【0094】
例えば、テストシステム100にクロック遅延補正を導入してもよい。
【0095】
〔付記事項〕
また、本開示は下記のように表現する事もできる。
【0096】
本開示の態様1に係るテストシステムは、デバイスの特性試験に用いられる少なくとも1つのユニットがそれぞれ接続される、複数のバックプレーンと、前記ユニットを制御する統合コントローラと、を備え、前記バックプレーン同士が木構造で接続される、構成である。
【0097】
本開示の態様2に係るテストシステムは、上記の態様1において、前記統合コントローラは、前記特性試験の種類に応じて、前記複数のバックプレーンのそれぞれに接続されるユニットの中から、他のユニットの動作を制御するプライマリユニットを決定する、構成としてもよい。
【0098】
本開示の態様3に係るテストシステムは、上記の態様2において、前記複数のバックプレーンのそれぞれに接続されるユニットは、前記プライマリユニットの位置を示す信号を他のユニットに送信する、構成としてもよい。
【0099】
本開示の態様4に係るテストシステムは、上記の態様2において、前記プライマリユニットは、前記他のユニットから動作の準備が完了したことを示す信号を受信してから所定時間経過後に、前記他のユニットが動作することを許可する信号を前記他のユニットに送信する、構成としてもよい。
【0100】
本開示の態様5に係るテストシステムは、上記の態様1~4のいずれかにおいて、前記木構造の最上位に位置するバックプレーンは、前記ユニット同士を同期させるための同期信号を生成し、生成した前記同期信号を他のバックプレーンに送信する、構成としてもよい。
【0101】
本開示の態様6に係るテストシステムは、上記の態様1~5のいずれかにおいて、前記デバイスは、半導体デバイスである、構成としてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 統合コントローラ、10,20~23,30~33 バックプレーン、10g~10j,20g~20j,21g~21j,22g~22j,23g~23j,30g~30j,31g~31j,32g~32j,33g~33j ユニット、100 テストシステム