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特開2024-142220行先階登録システムおよび行先階登録システムの制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142220
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】行先階登録システムおよび行先階登録システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/14 20060101AFI20241003BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B66B1/14 K
B66B3/00 M
B66B3/00 K
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054295
(22)【出願日】2023-03-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】井上 元太
(72)【発明者】
【氏名】須藤 豪
(72)【発明者】
【氏名】平岡 孝司
【テーマコード(参考)】
3F303
3F502
【Fターム(参考)】
3F303CB31
3F502HB02
3F502JA05
3F502JA09
3F502JA20
3F502KA05
3F502KA15
3F502MA16
3F502MA19
3F502MA43
(57)【要約】
【課題】利便性が向上した行先階登録システムを提供する。
【解決手段】行先階登録システム(100)は、エレベータ(4)の利用を希望する対象者の顔画像データに基づいて対象者が認証されなかった場合、行先階入力画面を表示装置に表示させる表示制御部(115)、および対象者が登録を希望する行先階を、行先階登録要求情報としてエレベータ制御装置に送信する登録要求送信部(114)を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの利用を希望する対象者の顔が写る対象画像における該対象者の顔画像データに基づいて該対象者を認証する認証部と、
前記対象者が認証された場合、該対象者に対応付けられた登録済の行先階情報が示す行先階を、該対象者の行先階登録要求情報として前記エレベータの運行を制御するエレベータ制御装置に送信する登録要求送信部と、
前記対象画像、および前記対象者の前記登録済の行先階情報を表示装置に表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記対象者が認証されなかった場合、該対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための行先階入力画面を前記表示装置に表示させ、
前記登録要求送信部は、
前記行先階入力画面に対して入力された前記対象者が登録を希望する行先階を、前記行先階登録要求情報として前記エレベータ制御装置に送信する、
行先階登録システム。
【請求項2】
前記対象者を認証するための照合用顔画像データを管理する照合用データ管理部をさらに備え、
前記表示制御部は、
前記対象者が認証されなかった場合、該対象者の顔画像データの登録を希望するか否かを該対象者に選択させる登録要否選択画面を前記表示装置に表示させ、
前記照合用データ管理部は、
前記対象者が前記顔画像データの登録を希望する場合、該対象者の顔画像データと、該対象者が登録を希望する行先階を示す行先階情報とを対応付けて、前記照合用顔画像データとして登録する、
請求項1に記載の行先階登録システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記対象者が認証されなかった場合、該対象者とは異なる利用者によって現時点において登録されている行先階を前記表示装置に表示させる、
請求項1に記載の行先階登録システム。
【請求項4】
前記対象者を認証するための照合用顔画像データを管理する照合用データ管理部をさらに備え、
前記表示制御部は、
前記対象者が認証された場合であって、前記登録済の行先階情報が示す行先階の変更を希望するか否かを該対象者に選択させる変更要否選択画面を前記表示装置に表示させ、
前記照合用データ管理部は、
前記対象者によって前記登録済の行先階情報の変更が希望された場合、該対象者の顔画像データと、該対象者が希望する変更後の行先階を示す行先階情報とを対応付けて、前記照合用顔画像データとして登録する、
請求項1に記載の行先階登録システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記対象者が認証されなかった場合、該対象者を再度認証することを指示する入力を受付可能な再認証ボタンを前記表示装置に表示させる、
請求項1に記載の行先階登録システム。
【請求項6】
エレベータの利用を希望する対象者の顔が写る対象画像における該対象者の顔画像データに基づいて該対象者を認証する認証ステップと、
前記対象者が認証された場合、該対象者に対応付けられた登録済の行先階情報が示す行先階を、該対象者の行先階登録要求情報として前記エレベータの運行を制御するエレベータ制御装置に送信する登録要求送信ステップと、
前記対象画像、および前記対象者の前記登録済の行先階情報を表示装置に表示させる表示制御ステップと、を含み、
前記対象者が認証されなかった場合、
前記表示制御ステップにおいて、該対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための行先階入力画面を前記表示装置に表示させ、
前記登録要求送信ステップにおいて、前記行先階入力画面に対して入力された前記対象者が登録を希望する行先階を、前記行先階登録要求情報として前記エレベータ制御装置に送信する、
行先階登録システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は顔認証によって対象者の行先階を特定する行先階登録システムおよび行先階登録システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エレベータの行先階登録システムであって、顔認証機能を備え、顔認証に成功した利用者の行先階の登録を受け付け、当該利用者に割り当てた号機を通知可能な行先階登録システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-131741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
行先階登録システムの利便性には、さらに向上する余地がある。
【0005】
本発明の一態様は、利便性が向上した行先階登録システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る行先階登録システムは、エレベータの利用を希望する対象者の顔が写る対象画像における該対象者の顔画像データに基づいて該対象者を認証する認証部と、前記対象者が認証された場合、該対象者に対応付けられた登録済の行先階情報が示す行先階を、該対象者の行先階登録要求情報として前記エレベータの運行を制御するエレベータ制御装置に送信する登録要求送信部と、前記対象画像、および前記対象者の前記登録済の行先階情報を表示装置に表示させる表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記対象者が認証されなかった場合、該対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための行先階入力画面を前記表示装置に表示させ、前記登録要求送信部は、前記行先階入力画面に対して入力された前記対象者が登録を希望する行先階を、前記行先階登録要求情報として前記エレベータ制御装置に送信する。
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る行先階登録システムの制御方法は、エレベータの利用を希望する対象者の顔が写る対象画像における該対象者の顔画像データに基づいて該対象者を認証する認証ステップと、前記対象者が認証された場合、該対象者に対応付けられた登録済の行先階情報が示す行先階を、該対象者の行先階登録要求情報として前記エレベータの運行を制御するエレベータ制御装置に送信する登録要求送信ステップと、前記対象画像、および前記対象者の前記登録済の行先階情報を表示装置に表示させる表示制御ステップと、を含み、前記対象者が認証されなかった場合、前記表示制御ステップにおいて、該対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための行先階入力画面を前記表示装置に表示させ、前記登録要求送信ステップにおいて、前記行先階入力画面に対して入力された前記対象者が登録を希望する行先階を、前記行先階登録要求情報として前記エレベータ制御装置に送信する。
【0008】
本発明の各態様に係る行先階登録システムは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記行先階登録システムが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記行先階登録システムをコンピュータにて実現させる行先階登録システムの制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、利便性が向上した行先階登録システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】行先階登録システムの構成を示すブロック図である。
図2】表示装置の構成および画面の表示例を示す概略図である。
図3】登録者情報DBに記憶されている登録者情報の例を示す図である。
図4】対象者の認証が成功した場合に表示装置に表示される表示画面の例を示す図である。
図5】登録者の許可階が複数存在する場合に表示装置に表示される画面の例を示す図である。
図6】表示装置に表示される画面の例を示す図である。
図7】対象者が認証されなかった場合に表示装置に表示される行先階入力画面の例を示す図である。
図8】行先階入力画面の別の例を示す図である。
図9】行先階入力画面の別の例を示す図である。
図10】行先階入力画面の別の例を示す図である。
図11】登録要否選択画面の例を示す図である。
図12】行先階呼びの登録をキャンセルされたときに表示装置に表示される画面の例を示す図である。
図13】行先階登録システムが行う処理(制御方法)の流れの一例を示すフローチャートである。
図14】表示装置において表示される画面の例を示す図である。
図15】表示装置において表示される画面の例を示す図である。
図16】変形例2に係る表示装置における表示画面の例を示す図である。
図17】変形例3に係る表示装置において、行先階呼びの登録ができなかった場合に表示される画面の例を示す図である。
図18】変形例4に係る行先階入力画面の例を示す図である。
図19】変形例4に係る行先階入力画面の例を示す図である。
図20】変形例4に係る行先階入力画面の例を示す図である。
図21】変形例5に係る表示装置において表示される画面の例を示す図である。
図22】変形例5に係る表示装置において表示される画面の例を示す図である。
図23】変形例5に係る表示装置において表示される画面の例を示す図である。
図24】変形例5に係る表示装置において表示される画面の例を示す図である。
図25】変形例5に係る表示装置において表示される画面の例を示す図である。
図26】変形例5に係る表示装置において表示される画面の例を示す図である。
図27】変形例6に係る表示装置において表示される行先階入力画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態〕
<行先階登録システム100の概要>
まず、本発明の一実施形態に係る行先階登録システム100の概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る行先階登録システム100の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、行先階登録システム100は、行先階登録装置1、表示装置2、エレベータ制御装置3、およびエレベータ4を備える。行先階登録システム100は、エレベータ4の利用を希望する対象者の顔を認証し、認証結果に基づき行先階呼び登録を行うシステムである。
【0013】
行先階登録システム100は、エレベータ4の利用を希望する対象者の顔が写る対象画像における該対象者の顔画像データに基づいて該対象者を認証する。行先階登録システム100は、予め登録された登録者の顔画像データと、検出された対象者の顔画像データとを比較し、対象者が登録者と同一人物であるか否かを判定することで、対象者の認証を行う。行先階登録システム100は、例えば、対象者と同一人物の顔画像データが登録者の顔画像データに含まれている場合、当該対象者を認証する。
【0014】
対象者が認証された場合、行先階登録システム100は、対象者が認証されたことを対象者に通知する。例えば、行先階登録装置1は、対象者の認証に成功したことを示す情報を、対象画像と共に(例えば、対象画像に重畳して)表示装置2に表示させる制御を行う。
【0015】
また、対象者が認証された場合、行先階登録装置1は、対象画像が撮像された乗場が存在する階床を出発階とし、対象者と同一人物の顔画像データに対応付けられて登録されている階床を行先階とする行先階呼びの登録をエレベータ制御装置3に要求する。エレベータ制御装置3は、行先階登録装置1からの要求に基づき行先階呼びを登録する。
【0016】
行先階呼びの登録が完了すると、行先階登録システム100は、対象者に行先階呼びの登録状況を通知する。例えば、行先階登録装置1は、対象画像、および対象者によって登録済の行先階情報を、表示装置2に表示させる制御を行う。
【0017】
対象者が認証されなかった場合、行先階登録システム100は、対象者が認証されなかったことを対象者に通知する。対象者が認証されない場合の例としては、例えば、(1)対象者と同一人物の顔画像データが登録者の顔画像データに含まれていない場合、および、(2)対象者の顔画像データの取得に失敗した場合などが挙げられる。
【0018】
また、対象者が認証されなかった場合、行先階登録システム100は、該対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための行先階入力画面を表示装置2に表示させる。例えば、表示装置2は、画面の表示および入力操作の受付が可能なタッチパネルに、行先階を入力させるためのテンキーを表示する。
【0019】
行先階の入力を受け付けると、行先階登録システム100は、対象者が撮像された乗場が存在する階床(すなわち、対象画像を取得した行先階登録装置1が設置されている階床)を出発階とし、入力された階床を行先階とする行先階呼びを登録する。
【0020】
行先階呼びの登録が完了すると、行先階登録システム100は、対象者に行先階呼びの登録状況を通知する。具体的には、表示装置2は、登録が完了した行先階を表示する。また、登録された行先階呼びに基づき、エレベータ制御装置3はエレベータ4を動作させる。これにより、対象者は、予め行先階として登録されている階床へエレベータ4を利用して移動することができる。
【0021】
例えば、宅配業者の配達員などがエレベータ4を利用して荷物を届ける場合(すなわち、配達員が対象者である場合)、認証されるように顔画像データと行先階とを予め登録しておくことは面倒である可能性がある。また、エレベータ4を利用する対象者の中には、決まった階床を行先階として予め登録することが困難である場合もあり得る。上記の構成によれば、行先階登録システム100は、認証されなかった対象者であっても、その場で希望する行先階を登録することができる。これにより、例えば、繰り返しエレベータ4を利用しない者(例えば、宅配業者の配達員などを含む)にとっても利便性が向上した行先階登録システム100を実現することができる。
【0022】
<行先階登録システム100の構成>
以下、行先階登録システム100が備える各構成について、引き続き図1を用いて説明する。なお、図1では、行先階登録システム100が行先階登録装置1、表示装置2、エレベータ制御装置3、およびエレベータ4を1つずつ備える構成が図示されているがこれに限られない。
【0023】
例えば、表示装置2は、エレベータ4が設けられる建物の各階床の乗場に設けられていてもよく、1つの階床に複数設けられていてもよい。行先階登録装置1は、表示装置2の各々に対応するように複数設けられていてもよいし、複数の表示装置2に対して1つの行先階登録装置1が対応していてもよい。
【0024】
また、行先階登録システム100は、複数のエレベータ4を備えていてもよい。この場合、行先階登録システム100は、複数のエレベータ4の各々を制御する複数のエレベータ制御装置3を備えていてもよいし、複数のエレベータ4を統括的に制御するエレベータ制御装置3を備えていてもよい。
【0025】
行先階登録システム100が複数のエレベータ4を備える場合、行先階登録装置1は、対象者に対して割り当てるエレベータ4を決定し、割当結果に基づきエレベータ制御装置3にエレベータ4を制御させる号機割当制御を行ってもよい。または、行先階登録システム100が複数のエレベータ4を備える場合、行先階登録装置1は、号機割当制御を行う割当制御装置から割当結果を示す情報を取得してもよい。
【0026】
<表示装置2>
図2は表示装置2の構成および画面の表示例を示す概略図である。表示装置2は、エレベータ4の乗場に設けられる装置であり、対象者が行先階呼びの登録を行うために利用する装置である。表示装置2は、乗場の撮像および、行先階登録システム100において行われる顔認証の状況および行先階呼びの登録状況の該対象者への提示を行う。図1に示すように、表示装置2は、通信部21、制御部22、撮像部23、表示部24、および入力部25を備える。
【0027】
通信部21は、表示装置2が行先階登録装置1と通信を行うための通信モジュールである。表示装置2は、通信部21を介して行先階登録装置1と各種情報の授受を行うことができる。
【0028】
撮像部23は、表示装置2に設けられるカメラ等の部材である撮像部23は、対象者が表示装置2に接近したときに該対象者を撮像可能な位置に設けられている。対象者がエレベータ4の呼び登録を行うために表示装置2に接近すると、撮像部23が撮像する画像には、該対象者の顔が写る。
【0029】
表示部24は、制御部22の制御に従い、対象者に対して各種情報を表示する。表示部24は、例えば画像を表示可能なディスプレイ等の装置である。表示部24には、第1領域241および第2領域242が含まれる。
【0030】
第1領域241は、行先階呼び登録の受付状況等を示す情報が表示される領域であり、入力部25を兼ねている。第2領域242は、顔認証の状況を示す情報等を表示する領域である。第2領域242には、撮像部23が撮像した画像が表示されていてもよい。
【0031】
入力部25は、表示部24と一体のタッチパネルであり、対象者による入力操作を受け付ける。
【0032】
制御部22は、表示装置2で行われる各処理を実行する。制御部22は、撮像部23で撮像された画像を示す画像データ、および入力部25に対して行われた入力操作の内容を示す信号を、通信部21を介して行先階登録装置1に送信する。制御部22は、撮像された画像を示す画像データと共に、表示装置2が設けられる階床を示す情報も行先階登録装置1に送信する。また、制御部22は、行先階登録装置1から受信した指示に基づき、所定の画像を表示部24に表示させる。
【0033】
画像を表示する指示を受けていない間、制御部22は、表示部24に、デフォルト画面を表示させる。例えば、制御部22は、デフォルト画面として、表示部24の第1領域241に、図2で示すような「顔認証で行先階を登録します」というメッセージを表示させる。制御部22は、撮像部23によって撮像されている画像を取得して表示させてもよい。
【0034】
制御部22は、行先階呼び登録の受付状況等を示す情報を表示部24に表示させる。例えば、制御部22は、行先階入力画面を表示部24の第1領域241に表示させる。行先階入力画面は、対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための画面である。制御部22は、行先階入力画面として、対象者が行先階を指定するための階床を示すボタンまたはテンキー等を第1領域241に表示させる。行先階呼びの登録が完了すると、制御部22は、登録が完了した行先階を示す情報を表示させる。
【0035】
行先階登録システム100が複数のエレベータ4を備える場合、制御部22は、第1領域241に、登録した行先階登録呼びに対して割り当てられたエレベータ4の号機を示す情報を表示させてもよい。
【0036】
制御部22は、行先階登録装置1における顔認証の状況を示す情報等を第2領域242に表示させる。また、制御部22は、撮像部23が撮像した画像を第2領域242に表示させる。制御部22は、対象者が顔認証された、またはされなかったことを示す画像およびメッセージ等を、撮像部23が撮像した画像に重畳させて表示させる。また、制御部22は、撮像部23が撮像した画像に重畳させて、行先階登録装置1において検出された対象者の顔の範囲を示す枠線を表示させる。
【0037】
表示装置2は、音声を出力可能なスピーカを備えていてもよい。制御部22は、行先階登録装置1から音声を出力することを指示する信号を受信した場合、当該信号に基づきスピーカから音声を出力させ、音声による情報の通知を行う。
【0038】
<エレベータ制御装置3およびエレベータ4>
エレベータ制御装置3は、行先階登録装置1から、登録された行先階呼びによって指定される行先階を示す情報を含む行先階登録要求情報を受信し、行先階呼び登録を行う装置である。行先階呼びの登録が完了すると、エレベータ制御装置3は、行先階呼びの登録が完了したことを示す情報を行先階登録装置1に送信する。
【0039】
エレベータ制御装置3は、登録した行先階呼びに基づき、エレベータ4の動作を制御する。エレベータ4は、エレベータ制御装置3の制御に従い階床間の移動および扉の開閉を行う。
【0040】
<行先階登録装置1>
行先階登録装置1は、撮像された対象者の顔のデータに基づき顔認証を行い、顔認証の結果に基づき行先階呼びの登録をエレベータ制御装置3に要求する装置である。また、行先階登録装置1は、顔認証の結果に基づき、表示装置2を制御し、顔認証の状況および乗場行先階呼びの登録状況を対象者に対して提示させる。
【0041】
図1に示すように、行先階登録装置1は、制御部11、通信部12および記憶部13を備える。制御部11は、行先階登録装置1において行われる各処理を実行する。制御部11の詳細については後述する。
【0042】
通信部12は、行先階登録装置1が行先階登録システム100の他の装置と通信を行うための通信モジュールである。行先階登録装置1は、通信部12を介して表示装置2およびエレベータ制御装置3と通信を行うことができる。行先階登録装置1と表示装置2およびエレベータ制御装置3との間における通信は無線通信であってもよいし有線通信であってもよい。
【0043】
記憶部13は、行先階登録装置1において用いられる各種情報を記憶している。図1に示すように、記憶部13は、少なくとも登録者情報DB(データベース)131およびエレベータ情報DB(データベース)132を記憶している。
【0044】
[登録者情報DB131]
登録者情報DB131には、登録者に関する情報である登録者情報が、登録者ごとに記憶されている。図3は登録者情報DB131に記憶されている登録者情報の例を示す図である。図3に示すように、登録者情報DB131には、登録者情報として、登録者を示す識別情報(登録者ID)、該登録者の顔画像データ、該登録者の出発階および出発階に対応する許可階を示す情報が対応付けられている。
【0045】
登録者の顔画像データは、登録者の顔を示す画像のデータであり、対象者の顔との一致度を求めるために用いられる。登録者の顔画像データは、登録者の対象者の顔を示すデータである。登録者の顔画像データは、対象者の顔の特徴点を示す顔画像データと比較するための、登録者の顔の特徴点を示す顔特徴点データであってよい。顔特徴点データとは、例えば、目、眉、鼻、および口などの位置、形状、並びに顔の輪郭などの特徴を示すデータである。顔特徴点データは、登録者情報DB131への登録のために登録者から提供された顔写真、または登録のために撮像された登録者の顔画像データに基づいて生成される。
【0046】
出発階は、対象者がエレベータ4に乗車する階床を示す情報であり、対象者が認証された場合に該対象者の行先階を特定するために用いられる。許可階は、対象者の顔認証に成功した場合に、登録者である該対象者の行先階として登録される階床である。1人の登録者の1つの出発階に対して、許可階は複数対応付けられていてもよい。行先階登録システム100では、認証された対象者の行先階は、該対象者の顔画像データおよび出発階に基づき特定される。
【0047】
例えば、図3に示す例において、登録者IDが001である登録者に対応する対象者が認証された場合であって、該登録者の認証が1階の表示装置2で撮像された対象画像に基づき行われた場合、該対象者は1階からエレベータ4に乗車すると考えられる。この場合、該対象者の出発階は1階となり、登録者情報DB131において登録者IDが001である登録者が1階から乗車する場合の許可階である10階が該対象者の行先階として特定される。
【0048】
一方、登録者IDが001である登録者に対応する対象者が認証された場合であって、該登録者の認証が10階の表示装置2で撮像された対象画像に基づき行われた場合、該対象者は10階からエレベータ4に乗車すると考えられる。この場合、該対象者の出発階は10階となり、登録者情報DB131において登録者IDが001である登録者が10階から乗車する場合の許可階である1階が該対象者の行先階として特定される。
【0049】
[エレベータ情報DB132]
エレベータ情報DB132は、エレベータ4の運行に関する情報を記憶するデータベースである。エレベータ情報DB132には、登録済の行先階呼びに基づくエレベータ4の出発階および行先階を示す情報が記憶されている。
【0050】
また、エレベータ情報DB132には、エレベータ4が停止可能な階床であるサービス階が記憶されている。なお、サービス階には、登録者情報DB131で登録者の登録階として記憶されていなくとも行先階として指定可能な階床である共用階も含まれている。
【0051】
1つの建物にエレベータ4が複数基存在する場合、複数のエレベータ4のそれぞれに、これらの情報が対応付けられて記憶されている。
【0052】
制御部11は、行先階登録装置1において行われる各処理を実行する。図1に示すように、制御部11は、検出部111、認証部112、受付部113、登録要求送信部114、表示制御部115、および照合用データ管理部116を備える。
【0053】
[検出部111]
検出部111は、撮像部23によって撮像された画像から、対象者の顔を検出する。
具体的には、検出部111は、通信部12を介して表示装置2と通信を行い、撮像部23が撮像した画像を受信する。検出部111は、受信した画像から、エレベータ4の利用を希望する対象者の顔を検出し、対象者の顔を示す顔画像データを生成する。
【0054】
認証部112が顔の特徴点に基づき顔認証を行う場合、検出部111は、対象者の顔の特徴点を検出する。検出部111は、対象者の顔の特徴点を示す情報を、顔画像データとして生成してもよい。検出部111は、対象画像および生成した顔画像データを認証部112および表示制御部115に出力する。
【0055】
[認証部112]
認証部112は、エレベータ4の利用を希望する対象者の顔が写る対象画像における該対象者の顔画像データに基づいて該対象者を認証する。例えば、認証部112は、登録者の顔を示す登録画像と、対象者の顔とを比較することで、対象者の認証を行う。
【0056】
具体的には、認証部112は、対象者の顔画像データに一定程度以上一致する顔画像データが登録者情報DB131に登録されているか否かを判定する。つまり、認証部112は対象者の顔画像データに基づき、該対象者の顔認証を行う。なお、この認証のための顔画像データの比較においては、公知の種々の方法を利用することができる。例えば、認証部112は、対象者の顔画像データ(顔特徴点データ)と、登録者情報DB131に登録されている各登録者の顔画像データ(顔特徴点データ)とを順次比較(照合)して一致率を求める。そして、認証部112は、対象者の顔画像データに対して所定一致率以上の一致率を有する登録者の顔画像データが登録者情報DB131に登録されているかを判定する。
【0057】
所定一致率以上の一致率を有する顔画像データが登録者情報DB131に登録されている場合、認証部112は、対象者が、登録者情報DB131に登録されている登録者であると判断し、顔認証が成功したと判定する。所定一致率以上の一致率を有する顔画像データが登録者情報DB131に登録されていない場合、認証部112は、顔認証が失敗したと判定する。認証部112は、認証の結果を制御部11の各部に出力する。
【0058】
[受付部113]
受付部113は、対象者による表示装置2に対する入力指示を受け付ける。具体的には、受付部113は、表示装置2の入力部25から、入力部25に対して行われた入力操作の内容を示す信号を受信する。受付部113は、対象者によって行われた入力操作の内容を示す情報を、制御部11の各部に出力する。
【0059】
例えば、表示装置2が行先階を示す入力操作を受け付けると、受付部113は、当該入力操作に基づき、対象者が希望する行先階を示す情報を登録要求送信部114および表示制御部115に出力する。
【0060】
[登録要求送信部114]
登録要求送信部114は、行先階呼びの登録をエレベータ制御装置3に要求する。
【0061】
登録要求送信部114は、対象者が認証された場合、該対象者に対応付けられた登録済の行先階情報が示す行先階を、該対象者の行先階登録要求情報としてエレベータ4の運行を制御するエレベータ制御装置3に送信する。
【0062】
認証部112が対象者の顔認証に成功した場合、登録要求送信部114は、対象者が認証されたことを示す情報および対象者と同一人物である登録者の登録者情報を認証部112から取得する。また、登録要求送信部114は、表示装置2から、対象画像が撮像された階床であり、対象者がエレベータ4に乗車する階床である出発階を示す情報を取得する。登録要求送信部114は、これらの情報を取得すると、登録者情報DB131を参照し、対象者と同一人物である登録者の登録者情報を取得する。登録要求送信部114は、登録者情報および対象者の出発階を示す情報に基づき、登録者の許可階を特定する。
【0063】
許可階が1つである場合、登録要求送信部114は対象者を撮像した表示装置2が存在する階床を出発階とし、登録者および登録者の出発階に対応付けられた登録済の行先階情報が示す許可階を行先階とする行先階登録要求情報をエレベータ制御装置3に送信する。これにより、エレベータ制御装置3において行先階呼びが登録される。
【0064】
許可階が複数存在する場合、例えば図3に示す例における登録者ID002の登録者のように、1つの出発階に対して複数の許可階が対応付けられている場合、登録要求送信部114は、許可階が複数存在することを示す情報を表示制御部115に出力する。なお、許可階が1つである場合であっても、許可階以外に対象者が行先階として利用可能な共用階が存在する場合、登録要求送信部114は、許可階が複数存在することを示す情報を表示制御部115に出力する。
【0065】
その後、いずれかの階床が選択される入力が行われたことを示す情報を受付部113から取得すると、登録要求送信部114は、選択された階床を行先階とする行先階登録要求情報をエレベータ制御装置3に送信する。これにより、エレベータ制御装置3において選択された階床を行先階とする行先階呼びが登録される。
【0066】
認証部112が対象者の顔認証に失敗した場合、登録要求送信部114は、対象者が認証されなかったことを示す情報を認証部112から取得する。登録要求送信部114は、当該情報を取得すると、登録要求送信部114は、対象者による行先階の入力を待機する。
【0067】
対象者によって入力された階床を示す情報、および対象者が新規登録を希望する旨の入力が行われたことを示す情報を取得すると、登録要求送信部114は、入力された階床がサービス階であるか否かを判定する。
【0068】
入力された階床がサービス階である場合、登録要求送信部114は、行先階入力画面に対して入力された対象者が登録を希望する行先階を、行先階登録要求情報としてエレベータ制御装置3に送信する。これにより、エレベータ制御装置3において行先階呼びの登録が行われる。また、登録要求送信部114は、新規登録が要求されたことを示す情報を照合用データ管理部116に出力する。
【0069】
新規登録を行わない旨の入力が行われたことを示す情報を取得すると、登録要求送信部114は、行先階呼びの登録要求を行わず、行先階呼びの登録をキャンセルしたことを示す情報を表示制御部115に出力する。
【0070】
対象者によって入力された行先階が非サービス階である場合、登録要求送信部114は、行先階呼びの登録要求を行わず、行先階呼びを登録できないことを示す情報を表示制御部115に出力する。
【0071】
[表示制御部115]
表示制御部115は、表示装置2の表示部24における表示画面の遷移を制御することで、対象者に対して情報を提示させる制御を行う。
【0072】
検出部111において対象者の顔が検出されていない場合、表示制御部115は、表示装置2に図2に示すようなデフォルト画面を表示させる。
【0073】
また、表示制御部115は、撮像された対象者の認証に関する情報および行先階呼び登録の状況を示す情報を表示装置2に表示させる制御を行う。
【0074】
例えば、表示制御部115は、対象画像、および対象者の登録済の行先階情報を表示装置2に表示させる。図4は、対象者の認証が成功した場合に表示装置2に表示される表示画面の例を示す図である。検出部111が対象者の顔を検出すると、表示制御部115は、検出部111から対象画像および該対象者の顔画像データを取得する。表示制御部115は、対象者の顔画像データを取得すると、対象画像(図4の符号U)と共に、検出された対象者の顔の範囲を示す枠線(図4において符号401で示す線)を表示装置2の第2領域242に表示させる。
【0075】
また、表示制御部115は、顔認証に成功したことを示す情報を認証部112から取得すると、顔認証に成功したことを示す情報を表示装置2に表示させる。例えば、表示制御部115は、図4に示すように、表示装置2に表示させている対象画像に、図4の符号402に示すような「○」マークを重畳させて表示させる。
【0076】
エレベータ制御装置3において行先階呼びの登録が完了すると、表示制御部115は、エレベータ制御装置3から行先階呼び登録が完了したことおよび登録した行先階を示す情報を受信する。表示制御部115は、当該情報を受信すると、登録された行先階を示す情報(図4の符号403で示す情報)を表示装置2の第1領域241に表示させる。対象者の顔認証に成功している場合であって、対象者と同一人物である登録者の許可階が1つである場合、表示制御部115が第1領域241に表示させる階床は、該登録者の許可階となる。
【0077】
図5は、登録者の許可階が複数存在する場合に表示装置2において表示される画面の例を示す図である。対象者と同一人物である登録者の許可階が複数存在することを示す情報を登録要求送信部114から取得すると、表示制御部115は、対象者が利用可能な階床を選択可能なボタン(図5の符号501で示すボタン)を表示装置2の第1領域241に表示させる。
【0078】
図6は、表示装置2において表示される画面の例を示す図である。対象者が図5に示す画面において表示されたボタンを確認し、希望する階床を選択することで、選択された階床を行先階とする行先階呼び登録が行われる。行先階呼び登録が行われると、表示制御部115は、登録済の行先階を示す情報を表示装置2の第1領域241に表示させる。例えば、図5に示す画面において「5階」が選択されると、5階を行先階とする行先階呼び登録が行われ、表示制御部115は、図6に示すように、登録された行先階として「Floor5」を表示させる。
【0079】
対象者が認証されなかった場合、表示制御部115は、該対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための行先階入力画面を表示装置2に表示させる。図7は、対象者が認証されなかった場合に表示装置2において表示される行先階入力画面の例を示す図である。表示制御部115は、顔認証に失敗したことを示す情報を認証部112から取得すると、認証に失敗したことを示す情報を表示装置2に表示させる。
【0080】
例えば、表示制御部115は、図7に示すように、表示装置2に表示させている対象画像に、図7の符号701に示すような「×」マークを重畳させて表示させる。また、表示制御部115は、図7に示すような行先階入力画面(図7の符号702に示す画面)を表示装置2の第1領域241に表示させる。図7に示すように、行先階入力画面は、行先階を入力する操作を受付可能な画面であり、階床を入力可能なテンキーまたは階床を示すボタン等が含まれる。
【0081】
なお、行先階入力画面には、さらに他の情報が表示されていてもよく、他の入力操作を受付可能であってもよい。図8および図9は、行先階入力画面の別の例を示す図である。例えば、図8に示すように、行先階入力画面には、「消去」ボタン(図8の符号801)および「登録」ボタン(図8の符号802)が含まれていてもよい。「消去」ボタンが選択される入力操作が行われた場合、表示制御部115は、その時点で入力されていた階床を示す情報を削除する。また、「登録」ボタンが選択される入力操作が行われた場合、登録要求送信部114は、その時点で入力された階床を行先階とする登録要求情報をエレベータ制御装置3に送信する。
【0082】
また、図9に示すように、行先階入力画面には、サービス階を示す情報(図9の符号901)が含まれていてもよい。サービス階を示す情報が行先階入力画面に含まれて表示されることで、対象者が利用できない階床を行先階として指定する可能性を低減することができる。
【0083】
図10は、行先階入力画面の別の例を示す図である。表示制御部115は、行先階入力画面に対して入力された行先階を示す情報を受付部113から取得すると、図10の符号1001に示すように、入力された階床を示す情報を行先階入力画面に追加して表示させる。
【0084】
対象者が認証されなかった場合、表示制御部115は、該対象者の顔画像データの登録を希望するか否かを該対象者に選択させる登録要否選択画面を表示装置2に表示させる。図11は、登録要否選択画面の例を示す図である。表示制御部115は、行先階入力画面において行先階が入力されると、次に登録要否選択画面を表示装置2の第1領域241に表示させる。図11に示すように、登録要否選択画面には、新規登録を行うか否かを問うメッセージと、新規登録を行うか否かを選択可能なボタン(図11の符号1101)が含まれる。
【0085】
新規登録を希望する旨の入力が行われた場合、具体的には図11に示す画面において「Yes」のボタンが選択された場合、行先階入力画面で入力された階床がサービス階であれば、当該階床を行先階とする行先階呼び登録が行われる。また、照合用データ管理部116において対象者の顔画像データの登録が行われる。対象者の顔画像データの登録が完了したことを示す情報、および行先階呼び登録が完了したことを示す情報を取得すると、表示制御部115は、行先階呼びの登録が完了したことを示す画面を表示装置2に表示させる。例えば、表示制御部115は、表示装置2の第1領域241に、登録された行先階を示す情報を表示させる。
【0086】
エレベータ4が複数存在する場合、表示制御部115は、行先階呼びに対して割り当てられたエレベータ4の号機を示す情報を受信し、表示装置2に表示させてもよい。
【0087】
図12は、行先階呼びの登録をキャンセルされたときに表示装置2に表示される画面の例を示す図である。新規登録を希望しない旨の入力が行われた場合、具体的には図11に示す画面において「No」のボタンが選択された場合、表示制御部115は、行先階呼びの登録をキャンセルしたことを示す情報を登録要求送信部114から取得する。表示制御部115は、表示装置2に図12に示すような行先階呼びの登録をキャンセルしたことを示す画面を表示させる。当該画面を表示してから所定時間経過した後、表示制御部115は、表示装置2にデフォルト画面を表示させる。
【0088】
また、新規登録を希望する旨の入力が行われた場合であって、行先階入力画面で入力された階床が非サービス階である場合、表示制御部115は、表示装置2に、行先階呼びを登録できなかったことを示す画面を表示させた後、デフォルト画面を表示させる。
【0089】
[照合用データ管理部116]
照合用データ管理部116は、対象者を認証するための照合用顔画像データを管理する。照合用顔画像データは、認証部112が対象者の顔画像データと照合して該対象者の認証を行うために用いるデータであり、登録者情報DB131に登録されている登録者の顔画像データである。
【0090】
対象者が顔画像データの登録を希望する場合、照合用データ管理部116は、該対象者の顔画像データと、該対象者が登録を希望する行先階を示す行先階情報とを対応付けて、照合用顔画像データとして登録する。
【0091】
例えば、照合用データ管理部116は、対象者が新規登録を希望する旨の入力を行ったことを示す情報を登録要求送信部114から取得すると、該対象者に関する情報を新たに登録する新規登録を行う。照合用データ管理部116は、対象者の顔画像データを新たな登録者の顔画像データとし、対象者が登録を希望する行先階として入力された階床を該登録者の許可階とし、これらの情報を対応付けた新たな登録者情報を、登録者情報DB131に記憶させる。これにより、対象者の新規登録が完了する。対象者の新規登録が完了すると、照合用データ管理部116は、対象者の新規登録が完了したことを示す情報を表示制御部115に出力する。
【0092】
上記の構成によれば、認証されなかった対象者であっても、自身の顔画像データをその場で新規に登録することができる。これにより、エレベータ4を繰り返し利用する予定である対象者にとって利便性の良い行先階登録システム100を実現することができる。
【0093】
<行先階登録システム100が行う処理の流れの一例>
図13は、行先階登録システム100が行う処理(制御方法)の流れの一例を示すフローチャートである。以下、図13を用いて、行先階登録システム100が行う処理の流れの一例について説明する。
【0094】
行先階登録システム100の動作中、行先階登録装置1の表示制御部115は、他に表示させる情報がないときにはデフォルト画面を表示装置2に表示させる(S1)。表示装置2の撮像部23は、行先階登録システム100の動作中、乗場を撮像している。表示装置2の制御部22は、通信部21を介して行先階登録装置1に撮像部23が撮像した画像を送信する。
【0095】
行先階登録装置1の検出部111は、表示装置2から撮像部23が撮像した画像を受信する。検出部111は、撮像部23が撮像した画像から、エレベータ4の利用を希望する対象者の顔を検出する。検出部111は、撮像部23が撮像した画像として対象者の顔が写る対象画像を取得すると(S2)、当該対象画像に基づき、対象者の顔画像データを生成する(S3)。例えば、検出部111は、対象画像に基づき、対象者の顔および顔の特徴点を示す情報を含む顔画像データを生成する。検出部111は、生成した顔画像データを認証部112に出力する。また、検出部111は、対象画像および顔画像データを表示制御部115に出力する。表示制御部115は、これらの情報を取得すると、表示装置2の第2領域242に対象画像および対象者の顔の範囲を示す枠線を表示させる。なお、表示制御部115は、検出部111が対象者を検出していない間、第2領域に表示装置2の撮像部23が撮像した画像を表示させていてもよい。
【0096】
認証部112は、対象者の顔画像データを取得すると、登録者情報DB131を参照し、対象者を認証する(S4:認証ステップ)。具体的には、認証部112は、対象者の顔画像データに一定程度以上一致する顔画像データが登録者情報DB131に登録されているか否かを判定する。
【0097】
所定一致率以上の一致率を有する登録者の顔画像データが登録者情報DB131に登録されている場合、認証部112は、該登録者と対象者とは同一人物であると判断し、顔認証が成功したと判定する。対象者の認証に成功した場合(S4でYES)、認証部112は、認証の結果を示す情報を登録要求送信部114および表示制御部115に出力する。
【0098】
表示制御部115は、対象者の認証に成功したことを示す情報を取得すると、図4の符号402に示すように、対象者が認証されたことを示す情報を表示装置2に表示させる。登録要求送信部114は、対象者の認証に成功したことを示す情報を取得すると、登録者情報DB131を参照し、認証された対象者が該当する登録者の登録者情報を取得する。登録要求送信部114は、登録者情報に基づき、登録者の許可階を特定する。
【0099】
許可階が1つである場合(S5でYES)、登録要求送信部114は、対象者が撮像された乗場が存在する階床を出発階とし、登録者に対応付けられた登録済の行先階情報が示す許可階を行先階とする行先階登録要求情報をエレベータ制御装置3に送信する(S6:登録要求送信ステップ)。エレベータ制御装置3は、行先階登録要求情報を受信すると、行先階登録要求情報に含まれる階床を行先階とする行先階呼びを登録する。行先階呼びの登録が完了すると、エレベータ制御装置3は、行先階登録装置1に行先階呼びの登録が完了したことを示す情報および登録した行先階を示す情報を送信する。
【0100】
表示制御部115は、エレベータ制御装置3から行先階呼びの登録が完了したことを示す情報および登録した行先階を示す情報を受信すると、行先階呼びの登録結果を通知する。具体的には、表示制御部115は、図4に示すように、表示装置2の第1領域241に、登録済みの行先階を示す行先階情報を、第2領域242に対象画像をそれぞれ表示させる(S7:表示制御ステップ)。
【0101】
許可階が複数存在する場合(S5でNO)、登録要求送信部114は、許可階が複数存在することを示す情報を表示制御部115に出力する。表示制御部115は、当該情報を取得すると、図5に示すような、許可階を選択可能なボタンを含む選択画面を表示装置2に表示させる(S8)。
【0102】
入力部25に対して許可階のうちいずれかの階床を選択する入力操作が行われると、表示装置2の制御部22は、入力操作の内容を示す情報を行先階登録装置1に送信する。受付部113は、当該情報を受信すると、登録要求送信部114に入力操作の内容を示す情報を出力する。
【0103】
登録要求送信部114は、当該情報を受付部113から取得すると、選択された階床を行先階とする行先階登録要求情報をエレベータ制御装置3に送信する(S9)。エレベータ制御装置3は、行先階登録要求情報を受信すると、行先階登録要求情報に含まれる階床を行先階とする行先階呼びを登録する。行先階呼びの登録が完了すると、エレベータ制御装置3は、行先階登録装置1に行先階呼びの登録が完了したことを示す情報および登録した行先階を示す情報を送信する。
【0104】
表示制御部115は、エレベータ制御装置3から行先階呼びの登録が完了したことを示す情報および登録した行先階を示す情報を受信すると、行先階呼びの登録結果を通知する(S7)。具体的には、表示制御部115は、図6に示すように、表示装置2の第1領域241に、登録済の行先階を示す行先階情報を、第2領域242に対象画像をそれぞれ表示させる。
【0105】
S4において、所定一致率以上の一致率を有する顔画像データが登録者情報DB131に登録されていない場合、認証部112は、顔認証が失敗したと判定する。対象者の認証に失敗した場合(S4でNO)、認証部112は、顔認証が失敗したことを示す情報を表示制御部115に出力する。表示制御部115は、顔認証が失敗したことを示す情報を取得すると、図7の符号701に示すように、認証に失敗したことを示す情報を表示装置2に表示させる。
【0106】
また、対象者が認証されなかった場合、図7の符号702に示すように、表示制御部115は、該対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための行先階入力画面を表示装置2に表示させる(S10:表示制御ステップ)。
【0107】
表示装置2の入力部25は、対象者による行先階の入力操作を受け付けると、該入力操作の内容を示す情報を行先階登録装置1に送信し、行先階登録装置1の受付部113が当該情報を受け付ける。表示制御部115は、行先階入力画面に対して入力された行先階を示す情報を受付部113から取得すると、図10の符号1001に示すように、入力された階床を示す情報を行先階入力画面に追加して表示させる。
【0108】
行先階入力画面において行先階が入力されると、表示制御部115は、次に図11に示すような登録要否選択画面を表示装置2の第1領域241に表示させる(S11)。
【0109】
登録要否選択画面において入力操作が行われると、表示装置2は当該入力操作の内容を示す情報を行先階登録装置1に送信する。行先階登録装置1の受付部113が当該情報を受け付けると、受け付けた情報を登録要求送信部114に出力する。登録要否選択画面において新規登録を希望することが選択された場合(S12でYES)、登録要求送信部114は、エレベータ情報DB132を参照し、行先階入力画面において入力された行先階がサービス階であるか否かを判定する(S13)。
【0110】
行先階入力画面において入力された行先階がサービス階である場合(S13でYES)、登録要求送信部114は、入力された階床を行先階とする行先階登録要求情報をエレベータ制御装置3に送信する(S14)。エレベータ制御装置3は、行先階登録要求情報を受信すると、行先階登録要求情報に含まれる階床を行先階とする行先階呼びを登録する。行先階呼びの登録が完了すると、エレベータ制御装置3は、行先階登録装置1に行先階呼びの登録が完了したことを示す情報および登録した行先階を示す情報を送信する。
【0111】
表示制御部115は、エレベータ制御装置3から行先階呼びの登録が完了したことを示す情報および登録した行先階を示す情報を受信すると、行先階呼びの登録結果を通知する(S7)。具体的には、表示制御部115は、図4に示すように、表示装置2の第1領域241に、登録済の行先階を示す行先階情報を、第2領域242に対象画像をそれぞれ表示させる。ここで、第1領域241に表示される行先階情報は、行先階入力画面で入力された階床となる。
【0112】
登録要否選択画面において新規登録を希望しないことが選択された場合(S12でNO)、または行先階入力画面において入力された行先階がサービス階でない場合(S13でNO)、表示制御部115は、登録NG画面を表示装置2に表示させる(S15)。具体的には、表示制御部115は、図12に示すような画面を表示装置2に表示させる。
【0113】
〔変形例1〕
上述した実施形態では、登録者情報として登録者の識別情報、顔画像データおよび許可階を示す情報が対応付けられていたが、登録者情報に対応付けられる情報はこれらに限られない。例えば、登録者情報には、登録者の属性を示す情報が対応付けられて記憶されていてもよい。また、表示制御部115は、登録者の属性に基づき、表示装置2において出力させる情報の態様を変更してもよい。
【0114】
具体的には、ある登録者の登録者情報には、該登録者が視覚障害者であることを示す属性情報が対応付けられていてもよい。また、表示装置2は、音声を出力可能なスピーカを供えていてもよい。この場合、表示制御部115は、対象者が視覚障害者という属性情報が対応付けられた登録者である場合、画面表示に加えて、画面に表示される内容を音声でも出力するよう表示装置2を制御する。
【0115】
また、表示制御部115は、登録者の属性に応じて、表示装置2に表示させる画面の背景色、文字のサイズおよび文字の色等を変更してもよい。図14および図15は、表示装置2において表示される画面の例を示す図である。例えば、登録者が所定の色の文字を視認しづらい場合、表示制御部115は、表示装置2に表示させる文字の色を別の色に変更したり、背景の色を変更したりしてもよい。図14および図15に示す例では、文字の背景を暗い色に変更した様子を示している。なお、表示制御部115が表示装置2に表示させる画面の背景色、文字のサイズおよび文字の色等は、登録者ごとに希望の態様が設定されていてもよい。
【0116】
このように、表示制御部115が登録者の属性に基づき表示装置2において出力させる情報の態様を変更することで、より確実に対象者に情報を把握させることが可能となる。
【0117】
〔変形例2〕
上述の実施形態では、認証されなかった対象者が自身の顔画像データの新規登録を希望しない場合には行先階呼び登録がキャンセルされていた。しかしながら、行先階登録システム100が行う処理はこれに限られない。例えば、行先階登録システム100は、認証されなかった対象者が自身の顔画像データの新規登録を希望しない場合、行先階呼びの登録のみを行ってもよい。
【0118】
図16は、変形例2に係る表示装置2における表示画面の例を示す図である。行先階登録システム100において、図13に示すS10の後、行先階の入力を受け付けると、表示制御部115は、実施形態に記載の登録要否選択画面とは異なる態様の登録要否選択画面を表示させる。
【0119】
具体的には、図16に示すように、表示制御部115は、新規登録および行先階呼び登録を希望するボタン(図16の符号1601)、および行先階呼びの登録のみを希望するボタン(図16の符号1602)を含む画面を表示装置2に表示させる。
【0120】
行先階登録システム100は、当該画面が表示された後、入力部25に対して行われた入力操作に基づき後の処理を行う。新規登録および行先階呼び登録を希望する入力が行われた場合、行先階登録システム100は、図13に示すS13以降の処理と同様の処理を行う。
【0121】
行先階呼びの登録のみを希望する入力が行われた場合、登録要求送信部114は、行先階入力画面において入力された階床がサービス階か否かを判定する。当該階床がサービス階である場合、登録要求送信部114は、当該階床を行先階とする行先階登録要求情報をエレベータ制御装置3に送信する。これにより、エレベータ制御装置3において行先階呼びが登録される。行先階呼びが登録されると、表示制御部115は、図4に示すような行先階呼びの登録状況を表す画面を表示装置2に表示させる。
【0122】
入力画面において入力された階床がサービス階でない場合、登録要求送信部114は、行先階呼びの登録ができないことを示す情報を表示制御部115に出力する。表示制御部115は、当該情報を取得すると、行先階呼びの登録ができなかったことを示す情報を表示装置2に表示させる。
【0123】
〔変形例3〕
上述の実施形態において、対象者が認証されなかった場合、登録要求送信部114は、新規登録を行うか否かが選択された後に、入力された階床がサービス階であるか否かを判定していた。しかしながら、登録要求送信部114は、入力された階床がサービス階であるか否かを、新規登録を行うか否かの選択を受け付けるよりも先に判定してもよい。
【0124】
具体的には、図13に示すS10の処理の後、登録要求送信部114は、行先階として入力された階床を示す情報を取得し、当該階床がサービス階か否かを判定する。当該階床がサービス階である場合、表示制御部115は、登録要否選択画面を表示する。登録要否選択画面において新規登録を希望する旨の入力操作が行われた場合、登録要求送信部114は、入力された階床を行先階とする行先階登録要求情報をエレベータ制御装置3に送信し、エレベータ制御装置3において行先階呼びが登録される。
【0125】
図17は、変形例3に係る表示装置2において、行先階呼びの登録ができなかった場合に表示される画面の例を示す図である。入力された階床がサービス階でない場合、表示制御部115は、指定された階床を行先階とする行先階呼びの登録ができないことを示す情報を表示する。例えば、エレベータ4が設置される建物が15階建てであり、行先階入力画面において行先階として「18」が入力された場合、18階を行先階とする行先階呼びは登録されない。このような場合、表示制御部115は、図17に示すように、行先階呼びの登録ができなかったことを示すメッセージを表示装置2に表示させる。
【0126】
このように、入力された階床がサービス階であるか否かが新規登録を行うか否かの選択を受け付けるよりも先に判定されることで、当該階床がサービス階でない場合には対象者は登録要否選択画面に対する入力を省略することができる。
【0127】
〔変形例4〕
上述した実施形態において、表示制御部115が表示する行先階入力画面には、他の情報がさらに含まれていてもよい。
【0128】
図18図20は、変形例4に係る行先階入力画面の例を示す図である。対象者が認証されなかった場合、表示制御部115は、表示装置2に行先階入力画面を表示させる。このとき、表示制御部115は、エレベータ情報DB132を参照し、該対象者とは異なる利用者によって現時点において登録されている行先階を示す情報を取得し、表示装置2に表示させてもよい。なお、表示制御部115は、ある階床に設けられている表示装置2には、当該階床を出発階として登録された行先階呼びに基づく行先階を表示させる。1階および2階を出発階とする行先階呼びが登録されている場合であって、1階の表示装置2を用いて新たな対象者の認証が行われた場合、表示制御部115は、1階を出発階とする行先階呼びに基づく行先階のみを1階の表示装置2に表示させる。
【0129】
例えば、ある階床に設けられる表示装置2において、3階および10階を行先階とする行先階呼びが登録されている場合、表示制御部115は、図18の符号に示すように、登録済の行先階を示す情報(図18の符号1801)を該表示装置2に表示させる。
【0130】
当該情報を表示させた後、所定時間が経過するまで入力が行われなかった場合、対象者は行先階の追加を希望していないと考えられる。この場合、表示制御部115は処理を終了し、デフォルト画面を表示装置2に表示させる。
【0131】
一方、所定時間以内に行先階を入力する操作が行われた場合、図19に示すように、表示制御部115は、入力された階床を表示装置2に表示させる。その後、入力された階床を行先階とする行先階呼びの登録が行われると、図20に示すように、表示制御部115は、行先階呼びの登録が完了したことを示す情報を表示装置2に表示させる。
【0132】
対象者が登録したかった行先階が既に他の利用者によって登録されている場合、対象者は行先階を登録する必要がない。
【0133】
上記の構成によれば、認証されなかった対象者に、現時点で既に登録されている行先階を知らせることができる。これにより、対象者は、自身の希望する行先階が既に登録済であるか否かを確認し、登録が必要な場合に限り、行先階を登録することができる。
【0134】
〔変形例5〕
上述した実施形態において、行先階登録システム100は、登録が完了した行先階呼びにおける行先階を変更してもよい。また、行先階の変更が行われた場合、登録者に対応付けられた許可階への変更後の行先階の追加、または許可階の変更後の行先階への変更が可能であってもよい。
【0135】
図21図26は、変形例5に係る表示装置2において表示される画面の例を示す図である。図13に示すS7の処理を行うとき、上述した実施形態では、表示制御部115は、図4に示すように登録済の行先階および対象者画像を表示装置2に表示させていた。
【0136】
ここで、表示制御部115は、対象者が認証された場合であって、登録済の行先階情報が示す行先階の変更を希望するか否かを該対象者に選択させる変更要否選択画面を表示装置2に表示させてもよい。具体的には、図21に示すように、表示制御部115は、登録済の行先階に加えて、行先階を変更する旨の入力を受付可能な行先階変更ボタン(図21の符号2101)を表示させる。
【0137】
行先階変更ボタンを選択する入力操作が行われた場合、表示制御部115は、表示装置2から当該入力操作を示す情報を受信する。表示制御部115は、当該入力操作を示す情報を受信すると、図22に示すように、新たな行先階の入力を受け付ける行先階入力画面を表示装置2に表示させる。
【0138】
登録要求送信部114は、新たに入力された階床を示す情報を表示装置2から受信すると、対象者に対応する行先階呼びをキャンセルするキャンセル要求情報をエレベータ制御装置3に送信する。エレベータ制御装置3は、キャンセル要求情報を受信すると、指定された行先階呼びをキャンセルする。
【0139】
行先階呼びがキャンセルされた後、表示制御部115は、対象者の登録者情報を変更するか否かを選択可能な画面を表示装置2に表示させる。具体的には、図24に示すように、表示制御部115は、登録者情報の変更を希望する入力を受付可能なボタン(図24の符号2401)および行先階呼び登録のみを希望する入力を受付可能なボタン(図24の符号2402)を表示させる。
【0140】
図24に示す画面において、登録者情報の変更を希望する入力が行われた場合、表示制御部115は、対象者が該当する登録者の許可階を変更するか追加するかを選択可能な画面を表示装置2に表示させる。具体的には、図25に示すように、表示制御部115は、登録者の許可階を変更する入力を受付可能なボタン(図25の符号2501)および登録者の許可階追加する入力を受付可能なボタン(図25の符号2502)を表示させる。
【0141】
照合用データ管理部116は、当該画面に対する対象者の入力操作に応じて、登録者情報を変更する。
【0142】
照合用データ管理部116は、対象者が登録済の行先階情報の変更を希望する場合、該対象者の顔画像データと、該対象者が希望する変更後の行先階を示す行先階情報とを対応付けて、照合用顔画像データとして登録する。
【0143】
具体的には、許可階を変更するボタンが選択される入力操作が行われた場合、照合用データ管理部116は、登録者情報DB131における対象者と同一人物である登録者の許可階を、入力された階床に変更する。例えば、登録者の許可階が10階であり、行先階入力画面で入力された階床が12階である場合、照合用データ管理部116は、登録者情報において該登録者に対応付けられた許可階を10階から12階に変更する。これにより、次回以降、同じ対象者が行先階登録システム100を利用するときには、該対象者の行先階として12階が登録される。
【0144】
一方、許可階を追加するボタンが選択される入力操作が行われた場合、照合用データ管理部116は、登録者情報DB131における対象者と同一人物である登録者の許可階に、入力された階床を追加する。例えば、登録者の許可階が10階であり、行先階入力画面で入力された階床が12階である場合、照合用データ管理部116は、登録者情報において該登録者に対応付けられた許可階を、10階から10階および12階に変更する。これにより、次回以降、同じ対象者が行先階登録システム100を利用するときには、該対象者の行先階として10階または12階を選択する画面が表示される。
【0145】
照合用データ管理部116において登録者の許可階を変更または追加する処理が完了した後、登録要求送信部114は、行先階入力画面において入力された階床を行先階とする行先階登録要求をエレベータ制御装置3に送信し、行先階呼びが登録される。
【0146】
行先階呼びの登録が完了すると、図26に示すように、表示制御部115は、変更後の行先階を示す情報(図26の符号2601)を含む画面を表示装置2に表示させる。
【0147】
エレベータ4を繰り返し利用する対象者であっても、希望する行先階が変化する場合があり得る。上記の構成によれば、認証された対象者の登録済の行先階情報は、該対象者がエレベータ4を利用するときに容易に変更され得る。これにより、対象者のニーズおよび行動範囲の変化に即応可能な行先階登録システムを実現することができる。
【0148】
〔変形例6〕
上述した実施形態において、行先階登録システム100は、ある対象者について1度認証を行い、該対象者の顔認証が失敗した場合、再度認証を行うことが可能であってもよい。
【0149】
図27は、変形例6に係る表示装置2において表示される行先階入力画面の例を示す図である。上述した実施形態では、図13に示すS4の処理においてNOの場合、すなわち対象者の認証に失敗した場合、表示制御部115は、図7に示すように行先階入力画面を表示装置2に表示させていた。
【0150】
ここで、表示制御部115は、対象者が認証されなかった場合、該対象者を再度認証することを指示する入力を受付可能な再認証ボタンを表示装置2に表示させてもよい。具体的には、図27に示すように、表示制御部115は、希望の行先階を入力可能な表示に加えて、顔画像データの再認証を希望する旨の入力を受付可能な再認証ボタン(図27の符号2701)を含む行先階入力画面を表示させる。
【0151】
再認証ボタンを選択する入力操作が行われた場合、認証部112は、再度対象者の顔認証を行う。具体的には、検出部111が表示装置2から、撮像部23によって新たに撮像された画像を受信し、対象者の顔を検出し、該対象者の新たな顔画像データを生成する。認証部112は、新たに生成された顔画像データを取得し、該顔画像データを用いて対象者の認証を行う。
【0152】
再認証によって対象者が認証された場合、行先階登録システム100は、図13においてS4でYESの場合の処理を行う。一方、再認証を行っても対象者が認証されなかった場合、表示制御部115は顔認証が再度失敗したことを示す画面を表示装置2に表示させる。その後、行先階登録システム100は、図13においてS4でNOの場合の処理を行う。
【0153】
顔認証が失敗する原因として、対象者の顔画像データが登録されていない場合と、顔画像データが登録されているが上手く顔認証することが出来ずに認証に失敗した場合と、が考えられる。ここで、本変形例に係る行先階登録システム100では、対象者は、顔認証に失敗した場合、再認証ボタンを押すことで再度、顔認証を行うことが可能となる。顔認証の失敗の原因が後者の場合、再認証を行うことで、対象者が正しく認証される可能性を高めることができる。
【0154】
〔変形例7〕
上述した実施形態において、行先階登録装置1および表示装置2は一体の装置であってもよい。具体的には、各階床の乗場に設けられる表示装置2が、それぞれ行先階登録装置1の備える各構成を有していてもよい。
【0155】
〔ソフトウェアによる実現例〕
行先階登録システム(以下、「システム」と呼ぶ)の機能は、当該システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該システムの各制御ブロック(特に制御部11に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0156】
この場合、上記システムは、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0157】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0158】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0159】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0160】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る行先階登録システムは、エレベータの利用を希望する対象者の顔が写る対象画像における該対象者の顔画像データに基づいて該対象者を認証する認証部と、前記対象者が認証された場合、該対象者に対応付けられた登録済の行先階情報が示す行先階を、該対象者の行先階登録要求情報として前記エレベータの運行を制御するエレベータ制御装置に送信する登録要求送信部と、前記対象画像、および前記対象者の前記登録済の行先階情報を表示装置に表示させる表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記対象者が認証されなかった場合、該対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための行先階入力画面を前記表示装置に表示させ、前記登録要求送信部は、前記行先階入力画面に対して入力された前記対象者が登録を希望する行先階を、前記行先階登録要求情報として前記エレベータ制御装置に送信する。
【0161】
本発明の態様2に係る行先階登録システムは、上記態様1において、前記対象者を認証するための照合用顔画像データを管理する照合用データ管理部をさらに備え、前記表示制御部は、前記対象者が認証されなかった場合、該対象者の顔画像データの登録を希望するか否かを該対象者に選択させる登録要否選択画面を前記表示装置に表示させ、前記照合用データ管理部は、前記対象者が前記顔画像データの登録を希望する場合、該対象者の顔画像データと、該対象者が登録を希望する行先階を示す行先階情報とを対応付けて、前記照合用顔画像データとして登録してもよい。
【0162】
本発明の態様3に係る行先階登録システムは、上記態様1または2において、前記表示制御部は、前記対象者が認証されなかった場合、該対象者とは異なる利用者によって現時点において登録されている行先階を前記表示装置に表示させてもよい。
【0163】
本発明の態様4に係る行先階登録システムは、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記対象者を認証するための照合用顔画像データを管理する照合用データ管理部をさらに備え、前記表示制御部は、前記対象者が認証された場合であって、前記登録済の行先階情報が示す行先階の変更を希望するか否かを該対象者に選択させる変更要否選択画面を前記表示装置に表示させ、前記照合用データ管理部は、前記対象者が前記登録済の行先階情報の変更を希望する場合、該対象者の顔画像データと、該対象者が希望する変更後の行先階を示す行先階情報とを対応付けて、前記照合用顔画像データとして登録してもよい。
【0164】
本発明の態様4に係る行先階登録システムは、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記表示制御部は、前記対象者が認証されなかった場合、該対象者を再度認証することを指示する入力を受付可能な再認証ボタンを前記表示装置に表示させてもよい。
【0165】
本発明の態様6に係る行先階登録システムの制御方法は、エレベータの利用を希望する対象者の顔が写る対象画像における該対象者の顔画像データに基づいて該対象者を認証する認証ステップと、前記対象者が認証された場合、該対象者に対応付けられた登録済の行先階情報が示す行先階を、該対象者の行先階登録要求情報として前記エレベータの運行を制御するエレベータ制御装置に送信する登録要求送信ステップと、前記対象画像、および前記対象者の前記登録済の行先階情報を表示装置に表示させる表示制御ステップと、を含み、前記対象者が認証されなかった場合、前記表示制御ステップにおいて、該対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための行先階入力画面を前記表示装置に表示させ、前記登録要求送信ステップにおいて、前記行先階入力画面に対して入力された前記対象者が登録を希望する行先階を、前記行先階登録要求情報として前記エレベータ制御装置に送信する。
【0166】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0167】
1 行先階登録装置
2 表示装置
3 エレベータ制御装置
4 エレベータ
100 行先階登録システム
112 認証部
114 登録要求送信部
115 表示制御部
116 照合用データ管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
【手続補正書】
【提出日】2023-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの利用を希望する対象者の顔が写る対象画像における該対象者の顔画像データに基づいて該対象者を認証する認証部と、
前記対象者が認証された場合、該対象者に対応付けられた登録済の行先階情報が示す行先階を、該対象者の行先階登録要求情報として前記エレベータの運行を制御するエレベータ制御装置に送信する登録要求送信部と、
前記対象画像、および前記対象者の前記登録済の行先階情報を表示装置に表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記対象者が認証されなかった場合、該対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための行先階入力画面を前記表示装置に表示させ、
前記登録要求送信部は、
前記行先階入力画面に対して入力された前記対象者が登録を希望する行先階を、前記行先階登録要求情報として前記エレベータ制御装置に送信し、
前記対象者を認証するための照合用顔画像データを管理する照合用データ管理部をさらに備え、
前記表示制御部は、
前記対象者が認証されなかった場合、該対象者の顔画像データの登録を希望するか否かを該対象者に選択させる登録要否選択画面を前記表示装置に表示させ、
前記照合用データ管理部は、
前記対象者が前記顔画像データの登録を希望する場合、該対象者の顔画像データと、該対象者が登録を希望する行先階を示す行先階情報とを対応付けて、前記照合用顔画像データとして登録する、
行先階登録システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記対象者が認証されなかった場合、該対象者とは異なる利用者によって現時点において登録されている行先階を前記表示装置に表示させる、
請求項1に記載の行先階登録システム。
【請求項3】
エレベータの利用を希望する対象者の顔が写る対象画像における該対象者の顔画像データに基づいて該対象者を認証する認証部と、
前記対象者が認証された場合、該対象者に対応付けられた登録済の行先階情報が示す行先階を、該対象者の行先階登録要求情報として前記エレベータの運行を制御するエレベータ制御装置に送信する登録要求送信部と、
前記対象画像、および前記対象者の前記登録済の行先階情報を表示装置に表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記対象者が認証されなかった場合、
該対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための行先階入力画面を前記表示装置に表示させ、
該対象者とは異なる利用者によって現時点において登録されている行先階を前記表示装置に表示させ、
前記登録要求送信部は、
前記行先階入力画面に対して入力された前記対象者が登録を希望する行先階を、前記行先階登録要求情報として前記エレベータ制御装置に送信する、
行先階登録システム。
【請求項4】
前記対象者を認証するための照合用顔画像データを管理する照合用データ管理部をさらに備え、
前記表示制御部は、
前記対象者が認証された場合であって、前記登録済の行先階情報が示す行先階の変更を希望するか否かを該対象者に選択させる変更要否選択画面を前記表示装置に表示させ、
前記照合用データ管理部は、
前記対象者によって前記登録済の行先階情報の変更が希望された場合、該対象者の顔画像データと、該対象者が希望する変更後の行先階を示す行先階情報とを対応付けて、前記照合用顔画像データとして登録する、
請求項1または3に記載の行先階登録システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記対象者が認証されなかった場合、該対象者を再度認証することを指示する入力を受付可能な再認証ボタンを前記表示装置に表示させる、
請求項1または3に記載の行先階登録システム。
【請求項6】
エレベータの利用を希望する対象者の顔が写る対象画像における該対象者の顔画像データに基づいて該対象者を認証する認証ステップと、
前記対象者が認証された場合、該対象者に対応付けられた登録済の行先階情報が示す行先階を、該対象者の行先階登録要求情報として前記エレベータの運行を制御するエレベータ制御装置に送信する登録要求送信ステップと、
前記対象画像、および前記対象者の前記登録済の行先階情報を表示装置に表示させる表示制御ステップと、を含み、
前記対象者が認証されなかった場合、
前記表示制御ステップにおいて、該対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための行先階入力画面を前記表示装置に表示させ、
前記登録要求送信ステップにおいて、前記行先階入力画面に対して入力された前記対象者が登録を希望する行先階を、前記行先階登録要求情報として前記エレベータ制御装置に送信し、
前記対象者を認証するための照合用顔画像データを管理する照合用データ管理ステップをさらに含み、
前記表示制御ステップにおいて、
前記対象者が認証されなかった場合、該対象者の顔画像データの登録を希望するか否かを該対象者に選択させる登録要否選択画面を前記表示装置に表示させ、
前記照合用データ管理ステップにおいて、
前記対象者が前記顔画像データの登録を希望する場合、該対象者の顔画像データと、該対象者が登録を希望する行先階を示す行先階情報とを対応付けて、前記照合用顔画像データとして登録する、
行先階登録システムの制御方法。
【請求項7】
エレベータの利用を希望する対象者の顔が写る対象画像における該対象者の顔画像データに基づいて該対象者を認証する認証ステップと、
前記対象者が認証された場合、該対象者に対応付けられた登録済の行先階情報が示す行先階を、該対象者の行先階登録要求情報として前記エレベータの運行を制御するエレベータ制御装置に送信する登録要求送信ステップと、
前記対象画像、および前記対象者の前記登録済の行先階情報を表示装置に表示させる表示制御ステップと、を含み、
前記対象者が認証されなかった場合、
前記表示制御ステップにおいて、
該対象者が登録を希望する行先階の入力を受け付けるための行先階入力画面を前記表示装置に表示させ、
該対象者とは異なる利用者によって現時点において登録されている行先階を前記表示装置に表示させ、
前記登録要求送信ステップにおいて、前記行先階入力画面に対して入力された前記対象者が登録を希望する行先階を、前記行先階登録要求情報として前記エレベータ制御装置に送信する、
行先階登録システムの制御方法。