(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142245
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】移動支援装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20241003BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20241003BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20241003BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20241003BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20241003BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/16 A
G16Y40/60
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054354
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊嶋 宣匡
(72)【発明者】
【氏名】入江 晋太朗
(72)【発明者】
【氏名】久保田 基嗣
(72)【発明者】
【氏名】大友 奈弥
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129DD03
2F129DD04
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD20
2F129DD34
2F129DD39
2F129DD53
2F129DD68
2F129EE02
2F129EE26
2F129EE29
2F129EE43
2F129EE50
2F129EE52
2F129EE65
2F129EE67
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE81
2F129EE94
2F129EE95
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF36
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF65
2F129FF71
2F129FF72
2F129FF73
2F129FF75
2F129GG17
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH14
2F129HH20
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL06
5H181LL11
5H181MA44
(57)【要約】
【課題】 経路を表示することにより、移動を支援する移動支援装置であって、利用者の情報に基づいて、経路を表示することができる移動支援装置を提供する。
【解決手段】経路を表示することにより移動体の移動支援を行う移動支援装置1であって、入力を受け付けるとともに、経路を表示可能な入出力装置2Tと、移動空間に係る空間情報、利用者に係る利用者情報、及び、移動体に係る移動体情報を記憶する記憶装置2Z,6Zと、入出力装置にて受け付けた入力に対応する経路を選択し、入出力装置に表示させるプロセッサ2V,6Vと、を備え、プロセッサは、入出力装置において利用者情報に係る入力を受け付けて、経路と、経路に対応し、且つ、空間情報、利用者情報、及び移動体情報に基づいて設定される難易度とを取得し、取得した経路の一つを選択して入出力装置に表示させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路を表示することにより移動体の移動支援を行う移動支援装置であって、
入力を受け付けるとともに、前記経路を表示可能な入出力装置と、
移動空間に係る空間情報、利用者に係る利用者情報、及び、前記移動体に係る移動体情報を記憶する記憶装置と、
前記入出力装置にて受け付けた前記入力に対応する前記経路を選択し、前記入出力装置に表示させるプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記入出力装置において前記利用者情報に係る前記入力を受け付けて、
前記経路と、前記経路に対応し、且つ、前記空間情報、前記利用者情報、及び前記移動体情報に基づいて設定される難易度とを取得し、
取得した前記経路の一つを選択して前記入出力装置に表示させる移動支援装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記難易度に係る前記入力を受け付けて、対応する前記難易度を有する前記経路を選択して前記入出力装置に表示させる請求項1に記載の移動支援装置。
【請求項3】
前記利用者情報は前記利用者の操作特性を含む請求項1に記載の移動支援装置。
【請求項4】
前記利用者情報は前記利用者が前記移動体を操作したときの操作履歴から得られる操作習熟度を含む請求項1に記載の移動支援装置。
【請求項5】
前記移動体情報は、前記移動体の移動性能を含む請求項1に記載の移動支援装置。
【請求項6】
前記空間情報は、地図情報と、前記地図情報に含まれる地点の周辺画像とを含み、
前記プロセッサは、前記経路上の前記地点に対応する前記周辺画像を、前記移動体情報に基づいて変換し、取得した前記経路と合わせて前記入出力装置に表示させる請求項1~請求項5のいずれか1つの項に記載の移動支援装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記経路とともに、前記経路を移動する予定の日時に予約可能な前記移動体に係る情報と、予約可能な前記移動体に対応する前記移動体情報、前記空間情報、及び、前記利用者情報とに基づいて取得された前記難易度とを、前記入出力装置に表示させる請求項1~請求項5のいずれか1つの項に記載の移動支援装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記経路とともに、予約可能な前記移動体が利用可能となるまでの時間を表示させる請求項7に記載の移動支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体の移動支援を行う移動支援装置であって、特に、経路を表示することにより移動体の移動支援を行う移動支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。
【0003】
出発地から指定された目的地に至るまでの経路を設定して表示を行い、走行経路案内を行う車両用走行経路案内装置(いわゆるカーナビゲーションシステム)が知られている。車両用走行経路案内装置は、運転者に目的地に至る経路を通知し、移動体の移動を行う運転者を支援する。
【0004】
このような車両用走行経路案内装置は、交通の安全性や利便性をより一層改善するものであり、持続可能な輸送システムの実現に寄与するものとして注目されている。
【0005】
特許文献1は、車両用走行経路案内装置に用いられる地図表示装置を開示している。特許文献1の地図表示装置は、出発地から目的地に至る最適な経路とともに、目的地に至るまでの経路のカーブの数、及び、そのカーブの径を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
出発地から目的地に至る最適な経路は、例えば、経路長に基づいて選択される。しかし、出発地から目的地に至る経路上には、カーブや、交通量の多い地点、幅員の小さな地点等の走行の難しい地点が多数存在することがある。
【0008】
しかしながら、カーブや交差点等を避けて、出発地から目的地に到達することができないことがある。そのため、利用者は、移動にかかる時間を最小にしたい等の自らの目的や、走行の難しさ、自らの運転技術等を勘案して、経路を選択することになる。したがって、経路を表示する移動支援装置には、入力された利用者の情報に基づいて、経路を提示できることが求められている。
【0009】
本発明は、以上の背景を鑑み、経路を表示することにより、移動を支援する移動支援装置であって、利用者の情報に基づいて、経路を表示することができる移動支援装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、経路を表示することにより移動体の移動支援を行う移動支援装置(1)であって、入力を受け付けるとともに、前記経路を表示可能な入出力装置(2T)と、移動空間に係る空間情報、利用者に係る利用者情報、及び、前記移動体に係る移動体情報を記憶する記憶装置(2Z,6Z)と、前記入出力装置にて受け付けた前記入力に対応する前記経路を選択し、前記入出力装置に表示させるプロセッサ(2V,6V)と、を備え、前記プロセッサは、前記入出力装置において前記利用者情報に係る前記入力を受け付けて、前記経路と、前記経路に対応し、且つ、前記空間情報、前記利用者情報、及び前記移動体情報に基づいて設定される難易度とを取得し、取得した前記経路の一つを選択して前記入出力装置に表示させる。
【0011】
この態様によれば、入力された利用者情報に基づいて、経路が選択されて、入出力装置に表示される。そのため、利用者の情報に基づいて、経路を表示することができる移動支援装置を提供することができる。これにより、例えば、利用者の運転技術や希望等の情報に基づいて、経路の提示が可能となるため、交通の安全性や利便性が一層改善する。よって、本発明は、持続可能な輸送システムの実現に寄与する。
【0012】
上記の態様において、好ましくは、前記プロセッサは、前記難易度に係る前記入力を受け付けて、対応する前記難易度を有する前記経路を選択して前記入出力装置に表示させる。
【0013】
この態様によれば、利用者に入力された難易度に対応する経路が入出力装置に表示させる。そのため、利用者は自らが希望する難易度の経路を表示させることができる。
【0014】
上記の態様において、好ましくは、前記利用者情報は前記利用者の操作特性を含む。
【0015】
この態様によれば、利用者それぞれの運転操作特性に応じた難易度が設定できる。
【0016】
上記の態様において、好ましくは、前記利用者情報は前記利用者が前記移動体を操作したときの操作履歴から得られる操作習熟度を含む。
【0017】
この態様によれば、利用者それぞれの移動体の運転操作習熟度に応じた難易度が設定できる。
【0018】
上記の態様において、好ましくは、前記移動体情報は、前記移動体の移動性能を含む。
【0019】
この態様によれば、移動体の移動性能に応じた難易度が設定できる。
【0020】
上記の態様において、好ましくは、前記空間情報は、地図情報と、前記地図情報に含まれる地点の周辺画像とを含み、前記プロセッサは、前記経路上の前記地点に対応する前記周辺画像を、前記移動体情報に基づいて変換し、取得した前記経路と合わせて前記入出力装置に表示させる。
【0021】
この態様によれば、移動体に応じた周辺画像を入出力装置に表示させることができる。
【0022】
上記の態様において、好ましくは、前記プロセッサは、前記経路とともに、前記経路を移動する予定の日時に予約可能な前記移動体に係る情報と、予約可能な前記移動体に対応する前記移動体情報、前記空間情報、及び、前記利用者情報とに基づいて取得された前記難易度とを、前記入出力装置に表示させる。
【0023】
この態様によれば、経路と、経路を移動する予定日時に予約可能な移動体に係る情報と、経路に対応する難易度とが、入出力装置に表示される。そのため、経路の難易度も考慮した上で、移動体の予約を行うことができる。
【0024】
上記の態様において、好ましくは、前記プロセッサは、前記経路とともに、予約可能な前記移動体が利用可能となるまでの時間を表示させる。
【0025】
この態様によれば、移動体が利用可能となる時刻までの時間を容易に把握することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上の構成によれば、経路を表示することにより、移動を支援する移動支援装置であって、利用者の情報に基づいて、経路を表示することができる移動支援装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1実施形態に係る移動支援装置の機能構成図
【
図3】(A)ボタンによる、及び、(B)スライダーバーによるドライバー特性情報の入力画面の例、(C)特性情報取得部による入力変換を説明するための説明図
【
図4】(A)ノード、リンク、及び、ポイントの位置を示す図、及び、(B)ポイント情報テーブルの例
【
図5】(A)注意レベルテーブルの例、及び、(B)要素情報テーブルの例
【
図10】(A)車高が高い車両が選択された場合と、(B)車高が低い車両が選択された場合とに対応する画面表示の例
【
図11】(A)視線方向を示す点、(B)視線の移動方向及び移動速度を示すベクトル、及び(C)視認すべき対象物を示す画像がそれぞれ重畳された場合の前方画像領域の表示を説明するための説明図
【
図12】経路探索結果を示す端末の表示画面であって、注意箇所をタッチしたときの画面表示の例
【
図13】経路探索結果を示す端末の画面表示の変形例
【
図14】経路探索結果を示す端末の画面表示の変形例
【
図15】条件入力フォームが表示された端末の画面表示の例
【
図16】(A)車載端末の画面表示及び音声による報知を説明するため説明図、及び(B)車載端末がヘッドアップディスプレイによって構成された場合の報知を説明するための説明図
【
図19】条件入力フォームに入力されることによる端末の画面表示の変化を説明する説明図
【
図20】第2実施形態に係る移動支援装置の機能構成図
【
図21】分析結果表示部の第1の構成例に係る画面表示の例
【
図22】分析結果表示部の第2の構成例に係る画面表示の例
【
図23】分析結果表示部の第3の構成例に係る画面表示の例
【
図24】第3実施形態に係る移動支援装置の機能構成図
【
図25】経路の難易レベルが円によって示された場合の画面表示の例
【
図26】経路の難易レベルが濃淡によって示された場合の画面表示の例
【
図27】難易度に係る要素を選択するためのプルダウンリストが表示された画面表示の例
【
図28】経路の交差点に係る要素難易レベルが円によって示された場合の画面表示の例
【
図29】経路の道幅に係る要素難易レベルが円によって示された場合の画面表示の例
【
図30】経路の道幅に係る要素難易レベルが濃淡によって示された場合の画面表示の例
【
図31】利用可能車両が2つ選択された場合において、それぞれの経路の難易レベルが円によって示された場合の画面表示の例
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明に係る移動支援装置1について説明する。
【0029】
<<第1実施形態>>
第1実施形態に係る移動支援装置1は、利用者(ユーザ)からの入力を受け付けて経路を提示することにより、利用者の移動体を用いた所定の空間(移動空間)内の移動を支援する。具体的には、移動支援装置1は、利用者から移動空間内の出発地及び目的地の入力を受け付けて、出発地から目的地に至る移動体による経路(移動経路)を利用者に提示する。以下では、移動支援装置1が、移動体としての自動車による移動を支援する装置に適用された例について説明する。移動支援装置1は自動車による移動を支援するべく、経路を提示する経路探索システム、いわゆるカーナビゲーションシステムとして機能する。
【0030】
但し、本発明は自動車による移動を支援するものには限定されず、例えば、バイクや自転車等の2輪車、船舶、キックボード及びロボット(海中・水中・地中を移動する各種ロボットを含む)などの各種移動体による移動を支援する装置にも適用可能である。
【0031】
移動支援装置1は、
図1に示すように、端末2と、撮像画像サーバ3と、予約サーバ4(移動体予約サーバ)、教示データサーバ5、と、経路探索サーバ6と、とを含む。
【0032】
端末2、撮像画像サーバ3、予約サーバ4、教示データサーバ5及び経路探索サーバ6はそれぞれ、ネットワーク7を介して互いに通信可能に構成されている。端末2は、スマートホンやタブレット等の携帯端末2Aであってもよく、車両に固定された車載端末2Bであってもよい。また、ネットワーク7はいわゆるインターネットであってよい。
【0033】
図2に示すように、端末2は中央演算処理装置(CPU)等のプロセッサ2V、RAM(ランダムアクセスメモリ)2W,ROM(リードオンリーメモリ)2X等の各種のメモリ2Y、及び、HDDやSSD等の記憶装置2Zを含むコンピュータであって、ネットワーク7に接続するための通信インターフェース2S(通信IF)と、入出力装置としてのタッチパネル2Tとを備えている。
【0034】
端末2は、経路検索の条件を取得し、利用者に探索結果を提示する。端末2が車載端末2B以外のスマートホンやタブレットであるときには、移動空間内の所定の位置に対応する仮想現在地(仮想位置ともいう)を設定し、その位置に車両があるものとして、経路表示等を行う。
【0035】
一方、端末2が車載端末2Bの場合には、車両の位置を特定し、その位置に基づいて経路表示を行う。そのため、端末2が車載端末2Bの場合には、端末2は自らの位置(すなわち、車両の位置)を特定するための位置特定装置14を備えている。位置特定装置14は、人工衛星からの信号に基づいて自らの位置データを取得するGNSS(Global Navigation Satellite System)モジュール14Aによって構成されているとよい。
【0036】
端末2が車載端末2Bであるときには、端末2は更に、利用者の運転操作を妨げないように報知する報知装置15を備えていてもよい。報知装置15は音や振動を出力する出力装置、すなわち、音を発生するスピーカ15Aや、振動を発生する振動発生装置(不図示)であってよい。報知装置15がスピーカ15Aである場合には、当該スピーカ15Aは車載の音響システムの一部を構成するものであってもよい。報知装置15が振動発生装置である場合には、報知装置15は、運転席を構成するシートやステアリングホイール、フロア等に設けられているとよい。報知装置15はその他、ウィンドウや壁面に情報を投影するヘッドアップディスプレイ15Bであってもよい。端末2は車載端末2Bでない場合であっても、報知装置15を備えていることが好ましい。
【0037】
図1に示すように、端末2は、経路検索の条件を取得し、利用者に探索結果を提示するための機能部として、入出力部10と、探索情報取得部11と、特性情報取得部12と、探索結果通知部13とを備えている。探索情報取得部11、特性情報取得部12、探索結果通知部13はそれぞれ端末2のプロセッサ2Vが所定のソフトウエアを実行することによって実現される。
【0038】
入出力部10は、利用者からの入力を受け付けるとともに、利用者に情報を画面表示する。入出力部10はタッチパネル2T(入出力装置)によって構成されている。
【0039】
探索情報取得部11は入出力部10を制御し、利用者から出発地、目的地、及び、出発時刻の入力を受け付けて、出発地、目的地、及び、出発時刻に係る情報(以下、予定情報)を経路探索サーバ6に送信する。
【0040】
探索情報取得部11は予約情報として、利用者から出発地、目的地、及び、出発時刻に加えて、出発日に係る情報を取得してもよい。探索情報取得部11は予約情報を取得すると、予約サーバ4に送信し、予約可能な車両に係る情報(以下、利用可能車両情報)を取得してもよい。探索情報取得部11は、予約サーバ4から利用可能車両情報を取得すると、予約情報と、利用可能車両情報とを経路探索サーバ6に送信するとよい。
【0041】
特性情報取得部12は入出力部10を制御し、利用者からドライバー特性情報(利用者情報)やドライバーが使用する(又は、使用する予定の)車両の車両特性情報(移動体情報)を取得して、経路探索サーバ6に送信する。
【0042】
ドライバー特性情報はドライバー(運転者となる利用者)の特性に係る情報であり、本実施形態ではドライバーの運転操作の得意・不得意に係る情報である。本実施形態では、ドライバー特性情報は、ドライバーが運転操作を苦手項目と、その度合い(以下、項目別苦手レベル)を示す。項目別苦手レベルは1を基準とし、苦手度合いが大きくなるにつれて大きくなる。苦手項目には例えば、交差点、カーブなどの時間によって変動しない項目や、降雨や西日、降雪等の時間に依存して変動する道路環境に関する項目が含まれる。
【0043】
ドライバー特性情報には、車室内・車室外の環境に係る情報や、ドライバーの体調等の情報が含まれていてもよい。その他、ドライバー特性情報には、ドライバーの免許・資格に係る情報、身体情報が含まれていてもよい。ドライバー特性情報には、ドライバーが既に走行したことのある領域(既知領域)に係る情報や、運転操作を行ったことのある車両(既知移動体)に係る情報が含まれていてもよい。その他、ドライバー特性情報には、ドライバーの運転操作を支援するための教師データが含まれていてもよい。
【0044】
その他、ドライバー特性情報はドライバーの走行履歴や運転操作履歴等によって更新されてもよく、また、ドライバーの生体情報(例えば、心拍数等)に基づいて更新されてもよい。
【0045】
特性情報取得部12は、
図3(A)に示すように、入出力部10にボタン12Aを表示し、ドライバーから苦手項目の選択を受け付け、その選択により、項目別苦手レベルを取得してもよい。特性情報取得部12は、項目別苦手レベルを、選択されていない項目については1として、選択されている項目については項目別に予め定められた1より大きな値として取得する。
【0046】
また、特性情報取得部12は、
図3(B)に示すように、入出力部10にスライダーバー12Bを表示し、スライダーバー12Bへ入力値に基づいて、項目別苦手レベルを取得してもよい。特性情報取得部12は、
図3(C)に示すように、1~5の5段階で入力を受け付けて、入力値を所定の関数を用いて変換することによって、項目別苦手レベルを取得してもよい。
【0047】
また、
図1に示すように、端末2が車載端末2Bである場合には、特性情報取得部12は、車両に搭載された制御装置等からドライバーの運転操作履歴を取得し、その運転操作履歴に基づいて運転習熟度を取得してもよい。この場合には、特性情報取得部12は、取得した運転習熟度に基づき、ドライバー特性情報(苦手項目、及び、項目別苦手レベル)を取得するとよい。特性情報取得部12は運転習熟度に基づき、ドライバー特性情報を取得するとよい、これにより、特性情報取得部12はドライバー特性情報を容易に、且つ、正確に取得することができる。
【0048】
特性情報取得部12は、経路探索が行われる前に、予め、ドライバー特性情報を受け付けて、経路探索サーバ6に送信するとよい。
【0049】
更に、特性情報取得部12は、車両特性情報を取得する。車両特性情報は、利用者が探索された経路を走行するときに用いる車両の車両特性に係るデータである。車両特性情報に含まれる車両特性には、例えば、車幅、車高、車長等の車両の形状に係る幾何学的な特性が含まれる。また、車両特性には、最小旋回半径や、加速制動性能等の運動特性が含まれていてもよい。特性情報取得部12は、経路探索が行われる前に、予め、入出力部10において利用者からの入力を受け付けて車両特性情報を取得し、経路探索サーバ6に送信する。その他、特性情報取得部12は、利用者からの入力に基づいて、車両特性に係る情報を提供するサーバから車両特性情報を取得し、経路探索サーバ6に送信してもよい。
【0050】
特性情報取得部12が、経路探索が行われる前に、予約サーバ4から利用可能車両情報を取得可能となる場合がある。その場合には、特性情報取得部12は、利用可能車両情報に含まれる利用可能な車両それぞれの車両特性情報を取得して、経路探索サーバ6に送信してもよい。
【0051】
探索結果通知部13は、経路探索サーバ6から、探索結果となる複数の経路(以下、推奨経路)を含むデータと、推奨経路を表示するための地図データを含むデータとを取得する。その後、探索結果通知部13は入出力部10に表示するための結果通知データを生成して、入出力部10に表示させる。地図データには、経路を示す線の背景を構成する画像データや、推奨経路上の各点における周辺画像を含む画像データが含まれる。
【0052】
撮像画像サーバ3は中央演算処理装置(CPU)等のプロセッサ3V、RAM,ROM等のメモリ(不図示)や、HDDやSSD等の記憶装置3Zを備えたコンピュータであって、ネットワーク7を介して端末2に接続されている。
【0053】
図1に示すように、撮像画像サーバ3は、撮像画像データを記憶する撮像画像記憶部16を備えている。撮像画像記憶部16は記憶装置3Zによって構成されている。撮像画像データは、移動空間に含まれる道路上の各地点において撮像された360度のパノラマVR画像(撮像画像)の集合である。撮像画像は予め道路を走行した車両に搭載された全天球カメラによって撮像されたものであってよい。
【0054】
撮像画像サーバ3(詳細には、撮像画像サーバ3のプロセッサ3V)は、端末2から道路上に位置する点の位置(緯度、経度)に係る情報を受信すると、撮像画像データからその位置において撮像された360度パノラマ画像を抽出して、端末2に送信する。
【0055】
撮像画像記憶部16は、車高や車幅の異なる複数の車両によって取得された撮像画像データを記憶していているとよい。撮像画像記憶部16は、複数の車両によって撮像された撮像画像データの中から、対応する移動体に近い車両(例えば、車高の差が最も小さい車両)によって取得された撮像画像データを取得し、受信した移動体に係る情報に対応する移動体から見た360度パノラマ画像を端末2に送信してもよい。
【0056】
予約サーバ4は中央演算処理装置(CPU)等のプロセッサ(不図示)、RAM,ROM等のメモリ(不図示)や、HDDやSSD等の記憶装置(不図示)を備えたコンピュータであって、インターネットを介して端末2に接続されている。
【0057】
予約サーバ4は、端末2から経路を移動する予定の日時を含む予定情報を受信すると、予定情報に基づき、予定の日時に予約可能な車両に係る予約車両情報(移動体情報)を取得して、端末2に送信する。予約車両情報には、予約可能な車両の型番等、車両を特定するための情報が含まれる。
【0058】
予約サーバ4はレンタカーサービスを運営するために用いられるものであってもよく、また、カーシェアサービスを運営するために用いられるものであってもよい。このように、経路探索サーバ6を予約サーバ4と連携させることで、利用者にとって利便性の高いサービスが提供できる。
【0059】
教示データサーバ5は、複数の車両それぞれの運転者の行動履歴に基づいて、利用者に注意点に係る教示を行うための教示データを提供する。教示データサーバ5は、
図2に示すように、中央演算処理装置(CPU)等のプロセッサ5V、RAM,ROM等のメモリ(不図示)や、HDDやSSD等の記憶装置5Zを備えたコンピュータであって、インターネットを介して端末2に接続されている。
【0060】
教示データサーバ5の記憶装置5Zは、注意教示点行動データベースを記憶している。注意教示点行動データベースには、注意教示点の位置情報と、注意教示点を含む所定領域(以下、注意領域)内の地点の位置情報と、位置情報に対応する地点を通過するときに運転者に通知するべき教示情報とが記録されている。
【0061】
教示情報は運転者に注意喚起を促すため通知するべき注意喚起情報であってもよい。教示情報は位置情報に対応する地点において運転者が取るべき行動を示す行動情報であってもよい。
【0062】
本実施形態では、教示情報は運転者が取るべき視線に係る情報に設定されている。教示情報には、注意教示点に向かって移動するときに、運転者が向けるべき視線の方向(視線方向)や、視線の移動方向、移動速度が含まれる。教示情報には、位置情報に対応する地点において、運転者が注意すべき物体に対応する画像(以下、注意物体画像)が含まれていてもよい。
【0063】
注意領域は過去の運転者、特に、走行履歴の良好な運転者の行動履歴によって定められてもよい。注意領域は走行履歴の良好な運転者が注意教示点を通過したときに、通常に比べて慎重に運転操作を行った領域に基づいて設定されているとよい。これにより、注意領域を、過去の運転者の実際の認知行動に即して設定することができる。注意領域はまた、他の領域に比べて、運転者の視線の移動頻度や移動速度が大きくなる領域として定められていてもよい。
【0064】
注意領域は移動空間を移動した車両の事故発生履歴や、事故による損傷発生履歴に基づいて設定されていてもよい。これにより、注意領域を、実空間の事故の発生状況に即して設定することができる。
【0065】
教示データサーバ5のプロセッサ5Vは、車載端末2Bからネットワーク7を介してプローブデータを取得して、注意教示点行動データベースの生成・更新を行うとよい。教示データサーバ5のプロセッサ5Vはプローブデータを取得すると、運転操作の良好な運転者のプローブデータに基づき、注意教示点行動データベースの生成・更新を行うとよい。
【0066】
その他、教示データサーバ5のプロセッサ5Vは、操作者の感覚(主として視覚と聴覚)で計測している対象や、移動予定経路や適用される法規等に基づいて、注意教示点行動データベースの生成・更新を行ってもよい。
【0067】
教示データサーバ5のプロセッサ5Vは運転操作の良好な運転者のプローブデータであるか否かを、運転者の評価値を算出することにより行ってもよい。教示データサーバ5のプロセッサ5Vは評価値を運転者の運転操作が良好となるにつれて上昇するように算出した場合には、評価値が所定の閾値以上であるときに、対応するプローブデータが運転操作の良好な運転者のプローブデータであると判定してもよい。教示データサーバ5のプロセッサ5Vはプローブデータを用いて、評価値を算出してもよい。その他、プローブデータに運転操作の良し悪しを示す評価値が含まれていてもよい。
【0068】
プローブデータには移動空間内の各地点における運転者の視線方向や、視線の移動速度が含まれているとよい。視線方向や視線の移動速度等は、車室内を撮影するカメラによって取得された車内画像の分析により推定されるものであってよい。教示データサーバ5のプロセッサ5Vは移動空間内の各地点における視線の移動速度の大きさを取得し、視線の移動速度の大きさの平均値が所定の閾値以上となる領域を注意領域に設定してもよい。あるいは(更に)、教示データサーバ5のプロセッサ5Vは、視線の移動速度が所定期間ほぼ零である領域を注視領域に設定してもよい。教示データサーバ5のプロセッサ5Vは、複数の運転者のプローブデータに基づき、視線の移動速度の大きさが所定の閾値以上となる頻度を取得し、その頻度が所定の閾値以上となる領域を注意領域に設定してもよい。
【0069】
プローブデータには運転操作に係る情報や、車載カメラによって取得された車外の撮像画像が含まれていてもよい。その場合には、教示データサーバ5は、ドライバーの視線方向周辺の領域にある物体(周辺の幾何構造や移動体,標識等)を検出し、車両の運転操作と対応付けることにより、認知している対象や状況や、判断の内容等を取得して、教示情報を生成するとよい。認知している対象や状況や、判断の内容の取得に際し、教示データサーバ5は、近隣車線の移動体の位置や数,周辺車両の速度や、道路走行に係る法規などを参照するとよい。
【0070】
教示データサーバ5のプロセッサ5Vは、端末2から、車両の現在地(又は、仮想現在地)と、その現在地に最も近い注意箇所(以下、最近接注意箇所)とを受信すると、注意教示点行動データベースを参照して、最近接注意箇所と合致する注意教示点があるか否かを判定する。注意教示点がある場合には、教示データサーバ5のプロセッサ5Vは、現在地(又は、仮想現在地)が注意領域内に位置するか否かを判定し、注意領域内に位置する場合に、対応する教示情報を端末2に送信する。
【0071】
図2に示すように、経路探索サーバ6は中央演算処理装置(CPU)等のプロセッサ6V、RAM6W,ROM6X等のメモリ6Yや、HDDやSSD等の記憶装置6Z、通信インターフェース6S(通信IF)を備えたコンピュータであり、ネットワーク7を介して端末2に接続されている。
【0072】
経路探索サーバ6は、端末2から出発地、目的地、及び出発時刻に係る情報が送信されると、その情報に基づいて、経路探索処理を行って、出発地から目的地に至る経路を取得し、その経路を入出力部10に表示するための情報を端末2に送信する。
【0073】
図1に示すように、経路探索処理を行うため、経路探索サーバ6は、機能部として、地図記憶部20と、ポイント情報記憶部21と、注意レベル情報記憶部22と、要素情報記憶部23と、注意レベル情報更新部24と、難易レベル取得部25と、経路レベル取得部26と、経路探索部27と、注意箇所取得部28と、出力処理部29とを備えている。これらの機能部は、経路探索サーバ6のプロセッサ6Vが所定のソフトウエアを実行することによって実現される。
【0074】
地図記憶部20は記憶装置によって構成され、移動空間の地図データ(地図情報、空間情報ともいう)を記憶する。地図データはメインデータと、道路ネットワークデータとを含む。
【0075】
メインデータは、背景データと、文字データと、道路データとを含む。背景データは、入出力部10における経路表示画面を生成するためのデータであって、水域等の情報が含まれる。文字データは、入出力部10における経路表示画面に表示される文字に係るデータであって、例えば、道路や、建物の名称を示す。道路データ(道路情報)は、道路の形状や道路の特性(以下、道路特性)に係るデータである。道路特性には、例えば、道路幅や通行規制情報が含まれる。道路データは、端末2における経路表示に利用される。
【0076】
道路ネットワークデータは経路計算に用いられるデータ(経路計算データともいう)であって、ノードデータとリンクデータとを含む。ノードデータは緯度及び経度によって定義される点、すなわちノードに係る情報である。ノードは交差点や分岐点などに設けられる。リンクデータはノードデータを結ぶ線分、すなわちリンクに係る情報である。リンクは自動車が走行可能な道路に設けられる。
【0077】
リンクデータは、リンクの識別IDと、そのリンクが接続する2つのノードの識別IDと、ベースコストと、リンク情報とを含む。
【0078】
ベースコストはリンクの長さ(距離)に基づいて定められ、リンクの長さが長くなるほど大きくなる。
【0079】
リンク情報は、対応する道路の規制情報を含む。ここでいう規制情報には、一方通行や、通行可能時間帯等が含まれる。リンク情報には、メインデータの道路情報と同様に、リンクに対応する道路幅やカーブ径等の空間特性値(道路特性値)に係る情報(道路情報)が含まれていてもよい。具体的には、例えば、リンク情報は、道路特性値として、リンクに対応する道路の幅(道路幅)やカーブ径、リンクに対応する道路を通行することのできる車両の車高制限値や、重量の上限値等を含んでいてもよい。
【0080】
ポイント情報記憶部21は、ポイントの識別ID(以下、ポイント識別ID)と、地図情報に対応する領域内のポイントの位置情報とを関連付けて記憶している。
【0081】
図4(A)には、リンクL1,L2とポイントP1、P2の位置を地図上に示した例が示されている。
【0082】
図4(A)に示すように、リンクL1,L2はそれぞれ、道路ネットワークデータの交差点等に配置されるノードN1、N2、N3を接続する。ポイントP1、P2はノードN1、N2、N3やリンクL1,L2上に配置される点であり、車両が通行可能な道路上に設けられる。ポイントP1、P2は、道路ネットワークデータのノードN1、N2、N3よりも細かい間隔で配置されている。ポイントは通行可能な領域に、まんべんなく敷き詰められていてもよい。
【0083】
図4(B)に示すように、ポイントの位置情報は、具体的には、ポイントの緯度及び経度のセットである。ポイント情報記憶部21は、ポイント識別IDと、ポイントの位置情報とが記録されたポイント情報テーブルに記憶している。
【0084】
注意レベル情報記憶部22は、要素ごとの注意レベル(以下、要素注意レベル)の時刻依存性を示すデータを、
図5(A)に示す注意レベルテーブルとして保持している。ここでいう要素とは、標準的なドライバーが道路を走行するときに注意しなければならない理由、すなわち要因に相当するものである。要素は苦手項目と1対1に対応している。
【0085】
要素は、
図5(B)に示すように、時間的に変動しない固定的と、時間的に変動する変動的とにカテゴリー分けされている。
図6に示すように、固定的のカテゴリーに属する要素には、道路の形状に係るもの、例えば、交差点、カーブなどが含まれる。時間的のカテゴリーに属する要素には、気象、又は、天文現象に係るものが含まれる。時間的のカテゴリーに属し、且つ、気象に係る要素としては、例えば、降雨や降雪が含まれる。時間的のカテゴリーに属し、且つ、天文現象に係る要素としては、例えば、地球の自転に基づく太陽や月の移動、すなわち、西日や月光が含まれる。
【0086】
要素注意レベルは標準的なドライバーが各ポイントを走行するときに注意すべき度合い(レベル)を示す数値である注意レベルに基づく。本実施形態では、注意レベルは正の整数によって表現されている。標準的なドライバーに求められる注意の度合いが大きくなるほど、注意レベルが大きくなる。要素注意レベルは注意ポイントを要素ごとの成分に相当する。
【0087】
注意レベル情報記憶部22は、ポイント識別IDに関連付けて、現在時刻から所定時間後までの所定の時間間隔ごとの各時刻における要素注意レベルを、固定的及び変動的に分けて記憶している。本実施形態では、注意レベル情報記憶部22は、各ポイントにおける要素注意レベルの時間依存性を示す注意レベルテーブル(
図5(A)参照)を、ポイント識別IDに関連付けて記憶している。固定的に係る要素注意レベルには、道路幅や、交差点において交差する道路の数、カーブ径等の空間特性値が含まれる。
【0088】
要素情報記憶部23は要素ごとの要素の属性に関する情報(要素属性情報)を、
図5(B)に示す要素情報テーブルに記憶している。
【0089】
要素属性情報には、要素の注意種別に係る種別情報と、要素の属するカテゴリーと、注意内容情報とが含まれる。種別情報には、要素の注意種別の内容を示すテキスト(例えば、「交差点」「カーブ」)が含まれる。カテゴリーには、
図6に示すように、固定的、及び、変動的が含まれる。
【0090】
注意内容情報は注意すべき内容を示す情報である。注意内容情報は、
図5(B)に示すように、走行するときに注意すべき内容を示すテキスト(例えば、「左右を確認し、走行してください」「はみ出しに注意して走行してください」など)であってよい。
【0091】
注意レベル情報更新部24は、注意レベル情報記憶部22に記憶された要素注意レベルであって、変動的にカテゴリーに属する要素に対応するものを所定時間ごと(例えば、10分ごと)に更新する。
【0092】
注意レベル情報更新部24は、例えば、降雨予測を行う気象サーバ35に接続し、各時刻、各ポイントに予測される降雨量を取得する。その後、注意レベル情報更新部24は、降雨量が多くなるにしたがって要素注意レベルが高くなるように、各時刻、各ポイントの対応する要素の要素注意レベルを更新する。
【0093】
注意レベル情報更新部24は、その他、降雪予測を行うサーバに接続し、各時刻、各ポイントに予測される降雪量を取得する。その後、注意レベル情報更新部24は、降雪量に応じて、各時刻、各ポイントの対応する要素の要素注意レベルを更新してもよい。
【0094】
その他、注意レベル情報更新部24は、ネットワーク7を介して時刻サーバ38に接続して時刻を取得する。その後、注意レベル情報更新部24は、その時刻と、各ポイントの緯度及び経度とに基づき、太陽光や月光の向きを取得する。注意レベル情報更新部24は、取得した太陽光や月光の向きに基づき、眩しさによって運転操作が阻害されうる度合いが高くなるにしたがって、要素注意レベルが高くなるように、要素注意レベルを更新する。具体的には、注意レベル情報更新部24は、取得した太陽光や月光の向きと、対応するポイントが存在しているリンクとのなす角が0度、又は180度に近づくにつれて、対応する要素注意レベルが高くなるように、各時刻、各ポイントの対応する要素注意レベルを更新する。
【0095】
注意レベル情報更新部24は、また、複数の車両からのプローブデータに基づいて、太陽光や街灯による照度を取得し、要素注意レベルを更新してもよい。また、注意レベル情報更新部24は、渋滞情報を提供する渋滞情報サーバに接続し、渋滞情報を取得して、要素注意レベルを更新してもよい。
【0096】
難易レベル取得部25は難易レベルを算出する。難易レベルはポイント・時刻に依存するように定義される。難易レベルは対応するポイントを対応する時刻にドライバーが対応する車両で走行した場合に感じる難易度を示す。
【0097】
難易レベル取得部25は、難易レベルを、注意レベル情報記憶部22に記憶された注意レベル情報と、端末2から送信されたドライバー特性情報と、端末2から送信された車両特性情報とに基づいて算出する。
【0098】
難易レベルは、ドライバーの得手不得手や、車両の特性等に依存する。そこで、難易レベル取得部25は、難易レベルを要素ごとの成分に分けた要素難易レベルを取得し、その要素難易レベルを合算することによって、難易レベルを取得する。すなわち、難易レベル取得部25は要素ごとに要素難易レベルを取得し、その要素難易レベルを合算することで、難易レベルを取得する。
【0099】
難易レベル取得部25は、例えば、要素難易レベルを、ポイントごとに付与された要素注意レベルと、その要素に対応するドライバー特性に依存する重み(ドライバー係数)と、その要素に係る車両特性に依存する重み(車両係数)との積(すなわち、要素注意レベル×ドライバー係数×車両係数)によって取得してもよい。
【0100】
難易レベル取得部25は、ドライバー係数を、要素に対応する項目の項目別苦手レベルに基づいて設定するとよい。例えば、要素が「カーブ」に対応するものである場合には、難易レベル取得部25は、ドライバー係数を「カーブ」に対応する項目別苦手レベルに比例するように設定してもよい。
【0101】
難易レベル取得部25は、車両係数を、車両特性に基づいて設定するとよい。例えば、難易レベル取得部25は、要素が「カーブ」である場合には、車両の旋回性能が低くなるにつれて、車両係数を高くなるように設定するとよい。その他、難易レベル取得部25は、要素が「細い道」である場合には、車両の車幅が大きくなるにつれて、車両係数を高くなるように設定するとよい。
【0102】
難易レベル取得部25は、変動的のカテゴリーに属する要素、及び、固定的のカテゴリーに属する要素それぞれに対応する要素注意レベルを算出し、それらを合算することによって、難易レベルを取得する。これにより、要素注意レベルが時刻に依存する場合には、難易レベルは時刻に依存することになる。
【0103】
経路探索部27は、出発地から目的地までの経路であって、走行コストの総和の小さいものから順に複数の経路を推奨経路として取得する。
【0104】
但し、ここでいう走行コストは、経路を走行することによる物理的なコスト(時間・距離等)と、経路上のポイントを通過する際の難しさによる運転者に加わる心理的・物理的なコストとを含むものとして定義される。以下、経路に沿った走行にかかる距離や時間等の物理的なコストを物理コストと記載し、難しさによるコストを難易コストと記載する。
【0105】
経路は互いに接続されたリンクの集合として表現される。本実施形態では、物理コストは経路に含まれるリンクそれぞれに定義されるベースコストを合算することで算出される。
【0106】
難易コストは、経路上に位置するポイントの難易レベルに依存して定められる。本実施形態では、難易コストは、経路上に位置するポイントの難易レベルを合算する(又は、難易レベルを合算した値に所定の比例定数をかける)ことによって算出される。
【0107】
難易コストは、経路に含まれるリンクそれぞれに定義されるリンク難易コストを合算することによって算出されてもよい。リンク難易コストはリンク上に位置するポイントの難易レベルを合算したもの(又は、難易レベルを合算した値に所定の比例定数をかけたもの)であってもよい。以下では、必要に応じて、ベースコスト及びリンク難易コストの和をリンクコストと記載する。
【0108】
経路探索部27は、まず、出発地に対応する始点ノードと、目的地に対応する終点ノードを取得する。その後、経路探索部27は始点ノードから終点ノードまでの経路を探索し、走行コストの小さい順に複数の経路を推奨経路として取得する。
【0109】
経路探索部27は、例えば、ダイクストラ法やその改良アルゴリズム、A*(Aスター)アルゴリズム、遺伝的アルゴリズム等に基づいて、推奨経路を取得するとよい。その他、経路探索部27は、AntNetを適用することによって、推奨経路を取得してもよい。具体的には、経路探索部27は、島影ら「コストの変動するグラフにおける経路探索手法 ―AntNetの適用と改良―」(東京情報大学研究論集 Vol.15 No.1, pp.100-117(2011))に記載の方法に基づいて、推奨経路を取得してもよい。
【0110】
また、経路探索部27は同時に、出発時刻に出発地から出発し、推奨経路に沿って走行した場合の各ポイントの通過時刻を取得する。
【0111】
経路レベル取得部26は推奨経路それぞれに対して経路レベルを取得する。経路レベルは、推奨経路を走行したときにドライバーが感じる難易度に対応する。経路レベル取得部26は経路レベルを、ドライバー特性情報及び/又は車両特性情報(移動体情報)に基づいて算出する。
【0112】
ドライバー特性情報は、利用者の運転操作特性を含んでいるとよい。ドライバー特性情報は、利用者が車両を運転した(すなわち、移動体を利用した)ときの運転操作履歴から得られる運転操作習熟度が含まれていてもよい。車両特性情報は車両の走行性能が含まれているとよい。これにより、利用者の運転操作特性や、運転操作習熟度、移動体の移動性能に応じた推奨経路の難易度を取得することができる。
【0113】
本実施形態では、経路レベル取得部26は、推奨経路それぞれに対して、ドライバー特性情報及び車両特性情報を用いて算出される難易コストを、経路レベルとして取得する。
【0114】
経路探索サーバ6が端末2から出発地、目的地、出発日及び出発時刻を含む予定情報と、予約車両情報とを受信した場合には、経路探索部27は、予約車両情報に含まれる車両ごとに、出発地から目的地までの経路であって、走行コストの小さいものから順に複数の経路を仮経路として取得する。その後、経路探索部27は、仮経路ごとに経路レベルを取得し、経路レベルの低いものから順に複数抽出することによって、推奨経路を取得してもよい。このとき、経路探索部27は、推奨経路と、対応する車両を特定するための情報とをそれぞれ、出力処理部29に出力するとよい。
【0115】
注意箇所取得部28は、推奨経路それぞれに対して、ドライバーが走行時に注意すべき場所を注意箇所として取得する。
【0116】
注意箇所取得部28は、推奨経路上に位置するポイントの難易レベルに基づいて注意箇所を取得するとよい。具体的には、注意箇所取得部28は、経路上の難易レベルが所定の閾値以上のポイントを抽出し、その抽出されたポイントの集合の中から、周辺のポイントよりも難易レベルが高いポイント(すなわち、難易レベルがピークとなっているポイント)を注意箇所として取得するとよい。
【0117】
図7には、推奨経路R上の位置するポイントそれぞれにおける難易レベルが示されている。推奨経路Rに沿って移動したときに、難易レベルがピークとなるポイントが注意ポイントPA、PB、PCとなる。
図7では、注意ポイントPA、PB、PCはピンが付されたポイントとして示されている。
【0118】
次に、注意箇所取得部28は、注意箇所それぞれの難易レベルにおいて、寄与の大きい要素を注意箇所の注意特性として取得する。
【0119】
本実施形態では、注意特性を取得するときに、注意箇所取得部28は注意箇所それぞれにおいて、要素注意レベルを比較して最も要素注意レベルに対応する要素を抽出する。その後、注意箇所取得部28は抽出した要素をそれぞれ、注意箇所の注意特性として取得する。
【0120】
出力処理部29はメインデータの中から表示画面を作成するために要するデータを抽出する。その後、出力処理部29は、抽出したデータ(以下、生成用データ)と、経路探索部27によって取得された複数の推奨経路と、経路レベル取得部26によって取得されたそれぞれの経路レベルと、注意箇所取得部28によって取得された注意箇所と、対応する注意特性とを端末2に送信する。生成用データは、例えば、全ての推奨経路を網羅する範囲の背景データ、文字データ、及び、道路データを含むものであってよい。
【0121】
出力処理部29は推奨経路に対応する車両があるときには、複数の推奨経路と、推奨経路それぞれに対応する車両を特定するための情報と、推奨経路それぞれに対応する経路レベルと、推奨経路それぞれの注意箇所と、注意箇所それぞれに対応する注意特性とを端末2に送信する。
【0122】
端末2の探索結果通知部13は、経路探索サーバ6から、生成用データと、推奨経路と、それぞれの経路レベルと、注意箇所及び注意特性を受信すると、端末2の入出力部10(タッチパネル2T)に表示されるべき画面を生成し、入出力部10への入力に応じて表示内容等を変更する。
【0123】
端末2が車載端末2B以外である場合と、端末2が車載端末2Bである場合とでは、端末2に表示される画面や処理が異なり、探索結果通知部13の処理も異なる。ここでは、まず、端末2が車載端末2B以外である場合について説明する。
【0124】
<端末2が車載端末2B以外の場合>
端末2が車載端末2B以外である場合には、探索結果通知部13は、経路探索サーバ6から、生成用データと、推奨経路と、それぞれの経路レベルと、注意箇所及び注意特性を受信すると、推奨経路から画面に表示するべき経路を抽出して、表示経路に設定する。探索結果通知部13は推奨経路から一つの経路を選択して表示経路に設定してもよく、また、推奨経路から複数の経路を選択して表示経路に設定してもよい。このとき、探索結果通知部13は、推奨経路の中から最速で目的地に到着できる経路を抽出し、表示経路に設定してもよい。
【0125】
端末2が車載端末以外の場合には、探索結果通知部13は表示経路上に仮想車両の現在地(仮想現在地)を設定し、目的地に向かう経路に沿って仮想車両の向きを設定する。このとき、探索結果通知部13は、出発地を仮想現在地に設定してもよい。
【0126】
探索結果通知部13は表示経路及び仮想現在地の設定が完了すると、表示画像を生成する表示処理を実行する。表示画像には、
図8に示すように、地図、表示経路、仮想現在地の周辺画像、及び、注意すべき内容を示すテキストが含まれる。
【0127】
本実施形態では、表示画面は地図領域41と、前方画像領域42と、テキスト表示領域43とを含む複数の領域に区分けされている。地図領域41は仮想現在地の周辺地
図41Aに、仮想現在地を示すマップピン41Bと、注意箇所を示すマーク41Cと、表示経路を示す線41Dとが重畳された状態で表示される領域である。
図8では、仮想現在地を示すマップピン41Bとして、車両の平面図に対応するアイコンが使用されている。
【0128】
前方画像領域42は、仮想現在地に車両があるときの車両の周辺画像であって、主として仮想現在地から表示経路の進行方向に見たときの前方画像42Aが表示される領域である。前方画像領域42には車両の周辺画像であって、仮想現在地から仮想車両の向きに見たときの前方画像42Aが表示されてもよい。テキスト表示領域43は、走行時に注意すべき内容などを示すテキスト(表示テキスト43A)が表示される領域である。表示されるテキストは注意特性に対応したものであってよく、また、車載マイク等によって取得された運転操作の良好な操作者が発した音声(例えば、「この交差点は結構見通しが悪いから左右を慎重に確認しないと見落としたりするんだよね」など)に基づいたものであってもよい。
【0129】
その他、推奨経路に対し、対応する車両が設定され、推奨経路と、対応する車両を特定するための情報とが端末2に送信される場合がある。この場合には、
図9に示すように、表示画像には対応する車両の画像を示すアイコン42Bが含まれているとよい。
【0130】
その後、入出力部10に仮想現在地を示すマップピン41Bを移動させる操作(地図領域41をスワイプ操作等)に対応する入力があったときには、探索結果通知部13は、仮想現在地及び仮想方向を、入力に基づいて移動させることにより更新し、再度、表示処理を行う。その後、表示処理によって生成した表示画面を入出力部10に表示させる。
【0131】
以下、表示処理の詳細について説明する。探索結果通知部13は、生成用データの背景データ、文字データ、及び、道路データを用いて、仮想現在地周辺の地図(以下、周辺地図)を生成する。次に、探索結果通知部13は、周辺地図内に位置する注意箇所を抽出する。
【0132】
探索結果通知部13は注意箇所を周辺地図に表示する周辺地図画像を生成する。このとき、探索結果通知部13は、注意箇所に対応する注意特性又は難易レベルを大きさ、形状、色の種類、濃淡、種類等によって符号化して、注意箇所に対応する位置に、マーク(マップピン41E)又は画像、枠体を重畳させて周辺地図画像を生成するとよい。
【0133】
具体的には、マップピン41Eにより注意箇所を表示するときには、探索結果通知部13は、注意箇所の注意特性又は難易レベルに基づいて、マップピン41Eの大きさ、色の種類や濃淡を設定する。枠体により注意箇所を表示するときには、探索結果通知部13は、注意特性又は難易レベルに基づいて、枠体の形状、枠体の太さ、及び、色を設定する。また、探索結果通知部13は、画像を周辺地図に重畳するときには、注意特性又は難易レベルに基づいて、画像の種別を設定する。
【0134】
このとき、本実施形態では、探索結果通知部13は、周辺地図内に存在している注意箇所の中から、仮想現在地に最も近い注意箇所を抽出して、その抽出した注意箇所の中から、仮想現在地に最も近い注意箇所を最近接注意箇所として取得する。その後、探索結果通知部13は注意箇所を示すマップピン41E又は画像、枠体の色や大きさ等を変更することによって、
図8及び
図9に示すように、最近接注意箇所に対応するマップピン41Eを強調して周辺地図上に表示する周辺地図画像を生成する。
【0135】
次に、探索結果通知部13は撮像画像サーバ3から、仮想現在地における仮想方向の撮像画像を取得する。その後、探索結果通知部13は、撮像画像に対して、適宜、加工処理を行って、仮想方向前方の画像、すなわち、前方画像42Aを生成する。
【0136】
加工処理において、例えば、探索結果通知部13は、撮像画像を取得した後、仮想現在地を通過する通過時刻を取得して、撮像画像を時刻に適合するように加工するとよい。例えば、通過時刻が日没時刻以降の場合には、撮像画像を、レンズフィルターに通し、色調補正をかけ、更に、彩度を下げる等の処理を行って、夜に撮像したように加工し、前方画像42Aを生成するとよい。
【0137】
また、加工処理において、探索結果通知部13は、仮想現在地を通過する通過時刻を取得し、気象サーバ35から、仮想現在地における通過時刻の気象情報を取得する。気象情報には、日照及び天候に係る情報が含まれる。その後、探索結果通知部13は、気象情報に基づいて、気象情報に合致するように撮像画像を加工することによって、前方画像42Aを生成する。
【0138】
例えば、仮想現在地の天候が雨である場合には、探索結果通知部13は、雨に対応するテクスチャを撮像画像に重ね合わせる(オーバーレイ)することによって、撮像画像を雨天に合致するように加工するとよい。仮想現在地の天候が雪である場合には、探索結果通知部13は、雪に対応するテクスチャを撮像画像に重ね合わせる(オーバーレイ)することによって、撮像画像を雨天に合致するように加工し、前方画像42Aを生成するとよい。
【0139】
加工処理において、探索結果通知部13は、撮像画像サーバ3から撮像画像を取得するとともに、ドライバーが運転する車両の車両情報に基づき、撮像画像を変換(加工)し、前方画像42Aを生成するとよい。このとき、探索結果通知部13は、車両情報に対応する車両から見た風景に合致するように、撮像画像を変換するとよい。
【0140】
探索結果通知部13は、車両情報に基づいて撮像画像を車両の大きさや形状等に適合するように変換して、前方画像42Aを生成するとよい。探索結果通知部13は、車両情報に基づいて標準的な体格のドライバーの目の位置を推定し、撮像画像を用いて、その目の位置から見た画像に加工することによって、前方画像42Aを生成してもよい。
【0141】
撮像画像サーバ3が車高や車幅の異なる複数の車両によって取得された撮像画像データを記憶していているときには、探索結果通知部13は、複数の車両において撮像された撮像画像を取得し、車両情報に対応する車両から見た前方画像42Aに変換するとよい。
【0142】
探索結果通知部13が
図10(A)及び(B)には車両の大きさに適合するように撮像画像を変換し、前方画像42Aを生成した例が示されている。
図10(A)の場合の車両は、
図10(B)に比べて大きい。そのため、
図10(A)の場合の車両の車高は、
図10(B)に比べて高く、
図10(A)に示す端末2には
図10(B)に比べて、上方から見下ろしたような前方画像42Aが表示されている。
【0143】
加工処理において、探索結果通知部13は、ドライバーが運転する車両の車両情報を取得し、車両が仮想現在地にある場合に想定される車両の外形を、撮像画像に重畳することによって、前方画像42Aを生成してもよい。
【0144】
また、加工処理において、探索結果通知部13は、表示経路に沿った進行方向に見たときの画像内に最近接注意箇所に映っているかを判定する。探索結果通知部13は、最近接注意箇所が映っているときには、最近接注意箇所に対応する部分にマップピン41Eや枠体などのマークを重畳することによって前方画像42Aを生成してもよい。
【0145】
次に、探索結果通知部13は、最近接注意箇所の注意特性を取得し、経路探索サーバ6から要素属性情報の注意特性に対応する要素の注意内容を示す情報(テキスト)を表示テキスト43Aとして取得する。表示テキスト43Aの取得が完了すると、探索結果通知部13は入出力部10に対して、周辺地図画像を地図領域41に表示させ、前方画像42Aを前方画像領域42に表示させ、表示テキスト43Aをテキスト表示領域43に表示させる。
【0146】
このとき、探索結果通知部13は、表示経路に沿って最近接注意箇所が所定の距離範囲(以下、注意表示距離)内にあり、且つ、仮想現在地が最近接注意箇所に向かって移動している(又は、仮想車両が最近接注意箇所に向かっている)ときに、注意内容を示す表示テキスト43Aをテキスト表示領域43に表示させるとよい。探索結果通知部13は注意表示距離を最近接注意箇所の注意内容に応じて設定してもよい。
【0147】
また、探索結果通知部13は、仮想現在地の位置と、最近接注意箇所の位置とを教示データサーバ5に送信し、対応する教示情報を取得してもよい。
【0148】
教示データサーバ5は、仮想現在地及び最近接注意箇所を受信すると、注意教示点行動データベースを参照して、最近接注意箇所と合致する注意教示点があるか否かを判定する。合致する注意教示点がある場合には、教示データサーバ5は、仮想現在地が注意領域内に位置しているかを判定し、位置している場合には、対応する教示情報を端末2(探索結果通知部13)に送信する。
【0149】
探索結果通知部13は、対応する教示情報が取得できたときには、通知するべき内容を利用者に通知するための提示情報を生成し、タッチパネル2Tに提示情報を提示させる。但し、探索結果通知部13は、仮想現在地が最近接注意箇所に向かって移動しているか否かを判定し、仮想現在地が最近接注意箇所に向かって移動しているときに提示情報を生成するとよい。
【0150】
提示情報は視線方向や視線の移動方向、視線の移動速度等の視線に係る情報を示すアイコンが重畳された仮想現在地の周辺画像であってもよい。具体的には、提示情報は、
図11(A)に示すように、視線方向を示す点42Bが重畳された前方画像42Aであってよい。提示情報は、
図11(B)に示すように、視線の移動方向及び移動量を示す矢印42Cが重畳された前方画像42Aであってよい。探索結果通知部13は、前方画像42Aに視線情報を示す点42Bや、矢印42C等を重畳した前方画像42Aを提示情報として生成したときには、タッチパネル2Tの前方画像領域42に提示情報を表示させるとよい。
【0151】
探索結果通知部13が教示データサーバ5から対応する注意すべき物体に対応する画像を取得することができる場合がある。この場合には、提示情報は、対応する注意すべき物体に対応する画像が重畳された周辺画像であってもよい。具体的には、提示情報は、
図11(C)に示すように、視認すべき物体(
図11(C)では車両)の画像42Dが重畳された前方画像42Aであってよい。探索結果通知部13は、視認すべき物体の画像42Dを重畳した前方画像42Aを提示情報として生成したときには、タッチパネル2Tの前方画像領域42に提示情報を表示させるとよい。
【0152】
探索結果通知部13は、注意箇所を示すマップピン41Eがタッチ操作されたときには、
図12に示すように、対応する注意箇所の注意種別及び難易レベルを入出力部10に表示させるとよい。
【0153】
探索結果通知部13は、入出力部10に所定の入力があったときには、表示している経路を変更し、再度、表示処理を行うとよい。例えば、探索結果通知部13は、入出力部10に右向きにスワイプ操作があったときには、仮想現在地を出発地に設定する。また、探索結果通知部13は、推奨経路の中から現在表示している経路の次に経路レベルの低い推奨経路を取得して、取得した推奨経路を表示経路に設定する。
【0154】
その他、探索結果通知部13は、入出力部10に左向きにスワイプ操作があったときには、仮想現在地を出発地に設定する。また、探索結果通知部13は、推奨経路の中から表示している経路の次に経路レベルの高い推奨経路を取得して、取得した推奨経路を表示経路に設定する。これにより、スワイプ操作によって、利用者は経路レベルの異なる推奨経路を容易に切り替えることができる。
【0155】
入出力装置(タッチパネル2T)が所定の面積以上の表示画面を備えている場合(例えば、端末2がタブレット型の端末2である場合)には、探索結果通知部13は、(プロセッサ2V)は、複数の推奨経路を取得し、そのうちの複数(又は、全て)を表示経路に設定してもよい。
【0156】
探索結果通知部13は設定した複数の表示経路を入出力部10に表示させてもよい。このとき、探索結果通知部13は、
図13に示すように、表示経路それぞれに対して、移動距離や、所要時間、経路レベル(難易度)に基づいて、入出力部10における表示経路を示す線41Dが重畳された周辺地
図41Aの表示位置を設定するとよい。
【0157】
探索結果通知部13は、複数の表示経路を設定した場合には、入出力部10(タッチパネル2T・入出力装置)に、移動距離が短い順に、又は、所要時間が短い順に、表示経路を示す線41Dが重畳された周辺地
図41Aを左右方向に並べて表示させるとよい。その他、
図13に示すように、探索結果通知部13は、複数の表示経路を設定した場合には、入出力部10に、移動距離が短い順に、又は、所要時間が短い順に、表示経路を示す線41Dが重畳された周辺地
図41Aを左右方向に並べ、更に、移動距離及び所要時間が同じ場合には、難易度の高い順に、表示経路を示す線41Dが重畳された周辺地
図41Aを上方向又は下方向に並べて表示させてもよい。また、探索結果通知部13は、複数の表示経路を設定した場合には、入出力部10に、難易度の高い順に表示経路を示す線41Dが重畳された周辺地
図41Aを左右方向に並べて表示させてもよい。その他、探索結果通知部13は、入出力部10に、難易度の高い順に、表示経路を示す線41Dが重畳された周辺地
図41Aを左右方向に並べ、更に、難易度が同じ場合には、移動距離が短い順に、又は、所要時間が短い順に、表示経路を示す線41Dが重畳された周辺地
図41Aを上方向又は下方向に並べて表示させてもよい。
【0158】
このとき、探索結果通知部13(プロセッサ2V)は、表示経路(詳細には、表示経路を示す線41Dが重畳された周辺地
図41A)に、対応する難易度を合わせて、入出力部10に表示させてもよい。このとき、探索結果通知部13は、入出力装置に難易度を、テキスト45によって表示させてもよく、また、色やアイコンによって表示させてもよい。
【0159】
推奨経路それぞれに対応する予約可能な車両が設定されているときには、探索結果通知部13は表示経路に合わせて、対応する予約可能な車両に係る情報(例えば、アイコン46等)を入出力部10に表示させてもよい。このとき、例えば、
図13及び
図14に示すように、探索結果通知部13は、表示経路及び予約可能な車両に係る情報に合わせて、対応する経路レベルを難易度として、テキスト45によって表示するとよい。
【0160】
探索結果通知部13は、
図14に示すように、車両(移動体)ごとに、経路レベル順(すなわち、難易度順)に表示経路を示す線41Dが重畳された周辺地
図41Aを並べて、入出力部10に表示させてもよい。この場合には、探索結果通知部13は、車両ごとの使用可能となるまでの時間を示すテキスト47を入出力部10(タッチパネル2T)に表示させるとよい。このとき、探索結果通知部13は車両がすぐに使用できる場合には、待機時間なしで使用できる旨の表示を行うとよい。
【0161】
また、探索結果通知部13は、経路の移動する際の難易度に係る入力を受け付けて、受け付けた難易度に対応する推奨経路を抽出し、表示経路に設定してもよい。
【0162】
このような処理を行うため、探索結果通知部13は、抽出条件取得部31と、抽出処理部32と、表示処理部33とを有している。
【0163】
抽出条件取得部31は、入出力部10に所定の入力(例えば、
図13のボタン48への入力)があったときに、条件入力フォーム49を表示し、利用者から難易度に係る抽出条件の入力を受け付ける。抽出条件とは、推奨経路から入出力部10(入出力装置、タッチパネル2T)に表示する経路、すなわち、表示経路を抽出(選択)するための条件である。
【0164】
条件入力フォーム49には、経路レベルの下限値(以下、経路レベル下限値)の入力を受け付けるスライダーバー50が含まれていてもよい。抽出条件取得部31は、経路レベル下限値の入力を受け付けると、抽出条件を経路レベルが経路レベル下限値以上に設定する。
【0165】
その他、条件入力フォーム49には、経路レベルの上限値(以下、経路レベル下限値)の入力を受け付けるスライダーバー50が含まれていてもよい。抽出条件取得部31は、経路レベル上限値の入力を受け付けると、抽出条件を経路レベルが経路レベル上限値以下に設定する。
【0166】
条件入力フォーム49には、
図15に示すように、経路レベル下限値及び経路レベル上限値の入力を受け付けるスライダーバー50が含まれていてもよい。抽出条件取得部31は、経路レベル下限値及び経路レベル上限値の入力を受け付けると、抽出条件を経路レベルが経路レベル下限値以上且つ経路レベル上限値以下に設定する。
【0167】
抽出条件取得部31が抽出条件の入力を受け付けると、抽出処理部32は抽出条件に基づいて、対応する推奨経路を抽出し、表示経路に設定する。
【0168】
具体的には、抽出処理部32は、抽出条件が経路レベル下限値以上に設定されている場合、推奨経路の中から経路レベルが経路レベル下限値以上の推奨経路を抽出して、表示経路に設定するとよい。抽出処理部32は、抽出条件が経路レベル上限値以下に設定されている場合、推奨経路の中から経路レベルが経路レベル上限値以下の推奨経路を抽出して、表示経路に設定するとよい。抽出処理部32は、抽出条件が経路レベル下限値以上且つ経路レベル上限値以下に設定されている場合、推奨経路の中から経路レベルが経路レベル下限値以上且つ経路レベル上限値以下の推奨経路を抽出して、表示経路に設定するとよい。
【0169】
表示処理部33は、抽出処理部32による表示経路の設定が行われると、地図情報に基づく地図に、表示経路を示す線41Dを重畳した画像を作成し、タッチパネル2Tに表示する。表示処理部33は条件入力フォーム49への入力(例えば、スライダーバー50の移動)があるたびに、表示経路を示す線41Dを重畳した画像を作成し、タッチパネル2Tに表示する。これにより、条件入力フォーム49への入力に応じて、タッチパネル2Tの表示がスムーズに変更される。
【0170】
<端末2が車載端末2Bの場合>
端末2が車載端末2Bである場合には、探索結果通知部13は、経路探索サーバ6から、生成用データと、推奨経路と、それぞれの経路レベルと、注意箇所及び注意特性を受信すると、推奨経路から画面に表示するべき経路を抽出して、表示経路に設定する。探索結果通知部13による表示経路の設定は、端末2が車載端末2B以外の場合と同様のものであってよい。本実施形態では、探索結果通知部13は、推奨経路の中から最速で目的地に到着できる経路を抽出し、表示経路に設定する。
【0171】
表示経路の設定が完了すると、探索結果通知部13は、位置特定装置14(具体的にはGNSSモジュール)から車両の現在位置と、車両の向きとを取得し、表示画面を生成する。表示画面には、
図15(A)に示すように、地図、表示経路を示す線41D、及び、注意すべき内容を示すテキストが含まれる。
【0172】
本実施形態では、表示画面は地図領域41と、テキスト表示領域43とを含む複数の領域に区分けされている。地図領域41には車両の現在位置の周辺地図に、車両の現在地を示すマップピン41Bと、注意箇所を示すマップピン41Eと、表示経路を示す線41Dとが重畳された状態で表示される。
図16では、車両の現在地を示すマップピン41Bとして、車両の平面図に対応するマップピン41B(アイコン)が使用されている。
【0173】
端末2が車両前方を撮像する車外カメラを備えた車両に搭載された車載端末2Bによって構成される場合がある。この場合には、表示画面には車外カメラによって取得された車両前方の画像が含まれていてもよい。その他、表示画面には、利用者から車載の音響システムや空調装置に係る入力を受け付けるボタン(不図示)が含まれていてもよい。
【0174】
車両の移動が開始され、位置特定装置14によって取得される位置が変わると、探索結果通知部13は車両の現在地を示すマップピン41Bの位置を変更して、表示画像を生成し、タッチパネル2Tに表示する。探索結果通知部13は車両の移動に応じて、周辺地図として表示される領域を変更してもよい。その際、探索結果通知部13は、その領域の変更に応じて、注意箇所のマップピン41Eの位置等を変更するとよい。
【0175】
探索結果通知部13は、端末2が車載端末2B以外である場合と同様に、注意箇所の中から車両の現在地に最も近い最近接注意箇所を取得する。その後、探索結果通知部13は、最近接注意箇所の注意特性を取得し、経路探索サーバ6から要素属性情報の注意特性に対応する要素の注意内容を示す情報(テキスト)を表示テキスト43Aとして取得する。表示テキスト43Aの取得が完了すると、探索結果通知部13は、表示テキスト43Aをテキスト表示領域43に表示させる。
【0176】
探索結果通知部13は、表示経路に沿った車両の現在地と最近接注意箇所との距離が所定の距離範囲(以下、注意表示距離)以下であり、且つ、車両が最近接注意箇所に向かって移動しているときに、注意内容を示す表示テキスト43Aをテキスト表示領域43に表示させるとよい。探索結果通知部13は注意表示距離を最近接注意箇所の注意内容に応じて設定してもよい。探索結果通知部13は表示テキスト43Aから合成音声を生成し、表示テキスト43Aを読み上げるようにスピーカ15Aから音を発生させることによって、ドライバーに報知を行ってもよい。
【0177】
探索結果通知部13は、併せて、現在地の位置情報と、最近接注意箇所の位置情報とを教示データサーバ5に送信し、対応する教示情報を取得する。
【0178】
教示データサーバ5は、車両の現在地及び最近接注意箇所の位置情報を受信すると、注意教示点行動データベースを参照して、最近接注意箇所と合致する注意教示点があるか否かを判定する。合致する注意教示点がある場合には、教示データサーバ5は、現在地が注意領域内に位置しているかを判定し、位置している場合には、車両の現在地に対応する教示情報を端末2(探索結果通知部13)に送信する。
【0179】
探索結果通知部13は、教示情報が取得できたときには、現在地の通過に際して利用者に取るべき行動通知するための提示情報を生成し、報知装置15に報知させる。但し、探索結果通知部13は、車両の現在地が最近接注意箇所に向かって移動しているか否かを判定し、車両の現在地が最近接注意箇所に向かって移動しているときに提示情報を生成するとよい。
【0180】
例えば、探索結果通知部13は、教示情報に含まれる視線方向に基づき、ドライバーが注意すべき方向を取得して、提示情報をテキストで生成する。例えば、視線方向が車両前方よりも右側に偏っているときには、探索結果通知部13は「右前方に特に注意してください」というテキストを提示情報として生成する。その後、
図16(A)に示すように、探索結果通知部13は提示情報を読み上げるようにスピーカ15Aから音を発生させる。これにより、探索結果通知部13はドライバー(利用者)に報知を行い、提示情報を提示する。
【0181】
探索結果通知部13は、ヘッドアップディスプレイ15Bを制御し、フロントガラス52上に提示情報を投影させてもよい。具体的には、探索結果通知部13は、教示情報に含まれる視線方向に基づき、ドライバーが注意すべき方向を取得して、フロントガラス52上に表示するべき画像情報を提示情報として生成する。視線方向が車両前方よりも右側に偏っているときには、探索結果通知部13によって生成される画像は
図16(B)に示すように、フロントガラス52右寄りの位置に配置された円環53や四角枠体(不図示)等であってもよい。その後、探索結果通知部13はヘッドアップディスプレイ15Bにフロントガラス52上に画像情報に対応する画像を投影させ、提示情報を提示するとよい。
【0182】
次に、このように構成した移動支援装置1の動作について説明する。
【0183】
<第1の動作例>
端末2は、入出力部10において、
図17に示すように、出発地、目的地、及び、出発時刻を含む入力欄55を表示し、出発地、目的地、及び、出発時刻を含む予定情報に係る入力を受け付ける。端末2は出発地、目的地、及び、出発時刻を含む予定情報を取得すると、取得した予定情報を経路探索サーバ6に送信する。
【0184】
経路探索サーバ6は、予定情報に含まれる出発地、目的地、及び、出発時刻に基づいて、推奨経路を探索する。詳細には、経路探索サーバ6は、地図情報及び要素注意レベルを用いて難易コストを算出する。その後、経路探索サーバ6は、ベースコスト及び難易コストに基づくリンクコストを用いて、複数推奨経路を取得する。次に、経路探索サーバ6は、画面表示のための生成用データと、推奨経路と、それぞれの経路レベルと、注意箇所及び注意特性とを端末2に送信する。
【0185】
端末2は、生成用データと、推奨経路と、それぞれの経路レベルと、注意箇所及び注意特性とを受信すると、推奨経路の一つを表示経路に設定する。その後、端末2は、仮想現在地を出発地に設定し、周辺地図、及び、仮想現在地における前方画像42Aを表示する。但し、端末2は周辺地
図41Aに表示経路を示す線41Dを重畳して表示する。また、端末2は周辺地図内に注意箇所が存在しているときには、マーク等が周辺地図に重畳して表示する。また、端末2は仮想現在地に最も近い注意箇所、すなわち、最近接注意箇所を抽出し、テキスト表示領域43に、最近接注意箇所に対応する注意内容を表示する。
【0186】
利用者が仮想現在地を移動させるべく入力を行うと、端末2は、仮想現在地が経路に沿って入力に応じた量、移動した位置に更新し、更新後の仮想現在地を示すピンを重畳した周辺地図と、更新後の仮想現在地における前方画像42Aと、をタッチパネル2T(入出力装置)に表示する。
【0187】
端末2は、仮想現在地の位置と、最近接注意箇所の位置とを教示データサーバ5に送信し、対応する教示情報を取得してもよい。このとき、端末2は、教示情報に基づき、提示情報を生成して、タッチパネル2Tに表示するとよい。
【0188】
提示情報は、過去の運転者の視線に係る情報であってよい。具体的には、端末2は、
図11(A)に示すように、視線方向を示す点を重畳した前方画像42Aを提示情報として生成し、生成した提示情報を前方画像領域42に表示してもよい。
【0189】
図11(B)に示すように、端末2は、視線の移動方向及び移動量を示すベクトルを前方画像42Aに重畳して提示情報を生成し、生成した提示情報を前方画像領域42に表示してもよい。教示データサーバ5から視認すべき物体(
図11(C)では車両)の画像を取得したときには、端末2は、
図11(C)に示すように、視認すべき物体の画像を重畳した提示情報として生成し、生成した提示情報を前方画像領域42に表示するとよい。
【0190】
端末2は、仮想現在地の位置の履歴や、仮想現在地の移動方向に基づいて、提示情報の提示を停止してもよい。具体的には、端末2のプロセッサ2Vは、仮想現在地の位置の履歴や、仮想現在地の移動方向に基づいて、仮想現在地に対応する位置が最近接注意箇所に向かっているか否かを判定する。最近接注意箇所に向かって移動していると判定したときには、端末2のプロセッサ2Vは、生成した提示情報を端末2のタッチパネル2Tに表示するとよい。一方、最近接注意箇所に向かって移動していないと判定したときには、端末2のプロセッサ2Vは、生成した提示情報のタッチパネル2Tへの表示を停止するとよい。
【0191】
<第2の動作例>
端末2は、
図17に示すように、出発地、目的地及び出発時刻に加えて、出発日に係る入力受け付けて、出発地、目的地、出発時刻及び出発日を予定情報として取得してもよい。この場合には、端末2のプロセッサ2Vは、
図17に示すように、予定情報の入力を受け付ける入力画面をタッチパネル2T(入出力装置)に表示させる。端末2のプロセッサ2Vはタッチパネル2Tへの入力に基づいて出発日を含む予定情報を取得し、取得した予定情報を予約サーバ4に送信する。
【0192】
予約サーバ4は端末2から出発日を含む予定情報を受信すると、予定情報に基づき、出発日に予約可能な車両に係る予約車両情報を取得して、端末2に送信する。予約車両情報には、予約可能な車両の型番等、車両を特定するための情報が含まれる。
【0193】
端末2のプロセッサ2Vは予約車両情報を取得すると、
図18に示すように、予約可能な車両の型番等、車両を特定するための情報をタッチパネル2T(入出力装置)に表示する。このとき、端末2のプロセッサ2Vはタッチパネル2Tに利用者から利用予約を希望する車両(予約車両)の選択を受け付けるボタン56を表示し、利用者から予約車両の選択に係る入力を受け付ける。端末2は予約車両の選択の受付が完了すると、予定情報と、予約車両に係る情報(予約車両情報)とを経路探索サーバ6に送信する。
【0194】
経路探索サーバ6は、予定情報に含まれる出発地、目的地、及び、出発時刻と、予約車両情報とに基づいて、推奨経路を探索する。このとき、経路探索サーバ6は、推奨経路それぞれと、予約車両情報に含まれる対応する車両を特定するための情報とを取得する。
【0195】
次に、経路探索サーバ6は、画面表示のための生成用データと、推奨経路と、対応する予約可能な車両に係る情報と、それぞれの経路レベルと、注意箇所及び注意特性とを端末2に送信する。
【0196】
端末2がスマートホンであるときには、端末2は推奨経路の中から1つを選択し、表示経路に設定するとよい。端末2は例えば、推奨経路のうち、目的地に到着するまでに要する時間が最短となる推奨経路を、表示経路に設定するとよい。
【0197】
端末2は表示経路、仮想現在地、及び、表示経路に対応する車両に係る情報に基づいて、仮想現在地において、対応する車両から見た風景となるように、表示画像を生成する。具体的には、端末2は、表示経路及び仮想現在地に基づき、撮像画像サーバ3から仮想現在地における撮像画像を取得する。端末2は撮像画像サーバ3が車高の異なる車両から仮想現在地において撮像された撮像画像を取得しているときには、それらの撮像画像を取得するとよい。
【0198】
次に、端末2は、取得した撮像画像を、表示経路に対応する車両に係る情報に基づいて対応する車両から見た風景となるように加工して前方画像42Aを生成する。その後、端末2は生成した前方画像42Aをタッチパネル2T(入出力装置)に表示する。
【0199】
これにより、表示経路に対応する車両の大きさに基づいて、端末2に表示される前方画像42Aが変更される。
図10(A)及び
図10(B)にはそれぞれ、表示経路や仮想現在地が同じであり、最推奨経路に対応付けられた車両の大きさが異なる場合に、端末2に表示される画面が示されている。
図10(A)では、
図10(B)よりも、表示経路に対応付けられた車両の車高が高い場合の例が示されている。
【0200】
このとき、例えば、端末2がタブレット型端末であるときには、端末2は複数の推奨経路を表示経路に設定する。
【0201】
その後、端末2のプロセッサ2Vは、
図13に示すように、表示経路を示す線41Dが重畳された周辺地
図41Aを、移動距離が短い順に、又は、所要時間が短い順に左右方向に並べ、更に、移動距離及び所要時間が同じ場合には、経路レベル(難易度)の高い順に、表示経路を示す線41Dが重畳された周辺地
図41Aを上方向又は下方向に並べて、タッチパネル2T(入出力装置)に表示する。
【0202】
このとき、端末2のプロセッサ2Vはタッチパネル2Tに、表示経路及び表示経路を移動する予定の日時に予約可能な車両に係る情報に合わせて、対応する経路レベルを難易度として表示するとよい。これにより、利用者は表示経路それぞれに対応する難易度を容易に把握することができる。
【0203】
その他、
図14に示すように、端末2のプロセッサ2Vは、車両(移動体)ごとに、経路レベルの低い順に表示経路を示す線41Dが重畳された周辺地
図41Aを並べて、入出力装置に表示させてもよい。
【0204】
<第3の動作例>
複数の表示経路が設定されたときには、利用者が端末2のタッチパネル2Tに表示するべき経路を抽出できるように構成することが望ましい。例えば、
図13に示すように、端末2のタッチパネル2Tに複数の表示経路が表示されるときには、タッチパネル2Tに入力フォームを表示するためのボタン48が表示されるとよい。
【0205】
ボタン48を押圧すると、端末2のタッチパネル2Tには、抽出するための難易度の上限及び下限を設定するためのスライダーバー50を含む条件入力フォーム49が表示される。スライダーバー50に入力を行うと、入力された難易度の上限に対応する経路レベル上限値が設定され、入力された難易度の下限に対応する経路レベル下限値が設定される。
【0206】
設定されると同時に、端末2は推奨経路の中から、経路レベルが経路レベル下限値以上であり、且つ、経路レベル上限値以下の推奨経路を抽出し、タッチパネル2Tに表示する。
【0207】
図19は、
図15に示す例において、経路レベル上限値が下げられたときのタッチパネル2Tの画面表示を示している。
図19に示すように、スライダーバー50への入力があると同時に、入力された経路レベル上限値より大きな経路レベルをもつ表示経路はタッチパネル2Tに表示されなくなる(破線部分参照)。このように、スライダーバー50への入力に応じて、リアルタイムでタッチパネル2Tの画面表示が変更される。また、端末2のプロセッサ2Vは、適宜、
図3に示すように、タッチパネル2Tにドライバー特性情報の入力を受け付ける入力画面を提示するとよい。入力画面には、苦手項目に対応するスライダーバー12Bが表示される。その後、端末2のプロセッサ2Vは、再度、入力されたドライバー特性情報を経路探索サーバ6に送信し、複数の表示経路を取得して提示するとよい。これにより、利用者は、自分の苦手項目に対応する数値を変更することで、自分の運転操作レベルにあった経路を選択して表示することができる。
【0208】
<第4の動作例>
端末2が車載端末2Bであるときには、端末2のプロセッサ2Vは、位置特定装置14から車両の現在位置を取得し、表示画面を生成して、タッチパネル2Tに表示する。車両の移動が開始され、位置特定装置14によって取得される位置が変わると、端末2のプロセッサ2Vは車両の現在地を示すマップピン41Bの位置を変更して、表示画像を生成し、タッチパネル2Tに表示する。
【0209】
次に、端末2のプロセッサ2Vは、車両の現在地に最も近い注意箇所である最近接注意箇所を取得し、車両の現在地と最近接注意箇所との距離が所定の閾値以下であるかを判定する。閾値以下の場合は、端末2のプロセッサ2Vは、経路探索サーバ6から最近接注意箇所に対応する注意内容を示すテキストを取得して、タッチパネル2Tに表示する。
【0210】
また、車両の移動が開始されると、端末2のプロセッサ2Vは、車両の現在地及び最近接注意箇所の位置情報を教示サーバに送信する。端末2のプロセッサ2Vは、車両の現在地が注意領域内にあり、車両が最近接注意箇所に向かっているときに教示サーバから教示情報を取得する。
【0211】
教示情報を取得すると、端末2のプロセッサ2Vは、教示情報に含まれる視線方向に基づき、ドライバーが注意すべき方向を取得して、利用者に取るべき行動を通知するべく、提示情報をテキストで生成する。その後、端末2のプロセッサ2Vは、提示情報を読み上げるようにスピーカ15Aから音を発生させる(
図16(A)を参照)。
【0212】
次に、このように構成した移動支援装置1の効果について説明する。
【0213】
経路探索サーバ6は、道路リンクデータを含む空間情報と、ドライバー特性情報(利用者情報)及び/又は車両特性情報(移動体情報)に基づいて、推奨経路ごとに難易度を示す経路レベルを算出する。端末2のプロセッサ2Vは、経路探索サーバ6によって取得された経路レベルに基づいて、表示経路それぞれの表示位置を設定する。その後、端末2のプロセッサ2Vは、表示経路(詳細には、表示経路を示す線41Dが重畳された周辺地
図41A)それぞれが対応する表示位置に配置されるように、タッチパネル2Tに表示させる(
図13参照)。
【0214】
このように、経路レベルに基づいて、タッチパネル2T上の表示経路の表示位置が設定される。そのため、表示経路が表示される位置から、利用者がそれぞれに対応する難易度を容易に把握することができる。これにより、経路それぞれの走行の難しさの度合いを利用者が容易に把握できる移動支援装置1を提供することができる。
【0215】
また、複数の表示経路が設定された場合には、移動距離が短い順に(又は、所要時間が短い順)に表示経路が左右方向に並べられた状態でタッチパネル2Tに表示される。また、移動距離及び所要時間が同じ場合には、経路レベル(難易度)の高い順に、表示経路が下方向(又は上方向)に並んでタッチパネル2Tに表示される。そのため、利用者が経路それぞれに対応する移動距離又は所要時間の長短と、難易度の大小とを容易に把握することができる。
【0216】
端末2のタッチパネル2Tに、車両(移動体)ごとに、経路レベル順に表示経路が並んで表示されたときには、利用者は車両ごとに、難易度の異なる経路を把握することができる(
図14参照)。また、移動体の種別を変えることによって、難易度がどのように変化するかを把握することもできる。
【0217】
第3の動作例で示すように、端末2のプロセッサ2Vは、タッチパネル2Tにスライダーバー50等を表示して、経路を移動する際の難易度に係る入力を受け付ける。その後、端末2のプロセッサ2Vは、入力された難易度に対応する経路レベルの表示経路を表示するべき経路に設定し、タッチパネル2Tに表示させる。よって、利用者は自らの運転技術に合った難易度の範囲を入力することで、目的にあった安全に走行できる経路を選択することができる。
【0218】
表示経路それぞれに車両が設定されているときには、端末2のプロセッサ2Vは
図10(A)及び(B)に示すように、その車両から見た風景となるように撮像画像を車両の形状等に応じて変換して前方画像42Aを生成する。その後、端末2のプロセッサ2Vは生成した前方画像42Aをタッチパネル2Tに表示する。よって撮像画像の変換が行われない場合に比べて、端末2のプロセッサ2Vは、より現実に近い周辺画像を利用者に提示することができる。
【0219】
図13及び
図14に示すように、端末2のプロセッサ2Vはタッチパネル2Tに、表示経路及び表示経路を移動する予定の日時に予約可能な車両に係る情報に合わせて、対応する経路レベルを難易度として表示する。これにより、経路の難易度も考慮した上で、車両の予約を行うことができる。
【0220】
図14に示すように、車両ごとに表示経路が分けて表示される場合、その車両ごとに利用可能となるまでの時間が表示される(テキスト47を参照)。これにより、利用者は利用可能となるまでの時間を容易に把握することができ、また、利用可能となるまでの時間を考慮した上で、車両の予約を行うことができる。
【0221】
端末2のプロセッサ2Vは、仮想現在地の位置と、最近接注意箇所の位置とを教示データサーバ5に送信し、対応する教示情報を取得する。その後、端末2のプロセッサ2Vは、仮想現在地が注意領域内に位置しているときには、教示情報に基づいて仮想現在地に対応する地点を通過するに際し注意するべき内容を利用者に通知するための提示情報を生成する。
【0222】
提示情報は例えば、過去の運転者の視線に係る情報であり、端末2は、
図11(A)に示すように、視線方向を示す点を重畳した前方画像42Aを提示情報として生成し、前方画像領域42に表示する。
【0223】
このように、利用者が仮想現在地に対応する位置が注意領域内に設定するとタッチパネル2Tに視線方向が重畳された前方画像42Aが提示される。そのため、利用者が車両を運転操作する前に、事前に仮想現在地に対応する位置において取るべき行動を把握することができる。よって、移動支援装置1は、車両を用いて移動空間内を移動する前に、移動空間内の各地点において取るべき行動を利用者に通知できる。
【0224】
図11(B)に示すように、端末2は、視線の移動方向及び移動量を示すベクトルを前方画像42Aに重畳して提示情報を生成し、前方画像領域42に表示するように構成することも考えられる。この場合にも
図11(A)の場合と同様に、利用者が車両を運転操作する前に、事前に仮想現在地に対応する位置において取るべき行動を把握することができる。
【0225】
教示データサーバ5から視認すべき物体(
図11(C)では車両)の画像を取得したときには、端末2は、
図11(C)に示すように、視認すべき物体の画像を前方画像42Aに重畳して提示情報を生成し、前方画像領域42に表示する。これにより、移動空間の移動に即した注意すべき物体に係る情報が利用者に通知され、利用者は事前に仮想現在地に対応する位置において取るべき行動を把握することができる。
【0226】
最近接注意箇所を通過した後は、最近接注意箇所を通過する際に求められる注意内容は利用者にとって重要ではない。そのため、端末2のプロセッサ2Vは、仮想現在地に対応する位置が注意領域内の最近接注意箇所に向かって移動しているときにタッチパネル2Tに提示情報を提示させ、注意領域内の最近接注意箇所に向かって移動していないときには、タッチパネル2Tによる提示情報の提示を停止するように構成されてもよい。
【0227】
これにより、仮想現在地に対応する位置が最近接注意箇所に向かっているときに提示情報を提示し、仮想現在地に対応する位置が最近接注意箇所から離れるときに提示情報の提示が停止される。よって、仮想現在地に対応する位置が最近接注意箇所を通過した後に、提示情報の提示が停止されるため、利用者にとって重要ではない情報が提示されることが防止できる。
【0228】
端末2が車載端末2Bである場合には、端末2のプロセッサ2Vは、位置特定装置14から車両の現在位置を取得し、表示画面を生成して、タッチパネル2Tに表示する。このとき、車両の現在地が注意領域内にあるときに、端末2のプロセッサ2Vは教示サーバから教示情報を取得する。その後、端末2のプロセッサ2Vは、車両が最近接注意箇所に向かって移動しているときに、利用者に取るべき行動を通知するべく、スピーカ15Aから音声を発生させる(
図16(A)参照)。
【0229】
すなわち、車両が注意領域内に移動すると、スピーカ15Aから利用者に取るべき行動が通知される。よって、移動体を用いて移動空間内を移動するときに、取るべき行動を利用者に通知することのできる移動支援装置1を提供することができる。
【0230】
利用者が取るべき視線に係る情報をタッチパネル2Tに表示した場合、利用者はタッチパネル2Tの表示を確認するため、視線を移動させる必要がある。本実施形態では、スピーカ15Aを介して、教示情報が視線に係るものであるため、具体的な利用者が取るべき視線に係る提示情報が利用者に通知される。そのため、視線移動を要することなく利用者が提示情報を把握することができる。
【0231】
最近接注意箇所を通過した後は、最近接注意箇所を通過する際に求められる注意内容は利用者にとって重要ではない。そのため、端末2のプロセッサ2Vは、車両が最近接注意箇所に向かって移動しているときに、スピーカ15Aから音声を発生させる。
【0232】
すなわち、車両が最近接注意箇所に向かって移動しているときには、スピーカ15Aから報知が行われ、車両が最近接注意箇所に向かって移動していないときには、スピーカ15Aからの報知が停止される。よって、車両が最近接注意箇所を通過した後に、スピーカ15Aからの報知が停止されるため、利用者にとって重要ではない報知が行われることが防止できる。
【0233】
<<第2実施形態>>
第2実施形態に係る移動支援装置1では、端末2が予約サーバ4から予約情報に適合する複数の利用可能車両を取得してタッチパネル2Tに提示し、利用者から複数の利用可能車両の選択を受け付ける。移動支援装置1は、選択された利用可能車両のそれぞれについて、移動空間や表示経路の少なくとも一つの地点について、移動困難性を評価し、タッチパネル2Tに提示する。このように、第2実施形態に係る移動支援装置1は、利用可能車両を用いた場合の移動の困難性(すなわち、容易性)に係る情報を分析して表示する分析装置としての機能を有する。
【0234】
第2実施形態に係る経路探索サーバ6は、第1実施形態と同様に、地図記憶部20と、ポイント情報記憶部21と、注意レベル情報記憶部22と、要素情報記憶部23と、注意レベル情報更新部24と、難易レベル取得部25と、経路レベル取得部26と、経路探索部27と、注意箇所取得部28と、出力処理部29とを有している。更に、
図20に示すように、第2実施形態に係る経路探索サーバ6は機能部として、移動の困難性に係る情報を分析して表示するための分析処理部101を備えている。分析処理部101は、経路探索サーバ6のプロセッサ6Vが所定のプログラムに従って処理を実行することによって構成される。
【0235】
第2実施形態に係る地図記憶部20は、第1実施形態と同様に、移動空間に対応する地図データを記憶している。地図記憶部20は更に、車両の種類(移動体の種類)、すなわち車種ごとに、その車種の車両によって移動可能な移動空間内の領域(以下、移動可能領域)を示す移動可能領域データを記憶している。例えば、トラック等の大型車両の移動可能領域には、道幅の狭い道路は含まれない。
【0236】
移動可能領域データは、移動可能領域を示すデータであればいかなる態様であってもよい。本実施形態では、移動可能領域データは、対応する車両が移動可能な道路を示す画像データによって構成されている。
【0237】
第2実施形態に係る特性情報取得部12は、利用者情報として、利用者が利用したことのある車両の使用履歴を示す利用履歴情報を取得する。利用履歴情報は、例えば、車載端末2Bによって取得されたものであってもよく、また、予約サーバ4によって取得された予約内容に基づくものであってもよい。また、利用履歴情報は、利用者からの入力を受け付けることによって、端末2が取得したものであってもよい。利用履歴情報は、利用者の所有する車両の購入履歴や利用者の個人情報を記憶するサーバに記憶され、そのサーバにアクセスすることによって、特性情報取得部12が取得したものであってもよい。
【0238】
利用履歴情報には、利用者が運転操作を行った車両の種類を特定する情報(製造元、型番等)が含まれる。利用履歴情報は、車両の種類を特定する情報と、対応する車両の利用時間(又は、運転操作を行った時間)とが関連付けて記録されたものであってもよい。
【0239】
端末2は、まず、
図18に示すように、予約サーバ4から取得した情報に基づいて、車両を予約するための車両予約画面を表示する。車両予約画面には、利用可能車両の選択に係る入力を受け付けるボタン56が含まれる。その他、車両予約画面には、選択が完了したことを通知するボタン60が設けられているとよい。
【0240】
ここでは、利用者が2つの利用可能車両の選択した場合について説明する。利用者が2つの利用可能車両を選択した場合には、端末2は移動空間内の表示領域を設定し、分析要求信号を経路探索サーバ6に送信する。利用者が2つの利用可能車両を選択した場合、端末2はタッチパネル2Tに分析ボタン(不図示)を表示し、その分析ボタンへのタッチが検出されると、端末2は分析要求信号を経路探索サーバ6に送信してもよい。分析要求信号には、表示領域を示す表示領域情報と、利用者によって選択された2つの利用可能車両を特定するための選択車両情報と、利用者を特定するための利用者特定情報とが含まれる。
【0241】
分析処理部101は分析要求信号を受信すると、表示領域情報に基づき、表示領域内のポイントを抽出する。
【0242】
その後、分析処理部101は、選択車両情報に基づき、2つの利用可能車両それぞれの車両特性情報を取得する。分析処理部101は、特性情報取得部12と同様に、車両に係る情報を提供するサーバ(車両情報サーバ102)から、利用可能車両それぞれに対応する車両特性情報を取得してもよい。車両特性情報は、車両の車両特性に係るデータであって、その車両特性には、第1実施形態と同様に、例えば、車幅、車高、車長等の車両の形状に係る幾何学的な特性が含まれているとよい。また、車両特性には、最小旋回半径や、加速制動性能等の運動特性が含まれていてもよい。
【0243】
次に、分析処理部101は、利用者特定情報に基づき、特性情報取得部12から対応する利用者のドライバー特性情報(利用者情報)を取得する。ドライバー特性情報には、利用者の利用履歴情報が含まれる。
【0244】
次に、分析処理部101は、難易レベル取得部25から、利用可能車両それぞれについて、利用者の表示領域内の各ポイントにおける難易レベルを取得する。難易レベル取得部25は難易レベルを、注意レベル情報と、車両特性情報と、ドライバー特性情報と、に基づいて算出する。
【0245】
難易レベル取得部25は、第1実施形態と同様に、移動が困難となる要素ごとに、要素難易レベルを算出し、要素難易レベルを合算することによって、難易レベルを算出してもよい。
【0246】
例えば、困難となる要素が道幅である場合には、ポイントにおける道路幅が狭くなるにつれて、利用可能車両の車幅が大きくなるにつれて、利用者の道幅の狭い道に対する苦手レベルが高くなるにつれて、対応する要素難易レベルは高くなる。道路幅が小さく進入が困難であるときには、難易レベル取得部25は、対応する要素難易レベルを所定の閾値(移動可能閾値)を超えるように設定する。
【0247】
このとき、難易レベル取得部25は、利用者の利用履歴から利用可能車両の利用履歴の有無を判定し、利用履歴がある場合には、利用履歴がない場合に比べて、難易レベルを高く設定する。
【0248】
第2実施形態では、難易レベル取得部25は、難易レベルの取得に際し、難易レベルを取得するための時刻を所定の時刻(例えば、午前9時、午前12時等)に設定するとよい。
【0249】
表示領域内の全てのポイントに対して、利用可能車両ごとに、難易レベルの取得が完了すると、分析処理部101は、取得した難易レベルを端末2に送信する。
【0250】
端末2は分析処理部101から難易レベルを取得すると、分析処理部101による分析結果を表示するための表示処理を実行する。分析結果を表示するため、端末2は、第1実施形態と同様の入出力部10と、探索情報取得部11と、特性情報取得部12と、探索結果通知部13に加えて、分析結果表示部103と備えている。分析結果表示部103は、端末2のプロセッサ2Vが所定のプログラムに従って処理を実行することによって構成される。
【0251】
分析結果表示部103は、表示領域内の全てのポイントに対して、利用可能車両ごとの難易レベルを取得すると、所定の難易レベル閾値を設定し、難易レベルが難易レベル閾値以下のポイントを取得する。分析結果表示部103は、利用可能車両ごとに、難易レベルが難易レベル閾値以上のポイントと、難易レベルが難易レベル閾値未満のポイントとの間に境界を設定することにより、移動容易領域を設定する。これにより、移動容易領域は取得された難易レベルが難易レベル閾値以下のポイントを囲むように画定される。
【0252】
移動可能領域は、移動空間内の難易レベルが難易レベル閾値以下の領域であって、利用者にとって、難易レベルが難易レベル閾値より大きい点や領域よりも、移動し易い領域となっている。
【0253】
分析結果表示部103は、利用可能車両ごとに、移動容易領域を取得すると、マップ上に移動容易領域を重畳して、タッチパネル2Tに表示する。
【0254】
以下、分析結果表示部103の構成例を3つ挙げて詳細に説明する。
【0255】
<第1の構成例>
分析結果表示部103(端末2のプロセッサ2V)は、地図記憶部20から地図データを取得し、表示領域に対応するマップ110を生成する。分析結果表示部103は、地図記憶部20から表示領域に対応する部分を含む背景画像を取得し、取得した背景画像から表示領域に対応する部分を切り抜くことによってマップ110を生成するとよい。
【0256】
分析結果表示部103は生成した表示領域に対応するマップ110を2つ用意し、それぞれのマップ110に利用可能車両に対応する移動容易領域111A、111Bをそれぞれ重畳した2つの画像112を生成する。その後、
図21に示すように、分析結果表示部103は生成した2つの画像112を左右(又は上下)に並べ、タッチパネル2Tに表示させる。
【0257】
<第2の構成例>
分析結果表示部103(端末2のプロセッサ2V)は、第1の構成例と同様に、地図記憶部20から地図データを取得し、表示領域に対応するマップ110を生成する。
【0258】
分析結果表示部103は生成した表示領域に対応する1つのマップ110に、移動可能車両に対応する移動容易領域111A、111Bをそれぞれ重畳した1つの画像113を生成する。その後、
図22に示すように、分析結果表示部103は生成した1つの画像113をタッチパネル2Tに表示させる。
【0259】
<第3の構成例>
分析結果表示部103(端末2のプロセッサ2V)は、地図記憶部20から利用可能車両それぞれに対応する移動可能領域データを取得する。その後、分析結果表示部103は移動可能領域データを用いて、移動可能領域を示すマップ115A、115Bを利用可能車両ごとに構成する。本実施形態では、移動可能領域データは移動領域を示す画像であるため、分析結果表示部103は、取得した移動可能領域データを、移動可能領域を示すマップ115A、115Bとして使用する。
【0260】
次に、分析結果表示部103は、利用可能車両ごと(移動体ごと)に生成された移動可能領域を示す2つのマップ115A、115Bに、対応する利用可能車両に対応する移動容易領域116A、116Bを重畳した画像117A、117Bを生成する。これにより、利用可能車両それぞれに対応する2つの画像117A、117Bが生成され、分析結果表示部103は、
図23に示すように、生成された2つの画像117A、117Bをタッチパネル2Tに表示させる。
図23では、左側のマップ115Aは軽自動車、右側のマップ115Bはキックボードに対応している。左側のマップ115Aのうち、右側のマップ115Bには表示されているが、左側のマップ115Aでは表示されなくなる部分は破線によって示されている。
図23に示すように、右側のマップ115Bで、道であることを示す実線で図示されている部分の一部が、左側のマップ115Aでは、表示されないことを示す破線によって図示されている。
【0261】
次に、このように構成した移動支援装置1の動作及び効果について説明する。
【0262】
第1~第3の構成例のいずれにおいても、端末2のプロセッサ2Vは、利用可能車両ごとに移動容易領域を取得し、タッチパネル2Tに表示する。
【0263】
移動容易領域は難易度レベルが難易レベル閾値以下の領域として設定されている。難易レベルは移動体特性情報と利用者情報とに基づき算出され、各ポイントの移動困難性を示す難易度を表す。このように、難易レベルが移動体特性情報と利用者情報とに基づき算出されるため、これにより、利用者は自らの運転技量や及び車両の特性を考慮した各ポイントの移動困難性を把握することができる。よって、利用者の特性及び車両の特性を考慮した移動困難性を提示できる移動支援装置1を提供することができる。
【0264】
第1の構成例では、端末2のプロセッサ2Vは、マップ110に利用可能車両ごとに移動容易領域111A、111Bが重畳された画像112を生成し、それぞれの画像112をタッチパネル2Tに表示させる。これにより、利用者は、タッチパネル2Tの表示によって、車両の種類が異なることによる移動が容易な領域の違いを把握することができる。
【0265】
利用者が利用したことがある利用可能車両と、利用したことがない(利用経験のない)利用可能車両とを選択した場合、その移動可能な領域の違いによって、利用したことがない車両の優位性を理解することができる可能性がある。よって、移動支援装置1によって、利用者に利用したことのない利用可能車両を利用しようとする動機付けを与え、レンタルサービスやシェアサービスの利用が促進されるとも考えられる。
【0266】
このとき、端末2のプロセッサ2Vは、特性情報取得部12から利用履歴情報を取得し、取得した利用履歴情報に基づいて、利用者の利用車両それぞれの利用経験の有無を判定してもよい。
図21及び
図23に示すように、利用経験がない利用車両が含まれるときには、端末2のプロセッサ2Vは、その利用車両の操作習得までに要する時間を、タッチパネル2Tに表示させるとよい。
図21及び
図23では、操作習得までに要する時間をテキスト120によって示した例が示されている。
【0267】
このような処理を可能とするため、車両に係る情報を提供するサーバ(車両情報サーバ102)は、車両の種別と、当該車両の操作習得までに要する時間とが記録された操作習得情報をテーブルとして記憶しているとよい。端末2のプロセッサ2Vは、利用者の利用経験がない車両の種別を示す情報を車両情報サーバ102に送信し、対応する操作習得までに要する時間を取得し、タッチパネル2Tに表示するとよい。その他、利用経験がない車両に免許や資格が必要である場合には、端末2のプロセッサ2Vはタッチパネル2Tにその旨を表示させるとよい。
【0268】
第2の構成例では、端末2のプロセッサ2Vは、利用可能車両それぞれの移動容易領域111A、111Bが重畳された1つの画像113を生成し、タッチパネル2Tに表示させる。これにより、利用者は、重畳された部分の差によって、車両の種類が異なることによる移動が容易な領域の違いを把握することができる。
【0269】
第3の構成例では、端末2のプロセッサ2Vは、移動空間内の利用可能車両による移動可能な領域に対応する移動可能領域を示すマップ115A、115Bに、それぞれの利用可能車両に対応する移動可能領域を重畳した画像117A、117Bを生成し、タッチパネル2Tに表示する。これにより、利用者は、車両ごとの移動可能領域の違いを把握することができる。更に、利用者は、タッチパネル2Tの表示によって、車両の種類が異なることによる移動が容易な領域の違いを把握することができる。
【0270】
<<第3実施形態>>
第3実施形態に係る移動支援装置1は、利用者が所有する車両の移動履歴を端末2が取得可能である点と、端末2が経路探索サーバ6から表示経路上のポイントそれぞれについての難易レベルを取得して、難易レベルに係る表示を行う点とが第1実施形態と異なる。他の構成については、第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。
【0271】
第3実施形態に係る経路探索サーバ6は、
図24に示すように、第1実施形態と同様に、地図記憶部20と、ポイント情報記憶部21と、注意レベル情報記憶部22と、要素情報記憶部23と、注意レベル情報更新部24と、難易レベル取得部25と、経路レベル取得部26と、経路探索部27と、注意箇所取得部28と、出力処理部29とを有している。
【0272】
第3実施形態に係る特性情報取得部12は、利用者情報として、利用者が運転する車両の走行履歴を取得する、走行履歴は、車両の移動空間内の位置の履歴を示すものであって、移動空間内のポイント(点)の集合によって表現されてもよい。
【0273】
走行履歴は、車載端末2BがGPSセンサの検出結果に基づいて取得したものであってもよく、また、車両に搭載された他の端末2がGPSセンサの検出結果に基づいて取得したものであってもよい。車載端末2Bや、その他の車両に搭載された他の端末2は、走行履歴を取得すると、ネットワーク7を介して、プローブデータとしてサーバ(例えば、利用者の個人情報を記憶するサーバ)に送信するように構成されているとよい。
【0274】
第3実施形態に係る移動支援装置1では、第2実施形態と同様、端末2が予約サーバ4から予約情報に適合する複数の利用可能車両を取得してタッチパネル2Tに提示し、利用者から複数の利用可能車両の選択を受け付ける。
【0275】
以下、利用者が利用した経験のある1台の利用可能車両を選択し、タッチパネル2Tに入力を行った場合を例示して説明を行う。
【0276】
端末2は利用可能車両の選択を受け付けると、選択された利用可能車両(以下、利用車両)に対応する経路を表示するべく、出発地、目的地及び出発時間を含む予約情報と、利用者及び利用車両をそれぞれ特定するための情報とを、経路探索サーバ6に送信する。
【0277】
経路探索サーバ6の経路探索部27は、予約情報と、利用者及び利用車両をそれぞれ特定するための情報とを取得すると、利用車両に対応する推奨経路を取得する。経路探索部27は、第1実施形態と同様の方法で、推奨経路を取得するとよい。経路探索部27は、利用車両を特定する情報と、それぞれに対応する推奨経路とを、出力処理部29に出力する。
【0278】
出力処理部29は、経路探索部27から利用車両を特定する情報と、それぞれに対応する推奨経路とを取得すると、難易レベル取得部25から、推奨経路上の全てのポイントに設定された難易レベルと、要素難易レベルとを取得する。
【0279】
出力処理部29は端末2(詳細には、探索結果通知部13)に対して、推奨経路と、利用車両を特定するための情報(以下、利用車両特定情報)と、推奨経路上の全てのポイントの難易レベル及び要素難易レベルと、を端末2に送信する。
【0280】
探索結果通知部13(端末2のプロセッサ2V)は、出力処理部29から、推奨経路、利用車両特定情報、推奨経路上の全てのポイントの難易レベル及び要素難易レベルを受信すると、推奨経路の少なくとも1つを表示経路に設定する。
【0281】
次に、探索結果通知部13は移動空間内に表示経路を含む表示領域を設定する。その後、探索結果通知部13は表示領域に対応する地図データを経路探索サーバ6(地図記憶部20)から取得し、表示領域に対応する地図を示す画像(以下、背景マップ画像)を生成する。探索結果通知部13は地図記憶部20から表示領域に対応する部分を含む背景画像を取得し、取得した背景画像から表示領域に対応する部分を切り抜くことによって背景マップ画像を生成するとよい。
【0282】
背景マップ画像の生成が完了すると、探索結果通知部13は、背景マップ画像に表示経路を示す線41Dを重畳した経路表示画像150を生成する。更に、
図25に示すように、探索結果通知部13は、経路表示画像中の表示経路上のポイントに対応する位置に、そのポイントの難易レベルを示すアイコン152を重畳し、難易度表示画像153を生成する。
【0283】
本実施形態では、難易レベルを示すアイコン152は円であって、難易レベルが高くなるほど、円の半径が大きくなるように設定されている。但し、この態様には限定されず、難易レベルを示すアイコン152は四角形や長方形など四角い棒などであってよい。
【0284】
探索結果通知部13は、
図26に示すように、経路表示画像150中の表示経路に対応する道路に、それぞれの道路上のポイントの難易レベルに応じた濃淡を付与した画像(以下、難易濃淡画像154)を生成する。その後、探索結果通知部13は、難易濃淡画像154を経路表示画像150に重畳することによって、経路表示画像150に難易レベルに応じた濃淡を付した難易度表示画像155(濃淡マップ)を生成してもよい。
【0285】
次に、探索結果通知部13は、利用者を特定するための情報を用いて、特性情報取得部12から対応する利用者の走行履歴を取得する。このとき、探索結果通知部13は特性情報取得部12から移動空間の表示領域に対応する部分の利用者の走行履歴を取得するとよい。
【0286】
探索結果通知部13は、利用者の走行履歴を取得すると、移動空間の表示領域内の各ポイントに対し、走行したことがあるか否かを判定する。その後、探索結果通知部13は、難易度表示画像153、155中の利用者が走行したことがあるポイントに対応する箇所に点159Pを付して、履歴表示画像159を生成する。
【0287】
図25、
図26に示すように、探索結果通知部13は、適宜、利用車両特定情報に基づいて利用車両に係る画像161やテキスト162を生成し、履歴表示画像159とともに、タッチパネル2Tに表示する。このとき、探索結果通知部13は、利用者の走行履歴に対応する車両に係る情報を示す画像163やテキストを、タッチパネル2Tに表示してもよい。
【0288】
図27に示すように、探索結果通知部13は、タッチパネル2Tに入力があると、タッチパネル2Tに選択を受け付けるプルダウンリスト164(ドロップダウンリスト)を表示する。プルダウンリスト164には、交差点、カーブ、道幅等の道路を走行するときに注意しなければならない要因、すなわち、要素が項目として表示される。
【0289】
プルダウンリスト164の項目の選択を受け付けると、探索結果通知部13は、経路表示画像150中の表示経路上のポイントの対応する位置に、
図28、
図29に示すように、選択された項目に対応する要素の要素難易レベルを示すアイコン165を重畳し、要素別の難易度表示画像166を生成する。
【0290】
本実施形態では、要素難易レベルを示すアイコン165は円であって、要素難易レベルが高くなるほど、円の半径が大きくなるように設定されている。すなわち、要素難易レベルはアイコン165の大きさによって表現され、経路表示画像150に重畳して表示される。但し、この態様には限定されず、要素難易レベルを示すアイコン165は四角形や長方形など四角い棒などであってよい。
【0291】
探索結果通知部13は、要素難易レベルを示すアイコン165を要素ごとに対応する色を付し、そのアイコン165を経路表示画像150に重畳して、要素別の難易度表示画像166を生成するとよい。
【0292】
別実施例として、例えば、探索結果通知部13は、
図30に示すように、経路表示画像150中の表示経路に対応する道路の部分を、その部分に対応するポイントの選択された要素に対応する要素難易レベルに応じた濃淡付けすることで、要素別の難易濃淡画像167を生成する。このとき、探索結果通知部13は、要素難易レベルに基づいて、点を配置する密度を設定し、設定された密度で表示経路に対応する道路の部分に配置することにより、濃淡付けするとよい。探索結果通知部13は、要素難易レベルが高くなるほど、点を配置する密度を高め、対応する道路の部分を濃くするとよい。その他、探索結果通知部13は、要素ごとに色を決定し、その色の明度や彩度を要素難易レベルに基づいて変更して、その変更された色で対応する道路の部分を色付けしてもよい。また、探索結果通知部13は、要素ごとに配置する点の色を設定し、更に、要素難易レベルに応じて濃淡を設定することで、要素ごとに要素値(要素難易レベル)に対応する濃淡付けすることで、要素別の難易濃淡画像167を生成してもよい。その後、探索結果通知部13は、要素別の難易濃淡画像167を経路表示画像150に重畳することによって、要素別の難易濃淡画像167を生成してもよい。
【0293】
探索結果通知部13は、その後、
図28~
図30に示すように、要素別の難易度表示画像166や要素別の難易濃淡画像167中の利用者が走行したことがあるポイントに対応する箇所に点168Pを付して、要素別の履歴表示画像168を生成する。その後、探索結果通知部13は要素別の履歴表示画像168を、利用車両に係る画像161やテキスト162とともに、タッチパネル2Tに表示する。
【0294】
利用者が選択する利用可能車両は1台には限定されない。利用者が利用した経験のある2台の利用可能車両を選択し、タッチパネル2Tに入力を行った場合には、探索結果通知部13は、利用車両ごとに履歴表示画像159や要素別履歴表示画像(不図示)を生成する。その後、探索結果通知部13は、
図31に示すように、利用車両それぞれに係る画像161やテキスト162とともに、タッチパネル2Tに表示するとよい。タッチパネル2Tには要素を選択するためのプルダウンメニュー169が設けられているとよい。
【0295】
利用者が選択する利用可能車両は利用した経験のあるものには限定されない。また、利用者が選択する利用可能車両は自動車には限定されず、例えば、自動車と、キックボードとであってもよい。
【0296】
タッチパネル2Tには、利用者の苦手とする要素を自動で抽出するための抽出ボタン171が表示されていてもよい。このような要素を抽出するための処理を実行するため、経路探索サーバ6は機能部として苦手要素抽出部151を備えている。苦手要素抽出部151は、経路探索サーバ6のプロセッサ6Vが所定のプログラムに従って処理を実行することによって構成される。
【0297】
抽出ボタン171へのタッチが検出されると、端末2の判定結果取得部は、表示領域内の各ポイントに対し、利用者が走行したことがあるか否かを判定する。その後、判定結果取得部は、各ポイントの位置を示す情報とともに、ポイントごとの判定結果を経路探索サーバ6に送信する。
【0298】
ポイントごとの判定結果を受信すると、苦手要素抽出部151は、利用者が走行したことがあるポイントの数を算出する。その後、苦手要素抽出部151は、利用者が走行したことがあるポイントの要素別難易レベルを取得し、要素ごとに要素別難易レベルを合計して、利用者が走行したことがあるポイントの数で割り、利用者が走行したことがあるポイントの要素別難易レベルの平均値を要素ごとに算出する。
【0299】
苦手要素抽出部151は、例えば、以下の式(1)を用いて、利用者が走行したことがあるポイントの要素別難易レベルの平均値を要素ごとに算出してもよい。
【0300】
【0301】
式(1)において、iは要素のインデックス、jはポイントのインデックス、Δは利用者が走行したことのあるポイントのインデックスの集合を表す。また、aijは、ポイントjにおける要素iの要素別難易レベル、NΔは利用者が走行したことがあるポイントの数、δiは、利用者が走行したことがあるポイントの要素別難易レベルの平均値を表す。このとき、要素難易レベルが時間に依存する場合には、苦手要素抽出部151は対応する時刻を所定の時刻(例えば、午前12時など)に設定するとよい。
【0302】
次に、苦手要素抽出部151は、利用者が走行したことがないポイントの数を算出する。その後、苦手要素抽出部151は、利用者が走行したことがないポイントの要素別難易レベルを取得し、要素ごとに要素別難易レベルを合計して、利用者が走行したことがないポイントの数で割り、利用者が走行したことがないポイントの要素別難易度の平均値を要素ごとに算出する。
【0303】
苦手要素抽出部151は、例えば、以下の式(2)を用いて、利用者が走行したことがないポイントの要素別難易レベルの平均値を要素ごとに算出してもよい。
【0304】
【0305】
式(2)において、iは要素のインデックス、jはポイントのインデックス、Γは利用者が走行したことのないポイントのインデックスの集合を表す。また、aijは、ポイントjにおける要素iの要素別難易レベル、NΓは利用者が走行したことがないポイントの数、γiは、利用者が走行したことがないポイントの要素別難易レベルの平均値を表す。このとき、要素難易レベルが時間に依存する場合には、苦手要素抽出部151は対応する時刻を所定の時刻(例えば、午前12時など)に設定するとよい。
【0306】
次に、苦手要素抽出部151は、利用者が走行したことがあるポイントの要素別難易レベルの平均値(δi)と、利用者が走行したことがないポイントの要素別難易レベルの平均値(γi)とを、要素ごとに比較し、差が最も大きな要素を苦手要素として取得して、端末2に送信する。
【0307】
探索結果通知部13は、苦手要素抽出部151は苦手要素を取得すると、苦手要素の要素別の履歴表示画像168を生成し、利用車両に係る画像161やテキスト162とともに、タッチパネル2Tに表示する。
【0308】
次に、このように構成した移動支援装置1の動作及び効果について説明する。
【0309】
端末2のプロセッサ2Vは、利用者の走行履歴を取得し、移動空間の表示領域内の利用者が走行したことがあるポイントに点159P、168Pを付した履歴表示画像159及び要素別の履歴表示画像168を生成して、タッチパネル2Tに表示させる(
図25~
図30参照)。これにより、表示領域内の各ポイントについて、利用者が走行したことがあるか否かの判定結果がタッチパネル2Tに表示される。
【0310】
このように、タッチパネル2Tには、表示空間内のポイントについて、移動履歴に基づく移動経験の有無が表示装置に表示される。これにより、タッチパネル2Tの表示によって、利用者は自らが走行した経験があるか否かを容易に理解することができるため、移動空間内のポイントにおいて、移動経験の有無を利用者に提示することのできる移動支援装置1を提供することができる。
【0311】
移動経験の有無は背景マップ画像上の対応する位置の点の有無として表現される。そのため、移動経験がある地点を利用者が容易に把握することができる。
【0312】
探索結果通知部13は、プルダウンリスト164やプルダウンメニュー169の選択に応じて、
図28及び
図29に示すように、背景マップ画像上の各ポイントに対応する位置に、選択された項目に対応する要素の要素難易レベルを示すアイコン165を重畳して表示させる。これにより、利用者は、移動空間内の地点における、移動が困難となる要因と、困難さの度合いとを、視覚的に把握することができる。
【0313】
別の実施例では、探索結果通知部13は、
図30に示すように、ポイントが設けられた道路に対応する部分に、難易レベルに対応する濃淡をつけて、タッチパネル2Tに表示する。これにより、利用者は、移動空間内の地点における、困難さの度合いを容易に把握することができる。また、本実施形態では、探索結果通知部13は、ポイントが設けられた道路に対応する部分に、選択された要素に応じて、対応する要素難易レベルに対応する濃淡をつけて、タッチパネル2Tに表示する。これにより、利用者は、移動が困難となる要因と、その要因による困難さの度合いとを、視覚的に把握することができる。
【0314】
探索結果通知部13は、要素難易レベルを示すアイコン165(円)や濃淡を要素ごとに対応する色を付して、タッチパネル2Tに表示する。これにより、移動空間内の地点における、移動が困難となる要因と、困難さの度合いとを、視覚的に理解することができ、容易に把握することができる。
【0315】
また、抽出ボタン171へのタッチが検出されると、経路探索サーバ6のプロセッサ6Vは、利用者が走行したことがあるポイントの要素別難易レベルの平均値(δi)と、利用者が走行したことがないポイントの要素別難易レベルの平均値(γi)とを、要素ごとに比較し、差が最も大きな要素を苦手要素として取得する。その後、端末2のプロセッサ2Vは、タッチパネル2T(入出力部10)に、対応する苦手要素の要素別の履歴表示画像168を生成して表示させる。これにより、利用者は移動経験のある地点と、移動経験のない地点との、移動に係る困難性の要因の違いを把握することができる。
【0316】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。
【0317】
上記実施形態では、移動支援装置1は、端末2において、目的地、出発地、及び、出発時刻の入力を受け付けて出発地から目的地の経路を検索していたが、出発地から目的地の経路(往路)の入力を受け付けるときに、端末2に目的地から出発地への経路(復路)の経路探索を提案する通知を表示させてもよい。また、移動支援装置1は、端末2において、目的地、出発地、及び、出発時刻の入力と、目的地からの出発時刻の入力とを受け付けて出発地から目的地への往路とともに、目的地から出発地への復路の経路探索を併せて行ってもよい。また、経路探索サーバ6は、ドライバーの予定が記録された予定データベースを有する予定記録サーバ201(
図1参照)に接続し、ドライバーの移動が想定される時刻に応じて経路探索の実行を提案する通知を端末2に行わせてもよい。
【0318】
上記実施形態では、移動支援装置1が、車両を移動(走行)させるための経路を取得するシステムに適用された例を記載したが、車両には、バイクや自転車、キックボード等の二輪車や、車いす等が含まれうる。また、上記実施形態では、移動支援装置1は、車両の経路を検索するように構成されていたが、これには限定されず、人や、船舶、ドローンを含む飛行体等の移動可能な物体(移動体)の経路探索に適用することができる。
【0319】
難易レベルや経路レベルは、空間情報、利用者情報及び車両特性情報(移動体情報)の全てに基づいて算出されてもよく、また、空間情報のみに基づいて算出されてもよい。また、難易レベルや経路レベルは、空間情報と、利用者情報及び車両特性情報の少なくとも一方に基づいて算出されてもよい。
【0320】
上記実施形態において、端末2がスマートホンやタブレットなどの携帯端末2Aである場合や、車載端末2Bである例について記載したが、端末2はデジタル情報を表示させる機能を有する眼鏡型(グラス型)の端末2(いわゆるスマートグラス・ARグラス)であってもよい。その他、端末2は画面表示に代えて、スピーカ15Aを介して利用者に情報を通知するように構成されていてもよい。
【0321】
上記実施形態の例えば、
図13~15、
図19において、端末2には経路レベル(表示経路の難易度)が数値で表示される例を記載したが、数値に代えてL/M/Hといったランクで表示されてもよい。
【0322】
上記実施形態では、表示経路の経路レベル(難易度)に基づいて表示位置が設定されていたが、表示位置に加えて、経路を表示する色や太さが経路レベル(難易度)に基づいて設定されてもよい。
【0323】
上記実施形態において、端末2のプロセッサ2V(経路探索サーバ6のプロセッサ6V)によって行われる処理が、他のプロセッサ、すなわち、撮像画像サーバ3のプロセッサ3V、教示データサーバ5のプロセッサ5V、経路探索サーバ6のプロセッサ6V(端末2のプロセッサ2V)のいずれかによって行われてもよく、それらのプロセッサ3V、5V、6V(2V)のいずれかが協働することによって行われてもよい。また、各種情報は、記憶装置2Z,3Z、5Z、6Zのいずれに記憶されていてもよく、また、それらの記憶装置2Z,3Z、5Z、6Zが分担して記憶していてもよい。
【0324】
本発明によって移動空間内の移動体による移動を支援するべく、移動に際し有用な情報を利用者に提供可能な移動支援装置1が提供される。よって、本発明は交通の安全性や利便性をより一層改善し、持続可能な輸送システムの実現に寄与する。
【符号の説明】
【0325】
1 :移動支援装置
2T :タッチパネル(入出力装置の一例)
2V :プロセッサ
2Z :記憶装置
6V :プロセッサ
6Z :記憶装置