(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014225
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】自動発券機
(51)【国際特許分類】
G07B 5/00 20060101AFI20240125BHJP
B65H 31/26 20060101ALI20240125BHJP
B65H 5/38 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G07B5/00 101
G07B5/00 Z
B65H31/26
B65H5/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116897
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】須賀 勇一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 恭平
【テーマコード(参考)】
3E026
3F054
3F101
【Fターム(参考)】
3E026FA08
3F054AA01
3F054AB03
3F054AC07
3F054BA01
3F054BA13
3F054BB12
3F054BG08
3F054BG11
3F054BJ02
3F054DA21
3F101FA06
3F101FB12
3F101FD10
3F101FE22
3F101LA09
3F101LB01
(57)【要約】
【課題】媒体を安定的に集積させる。
【解決手段】自動発券機1は、チケットTを放出方向へ放出する放出口8と、放出口8よりも下側に設けられ、放出口8から放出されたチケットTを集積させる集積スタッカ40と、放出口8と対向して設けられ、放出口8から放出されたチケットTを集積スタッカ40に誘導する搬送ガイド面30Sbを有する搬送ガイド30とを設け、搬送ガイド30は、集積スタッカ40側の下端部と集積スタッカ40との間に該集積スタッカ40に集積されたチケットTを取り出し可能な受取口34を形成し、搬送ガイド面30Sbに沿う仮想線Lが集積スタッカ40と交差するよう配されるようにする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を放出方向へ放出する放出口と、
前記放出口よりも下側に設けられ、前記放出口から放出された前記媒体を集積させる集積部と、
前記放出口と対向して設けられ、前記放出口から放出された前記媒体を前記集積部に誘導するガイド面を有するガイド部と
を有し、
前記ガイド部は、
前記集積部側の下端部と前記集積部との間に該集積部に集積された前記媒体を取り出し可能な受取口を形成し、前記ガイド面に沿う仮想線が前記集積部と交差するよう配される
ことを特徴とする自動発券機。
【請求項2】
前記集積部は、
前記放出口から放出された前記媒体と当接する突起部をさらに有し、
前記ガイド部は、
前記仮想線が、前記突起部に当接した状態で前記集積部に集積された前記媒体と交差するよう配される
ことを特徴とする請求項1に記載の自動発券機。
【請求項3】
前記集積部は、
前記放出口から放出された前記媒体と当接する突起部をさらに有し、
前記ガイド部は、
前記放出口から放出された後続の前記媒体である後続媒体が、前記突起部に当接した状態で前記集積部に集積されている前記媒体である先行媒体と当接した際に、該後続媒体の重心が該先行媒体との当接箇所よりも前記放出方向側に位置するように配される
ことを特徴とする請求項1に記載の自動発券機。
【請求項4】
前記集積部は、
前記放出口から放出された前記媒体と当接する突起部をさらに有し、
前記突起部は、
前記媒体の状態に応じて、前記媒体の先端と当接可能な第1の当接部と、前記媒体の先端近傍の券面と当接可能な第2の当接部とを含む形状である
ことを特徴とする請求項1に記載の自動発券機。
【請求項5】
前記突起部は、
前記媒体の状態としてのカール癖に応じて、少なくとも前記第1の当接部又は前記第2の当接部の何れかが前記媒体と当接する
ことを特徴とする請求項4に記載の自動発券機。
【請求項6】
長尺のロール紙を巻回した状態で保持するホルダと、
巻回された状態から繰り出された前記ロール紙に印刷を行う印刷部と、
印刷された前記ロール紙を搬送方向に関し所定の長さの前記媒体に裁断するカッタ部と
をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の自動発券機。
【請求項7】
前記ガイド部は、
前記自動発券機において発券される前記媒体のうち前記搬送方向の長さが最も長い最長媒体が前記放出口から外部へ繰り出されて裁断される前の状態における先端部よりも、下側の位置まで前記下端部が延在して配される
ことを特徴とする請求項6に記載の自動発券機。
【請求項8】
前記ガイド部は、少なくとも一部が、前記放出口から放出された前記媒体を外部から視認可能な透明材料により形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の自動発券機。
【請求項9】
前記ガイド部に向かって光を照射し、該ガイド部の内部を介して前記集積部へ光を照射する光源
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の自動発券機。
【請求項10】
前記ガイド部は、
前記ガイド面とは逆側の面である使用者対峙面に形成され、前記光源から照射された光を該使用者対峙面側に向かって屈曲させ照射する光屈曲部
をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の自動発券機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動発券機に関し、例えばチケットを発行する自動発券機に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば交通機関では、顧客に対し切符やチケット等の媒体を発行する自動発券機が設置される場合がある。この自動発券機としては、例えば、ロール紙に印刷を行うヘッドと、ロール紙を裁断するカッタと、切符を放出する発券口と、発券口よりも下側に設けられ切符を収容する券収容室と、券収容室を開閉するように上下動するカバーとを有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような自動発券機においては、印刷され排出された媒体を安定的に集積させることが望まれている。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、媒体を安定的に集積させ得る自動発券機を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明の自動発券機においては、媒体を放出方向へ放出する放出口と、放出口よりも下側に設けられ、放出口から放出された媒体を集積させる集積部と、放出口と対向して設けられ、放出口から放出された媒体を集積部に誘導するガイド面を有するガイド部とを設け、ガイド部は、集積部側の下端部と集積部との間に該集積部に集積された媒体を取り出し可能な受取口を形成し、ガイド面に沿う仮想線が集積部と交差するよう配されるようにした。
【0007】
これにより、カール癖の強弱に応じて集積部に集積される際の媒体の集積姿勢が異なっていたとしても、集積不良を発生させることなくこれらの媒体を安定的に集積部に集積させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、媒体を安定的に集積させ得る自動発券機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】第1の実施の形態による自動発券機の構成を示し、
図1におけるA-A断面図である。
【
図3】ロール紙のカール癖について説明する右側面である。
【
図4】第1の実施の形態による自動発券機においてカール癖の弱いチケットが発行される状態を示し、
図1におけるA-A断面図である。
【
図5】第1の実施の形態による自動発券機においてカール癖の強いチケットが発行される状態を示し、
図1におけるA-A断面図である。
【
図6】比較例の自動発券機の構成を示す断面図である。
【
図7】比較例の自動発券機においてカール癖の弱いチケットが発行される状態を示す断面図である。
【
図8】比較例の自動発券機においてカール癖の強いチケットが発行される状態を示す断面図である。
【
図9】第2の実施の形態による自動発券機の構成を示し、
図1におけるA-A断面図である。
【
図10】第2の実施の形態による搬送ガイド及び光源の構成を示し、(A)は右側面図、(B)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0011】
[1.第1の実施の形態]
[1-1.自動発券機の全体構成]
図1に示すように、自動発券機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば、空港等の交通機関、商業施設や公共施設に設置され、顧客(以下では使用者とも呼ぶ)により操作され、チケットを発券する。
【0012】
筐体2は、その前側に使用者が対峙した状態でチケットの受け取りやタッチパネルによる操作等をしやすい箇所に操作表示部4及び操作部6が設けられている。操作表示部4は、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示機能を有する表示パネルの表面にタッチセンサが組み合わされた、いわゆるタッチパネルとして構成されている。この操作表示部4は、制御部(図示せず)の制御に基づき、種々の表示画面を表示する他、使用者のタッチ操作を受け付けて該制御部に通知する。操作部6には、放出口8が設けられている。放出口8は、種々の内容が印刷されたチケットを集積スタッカ40へ放出する部分である。放出口8の奥側における筐体2の内側には、
図2に示すプリンタ部10が設けられている。
【0013】
以下では、自動発券機1のうち使用者が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、該前側に対峙した使用者から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。また以下では、自動発券機1において取り扱われるチケットのうち、プリンタ部10において搬送される方向である搬送方向(前後方向)の長さが最も長いチケットを最長チケットとも呼ぶ。自動発券機1においては、最長チケットにおける搬送方向の長さは例えば175[mm]に設定されている。
【0014】
[1-2.プリンタ部の構成]
図2に示すように、プリンタ部10は、例えば一般的なサーマルプリンタと類似した構成となっており、ホルダ12、たるみ取りローラ14及びプリンタユニット16を有している。ホルダ12は、感熱紙が巻き芯Pcの周側面にロール状に巻回されたロール紙Pを回転可能に保持する。自動発券機1においては、プリンタユニット16において印刷される印刷面が内側、すなわち巻き芯Pc側を向いた状態でロール紙Pが巻回されている。
【0015】
たるみ取りローラ14は、左右方向に延びる円柱状であり、巻き芯Pcとほぼ同様の上下方向の位置における巻き芯Pcの前側において回転可能に支持されている。このたるみ取りローラ14は、巻き芯Pcよりも下側から繰り出され前方斜め上方向へ向かうロール紙Pの下面に当接して張力を与えることにより、ロール紙Pのたるみを取る。ホルダ12に保持されているロール紙Pは、巻き芯Pcよりも下側から繰り出され前方斜め上方向へ引き出された後、たるみ取りローラ14へ掛け渡されて、該たるみ取りローラ14により前方斜め下方向に折り返され、プリンタユニット16へ到達する。
【0016】
プリンタユニット16は、たるみ取りローラ14の前側に配され、印刷部としてのサーマルヘッドを有しており、熱によりロール紙Pに文字や図形等を印刷する。プリンタユニット16内部には、センサ18及びカッタ20が設けられている。センサ18は、ロール紙Pに等間隔で印刷されたマークを読み取る。カッタ部としてのカッタ20は、放出口8の裏側において該放出口8に近接する位置に設けられ、ロール紙Pを裁断する。
【0017】
かかる構成において自動発券機1は、使用者による操作表示部4及び操作部6への操作に応じてチケットを発行する際、ホルダ12からロール紙Pを繰り出してたるみ取りローラ14を通過させプリンタユニット16により該ロール紙Pに印刷を行い放出口8へ到達させる。このときプリンタ部10は、ロール紙Pに印刷されたマークをセンサ18で読み取り、1枚のチケットTが所定の搬送方向の長さとなった時点でカッタ20でロール紙Pを裁断することにより、放出口8から落下させるようにチケットTを放出する。このときチケットTは、自重により水平方向に対し前下がりに進むような放出方向に沿って放出口8から放出される。
【0018】
このとき自動発券機1は、ロール紙Pの種類によっては、放出口8から前方へロール紙Pを繰り出しつつプリンタユニット16によりロール紙Pに印刷をし終えてから、搬送方向とは逆方向へ僅かにロール紙Pを戻すように搬送し、1枚のチケットTを所定の搬送方向の長さにしてから、カッタ20により該ロール紙Pを裁断する場合もある。
【0019】
自動発券機1は、チケットTの種類にもよるものの、主に、チケットTの長手方向をロール紙Pの搬送方向(前後方向)に、チケットTの短手方向をロール紙Pの搬送幅方向(左右方向)にそれぞれ沿わせた状態で、放出口8から集積スタッカ40へ放出する。放出口8から放出されたチケットTは、搬送ガイド30にガイドされつつ集積スタッカ40まで落下し、該集積スタッカ40に設けられた落下防止突起42に前端近傍が当接することにより前方への移動が規制され、集積スタッカ40又は該集積スタッカ40に集積済みのチケットTの上側に集積される。
【0020】
[1-3.カール癖について]
プリンタ部10は、巻き芯Pcに巻回されたロール紙Pを、下端部近傍から繰り出してプリンタユニット16により印刷を行い放出口8へ到達させる。このときチケットTは、放出口8から放出される際、ロール紙Pが巻き芯Pcに巻回されていたときの形状を少なくともある程度は保持している。このためチケットTは、放出口8から放出され集積スタッカ40に集積される際に、左右側面視で、直線形状と比較して、前後方向の両端部(すなわち搬送方向の先端と後端)が、前後方向(搬送方向)の中央部よりも上側へ向かうように湾曲するような、カール癖が付いている状態となっている。
【0021】
ここで、巻き芯Pcの周側面にロール紙Pが巻き付けられると、
図3に示すように巻き芯Pcの外周に巻付層Pwが形成される。このときの巻き芯Pcは、ロール紙Pが巻き付けられていない状態と比較して、巻き芯Pcの径に巻付層Pwの厚さを足した見かけ上の径が大きくなる。以下ではこの見かけ上の径をロール紙径と呼ぶ。このため、巻き芯Pcに巻回された最外周のロール紙Pは、ロール紙径が大きいほど(すなわち右側面視で巻き芯Pcから遠ざかるほど)曲率が小さくなる一方、ロール紙径が小さいほど(すなわち右側面視で巻き芯Pcに近づくほど)曲率が大きくなる。よって、放出口8から放出されるチケットTは、巻き芯Pcの近くに巻回されていたロール紙Pから裁断されたチケットTほど曲率が大きくなりカール癖が強くなる一方、巻き芯Pcから遠くに巻回されていたロール紙Pから裁断されたチケットTほど曲率が小さくなりカール癖が弱くなる。以下では、巻き芯Pcの近くに巻回されていたロール紙Pから裁断されカール癖が強いチケットTを強巻癖チケットTsとも呼び、巻き芯Pcから遠くに巻回されていたロール紙Pから裁断されカール癖が弱いチケットTを弱巻癖チケットTwとも呼ぶ。このように、放出口8から放出されるチケットTは、該チケットTが裁断される前のロール紙Pにおける巻き芯Pcからの径方向の距離に応じて、カール癖の強弱が異なっている。
【0022】
[1-4.搬送ガイドの構成]
図1及び
図2に示すように、放出口8の下側には、放出口8から放出されたチケットTが落下する際に通過する空間22が筐体2の前面から後方へ凹むように形成されている。この空間22の左側及び右側には、空間22を挟んで左右方向に対向するように、筐体2の一部分の平面である左側搬送ガイド面24L及び右側搬送ガイド面24Rが形成されている。左側搬送ガイド面24L及び右側搬送ガイド面24Rは、放出口8から放出されたチケットTの左側及び右側それぞれをガイドする。またこの空間22の上側には、前下がりで下方向を向くように、筐体2の一部分の平面である上側搬送ガイド面24Uが形成されている。上側搬送ガイド面24Uは、放出口8から放出されたチケットTの上側をガイドする。
【0023】
さらに放出口8の前側には、該放出口8及び空間22と前後方向に対向するように搬送ガイド30が筐体2に固定されて設けられている。搬送ガイド30は、正面視で縦長の四角形状であり、前後方向に所定の厚みを有し、前面である使用者対峙面30Sfと後面である搬送ガイド面30Sbとが平坦な平板形状となっている。また搬送ガイド30は、上下方向に関し、上側搬送ガイド面24Uの先端から、集積スタッカ40の集積面水平部40S2(後述する)の上側までに亘って延設されている。このため搬送ガイド30は、集積スタッカ40側の端部である下端部と集積スタッカ40との間に、該集積スタッカ40に集積されたチケットTを使用者が取り出し可能な受取口34を形成している。また搬送ガイド30は、左右方向に関し、左側搬送ガイド面24Lの前端から右側搬送ガイド面24Rの前端までに亘って延設されている。
【0024】
さらに搬送ガイド30は、鉛直方向に対し上端部を後方に位置させるよう傾斜しており、筐体2の前面とほぼ面一で平行となっている。このため搬送ガイド30は、水平方向に対し前下がりに進むような放出方向に沿って放出口8から放出されたチケットTの前端部又は前端部近傍の上面に搬送ガイド面30Sbを当接させ、チケットTの進行方向を集積スタッカ40の集積面40Sに向かうように下方向へ誘導する。
【0025】
また搬送ガイド30は、透明な材料により形成されている。このため搬送ガイド30は、該搬送ガイド30の前側に位置した使用者に対し、該搬送ガイド30の後側に位置するチケットTを視認可能に構成されている。
【0026】
[1-5.集積スタッカの構成]
集積スタッカ40は、筐体2の前面において放出口8よりも下側に設けられており、上面が開口する形状であり、前面から使用者がアクセス可能に配置されている。この集積スタッカ40は、放出口8から放出され搬送ガイド30によりガイドされたチケットTを、その紙面(券面)を水平方向にほぼ沿わせた状態で集積面40Sの上に上下方向に積み重なるように集積させる。また集積スタッカ40は、チケットTが例えば30枚を上限として集積されるように設定されている。
【0027】
集積面40Sは、後半分程度において前下がりに傾斜し法線が前側上方向を向く平面形状の集積面傾斜部40S1が形成されており、前半分程度において、集積面傾斜部40S1の下端部から前方向へ向かう水平方向に沿った平面形状の集積面水平部40S2が形成されている。集積面傾斜部40S1は、集積面水平部40S2に対し例えば45[°]ほど傾斜している。このため集積スタッカ40は、放出口8から落下してきたチケットTが集積面傾斜部40S1に当接すると該チケットTの移動方向を落下防止突起42へ向けて前方向へ変化させる。
【0028】
集積スタッカ40における集積面40Sの前端部よりも前側には、左右方向に間隔を空けて左右一対の落下防止突起42が上方向に向かって集積面水平部40S2よりも上側まで突出している。突起部としての落下防止突起42は、側面視で上端部が湾曲している。落下防止突起42は、主に、上端面から後端面の下端部までに亘る箇所の何れかに、放出口8から放出され搬送ガイド30及び集積面傾斜部40S1によりガイドされて前方に向かって移動してきたチケットTを当接させることにより、該チケットTの前方への移動を規制する。このため落下防止突起42は、集積スタッカ40からチケットTが飛び出して落下してしまうことを防止する。使用者は、落下防止突起42に当接した状態のチケットTの下側に左右一対の落下防止突起42同士の間の空間から入れた指とチケットTの上側の指とでチケットTを摘んで集積スタッカ40から取り出す。
【0029】
[1-6.配置関係]
搬送ガイド30の下端部は、前後方向に関し、集積面水平部40S2の前端部と後端部との間に位置している。このため、搬送ガイド30の下端部は、前後方向に関し、落下防止突起42に当接して集積された状態のチケットTにおける前端部と後端部との間に位置している。
【0030】
また、搬送ガイド30の搬送ガイド面30Sbに沿う仮想線Lを下方向に向かって延長した場合、該仮想線Lは、集積面水平部40S2の前端部と後端部との間を通過する(すなわち集積面水平部40S2と交差する)。このため、仮想線Lは、落下防止突起42に当接して集積された状態のチケットTにおける前端部と後端部との間を通過する。換言すれば、仮想線Lは、落下防止突起42に当接して集積された状態のチケットTと交差する。
【0031】
放出口8から放出されたチケットTは、最も下側のチケットTが落下防止突起42、集積面水平部40S2及び集積面傾斜部40S1の3点に当接した状態で、集積スタッカ40に集積される。また、
図5に示すように、放出口8から放出された後続の強巻癖チケットTsは、集積済みの強巻癖チケットTsの後端部である当接箇所Cに当接した際に、後続の該強巻癖チケットTsの重心が、該当接箇所Cよりも前側に位置した状態となる。このため自動発券機1は、集積済みの強巻癖チケットTsよりも下側に後続の強巻癖チケットTsが入り込んでしまうことを防止し、集積済みの該強巻癖チケットTsと搬送ガイド30との隙間に後続の強巻癖チケットTsを入り込ませて集積させることができる。
【0032】
自動発券機1は、設定上の上限である30枚のチケットTが集積スタッカ40に集積される場合であっても、このような条件を満たすように、搬送ガイド30の前後方向の位置と、鉛直方向に対する搬送ガイド30の傾斜角度と、集積面水平部40S2の上下方向の位置と、集積面傾斜部40S1に対する集積面水平部40S2の傾斜角とを設定している。
【0033】
さらに、搬送ガイド30は、放出口8(すなわち、カッタ20によりロール紙Pが切断される箇所)から搬送ガイド30の下端まで、搬送ガイド長さLgが例えば200[mm]の長さで延設している。また自動発券機1においては、最長チケットにおける搬送方向の長さである搬送方向長さLtは例えば175[mm]に設定されている。このため、印刷中のロール紙Pは、該ロール紙Pから最長チケットが裁断される場合であっても、少なくとも裁断よりも前の段階においては、該ロール紙Pの下端部は搬送ガイド30の下端部よりも上側に位置している。このため自動発券機1は、裁断前の状態のロール紙Pを搬送ガイド30の内側(すなわち後側)に収まった状態とし搬送ガイド30の下端部よりも下側へ飛び出さないようにすることができる。
【0034】
[1-7.動作]
放出口8から放出されたチケットTは、上述したように、チケットTが裁断される前のロール紙Pにおける巻き芯Pcからの径方向の距離に応じて、チケットTのカール癖の強弱が異なるため、カール癖の強弱に応じて、集積スタッカ40に集積される際の集積姿勢が異なるものとなる。
【0035】
[1-7-1.カール癖が弱い場合]
放出口8から放出されたチケットTが、巻き芯Pcから遠く巻回されていたロール紙Pから裁断されたものでありカール癖が弱い場合(すなわち、弱巻癖チケットTwである場合)、
図4に示すように、集積スタッカ40の落下防止突起42の主に後側の面に弱巻癖チケットTwの前端部が突き当たり、集積される。ここで、自動発券機1は、集積スタッカ40の集積面水平部40S2の位置を放出口8に対し十分低い位置に設定していると共に、搬送ガイド30によって弱巻癖チケットTwの進行方向を下向きに規制している。このため自動発券機1は、集積スタッカ40に既に集積されている弱巻癖チケットTwの上に次の弱巻癖チケットTwを順次集積させることができ、既に集積されている弱巻癖チケットTwを、次に放出された弱巻癖チケットTwが前方へ押し出して落下させてしまうことを防止できる。
【0036】
[1-7-2.カール癖が強い場合]
一方、放出口8から放出されたチケットTが、巻き芯Pcの近くに巻回されていたロール紙Pから裁断されたものでありカール癖が強い場合(すなわち、強巻癖チケットTsである場合)、
図5に示すように、集積スタッカ40の落下防止突起42の主に上側の面に強巻癖チケットTsの下面が乗り上げ、強巻癖チケットTsは落下防止突起42に寄りかかるような状態で集積される。ここで、自動発券機1は、集積スタッカ40の集積面水平部40S2の位置を放出口8に対し十分低い位置に設定していると共に、搬送ガイド30によって強巻癖チケットTsの進行方向を下向きに規制している。このため自動発券機1は、集積スタッカ40に既に集積されている強巻癖チケットTsの上に次の強巻癖チケットTsを順次集積させることができ、既に集積されている強巻癖チケットTsの後端に次に放出された強巻癖チケットTsが乗り上げてバランスを崩して落下してしまうことを防止できる。
【0037】
[1-7-3.落下防止突起にチケットが当接する箇所について]
ここで、チケットTのカール癖が弱い場合、チケットTの前端部が反り返って持ち上がる高さが低くなるため、該チケットT(すなわち、弱巻癖チケットTw)は、落下防止突起42の主に後側の面に前端部が突き当たる。一方、チケットTのカール癖が強い場合、チケットTの前端部が反り返って持ち上がる高さが高くなるため、該チケットT(すなわち、強巻癖チケットTs)は、落下防止突起42の主に上側の面に乗り上げ、その下面が落下防止突起42の主に上側の面に当接する。このようにチケットTは、そのカール癖の強弱に応じて、落下防止突起42におけるどの部分に当接するかが異なるものとなる。すなわち換言すれば、落下防止突起42は、チケットTの先端(前端)と当接可能な後側の面の一部分である第1の当接部42aと、チケットTの券面(下面)における先端近傍と当接可能な上側の面の一部分である第2の当接部42bとを少なくとも含む形状であるとも言える。
【0038】
[1-8.効果等]
図6に、
図1と対応する部材に同一符号を付した比較例の自動発券機1001を示す。自動発券機1001は、自動発券機1と比較して、集積スタッカ1040が集積スタッカ40よりも上側、すなわち上下方向に関し、より放出口8の近くに設けられていると共に、搬送ガイド30が設けられていない点が相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0039】
自動発券機1001においては、弱巻癖チケットTwの場合、
図7に示すように、集積スタッカ1040の落下防止突起1042の主に後側の面に弱巻癖チケットTwの前端部が突き当たり、集積される。このとき、集積された弱巻癖チケットTw同士の後端部の隙間がカール癖によって開き、次に放出された弱巻癖チケットTwが既に集積された弱巻癖チケットTw同士の間に入り込むことで、弱巻癖チケットTwにおける、放出口8から排出された順番と集積スタッカ1040に集積された順番とが変化してしまう可能性がある。また、放出された弱巻癖チケットTwが、その前端を既に集積された弱巻癖チケットTwの後端に衝突させることで、既に集積された弱巻癖チケットTwを集積スタッカ1040から押し出してしまい落下させてしまうという集積不良が発生してしまう可能性がある。
【0040】
一方、自動発券機1001においては、強巻癖チケットTsの場合、
図8に示すように、集積スタッカ1040の落下防止突起42の主に後側の面に強巻癖チケットTsの前端部が突き当たり、集積される。このとき、集積された強巻癖チケットTsの後端部の位置がカール癖によって高くなり、次に放出された強巻癖チケットTsが既に集積された強巻癖チケットTsの後端部に乗り上げてバランスを崩して落下してしまうという集積不良が発生してしまう可能性がある。
【0041】
このように自動発券機1001においては、チケットTが裁断される前のロール紙Pにおける巻き芯Pcからの径方向の距離に応じて、チケットTのカール癖の強弱が異なるため、集積スタッカ1040への集積が不安定になり落下するといった集積不良が発生する可能性がある。
【0042】
これに対し自動発券機1は、集積スタッカ40の集積面水平部40S2の位置を放出口8に対し十分低い位置に設定していると共に、搬送ガイド30によってチケットTの進行方向を下向きに規制している。このため自動発券機1は、集積スタッカ40に既に集積されているチケットTの上に次のチケットTを順次集積させることができ、既に集積されているチケットTを次に放出されたチケットTが前方へ押し出して落下させてしまうことを防止できると共に、既に集積されているチケットTの後端に次に放出されたチケットTが乗り上げてバランスを崩して落下してしまうことを防止できる。
【0043】
このように自動発券機1は、チケットTの状態としてのカール癖の強弱に応じて集積スタッカ40に集積される際のチケットTの集積姿勢が異なっていたとしても、集積不良を発生させることなくこれらのチケットTを安定的に集積スタッカ40に集積させることができる。これにより自動発券機1は、巻回された状態のロール紙Pの径方向に関するどの位置から繰り出され裁断されたチケットTであっても、安定して集積させることができる。これは、切符等、搬送方向の長さが短い媒体ではなく、例えば航空チケット等のような、搬送方向の長さが長くカールしやすい媒体に印刷を行い裁断する場合において特に有用である。
【0044】
また自動発券機1001においては、プリンタユニット16において印刷中のロール紙Pが放出口8から筐体2よりも外側(すなわち前方)へ突出する。このとき自動発券機1001においては、搬送ガイド30が設けられていないため、筐体2から前方へ飛び出している状態で印刷中のロール紙Pを使用者が引っ張ってしまい、印刷不良が発生する可能性があった。
【0045】
これに対し自動発券機1は、放出口8から前方へ突出したロール紙Pから最長チケットが裁断される際に、放出口8から突出したロール紙Pの下端部よりも下側まで搬送ガイド30を延設させるようにした。このため自動発券機1は、ロール紙Pから裁断されるチケットTが最長チケットの場合であっても、プリンタユニット16における少なくとも裁断前の状態である例えば印刷中は、ロール紙Pを搬送ガイド30の内側(すなわち後側)に収まった状態とすることができる。これにより自動発券機1は、チケットTが裁断されるまでは、印刷中にチケットT(すなわちロール紙P)に触れたり引っ張ったりさせないようにでき、印刷品質を安定化させることができる。
【0046】
また自動発券機1は、搬送ガイド30を透明な材料により形成するようにした。このため自動発券機1は、搬送ガイド30の後側に位置するチケットTを使用者に視認させることができ、チケットTの視認性を向上させ、集積スタッカ40からチケットTを取り出しやすくさせることができる。また自動発券機1は、搬送ガイド30の後側に位置するチケットTが印刷されて放出口8から排出される様子を使用者に視認させることができ、自動発券機1が正常に動作していることを確認させることができる。
【0047】
以上の構成によれば自動発券機1は、媒体としてのチケットTを放出方向である前方向へ放出する放出口8と、放出口8よりも下側に設けられ、放出口8から放出されたチケットTを集積させる集積スタッカ40と、放出口8と対向して設けられ、放出口8から放出されたチケットTを集積スタッカ40に誘導するガイド面としての搬送ガイド面30Sbを有する搬送ガイド30とを設け、搬送ガイド30は、集積スタッカ40側の下端部と集積スタッカ40との間に該集積スタッカ40に集積されたチケットTを取り出し可能な受取口34を形成し、搬送ガイド面30Sbに沿う仮想線Lが集積スタッカ40と交差するよう配されるようにした。
【0048】
これにより自動発券機1は、カール癖の強弱に応じて集積スタッカ40に集積される際のチケットTの集積姿勢が異なっていたとしても、集積不良を発生させることなくこれらのチケットTを安定的に集積スタッカ40に集積させることができる。
【0049】
[2.第2の実施の形態]
[2-1.自動発券機の全体構成]
図1と、
図2と対応する部材に同一符号を付した
図9とに示すように、第2の実施の形態による自動発券機101は、第1の実施の形態による自動発券機1と比較して、搬送ガイド130が搬送ガイド30と相違すると共に、光源50が追加されているものの、他の点については同様に構成されている。
【0050】
[2-2.光源及び搬送ガイドの構成]
光源50は、例えばLED(Light Emitting Diode)により構成されており、搬送ガイド130よりも上側に設けられ、搬送ガイド130における上端面に向けて下方向へ光を照射する。
図10に示すように、搬送ガイド130は、使用者対峙面30Sfにおいて、後方へ向かって凹む微細な凹み部130dが例えば3個形成されている。光屈曲部としての凹み部130dは、例えば三角錐形状である。
【0051】
かかる構成において、光源50が光を照射すると、光源50から出射され搬送ガイド130の上端面に入射された光は、搬送ガイド130の内部を通過し、下端面から下側の集積スタッカ40へ向かって放出される。このため、集積スタッカ40に集積されたチケットTは、搬送ガイド130から放出された光により照らし出される。このように自動発券機101は、光源50から光を照射し搬送ガイド130を導光板として用いて集積スタッカ40を照らすようにした。これにより自動発券機101は、チケットTの視認性を向上させることができる。
【0052】
また搬送ガイド130の内部を通過した光は、凹み部130dにおいて反射して搬送ガイド130の前方側へ放出される。このため使用者からは、凹み部130dの形状が光って見える。自動発券機101は、チケットTを発行する際に光源50から光を照射し凹み部130dを光らせることにより、使用者に対し、集積スタッカ40にチケットTが集積されることを気付かせることができ、使用者を誘導できる。これにより自動発券機101は、使用者に対し視認性を向上させることができる。
【0053】
その他、第2の実施の形態による自動発券機101は、第1の実施の形態による自動発券機1と同様の作用効果を奏し得る。
【0054】
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態において自動発券機1は、搬送ガイド30を平板形状とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、自動発券機1は、搬送ガイド30の搬送ガイド面30Sbを湾曲させる等、搬送ガイド30を他の種々の形状としても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0055】
また上述した第1の実施の形態において自動発券機1は、搬送ガイド30全体を透明な材料により形成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、自動発券機1は、搬送ガイド30の一部分や全体を透明ではない他の種々の材料により形成しても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0056】
さらに上述した第2の実施の形態において自動発券機101は、3個の凹み部130dを搬送ガイド130に形成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、自動発券機101は、他の種々の個数の凹み部130dを搬送ガイド130に形成しても良い。
【0057】
さらに上述した第2の実施の形態において自動発券機101は、凹み部130dを三角錐形状とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、自動発券機101は、凹み部130dを他の種々の形状としても良い。
【0058】
さらに上述した第2の実施の形態において自動発券機101は、凹み部130dを搬送ガイド130に形成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、自動発券機101は、凹み部130dを搬送ガイド130に形成しなくても良い。
【0059】
さらに上述した第2の実施の形態において自動発券機101は、使用者対峙面30Sfに凹み部130dを形成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、自動発券機101は、落下するチケットTに引っ掛からないのであれば、搬送ガイド面30Sbに凹み部130dを形成しても良い。
【0060】
さらに上述した第2の実施の形態において自動発券機101は、光源50を搬送ガイド130よりも上側に設け搬送ガイド130の上端面に向けて下方向へ光を照射する場合について述べた。本発明はこれに限らず、自動発券機101は、例えば、光源50を搬送ガイド130よりも右側に設け搬送ガイド130の右端面に向けて左方向へ光を照射し、搬送ガイド130内部において光路を下方向へ変更し、搬送ガイド130の下端面から下側の集積スタッカ40へ向かって光を照射しても良い。
【0061】
さらに上述した実施の形態においては、長尺のロール紙Pに印刷を行い裁断してチケットTとして発行する自動発券機1又は101に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、長尺のロール紙を裁断して媒体として発行する他の種々の装置に本発明を適用しても良い。
【0062】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。また、本発明は、上述した各実施の形態及び上述した他の実施の形態のうち任意の実施の形態に記載された構成の一部を抽出し、上述した実施の形態及び他の実施の形態のうちの任意の実施の形態の構成の一部と置換・転用する場合や、該抽出された構成の一部を任意の実施の形態に追加する場合にも本発明の適用範囲が及ぶものである。
【0063】
さらに上述した第1の実施の形態においては、放出口としての放出口8と、集積部としての集積スタッカ40と、ガイド部としての搬送ガイド30とによって、自動発券機としての自動発券機1を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる放出口と、集積部と、ガイド部とによって、自動発券機を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、例えば使用者にチケットを発行する自動発券機等で利用できる。
【符号の説明】
【0065】
1、101、1001……自動発券機、2……筐体、4……操作表示部、6……操作部、8……放出口、10……プリンタ部、P……ロール紙、Pc……巻き芯、Pw……巻付層、12……ホルダ、14……たるみ取りローラ、16……プリンタユニット、18……センサ、20……カッタ、22……空間、24R……右側搬送ガイド面、24L……左側搬送ガイド面、24U……上側搬送ガイド面、30、130……搬送ガイド、30Sb……搬送ガイド面、30Sf……使用者対峙面、130d……凹み部、34……受取口、40、1040……集積スタッカ、40S……集積面、40S1……集積面傾斜部、40S2……集積面水平部、42……落下防止突起、42a……第1の当接部、42b……第2の当接部、T……チケット、Ts……強巻癖チケット、Tw……弱巻癖チケット、50……光源、L……仮想線。