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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142268
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】半導体集積回路
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H01L27/04 G
H01L27/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054392
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】杉江 尚
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038AC04
5F038AC05
5F038AC07
5F038BG05
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】効率が改善されたチャージポンプ回路を提供する。
【解決手段】フライングキャパシタCfは、金属配線層404にギャップを隔てて形成された櫛形電極E1,E2のペアを備える。半導体基板402には、フライングキャパシタCfとオーバーラップする領域にウェル406が形成される。ウェル406は、櫛形電極E1,E2のペアのうち、ドライバによって駆動される一端e1に対応する一方と電気的に接続される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にチャージポンプ回路が集積化された半導体集積回路であって、
前記チャージポンプ回路は、
フライングキャパシタと、
前記フライングキャパシタの一端にスイッチング電圧を印加するドライバと、
を備え、
前記フライングキャパシタは、金属配線層にギャップを隔てて形成された櫛形電極のペアを含み、
前記半導体基板には、前記フライングキャパシタとオーバーラップする領域にウェルが形成され、
前記ウェルは、前記櫛形電極のペアのうち前記一端に対応する一方と電気的に接続された、半導体集積回路。
【請求項2】
前記櫛形電極のペアは、多層構造を有する、請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記フライングキャパシタは、最上の金属配線層に形成された矩形電極をさらに含む、請求項1または2に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記矩形電極は、櫛形電極のペアのうち、前記一端に対応する前記一方と電気的に接続された、請求項3に記載の半導体集積回路。
【請求項5】
半導体基板上にチャージポンプ回路が集積化された半導体集積回路であって、
前記チャージポンプ回路は、
フライングキャパシタと、
前記フライングキャパシタの一端にスイッチング電圧を印加するドライバと、
を備え、
前記フライングキャパシタは、
金属配線層にギャップを隔てて形成された櫛形電極のペアと、
前記金属配線層よりも下の層に形成された下側矩形電極と、
を含み、
前記下側矩形電極は、前記櫛形電極のペアのうち前記一端に対応する一方と電気的に接続された、半導体集積回路。
【請求項6】
前記櫛形電極のペアは、多層構造を有する、請求項5に記載の半導体集積回路。
【請求項7】
前記フライングキャパシタは、最上の金属配線層に形成された上側矩形電極をさらに含む、請求項1または2に記載の半導体集積回路。
【請求項8】
前記上側矩形電極は、前記櫛形電極のペアのうち、前記一端に対応する前記一方と電気的に接続された、請求項7に記載の半導体集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チャージポンプ回路を備える半導体集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路において、電源電圧より高い電圧が必要な場合、チャージポンプ回路が利用される。チャージポンプ回路は、フライングキャパシタに電荷を蓄え、蓄えた電荷を出力キャパシタに転送する動作を繰り返すことにより、電源電圧よりも高い電圧を生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フライングキャパシタを外付けのチップ部品とすると、アプリケーション回路の部品点数が増加し、コストアップの要因となる。また半導体集積回路には、フライングキャパシタを接続するためのパッドや端子を設ける必要があるため、チップ面積の増加の原因となる。
【0004】
本発明者は、フライングキャパシタを半導体集積回路に集積化することを検討し、以下の課題を認識するに至った。
【0005】
キャパシタは、ギャップを隔てて形成されるメタル電極対を含むメタル容量で形成することができる。メタル容量と半導体基板との間には、寄生容量が存在する。この寄生容量によって、フライングキャパシタに蓄えられた電荷が、半導体基板に漏れることとなり、チャージポンプ回路の効率が低下する。
【0006】
なおこの課題を当業者の一般的な認識として捉えてはならない。さらに言えば、この課題は本発明者が独自に認識したものである。
【0007】
本開示は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、効率が改善されたチャージポンプ回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のある態様は、半導体基板上にチャージポンプ回路が集積化された半導体集積回路に関する。チャージポンプ回路は、フライングキャパシタと、フライングキャパシタの一端にスイッチング電圧を印加するドライバと、を備える。フライングキャパシタは、金属配線層にギャップを隔てて形成された櫛形電極のペアを含む。半導体基板には、フライングキャパシタとオーバーラップする領域にウェルが形成される。ウェルは、櫛形電極のペアのうち一端に対応する一方と電気的に接続される。
【0009】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明あるいは本開示の態様として有効である。さらに、この項目(課題を解決するための手段)の記載は、本発明の欠くべからざるすべての特徴を説明するものではなく、したがって、記載されるこれらの特徴のサブコンビネーションも、本発明たり得る。
【発明の効果】
【0010】
本開示のある態様によれば、チャージポンプ回路の効率を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係るチャージポンプ回路300を備える半導体集積回路の回路図である。
図2図2は、実施形態1に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の斜視図である。
図3図3は、実施形態1に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の断面図である。
図4図4は、比較技術に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の断面図である。
図5図5は、図4のフライングキャパシタを備えるチャージポンプ回路の等価回路図である。
図6図6は、寄生容量を考慮したチャージポンプ回路の回路図である。
図7図7は、変形例1に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の斜視図である。
図8図8は、変形例1に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の断面図である。
図9図9は、変形例2に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の断面図である。
図10図10は、実施形態2に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の斜視図である。
図11図11は、実施形態2に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の断面図である。
図12図12は、寄生容量を考慮したチャージポンプ回路の回路図である。
図13図13は、変形例2に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の断面図である。
図14図14は、半導体集積回路の回路図である。
図15図15は、チャージポンプ回路を備えるモータドライバ回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態の概要)
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を説明する。この概要は、後述する詳細な説明の前置きとして、実施形態の基本的な理解を目的として、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化して説明するものであり、発明あるいは開示の広さを限定するものではない。この概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、すべての実施形態の重要な要素を特定することも、一部またはすべての態様の範囲を線引きすることも意図していない。便宜上、「一実施形態」は、本明細書に開示するひとつの実施形態(実施例や変形例)または複数の実施形態(実施例や変形例)を指すものとして用いる場合がある。
【0013】
一実施形態に係る半導体集積回路は、半導体基板上にチャージポンプ回路が集積化される。チャージポンプ回路は、フライングキャパシタと、フライングキャパシタの一端にスイッチング電圧を印加するドライバと、を備える。フライングキャパシタは、金属配線層にギャップを隔てて形成された櫛形電極のペアを含む。半導体基板には、フライングキャパシタとオーバーラップする領域にウェルが形成される。ウェルは、櫛形電極のペアのうち一端に対応する一方と電気的に接続される。
【0014】
この構成によれば、フライングキャパシタを形成する櫛側電極のペアと、半導体基板の間の寄生容量を減らすことができる。これにより、寄生容量を介した電荷の漏れを低減し、効率を改善できる。
【0015】
一実施形態において、櫛形電極のペアは、多層構造を有してもよい。
【0016】
一実施形態において、フライングキャパシタは、最上の金属配線層に形成された矩形電極をさらに含んでもよい。これにより、フライングキャパシタの容量を増やすことができる。
【0017】
一実施形態において、矩形電極は、櫛形電極のペアのうち、一端に対応する一方と電気的に接続されてもよい。この構成では、矩形電極がウェルと接続されることで、矩形電極がない場合に比べて、ウェルのインピーダンスが小さく見える。これにより、寄生容量を介した電荷の漏れをさらに低減できる。
【0018】
一実施形態に係る半導体集積回路は、半導体基板上にチャージポンプ回路が集積化されて構成される。チャージポンプ回路は、フライングキャパシタと、フライングキャパシタの一端にスイッチング電圧を印加するドライバと、を備える。フライングキャパシタは、金属配線層にギャップを隔てて形成された櫛形電極のペアと、金属配線層よりも下の層に形成された下側矩形電極と、を含む。下側矩形電極は、櫛形電極のペアのうち一端に対応する一方と電気的に接続される。
【0019】
この構成によれば、フライングキャパシタを形成する櫛側電極のペアと、半導体基板の間の寄生容量を減らすことができる。これにより、寄生容量を介した電荷の漏れを低減し、効率を改善できる。
【0020】
一実施形態において、櫛形電極のペアは、多層構造を有してもよい。
【0021】
一実施形態において、フライングキャパシタは、最上の金属配線層に形成された矩形電極をさらに含んでもよい。これにより、フライングキャパシタの容量を増やすことができる。
【0022】
一実施形態において、上側矩形電極は、櫛形電極のペアのうち、一端に対応する一方と電気的に接続されてもよい。この構成では、上側矩形電極が下側矩形電極と接続されることで、上側矩形電極がない場合に比べて、下側矩形電極のインピーダンスが小さく見える。これにより、寄生容量を介した電荷の漏れをさらに低減できる。
【0023】
一実施形態において、半導体集積回路はモータドライバ回路であってもよい。半導体集積回路は、ハイサイドトランジスタのオン、オフを指示する制御信号を生成するロジック回路と、制御信号に応じてハイサイドトランジスタを駆動するハイサイドプリドライバと、をさらに備えてもよい。ハイサイドプリドライバは、出力ラインがハイサイドトランジスタのゲートと接続されており、クロック信号に応じて昇圧電圧を発生し、ハイサイドトランジスタのゲートに供給するチャージポンプ回路と、制御信号がハイサイドトランジスタのオンを指示するオン状態に遷移したことに応答して、チャージポンプ回路を動作させる充電制御回路と、を備えてもよい。
【0024】
(実施形態)
以下、好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施形態は、開示および発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも開示および発明の本質的なものであるとは限らない。
【0025】
本明細書において、「部材Aが、部材Bに接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0026】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0027】
また本明細書に示される波形図やタイムチャートの縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化されている。
【0028】
図1は、実施形態に係るチャージポンプ回路300を備える半導体集積回路400の回路図である。チャージポンプ回路300は、半導体基板上に一体集積化されており、半導体集積回路400の機能ブロックの一つである。
【0029】
チャージポンプ回路300は、フライングキャパシタCf、出力キャパシタCo、ドライバ320、整流素子310,312を備える。なおここに示すチャージポンプ回路300の構成は例示であり、本開示の適用は、特定の構造を有するチャージポンプ回路300に限定されない。
【0030】
チャージポンプ回路300は、入力ライン302に電圧V1を受ける。チャージポンプ回路300は、電圧V1に電圧V2を加算した昇圧電圧Voutを、出力ライン304に発生する。V2=V1とした場合、2倍のチャージポンプ回路となる。
【0031】
ドライバ320は、クロック信号CLKと同期して、フライングキャパシタCfの第1端e1に、スイッチング電圧Vswを印加する。フライングキャパシタCfの第2端e2は、整流素子310を介して入力ライン302と接続される。またフライングキャパシタCfの他端e2は、整流素子312を介して出力ライン304と接続される。整流素子310,312は、ダイオードであってもよいし、クロック信号CLKと同期してスイッチングするトランジスタであってもよい。
【0032】
フライングキャパシタCfは、半導体基板に集積化される。以下、フライングキャパシタCfの構造を、いくつかの実施形態について説明する。
【0033】
(実施形態1)
図2は、実施形態1に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Aの斜視図である。半導体集積回路400Aは、半導体基板402と、半導体基板402の上に形成される少なくともひとつの金属配線層404を備える。金属配線層404はたとばアルミ配線層である。
【0034】
フライングキャパシタCfは、金属配線層404を利用して形成されるメタル容量である。フライングキャパシタCfは、同一の金属配線層404にギャップを隔てて形成された櫛形電極E1,E2のペアを含む。第1櫛形電極E1は、図1において、スイッチング電圧Vswが印加されるフライングキャパシタCfの第1端e1に相当する。第2櫛形電極E2は、図1において、整流素子310,312と接続されるフライングキャパシタCfの第2端e2に相当する。
【0035】
半導体基板402には、フライングキャパシタとオーバーラップする領域にウェル406が形成される。ウェル406は、櫛形電極のペアE1,E2のうち、フライングキャパシタCfの一端e1に対応する一方E1と電気的に接続される。図2の実線410は、ウェル406と櫛形電極E1の間の電気的接続を模式的に示す。
【0036】
以上が半導体集積回路400Aの構成である。
【0037】
図3は、実施形態1に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Aの断面図である。
【0038】
第1櫛形電極E1と第2櫛形電極E2の間に、フライングキャパシタCfの実効的な容量Caが形成される。
【0039】
半導体基板402と金属配線層404の間には、絶縁層(層間絶縁膜)403が存在する。第2櫛形電極E2とウェル406の間に、寄生容量Cbが形成される。さらに、ウェル406と半導体基板402の間に、寄生容量Ccが形成される。
【0040】
半導体集積回路400Aの利点は、比較技術との対比によって明確となる。そこで比較技術について説明する。
【0041】
図4は、比較技術に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Rの断面図である。比較技術に係るフライングキャパシタCfでは、ウェルが形成されていない点で、図3と異なる。比較技術では、第1櫛形電極E1と半導体基板402の間、第2櫛形電極E2と半導体基板402の間に、寄生容量Cdが形成される。
【0042】
図5は、図4のフライングキャパシタCfを備えるチャージポンプ回路300Rの等価回路図である。比較技術では、フライングキャパシタCfの第2端e2と半導体基板402の間に、寄生容量Cdが存在する。フライングキャパシタCfの第2端e2はハイインピーダンスノードであるため、寄生容量Cdの影響を受けやすい。結果として、寄生容量Cdを介して、第2端e2から半導体基板402に向かって電荷が漏れ、チャージポンプ回路300Rの効率が低下する。
【0043】
実施形態1に戻り、その利点を説明する。
【0044】
図6は、寄生容量を考慮したチャージポンプ回路300Aの回路図である。フライングキャパシタCfは、容量Ca,Cb,Ccを含む。容量Caは、図3の電極間容量Caであり、Cb,Ccは、寄生容量である。
【0045】
ウェル406をフライングキャパシタCfの第1端e1と接続したことにより、フライングキャパシタCfの寄生容量Cb,Ccのうち、寄生容量Cbは、電極間容量Caと並列に接続されることとなる。つまり寄生容量Cbを、フライングキャパシタCfの実効的な容量として有効に利用することができる。
【0046】
このフライングキャパシタCfでは、電荷の漏れ経路となるのは、寄生容量Ccである。寄生容量Ccは、フライングキャパシタCfの第1端e1、すなわちドライバ320の出力ノードと接続されており、低インピーダンスノードである。そのため寄生容量Ccの影響を受けにくく、電荷の漏れが比較技術に比べて小さくなる。これによりチャージポンプ回路300Aの効率を改善できる。
【0047】
さらに図3に示す様に、寄生容量Cbは、絶縁層403に起因するものであるから、Cb>Ccの関係が成り立つ。つまり寄生容量Ccは、図4の寄生容量Cdに比べて十分に小さい。そのため、図6のチャージポンプ回路300Aでは、寄生容量Ccを介した電荷の漏れが、比較技術に比べて小さくなる。これにより、チャージポンプ回路300Aの効率を改善できる。
【0048】
続いて、フライングキャパシタCfの変形例を説明する。
【0049】
図7は、変形例1に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Aaの斜視図である。この変形例1において、第1櫛形電極E1および第2櫛形電極E2は、多層構造を有する。この例では、第1櫛形電極E1および第2櫛形電極E2は2層構造であるが、3層以上としてもよい。図中、線412は、異なる配線層の第1櫛形電極E1同士が電気的に接続されることを示している。線414は、異なる配線層の第2櫛形電極E2同士が電気的に接続されることを示している。
【0050】
図8は、変形例1に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Aaの断面図である。このフライングキャパシタCfによれば、櫛形電極を多層構造とすることで実効的な容量Caを増やすことができる。
【0051】
図9は、変形例2に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Abの断面図である。このフライングキャパシタCfは、最上層の金属配線層404_3に形成される矩形電極E3をさらに備える。この矩形電極E3は、第1櫛形電極E1と電気的に接続される。実線416は、矩形電極E3と第1櫛形電極E1との間の電気的な接続を模式的に表している。矩形電極E3は、第1櫛形電極E1および第2櫛形電極E2の形成範囲をカバーする四角形である。
【0052】
この変形例では、第2櫛形電極E2と矩形電極E3の間にも、容量Ca’が形成され、これによりフライングキャパシタCfの実効的な容量を増やすことができる。さらに、矩形電極E3は、第1櫛形電極E1および第2櫛形電極E2よりも広い面積を有する。そのためフライングキャパシタCfの第1端e1のインピーダンスを下げる効果が得られ、半導体基板402への電荷の漏れをさらに低減できる。
【0053】
(実施形態2)
図10は、実施形態2に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Bの斜視図である。半導体集積回路400Bは、半導体基板402と、半導体基板402の上に形成される複数の金属配線層404_1,404_2を備える。
【0054】
フライングキャパシタCfは、金属配線層404_1,404_2を利用して形成されるメタル容量である。フライングキャパシタCfは、同一の金属配線層404_2にギャップを隔てて形成された櫛形電極E1,E2のペアを含む。第1櫛形電極E1は、図1において、スイッチング電圧Vswが印加されるフライングキャパシタCfの第1端e1に相当する。第2櫛形電極E2は、図1において、整流素子310,312と接続されるフライングキャパシタCfの第2端e2に相当する。
【0055】
フライングキャパシタCfはさらに、下側矩形電極E4を備える。下側矩形電極E4は、櫛形電極E1,E2が形成される金属配線層404_2より下側の金属配線層404_1に形成される。下側矩形電極E4は、第1櫛形電極E1および第2櫛形電極E2の形成範囲をカバーする四角形である。
【0056】
下側矩形電極E4は、櫛形電極のペアE1,E2のうち、フライングキャパシタCfの一端e1に対応する一方E1と電気的に接続される。図10の実線411は、下側矩形電極E4と櫛形電極E1の間の電気的接続を模式的に示す。
【0057】
図11は、実施形態2に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Bの断面図である。
【0058】
第1櫛形電極E1と第2櫛形電極E2の間に、フライングキャパシタCfの実効的な容量Caが形成される。
【0059】
第2櫛形電極E2と下側矩形電極E4の間に、寄生容量Ceが形成される。さらに、下側矩形電極E4と半導体基板402の間に、寄生容量Cfが形成される。
【0060】
図12は、寄生容量を考慮したチャージポンプ回路300Bの回路図である。フライングキャパシタCfは、容量Ca,Ce,Cfを含む。容量Caは、図11の電極間容量Caであり、Ce,Cfは、寄生容量である。
【0061】
下側矩形電極E4をフライングキャパシタCfの第1端e1と接続したことにより、フライングキャパシタCfの寄生容量Ce,Cfのうち、寄生容量Ceは、電極間容量Caと並列に接続されることとなる。つまり寄生容量Ceを、フライングキャパシタCfの実効的な容量として有効に利用することができる。
【0062】
このフライングキャパシタCfでは、電荷の漏れ経路となるのは、寄生容量Cfである。寄生容量Cfは、フライングキャパシタCfの第1端e1、すなわちドライバ320の出力ノードと接続されており、低インピーダンスノードである。そのため寄生容量Cfの影響を受けにくく、電荷の漏れが比較技術に比べて小さくなる。これによりチャージポンプ回路300Bの効率を改善できる。
【0063】
続いて実施形態2の変形例を説明する。
【0064】
(変形例1)
実施形態2においても、櫛形電極E1,E2を多層構造としてもよい。
【0065】
(変形例2)
図13は、変形例2に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Bbの断面図である。このフライングキャパシタCfは、最上層の金属配線層404_3に形成される上側矩形電極E5をさらに備える。この上側矩形電極E5は、第1櫛形電極E1と電気的に接続される。実線415は、上側矩形電極E5と第1櫛形電極E1との間の電気的な接続を模式的に表している。上側矩形電極E5は、下側矩形電極E4と同様に、第1櫛形電極E1および第2櫛形電極E2の形成範囲をカバーする四角形である。
【0066】
この変形例では、第2櫛形電極E2と上側矩形電極E5の間にも、容量Ca’が形成され、これによりフライングキャパシタCfの実効的な容量を増やすことができる。さらに、上側矩形電極E5は、第1櫛形電極E1および第2櫛形電極E2よりも広い面積を有する。そのためフライングキャパシタCfの第1端e1のインピーダンスを下げる効果が得られ、半導体基板402への電荷の漏れをさらに低減できる。
【0067】
続いて、半導体集積回路400の具体例を説明する。
【0068】
図14は、半導体集積回路400の回路図である。半導体集積回路400は、チャージポンプ回路300、オシレータ450、負荷回路460を備える。オシレータ450は、クロック信号CLKを生成する。チャージポンプ回路300は、クロック信号CLKと同期してスイッチング動作し、電源電圧Vccを昇圧して、電源電圧Vccより高い出力電圧VOUTを生成する。出力電圧VOUTは負荷回路460に供給される。
【0069】
チャージポンプ回路300は、クロック入力ノードclkin、基準入力ノードrefin、出力ノードout、入力ライン302、出力ライン304、第1トランジスタM11~第4トランジスタM14、第1フライングキャパシタCf1、第2フライングキャパシタCf2、ドライバ320を備える。
【0070】
クロック入力ノードclkinには、オシレータ450からのクロック信号CLKが供給される。基準入力ノードrefinには、第1電圧V1として電源電圧VCCが供給される。入力ライン302は基準入力ノードrefinと接続される。出力ライン304は、出力ノードoutを介して負荷回路460が接続される。第1フライングキャパシタCf1および第2フライングキャパシタCf2はそれぞれ、第1端および第2端を有する。出力ライン304には、出力キャパシタが接続されてもよい。
【0071】
第1トランジスタM11および第2トランジスタM12はPMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。第1トランジスタM11は、第1電極(ソース)が出力ライン304と接続され、第2電極(ドレイン)が第1フライングキャパシタCf1の第2端と接続される。第1トランジスタM11の制御電極(ゲート)は、第2フライングキャパシタCf2の第2端と接続される。
【0072】
第2トランジスタM12は、第1電極(ソース)が出力ライン304と接続され、第2電極(ドレイン)が第2フライングキャパシタCf2の第2端と接続される。第2トランジスタM12の制御電極(ゲート)は第1フライングキャパシタCf1の第2端と接続される。
【0073】
第3トランジスタM13および第4トランジスタM14は、NMOSトランジスタである。第3トランジスタM13は、第1電極(ソース)が入力ライン302と接続され、第2電極(ドレイン)が第1フライングキャパシタCf1の第2端と接続される。第3トランジスタM13の制御電極(ゲート)は第2フライングキャパシタCf2の第2端と接続される。
【0074】
第4トランジスタM14は、第1電極(ソース)が入力ライン302と接続され、第2電極(ドレイン)が第2フライングキャパシタCf2の第2端と接続され、制御電極(ゲート)が第1フライングキャパシタCf1の第2端と接続される。
【0075】
第1トランジスタM11および第2トランジスタM12は、図1の整流素子310に対応する。第3トランジスタM13および第4トランジスタM14は、図1の整流素子312に対応する。
【0076】
ドライバ320は、クロック信号CLKと同期して、第1フライングキャパシタCf1の第1端e1に、第2電圧V2(=Vcc)をハイとする第1パルス電圧Vp1を印加する。第1パルス電圧Vp1のローレベルは、接地電圧であってもよいし、第1電圧V1と接地電圧の間の任意の電圧であってもよい。
【0077】
またドライバ320は、クロック信号CLKと同期して、第2フライングキャパシタCf2の第1端に、第2電圧V2(=Vcc)をハイとする、第1パルス電圧Vp1と逆相の第2パルス電圧Vp2を印加する。
【0078】
ドライバ320は、第1インバータ322、第2インバータ324を含む。
【0079】
第1インバータ322および第2インバータ324それぞれの上側電源端子には、第2電圧V2が供給される。第1インバータ322および第2インバータ324それぞれの下側電源端子は接地してもよいし、任意の電圧を与えてもよい。
【0080】
第1インバータ322は、クロック信号CLKを反転し、第1パルス電圧Vp1として第1フライングキャパシタCf1の第1端e1に印加する。第2インバータ324は、第1インバータ322の出力である第1パルス電圧Vp1を反転し、第2パルス電圧Vp2として第2フライングキャパシタCf2の第1端e1に印加する。
【0081】
フライングキャパシタCf1,Cf2に、上述した構造を採用することができる。
【0082】
続いてチャージポンプ回路300の用途を説明する。チャージポンプ回路300は、モータドライバ回路に利用することができる。
【0083】
図15は、チャージポンプ回路300を備えるモータドライバ回路100の回路図である。モータの相数は特に限定されず、単相であってもよいし、多相(たとえば3相)であってもよい。
【0084】
モータドライバ回路100は、インバータのレグ102と接続される。レグ102は、上アームであるハイサイドトランジスタM1と、下アームであるローサイドトランジスタM2と、を含む。
【0085】
モータドライバ回路100は、ロジック回路120、ハイサイドプリドライバ130、ローサイドプリドライバ140、チャージポンプ回路300を備える。
【0086】
ロジック回路120は、入力信号INに応じて、ハイサイドトランジスタM1のオン、オフを指示する制御信号CTRLHを生成する。またロジック回路120は、入力信号INに応じて、ローサイドトランジスタM2のオン、オフを指示する制御信号CTRLLを生成する。
【0087】
ハイサイドプリドライバ130は、制御信号CTRLHに応じてハイサイドトランジスタM1を駆動する。ローサイドプリドライバ140は、制御信号CTRLLに応じてローサイドトランジスタM2を駆動する。
【0088】
モータドライバ回路100のブートストラップ端子BSTとスイッチング端子OUTの間には、ブートストラップキャパシタCBSTが接続される。
【0089】
ブートストラップ回路は、スイッチングが停止すると、ブートストラップ端子BSTの電圧を維持できなくなる。そこでモータドライバ回路100は、トリクルチャージポンプ回路を備える。トリクルチャージポンプ回路は、チャージポンプ回路300と、電流源CS1を含む。
【0090】
チャージポンプ回路300は、昇圧電圧VCPを発生する。電流源CS1は、昇圧電圧VCPを電源として動作し、BST端子に電流を供給して充電する。これにより、スイッチングが停止した状態でも、ハイサイドトランジスタM1のオン状態を維持することが可能となる。
【0091】
なお、チャージポンプ回路300の用途はモータドライバ回路には限定されず、Nチャンネルのハイサイドトランジスタを駆動するさまざまなドライバ回路に利用することができる。さらに言えば、チャージポンプ回路300の用途は、ハイサイドトランジスタの駆動に限定されるものではなく、電源電圧VCCより高い電圧が必要とされるさまざまな集積回路に利用することができる。
【0092】
(付記)
本明細書には以下の技術が開示される。
【0093】
(項目1)
半導体基板上にチャージポンプ回路が集積化された半導体集積回路であって、
前記チャージポンプ回路は、
フライングキャパシタと、
前記フライングキャパシタの一端にスイッチング電圧を印加するドライバと、
を備え、
前記フライングキャパシタは、金属配線層にギャップを隔てて形成された櫛形電極のペアを含み、
前記半導体基板には、前記フライングキャパシタとオーバーラップする領域にウェルが形成され、
前記ウェルは、前記櫛形電極のペアのうち前記一端に対応する一方と電気的に接続された、半導体集積回路。
【0094】
(項目2)
前記櫛形電極のペアは、多層構造を有する、項目1に記載の半導体集積回路。
【0095】
(項目3)
前記フライングキャパシタは、最上の金属配線層に形成された矩形電極をさらに含む、項目1または2に記載の半導体集積回路。
【0096】
(項目4)
前記矩形電極は、櫛形電極のペアのうち、前記一端に対応する前記一方と電気的に接続された、項目3に記載の半導体集積回路。
【0097】
(項目5)
半導体基板上にチャージポンプ回路が集積化された半導体集積回路であって、
前記チャージポンプ回路は、
フライングキャパシタと、
前記フライングキャパシタの一端にスイッチング電圧を印加するドライバと、
を備え、
前記フライングキャパシタは、
金属配線層にギャップを隔てて形成された櫛形電極のペアと、
前記金属配線層よりも下の層に形成された下側矩形電極と、
を含み、
前記下側矩形電極は、前記櫛形電極のペアのうち前記一端に対応する一方と電気的に接続された、半導体集積回路。
【0098】
(項目6)
前記櫛形電極のペアは、多層構造を有する、項目5に記載の半導体集積回路。
【0099】
(項目7)
前記フライングキャパシタは、最上の金属配線層に形成された上側矩形電極をさらに含む、項目1または2に記載の半導体集積回路。
【0100】
(項目8)
前記上側矩形電極は、前記櫛形電極のペアのうち、前記一端に対応する前記一方と電気的に接続された、項目7に記載の半導体集積回路。
【符号の説明】
【0101】
100 モータドライバ回路
M1 ハイサイドトランジスタ
M2 ローサイドトランジスタ
110 オシレータ
120 ロジック回路
130 ハイサイドプリドライバ
132 チャージポンプ回路
136 ターンオフ回路
138 充電制御回路
140 ローサイドプリドライバ
SW1 第1スイッチ
SW2 第2スイッチ
SW3 第3スイッチ
300 チャージポンプ回路
302 入力ライン
304 出力ライン
Cf,Cf1,Cf2 フライングキャパシタ
310,312 整流素子
E1 第1櫛形電極
E2 第2櫛形電極
E3 矩形電極
E4 下側矩形電極
E5 上側矩形電極
M11 第1トランジスタ
M12 第2トランジスタ
M13 第3トランジスタ
M14 第4トランジスタ
320 ドライバ
322 第1インバータ
324 第2インバータ
400 半導体集積回路
402 半導体基板
403 絶縁層
404 金属配線層
406 ウェル
450 オシレータ
460 負荷回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にチャージポンプ回路が集積化された半導体集積回路であって、
前記チャージポンプ回路は、
フライングキャパシタと、
前記フライングキャパシタの一端にスイッチング電圧を印加するドライバと、
を備え、
前記フライングキャパシタは、金属配線層にギャップを隔てて形成された櫛形電極のペアを含み、
前記半導体基板には、前記フライングキャパシタとオーバーラップする領域にウェルが形成され、
前記ウェルは、前記櫛形電極のペアのうち前記一端に対応する一方と電気的に接続された、半導体集積回路。
【請求項2】
前記櫛形電極のペアは、多層構造を有する、請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】
前記フライングキャパシタは、最上の金属配線層に形成された矩形電極をさらに含む、請求項1または2に記載の半導体集積回路。
【請求項4】
前記矩形電極は、櫛形電極のペアのうち、前記一端に対応する前記一方と電気的に接続された、請求項3に記載の半導体集積回路。
【請求項5】
半導体基板上にチャージポンプ回路が集積化された半導体集積回路であって、
前記チャージポンプ回路は、
フライングキャパシタと、
前記フライングキャパシタの一端にスイッチング電圧を印加するドライバと、
を備え、
前記フライングキャパシタは、
金属配線層にギャップを隔てて形成された櫛形電極のペアと、
前記金属配線層よりも下の層に形成された下側矩形電極と、
を含み、
前記下側矩形電極は、前記櫛形電極のペアのうち前記一端に対応する一方と電気的に接続された、半導体集積回路。
【請求項6】
前記櫛形電極のペアは、多層構造を有する、請求項5に記載の半導体集積回路。
【請求項7】
前記フライングキャパシタは、最上の金属配線層に形成された上側矩形電極をさらに含む、請求項5または6に記載の半導体集積回路。
【請求項8】
前記上側矩形電極は、前記櫛形電極のペアのうち、前記一端に対応する前記一方と電気的に接続された、請求項7に記載の半導体集積回路。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
図1図1は、実施形態に係るチャージポンプ回路を備える半導体集積回路の回路図である。
図2図2は、実施形態1に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の斜視図である。
図3図3は、実施形態1に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の断面図である。
図4図4は、比較技術に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の断面図である。
図5図5は、図4のフライングキャパシタを備えるチャージポンプ回路の等価回路図である。
図6図6は、寄生容量を考慮したチャージポンプ回路の回路図である。
図7図7は、変形例1-1に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の斜視図である。
図8図8は、変形例1-1に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の断面図である。
図9図9は、変形例1-2に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の断面図である。
図10図10は、実施形態2に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の斜視図である。
図11図11は、実施形態2に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の断面図である。
図12図12は、寄生容量を考慮したチャージポンプ回路の回路図である。
図13図13は、変形例2-2に係るフライングキャパシタを備える半導体集積回路の断面図である。
図14図14は、半導体集積回路の回路図である。
図15図15は、チャージポンプ回路を備えるモータドライバ回路の回路図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
一実施形態において、フライングキャパシタは、最上の金属配線層に形成された上側矩形電極をさらに含んでもよい。これにより、フライングキャパシタの容量を増やすことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
(実施形態1)
図2は、実施形態1に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Aの斜視図である。半導体集積回路400Aは、半導体基板402と、半導体基板402の上に形成される少なくともひとつの金属配線層404を備える。金属配線層404はたとばアルミ配線層である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
このフライングキャパシタCfでは、電荷の漏れ経路となるのは、寄生容量Ccである。寄生容量Ccは、フライングキャパシタCfの第1端e1、すなわちドライバ320の出力ノードと接続されており、フライングキャパシタCfの第1端e1は低インピーダンスノードである。そのためフライングキャパシタCfの第1端e1は寄生容量Ccの影響を受けにくく、電荷の漏れが比較技術に比べて小さくなる。これによりチャージポンプ回路300Aの効率を改善できる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
図7は、変形例1-1に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Aaの斜視図である。この変形例1-1において、第1櫛形電極E1および第2櫛形電極E2は、多層構造を有する。この例では、第1櫛形電極E1および第2櫛形電極E2は2層構造であるが、3層以上としてもよい。図中、線412は、異なる配線層の第1櫛形電極E1同士が電気的に接続されることを示している。線414は、異なる配線層の第2櫛形電極E2同士が電気的に接続されることを示している。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
図8は、変形例1-1に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Aaの断面図である。このフライングキャパシタCfによれば、櫛形電極を多層構造とすることで実効的な容量Caを増やすことができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
図9は、変形例1-2に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Abの断面図である。このフライングキャパシタCfは、最上層の金属配線層404_3に形成される矩形電極E3をさらに備える。この矩形電極E3は、第1櫛形電極E1と電気的に接続される。実線416は、矩形電極E3と第1櫛形電極E1との間の電気的な接続を模式的に表している。矩形電極E3は、第1櫛形電極E1および第2櫛形電極E2の形成範囲をカバーする四角形である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
このフライングキャパシタCfでは、電荷の漏れ経路となるのは、寄生容量Cfである。寄生容量Cfは、フライングキャパシタCfの第1端e1、すなわちドライバ320の出力ノードと接続されており、フライングキャパシタCfの第1端e1は低インピーダンスノードである。そのためフライングキャパシタCfの第1端e1は寄生容量Cfの影響を受けにくく、電荷の漏れが比較技術に比べて小さくなる。これによりチャージポンプ回路300Bの効率を改善できる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
(変形例2-1)
実施形態2においても、櫛形電極E1,E2を多層構造としてもよい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
(変形例2-2)
図13は、変形例2-2に係るフライングキャパシタCfを備える半導体集積回路400Bbの断面図である。このフライングキャパシタCfは、最上層の金属配線層404_3に形成される上側矩形電極E5をさらに備える。この上側矩形電極E5は、第1櫛形電極E1と電気的に接続される。実線415は、上側矩形電極E5と第1櫛形電極E1との間の電気的な接続を模式的に表している。上側矩形電極E5は、下側矩形電極E4と同様に、第1櫛形電極E1および第2櫛形電極E2の形成範囲をカバーする四角形である。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
(項目7)
前記フライングキャパシタは、最上の金属配線層に形成された上側矩形電極をさらに含む、項目5または6に記載の半導体集積回路。
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正の内容】
図15