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特開2024-142269モータのコントローラ回路、制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142269
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】モータのコントローラ回路、制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 29/00 20160101AFI20241003BHJP
【FI】
H02P29/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054393
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】清水 立郎
【テーマコード(参考)】
5H501
【Fターム(参考)】
5H501GG03
5H501GG05
5H501GG10
5H501JJ24
(57)【要約】
【課題】外乱に対してロバストなモータのコントローラ回路を提供する。
【解決手段】フィードバック回路210は、モータの制御量yの検出値と、制御量の指令値rの誤差eに応じた操作量uを生成する。外乱オブザーバ220は、指令値uを入力、制御量yを出力とする系の伝達関数H(s)を有し、指令値rを、伝達関数H(s)に入力することにより、仮想制御量y^を生成し、仮想制御量y^と制御量yの検出値の差分に応じた外乱推定値d^にもとづいて指令値rを補正する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータのコントローラ回路であって、
前記モータの制御量の検出値と、前記制御量の指令値の誤差に応じた操作量を生成する補償器と、
前記指令値を入力、前記制御量を出力とする系の伝達関数を有し、前記指令値を、前記伝達関数に入力することにより、仮想制御量を生成し、前記仮想制御量と前記制御量の検出値の差分に応じた外乱推定値にもとづいて前記指令値を補正する外乱オブザーバと、
を備える、コントローラ回路。
【請求項2】
前記制御量は、前記モータのコイルに流れる電流である、請求項1に記載のコントローラ回路。
【請求項3】
前記制御量は、前記モータの回転数である、請求項1に記載のコントローラ回路。
【請求項4】
モータのコントローラ回路であって、
前記モータに流れる電流を制御量とするマイナーループを制御するメジャーコントローラと、
前記モータの回転数を制御量とするメジャーループを制御するマイナーコントローラと、
を備え、
前記メジャーコントローラおよび前記マイナーコントローラの少なくとも一方は、
前記モータの制御量の検出値と、前記制御量の指令値の誤差に応じた操作量を生成する補償器と、
前記指令値を入力、前記制御量を出力とする系の伝達関数を有し、前記指令値を、前記伝達関数に入力することにより、仮想制御量を生成し、前記仮想制御量と前記制御量の検出値の差分に応じた外乱推定値にもとづいて前記指令値を補正する外乱オブザーバと、
を備える、コントローラ回路。
【請求項5】
モータの制御方法であって、
前記モータの制御量の検出値と、前記制御量の指令値の誤差に応じた操作量を生成するステップと、
前記指令値を入力、前記制御量を出力とする系の伝達関数を有するフィルタに前記指令値を入力することにより、仮想制御量を生成するステップと、
前記仮想制御量と前記制御量の検出値の差分に応じた外乱推定値にもとづいて前記指令値を補正するステップと、
を備える、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータのコントローラ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
モータの制御に、PI(比例・積分)補償器を利用したフィードバック制御が広く採用される。補償器の係数の設定方法はさまざまなものが考案されているが、その中に零極相殺法と呼ばれるものがある。零極相殺法で設計された制御システムは、入出力間の伝達特性H(s)は、一次ステップ応答と等価となり、次式で表される。
H(s)=1/(1+sT)
【0003】
この制御ループに対して、外乱が混入した場合、その手前までのゲインを大きくしないと、外乱の影響を抑制することが難しい。一方で、ゲインを不必要に大きくすることは、系の安定性の観点から好ましくない。
【0004】
外乱の影響を抑制するために、外乱推定と呼ばれる制御手法が採られる場合がある。外乱推定では、外乱をオブザーバー(推定器)によって推定し、フィードバックすることで外乱を相殺し、システムに作用する外乱の影響を抑圧することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-191071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、外乱に対してロバストなモータのコントローラ回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある態様に係るモータのコントローラ回路は、モータの制御量の検出値と、制御量の指令値の誤差に応じた操作量を生成する補償器と、指令値を入力、制御量を出力とする系の伝達関数を有し、指令値を、伝達関数に入力することにより、仮想制御量を生成し、仮想制御量と制御量の検出値の差分に応じた外乱推定値にもとづいて指令値を補正する外乱オブザーバと、を備える。
【0008】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本開示のある態様によれば外乱に対してロバストなモータのコントローラ回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係るコントローラ回路を備えるモータ駆動システムのブロック図である。
図2図2は、実施例1に係るモータ駆動システムのブロック図である。
図3図3は、図2のモータ駆動システムの動作波形図である。
図4図4は、実施例2に係るモータ駆動システムのブロック図である。
図5図5は、実施例3に係るモータ駆動システムの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態の概要)
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を説明する。この概要は、後述する詳細な説明の前置きとして、実施形態の基本的な理解を目的として、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化して説明するものであり、発明あるいは開示の広さを限定するものではない。この概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、すべての実施形態の重要な要素を特定することも、一部またはすべての態様の範囲を線引きすることも意図していない。便宜上、「一実施形態」は、本明細書に開示するひとつの実施形態(実施例や変形例)または複数の実施形態(実施例や変形例)を指すものとして用いる場合がある。
【0012】
一実施形態に係るコントローラ回路は、モータのコントローラ回路であって、モータの制御量の検出値と、制御量の指令値の誤差に応じた操作量を生成する補償器と、指令値を入力、制御量を出力とする系の伝達関数を有し、指令値を、伝達関数に入力することにより、仮想制御量を生成し、仮想制御量と制御量の検出値の差分に応じた外乱推定値にもとづいて指令値を補正する外乱オブザーバと、を備える。
【0013】
この構成によると、指令値rに対して期待される制御量の応答を、系と同じ伝達関数H(s)を有するフィルタ222によって推定し、期待される制御量の応答y^と、実際の応答yの差分を、予期しないもの、すなわち外乱として利用する。こうして得られた外乱を用いて、指令値rを補正することにより、外乱dの影響を抑制できる。
【0014】
一実施形態において、制御量は、モータのコイルに流れる電流であってもよい。
【0015】
一実施形態において、制御量は、モータの回転数であってもよい。
【0016】
一実施形態に係るコントローラ回路は、モータに流れる電流を制御量とするマイナーループを制御するメジャーコントローラと、モータの回転数を制御量とするメジャーループを制御するマイナーコントローラと、を備える。メジャーコントローラおよびマイナーコントローラの少なくとも一方は、モータの制御量の検出値と、制御量の指令値の誤差に応じた操作量を生成する補償器と、指令値を入力、制御量を出力とする系の伝達関数を有し、指令値を、伝達関数に入力することにより、仮想制御量を生成し、仮想制御量と制御量の検出値の差分に応じた外乱推定値にもとづいて指令値を補正する外乱オブザーバと、を備える。
【0017】
(実施形態)
以下、好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0018】
図1は、実施形態に係るコントローラ回路200を備えるモータ駆動システム100のブロック図である。モータ駆動システム100は、モータ102、コントローラ回路200および駆動回路300を備える。
【0019】
モータ102は、たとえば、三相あるいは単相のDCブラシレスモータである。
【0020】
コントローラ回路200は、モータ102が目標とする状態で回転するように、モータ102に供給する電気信号(電力、電圧あるいは電流)をフィードバック制御する。このモータ駆動システム100において、制御量(システムの出力)yは特に限定されず、モータ102のコイルに流れる電流であってもよいし(トルク制御)、モータ102のロータの回転数(回転数制御)であってもよい。モータ102がリニアモータである場合には、制御量yは、可動子の位置であってもよい。
【0021】
コントローラ回路200は、制御量yの検出値と、制御量yの指令値rの誤差eに応じた操作量uを生成する。コントローラ回路200は、マイクロコントローラ(プロセッサ)と、ソフトウェアプログラムの組み合わせで実装してもよいし、FGPA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアロジックで実装してもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)として実装してもよい。
【0022】
駆動回路300は、操作量uに応じた電気信号を、モータ102に供給する。すなわち操作量uが電圧指令である場合、駆動回路300は、操作量uにもとづく駆動電圧をモータ102に供給する。操作量uが電流指令である場合、駆動回路300は、操作量uにもとづく駆動電流をモータ102に供給する。
【0023】
コントローラ回路200と駆動回路300は、別々のIC(Integrated Circuit)であってもよいし、同じ半導体基板に集積されたひとつのICであってもよい。
【0024】
コントローラ回路200は、フィードバック回路210および外乱オブザーバ220を備える。フィードバック回路210は、誤差検出器212およびPI補償器214を備える。誤差検出器212は減算器であり、外乱オブザーバ220によって補正された指令値r’と、検出された制御量y(フィードバック量)の誤差eを算出する。PI補償器214は、誤差eを受け、操作量uを生成する。比例ゲインをKp、積分ゲインをKiとするとき、操作量uは次式で表される。
u=(Kp+Ki/s)・e
【0025】
PI補償器214のパラメータKi、Kpは、一例として、系110の伝達関数H(s)が一次ステップ応答を有するように零極相殺法を利用して定めることができる。
【0026】
外乱オブザーバ220について説明する。
【0027】
外乱オブザーバ220は、指令値r’を入力、制御量yを出力とする系110の伝達関数H(s)と同様な伝達特性H(s)を有する。外乱オブザーバ220は、指令値rを、伝達関数H(s)に入力することにより、仮想制御量y^を生成する。外乱オブザーバ220は、仮想制御量y^と制御量yの検出値の差分に応じた外乱推定値d^を計算する。そして外乱オブザーバ220は、外乱推定値d^にもとづいて指令値rを補正し、補正後の指令値r’をフィードバック回路210に入力する。
【0028】
外乱オブザーバ220は、フィルタ222、外乱算出部224、補正部226を含む。フィルタ222は、系110と同様な伝達特性H(s)を有しており、指令値rを伝達関数H(s)に入力することにより、仮想制御量y^を計算する。外乱算出部224は、仮想制御量y^と制御量yの検出値の差分に応じた外乱推定値d^を生成する。補正部226は、指令値rに外乱推定値d^を加算(もしくは減算)することにより、補正された指令値r’を生成する。
【0029】
以上がコントローラ回路200の構成である。
【0030】
このモータ駆動システム100では、系110が指令値rに対して一次の応答が期待されている。指令値rに対して期待される応答を、系110と同じ伝達関数H(s)を有するフィルタ222によって推定し、期待される応答y^と、実際の応答yの差分を、予期しないもの、すなわち外乱として利用する。こうして得られた外乱を用いて指令値rを補正することにより、外乱dの影響を抑制できる。
【0031】
フィードバック回路210および駆動回路300を備える従来のコントローラ回路200に対して、外乱オブザーバ220を追加すればよく、基本の制御系であるフィードバック回路210や駆動回路300に改良を加える必要がないという利点がある。
【0032】
また本実施形態に係るコントローラ回路200は、PI補償器214を含む系全体の実際の特性と、それに期待される特性のとの差分を、外乱として利用することとしている。そのため、PI補償器214を含まない特性を利用した外乱推定に比べて、パラメータの誤差の影響を受けにくいという利点がある。
【0033】
本開示は、図1のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、方法に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本開示の範囲を狭めるためではなく、本開示や本発明の本質や動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例や実施例を説明する。
【0034】
(実施例1)
図2は、実施例1に係るモータ駆動システム100Aのブロック図である。この実施例において、モータ駆動システム100Aは、モータ102のコイルに流れる電流(コイル電流)iを制御量とする。
【0035】
コントローラ回路200はコイル電流iの指令値irefと、コイル電流の検出値ifbの誤差が0に近づくように、モータ102に印加すべき駆動電圧Vdrvを指示する電圧指令Vrefを生成する。
【0036】
駆動回路300は、電圧指令Vrefに比例する駆動電圧Vdrvを、モータ102に印加する。駆動回路300の駆動方式は特に限定されない。PWM駆動方式の場合、駆動回路300Aは、パルス幅変調器とインバータを含んでもよい。その場合、パルス幅変調器が生成するパルス信号のデューティサイクルが、電圧指令Vrefに応じて調節される。
【0037】
リニア方式の場合、駆動回路300Aは、電圧指令Vrefを増幅し、駆動電圧Vdrvを生成するリニアアンプを含みうる。
【0038】
コントローラ回路200Aの構成は図1で説明したそれと同様であるため説明は省略する。
【0039】
図3は、図2のモータ駆動システム100Aの動作波形図(シミュレーション結果)である。波形(i)は、モータ駆動システム100Aのコイル電流iの波形であり、波形(ii)は、比較技術におけるコイル電流iの波形である。比較技術は、外乱オブザーバ220を省略した回路に相当する。
【0040】
シミュレーションでは、時刻tにステップ状の外乱dを入力したときの応答を計算している。比較技術では、外乱によってコイル電流iが大きく増加し、目標電流irefに収束するまでの時間が長い。これに対して、実施形態では、コイル電流iの増加幅を抑制することができ、目標電流irefに収束するまでの時間も大幅に短縮できている。
【0041】
(実施例2)
図4は、実施例2に係るモータ駆動システム100Bのブロック図である。モータ駆動システム100Bは、モータ102、駆動回路300およびコントローラ回路400Bを備える。コントローラ回路400Bは、メジャーコントローラ410と、マイナーコントローラ420Bを備える。
【0042】
メジャーコントローラ410は、モータ102の回転数ωを制御量としてフィードバック制御を行う。メジャーコントローラ410は、回転数ωの指令値ωrefと、回転数ωの検出値ωfbを受け、それらの誤差eが0に近づくように、電流指令iref(トルク指令)を生成する。メジャーコントローラ410は、誤差検出器412およびPI補償器414を含みうる。速度制御では、PI補償器414に代えて、PID補償器を用いる場合もある。
【0043】
マイナーコントローラ420Bは、モータ102のコイル電流iを制御量としてフィードバック制御を行う。マイナーコントローラ420Bは、コイル電流iの指令値irefとコイル電流iの検出値ifbの誤差が0に近づくように、電圧指令Vrefを生成する。マイナーコントローラ420Bは、実施例1で説明したコントローラ回路200Aと同じ構成を有しており、外乱オブザーバ220を含んでいる。
【0044】
(実施例3)
図5は、実施例3に係るモータ駆動システム100Cの回路図である。モータ駆動システム100Cのコントローラ回路400Cは、実施例2と同様に、メジャーコントローラ410Cおよびマイナーコントローラ420を備える。
【0045】
実施例3では、メジャーコントローラ410Cに、図1のコントローラ回路200の外乱オブザーバ220が組み込まれている。外乱オブザーバ220のフィルタ222は、補正後の回転数の指令値ωrefを入力、回転数ωを出力とする系120の伝達関数G(s)を有している。
【0046】
実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示あるいは本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0047】
図1に示した外乱オブザーバ220の構成は例示であり、演算の順序や、加算、減算は変更することができる。
【0048】
実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにさまざまな変形例が存在すること、またそうした変形例も本開示または本発明の範囲に含まれることは当業者に理解されるところである。
【0049】
(付記)
本明細書に開示される技術は、一側面において以下のように把握することができる。
【0050】
(項目1)
モータのコントローラ回路であって、
前記モータの制御量の検出値と、前記制御量の指令値の誤差に応じた操作量を生成する補償器と、
前記指令値を入力、前記制御量を出力とする系の伝達関数を有し、前記指令値を、前記伝達関数に入力することにより、仮想制御量を生成し、前記仮想制御量と前記制御量の検出値の差分に応じた外乱推定値にもとづいて前記指令値を補正する外乱オブザーバと、
を備える、コントローラ回路。
【0051】
(項目2)
前記制御量は、前記モータのコイルに流れる電流である、項目1に記載のコントローラ回路。
【0052】
(項目3)
前記制御量は、前記モータの回転数である、項目1に記載のコントローラ回路。
【0053】
(項目4)
モータのコントローラ回路であって、
前記モータに流れる電流を制御量とするマイナーループを制御するメジャーコントローラと、
前記モータの回転数を制御量とするメジャーループを制御するマイナーコントローラと、
を備え、
前記メジャーコントローラおよび前記マイナーコントローラの少なくとも一方は、
前記モータの制御量の検出値と、前記制御量の指令値の誤差に応じた操作量を生成する補償器と、
前記指令値を入力、前記制御量を出力とする系の伝達関数を有し、前記指令値を、前記伝達関数に入力することにより、仮想制御量を生成し、前記仮想制御量と前記制御量の検出値の差分に応じた外乱推定値にもとづいて前記指令値を補正する外乱オブザーバと、
を備える、コントローラ回路。
【0054】
(項目5)
モータの制御方法であって、
前記モータの制御量の検出値と、前記制御量の指令値の誤差に応じた操作量を生成するステップと、
前記指令値を入力、前記制御量を出力とする系の伝達関数を有するフィルタに前記指令値を入力することにより、仮想制御量を生成するステップと、
前記仮想制御量と前記制御量の検出値の差分に応じた外乱推定値にもとづいて前記指令値を補正するステップと、
を備える、制御方法。
【符号の説明】
【0055】
100 モータ駆動システム
102 モータ
200 コントローラ回路
210 フィードバック回路
212 誤差検出器
214 PI補償器
220 外乱オブザーバ
222 フィルタ
224 外乱算出部
226 補正部
300 駆動回路
400 コントローラ回路
410 メジャーコントローラ
420 マイナーコントローラ
図1
図2
図3
図4
図5