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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142284
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】梱包体積載体および梱包体
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/68 20060101AFI20241003BHJP
   B65D 19/38 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B65D85/68 Z
B65D19/38 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054420
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】駿河 美咲
(72)【発明者】
【氏名】宮治 辰夫
(72)【発明者】
【氏名】平峯 祐太
(72)【発明者】
【氏名】神沢 祐太郎
(72)【発明者】
【氏名】千葉 直人
【テーマコード(参考)】
3E037
3E063
【Fターム(参考)】
3E037AA20
3E037BA03
3E037BA07
3E063AA14
3E063BA05
3E063CA01
3E063EE01
(57)【要約】
【課題】被梱包体への局所的な衝撃を抑制する。
【解決手段】被梱包体が置かれる本体部と、本体部に設けられ、被梱包体の荷重を受ける荷重受け部を有する荷重受け部材と、を備え、荷重受け部は、被梱包体が横移動した場合に、水平面に対して傾斜がつくことを特徴とする梱包体積載体である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被梱包体が置かれる本体部と、
前記本体部に設けられ、前記被梱包体の荷重を受ける荷重受け部を有する荷重受け部材と、
を備え、
前記荷重受け部は、前記被梱包体が横移動した場合に、水平面に対して傾斜がつくことを特徴とする梱包体積載体。
【請求項2】
被梱包体が置かれる本体部と、
前記本体部に設けられ、前記被梱包体の荷重を受ける荷重受け部を有する荷重受け部材と、
を備え、
前記荷重受け部材は、前記荷重受け部の間の領域で前記本体部に固定されることを特徴とする梱包体積載体。
【請求項3】
一端が前記荷重受け部材に固定され、前記被梱包体が横移動した場合に当該被梱包体の一部に接触して当該被梱包体の横移動を規制する規制部をさらに備え、
前記荷重受け部は、前記規制部が横方向の力を受けると一部が浮き上がることを特徴とする請求項2に記載の梱包体積載体。
【請求項4】
前記荷重受け部材は長手方向に延びる部材であることを特徴とする請求項3に記載の梱包体積載体。
【請求項5】
前記本体部は、前記長手方向と交差する短手方向に亘って前記荷重受け部材を支えることを特徴とする請求項4に記載の梱包体積載体。
【請求項6】
前記荷重受け部は、前記規制部が前記短手方向の力を受けた場合に比べて、当該規制部が前記長手方向に力を受けるとより浮き上がることを特徴とする請求項5に記載の梱包体積載体。
【請求項7】
前記本体部は、前記荷重受け部に接触し衝撃を緩和する緩衝部材を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の梱包体積載体。
【請求項8】
前記緩衝部材は、前記荷重受け部の前記被梱包体の荷重を受ける面とは異なる面に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の梱包体積載体。
【請求項9】
被梱包体が置かれる本体部と、
前記被梱包体を覆う箱体と、
前記本体部に設けられ、前記被梱包体の荷重を受ける荷重受け部を有する荷重受け部材と、
を備え、
前記荷重受け部は、前記被梱包体が横移動した場合に、水平面に対して傾斜がつくことを特徴とする梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包体積載体および梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、製品を運搬する際の衝撃を緩和するために、各種の緩衝材が用いられる。これらの緩衝材は、製品を梱包する梱包材の中で製品が移動しないように、製品と梱包材との隙間を埋めている。これらの緩衝材は、一般に、使い切りのものが多くリユースがされないことが多い。この使い切りの緩衝材を削減するために、再利用できるパレットに緩衝部材を設けるものがある。
例えば、特許文献1には、梱包装置本体としてのベース部と、ベース部の上方に空間を形成して配置される受板と、受板とベース部の間に介在するよう設けられた緩衝部材とを有する梱包装置が示されている。
例えば、特許文献2には、物品を運搬するためのパレットと、パレット上に置かれ物品運搬時、荷扱い時、保管時等の振動、衝撃等を吸収するための緩衝部材と、緩衝部材上に配して物品を乗せるためのボード材とからなり、パレット上面に、少なくとも緩衝部材を嵌め込む凹部を設けることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-69925号公報
【特許文献2】特開2004-99150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
梱包体と被梱包体の間の隙間を埋める緩衝材を有しない場合、被梱包体の側面と梱包体の内面とに隙間が生じる。例えば、被梱包体に横方向に力が加わると、この被梱包体が傾き、梱包体の内面に局所的に衝突することがある。
本発明は、被梱包体への局所的な衝撃を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、被梱包体が置かれる本体部と、前記本体部に設けられ、前記被梱包体の荷重を受ける荷重受け部を有する荷重受け部材と、を備え、前記荷重受け部は、前記被梱包体が横移動した場合に、水平面に対して傾斜がつくことを特徴とする梱包体積載体である。
請求項2に記載の発明は、被梱包体が置かれる本体部と、前記本体部に設けられ、前記被梱包体の荷重を受ける荷重受け部を有する荷重受け部材と、を備え、前記荷重受け部材は、前記荷重受け部の間の領域で前記本体部に固定されることを特徴とする梱包体積載体である。
請求項3に記載の発明は、一端が前記荷重受け部材に固定され、前記被梱包体が横移動した場合に当該被梱包体の一部に接触して当該被梱包体の横移動を規制する規制部をさらに備え、前記荷重受け部は、前記規制部が横方向の力を受けると一部が浮き上がることを特徴とする請求項2に記載の梱包体積載体である。
請求項4に記載の発明は、前記荷重受け部材は長手方向に延びる部材であることを特徴とする請求項3に記載の梱包体積載体である。
請求項5に記載の発明は、前記本体部は、前記長手方向と交差する短手方向に亘って前記荷重受け部材を支えることを特徴とする請求項4に記載の梱包体積載体である。
請求項6に記載の発明は、前記荷重受け部は、前記規制部が前記短手方向の力を受けた場合に比べて、当該規制部が前記長手方向に力を受けるとより浮き上がることを特徴とする請求項5に記載の梱包体積載体である。
請求項7に記載の発明は、前記本体部は、前記荷重受け部に接触し衝撃を緩和する緩衝部材を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の梱包体積載体である。
請求項8に記載の発明は、前記緩衝部材は、前記荷重受け部の前記被梱包体の荷重を受ける面とは異なる面に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の梱包体積載体である。
請求項9に記載の発明は、被梱包体が置かれる本体部と、前記被梱包体を覆う箱体と、前記本体部に設けられ、前記被梱包体の荷重を受ける荷重受け部を有する荷重受け部材と、を備え、前記荷重受け部は、前記被梱包体が横移動した場合に、水平面に対して傾斜がつくことを特徴とする梱包体である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、被梱包体への局所的な衝撃を抑制することができる。
請求項2の発明によれば、被梱包体への局所的な衝撃を抑制することができる。
請求項3の発明によれば、被梱包体が梱包体内で傾くことを抑制することができる。
請求項4の発明によれば、被梱包体から受ける荷重を分散することができる。
請求項5の発明によれば、長手方向の浮き上がりを大きくすることができる。
請求項6の発明によれば、長手方向の浮き上がりを大きくすることができる。
請求項7の発明によれば、被梱包体への衝撃を緩和することができる。
請求項8の発明によれば、被梱包体への衝撃を緩和することができる。
請求項9の発明によれば、被梱包体への局所的な衝撃を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態が適用される梱包体を用いて、複合機を梱包した状態を示す斜視図である。
図2】本実施の形態に係る輸送用パレットを説明するための斜視図である。
図3】輸送用パレットの内部を説明するための分解図である。
図4】複合機が輸送用パレットに対して横方向に移動し、箱体と接触した状態を示す模式図である。
図5図4の領域Vの拡大図である。図5(A)は、複合機が横移動し、規制部材に接触し始めた状態を示す図であり、図5(B)は、複合機がさらに横移動した状態を示す図である。
図6】輸送用パレットに対する規制部材の位置が変化しない比較例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0009】
図1は、本実施の形態が適用される梱包体1を用いて複合機100を梱包した状態を示す斜視図である。図1では、箱体10を破線で示し、複合機100と輸送用パレット20とを実線で示している。輸送用パレット20が梱包体積載体の一例である。
図示するように、複合機100は、輸送用パレット20の上面に置かれた後に、箱体10で覆われる。複合機100には、複合機100を支える脚としてキャスタ101が設けられており、4本のキャスタ101によって複合機100は支えられている。
【0010】
箱体10は、複合機100の側面を保護する四角筒状の側面部11と、複合機100の上面を保護する蓋部12とを備える。箱体10の側面部11は、四角筒の形状で構成され、下端部と上端部は開口している。複合機100を梱包する際には、輸送用パレット20上に複合機100を載せた状態で、箱体10の側面部11の下部の開口から複合機100を包み込むように通して、箱体10の下端部を輸送用パレット20に接触させて、箱体10を置く。
そして、箱体10の側面部11における上端部の開口を蓋部12で塞ぎ、箱体10によって複合機100を梱包する。本実施の形態では、箱体10は、いわゆる段ボ-ルによって形成される。この段ボールは、波状に成形した紙の両面に厚紙を貼り合わせたものであり、紙部材により構成される。なお、箱体10の材質はこれに限られず、例えば、樹脂素材により形成されてもよい。
【0011】
次に、図2および図3を用いて、輸送用パレット20について説明する。
図2は、本実施の形態に係る輸送用パレット20を説明するための斜視図である。また図3は、輸送用パレット20の内部を説明するための分解図である。なお、図3では、2つあるプレート30のうちの一方のみを取り外して図示しており、他方のプレート30で隠れた箇所も同様の構造を有する。
【0012】
図2に示すように、輸送用パレット20は、輸送用パレット20の主構造である本体部21と、複合機100のキャスタ101から荷重を受けるプレート30と、複合機100の横方向への移動を規制する規制部材50とを備える。本実施の輸送用パレット20は、樹脂素材により形成される。プレート30が荷重受け部材の一例である。本実施の形態では、プレート30を2つ有しているが、プレート30の数は、限定されず、単数でも、3つ以上有していてもよい。
【0013】
図2および図3に示すように、本体部21は、輸送用パレット20を支える土台となるフット22と、箱体10の位置合わせをする当て部23と、プレート30を輸送用パレット20に固定する固定部24と、複合機100への衝撃を緩衝させる緩衝部材25と、この緩衝部材25を収納する収納部26と、を備える。
【0014】
フット22は、本体部21の下側に設けられ、輸送用パレット20の四方に4つ設けられる。また、複数設けられるフット22は、フォークリフトのフォークを通す空洞を有する。
【0015】
箱体10の位置合わせをする当て部23は、本体部21の上面の四隅にそれぞれに設けられる突起である。当て部23は、図2で眺める方向、すなわち輸送用パレット20を上側から見たときに、直角三角形の長辺が弓なり状に凹んでいる形状で構成される。そして、4つの当て部23の各々の直角部を結んで形成される矩形領域が、輸送用パレット20の外形の内側に決められた間隔を保って形成されるように、4つの当て部23が配置される。そして、この4つの当て部23の各々の直角部を結んで形成される矩形領域が、箱体10の下端部の開口の領域に対応している。
【0016】
プレート30を輸送用パレット20に固定する固定部24は、図3の縦方向において輸送用パレット20の中央領域に設けられ、本体部21の上面から下側に、プレート30の厚さDだけ落ち込ませ、本体部21の上面と平行な面を形成している。この平行な面は、矩形の形状で構成される。
固定部24は、プレート30との位置合わせをする凸部28と、プレート30を固定するネジを締めるためのネジ止め部29とを備える。凸部28は、例えば円柱の形状で構成される突起である。この凸部28は、例えば図3の縦方向において固定部24の中央領域に設けられ、幅方向に2つなど、複数並んで設けられる。ネジ止め部29は、ネジ穴であり、矩形の形状で構成される固定部24の、例えば四隅に設けられる。
【0017】
緩衝部材25は、プレート30の下方に設けられ、プレート30を緩やかに支えている。この緩衝部材25は、例えば、発泡樹脂素材やゴム材などの衝撃吸収性を有する素材から構成され、本実施の形態では、1つのプレート30に対し、固定部24を間に介して複数個(ここでは2個)、設けられる。緩衝部材25は、略直方体の形状であり、例えば固定部24と同等の厚さで構成される。図3では長さLで示される。
【0018】
緩衝部材25を収納する収納部26は、緩衝部材25の形状に応じて凹んでおり、緩衝部材25の数に応じて形成されている。前述のように緩衝部材25はプレート30の下方に設けられることから、収納部26は、プレート30が覆いかぶさる位置に存在することとなり、図3に示す例では、収納部26は、固定部24に対して縦方向の奥側と手前側とに1つずつ設けられている。また、図3に示す例では、収納部26は、固定部24の位置を基準として緩衝部材25の厚さに応じて下方向にLの長さだけ凹んでおり、本体部21の面からは、プレート30の厚さDを加えてD+Lの長さだけ凹んでいる。
【0019】
プレート30は、図2の上側から見たときに、縦方向に延びる長方形の形状を有し、この長方形の四隅が丸みをつけられている板である。プレート30は、板の曲げ変形に対して弾性を有する素材で作成され、例えば樹脂素材により形成される。
【0020】
プレート30は、本体部21との位置合わせを行うための貫通孔である位置合わせ孔31と、本体部21に固定するための貫通孔である固定用孔32と、複合機100のキャスタ101(図1参照)から荷重を受ける荷重受け部35と、を備える。位置合わせ孔31は、固定部24の凸部28の円柱形状が収まるように抜き取られており、プレート30の長手方向において中央領域に配置され、短手方向に2つ並んで設けられている。
固定用孔32は、ネジを通す貫通孔であり、固定部24のネジ止め部29に対応する位置に設けられる。
荷重受け部35は、プレート30が本体部21に固定されている領域から両端側の領域であり、複合機100のキャスタ101から荷重を受ける領域である。言い換えると、プレート30は、荷重受け部35の間の領域で本体部21に固定されている。
【0021】
図2に示す規制部材50は、輸送用パレット20に載せられた複合機100(図1参照)の横移動を規制するための部材である。規制部材50は、例えば、高張力鋼で形成される板金製の板部材である。この規制部材50は、例えばLの字状の板バネで構成される。規制部材50は、プレート30の荷重受け部35に固定されるベース部51と、複合機100の下面の外装の隙間から挿入する挿入部52と、複合機100の下面の外装から挿入され複合機100の内部に引っ掛かるフック部53とを備える。
【0022】
ベース部51は、例えば矩形形状で構成され、この矩形形状の中央部にベース部51をプレート30の荷重受け部35に固定するための貫通孔を有する。この貫通孔にボルトを通して、ボルトをプレート30の荷重受け部35に固定することで、ベース部51がプレート30に固定される。
挿入部52は、複合機100が輸送用パレット20に載せられた際に、複合機100の下面の外装の隙間に挿入されるように、ベース部51の矩形の1辺から伸びる板であり、輸送用パレット20の上面から上側に向かって伸びる。
フック部53は、複合機100の下面の外装に内部から引っ掛かり、複合機100が上方向に動いた場合に、規制部材50が複合機100から抜けないように、複合機100を抑えつける。本実施の形態では、フック部53は、挿入部52の上部から折れ曲がる。
【0023】
ここで、本実施の形態の特徴を理解し易くするために、比較例を挙げて説明する。
この比較例として、プレート30を有さず、弾性変形しない規制部材500により複合機100の横移動を規制する輸送用パレット200を説明する。
図6は、輸送用パレット200に対する規制部材500の位置が変化しない比較例を示す模式図であり、複合機100が輸送用パレット200に対して横移動した場合に、規制部材500により横移動が規制された場合の一例である。
図6に示すように、輸送用パレット200に固定されている規制部材500の一端が複合機100の下部に設けられている孔111に入り込んで、複合機100の横移動を規制している。しかしながら、例えば、図6の右方向に移動していた輸送用パレット200が急停止したような場合に、複合機100が右方向に強い荷重を受けるが、このとき、規制部材500に複合機100の孔111があたると、停止している規制部材500のために、それ以上右方向に移動することができない。そのため、複合機100は、右側の規制部材500と孔111との接触部を基点として、時計回りに回転する。その結果、複合機100の上端が傾いて、箱体10に衝突し、局所的に大きな衝撃を受ける。
本実施の形態では、図6に示すような複合機100の上端が傾いて、箱体10に衝突する、といった複合機100に生じる局所的な衝撃を軽減している。
【0024】
(本実施の形態における複合機100の横移動について)
次に図4および図5を用いて、本実施の形態の輸送用パレット20において、複合機100が横移動した場合の動きを説明する。
図4は、複合機100が輸送用パレット20に対して横方向に移動し、箱体10と接触した状態を示す模式図である。図4の右方向に移動していた輸送用パレット20が急停止したような場合を想定している。
本実施形態の輸送用パレット20の規制部材50は、弾性を有するプレート30に設けられている。前述のように、プレート30は、プレート30の長手方向の中央領域において固定され、プレート30の両端側の荷重受け部35(図3参照)は固定されておらず、緩衝部材25の上に置かれている。そのため、荷重受け部35は浮き上がり、また、沈み込むことができる。荷重受け部35は、プレート30が固定されている長手方向の中央領域から先端に行くほどより弱い力で浮きあがる。また、プレート30の構造によっては、プレート30の板面が捩じるように浮き上がることができる。
【0025】
図4に示すように、複合機100が幅方向の左右に移動するとプレート30の一部が浮き上がる。プレート30が浮き上がることにより、規制部材50が傾くことができる。これにより、複合機100は、規制部材50を中心として回転運動せずに、横移動する。横移動した複合機100は、複合機100の側面が箱体10に衝突する。複合機100の側面が箱体10に衝突することで、例えば側面全体など、側面の広い領域にて衝突することで衝撃を分散することができ、局所的に大きな衝撃が生じることを抑制できる。
【0026】
ここで、図5を用いて、複合機100が幅方向左側から右側に動き、図4の状態になるまでの動きを説明する。
図5は、図4の領域Vの拡大図である。図5(A)は、複合機100が横移動し、規制部材50に接触し始めた状態を示す図である。また、図5(B)は、複合機100がさらに横移動した状態を示す図である。
【0027】
図5(A)に示すように、プレート30の荷重受け部35(図3参照)は、緩衝部材25の上に配置されている。また、プレート30の長手方向が図5(A)の手前側から奥側に向かう方向に配置されている。規制部材50は、規制部材50の挿入部52の板面が図5(A)の手前に向かう方向に向かって配置されている。すなわち、挿入部52に対して、図5(A)の幅方向左側から右側に力を加えても、規制部材50は弾性変形しない。
【0028】
複合機100が輸送用パレット20に対して、幅方向の左側から右側に移動すると、挿入部52と孔111とが接触する。そして、複合機100がさらに幅方向右側に動くと、挿入部52は、幅方向右側への力を受ける。本実施の形態のプレート30は弾性を有し、挿入部52に幅方向右側への力が生じると、一部が浮き上がる。これによって、挿入部52は、傾き、挿入部52と孔111とが接触する位置が右方向へ移動し、複合機100はそのまま横移動する。
【0029】
また、規制部材50を中心として複合機100が回転運動しない場合でも、例えばキャスタ101とプレート30との間の摩擦力が大きい場合、キャスタ101を中心として回転運動を行う場合がある。
本実施の形態では、図5(B)で示すように、複合機100の移動方向に下がるように(右下がりに)プレート30の荷重受け部35が傾くことで、キャスタ101とプレート30との間の摩擦力が大きくなることを抑制することができ、キャスタ101を中心とした回転が発生することが抑制される。これによって、複合機100は横移動が継続される。
【0030】
また、図4において、複合機100が幅方向右側(プレート30の短手方向)に横移動する例を説明したが、プレート30の長手方向に複合機100が横移動した場合も、プレート30の荷重受け部35が浮き上がり傾くことで、規制部材50が傾いて、複合機100の移動が継続される。これによって、複合機100の正面または背面の広い領域で衝突することで衝撃を分散することができる。
【0031】
また、本実施の形態のプレート30の荷重受け部35は、緩衝部材25の上に載せられており、上下方向の衝撃は、緩衝部材25が吸収して複合機100への衝撃は抑制させられる。
【0032】
以上、本発明の実施の形態では、複合機100を被梱包体の一例として説明したが、梱包体1によって梱包される被梱包体としては、複合機100に限定されるものではなく、例えば、電子機器を梱包するために用いることもできる。
【0033】
<付記>
(((1)))
被梱包体が置かれる本体部と、
前記本体部に設けられ、前記被梱包体の荷重を受ける荷重受け部を有する荷重受け部材と、
を備え、
前記荷重受け部は、前記被梱包体が横移動した場合に、水平面に対して傾斜がつくことを特徴とする梱包体積載体。
(((2)))
被梱包体が置かれる本体部と、
前記本体部に設けられ、前記被梱包体の荷重を受ける荷重受け部を有する荷重受け部材と、
を備え、
前記荷重受け部材は、前記荷重受け部の間の領域で前記本体部に固定されることを特徴とする梱包体積載体。
(((3)))
一端が前記荷重受け部材に固定され、前記被梱包体が横移動した場合に当該被梱包体の一部に接触して当該被梱包体の横移動を規制する規制部をさらに備え、
前記荷重受け部は、前記規制部が横方向の力を受けると一部が浮き上がることを特徴とする(((1)))または(((2)))に記載の梱包体積載体。
(((4)))
前記荷重受け部材は長手方向に延びる部材であることを特徴とする(((1)))乃至(((3)))のいずれかに記載の梱包体積載体。
(((5)))
前記本体部は、前記長手方向と交差する短手方向に亘って前記荷重受け部材を支えることを特徴とする(((4)))に記載の梱包体積載体。
(((6)))
前記荷重受け部は、前記規制部が前記短手方向の力を受けた場合に比べて、当該規制部が前記長手方向に力を受けるとより浮き上がることを特徴とする(((5)))に記載の梱包体積載体。
(((7)))
前記本体部は、前記荷重受け部に接触し衝撃を緩和する緩衝部材を備えたことを特徴とする(((1)))または(((2)))に記載の梱包体積載体。
(((8)))
前記緩衝部材は、前記荷重受け部の前記被梱包体の荷重を受ける面とは異なる面に設けられていることを特徴とする(((7)))に記載の梱包体積載体。
(((9)))
被梱包体が置かれる本体部と、
前記被梱包体を覆う箱体と、
前記本体部に設けられ、前記被梱包体の荷重を受ける荷重受け部を有する荷重受け部材と、
を備え、
前記荷重受け部は、前記被梱包体が横移動した場合に、水平面に対して傾斜がつくことを特徴とする梱包体。
【0034】
(((1)))に係る梱包体積載体によれば、被梱包体への局所的な衝撃を抑制することができる。
(((2)))に係る梱包体積載体によれば、被梱包体への局所的な衝撃を抑制することができる。
(((3)))に係る梱包体積載体によれば、被梱包体が梱包体内で傾くことを抑制することができる。
(((4)))に係る梱包体積載体によれば、被梱包体から受ける荷重を分散することができる。
(((5)))に係る梱包体積載体によれば、長手方向の浮き上がりを大きくすることができる。
(((6)))に係る梱包体積載体によれば、長手方向の浮き上がりを大きくすることができる。
(((7)))に係る梱包体積載体によれば、被梱包体への衝撃を緩和することができる。
(((8)))に係る梱包体積載体によれば、被梱包体への衝撃を緩和することができる。
(((9)))に係る梱包体によれば、被梱包体への局所的な衝撃を抑制することができる。
【符号の説明】
【0035】
1…梱包体、10…箱体、20…輸送用パレット、21…本体部、22…フット、24…固定部、25…緩衝部材、26…収納部、29…ネジ止め部、30…プレート、32…固定用孔、35…荷重受け部、50…規制部材、100…複合機、101…キャスタ、111…孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6