(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142369
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20241003BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241003BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20241003BHJP
F21V 21/00 20060101ALI20241003BHJP
F21V 21/03 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F21S8/02 420
F21S2/00 230
F21V19/00 510
F21V21/00 100
F21V21/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054486
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】野澤 悠真
(72)【発明者】
【氏名】増田 敏文
(72)【発明者】
【氏名】大野 鉄也
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 重利
(72)【発明者】
【氏名】水谷 有輝
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013EA01
(57)【要約】
【課題】組立性を向上できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、長尺な器具本体20と、器具本体20に取り付けられる長尺な光源ユニットと、器具本体20に設けられる取付受部33と、取付受部33に取り付けられて器具本体20への光源ユニットの取り付けに用いられる取付部23と、を備える。取付部23は、器具本体20の光源ユニットを取り付ける光源取付側から、取付受部33に対して器具本体20の長手方向へのスライドにより取り付けられる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺な器具本体と;
前記器具本体に取り付けられる長尺な光源ユニットと;
前記器具本体に設けられる取付受部と;
前記取付受部に取り付けられて前記器具本体への前記光源ユニットの取り付けに用いられる取付部であって、前記器具本体の前記光源ユニットを取り付ける光源取付側から、前記取付受部に対して前記器具本体の長手方向へのスライドにより取り付けられる取付部と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記取付受部および前記取付部は、前記器具本体の長手方向に一対配置されるとともに、一対の前記取付部が一対の前記取付受部に対して前記器具本体の長手方向の互いに接近する方向または離反する方向へのスライドによって取り付けられる
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記取付部は、ベース部と、このベース部の両側から立ち上げられた一対の立上部と、これら一対の立上部から前記ベース部とは反対の外側に向けて突出された一対の係合部と、を有し、
前記取付受部は、前記器具本体の長手方向に沿って設けられ、前記立上部がスライド可能に挿通される一対のスライド溝部と、一対の前記スライド溝部の一端側で、溝幅が前記スライド溝部よりも外側に広く設けられ、一対の前記係合部が挿入される一対の挿入溝部と、溝幅の異なる前記挿入溝部と前記スライド溝部との段差位置に設けられる切欠部と、を有する
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺な器具本体と、この器具本体に取り付けられる長尺な光源ユニットと、を備える照明装置がある。
【0003】
この照明装置では、器具本体への光源ユニットの取り付けに用いられる取付部が、器具本体に取り付けられる。取付部は、ボルトおよびナットを用いて、器具本体の背面側(光源側とは反対側)と前面側(光源側)との両方から取付作業することなり、それらの取付作業の都度、器具本体を反転させて作業することになる。また、器具本体の前面側から端子台などの他の部品が取り付けられるが、他の部品に対して、器具本体の背面側から取付部の取付作業があることでも、器具本体を反転して作業することになる。このようなことから、照明装置の組立に手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、組立性を向上できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、長尺な器具本体と、器具本体に取り付けられる長尺な光源ユニットと、器具本体に設けられる取付受部と、取付受部に取り付けられて器具本体への光源ユニットの取り付けに用いられる取付部と、を備える。取付部は、器具本体の光源ユニットを取り付ける光源取付側から、取付受部に対して器具本体の長手方向へのスライドにより取り付けられる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の照明装置によれば、組立性の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】同上照明装置の器具本体および取付構造の分解斜視図である。
【
図6】同上照明装置の取付部の取付手順を(a)~(c)に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1ないし
図3に照明装置10を示す。照明装置10は、天井面などの被設置部に設けられた埋込開口に非発光部分が埋め込まれ、被設置部から発光部分が突出する半埋込形照明装置である。照明装置10は、長尺に形成され、長手方向に交差する短手方向である幅方向の幅寸法が高さ方向の高さ寸法よりも小さいスリム形照明装置である。なお、本実施形態では、照明装置10を天井面に取り付けるものとし、この取付姿勢に対応して、照明装置10の光照射方向の前面側を下とし、光照射方向と反対の背面側を上として説明する。
【0011】
照明装置10は、本体ユニット11と、この本体ユニット11の下面側である光源取付側から着脱可能に取り付けられる光源ユニット12とを備えている。
【0012】
本体ユニット11は、金属筐体である金属製の長尺な器具本体20と、この器具本体20内に配置される端子台21と、器具本体20に光源ユニット12を着脱可能に取り付けるための一対の取付ばね22と、各取付ばね22を器具本体20に取り付ける一対の取付部23と、器具本体20の長手方向の両端部に取り付けられる両端の端部部材24と、を備えている。
【0013】
図1ないし
図5に器具本体20を示す。器具本体20は、長尺な天板部26と、この天板部26の幅方向の両側から下方に向けて突出された両側の側板部27と、両側の側板部27の下端から外側方に向けて突出された縁部28と、を有している。器具本体20は、天板部26および両側の側板部27によって断面略コの字形に形成され、下面に前面開口部である下面開口部29が設けられ、両端の端面に端面開口部30が設けられている。
【0014】
天板部26の長手方向の一端側に、電力を供給する電源線を挿通可能な配線孔31が設けられている。
【0015】
天板部26の長手方向の両端近傍には、天井構造物に設置された一対の吊ボルトに取り付けるための設置孔32が設けられている。設置孔32は、天板部26の長手方向に沿って長い長孔状に設けられている。
【0016】
天板部26の長手方向の両端近傍であって、各設置孔32よりも器具本体20の中央寄り位置には、各取付部23が取り付けられる一対の取付受部33が設けられている。本実施形態では、一対の取付受部33が器具本体20に一体に設けられている。なお、取付受部33は、器具本体20とは別体で形成し、天板部26の下面側に取り付けるようにしてもよい。
【0017】
各取付受部33は、天板部26の幅方向に並んで設けられる一対の取付溝34と、一対の取付溝34の幅方向の外側位置に設けられる一対の被係合部35と、を有している。
【0018】
各取付溝34は、器具本体20の長手方向に沿って長尺なスライド溝部36と、このスライド溝部36の一端側で、溝幅がスライド溝部36よりも天板部26の幅方向の外側に広がるように設けられた挿入溝部37と、を有する略Lの字形に形成されている。
【0019】
器具本体20の長手方向におけるスライド溝部36の長さは、取付部23よりも長いか、同等の関係とされる。また、器具本体20の長手方向における挿入溝部37の長さは、取付部23よりも短い寸法とされる。
【0020】
スライド溝部36と挿入溝部37との間には幅方向の溝幅の異なるために段差が生じる。幅方向の溝幅の異なるスライド溝部36と挿入溝部37との間の段差位置には、その段差位置の角部を切り欠いた形状の切欠部38が設けられている。切欠部38は、スライド溝部36の長手方向に対して例えば45°の角度で傾斜する傾斜部にて形成されているが、円弧状の円弧部にて形成されていてもよい。
【0021】
各被係合部35は、天板部26の各スライド溝部36の幅方向の外側位置に設けられている。各被係合部35には、取付孔39が設けられている。
【0022】
一対の取付受部33は、器具本体20の長手方向の2箇所に設けられるとともに、一端側の挿入溝部37が器具本体20の中央側に配置されて互いに対向するように反対向きに設けられている。
【0023】
また、
図2に示すように、端子台21は、器具本体20内で、配線孔31が設けられる端部側とは反対の端部側において、天板部26の下面に取り付けられている。端子台21は、端子台21の背面側から突出する複数の位置決め突起40が天板部26に設けられた位置決め孔に挿入されて位置決めされ、端子台21を挿通するねじで天板部26に取り付けられる。端子台21には、器具本体20内に引き込まれる電源線が接続される。端子台21には、光源ユニット12に電力を供給するためのコネクタ付き電線が接続されている。
【0024】
また、
図4および
図5に示すように、取付ばね22は、金属製の板ばねによって一体に形成されている。取付ばね22は、取付部23に取り付けられる固定部42と、この固定部42の一方の対向する両側から先端側が互いに拡開するよう斜め下方に向けて折曲された一対のアーム部43とを有し、断面略コの字形に形成されている。取付ばね22は、一対のアーム部43が器具本体20の幅方向に配置されるように、取付部23に取り付けられる。
【0025】
一対のアーム部43の先端側には、互いに対向して突出するように折曲された位置決め部44と、この位置決め部44よりもアーム部43の先端側で互いに接近するように斜め下方へ向けて折曲された保持部45と、この保持部45の先端側から互いに離反するように斜め下方へ向けて折曲された傾斜部46と、を有している。傾斜部46の先端側は傾斜部46の外面側に折り返すように屈曲されている。固定部42には、取付部23に取り付けるための取付孔47が設けられている。
【0026】
また、取付部23は、金属製で一体に形成されている。取付部23は、ベース部49と、このベース部49の両側から折曲されて立ち上げられた一対の立上部50と、これら一対の立上部50からベース部49とは反対の外側に向けて折曲されて突出された一対の係合部51と、一対の立上部50とは異なるベース部49の一辺から立上部50とは反対方向に向けて折曲されて突出された回り止め部52と、を備えている。
【0027】
ベース部49には、取付ばね22をねじ53で取り付けるための取付孔54が設けられている。係合部51には、器具本体20にねじ55で取り付けるための取付孔56が設けられている。ねじ55は、器具本体20の光源ユニット12を取り付ける光源取付側からであって、下面開口部29側から取り付けられる。
【0028】
一対の立上部50の間隔は、取付受部33の一対のスライド溝部36にスライド可能に挿通される寸法とされている。立上部50から突出する係合部51の突出幅は、スライド溝部36の幅方向の溝幅よりも広く、かつ挿入溝部37の幅方向の溝幅よりも狭い関係にある。器具本体20の長手方向における係合部51の長さは、スライド溝部36の長さよりも短いか、同等とされ、かつ、挿入溝部37の長さよりも短い寸法とされる。
【0029】
回り止め部52は、ベース部49に1つのねじ53で取り付けられる取付ばね22がねじ53を中心に回って位置ずれするのを防止する。
【0030】
また、
図1ないし
図4に示すように、端部部材24は、例えば樹脂製で一体に形成されている。端部部材24は、器具本体20の端面側に配置される端面部58と、この端面部58の器具本体20外に臨む外面側の下端から突出されて器具本体20の縁部28の端部側に配置される縁部59と、器具本体20の端部に対して着脱可能に取り付けられる取付部60と、器具本体20に取り付けられる光源ユニット12を保持する保持部61を有している。
【0031】
端面部58は、上部側の幅が狭く、下部側に向って幅が広がり、下端側において器具本体20の両側の側板部27間の幅よりも広くなるように設けられている。縁部59は器具本体20の両側の縁部28の最外側部間の幅と同じ幅で、両側の縁部28に連続して器具本体20の周囲に枠状になるように構成されている。取付部60は、端面部58の上部側に器具本体20の天板部26に取り付けられる第1の取付部62と、器具本体20の両側の側板部27および縁部28に取り付けられる第2の取付部63とを備えている。保持部61は、端面部58の内面側との間に下方および幅方向へ向けて開口する溝を形成する断面略Uの字形に設けられている。
【0032】
次に、
図1ないし
図3、
図5に光源ユニット12を示す。光源ユニット12は、樹脂筐体であるカバー70と、このカバー70内に取り付けられる光源保持部71と、この光源保持部71の下面側に取り付けられる光源である光源モジュール72と、光源保持部71の上面側にそれぞれ取り付けられる電源部73、ばね受部材(ばね受金具)74、および複数の矯正金具75とを備えている。
【0033】
カバー70は、樹脂製で、長尺に形成されているとともに、その長手方向に交差する幅方向の幅寸法が高さ方向の高さ寸法に比べて小さい外観形状に形成されている。カバー70は、下面側の前面部77と、幅方向の両側の側面部78と、長手方向の両端の端面部79とを有し、上面側に開口部80が形成されている。したがって、カバー70は、長手方向および幅方向とも断面略コの字形に形成されている。
【0034】
カバー70の前面部77と側面部78および端面部79の下部側は光源モジュール72からの光が透過する透光部81に形成され、カバー70の側面部78および端面部79の上部側は光が透過しない不透光部82に形成されている。カバー70は、透光部81と不透光部82とが異なる樹脂材料の二色成形によって一体に形成されている。
【0035】
カバー70の両側の側面部78の外側面間の幅方向の寸法は器具本体20の側板部27の内側面間の幅寸法よりも狭く、かつ、カバー70の両端の端面部79の外面間の長手方向の寸法は器具本体20の両端部に取り付けられた端部部材24の端面部58の内面間の長手方向の寸法よりも短く、カバー70の上部側が器具本体20と両端の端部部材24の端面部58との間に開口する下面開口部29内に挿入可能とする寸法関係に構成されている。
【0036】
カバー70の両側の側面部78の内面には、不透光部82の下部側に、光源保持部71を取り付ける光源取付部83が設けられている。カバー70の両側の側面部78で、光源取付部83と側面部78の上端との間には、矯正金具75が係合する矯正金具係合部84が形成されている。
【0037】
光源保持部71は、例えば金属製で、長尺な板状に形成されている。光源保持部71は、幅方向の両側部が両側の光源取付部83に取り付けられてカバー70内に配置されている。
【0038】
光源保持部71の下面側に光源モジュール72が取り付けられる。光源保持部71の下面側の幅方向の一方の側に、光源モジュール72の幅方向の一側を支える略Lの字形の支え部85が設けられている。光源保持部71の下面側の幅方向の他方の側に、光源モジュール72の幅方向の他側をねじ止めするための複数のねじ86が螺着されている。ねじ86には段付きねじが用いられている。支え部85と複数のねじ86とにより、光源モジュール72を固定するのではなく、光源モジュール72を支持可能な範囲内で光源モジュール72の移動を許容するように支持している。
【0039】
端面部79には、上端側に開口する略Uの字形の開口溝87が設けられている。開口溝87は、カバー70内に配置される光源保持部71よりも上方の不透光部82に設けられている。開口溝87の下側の端面部79の箇所は、端部部材24の端面部58と保持部61との間の溝に挿入される。
【0040】
また、光源モジュール72は、長尺な基板89と、この基板89の表面側に長手方向に沿って所定の間隔で実装された複数の発光素子90とを有する。発光素子90は、LEDや有機ELなどの半導体発光素子である。基板89の幅方向の両側が、支え部85とねじ86により光源保持部71の下面側に取り付けられている。
【0041】
また、
図3に示すように、電源部73は、光源保持部71の上面側にねじ止めによって取り付けられている。電源部73は、カバー70の内側に配置されている。電源部73は、外部から電源線によって供給される外部電力を光源モジュール72の発光素子90が点灯するのに必要な点灯電力に変換して光源モジュール72に供給する。電源部73にはコネクタ付き電線が接続され、この電源部73のコネクタ付き電線と器具本体20の端子台21のコネクタ付き電線とがコネクタ接続される。
【0042】
また、
図4および
図5に示すように、ばね受部材74は、金属板によって一体に形成されている。ばね受部材74は、略四角形状のばね受板部92と、このばね受板部92の一方の対向する両側部から下方に折曲された一対の取付板部93とを有している。ばね受板部92の他方の対向する両側部には、それら両側部の幅方向の中央域に切欠き状の一対のばね受溝94が設けられている。取付板部93は、光源保持部71の上面側にねじ止めにより取り付けられている。ばね受部材74は、一対のばね受溝94が器具本体20の幅方向に配置されるように、光源保持部71に取り付けられる。
【0043】
また、矯正金具75は、金属板で、断面略コの字形に形成されている。矯正金具75は、両端部がカバー70の両側の側面部78に設けられた矯正金具係合部84に係合された状態で、光源保持部71の上面にねじ止めされて取り付けられている。矯正金具75は、カバー70の長手方向の複数個所に取り付けられ、カバー70の両側の側面部78間の間隔が開くのを防止するとともに、カバー70と光源保持部71の取付状態を保持するように構成されている。
【0044】
そして、
図6を参照して取付部23を器具本体20に取り付ける手順を説明する。取付部23は、器具本体20の光源ユニット12を取り付ける光源取付側からであって、下面開口部29側から取り付けられる。
図6は、器具本体20の天板部26の内面側を上方に向けて配置した状態を示す。
【0045】
図6(a)に示すように、取付部23を器具本体20の天板部26の内面に対して傾斜させた状態で、取付部23の一対の係合部51の一端側を一対の挿入溝部37に挿入する。
【0046】
図6(b)に示すように、挿入溝部37に挿入した取付部23の係合部51の一端側を、天板部26の内面側から反対の外面側に挿通させるとともに、被係合部35の外面側の領域に移動させる。
【0047】
このとき、幅方向の溝幅の異なるスライド溝部36と挿入溝部37との間に段差があり、仮に、その段差位置に切欠部38が設けられておらず角部が存在する場合、その角部に係合部51が引っ掛かるため、天板部26の内面に対する取付部23の傾斜角度を大きくしなければ取り付けられず、取付部23を取り付ける作業性が低下する。本実施形態では、段差位置の角部を切り欠いた形状の切欠部38が設けられているため、取付部23の傾斜角度を大きくしなくても、係合部51に係合部51が引っ掛かることなく、取付部23を取り付けることができる。
【0048】
図6(c)に示すように、取付部23の係合部51の他端側を挿入溝部37に通し、取付部23をスライド溝部36に移動させる。
【0049】
この状態で、ねじ55を、器具本体20の光源ユニット12を取り付ける光源取付側からであって、下面開口部29側から、被係合部35の取付孔39を通じて係合部51の取付孔56に螺着し、取付部23を器具本体20に取り付ける。
【0050】
図6には取付部23に取付ばね22を取り付けていないが、ねじ53で取付ばね22を取付部23に取り付けた状態で、取付部23を器具本体20に取り付けてもよいし、取付部23を器具本体20に取り付けた後に、ねじ53で取付ばね22を取付部23に取り付けてもよい。
【0051】
取付部23によって器具本体20に取り付けられた取付ばね22は、一対のアーム部43が器具本体20の幅方向に向く状態に配置される。
【0052】
また、本体ユニット11を組み立てる際、器具本体20の光源取付側である下面開口部29を上方に向けた状態で、上述した取付部23の取り付け、端子台21の取り付け、端子台21に接続されるコネクタ付き電線の配線などを、器具本体20を反転させることなく、器具本体20の光源取付側のみから作業することができる。
【0053】
また、照明装置10を施工するには、天井面の埋込開口から引き出した電源線を、器具本体20の配線孔31から器具本体20内に引き込む。
【0054】
器具本体20を上部側から天井面の埋込開口に挿入し、天井面の上方の天井構造物から突出されている一対の吊ボルトを器具本体20の一対の設置孔32に通し、その吊ボルトにナットを螺合して器具本体20を天井面に取り付ける。ナットを締め付けることにより、器具本体20の縁部28および端部部材24の縁部59が天井面に当接して取り付けられる。配線孔31に通した電源線は、端子台21に接続する。
【0055】
光源ユニット12を持ち上げながら、器具本体20側から端子台21に接続されているコネクタ付き電線と、光源ユニット12側から電源部73に接続されているコネクタ付き電線と、をコネクタ接続する。
【0056】
光源ユニット12のカバー70を器具本体20の両側の側板部27間および両端の端部部材24の端面部58間の下面開口部29に挿入するように、光源ユニット12を器具本体20へ向けて押し上げる。光源ユニット12を器具本体20へ向けて押し上げることにより、器具本体20側の取付ばね22と光源ユニット12側のばね受部材74とが係合する。取付ばね22の一対のアーム部43がばね受部材74の一対のばね受溝94に係合し、取付ばね22の位置決め部44がばね受部材74のばね受板部92の上面に当接するとともに、取付ばね22の保持部45がばね受部材74のばね受板部92の下面側に係合し、取付ばね22がばね受部材74に取り付けられる。これら取付ばね22とばね受部材74との係合により、光源ユニット12が器具本体20に取り付けられる。
【0057】
このようにして、カバー70の不透光部82が器具本体20内に配置され、透光部81が器具本体20から突出され、照明装置10が天井面に半埋込状態に設置される。
【0058】
そして、電源部73に外部電力が供給されることにより、電源部73が外部電力を所定の点灯電力に変換して光源モジュール72に供給し、光源モジュール72の発光素子90が点灯する。発光素子90の光は、カバー70の透光部81を透光して外部に出射される。点灯時に発光素子90が発生する熱は、金属製の光源保持部71に伝達されて放熱される。
【0059】
また、器具本体20から光源ユニット12の取り外す場合には、光源ユニット12のカバー70を掴んで下方に引き下げ、ばね受部材74が取付ばね22から外れることにより、光源ユニット12が器具本体20から下方に外れる。
【0060】
そして、実施形態の照明装置10では、取付部23を、器具本体20の光源ユニット12を取り付ける光源取付側から、器具本体20の取付受部33に対して器具本体20の長手方向へのスライドにより取り付けることができるため、端子台21などの部品と同様に、器具本体20の光源取付側から取り付けることができ、組立性を向上できる。
【0061】
また、取付受部33および取付部23は、器具本体20の長手方向に一対配置されるとともに、一対の取付部23が一対の取付受部33に対して器具本体20の長手方向の互いに接近する方向へのスライドによって取り付けられるため、器具本体20に対して光源ユニット12が長手方向の一方または他方へ移動しても、一対の取付部23が一対の取付受部33から外れるのを防止できる。
【0062】
この場合、器具本体20の長手方向の互いに接近する方向へのスライドによって取り付けられる構成とすることで、設置孔32に挿通される吊ボルトやこの吊ボルトに螺合されるナットから取付部23を離すことができ、器具本体20を設置する作業性を向上できる。
【0063】
なお、器具本体20に取り付けられる端子台21や他の部品との位置関係から、取付部23の取付性が確保されるように、器具本体20の長手方向の互いに離反する方向へのスライドによって取り付けられる構成としてもよい。
【0064】
また、取付受部33において、幅方向の溝幅の異なるスライド溝部36と挿入溝部37との間の段差位置に角部を切り欠いた形状の切欠部38が設けられるため、取付部23の傾斜角度を大きくしなくても、係合部51に係合部51が引っ掛かることがなく、取付部23を取り付ける作業性を向上できる。
【0065】
また、取付受部33において、器具本体20の長手方向における挿入溝部37の長さは、取付部23の寸法よりも短い寸法に設けられるため、天板部26の垂直方向から取付部23を挿入できるように挿入溝部37の長さを取付部23よりも長い寸法とする場合よりも、開口面積を小さくし、器具本体20の強度低下を軽減できる。
【0066】
なお、取付受部33は、天板部26に四角形状の取付開口を設け、器具本体20の長手方向における取付開口の両側に一対の被係合部35を設け、一方、取付部23は、一対の係合部51が器具本体20の長手方向に向く向きとし、そして、一方の係合部51を取付開口に挿入して一方側に寄せ、他方の係合部51を取付開口に挿入して他方側に寄せ、一対の係合部51を一対の被係合部35に取り付けるようにしてもよい。
【0067】
また、光源ユニット12側に取付ばね22を配置し、器具本体20側にばね受部材74を配置してもよい。この場合、ばね受部材74が取付部23となり、ばね受部材74を器具本体20の長手方向へのスライドにより取り付けてもよい。
【0068】
また、照明装置10は、被設置部の埋込開口に半埋め込みされる半埋込形照明装置に限らず、被設置部の面に直付けられる直付け形照明装置などでもよい。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
10 照明装置
12 光源ユニット
20 器具本体
23 取付部
33 取付受部
36 スライド溝部
37 挿入溝部
38 切欠部
49 ベース部
50 立上部
51 係合部