(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142385
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】広告情報管理システムおよび方法並びに広告情報配信装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0242 20230101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q30/0242
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054508
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】野沢 亜希子
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】広告主が、広告効果があった広告情報に対して費用を支払うことができる広告情報管理システムおよび方法並びに広告情報配信装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】ユーザを輸送する輸送手段内において、ユーザに対して広告情報を配信する広告情報配信装置10と、ユーザが広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、その購入情報を取得する広告主の端末装置30とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送手段内のユーザまたは前記輸送手段に乗車する予定のユーザに対して広告情報を配信する広告情報配信部と、
前記ユーザが前記広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、該購入情報を取得する購入情報取得部とを備えた広告情報管理システム。
【請求項2】
前記広告情報の費用の情報の一部を前記ユーザに還元する費用還元部を備えた請求項1記載の広告情報管理システム。
【請求項3】
前記費用還元部が、前記広告情報の広告対象の支払い金額に基づいて、前記広告情報の費用の情報または前記ユーザに還元する還元率を変更する請求項2記載の広告情報管理システム。
【請求項4】
前記広告情報配信部が、広告主の広告情報配信条件を受け付け、該受け付けた広告情報配信条件に基づいて、前記広告主の前記広告情報を配信する請求項1記載の広告情報管理システム。
【請求項5】
前記広告情報配信部が、前記ユーザの前記広告情報の検索情報を受け付け、該受け付けた検索情報に応じた広告情報を配信する請求項1記載の広告情報管理システム。
【請求項6】
輸送手段内のユーザまたは前記輸送手段に乗車する予定のユーザに対して広告情報を配信する広告情報配信部と、
前記ユーザが前記広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、前記広告情報の費用の情報を取得する広告費情報取得部とを備えた広告情報配信装置。
【請求項7】
輸送手段内のユーザまたは前記輸送手段に乗車する予定のユーザに対して広告情報を配信する広告情報配信部と、
前記ユーザが前記広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、前記広告情報の費用の情報を出力する広告費情報出力部とを備えた広告情報配信装置。
【請求項8】
輸送手段内のユーザまたは前記輸送手段に乗車する予定のユーザに対して広告情報を配信し、
前記ユーザが前記広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、該購入情報を取得する広告情報管理方法。
【請求項9】
輸送手段内のユーザまたは前記輸送手段に乗車する予定のユーザに対して広告情報を配信するステップと、
前記ユーザが前記広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、前記広告情報の費用の情報を取得または出力するステップとをコンピュータに実行させる広告情報配信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路線バスなどの輸送手段内において広告情報を配信する広告情報管理システムおよび方法並びに広告情報配信装置およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、路線バスなどの輸送手段内において、路線近傍の店舗の広告情報を表示する広告システムが提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1においては、路線バスに設けられた表示装置を用いて店舗の広告情報を出力する広告システムが提案されている。この広告システムでは、広告主の店舗の広告情報とその店舗の所在地を記憶しておき、その店舗の所在地から近傍の停留所を特定し、その停留所を運行ルートとするバスの停留所間で店舗の広告情報を出力させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の広告システムでは、広告主は、路線バスに出した広告による効果が得られたのかを知ることができない。したがって、たとえば広告掲載を依頼する際に広告費用の支払いをした場合には、広告効果がない広告に対して費用を支払うことになるおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、広告主が、広告効果があった広告情報に対して費用を支払うことができる広告情報管理システムおよび方法並びに広告情報配信装置およびプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の広告情報管理システムは、輸送手段内のユーザまたは輸送手段に乗車する予定のユーザに対して広告情報を配信する広告情報配信部と、ユーザが広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、その購入情報を取得する購入情報取得部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の広告情報管理システムによれば、輸送手段内のユーザまたは輸送手段に乗車する予定のユーザが広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、その購入情報を取得するようにしたので、広告主は、広告対象の購入情報を確認し、広告効果があった広告情報に対して費用を支払うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の広告情報管理システムの一実施形態の概略構成を示すブロック図
【
図3】
図1に示す広告情報管理システムの処理の流れを説明するためのフローチャート
【
図4】本発明の広告情報管理システムのその他の実施形態の概略構成を示すブロック図
【
図5】
図4に示す広告情報管理システムの処理の流れを説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の広告情報配信装置の一実施形態を用いた広告情報管理システム1について詳細に説明する。
図1は、本実施形態の広告情報管理システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0011】
本実施形態の広告情報管理システム1は、路線バス内において、ユーザに対して広告情報を配信するシステムである。そして、本実施形態の広告情報管理システム1では、ユーザが広告情報を閲覧後に広告情報の広告対象を購入した場合に、その購入情報が、広告主の端末装置30によって取得される。そして、広告主が、購入情報を確認し、その広告対象の広告情報に対する費用を支払った場合には、その広告情報の費用の情報が広告情報配信装置10によって取得され、その広告情報の費用の一部を、広告情報を閲覧したユーザに還元するシステムである。なお、本発明において、ユーザとは、路線バスなどの輸送手段に乗車しているかまたは輸送手段に乗車する予定の人であって、かつ広告情報管理システム1の利用者である。
【0012】
なお、本実施形態においては、路線バスが、本発明の輸送手段に相当する。ただし、本発明の輸送手段は、路線バスに限らず、地域コミュニティーバス、電車、タクシーおよび船などその他の輸送手段でもよい。
【0013】
具体的には、本実施形態の広告情報管理システム1は、
図1に示すように、広告情報配信装置10と、路線バスのユーザの端末装置20と、広告主の端末装置30とを備えている。なお、本実施形態においては、広告主の端末装置30が、本発明の購入情報取得部に相当する。
【0014】
ユーザの端末装置20および広告主の端末装置30と、広告情報配信装置10との間は、インターネット回線やLAN(Local Area Network)回線などの通信回線を介して接続されており、互いに種々の情報のやり取りが可能に構成されている。
【0015】
以下、広告情報管理システム1を構成する各装置について、より詳細に説明する。
【0016】
広告情報配信装置10は、
図1に示すように、広告情報配信部11と、広告費情報取得部12と、費用還元部13とを備える。
【0017】
広告情報配信部11は、路線バスに乗車したユーザの端末装置20に対して広告情報を配信する。広告情報配信部11は、ユーザ情報取得部11aと、配信条件設定部11bと、広告情報記憶部11cとを備える。
【0018】
ユーザ情報取得部11aは、路線バスに乗車したユーザの情報を取得する。本実施形態のユーザ情報取得部11aは、ユーザの端末装置20に予めインストールされた交通系ICのアプリケーションからユーザ情報を取得する。
【0019】
具体的には、ユーザが、路線バスに乗車する際、路線バスに設けられた読取装置70に端末装置20をかざすことによって端末装置20と読取装置70とが通信し、端末装置20の交通系ICのアプリケーションからユーザ情報が読み出される。ユーザ情報は、路線バスの読取装置70から無線通信回線を介して広告情報配信装置10に送信され、ユーザ情報取得部11aによって取得される。
【0020】
ユーザ情報には、たとえばユーザの端末装置20の識別情報、ユーザの識別情報、性別、年齢、ユーザが路線バスの乗車した場所、ユーザが路線バスに乗車した時間などが含まれる。また、ユーザの交通系ICのアプリケーションに定期区間が設定されている場合には、定期区間の乗車場所と降車場所の情報もユーザ情報に含まれる。
【0021】
なお、ユーザが路線バスに乗車した場所については、たとえばユーザの端末装置20が読取装置70に読み取られた時点において、路線バスの読取装置70によって取得されているバス停の情報を取得してもよいし、ユーザの端末装置20のGPS(Global Positioning System)機能によって取得された位置情報を取得するようにしてもよい。
【0022】
また、ユーザが、端末装置20において、降車予定場所を設定入力し、その降車予定場所をユーザ情報に含めるようにしてもよい。
【0023】
配信条件設定部11bには、広告主の広告情報配信条件が予め設定されている。広告情報配信条件は、広告主が広告情報の配信を希望する条件である。広告情報配信条件としては、たとえば配信場所(配信区間)、配信時間帯、対象年齢層、性別などがある。また、広告情報配信条件は、広告主毎に設定することができる。
【0024】
広告情報配信部11は、ユーザ情報取得部11aによって取得されたユーザ情報と配信条件設定部11bに設定された広告情報配信条件との照合結果に基づいて、ユーザの端末装置20に広告情報を配信する。
【0025】
広告情報配信部11は、たとえば広告情報配信条件の配信場所(配信区間)、配信時間帯、対象年齢層および性別と、ユーザ情報に含まれるユーザの乗車場所、ユーザの乗車時間、ユーザの年齢および性別が合致する場合に、ユーザ情報に含まれるユーザの端末装置20の識別情報に基づいて、端末装置20に広告情報を配信する。
【0026】
また、広告情報配信部11は、ユーザの端末装置20の位置情報を取得し、ユーザが所定の停留所に近づいた際に、その停留所近傍の店舗の広告情報を配信するようにしてもよい。
【0027】
具体的には、広告情報配信部11に、路線バスのルートおよびそのルート上の停留所の位置情報を記憶する。そして、広告情報配信部11は、ユーザの位置情報と停留所の位置情報との距離が予め記憶された閾値以下になった場合に、
図2に示す広告情報テーブルを参照し、その停留所に紐付けられた広告情報(停留所近傍の店舗の広告情報)を路線バス内のユーザの端末装置20に送信するようにしてもよい。
【0028】
たとえばユーザの位置情報と停留所Aの位置情報との距離が閾値以下になった場合、広告情報配信部11は、ユーザの端末装置20に対して広告情報X1および広告情報X2を配信する。
【0029】
また、たとえばユーザの位置情報と停留所Bの位置情報との距離が閾値以下になった場合、広告情報配信部11は、ユーザの端末装置20に対して広告情報X3および広告情報X4を配信する。
【0030】
広告情報記憶部11cは、広告主から掲載依頼を受けた広告情報を記憶する。広告情報は、たとえば広告情報配信条件と対応づけられて記憶される。また、広告情報記憶部11cは、
図2に示す広告情報テーブルを記憶する。
【0031】
また、広告情報配信部11は、ユーザの希望による検索に応じて広告情報を検索し、その検索した広告情報を配信するようにしてもよい。
【0032】
たとえばユーザの端末装置20において、「目的地までの途中に飲食店があれば、途中下車して利用したい」という検索情報とユーザの目的地の情報が設定入力された場合には、広告情報配信部11が、ユーザが乗車した場所から目的地までの間に配信場所が設定されている広告情報であって、飲食店の広告情報を検索し、その広告情報をユーザの端末装置20に配信する。
【0033】
たとえばユーザの端末装置20において、「途中下車はせず目的地の側にある店舗を知りたい」という検索情報とユーザの目的地の情報が設定入力された場合には、広告情報配信部11が、ユーザが乗車した場所から目的地までの間に配信場所が設定されている広告情報であって、目的地の近傍に配信場所が設定されている広告情報を検索し、その広告情報をユーザの端末装置20に配信する。
【0034】
なお、ユーザによる検索情報は上記の例に限らず、その他の任意の検索情報を設定可能としてもよい。
【0035】
また、広告情報配信部11は、たとえばユーザによって事前に購入された乗車券の情報を受け付け、その乗車券の情報に基づいて、ユーザの端末装置20に広告情報を配信するようにしてもよい。すなわち、路線バスに乗車する予定のユーザの端末装置20に広告情報を配信するようにしてもよい。具体的には、広告情報配信部11は、事前購入された乗車券から利用予定日時と利用予定区間の情報を取得し、その取得した情報に配信時間帯および配信場所(配信区間)が合致する広告情報を特定して、ユーザの端末装置20に配信するようにしてもよい。また、広告情報配信部11は、乗車券の利用予定日時より前にユーザの端末装置20に前もって広告情報を配信するようにしてもよい。
【0036】
次に、広告費情報取得部12は、路線バスのユーザが広告情報を閲覧して広告対象の商品やサービスなどを購入した場合に、その広告情報の費用の情報を取得する。
【0037】
路線バスのユーザが広告情報を閲覧して広告対象の商品やサービスなどを購入した場合、ユーザの端末装置20から広告主の端末装置30に対して、その購入情報が送信される。購入情報には、ユーザの端末装置20の識別情報が含まれる。購入情報については、たとえばユーザが端末装置20を用いて購入サイトにアクセスして広告対象の商品やサービスを購入した場合には、その購入サイトから広告主の端末装置30に送信するようにしてもよい。
【0038】
また、たとえばユーザが、広告情報の飲食店などの店舗を訪れてサービスを受けた場合には、その店舗の端末装置、すなわち広告主の端末装置30において、ユーザの端末装置20が読み取られることによって購入情報が取得される。
【0039】
また、購入情報については、たとえばユーザが端末装置20にインストールされた電子マネーアプリを用いて広告対象の商品やサービスを購入した場合には、電子マネーアプリのサービス利用履歴や商品購入履歴から購入情報を広告主の端末装置30に送信するようにしてもよい。また、ユーザが、端末装置20を用いてレシートを撮影することによって、ユーザの端末装置20から広告主の端末装置20に対して購入情報を送信するようにしてもよい。
【0040】
そして、広告主の端末装置30によって購入情報が受け付けれ、広告主によって購入情報の内容が確認される。広告主は、購入情報を確認した後、広告主の端末装置30を用いてその購入情報に対する広告情報の費用の情報を設定入力する。そして、広告主の端末装置20は、設定入力された広告情報の費用の情報を、ユーザの端末装置20の識別情報および広告情報の識別情報とともに広告情報配信装置10に対して送信する。
【0041】
広告費情報取得部12は、広告主の端末装置30から送信された広告情報の費用の情報を取得する。
【0042】
費用還元部13は、広告費情報取得部12によって広告情報の費用の情報が取得された場合、その広告情報に関する費用の一部をユーザに還元する。
【0043】
具体的には、費用還元部13は、たとえば広告情報の費用に対して予め設定された比率を乗算することによって費用の一部を算出する。そして、費用還元部13は、ユーザの端末装置20の識別情報に基づいて、費用の一部の情報をユーザの端末装置20に送信して、交通系ICのアプリケーションや電子マネーアプリケーションにチャージする。
【0044】
費用還元部13は、費用の一部を算出する際の比率を、たとえば広告情報の広告対象の支払い金額や種類、または広告主の属性に応じて変更するようにしてもよい。費用還元部13は、たとえば広告対象の金額が高額ほど広告情報の費用や還元率を大きくしたり、広告主によって特定された広告対象について還元率を大きくしたりしてもよい。また、費用還元部13は、広告主毎に指定された還元率を用いるようにしてもよい。
【0045】
広告情報配信装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの半導体メモリやハードディスクなどのストレージ、並びに通信I/F(Interface)などを備えている。
【0046】
広告情報配信装置10のストレージには、本発明の広告情報配信プログラムの一実施形態がインストールされている。この広告情報配信プログラムがCPUによって起動されることによって、広告情報配信装置10の上述した各部の機能が実行される。
【0047】
また、本実施形態においては、CPUによって広告情報配信プログラムを実行することによって各部の機能を実行するようにしたが、広告情報配信プログラムが実行する一部の機能または全部の機能をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)、その他の電気回路などのハードウェアから構成するようにしてもよい。
【0048】
次に、ユーザの端末装置20について説明する。
【0049】
ユーザの端末装置20は、上述したように路線バスのユーザが使用するものであり、たとえばタブレット端末やスマートフォンなどの移動体端末から構成される。
【0050】
端末装置20は、
図1に示すように、制御部21、表示部22、記憶部23および入力部24を備えている。制御部21は、端末装置20全体を制御する。特に、制御部21は、広告情報配信装置10から配信された広告情報を受信し、その広告情報を表示部22に表示させる。
【0051】
また、制御部21は、たとえばユーザが、広告情報の広告対象が掲載された購入サイトにアクセスして広告対象を購入した場合には、上述した購入情報を広告主の端末装置30に送信する。
【0052】
また、制御部21は、予めインストールされた交通系ICのアプリケーションが路線バスの読取装置70によって読み取られた際には、アプリケーションから広告情報配信装置10に上述したユーザ情報を送信する。
【0053】
表示部22は、液晶ディスプレイなどの表示デバイスを備え、端末装置20がタブレット端末またはスマートフォンである場合には、タブレット端末またはスマートフォンが有するタッチパネルが表示部22である。
【0054】
入力部24は、ユーザによる種々の情報の設定入力を受け付ける。
【0055】
端末装置20の上述した機能は、端末装置20のハードディスクなどに予めインストールされたアプリケーションの機能により実現してもよいし、ウェブブラウザ経由で提供されるアプリケーションを利用してもよい。
【0056】
次に、広告主の端末装置30について説明する。広告主の端末装置30は、上述したように広告情報を提供する広告主が使用するものであり、たとえばデスクトップパソコンやラップトップパソコンや、タブレット端末などの移動体端末から構成される。
【0057】
端末装置30は、
図1に示すように、制御部31、表示部32、記憶部33および入力部34を備えている。制御部31は、端末装置30全体を制御する。特に、制御部31は、記憶部33に記憶された広告情報を読み出し、広告掲載依頼とともに広告情報配信装置10に送信して登録する。
【0058】
また、制御部31は、広告情報の広告対象の商品またはサービスなどが購入された場合に、その購入情報を受け付け、表示部32に表示させる。
【0059】
また、制御部31は、購入情報に対する広告情報の費用の情報が設定入力された場合に、購入情報とともに広告情報配信装置10に送信する。
【0060】
表示部32は、液晶ディスプレイなどの表示デバイスを備え、端末装置30がタブレット端末である場合には、タブレット端末が有するタッチパネルが表示部32である。
【0061】
記憶部33は、広告情報、購入情報および広告情報の費用の情報などを記憶する。
【0062】
入力部34は、広告主による種々の設定入力を受け付けるものであり、特に、広告情報の費用の情報の設定入力を受け付ける。
【0063】
端末装置30の上述した機能は、端末装置30のハードディスクなどに予めインストールされたアプリケーションの機能により実現してもよいし、ウェブブラウザ経由で提供されるアプリケーションを利用してもよい。
【0064】
次に、本実施形態の広告情報管理システム1の処理の流れについて、
図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0065】
まず、広告主が、広告主の端末装置30を用いて、広告情報および広告情報配信条件を含む広告掲載依頼を広告情報配信装置10に送信して登録する(S10)。
【0066】
次に、路線バスのユーザが、路線バスに乗車し、路線バスの読取装置70によって端末装置20を読み取らせ、ユーザ情報が、読取装置70から広告情報配信装置10に送信され、広告情報配信装置10によって取得される(S12)。
【0067】
広告情報配信装置10は、入力されたユーザ情報と広告情報配信条件に基づいて、送信対象の広告情報を決定し、ユーザの端末装置20に送信する(S14)。ユーザの端末装置20では、広告情報が表示される(S16)。
【0068】
そして、ユーザによって広告情報が閲覧され、ユーザが、広告情報の広告対象の商品またはサービスなどを購入した場合には、その購入情報が、ユーザの端末装置20から広告主の端末装置30に送信される(S18)。
【0069】
そして、広告主の端末装置30によって受け付けられた購入情報が広告主によって確認され、広告主は、その購入情報に対する広告情報の費用の情報を設定入力する(S20)。
【0070】
広告主により設定入力された広告情報の費用の情報は、ユーザの端末装置20の識別情報および広告情報の識別情報とともに広告主の端末装置30から広告情報配信装置10に送信される(S22)。
【0071】
広告情報配信装置10は、広告情報の費用の一部をユーザに還元される費用として算出し、ユーザの端末装置20の識別情報に基づいて、その還元される費用の情報をユーザの端末装置20に送信し(S24)、端末装置20の交通系ICのアプリケーションなどにチャージする(S26)。
【0072】
なお、上記実施形態の広告情報管理システム1では、広告主の端末装置30が、広告対象の購入情報を取得し、その購入情報に基づいて広告情報の費用を支払い、その広告情報の費用の情報を広告情報配信装置10に送信するようにしたが、これに限らず、広告情報配信装置10が、購入情報を取得して広告情報の費用を決定し、その広告情報の費用の情報を請求情報として広告主の端末装置30に送信するようにしてもよい。
【0073】
図4は、このような処理を行う広告情報管理システム2の構成を示す図である。
図4に示す広告情報管理システム2の広告情報配信装置10は、
図1に示す広告費情報取得部12の代わりに、広告費情報出力部14を有する。なお、広告情報管理システム2では、広告情報配信装置10が、本発明の購入情報取得部に相当する。
【0074】
広告費情報出力部14は、ユーザが広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、その広告情報の費用の情報を決定し、広告主の端末装置30に送信する。広告情報の費用の情報の決定方法としては、たとえば広告情報の識別情報とその費用の情報とを対応づけた広告費テーブルを予め設定しておくようにすればよい。そして、ユーザの端末装置20から送信されたユーザが閲覧した広告情報の識別情報に基づいて、上記広告費テーブルを参照することによって、広告情報の費用の情報を決定するようにすればよい。
【0075】
図5は、
図4に示す広告情報管理システム2の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図5に示すフローチャートにおけるS30~S36までの処理は、
図3に示すフローチャートにおけるS10~S16までの処理と同様である。
【0076】
そして、
図5に示すフローチャートでは、ユーザが広告情報の広告対象を購入した場合、その広告情報の識別情報および端末装置20の識別情報が、購入情報として端末装置20から広告情報配信装置10および広告主の端末装置30に送信される(S38)。
【0077】
そして、広告情報配信装置10は、ユーザの端末装置20から送信された広告情報の識別情報および端末装置20の識別情報を取得し、広告情報の識別情報に基づいて、上述した広告費テーブルを参照して、広告情報の費用の情報を取得する(S40)。
【0078】
そして、広告情報配信装置10は、広告情報の識別情報および広告情報の費用の情報を広告主の端末装置30に送信する(S42)。広告主は、端末装置30によって受信した広告情報の費用の情報に基づいて、費用の支払いを行う(S44)。
【0079】
一方、広告情報配信装置10は、広告情報の費用の一部をユーザに還元される費用として算出し、その費用の情報を、ユーザの端末装置20の識別情報に基づいて、ユーザの端末装置20に送信し(S46)、端末装置20の交通系ICのアプリケーションなどにチャージする(S48)。
【0080】
上記実施形態の広告情報管理システム1,2によれば、路線バス内においてユーザが広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、その購入情報を取得するようにしたので、広告主は、広告対象の購入情報を確認し、広告効果があった広告情報に対して費用を支払うことができる。
【0081】
また、上記実施形態の広告情報管理システム1,2において、広告情報の費用の情報の一部をユーザに還元するようにした場合には、ユーザが路線バスに乗車するモチベーションを高めることができ、これにより広告情報の閲覧をより促進することができる。
【0082】
また、上記実施形態の広告情報管理システム1,2において、広告情報の広告対象の支払い金額に基づいて、広告情報の費用の情報を変更するようにした場合には、広告主は、ユーザの広告対象の購入に見合った広告情報の費用を支払うことができる。また、広告情報の広告対象の支払い金額に基づいて、ユーザに還元する還元率を変更するようにした場合には、ユーザの広告対象の購入のモチベーションを高めることができる。
【0083】
また、上記実施形態の広告情報管理システム1,2において、広告主の広告情報配信条件に基づいて、広告主の広告情報を配信するようにした場合には、広告主が希望する任意のタイミングで広告情報を配信することができる。
【0084】
また、上記実施形態の広告情報管理システム1,2において、ユーザの広告情報の検索情報に応じた広告情報を配信するようにした場合には、ユーザが希望する広告情報を閲覧することができ、ユーザの購買意欲を高めることができる。
【0085】
なお、上記実施形態の広告情報管理システム1においては、ユーザの端末装置20に広告情報を表示させるようにしたが、これに限らず、たとえば路線バスの位置情報に基づいて、路線バス内に設置されたモニタなどの表示装置に広告情報を表示させるようにしてもよい。この場合、たとえばユーザが端末装置20を用いて、モニタに表示された広告情報に含まれるQRコード(登録商標)を読み取った場合に、広告情報の広告対象の商品またはサービスが掲載されたサイトにアクセスし、広告対象の商品またはサービスを購入するようにしてもよい。
【0086】
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。たとえば実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。
【0087】
本発明に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0088】
(付記1)
本発明の広告情報管理システムは、輸送手段内のユーザまたは輸送手段に乗車する予定のユーザに対して広告情報を配信する広告情報配信部と、ユーザが広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、その購入情報を取得する購入情報取得部とを備える。
【0089】
(付記2)
付記1記載の広告情報管理システムにおいては、広告情報の費用の情報の一部をユーザに還元する費用還元部を備えることができる。
【0090】
(付記3)
付記2記載の広告情報管理システムにおいて、費用還元部は、広告情報の広告対象の支払い金額に基づいて、広告情報の費用の情報またはユーザに還元する還元率を変更することができる。
【0091】
(付記4)
付記1から付記3いずれかに記載の広告情報管理システムにおいて、広告情報配信部は、広告主の広告情報配信条件を受け付け、その受け付けた広告情報配信条件に基づいて、広告主の広告情報を配信することができる。
【0092】
(付記5)
付記1から付記4いずれかに記載の広告情報管理システムにおいて、広告情報配信部は、ユーザの広告情報の検索情報を受け付け、その受け付けた検索情報に応じた広告情報を配信することができる。
【0093】
(付記6)
本発明の広告情報配信装置は、輸送手段内のユーザまたは輸送手段に乗車する予定のユーザに対して広告情報を配信する広告情報配信部と、ユーザが広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、広告情報の費用の情報を取得する広告費情報取得部とを備える。
【0094】
(付記7)
本発明の広告情報配信装置は、輸送手段内のユーザまたは輸送手段に乗車する予定のユーザに対して広告情報配信部と、ユーザが広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、広告情報の費用の情報を出力する広告費情報出力部とを備える。
【0095】
(付記8)
本発明の広告情報管理方法は、輸送手段内のユーザまたは輸送手段に乗車する予定のユーザに対して広告情報を配信し、ユーザが広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、該購入情報を取得する。
【0096】
(付記9)
本発明の広告情報配信プログラムは、輸送手段内のユーザまたは輸送手段に乗車する予定のユーザに対して広告情報を配信するステップと、ユーザが広告情報を閲覧して広告対象を購入した場合に、広告情報の費用の情報を取得または出力するステップとをコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0097】
1,2 広告情報管理システム
10 広告情報配信装置
11 広告情報配信部
11a ユーザ情報取得部
11b 配信条件設定部
11c 広告情報記憶部
12 広告費情報取得部
13 費用還元部
14 広告費情報出力部
20 端末装置
21 制御部
22 表示部
23 記憶部
24 入力部
30 端末装置
31 制御部
32 表示部
33 記憶部
34 入力部
70 読取装置