(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142399
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241003BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20241003BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20241003BHJP
H01M 50/256 20210101ALI20241003BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02J7/00 301B
H01M50/204 401D
H01M50/296
H01M50/256 101
H01M10/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054524
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】井野 光泰
(72)【発明者】
【氏名】モマヤ ディヴィヤン
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
5H040
【Fターム(参考)】
5G503BA01
5G503BB02
5G503DA04
5G503FA03
5G503FA07
5H030AA08
5H030AS06
5H030AS08
5H030FF51
5H040AA40
5H040AS05
5H040AY04
5H040GG21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電力装置から蓄電装置を取り出すタイミングを認識することができる蓄電装置を提供する。
【解決手段】蓄電装置であるバッテリ10において、ハンドル16がケース12に設けられている。接触スイッチ46は、ハンドル16に対してケース12から離れる方向に力が加わったことを検出する。
【効果】電力装置から蓄電装置を取り出すタイミングを認識でき、蓄電装置が放電又は充電を行っている状態で電力装置から取り出されることを防止することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電部と、
前記蓄電部を収容する筐体と、
前記筐体に設けられるか、又は、前記筐体と一体的に設けられる把手部と、
前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に力が加わったことを検出する、又は、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に加わった力を検出する検出部と、
を備える、蓄電装置。
【請求項2】
請求項1記載の蓄電装置において、
該蓄電装置の状態を、前記蓄電部と該蓄電装置の外部とを電気的に接続可能な活性状態、又は、前記蓄電部と該蓄電装置の外部とを電気的に接続不能な非活性状態に切り替える活性切替部をさらに備え、
前記活性切替部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電装置の状態を切り替えるか、又は、前記蓄電装置の状態を維持する、蓄電装置。
【請求項3】
請求項2記載の蓄電装置において、
前記活性切替部は、
前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に前記力が加わったこと、又は、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に加わった前記力が所定以上であることを前記検出部が検出したときに、
前記蓄電装置の状態を前記非活性状態に切り替えることを許可する、
前記蓄電装置の状態を前記非活性状態に維持することを許可する、
前記蓄電装置の状態を前記活性状態に維持することを禁止する、
又は、前記蓄電装置の状態を前記活性状態に切り替えることを禁止する、蓄電装置。
【請求項4】
請求項2記載の蓄電装置において、
前記活性切替部は、
前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に前記力が加わったこと、又は、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に加わった前記力が所定以上であることを前記検出部が検出しないときに、
前記蓄電装置の状態を前記活性状態に維持することを許可する、又は、前記蓄電装置の状態を前記活性状態に切り替えることを許可する、蓄電装置。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1項に記載の蓄電装置において、
前記筐体に収容され、前記蓄電部と外部とを接続又は遮断する断続部をさらに備え、
前記活性切替部は、
前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に前記力が加わったこと、又は、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に加わった前記力が所定以上であることを前記検出部が検出したときに、前記断続部の状態を前記蓄電部と外部との間を遮断する遮断状態に切り替えることで、前記蓄電装置の状態を前記非活性状態に切り替える、蓄電装置。
【請求項6】
請求項5記載の蓄電装置において、
前記蓄電装置は、電力装置に対して着脱可能であり、
前記断続部は、前記蓄電部と前記電力装置との間を電気的に接続又は遮断し、
前記検出部は、前記筐体が前記電力装置に収容されることで、前記蓄電装置が前記電力装置に装着されているときに、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に力が加わったこと、又は、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に加わった力が所定以上であることを検出することで、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を検出し、
前記活性切替部は、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を前記検出部が検出したときに、前記断続部の状態を前記遮断状態に切り替える、蓄電装置。
【請求項7】
請求項6記載の蓄電装置において、
前記筐体に設けられ、前記電力装置に設けられた電力装置側接続部に接続可能な蓄電装置側接続部をさらに備え、
前記蓄電装置側接続部は、
前記断続部と前記電力装置側接続部とを電気的に接続することで、前記蓄電部と前記電力装置との間での電力の授受を可能とする電力接続端子と、
前記活性切替部と前記電力装置側接続部とを信号伝達可能に接続することで、前記電力装置から前記活性切替部への制御指令の供給を可能とする制御接続端子と、
を有し、
前記検出部は、前記蓄電装置が前記電力装置に装着されているときに、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、前記制御接続端子が前記電力装置側接続部と非接続状態になったことを検出することで、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を検出する、蓄電装置。
【請求項8】
請求項7記載の蓄電装置において、
前記電力装置側接続部が雄型コネクタ部であるときに、前記蓄電装置側接続部は、前記雄型コネクタ部に嵌合可能な雌型コネクタ部であり、
前記電力接続端子は、前記雄型コネクタ部の第1雄コンタクトに嵌合可能な第1雌コンタクトであり、
前記制御接続端子は、前記雄型コネクタ部の第2雄コンタクトに嵌合可能な第2雌コンタクトであり、
前記検出部は、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、前記雄型コネクタ部に対して前記雌型コネクタ部が相対的に離間して、前記第2雌コンタクトと前記第2雄コンタクトとが非接続状態になったことを検出することで、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を検出する、蓄電装置。
【請求項9】
請求項7記載の蓄電装置において、
前記電力装置側接続部が雌型コネクタ部であるときに、前記蓄電装置側接続部は、前記雌型コネクタ部に嵌合可能な雄型コネクタ部であり、
前記電力接続端子は、前記雌型コネクタ部の第1雌コンタクトに嵌合可能な第1雄コンタクトであり、
前記制御接続端子は、前記雌型コネクタ部の第2雌コンタクトに嵌合可能な第2雄コンタクトであり、
前記検出部は、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、前記雌型コネクタ部に対して前記雄型コネクタ部が相対的に離間して、前記第2雄コンタクトと前記第2雌コンタクトとが非接続状態になったことを検出することで、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を検出する、蓄電装置。
【請求項10】
請求項8又は9記載の蓄電装置において、
前記第2雌コンタクトの全長が前記第1雌コンタクトの全長よりも短いか、又は、前記第2雄コンタクトの全長が前記第1雄コンタクトの全長よりも短い、蓄電装置。
【請求項11】
請求項6~10のいずれか1項に記載の蓄電装置において、
前記筐体は、前記電力装置に備わる有底筒状の収容部に挿入されることで、前記電力装置に収容され、
前記検出部は、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、前記筐体が前記収容部の底部から離間したことを検出することで、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を検出する、蓄電装置。
【請求項12】
請求項11記載の蓄電装置において、
前記検出部は、前記収容部の底部と向かい合う前記筐体の底部に設けられ、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、前記筐体の底部が前記収容部の底部から離間して、前記筐体の底部と前記収容部の底部とが非接触状態になったことを検出することで、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を検出する、蓄電装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の蓄電装置において、
前記把手部は、
前記筐体と一体に設けられる第1部と、該第1部に対して相対移動可能な第2部と、を有するか、
又は、前記筐体に対して相対移動可能に該筐体に設けられる、蓄電装置。
【請求項14】
請求項13記載の蓄電装置において、
前記第1部と前記第2部との間、又は、前記把手部と前記筐体との間には、弾性部材が介挿され、
前記弾性部材は、前記把手部から前記筐体に向かう引っ張り力を有し、
前記検出部は、前記第2部に対して前記筐体から離れる方向に力が加わったこと、又は、 前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に力が加わったことを検出する、蓄電装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の蓄電装置において、
前記検出部は、前記把手部に設けられ、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に加わった力を検出する、蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、持ち運び可能な蓄電装置が開示されている。この蓄電装置は、電力装置に対して着脱可能である。蓄電装置は、電力装置に装着されているときに、放電又は充電が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
感電防止等の観点から、蓄電装置による放電又は充電を中止した後に、電力装置から蓄電装置を取り出すことが望ましい。そのため、電力装置には、例えば、スイッチと、蓄電装置を固定するためのレバーとが備わっている。ユーザがスイッチを操作すると、蓄電装置の放電又は充電が中止され、その後、蓄電装置がレバーによる固定状態から解除される。これにより、ユーザは、電力装置から蓄電装置を安全に取り出すことができる。
【0005】
しかしながら、蓄電装置を電力装置に固定したくないニーズがある場合、電力装置には、スイッチ及びレバーが設けられない。これにより、電力装置から蓄電装置を取り出すタイミングを認識することができなくなる。この結果、蓄電装置が放電又は充電を行っている状態で電力装置から取り出される可能性がある。
【0006】
本発明は、上記した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、蓄電部と、前記蓄電部を収容する筐体と、前記筐体に設けられるか、又は、前記筐体と一体的に設けられる把手部と、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に力が加わったことを検出する、又は、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に加わった力を検出する検出部と、を備える、蓄電装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、把手部に対して筐体から離れる方向に力が加わったときに、該力が加わったことが検出されるか、又は、該力が検出される。これにより、蓄電装置が電力装置に装着されているときに、電力装置にスイッチ及びレバーが設けられていなくても、電力装置から蓄電装置を取り出すタイミングを認識することができる。この結果、蓄電装置が放電又は充電を行っている状態で電力装置から取り出されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るバッテリの斜視図である。
【
図7】
図7は、AND回路の出力を示す説明図である。
【
図8】
図8は、バッテリの動作を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係るバッテリの断面図である。
【
図12】
図12は、第4実施形態に係るバッテリの断面図である。
【
図14】
図14は、第5実施形態に係るバッテリの断面図である。
【
図16】
図16は、第6実施形態に係るバッテリの断面図である。
【
図18】
図18は、第7実施形態に係るバッテリの断面図である。
【
図20】
図20は、第8実施形態に係るバッテリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、第1実施形態に係るバッテリ10(蓄電装置)の斜視図である。
【0011】
バッテリ10は、ケース12(筐体)と、雌型コネクタ14(蓄電装置側接続部、雌型コネクタ部)と、ハンドル16(把手部)とを備える。以下の説明では、
図1及び
図2の紙面の上下方向を、バッテリ10及び後述する電力装置18の上下方向として説明する。
【0012】
ケース12は、樹脂材料等で構成される。ケース12は、ケース本体20と、ボトムケース22とを有する。
図2に示すように、ケース本体20は、中空の矩形状のケースである。ケース本体20の内部には、バッテリ本体24(蓄電部)が収容されている。ボトムケース22は、トレイ状のケースである。ボトムケース22は、ケース本体20の底部に固定されている。
【0013】
雌型コネクタ14は、レセプタクルとも称される。雌型コネクタ14は、ケース本体20の底部に設けられている。ボトムケース22における雌型コネクタ14と向かい合う部分には、開口26が形成されている。雌型コネクタ14は、開口26を介して、外部に露出する。
【0014】
ハンドル16は、樹脂材料等で構成される。
図1に示すように、ハンドル16は、ハンドルカバー28と、ハンドル本体30とを有する。ハンドルカバー28は、ケース本体20の上部に固定されている。ハンドル本体30は、ハンドルカバー28の上部に連結されている。ハンドル本体30は、T字状に形成されている。ハンドル本体30は、第1ハンドル部32と、第2ハンドル部34とを有する。第1ハンドル部32は、ハンドルカバー28の外周に沿って、ハンドルカバー28の上部に設けられている。
図1及び
図2に示すように、第1ハンドル部32は、雌型コネクタ14の長手方向に沿って配置されている。第2ハンドル部34は、第1ハンドル部32と直交する方向に延びるように配置されている。第2ハンドル部34の一端は、第1ハンドル部32の中央部分に連結されている。第2ハンドル部34の他端は、ハンドルカバー28の外周部のうち、第1ハンドル部32から離れた箇所に連結されている。ハンドル本体30は、第1ハンドル部32及び第2ハンドル部34とハンドルカバー28との間に、ユーザが手(指)を差し込めるようにハンドルカバー28から上方に突出している。すなわち、第1ハンドル部32及び第2ハンドル部34とハンドルカバー28とは、断面が環状に形成されている。これにより、ユーザは、第2ハンドル部34とハンドルカバー28との隙間に指を差し込み、第2ハンドル部34を把持することができる。なお、ユーザは、第1ハンドル部32とハンドルカバー28との隙間に指を差し込み、第1ハンドル部32を把持することも可能である。
【0015】
ハンドルカバー28は、ハンドル上部36(第2部)と、ハンドル下部38(第1部)とに分割されている。すなわち、ハンドル下部38は、第1ハンドル部32及び第2ハンドル部34のうち、ハンドルカバー28に連結されている部分である。ハンドル下部38は、ハンドルカバー28に固定されている。ハンドル上部36は、第1ハンドル部32及び第2ハンドル部34のうち、ユーザが把持可能な部分である。ハンドル上部36は、ハンドルカバー28に対して上方に離間した部分である。ハンドル上部36は、ハンドル下部38に対して、相対移動が可能に構成されている。
【0016】
図2に示すように、ハンドル下部38の上面には、ケース本体20に向かって凹む凹部40が形成されている。凹部40の底面とハンドル上部36の底面との間には、バネ部材42(弾性部材)が介挿されている。バネ部材42は、引っ張りバネである。バネ部材42は、ハンドル上部36からハンドル下部38に向かうバネ力(引っ張り力)を有する。ユーザがハンドル16に接触していない場合、ハンドル上部36は、バネ部材42のバネ力によって、ハンドル下部38に当接している。ユーザが第2ハンドル部34を把持し、第2ハンドル部34をケース12から離間する方向に引く(上方向に引き上げる)と、ハンドル上部36は、バネ部材42のバネ力に抗して、ハンドル下部38から上方に離間する。この場合、ハンドル下部38に対するハンドル上部36の最大離間量(相対移動量)は、不図示の規制部によって規制される。そのため、ユーザがハンドル上部36を把持してバッテリ10を持ち上げたときには、ハンドル上部36は、規制部に引っ掛かることで、該規制部を介して、ハンドル下部38に連結される。また、ユーザがバッテリ10を持ち上げたときに、ハンドル上部36には、規制部を介して、バッテリ10の荷重がかかる。
【0017】
凹部40には、検出部44である接触スイッチ46が配置されている。接触スイッチ46は、上方に突出する接触子48を有する。
【0018】
図2に示すように、ハンドル上部36の底面がハンドル下部38の上面に当接している場合、接触スイッチ46は、接触子48がハンドル上部36の底面に接触することで、ハンドル上部36がハンドル下部38に当接していることを検出する。ハンドル上部36がハンドル下部38に当接している場合、ハンドル上部36には、ケース12から離れる方向(上方向)への力が加わっていない。従って、接触スイッチ46は、ハンドル上部36がハンドル下部38に当接していることを検出することで、ケース12から離れる方向への力がハンドル上部36に加わっていないことを検出することができる。
【0019】
図3に示すように、ハンドル上部36がハンドル下部38から離間した場合、接触スイッチ46は、接触子48がハンドル上部36と非接触状態になったことを検出することで、ハンドル上部36がハンドル下部38から離間したことを検出する。ケース12から離れる方向への力がハンドル上部36に加わることで、ハンドル上部36がハンドル下部38から離間する。従って、接触スイッチ46は、ハンドル上部36がハンドル下部38から離間したことを検出することで、ケース12から離れる方向への力がハンドル上部36に加わっていることを検出することができる。
【0020】
雌型コネクタ14は、雌型端子支持台50と、複数の雌型端子52とを備える。雌型端子支持台50は、樹脂材料等から構成される。雌型端子支持台50は、ケース本体20の底部に形成されている。ケース本体20の底部の中央部は、ケース本体20の他の部分よりも肉厚である。雌型端子支持台50は、ケース本体20の肉厚部分である。雌型端子支持台50には、複数の差し込み孔54が間隔を空けて形成されている。複数の差し込み孔54には、雌型コンタクトである複数の雌型端子52が挿入される。複数の雌型端子52は、導電性部材である。複数の雌型端子52の各々の全長は、同じ長さである。複数の雌型端子52の各々は、複数の差し込み孔54のうち、いずれかの差し込み孔54に収容される。従って、複数の雌型端子52は、互いに電気的に絶縁されている。
【0021】
複数の雌型端子52の各々は、一対の端子部材56を有する。一対の端子部材56の基端部は、雌型端子支持台50に固定されている。一対の端子部材56は、差し込み孔54において、雌型端子支持台50から下方に向かって突出している。一対の端子部材56は、一定の間隔を空けて、下方に向かって突出している。一対の端子部材56の先端部は、互いに近接するように折り曲げられている。一対の端子部材56の先端は、互いに離間するように折り返されている。
【0022】
バッテリ10は、電力装置18に形成されたスロット58(収容部)に着脱可能に装着される。すなわち、電力装置18は、筐体60を有する。スロット58は、筐体60の内部で上下方向に形成されている。スロット58は、筐体60の表面から内部に延びる有底筒状の収容部である。従って、スロット58は、バッテリ10の外部に開口している。バッテリ10は、スロット58に対して着脱可能なモバイルバッテリである。バッテリ10は、充放電可能なモバイルバッテリである。バッテリ10は、例えば、着脱式のリチウムイオンバッテリのバッテリパックが好適である。バッテリ10は、ボトムケース22をスロット58に向けた状態で、スロット58に挿入される。従って、バッテリ10は、バッテリ10の底部(ボトムケース22)がスロット58の底部に当接した状態でスロット58に装着される。
【0023】
なお、バッテリ10は、別途の作業工具等を用いることなく、電力装置18のスロット58に対して着脱可能であることがより好ましい。バッテリ10は、作業工具等を用いなくても、スロット58に対して着脱できるように構成されている。また、「電力装置18(スロット58)に対して着脱」には、電力装置18のスロット58に対してバッテリ10を装着する場合と、スロット58に対してバッテリ10を離脱させる場合とが含まれる。
【0024】
スロット58の底部には、雄型コネクタ62(電力装置側接続部、雄型コネクタ部)が設けられている。雄型コネクタ62は、レセプタクルである雌型コネクタ14に嵌合(接続)するプラグとも称される。雄型コネクタ62は、雄型端子支持台64と、複数の雄型端子66とを備える。雄型端子支持台64は、樹脂材料等から構成される。雄型端子支持台64は、スロット58の底部に形成されている。雄型端子支持台64は、ボトムケース22の開口26を挿通可能な程度の大きさを有する。雄型端子支持台64には、雄型コンタクトである複数の雄型端子66が固定される。複数の雄型端子66は、導電性部材である。複数の雄型端子66の各々の全長は、同じ長さである。複数の雄型端子66は、一定の間隔を空けて雄型端子支持台64に固定されている。従って、複数の雄型端子66は、互いに電気的に絶縁されている。複数の雄型端子66の各々は、スロット58の軸線に沿って上下方向に延びている。
【0025】
図2に示すように、スロット58にバッテリ10が挿入され、バッテリ10の底部(ボトムケース22)がスロット58の底部に当接するときに、雄型端子支持台64がボトムケース22の開口26を挿通し、ケース本体20の底部に当接する。このときに、複数の雄型端子66は、複数の雌型端子52の一対の端子部材56の間に差し込まれる。これにより、複数の雄型端子66と複数の雌型端子52とが接続される。すなわち、雄型コネクタ62と雌型コネクタ14とが(電気的に)接続される。
【0026】
なお、接触スイッチ46は、接触子48とハンドル上部36とが接触していることを検出し、ハンドル上部36がハンドル下部38に当接していることを検出することで、バッテリ10がスロット58に装着されていることを検出することができる。
【0027】
図3に示すように、ユーザが第2ハンドル部34を把持し、該第2ハンドル部34を引き上げると、ハンドル上部36は、バネ部材42のバネ力に抗して、上方に移動する。接触スイッチ46は、接触子48とハンドル上部36とが非接触状態になったことを検出することで、ハンドル上部36がハンドル下部38から離間したことを検出する。
【0028】
図4に示すように、ユーザが第2ハンドル部34をさらに引き上げると、バッテリ10は、上方に移動し、ボトムケース22は、スロット58の底部から離間する。これにより、複数の雌型端子52は、複数の雄型端子66から離間する。雄型コネクタ62と雌型コネクタ14とは、電気的に非接続状態となる。
【0029】
なお、ユーザが第2ハンドル部34を引き上げることで、スロット58からバッテリ10が引き抜かれる。そのため、接触スイッチ46は、接触子48とハンドル上部36とが非接触状態になったことを検出し、ハンドル上部36がハンドル下部38から離間したことを検出することで、バッテリ10がスロット58から引き抜かれる(離脱する)ことを検出することができる。
【0030】
図5は、電力装置18の回路図である。電力装置18は、バッテリ10、スロット58、ECU67、入力部68、出力部70及び負荷72を備える。
【0031】
電力装置18は、少なくとも1つのバッテリ10を備えていればよい。上記のように、バッテリ10がスロット58に装着されている場合、バッテリ10と負荷72とは、電力伝達経路74を介して電力の授受が可能である。バッテリ10がスロット58に装着されている場合、バッテリ10の雌型コネクタ14とスロット58の雄型コネクタ62とが電気的に接続される。雄型コネクタ62には、電力伝達経路74が接続されている。電力伝達経路74は、正極線76と負極線78とを有する。
【0032】
正極線76は、雄型コネクタ62の複数の雄型端子66(
図2参照)のうち、1つの雄型端子80(第1雄コンタクト)と、負荷72の正極とを電気的に接続する。正極線76に接続された雄型端子80と、雌型コネクタ14の複数の雌型端子52のうち、該雄型端子80に向かい合う1つの雌型端子52(第1雌コンタクト)と接続される。該1つの雌型端子52は、電力接続端子82である。
【0033】
負極線78は、雄型コネクタ62の複数の雄型端子66のうち、他の1つの雄型端子84(第1雄コンタクト)と、負荷72の負極とを電気的に接続する。負極線78に接続された雄型端子84と、雌型コネクタ14の複数の雌型端子52のうち、該雄型端子84に向かい合う1つの雌型端子52(第1雌コンタクト)と接続される。該1つの雌型端子52は、電力接続端子86である。
【0034】
負荷72は、バッテリ10から電力伝達経路74を介して供給される電力(直流電力)によって動作する電気負荷である。例えば、負荷72は、バッテリ10から供給される直流電力を交流電力に変換するインバータである。負荷72は、バッテリ10から直流電力が供給されたときに、直流電圧の電圧値を変換するDC/DCコンバータであってもよい。負荷72は、バッテリ10に対してDC/DCコンバータとインバータとが順に接続された電気負荷であってもよい。負荷72は、電力装置18に配置された電気負荷(内部負荷)と、電力装置18の外部に存在し、内部負荷と電気的に接続される電気負荷(外部負荷)とを含めてもよい。この場合、インバータが内部負荷となる。また、電力装置18の外部に存在し、インバータと電気的に接続される家電が外部負荷となる。あるいは、負荷72は、外部負荷であってもよい。
【0035】
従って、電力装置18は、バッテリ10から負荷72に電力を供給(放電)する給電装置として機能する。また、電力装置18は、負荷72からバッテリ10に電力を入力(充電)する充電装置として機能する。
【0036】
ECU67は、スロット58に装着されたバッテリ10を含む電力装置18の各部を制御する。ECU67は、演算部88、メモリ90、活性指令部92及びCAN通信部94を有する。ECU67とバッテリ10及び負荷72とは、CAN通信線等の通信線96を介して接続されている。具体的には、通信線96は、雄型コネクタ62の複数の雄型端子66(
図2参照)のうち、1つの雄型端子98と信号伝達可能に接続されている。通信線96に接続された雄型端子98と、雌型コネクタ14の複数の雌型端子52のうち、該雄型端子66に向かい合う1つの雌型端子52と接続される。該1つの雌型端子52は、通信端子100である。これにより、ECU67は、通信線96を介して、バッテリ10との間で信号又は情報の送受信が可能となる。また、ECU67は、通信線96を介して、負荷72との間で、信号又は情報の送受信が可能である。
【0037】
ECU67とバッテリ10とは、信号線102を介して接続可能である。具体的には、信号線102は、雄型コネクタ62の複数の雄型端子66のうち、1つの雄型端子104(第2雄コンタクト)と信号伝達可能に接続されている。信号線102に接続された雄型端子104と、雌型コネクタ14の複数の雌型端子52のうち、該雄型端子104に向かい合う1つの雌型端子52(第2雌コンタクト)と接続される。該1つの雌型端子52は、制御接続端子106である。これにより、ECU67は、信号線102を介して、バッテリ10に指令信号を供給可能である。
【0038】
演算部88は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサ(processor)によって構成され得る。すなわち、演算部88は、処理回路(processing circuitry)によって構成され得る。演算部88は、メモリ90に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、各種の機能を実現する。
【0039】
なお、演算部88の少なくとも一部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現されてもよい。また、演算部88の少なくとも一部が、ディスクリートデバイスを含む電子回路によって構成されてもよい。
【0040】
メモリ90は、揮発性メモリ(不図示)と不揮発性メモリ(不図示)とによって構成され得る。揮発性メモリとしては、例えば、RAM(Random Access Memory)等が挙げられ得る。この揮発性メモリは、プロセッサのワーキングメモリとして使用され、処理又は演算に必要なデータ等を一時的に記憶する。不揮発性メモリとしては、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等が挙げられ得る。不揮発性メモリは、保存用のメモリとして使用され、プログラム、テーブル、マップ等を記憶する。メモリ90の少なくとも一部が、上述したようなプロセッサ、集積回路等に備えられていてもよい。
【0041】
活性指令部92は、バッテリ10の状態を切り替えるための指令信号(活性化信号)を、信号線102を介して、バッテリ10に供給する。詳しくは、指令信号は、バッテリ10を利用可能な状態(活性状態)にするための信号と、バッテリ10を利用不能な状態(非活性状態)にするための信号とを含む。活性指令部92は、所定の電圧レベルの信号(ハイレベル信号)をバッテリ10の状態を活性状態にするための指令信号としてバッテリ10に供給する。また、活性指令部92は、ローレベル信号をバッテリ10の状態を非活性状態にするための指令信号としてバッテリ10に供給する。なお、活性指令部92は、指令信号の供給を停止することで、ローレベル信号の指令信号を実現してもよい。このように、指令信号は、バッテリ10の状態を非活性状態又は活性状態にすることを該バッテリ10に指示するための信号である。
【0042】
なお、非活性状態は、バッテリ10のバッテリ本体24(蓄電部)と、該バッテリ10の外部とが電気的に接続不能な状態である。従って、非活性状態では、バッテリ本体24からバッテリ10の外部への電力の出力(放電)、又は、バッテリ10の外部からバッテリ本体24への電力の入力(充電)が不能である。
【0043】
また、活性状態は、バッテリ本体24とバッテリ10の外部とが電気的に接続可能な状態である。従って、活性状態では、バッテリ本体24からバッテリ10の外部への電力の出力、又は、バッテリ10の外部からバッテリ本体24への電力の入力が可能である。
【0044】
CAN通信部94は、通信線96を介して、バッテリ10及び負荷72との間で、信号又は情報の送受信を行う。例えば、CAN通信部94は、スロット58に装着されたバッテリ10から、バッテリ10に関する各種の情報を取得する。CAN通信部94は、負荷72から該負荷72に関する各種の情報を取得する。
【0045】
入力部68は、ユーザからの操作入力を受け付け、受け付けた操作入力の内容を演算部88に出力する。入力部68は、例えば、タッチパネル又は操作ボタンである。
【0046】
出力部70は、演算部88からの指示に基づき、各種の情報を外部に報知する。報知部は、例えば、ディスプレイ又はインジケータである。
【0047】
図6に示すように、バッテリ10は、バッテリ本体24と、BMU108(活性切替部)と、CAN通信部110と、スイッチ112(断続部)と、プリチャージ回路部114と、接触スイッチ46(検出部44)とを備える。
【0048】
バッテリ本体24は、直列に接続された複数のセルから構成される。バッテリ本体24は、2次電池である。スイッチ112は、コンタクタ、半導体スイッチ等のスイッチング素子である。バッテリ本体24の正極は、スイッチ112、正極の電力接続端子82及び雄型端子80を介して、電力伝達経路74の正極線76に接続されている。バッテリ本体24の負極は、負極の電力接続端子86及び雄型端子84を介して、電力伝達経路74の負極線78に接続されている。
【0049】
接触スイッチ46は、接触子48(
図2参照)がハンドル上部36に接触しているときに、ハンドル上部36とハンドル下部38とが接触状態にあることを示す検出信号をBMU108に出力する。この検出信号は、スロット58からバッテリ10が離脱していないことを示す信号である。換言すれば、この検出信号は、バッテリ10を活性状態に維持してもよい(バッテリ10の動作継続を要求する)ことを示す信号である。つまり、この検出信号は、スイッチ112のオンを要求するための信号(動作要求信号)である。
【0050】
また、接触スイッチ46は、接触子48がハンドル上部36と非接触状態にあるときに、ハンドル上部36とハンドル下部38とが離間していることを示す検出信号をBMU108に出力する。この検出信号は、スロット58からのバッテリ10の引き抜きが行われているか、又は、引き抜きが既に行われたことを示す信号である。換言すれば、この検出信号は、バッテリ10を非活性状態に切り替えるべき(バッテリ10の動作停止を要求する)ことを示す信号である。つまり、この検出信号は、スイッチ112のオフを要求するための信号(停止要求信号)である。
【0051】
BMU108は、MCU116とAND回路118とを有する。MCU116は、メモリ120を有する。MCU116は、プロセッサによって構成され得る。MCU116は、メモリ120に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、各種の機能を実現する。
【0052】
MCU116は、活性指令部92(
図5参照)から供給される指令信号に基づき、スイッチ112のオンオフを制御する。具体的には、MCU116は、活性指令部92からハイレベルの指令信号が供給されている場合、バッテリ10を活性状態にすることを判断し、スイッチ112をオンにするための動作要求信号をAND回路118に出力する。また、MCU116は、活性指令部92からローレベルの指令信号が供給されている場合、バッテリ10を非活性状態にすることを判断し、スイッチ112をオフにするための停止要求信号をAND回路118に出力する。
【0053】
活性指令部92からMCU116にハイレベルの指令信号を供給しているときに、スロット58からバッテリ10が引き抜かれ、雄型コネクタ62と雌型コネクタ14とが非接続状態になると、活性指令部92からMCU116へのハイレベルの指令信号の供給が途絶する。この場合、MCU116は、ローレベルの指令信号が供給されていないので、バッテリ10を活性状態に維持することを決定し、AND回路118への動作要求信号の出力を継続する。
【0054】
AND回路118は、
図7に示すように、接触スイッチ46(
図6参照)から供給される検出信号と、MCU116から供給される信号とが、いずれも、スイッチ112のオンを要求するための信号(動作要求信号)である場合、スイッチ112をオンさせるための制御信号(出力要求信号)をスイッチ112に供給する。これにより、スイッチ112は、AND回路118からの出力要求信号によってオンになる。この結果、バッテリ10は、活性状態となる。活性状態では、バッテリ本体24からバッテリ10の外部(負荷72)への電力の出力、又は、バッテリ10の外部からバッテリ本体24への電力の入力が可能である。
【0055】
また、AND回路118は、接触スイッチ46から供給される検出信号と、MCU116から供給される信号とのうち、少なくともいずれかが、スイッチ112のオフを要求するための信号(停止要求信号)である場合、スイッチ112をオフさせるための制御信号(遮断要求信号)をスイッチ112に供給する。これにより、スイッチ112は、AND回路118からの遮断要求信号によってオフになる。この結果、バッテリ10は、非活性状態となる。非活性状態では、バッテリ本体24からバッテリ10の外部(負荷72)への電力の出力、又は、バッテリ10の外部からバッテリ本体24への電力の入力が不能である。
【0056】
なお、雄型コネクタ62と雌型コネクタ14とが非接続状態になり、MCU116へのハイレベルの指令信号の供給が途絶した場合、MCU116は、AND回路118に停止要求信号を出力することも可能である。
【0057】
図6に示すように、プリチャージ回路部114は、スイッチ112に対して電気的に並列に接続されている。プリチャージ回路部114は、スイッチ122と抵抗器124とを有する。プリチャージ回路部114は、スイッチ122と抵抗器124との直列回路である。スイッチ112に対して、スイッチ122と抵抗器124との直列回路が電気的に並列に接続される。スイッチ122は、MCU116からの制御によって導通状態が制御される。なお、プリチャージ回路部114は、後述するプリチャージ(蓄電処理)を実行するときに動作する。そのため、プリチャージが行われない場合、プリチャージ回路部114のスイッチ122は、オフである。
【0058】
負荷72(
図5参照)がコンデンサ(不図示)を有する場合、スイッチ112をオンにすると、大電流(突入電流)が発生し、負荷72に流れる。このような突入電流の発生を阻止するため、バッテリ10には、プリチャージ回路部114が設けられる。電力装置18では、スイッチ112を介したバッテリ10と負荷72との間での電力の授受に先立ち、プリチャージが実行される。具体的には、スイッチ112がオフ状態のときに、プリチャージ回路部114のスイッチ122をオンにする。これにより、バッテリ本体24からプリチャージ回路部114を介してコンデンサに電流(プリチャージ電流)が流れる。
【0059】
プリチャージ電流が流れることで、バッテリ本体24が電荷を放電すると共に、放電した電荷は、コンデンサに蓄電される。これにより、コンデンサの電圧は、時間経過に伴い徐々に増加する。コンデンサの電圧が所定の電圧値(例えば、満充電電圧)にまで到達すると、コンデンサへの充電が完了する。
【0060】
プリチャージの完了後、スイッチ112をオンにすることで、プリチャージ回路部114がショートされ、バッテリ本体24と負荷72との間での電力の授受が行われる。コンデンサには、プリチャージによって電荷が蓄電されているので、スイッチ112をオンにしても突入電流の発生が抑制される。なお、プリチャージ回路部114のスイッチ122は、スイッチ112をオンにした後にオフにすればよい。あるいは、プリチャージ回路部114のスイッチ122は、プリチャージの完了後、スイッチ112をオンにする前に、オフにしてもよい。
【0061】
CAN通信部110は、ECU67のCAN通信部94(
図5参照)との間で、信号又は情報の送受信を行う。MCU116は、ECU67からの指令信号等に基づき、2つのスイッチ112、122等を制御することで、バッテリ本体24とバッテリ10の外部との充放電を制御する。
【0062】
第1実施形態に係るバッテリ10は、以上のように構成される。次に、バッテリ10の動作について、
図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0063】
ステップS1において、バッテリ10がスロット58に装着される(
図2参照)。この場合、ユーザは、バッテリ10のボトムケース22をスロット58に向けた状態で、バッテリ10をスロット58に差し込む。ボトムケース22がスロット58の底部に当接するときに、雌型コネクタ14と雄型コネクタ62とが嵌合することで、バッテリ10と負荷72及びECU67(
図5参照)とが電気的に接続される。
【0064】
ステップS2において、バッテリ10の起動処理が実行される。この場合、演算部88は、バッテリ10に対して、識別情報を付与する附番処理を実行する。演算部88は、CAN通信部94から通信線96を介してバッテリ10と通信することで、例えば、特開2022-166882号公報に開示されている附番処理を実行する。バッテリ10のMCU116(
図6参照)は、付与された識別情報をメモリ120に格納する。
【0065】
また、ステップS2において、演算部88は、バッテリ10に対して、プリチャージの実行を指示する。具体的には、演算部88は、CAN通信部94から通信線96を介してバッテリ10に、プリチャージ回路部114のスイッチ122のオンを指示する。MCU116は、演算部88からの指示を受けて、スイッチ122をオンにする。スイッチ122がオンすることで、プリチャージが開始される。プリチャージでは、バッテリ本体24からプリチャージ回路部114を介して負荷72に存在するコンデンサにプリチャージ電流が流れる。プリチャージ電流が流れることで、バッテリ本体24が電荷を放電し、放電した電荷は、コンデンサに蓄電される。
【0066】
コンデンサが十分に蓄電され、プリチャージが完了した場合、次のステップS3において、演算部88は、活性指令部92に対して、バッテリ10の状態を活性状態に切り替えるように指示する。活性指令部92は、演算部88からの指示に基づき、ハイレベル信号の指令信号を、信号線102を介してバッテリ10に供給する。MCU116は、供給された指令信号に基づき、動作要求信号をAND回路118に出力する。
【0067】
接触スイッチ46は、接触子48(
図2参照)の状態を逐次検出し、その検出結果である検出信号をBMU108に逐次出力している。上記のように、バッテリ10がスロット58に装着されているため、接触子48は、ハンドル上部36に接触している。従って、接触スイッチ46は、ハンドル上部36とハンドル下部38とが接触している旨の検出信号(動作要求信号)をMCU116及びAND回路118に出力する。
【0068】
AND回路118は、MCU116及び接触スイッチ46からの動作要求信号に基づき、スイッチ112への出力要求信号の供給を開始する。これにより、スイッチ112がオンし、バッテリ10の状態は、非活性状態から活性状態に切り替わる。
【0069】
この結果、ステップS4において、バッテリ10と負荷72との間での電力の授受が可能となる。なお、MCU116は、スイッチ112がオンした後、プリチャージ回路部114のスイッチ122をオフする。
【0070】
その後、ユーザが第2ハンドル部34を把持し、持ち上げることで、ハンドル上部36がハンドル下部38から離間すると、接触子48とハンドル上部36とが非接触状態となる。接触スイッチ46は、ハンドル上部36とハンドル下部38とが接触している旨の検出信号(停止要求信号)をMCU116及びAND回路118に出力する。
【0071】
ステップS5において、AND回路118は、接触スイッチ46から停止要求信号が供給されたことを受け(ステップS5:YES)、次のステップS6に進む。
【0072】
ステップS6において、AND回路118は、MCU116から供給される信号の種類に関わりなく、接触スイッチ46から供給される停止要求信号に基づき、遮断要求信号をスイッチ112に供給する。これにより、スイッチ112は、遮断要求信号の供給を受け、オンからオフに切り替わる。この結果、バッテリ10の状態は、活性状態から非活性状態に切り替わる。
【0073】
なお、第1実施形態では、バッテリ10の状態を、活性状態に切り替えるか、又は、非活性状態に切り替える場合について説明した。第1実施形態では、BMU108は、接触スイッチ46の検出結果(動作要求信号、停止要求信号)に基づいて、バッテリ10の状態を活性状態又は非活性状態に維持させることも可能である。
【0074】
また、第1実施形態では、ハンドル16に対してケース12から離れる方向に力が加わったことを接触スイッチ46が検出したときに、BMU108は、バッテリ10の状態を非活性状態に維持してもよい。あるいは、BMU108は、バッテリ10の状態が活性状態であること、又は、バッテリ10の状態を活性状態に切り替えることを禁止してもよい。これにより、スロット58からバッテリ10が引き抜かれるときに、バッテリ10の状態を確実に非活性状態にすることができる。
【0075】
さらに、第1実施形態では、ハンドル16に対してケース12から離れる方向に力が加わったことを接触スイッチ46が検出しないときに、BMU108は、バッテリ10の状態を活性状態に維持してもよい。あるいは、BMU108は、バッテリ10の状態を活性状態に切り替えてもよい。あるいは、BMU108は、バッテリ10の状態が活性状態であること、又は、バッテリ10の状態を活性状態に切り替えることを許可してもよい。これにより、バッテリ10がスロット58に装着されているときに、バッテリ10の状態を確実に活性状態にすることができる。
【0076】
また、第1実施形態では、MCU116及びAND回路118によって構成されるBMU108がスイッチ112をオン又はオフさせる場合について説明した。第1実施形態では、BMU108が1つのコンピュータである場合に、接触スイッチ46の検出結果に基づいて、スイッチ112をオン又はオフさせてもよい。この場合でも、接触スイッチ46の検出結果に基づいて、バッテリ10の状態を活性状態又は非活性状態に切り替えることができる。
【0077】
さらに、第1実施形態では、ハンドル下部38に設けられた凹部40にバネ部材42及び接触スイッチ46が設けられる場合について説明した。第1実施形態では、ハンドル上部36に凹部40を設けて、該凹部40にバネ部材42及び接触スイッチ46を設けてもよい。この場合でも、ハンドル上部36とハンドル下部38との接触の有無を検出可能である。
【0078】
また、第1実施形態では、バネ部材42に代えて、ハンドル上部36からハンドル下部38に向かう引っ張り力を有する各種の弾性部材(例えば、ゴム、ダンパ)を、ハンドル上部36とハンドル下部38との間に介挿させてもよい。
【0079】
さらに、第1実施形態では、電力装置18は、電動一輪車、電動二輪車、電動三輪車、電動四輪車等の各種の電動車両に適用可能である。
【0080】
第1実施形態は、以下の効果を有する。
【0081】
図3に示すように、ハンドル16に対してケース12から離れる方向に力が加わったときに、該力が加わったことが検出される。これにより、バッテリ10が電力装置18に装着されているときに、電力装置18にスイッチ及びレバーが設けられていなくても、電力装置18からバッテリ10を取り出すタイミングを認識することができる。この結果、バッテリ10が放電又は充電を行っている状態で電力装置18から取り出されることを防止することができる。
【0082】
図7に示すように、接触スイッチ46の検出結果に基づいて、バッテリ10の状態が切り替わるか、又は、バッテリ10の状態が維持される。これにより、電力装置18からバッテリ10を取り出すタイミングに合わせて、バッテリ10の状態を切り替えることが可能となる。
【0083】
図7及び
図8に示すように、ハンドル16に対してケース12から離れる方向に力が加わったことを接触スイッチ46が検出したときに、バッテリ10の状態を確実に非活性状態にすることができる。これにより、バッテリ10と電力装置18との間の高電圧の電力ライン(電力伝達経路74に接続される電力ライン)が電気的に遮断されるので、バッテリ10が放電又は充電を行っている状態で電力装置18から取り出されることを確実に防止することができる。
【0084】
また、ハンドル16に対してケース12から離れる方向に力が加わったことを接触スイッチ46が検出しないときに、バッテリ10の状態を確実に活性状態にすることができる。
【0085】
さらに、ハンドル16に対してケース12から離れる方向に力が加わったことを接触スイッチ46が検出したときに、スイッチ112をバッテリ本体24とバッテリ10の外部との間を遮断するオフ状態に切り替える。これにより、バッテリ10の状態を確実に非活性状態に切り替えることができる。
【0086】
また、電力装置18からのバッテリ10の離脱を接触スイッチ46が検出したときに、スイッチ112の状態がオフ状態に切り替わる。これにより、バッテリ10の状態を非活性状態に容易に切り替えることができる。
【0087】
図1~
図4に示すように、ケース12と一体に設けられるハンドル下部38と、該ハンドル下部38に対して相対移動可能なハンドル上部36とをハンドル16が有する。ユーザは、ハンドル上部36を把持することで、電力装置18からバッテリ10を引き抜く。従って、ハンドル下部38に対するハンドル上部36の離間を検出することで、電力装置18からのバッテリ10の離脱を一層容易に検出することができる。
【0088】
ハンドル下部38とハンドル上部36との間に、ハンドル16からケース12に向かうバネ力を有するバネ部材42が介挿されている。これにより、ユーザがハンドル上部36を把持しないときには、バネ部材42のバネ力によって、ハンドル上部36をハンドル下部38に当接させることができる。また、ハンドル上部36に対してケース12から離れる方向に力が加わったことを検出することで、電力装置18からのバッテリ10の離脱を容易に検出することができる。
【0089】
第2実施形態に係るバッテリ130について、
図9A及び
図9Bを参照しながら説明する。なお、第2実施形態に係るバッテリ130において、第1実施形態に係るバッテリ10(
図1~
図8参照)と同じ構成要素については、同じ参照符号を付けて詳細な説明を省略し、以下同様とする。
【0090】
第2実施形態に係るバッテリ130は、ケース12に対してハンドル16が相対移動可能である点で、第1実施形態に係るバッテリ10と異なる。従って、第2実施形態に係るバッテリ130では、ハンドル16は、一体的に構成された1つの部材として形成されている。
【0091】
第2実施形態に係るバッテリ130において、ケース本体20の上部には、凹部132が形成されている。凹部132の底部と、ハンドル16の底面との間には、バネ部材42が介挿されている。凹部132には、接触スイッチ46が配置されている。接触スイッチ46の接触子48は、ハンドル16の底面と接触可能である。
【0092】
図9Aに示すように、ユーザがハンドル16を把持していないときに、ハンドル16の底面は、バネ部材42のバネ力によってケース本体20の上部に当接している。このときに、接触スイッチ46の接触子48は、ハンドル16の底面に接触している。これにより、接触スイッチ46は、ハンドル16とケース本体20とが離間していない旨の検出信号(動作要求信号)をMCU116及びAND回路118(
図6参照)に出力する。
【0093】
図9Bに示すように、ユーザがハンドル16を把持し、ハンドル16を引き上げたときに、ハンドル16は、バネ部材42のバネ力に抗して、ケース本体20から離間する。このときに、接触スイッチ46の接触子48は、ハンドル16と非接触状態となる。これにより、接触スイッチ46は、ハンドル16とケース本体20とが離間している旨の検出信号(停止要求信号)をMCU116及びAND回路118に出力する。
【0094】
第2実施形態では、ケース本体20の上部に設けられた凹部132にバネ部材42及び接触スイッチ46が設けられる場合について説明した。第2実施形態では、ハンドル16に凹部132を設けて、該凹部132にバネ部材42及び接触スイッチ46を設けてもよい。この場合でも、ハンドル16とケース本体20との接触の有無を検出可能である。
【0095】
第2実施形態は、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を有する。
【0096】
ハンドル16とケース12との間に、ハンドル16からケース12に向かうバネ力を有するバネ部材42が介挿されている。これにより、ユーザがハンドル16を把持しないときには、バネ部材42のバネ力によって、ハンドル16をケース12に当接させることができる。また、ハンドル16に対してケース12から離れる方向に力が加わったことを検出することで、電力装置18からのバッテリ130の離脱を容易に検出することができる。
【0097】
第3実施形態に係るバッテリ140について、
図10及び
図11を参照しながら説明する。第3実施形態に係るバッテリ140は、第2実施形態に係るバッテリ130(
図9A及び
図9B参照)と同様に、ハンドル16が一体的に構成された1つの部材として形成されている。但し、第3実施形態に係るバッテリ140では、ハンドル16は、ケース本体20の上部に固定されている。ハンドル16は、ケース本体20から離間しない。また、第3実施形態に係るバッテリ140では、ユーザが把持する第2ハンドル部34に2つの歪みゲージ142(検出部44)が設けられている。従って、第3実施形態に係るバッテリ140では、凹部40、132(
図2及び
図9A参照)、バネ部材42及び接触スイッチ46は設けられていない。
【0098】
2つの歪みゲージ142は、第2ハンドル部34におけるユーザが把持する箇所(第2ハンドル部34の中央部分)を挟むように、該第2ハンドル部34に配置されている。2つの歪みゲージ142は、ユーザが第2ハンドル部34を把持したときに、該第2ハンドル部34に発生する曲げ応力を検出する。
【0099】
ユーザがハンドル16を把持していないときに、2つの歪みゲージ142は、略0レベルの検出信号をMCU116及びAND回路118(
図6参照)に出力する。この検出信号は、動作要求信号である(
図7参照)。
【0100】
また、ユーザがハンドル16を把持したとき、又は、ユーザがハンドル16を把持してバッテリ140を引き上げたとき(
図11参照)、2つの歪みゲージ142は、第2ハンドル部34に発生する曲げ応力に応じた検出信号をMCU116及びAND回路118に出力する。この検出信号は、停止要求信号である(
図7参照)。
【0101】
AND回路118は、2つの歪みゲージ142から供給される検出信号の信号レベルが所定値以上である場合、電力装置18からのバッテリ140の引き抜きが行われている(停止要求信号が供給された)と判断し(
図8のステップS5:YES)、スイッチ112をオフさせる(ステップS6)。
【0102】
第3実施形態では、検出部44が2つの歪みゲージ142である場合について説明した。第3実施形態では、ハンドル16に対してケース12から離れる方向に加わった力が所定値以上であることを検出するセンサを検出部44として採用可能である。例えば、力覚センサ、圧力センサを検出部44としてハンドル16に配置してもよい。
【0103】
第3実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態の効果に加え、以下の効果を有する。
【0104】
ハンドル16に設けられた歪みゲージ142が、該ハンドル16に対してケース12から離れる方向に加わった力が所定値以上であることを検出することで、電力装置18からのバッテリ140の離脱を容易に検出することができる。
【0105】
第4実施形態に係るバッテリ150について、
図12及び
図13を参照しながら説明する。第4実施形態に係るバッテリ150は、第3実施形態に係るバッテリ140(
図10及び
図11参照)と同様に、ハンドル16がケース本体20に固定されている。但し、第4実施形態に係るバッテリ150では、
図12及び
図13に示すように、制御接続端子106に接続される雄型端子104の全長が、雄型コネクタ62の他の雄型端子66の全長よりも短い。なお、雌型コネクタ14の複数の雌型端子52の全長は、同一の長さである。また、第4実施形態に係るバッテリ150では、検出部44である検出部152(
図6参照)は、信号線102(
図5参照)からMCU116への指令信号の供給の有無を逐次検出し、その検出結果(検出信号)をMCU116及びAND回路118に逐次出力する。
【0106】
図12に示すように、制御接続端子106と、全長が短い雄型端子104とが接続状態であるときには、活性指令部92(
図5参照)からMCU116(
図6参照)に指令信号が供給可能である。そのため、検出部152は、該指令信号がMCU116に供給されている旨の検出信号をMCU116及びAND回路118に出力する。この検出信号は、電力装置18からバッテリ150が離脱していない旨を示す信号(動作要求信号)である。
【0107】
また、
図13に示すように、ユーザが第2ハンドル部34を把持し、バッテリ150をスロット58から引き抜くときに、他の雌型端子52及び雄型端子66よりも先に、制御接続端子106と、全長が短い雄型端子104とが非接続状態となる。これにより、活性指令部92(
図5参照)からMCU116(
図6参照)への指令信号の供給が途絶する。検出部152は、該指令信号のMCU116への供給が途絶した旨の検出信号をMCU116及びAND回路118に出力する。この検出信号は、電力装置18からバッテリ150が離脱している旨を示す信号(停止要求信号)である。
【0108】
AND回路118は、検出部152から停止要求信号が供給されたとき(
図8のステップS5:YES)、スイッチ112をオフさせる(ステップS6)。
【0109】
第4実施形態は、第1~第3実施形態の効果に加え、以下の効果を有する。
【0110】
ハンドル16に対して電力装置18から離れる方向に力が加わったことに伴い、雄型コネクタ62に対して雌型コネクタ14が相対的に離間して、制御接続端子106が雄型端子104と電気的に非接続状態になったことを検出することで、電力装置18からのバッテリ150の離脱を容易に検出することができる。この検出結果に基づいて、バッテリ150の状態を非活性状態に確実に切り替えることができる。
【0111】
また、制御接続端子106に接続される雄型端子104の全長が、他の雄型端子66の全長よりも短い。これにより、雄型コネクタ62に対して雌型コネクタ14が相対的に離間すると、最初に制御接続端子106と雄型端子104とが電気的に非接続状態になる。非接続状態になったことを検出することで、電力装置18からのバッテリ150の離脱を一層容易に検出することができる。
【0112】
第5実施形態に係るバッテリ160について、
図14及び
図15を参照しながら説明する。第5実施形態に係るバッテリ160は、制御接続端子106の全長が他の雌型端子52の全長よりも短い点で、第4実施形態に係るバッテリ150(
図12及び
図13参照)と異なる。なお、雄型コネクタ62の複数の雄型端子66の全長は、同一の長さである。
【0113】
図15に示すように、ユーザが第2ハンドル部34を把持し、バッテリ160をスロット58から引き抜くときに、他の雌型端子52及び雄型端子66よりも先に、制御接続端子106と雄型端子104とが非接続状態となる。これにより、活性指令部92(
図5参照)からMCU116(
図6参照)への指令信号の供給が途絶する。検出部44である検出部152は、該指令信号のMCU116への供給が途絶した旨の検出信号(停止要求信号)をMCU116及びAND回路118に出力する。
【0114】
第5実施形態は、第4実施形態の効果に加え、以下の効果を有する。
【0115】
制御接続端子106の全長が、他の雌型端子52の全長よりも短い。これにより、雄型コネクタ62に対して雌型コネクタ14が相対的に離間すると、最初に制御接続端子106と雄型端子104とが電気的に非接続状態になる。非接続状態になったことを検出することで、電力装置18からのバッテリ160の離脱を一層容易に検出することができる。
【0116】
第6実施形態に係るバッテリ170について、
図16及び
図17を参照しながら説明する。第6実施形態に係るバッテリ170は、雌型コネクタ14に代えて、雄型コネクタ172(蓄電装置側接続部、雄型コネクタ部)を備える点で、第1~第5実施形態に係るバッテリ10、130、140、150、160(
図1~
図15参照)とは異なる。
【0117】
雄型コネクタ172は、雄型端子支持台174と、複数の雄型端子176とを備える。ケース本体20の底部には、凹部178が設けられている。凹部178の底部は、ケース本体20の他の部分よりも肉厚の部分である。雄型端子支持台174は、凹部178の底部(肉厚部分)である。雄型端子支持台174には、雄型コンタクトである複数の雄型端子176が固定される。複数の雄型端子176は、導電性部材である。複数の雄型端子176は、バッテリ170の軸線に沿って上下方向に延びている。複数の雄型端子176は、一定の間隔を空けて雄型端子支持台174に固定されている。従って、複数の雄型端子176は、互いに電気的に絶縁されている。複数の雄型端子176のうち、1つの雄型端子176(制御接続端子106)の全長は、他の雄型端子176の全長よりも短い。
【0118】
なお、
図16において、複数の雄型端子176のうち、中央の雄型端子176は、制御接続端子106である。複数の雄型端子176のうち、最も右側の雄型端子176は、電力接続端子82である。電力接続端子82に隣接する雄型端子176は、電力接続端子86である。複数の雄型端子176のうち、最も左側の雄型端子176は、通信端子100である。
【0119】
スロット58の底部には、雄型コネクタ172に嵌合する雌型コネクタ180(電力装置側接続部、雌型コネクタ部)が配置されている。雌型コネクタ180は、雌型端子支持台182と、複数の雌型端子184とを備える。雌型端子支持台182は、樹脂材料等から構成される。雌型端子支持台182は、スロット58の底部に配置されている。雌型端子支持台182には、複数の差し込み孔186が間隔を空けて形成されている。複数の差し込み孔186には、雌型コンタクトである複数の雌型端子184が挿入される。複数の雌型端子184は、導電性部材である。複数の雌型端子184の各々の全長は、同じ長さである。複数の雌型端子184の各々は、複数の差し込み孔186のうち、いずれかの差し込み孔186に収容される。従って、複数の雌型端子184は、互いに電気的に絶縁されている。
【0120】
複数の雌型端子184の各々は、一対の端子部材188を有する。一対の端子部材188の基端部は、雌型端子支持台182に固定されている。一対の端子部材188は、差し込み孔186において、雌型端子支持台182から上方に向かって突出している。一対の端子部材188は、一定の間隔を空けて、上方に向かって突出している。一対の端子部材188の先端部は、互いに近接するように折り曲げられている。一対の端子部材188の先端は、互いに離間するように折り返されている。
【0121】
なお、
図16において、複数の雌型端子184のうち、最も右側の雌型端子184は、電力接続端子82に接続される1つの雌型端子190である。雌型端子190に隣接する雌型端子184は、電力接続端子86に接続される1つの雌型端子192である。複数の雌型端子184のうち、最も左側の雌型端子184は、通信端子100に接続される1つの雌型端子194である。複数の雌型端子184のうち、中央の雌型端子184は、制御接続端子106に接続される1つの雌型端子196である。
【0122】
スロット58にバッテリ10が挿入され、バッテリ10の底部(ボトムケース22)がスロット58の底部に当接するときに、雌型端子支持台182がボトムケース22の開口26を挿通し、ケース本体20の底部(雄型端子支持台174)に当接する。このときに、複数の雄型端子176は、複数の雌型端子184の一対の端子部材188の間に差し込まれる。これにより、複数の雄型端子176と複数の雌型端子184とが接続される。すなわち、雄型コネクタ172と雌型コネクタ180とが(電気的に)接続される。
【0123】
第6実施形態に係るバッテリ170では、制御接続端子106は、雄型端子176である。また、第6実施形態に係るバッテリ170では、制御接続端子106の全長は、他の雄型端子176の全長よりも短い。そのため、
図17に示すように、ユーザが第2ハンドル部34を把持し、バッテリ170をスロット58から引き抜くときに、他の雄型端子176及び雌型端子184よりも先に、制御接続端子106と雌型端子196とが非接続状態となる。これにより、活性指令部92(
図5参照)からMCU116(
図6参照)への指令信号の供給が途絶する。検出部152は、該指令信号のMCU116への供給が途絶した旨の検出信号(停止要求信号)をMCU116及びAND回路118に出力する。
【0124】
第6実施形態は、第1~第5実施形態の効果に加え、以下の効果を有する。
【0125】
制御接続端子106の全長が、他の雄型端子176の全長よりも短い。これにより、雄型コネクタ172に対して雌型コネクタ180が相対的に離間すると、最初に制御接続端子106と雌型端子196とが電気的に非接続状態になる。非接続状態になったことを検出することで、電力装置18からのバッテリ170の離脱を一層容易に検出することができる。
【0126】
第7実施形態に係るバッテリ200について、
図18及び
図19を参照しながら説明する。第7実施形態に係るバッテリ200は、制御接続端子106に接続される雌型端子196の全長が、他の雌型端子184の全長よりも短い点で、第6実施形態に係るバッテリ170(
図16及び
図17参照)とは異なる。なお、雄型コネクタ172の複数の雄型端子176の全長は、同じ長さである。
【0127】
図19に示すように、ユーザが第2ハンドル部34を把持し、バッテリ200をスロット58から引き抜くときに、他の雄型端子176及び雌型端子184よりも先に、制御接続端子106と雌型端子196とが非接続状態となる。これにより、活性指令部92(
図5参照)からMCU116(
図6参照)への指令信号の供給が途絶する。検出部152は、該指令信号のMCU116への供給が途絶した旨の検出信号(停止要求信号)をMCU116及びAND回路118に出力する。
【0128】
第7実施形態は、第6実施形態の効果に加え、以下の効果を有する。
【0129】
制御接続端子106に接続される雌型端子196の全長が、他の雌型端子184の全長よりも短い。これにより、雄型コネクタ172に対して雌型コネクタ180が相対的に離間すると、最初に制御接続端子106と雌型端子196とが電気的に非接続状態になる。非接続状態になったことを検出することで、電力装置18からのバッテリ200の離脱を一層容易に検出することができる。
【0130】
第8実施形態に係るバッテリ210について、
図20及び
図21を参照しながら説明する。第8実施形態に係るバッテリ210は、ケース本体20の底部に検出部44である接触センサ212が設けられている点で、第1~第7実施形態に係るバッテリ10、130、140、150、160、170、200(
図1~
図19参照)とは異なる。なお、雄型コネクタ62の複数の雄型端子66の全長は、同じ長さである。また、雌型コネクタ14の複数の雌型端子52の全長は、同じ長さである。
【0131】
第8実施形態に係るバッテリ210では、雌型コネクタ14及び接触センサ212は、ボトムケース22の開口26を介して、バッテリ210の外部に露出している。バッテリ210がスロット58に装着され、雌型コネクタ14が雄型コネクタ62に嵌合すると、接触センサ212が雄型コネクタ62の雄型端子支持台64に当接する。このときに、接触センサ212は、雄型端子支持台64に接触している旨の検出信号をMCU116及びAND回路118(
図6参照)に出力する。この検出信号は、動作要求信号である。
【0132】
図21に示すように、ユーザが第2ハンドル部34を把持し、バッテリ210を引き上げたときに、ボトムケース22がスロット58の底部と離間する。このときに、接触センサ212は、雄型端子支持台64から離間し、雄型端子支持台64と非接触状態になった旨の検出信号をMCU116及びAND回路118に出力する。この検出信号は、停止要求信号である。
【0133】
第8実施形態では、接触センサ212が、雄型端子支持台64との接触の有無を検出する場合について説明した。第8実施形態では、接触センサ212は、スロット58の底部との接触の有無を検出できればよい。
【0134】
また、第8実施形態では、バッテリ210が雌型コネクタ14を備え、スロット58の底部に該雌型コネクタ14に嵌合する雄型コネクタ62が配置されている場合について説明した。第8実施形態では、バッテリ210が雄型コネクタ172(
図16参照)を備え、スロット58の底部に該雄型コネクタ172に嵌合する雌型コネクタ180が配置されてもよい。
【0135】
第8実施形態は、第1~第7実施形態の効果に加え、以下の効果を有する。
【0136】
ハンドル16に対して電力装置18から離れる方向に力が加わったことに伴い、ケース12がスロット58の底部から離間したことを検出することで、電力装置18からのバッテリ210の離脱を容易に検出することができる。この検出結果に基づいて、バッテリ210の状態を非活性状態に確実に切り替えることができる。
【0137】
なお、第1~第8実施形態では、電力装置18の筐体60にスロット58が上下方向に形成され、該スロット58に対してバッテリ10、130、140、150、160、170、200、210を上下方向に着脱する場合について説明した。各実施形態では、筐体60の内部にスロット58が水平方向に形成されるか、又は、スロット58の開口が斜め上方となるようにスロット58が筐体60の内部で斜め方向に形成されてもよい。いずれの場合でも、スロット58に対してバッテリ10、130、140、150、160、170、200、210を着脱可能である。
【0138】
また、第1~第8実施形態では、検出部44が、接触スイッチ46、歪みゲージ142、指令信号の供給の有無を検出する検出部152、及び、接触センサ212のうち、いずれかである場合について説明した。バッテリ10、130、140、150、160、170、200、210には、複数の検出部が搭載されてもよい。これにより、ハンドル16に対してケース12から離れる方向に力が加わったことを確実に検出することができる。あるいは、ハンドル16に対してケース12から離れる方向に加わった力を確実に検出することができる。また、AND回路118は、複数の検出部のうち、少なくとも1つの検出部の検出結果に基づいて、スイッチ112をオフにすることができる。
【0139】
また、第1~第8実施形態は、電力装置18が複数のスロット58を有する場合にも適用可能である。この場合、複数のスロット58の各々について、バッテリ10、130、140、150、160、170、200、210が着脱可能である。そのため、複数のスロット58の各々について、バッテリ10、130、140、150、160、170、200、210が引き抜かれる場合に、第1~第8実施形態を適用すればよい。
【0140】
また、第1~第8実施形態では、ユーザがハンドル16を把持する場合について説明した。各実施形態は、ハンドル16に限定されることはない。ユーザが手で握れる(把持できる)形状の把手部であればよい。このような把手部には、例えば、ハンドル状、グリップ状、断面環状(断面円形状)の把手部が挙げられる。
【0141】
各実施形態では、ハンドル16に代えて、バッテリ10、130、140、150、160、170、200、210にユーザの指を差し込めるような凹部又は窪みが設けられてもよい。凹部又は窪みは、バッテリ10、130、140、150、160、170、200、210において、水平方向に形成されていればよい。ユーザは、把手部である凹部又は窪みに指を差し込むことで、バッテリ10、130、140、150、160、170、200、210を持ち上げることができる。つまり、各実施形態では、ユーザがバッテリ10、130、140、150、160、170、200、210を持ち上げるための手掛かりとなるものを把手部とすればよい。
【0142】
上述した開示に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0143】
(付記1)
蓄電部(24)と、前記蓄電部を収容する筐体(12)と、前記筐体に設けられるか、又は、前記筐体と一体的に設けられる把手部(16)と、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に力が加わったことを検出する、又は、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に加わった力を検出する検出部(44、46、142、152、212)と、を備える、蓄電装置(10、130、140、150、160、170、200、210)である。
【0144】
この構成によれば、把手部に対して筐体から離れる方向に力が加わったときに、該力が加わったことが検出されるか、又は、該力が検出される。これにより、蓄電装置が電力装置に装着されているときに、電力装置にスイッチ及びレバーが設けられていなくても、電力装置から蓄電装置を取り出すタイミングを認識することができる。この結果、蓄電装置が放電又は充電を行っている状態で電力装置から取り出されることを防止することができる。
【0145】
(付記2)
付記1に記載の蓄電装置において、前記蓄電装置は、該蓄電装置の状態を、前記蓄電部と該蓄電装置の外部とを電気的に接続可能な活性状態、又は、前記蓄電部と該蓄電装置の外部とを電気的に接続不能な非活性状態に切り替える活性切替部(108)をさらに備え、前記活性切替部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記蓄電装置の状態を切り替えるか、又は、前記蓄電装置の状態を維持してもよい。
【0146】
この構成によれば、検出部の検出結果に基づいて、蓄電装置の状態が切り替わるか、又は、蓄電装置の状態が維持される。これにより、電力装置から蓄電装置を取り出すタイミングに合わせて、蓄電装置の状態を切り替えることが可能となる。
【0147】
(付記3)
付記2に記載の蓄電装置において、前記活性切替部は、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に前記力が加わったこと、又は、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に加わった前記力が所定以上であることを前記検出部が検出したときに、前記蓄電装置の状態を前記非活性状態に切り替えることを許可する、前記蓄電装置の状態を前記非活性状態に維持することを許可する、前記蓄電装置の状態を前記活性状態に維持することを禁止する、又は、前記蓄電装置の状態を前記活性状態に切り替えることを禁止してもよい。
【0148】
この構成によれば、把手部に対して筐体から離れる方向に力が加わったこと、又は、把手部に対して筐体から離れる方向に加わった力が所定以上であることを検出部が検出したときに、蓄電装置の状態を確実に非活性状態にすることができる。
【0149】
(付記4)
付記2に記載の蓄電装置において、前記活性切替部は、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に前記力が加わったこと、又は、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に加わった前記力が所定以上であることを前記検出部が検出しないときに、前記蓄電装置の状態を前記活性状態に維持することを許可する、又は、前記蓄電装置の状態を前記活性状態に切り替えることを許可してもよい。
【0150】
この構成によれば、把手部に対して筐体から離れる方向に力が加わったこと、又は、把手部に対して筐体から離れる方向に加わった力が所定以上であることを検出部が検出しないときに、蓄電装置の状態を確実に活性状態にすることができる。
【0151】
(付記5)
付記2~4のいずれかに記載の蓄電装置において、前記蓄電装置は、前記筐体に収容され、前記蓄電部と外部とを接続又は遮断する断続部(112)をさらに備え、前記活性切替部は、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に前記力が加わったこと、又は、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に加わった前記力が所定以上であることを前記検出部が検出したときに、前記断続部の状態を前記蓄電部と外部との間を遮断する遮断状態に切り替えることで、前記蓄電装置の状態を前記非活性状態に切り替えてもよい。
【0152】
この構成によれば、把手部に対して筐体から離れる方向に力が加わったこと、又は、把手部に対して筐体から離れる方向に加わった力が所定以上であることを検出部が検出したときに、断続部の状態を蓄電部と外部との間を遮断する遮断状態に切り替える。これにより、蓄電装置の状態を確実に非活性状態に切り替えることができる。
【0153】
(付記6)
付記5に記載の蓄電装置において、前記蓄電装置は、電力装置(18)に対して着脱可能であり、前記断続部は、前記蓄電部と前記電力装置との間を電気的に接続又は遮断し、前記検出部は、前記筐体が前記電力装置に収容されることで、前記蓄電装置が前記電力装置に装着されているときに、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に力が加わったこと、又は、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に加わった力が所定以上であることを検出することで、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を検出し、前記活性切替部は、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を前記検出部が検出したときに、前記断続部の状態を前記遮断状態に切り替えてもよい。
【0154】
この構成によれば、電力装置からの蓄電装置の離脱を検出部が検出したときに、断続部の状態が遮断状態に切り替わる。これにより、蓄電装置の状態を非活性状態に容易に切り替えることができる。
【0155】
(付記7)
付記6に記載の蓄電装置において、前記蓄電装置は、前記筐体に設けられ、前記電力装置に設けられた電力装置側接続部(62、180)に接続可能な蓄電装置側接続部(14、172)をさらに備え、前記蓄電装置側接続部は、前記断続部と前記電力装置側接続部とを電気的に接続することで、前記蓄電部と前記電力装置との間での電力の授受を可能とする電力接続端子(82、86)と、前記活性切替部と前記電力装置側接続部とを信号伝達可能に接続することで、前記電力装置から前記活性切替部への制御指令の供給を可能とする制御接続端子(106)と、を有し、前記検出部は、前記蓄電装置が前記電力装置に装着されているときに、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、前記制御接続端子が前記電力装置側接続部と非接続状態になったことを検出することで、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を検出してもよい。
【0156】
この構成によれば、把手部に対して電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、制御接続端子が電力装置側接続部と非接続状態になったことを検出することで、電力装置からの蓄電装置の離脱を容易に検出することができる。この検出結果に基づいて、蓄電装置の状態を非活性状態に確実に切り替えることができる。
【0157】
(付記8)
付記7に記載の蓄電装置において、前記電力装置側接続部が雄型コネクタ部(62)であるときに、前記蓄電装置側接続部は、前記雄型コネクタ部に嵌合可能な雌型コネクタ部(14)であり、前記電力接続端子は、前記雄型コネクタ部の第1雄コンタクト(80、84)に嵌合可能な第1雌コンタクト(82、86)であり、前記制御接続端子は、前記雄型コネクタ部の第2雄コンタクト(104)に嵌合可能な第2雌コンタクト(106)であり、前記検出部は、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、前記雄型コネクタ部に対して前記雌型コネクタ部が相対的に離間して、前記第2雌コンタクトと前記第2雄コンタクトとが非接続状態になったことを検出することで、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を検出してもよい。
【0158】
この構成によれば、把手部に対して電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、雄型コネクタ部に対して雌型コネクタ部が相対的に離間して、第2雌コンタクトと第2雄コンタクトとが非接続状態になったことを検出することで、電力装置からの蓄電装置の離脱を容易に検出することができる。この検出結果に基づいて、蓄電装置の状態を非活性状態に確実に切り替えることができる。
【0159】
(付記9)
付記7に記載の蓄電装置において、前記電力装置側接続部が雌型コネクタ部(180)であるときに、前記蓄電装置側接続部は、前記雌型コネクタ部に嵌合可能な雄型コネクタ部(172)であり、前記電力接続端子は、前記雌型コネクタ部の第1雌コンタクト(190、192)に嵌合可能な第1雄コンタクト(82、86)であり、前記制御接続端子は、前記雌型コネクタ部の第2雌コンタクト(196)に嵌合可能な第2雄コンタクト(106)であり、前記検出部は、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、前記雌型コネクタ部に対して前記雄型コネクタ部が相対的に離間して、前記第2雄コンタクトと前記第2雌コンタクトとが非接続状態になったことを検出することで、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を検出してもよい。
【0160】
この構成によれば、把手部に対して電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、雌型コネクタ部に対して雄型コネクタ部が相対的に離間して、第2雄コンタクトと第2雌コンタクトとが非接続状態になったことを検出することで、電力装置からの蓄電装置の離脱を容易に検出することができる。この検出結果に基づいて、蓄電装置の状態を非活性状態に確実に切り替えることができる。
【0161】
(付記10)
付記8又は9に記載の蓄電装置において、前記第2雌コンタクトの全長が前記第1雌コンタクトの全長よりも短いか、又は、前記第2雄コンタクトの全長が前記第1雄コンタクトの全長よりも短くてもよい。
【0162】
この構成によれば、第2雌コンタクトの全長が第1雌コンタクトの全長よりも短いか、又は、第2雄コンタクトの全長が第1雄コンタクトの全長よりも短いので、雄型コネクタ部と雌型コネクタ部とが相対的に離間すると、最初に第2雌コンタクトと第2雄コンタクトとが非接続状態になる。非接続状態になったことを検出することで、電力装置からの蓄電装置の離脱を一層容易に検出することができる。
【0163】
(付記11)
付記6~10のいずれかに記載の蓄電装置において、前記筐体は、前記電力装置に備わる有底筒状の収容部(58)に挿入されることで、前記電力装置に収容され、前記検出部は、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、前記筐体が前記収容部の底部から離間したことを検出することで、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を検出してもよい。
【0164】
この構成によれば、把手部に対して電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、筐体が収容部の底部から離間したことを検出することで、電力装置からの蓄電装置の離脱を容易に検出することができる。この検出結果に基づいて、蓄電装置の状態を非活性状態に確実に切り替えることができる。
【0165】
(付記12)
付記11に記載の蓄電装置において、前記検出部は、前記収容部の底部と向かい合う前記筐体の底部に設けられ、前記把手部に対して前記電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、前記筐体の底部が前記収容部の底部から離間して、前記筐体の底部と前記収容部の底部とが非接触状態になったことを検出することで、前記電力装置からの前記蓄電装置の離脱を検出してもよい。
【0166】
この構成によれば、把手部に対して電力装置から離れる方向に力が加わったことに伴い、筐体の底部が収容部の底部から離間して、筐体の底部と収容部の底部とが非接触状態になったことを検出することで、電力装置からの蓄電装置の離脱を容易に検出することができる。この検出結果に基づいて、蓄電装置の状態を非活性状態に確実に切り替えることができる。
【0167】
(付記13)
付記1~12のいずれかに記載の蓄電装置において、前記把手部は、前記筐体と一体に設けられる第1部(38)と、該第1部に対して相対移動可能な第2部(36)と、を有するか、又は、前記筐体に対して相対移動可能に該筐体に設けられてもよい。
【0168】
この構成によれば、筐体と一体に設けられる第1部と、該第1部に対して相対移動可能な第2部とを把手部が有するか、又は、把手部が筐体に対して相対移動可能に該筐体に設けられる。ユーザは、第2部又は把手部を把持することで、電力装置から蓄電装置を引き抜く。従って、第1部に対する第2部の離間、又は、筐体に対する把手部の離間を検出することで、電力装置からの蓄電装置の離脱を一層容易に検出することができる。
【0169】
(付記14)
付記13に記載の蓄電装置において、前記第1部と前記第2部との間、又は、前記把手部と前記筐体との間には、弾性部材(42)が介挿され、前記弾性部材は、前記把手部から前記筐体に向かう引っ張り力を有し、前記検出部は、前記第2部に対して前記筐体から離れる方向に力が加わったこと、又は、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に力が加わったことを検出してもよい。
【0170】
この構成によれば、第1部と第2部との間、又は、把手部と筐体との間に、把手部から筐体に向かう引っ張り力を有する弾性部材が介挿されている。これにより、ユーザが第2部又は把手部を把持しないときには、弾性部材の引っ張り力によって、第2部を第1部に当接させ、又は、把手部を筐体に当接させることができる。また、第2部に対して筐体から離れる方向に力が加わったこと、又は、把手部に対して筐体から離れる方向に力が加わったことを検出することで、電力装置からの蓄電装置の離脱を容易に検出することができる。
【0171】
(付記15)
付記1~14のいずれかに記載の蓄電装置において、前記検出部は、前記把手部に設けられ、前記把手部に対して前記筐体から離れる方向に加わった力を検出してもよい。
【0172】
この構成によれば、把手部に設けられた検出部が、該把手部に対して筐体から離れる方向に加わった力を検出することで、電力装置からの蓄電装置の離脱を容易に検出することができる。
【0173】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0174】
10、130、140、150、160、170、200、210…バッテリ(蓄電装置)
12…ケース(筐体)
16…ハンドル(把手部)
24…バッテリ本体(蓄電部)
44…検出部
46…接触スイッチ(検出部)
142…歪みゲージ(検出部)
212…接触センサ(検出部)