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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142424
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】計量キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
B65D47/20 210
B65D47/20 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054559
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】吉村 和寿
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB07
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084DA01
3E084DB12
3E084EA03
3E084FB01
3E084GA04
3E084GA06
3E084GB04
3E084GB06
3E084GB17
3E084JA05
3E084LB03
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD01
3E084LE08
3E084LE11
(57)【要約】
【課題】計量した内容物をより簡単な操作で吐出させることができる計量キャップを提案する。
【解決手段】計量キャップ10Aは、内容物Cを外界に吐出させる第一吐出口11b及び第二吐出口11cを有する頂壁部11aと、頂壁部11aの内側に設けられ、頂壁部11aとの間で第一吐出口11bに通じる第一保留空間S1を区画する第一受皿部12bと、内部空間Sの内容物Cを第一保留空間S1に導入する第一導入口A1と、を備え、第一受皿部12bは、第一導入口A1の近傍において第一保留空間S1に向けて突出し、第一保留空間S1に導入された内容物Cの内部空間Sへの戻りを阻止する第一突起部12hを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間に内容物を収容する容器本体に装着される計量キャップであって、
内容物を外界に吐出させる第一吐出口、及び第二吐出口を有する頂壁部と、
前記頂壁部の内側に設けられ、該頂壁部との間で前記第一吐出口に通じる第一保留空間を区画する第一受皿部と、
前記内部空間の内容物を前記第一保留空間に導入する第一導入口と、を備え、
前記第一受皿部は、前記第一導入口の近傍において前記第一保留空間に向けて突出し、該第一保留空間に導入された内容物の前記内部空間への戻りを阻止する第一突起部を有する計量キャップ。
【請求項2】
前記第一突起部は、前記第一受皿部につながる根元部から先端部に向けて前記頂壁部から離れるように傾いて延在している請求項1に記載の計量キャップ。
【請求項3】
前記第二吐出口は、前記内部空間に連通している請求項1に記載の計量キャップ。
【請求項4】
前記頂壁部の内側に設けられ、該頂壁部との間で前記第二吐出口に通じる第二保留空間を区画する第二受皿部と、
前記内部空間の内容物を前記第二保留空間に導入する第二導入口と、を備え、
前記第二受皿部は、前記第二導入口の近傍において前記第二保留空間に向けて突出し、該第二保留空間に導入された内容物の前記内部空間への戻りを阻止する第二突起部を有する請求項1に記載の計量キャップ。
【請求項5】
前記第二突起部は、前記第二受皿部につながる根元部から先端部に向けて前記頂壁部から離れるように傾いて延在している請求項4に記載の計量キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒状の内容物を計量して吐出することができる計量キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば化粧料や医薬品、各種の調味料、食料品等の粉粒状の内容物を収容する容器においては、所定の操作によって内容物を所定量吐出することができる計量キャップが用いられている。
【0003】
例えば特許文献1には、所定量の内容物を吐出させる定量振出し口(11b)と、任意量の内容物を吐出させる任意量振出し口(11a)を備えるキャップが示されている。このキャップにおいて、任意量振出し口(11a)は容器本体(1)の内側に直接的に連通しているため、同文献の図7に示されているように、任意量振出し口(11a)が下方に位置するように容器本体(1)を傾倒姿勢とし、必要に応じて振り出し動作を行うと、容器本体(1)に収容した内容物を任意量で吐出させることができる。
【0004】
また定量振出し口(11b)は、計量調整部(25)に連通していて、計量調整部(25)は、容器本体(1)の内側に通じる切欠き孔(25d)に連通している。そして同文献の図5(b)に示されているように、定量振出し口(11b)が下方に位置するように容器本体(1)を傾倒姿勢にすると、容器本体(1)に収容した内容物の一部は切欠き孔(25d)を通って計量調整部(25)に移動する。次いで容器本体(1)を正立姿勢にすると、切欠き孔(25d)の周囲の内容物は落下して容器本体(1)内に戻される一方、計量調整部(25)に移動した内容物は、計量調整部(25)内で一時的に貯めおかれる(図6(a)参照)。そして再び定量振出し口(11b)が下方に位置するように容器本体(1)を傾倒姿勢にして必要に応じて振り出し動作を行うと、計量調整部(25)内で貯めおかれた計量された内容物を定量振出し口(11b)から吐出させることができる(図6(b)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-160783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで特許文献1のキャップは、図6(b)に示されているように計量された内容物を定量振出し口(11b)から吐出させる際、容器本体(1)内の内容物の一部は、切欠き孔(25d)から計量調整部(25)に移動している。従って、定量振出し口(11b)からの内容物の吐出が終了した後、容器本体(1)を正立姿勢にして再び定量振出し口(11b)が下方に位置するように容器本体(1)を傾倒姿勢にすれば、再び計量された内容物を吐出させることができる。
【0007】
一方、計量された内容物の吐出が終了し、今度は内容物を任意量で吐出させようとして任意量振出し口(11a)が下方に位置するように容器本体(1)を傾倒姿勢にすると(図7参照)、計量調整部(25)に対して切欠き孔(25d)が下方に位置することになるため、計量調整部(25)に移動していた内容物は切欠き孔(25d)から落下することになる。すなわち、任意量振出し口(11a)から内容物を吐出させて容器本体(1)を正立姿勢にした後、計量された内容物を吐出させようとして定量振出し口(11b)が下方に位置するように容器本体(1)を傾倒姿勢にしても、計量調整部(25)は空になっているので内容物を吐出させることができない。このため使用者は、再び容器本体(1)を正立姿勢にした後に傾倒姿勢にするという操作を行わなければならず、それ故、使い勝手の点で改善の余地があった。
【0008】
このような点に鑑み、本発明は、計量した内容物をより簡単な操作で吐出させることができる計量キャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、内部空間に内容物を収容する容器本体に装着される計量キャップであって、
内容物を外界に吐出させる第一吐出口、及び第二吐出口を有する頂壁部と、
前記頂壁部の内側に設けられ、該頂壁部との間で前記第一吐出口に通じる第一保留空間を区画する第一受皿部と、
前記内部空間の内容物を前記第一保留空間に導入する第一導入口と、を備え、
前記第一受皿部は、前記第一導入口の近傍において前記第一保留空間に向けて突出し、該第一保留空間に導入された内容物の前記内部空間への戻りを阻止する第一突起部を有する計量キャップである。
【0010】
前記第一突起部は、前記第一受皿部につながる根元部から先端部に向けて前記頂壁部から離れるように傾いて延在していることが好ましい。
【0011】
前記第二吐出口は、前記内部空間に連通していることが好ましい。
【0012】
前記頂壁部の内側に設けられ、該頂壁部との間で前記第二吐出口に通じる第二保留空間を区画する第二受皿部と、
前記内部空間の内容物を前記第二保留空間に導入する第二導入口と、を備え、
前記第二受皿部は、前記第二導入口の近傍において前記第二保留空間に向けて突出し、該第二保留空間に導入された内容物の前記内部空間への戻りを阻止する第二突起部を有することが好ましい。
【0013】
前記第二突起部は、前記第二受皿部につながる根元部から先端部に向けて前記頂壁部から離れるように傾いて延在していることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る計量キャップは、上記のような第一突起部を備えているので、第一吐出口から計量された内容物を吐出させた後、第二吐出口が下方に位置するように容器本体を傾倒姿勢にしても、第一保留空間に導入された内容物の内部空間への戻りが第一突起部によって阻止されて第一保留空間に貯めおくことができる。従って、第二吐出口からの内容物の吐出が終了した後、第一吐出口が下方に位置するように容器本体を傾倒姿勢にすれば、計量された内容物を第一吐出口から吐出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る計量キャップの第一実施形態を容器本体に装着した状態で示した側面視での断面図である。
図2図1に示した状態の後、第一吐出口が下方に位置するように容器本体を傾倒姿勢にした状態を示した図である。
図3図2に示した状態の後、第二吐出口が下方に位置するように容器本体を傾倒姿勢にした状態を示した図である。
図4】本発明に係る計量キャップの第二実施形態を容器本体に装着した状態で示した側面視での断面図である。
図5図4に示した状態の後、第一吐出口が下方に位置するように容器本体を傾倒姿勢にした状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明に係る計量キャップの一実施形態について説明する。なお、本明細書等において上下方向とは、図示した中心軸線O(後述する周壁部11mの中心軸線)に沿う向きである。また径方向とは、中心軸線Oに対して垂直な面内で中心軸線Oと直交する方向であり、周方向とは、この面内で中心軸線Oを中心として周回する方向である。
【0017】
図1は、本発明に係る計量キャップの第一実施形態である計量キャップ10Aを、容器本体50に装着した状態で示している。計量キャップ10Aは、キャップ本体11Aと中栓12Aを備えている。
【0018】
まず容器本体50について説明する。本実施形態の容器本体50は、上部を開口させた円筒状の口部50aを備えている。口部50aの外周面には、雄ねじ部50bが設けられている。そして口部50aの下端部には、口部50aよりも大径になる胴部50cが設けられている。胴部50cの下端部は、不図示の底部で閉鎖されていて、容器本体50は全体として有底筒状に形作られている。容器本体50の内側には、粉粒状の内容物Cが収容される内部空間Sが設けられている。
【0019】
そしてキャップ本体11Aは、口部50aの上方を覆う頂壁部11aを備えている。頂壁部11aの一方側部分(図1において中心軸線Oの左側部分)には、第一吐出口11bが設けられている。本実施形態の第一吐出口11bは、頂壁部11aを貫通する複数の貫通孔の集合体であって、図1図3では実線と破線で示している。頂壁部11aの他方側部分(図1において中心軸線Oの右側部分)には、第二吐出口11cが設けられている。本実施形態の第二吐出口11cは、頂壁部11aを貫通する一個の貫通孔である。
【0020】
頂壁部11aの中央部分は、第一吐出口11bが設けられている部分、及び第二吐出口11cが設けられている部分よりも上方に位置している。そして頂壁部11aにおける第一吐出口11bが設けられている部分の上方には、第一蓋部11dが設けられていて、第一蓋部11dは、薄肉状で屈曲変形可能な第一ヒンジ部11eを介して頂壁部11aの中央部分とつながっている。第一蓋部11dには、図1に示すように第一蓋部11dを閉蓋姿勢にした際に第一吐出口11bに挿入される第一シール突起11fが設けられている。また頂壁部11aにおける第二吐出口11cが設けられている部分の上方には、第二蓋部11gが設けられていて、第二蓋部11gは、薄肉状で屈曲変形可能な第二ヒンジ部11hを介して頂壁部11aの中央部分とつながっている。第二蓋部11gには、図1に示すように第二蓋部11gを閉蓋姿勢にした際に第二吐出口11cに挿入される第二シール突起11jが設けられている。
【0021】
そして頂壁部11aにおける第一吐出口11bが設けられている部分の下面には、下方に向けて延在する第一仕切壁部11kが設けられている。
【0022】
更に頂壁部11aの縁部には、口部50aの周囲を覆う円筒状の周壁部11mが設けられている。周壁部11mの内周面には、雄ねじ部50bに螺合する雌ねじ部11nが設けられている。
【0023】
中栓12Aは、円筒状になる中栓周壁12aを備えている。中栓周壁12aの上部は、周壁部11mの内側に挿入されてこれに嵌合保持される。そして中栓周壁12aの下部は口部50aの内側に挿入され、口部50aの内周面に対して密に接触する。
【0024】
また中栓12Aは、中栓周壁12aの一方側(図1において中心軸線Oの左側)において、頂壁部11aの下方に位置し、有底筒状をなしていて中栓周壁12aにつながる第一受皿部12bを備えている。本実施形態の第一受皿部12bは、中栓周壁12aにつながり下方に向かって傾いて延在する第一外側傾斜壁12cと、第一外側傾斜壁12cにつながり中心軸線Oに向かって水平方向に延在する第一底壁12dと、第一底壁12dにつながり上方に向かって傾いて延在する第一内側傾斜壁12eと、第一内側傾斜壁12eにつながり上方に向かって延在する第一内側垂直壁12fを備えている。更に第一受皿部12bは、図1における紙面奥側と手前側において第一内側傾斜壁12eから上方に向けて延在する一対の第一支持壁部12gを備えている。一対の第一支持壁部12gの間には、図示したように第一仕切壁部11kが挿入され、第一支持壁部12gは第一仕切壁部11kを支持している。なお、第一仕切壁部11kが支持された状態において、第一内側傾斜壁12eと第一仕切壁部11kとの間には、隙間(第一連通口B1)が設けられている。
【0025】
なお中栓12Aにおいて、中栓周壁12aの他方側(図1において中心軸線Oの右側)は上下方向に貫通していて、第二吐出口11cは内部空間Sと連通している。
【0026】
ここで、頂壁部11aと第一受皿部12bで区画される空間を第一保留空間S1と称する。第一保留空間S1は、第一吐出口11bと通じている。また、頂壁部11aと第一内側垂直壁12fの上端部との間の隙間を第一導入口A1と称する。本実施形態の第一保留空間S1は、第一仕切壁部11kによって、第一導入口A1に通じる上流側第一保留空間S1aと第一吐出口11bに通じる下流側第一保留空間S1bに区画されている。上流側第一保留空間S1aと下流側第一保留空間S1bは、第一連通口B1を介して連通している。
【0027】
更に中栓12Aは、第一内側垂直壁12fの上端部につながり第一保留空間S1に向けて突出する板状の第一突起部12hを備えている。本実施形態の第一突起部12hは、第一内側垂直壁12fの上端部につながる根元部から第一保留空間S1に向けて突出する先端部に向けて、頂壁部11aから離れるように下方に向けて傾いて延在している。
【0028】
次に、計量キャップ10Aを装着した容器本体50から内容物Cを吐出する方法について説明する。なお以下の説明では、図1に示すように第一保留空間S1に、計量された内容物Cが貯められているものとする。
【0029】
図1に示す状態から第一蓋部11dを開蓋姿勢にして、図2に示すように第一吐出口11bが下方に位置するように容器本体50を傾倒姿勢とし、必要に応じて振り出し動作を行うと、第一保留空間S1に貯留されている計量された内容物Cを第一吐出口11bから吐出させることができる。またこのとき内部空間Sの内容物Cは、図2に示すように頂壁部11a側に移動していて、内容物Cの一部は、第一導入口A1から上流側第一保留空間S1aに導入されている。なお上流側第一保留空間S1aは、頂壁部11aにつながる第一仕切壁部11kによって下流側第一保留空間S1bと区画されているため、上流側第一保留空間S1aに導入された内容物Cは、第一吐出口11bから吐出中の内容物Cとは別異に上流側第一保留空間S1aに貯めおかれる。また、第一導入口A1の近傍に設けられた第一突起部12hは、その根元部から先端部に向けて頂壁部11aから離れるように傾いて延在していて、第一導入口A1は第一突起部12hによって遮られることなく大きく開口している。従って、第一導入口A1から上流側第一保留空間S1aに向けて内容物Cをスムーズに導入することができる。
【0030】
そして、第一吐出口11bからの内容物Cの吐出が終了した後、容器本体50を正立姿勢にすると、図2に示した状態で上流側第一保留空間S1aに導入された内容物Cは、図1に示すように、第一連通口B1を介して下流側第一保留空間S1bに向けて移動する一方、上流側第一保留空間S1aに導入されずに第一導入口A1の外側まで移動していた内容物Cは、頂壁部11aから容器本体50の内側へ落下する。なお第一突起部12hは、頂壁部11aから離れるように傾いて延在しているため、図1に示したように容器本体50を正立姿勢にした状態で第一突起部12hの上面に内容物Cが残っていた場合でも、内容物Cは第一突起部12hを滑って上流側第一保留空間S1aに導入される。その後は、図1に示した状態から再び図2に示すように第一吐出口11bが下方に位置するように容器本体50を傾倒姿勢にすれば、計量された内容物Cを第一吐出口11bから吐出させることができる。
【0031】
このように本実施形態の計量キャップ10Aによれば、容器本体50を傾倒姿勢にして計量された内容物Cを吐出させた後、一旦、容器本体50を正立姿勢にして傾倒姿勢にするだけで、再び計量された内容物Cを吐出させることができる。
【0032】
ところで、図2に示すようにして計量された内容物Cを吐出させた後、容器本体50を正立姿勢とし、今度は任意量の内容物Cを吐出させる場合は、図3に示すように第二蓋部11gを開蓋姿勢にして、第二吐出口11cが下方に位置するように容器本体50を傾倒姿勢にして必要に応じて振り出し動作を行う。これにより、第二吐出口11cから任意量の内容物Cを吐出させることができる。またこのとき、第一保留空間S1に導入された内容物Cは、第一突起部12hによって第一導入口A1からのこぼれ落ちが抑制されるため、第一保留空間S1に留まることになる。従って、図3に示した状態の後、計量された内容物Cを吐出させるべく図2に示すように第一蓋部11dを開蓋姿勢にした状態で第一吐出口11bが下方に位置するように容器本体50を傾倒姿勢にすると、第一保留空間S1に貯めおかれている計量された内容物Cを第一吐出口11bから吐出させることができる。
【0033】
このように本実施形態の計量キャップ10Aによれば、第二吐出口11cから任意量の内容物Cを吐出させた後、一旦、容器本体50を正立姿勢にして傾倒姿勢にすると、計量された内容物Cを吐出させることができる。
【0034】
次に、本発明に係る計量キャップの第二実施形態である計量キャップ10Bについて、図4図5を参照しながら説明する。なお、上述した計量キャップ10Aと実質的に機能が変わらない部分については、同一の符合を付して詳細な説明は省略する。
【0035】
計量キャップ10Bは、キャップ本体11Bと中栓12Bを備えていて、上述した容器本体50に装着される。
【0036】
キャップ本体11Bは、図4に示すように、上述した第一吐出口11bや第二吐出口11c等を備えている。なお、キャップ本体11Bの第一吐出口11bは、頂壁部11aを貫通する一個の貫通孔である。またキャップ本体11Bは、頂壁部11aにおける第二吐出口11cが設けられている部分の下面に、下方に向けて延在する第二仕切壁部11pを備えている。
【0037】
中栓12Bは、中栓周壁12aの一方側(図4において中心軸線Oの左側)においては、上述した第一受皿部12bを備えていて、中栓周壁12aの他方側(図4において中心軸線Oの右側)においては、頂壁部11aの下方に位置し、有底筒状をなしていて中栓周壁12aにつながる第二受皿部12jを備えている。本実施形態の第二受皿部12jは、中栓周壁12aにつながり下方に向かって傾いて延在する第二外側傾斜壁12kと、第二外側傾斜壁12kにつながり中心軸線Oに向かって水平方向に延在する第二底壁12mと、第二底壁12mにつながり上方に向かって傾いて延在する第二内側傾斜壁12nと、第二内側傾斜壁12nにつながり上方に向かって延在する第二内側垂直壁12pを備えている。更に第二受皿部12jは、図4における紙面奥側と手前側において第二底壁12mから上方に向けて延在する一対の第二支持壁部12qを備えている。一対の第二支持壁部12qの間には、図示したように第二仕切壁部11pが挿入され、第二仕切壁部11pを支持している。なお、第二仕切壁部11pが支持された状態において、第二底壁12mと第二仕切壁部11pとの間には、隙間(第二連通口B2)が設けられている。
【0038】
ここで、頂壁部11aと第二受皿部12jで区画される空間を第二保留空間S2と称する。第二保留空間S2は、第二吐出口11cと通じている。また、頂壁部11aと第二内側垂直壁12pの上端部との間の隙間を第二導入口A2と称する。本実施形態の第二保留空間S2は、第二仕切壁部11pによって、第二導入口A2に通じる上流側第二保留空間S2aと第二吐出口11cに通じる下流側第二保留空間S2bに区画されている。上流側第二保留空間S2aと下流側第二保留空間S2bは、第二連通口B2を介して連通している。なお第二保留空間S2の容積は、図示したように第一保留空間S1よりも小さくなっていて、第二導入口A2から第二保留空間S2に導入される内容物Cの量は、第一保留空間S1に導入される内容物Cの量よりも少なくなるように設定されている。
【0039】
更に中栓12Aは、第二内側垂直壁12pの上端部につながり第二保留空間S2に向けて突出する板状の第二突起部12rを備えている。本実施形態の第二突起部12rは、第二内側垂直壁12pの上端部につながる根元部から第二保留空間S2に向けて突出する先端部に向けて、頂壁部11aから離れるように下方に向けて傾いて延在している。
【0040】
このような構成になる計量キャップ10Bによれば、図4に示す状態から第一蓋部11dを開蓋姿勢にして、図5に示すように第一吐出口11bが下方に位置するように容器本体50を傾倒姿勢にして必要に応じて振り出し動作を行うと、第一保留空間S1に貯留されている計量された内容物Cを第一吐出口11bから吐出させることができる。またこのとき内部空間Sの内容物Cの一部は、第一導入口A1から上流側第一保留空間S1aに導入されているため、上述した計量キャップ10Aと同様に、一旦、容器本体50を正立姿勢にして傾倒姿勢にすれば、再び第一保留空間S1に収容された計量された内容物Cを第一吐出口11bから吐出させることができる。
【0041】
ここで、第一吐出口11bから内容物Cを吐出させる際、第二保留空間S2に収容された内容物Cは、図5に示すように第二突起部12rによって第二導入口A2からのこぼれ落ちが抑制されるため、第二保留空間S2に留まることになる。従って、図5に示した状態の後、容器本体50を正立姿勢とし、第二吐出口11cが下方に位置するように容器本体50を傾倒姿勢にすれば、第一吐出口11bから吐出された量よりも少ない量で第二吐出口11cから内容物Cを吐出させることができる。
【0042】
なお図示は省略するが、第二吐出口11cから内容物Cを吐出させるべく、第二吐出口11cが下方に位置するように容器本体50を傾倒姿勢にしたとしても、第一保留空間S1に導入された内容物Cは、第一突起部12hによって第一導入口A1からのこぼれ落ちが抑制される。従って、第二吐出口11cから内容物を吐出させた後、容器本体50を正立姿勢とし、第一吐出口11bが下方に位置するように容器本体50を傾倒姿勢にすれば、第一吐出口11bから再び内容物Cを吐出させることができる。
【0043】
このように本実施形態の計量キャップ10Bによれば、所定量であって比較的多量の内容物Cを吐出させる場合は第一吐出口11bを使用し、所定量であって比較的少量の内容物Cを吐出させる場合は第二吐出口11cを使用することにより、意図した量の内容物Cを吐出させることができる。また本実施形態の計量キャップ10Bによれば、第一吐出口11bから内容物Cを吐出させた後、一旦、容器本体50を正立姿勢にしてすぐに第二吐出口11cから内容物Cを吐出させることが可能であり、同様に第二吐出口11cから内容物Cを吐出させた後、一旦、容器本体50を正立姿勢にしてすぐに第一吐出口11bから内容物Cを吐出させることが可能である。
【0044】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば上述した実施形態の構成は、適宜追加、削除が可能であり、また一の実施形態の構成を他の実施形態に設けることも可能である。また、上記の実施形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。
【0045】
例えば第一突起部12hと第二突起部12rは、上述した実施形態のように根元部から先端部に向けて頂壁部11aから離れるように下方に向けて傾いて延在していることが好ましいが、水平方向に延在していてもよいし上方に傾いて延在していてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10A、10B:計量キャップ
11A、11B:キャップ本体
11a:頂壁部
11b:第一吐出口
11c:第二吐出口
11d:第一蓋部
11e:第一ヒンジ部
11f:第一シール突起
11g:第二蓋部
11h:第二ヒンジ部
11j:第二シール突起
11k:第一仕切壁部
11m:周壁部
11n:雌ねじ部
11p:第二仕切壁部
12A、12B:中栓
12a:中栓周壁
12b:第一受皿部
12c:第一外側傾斜壁
12d:第一底壁
12e:第一内側傾斜壁
12f:第一内側垂直壁
12g:第一支持壁部
12h:第一突起部
12j:第二受皿部
12k:第二外側傾斜壁
12m:第二底壁
12n:第二内側傾斜壁
12p:第二内側垂直壁
12q:第二支持壁部
12r:第二突起部
50:容器本体
50a:口部
50b:雄ねじ部
50c:胴部
A1:第一導入口
A2:第二導入口
B1:第一連通口
B2:第二連通口
C:内容物
O:中心軸線
S:内部空間
S1:第一保留空間
S1a:上流側第一保留空間
S1b:下流側第一保留空間
S2:第二保留空間
S2a:上流側第二保留空間
S2b:下流側第二保留空間
図1
図2
図3
図4
図5