(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142435
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】作業機械のキャブ
(51)【国際特許分類】
E02F 9/16 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
E02F9/16 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054572
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】池田 健
(72)【発明者】
【氏名】平野 智士
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏章
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015EA02
(57)【要約】
【課題】キャブの外観において受信機を隠蔽すると共に、外部の発信機と受信機との間で良好な通信を確保する。
【解決手段】作業機械のキャブは、第1の窓と、受信機と、ドアと、コントローラと、遮蔽部とを備える。受信機は、第1の窓の内側に配置される。受信機は、外部の発信機からの識別信号を受信する。コントローラは、発信機からの識別信号に応じてドアの解錠を許可する。遮蔽部は、第1の窓の外側から見て受信機と重なって配置される。遮蔽部は、有色の非金属製である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の窓と、
前記第1の窓の内側に配置され、外部の発信機からの識別信号を受信する受信機と、
ドアと、
前記発信機からの識別信号に応じて前記ドアの解錠を許可するコントローラと、
非金属製であり、前記第1の窓の外側から見て前記受信機と重なって配置される有色の遮蔽部と、
を備える作業機械のキャブ。
【請求項2】
前記遮蔽部は、前記第1の窓上に配置されている、
請求項1に記載の作業機械のキャブ。
【請求項3】
前記遮蔽部は、前記第1の窓上に塗布されている、
請求項1に記載の作業機械のキャブ。
【請求項4】
前記ドアが設けられる第1側面と、
前記第1側面と反対に配置される第2側面と、
をさらに備え、
前記第1の窓は、前記第1側面に設けられる、
請求項1に記載の作業機械のキャブ。
【請求項5】
前記ドアは、第2の窓を含み、
前記第1の窓と前記受信機と前記遮蔽部とは、前記キャブの側面視において、前記第2の窓よりも後方に配置される、
請求項1に記載の作業機械のキャブ。
【請求項6】
前記受信機と前記遮蔽部とは、前記キャブの側面視において、前記第1の窓の後上部の角に配置される、
請求項1に記載の作業機械のキャブ。
【請求項7】
オペレータシートをさらに備え、
前記受信機は、前記オペレータシートよりも上方に配置される、
請求項1に記載の作業機械のキャブ。
【請求項8】
前記第1の窓の後方に配置されるピラーをさらに備え、
前記受信機は、前記ピラーの前方に配置される、
請求項1に記載の作業機械のキャブ。
【請求項9】
前記受信機は、前記ピラーに取り付けられる、
請求項8に記載の作業機械のキャブ。
【請求項10】
前記キャブ内において前記ピラーを覆うピラーカバーをさらに備え、
前記ピラーカバーは、前記キャブ内において前記受信機を覆う、
請求項8に記載の作業機械のキャブ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載のキャブを備える作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械のキャブに関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械のキャブには、外部の発信機と通信を行う受信機を備え、発信機からの識別信号により、ドアの解錠を許可するものがある。例えば、特許文献1の建設機械のキャブでは、キャブの窓ガラス等にアンテナが埋め込み又は貼られている。アンテナには受信機が接続され、受信機は、コントローラに接続されている。オペレータは、携帯発信機を操作して所定の識別信号を発信することにより、キャブのドアのロック、アンロックをすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようにキャブの窓ガラス等にアンテナが埋め込まれる場合には、アンテナが破損し易い。そのため、受信機は、外部の発信機と良好な通信を行える位置に配置されることが好ましい。しかし、受信機がキャブの外部から見えるように配置されると、キャブの外観上、好ましくない。本開示は、キャブの外観において受信機を隠蔽すると共に、外部の発信機と受信機との間で良好な通信を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る作業機械のキャブは、第1の窓と、受信機と、ドアと、コントローラと、遮蔽部とを備える。受信機は、第1の窓の内側に配置される。受信機は、外部の発信機からの識別信号を受信する。コントローラは、発信機からの識別信号に応じてドアの解錠を許可する。遮蔽部は、非金属製である。遮蔽部は、第1の窓の外側から見て受信機と重なって配置される。遮蔽部は、有色である。
【0006】
本態様に係る作業機械のキャブでは、受信機は、第1の窓の内側に配置される。そのため、発信機と受信機との間で良好な通信が確保される。また、遮蔽部によって、受信機がキャブの外観において隠蔽される。さらに、遮蔽部は非金属製であるため、発信機と受信機との間の通信が阻害されることが抑えられる。
【0007】
遮蔽部は、第1の窓上に配置されてもよい。遮蔽部は、第1の窓上に塗布されてもよい。この場合、遮蔽部を容易にキャブに設けることができる。
【0008】
キャブは、第1側面と第2側面とをさらに備えてもよい。第1側面には、ドアが設けられてもよい。第2側面は、第1側面と反対に配置されてもよい。第1の窓は、第1側面に設けられてもよい。この場合、受信機は、キャブにおいてドアと同じ側の第1側面に設けられた第1の窓の内側に配置される。そのため、オペレータがドアの近傍にいる場合に、オペレータが持っている発信機と良好な通信を確保することができる。
【0009】
ドアは、第2の窓を含んでもよい。第1の窓と受信機と遮蔽部とは、キャブの側面視において、第2の窓よりも後方に配置されてもよい。この場合、受信機と遮蔽部とによって、第2の窓からの視界が妨げられることが抑えられる。
【0010】
受信機と遮蔽部とは、キャブの側面視において、第1の窓の後上部の角に配置されてもよい。この場合、受信機と遮蔽部とによって、第1の窓からの視界が妨げられることが抑えられる。
【0011】
キャブは、オペレータシートをさらに備えてもよい。受信機は、オペレータシートよりも上方に配置されてもよい。この場合、シートに座ったオペレータの視界が、受信機によって妨げられることが抑えられる。
【0012】
キャブは、ピラーをさらに備えてもよい。ピラーは、第1の窓の後方に配置されてもよい。受信機は、ピラーの前方に配置されてもよい。この場合、受信機とピラーとをコンパクトに配置することができる。
【0013】
受信機は、ピラーに取り付けられてもよい。この場合、受信機を強固に支持することができる。キャブは、ピラーカバーをさらに備えてもよい。ピラーカバーは、キャブ内においてピラーを覆ってもよい。ピラーカバーは、キャブ内において受信機を覆ってもよい。この場合、キャブを覆うピラーカバーを利用して、受信機をキャブ内で隠蔽することができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、キャブの外観において受信機が隠蔽されると共に、外部の発信機と受信機との間で良好な通信が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】作業機械の盗難防止システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態に係る作業機械について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る作業機械1の側面図である。本実施形態において、作業機械1は、油圧ショベルである。
図1に示すように、作業機械1は、車体2と作業機3とを含む。
【0017】
車体2は、旋回体4と、走行体5と、キャブ6と、駆動源室7とを含む。旋回体4は、走行体5に対して旋回可能に取り付けられている。キャブ6は、旋回体4に配置されている。走行体5は、履帯8を含む。なお、
図1では、左右の履帯8のうち一方のみが図示されている。履帯8が駆動されることで、作業機械1は走行する。駆動源室7内には、駆動源9が配置されている。駆動源9は、例えばエンジンと油圧ポンプとを含む。或いは、駆動源9は、電動モータを含んでもよい。
【0018】
作業機3は、車体2に取り付けられている。作業機3は、ブーム11と、アーム12と、バケット13とを含む。ブーム11は、旋回体4に対して回転可能に取り付けられている。アーム12は、ブーム11に対して、回転可能に取り付けられている。バケット13は、アーム12に対して、回転可能に取り付けられている。
【0019】
作業機3は、ブームシリンダ14と、アームシリンダ15と、バケットシリンダ16とを含む。ブームシリンダ14と、アームシリンダ15と、バケットシリンダ16とは、例えば油圧シリンダである。ブームシリンダ14と、アームシリンダ15と、バケットシリンダ16とは、油圧によって駆動される。ブームシリンダ14と、アームシリンダ15と、バケットシリンダ16とが駆動されることで、作業機3が動作する。
【0020】
図2は、キャブ6の斜視図である。
図3は、キャブ6の側面図である。
図2及び
図3に示すように、キャブ6内には、オペレータシート80が配置されている。
図3に示すように、オペレータシート80は、座面81と、シートバック82と、ヘッドレスト83とを含む。シートバック82は、座面81から上方に延びている。ヘッドレスト83は、シートバック82の上部に接続されている。なお、図示を省略するが、キャブ6内には、作業機械1を操作するための操作レバーが配置されている。
【0021】
キャブ6は、フロア21と、ルーフ22と、前面23と、後面24と、第1側面25と、第2側面26とを含む。フロア21上には、オペレータシート80が配置されている。ルーフ22は、オペレータシート80の上方に配置されている。前面23と、後面24と、第1側面25と、第2側面26とは、フロア21からルーフ22に向かって、上方に延びている。前面23には、前窓27が取り付けられている。後面24には、後窓28が取り付けられている。
【0022】
第1側面25は、オペレータシート80の一側方に配置され、第2側面26はオペレータシート80の他側方に配置されている。本実施形態において、第1側面25はキャブ6の左側面であり、第2側面26はキャブ6の右側面である。ただし、第1側面25と右側面とは左右逆に配置されてもよい。第1側面25は、作業機械1の外側を向いて配置される。第2側面26は、キャブ6の左右方向において、第1側面25と反対に配置される。第2側面26は、作業機3に面して配置される。
【0023】
第1側面25は、Aピラー31と、Bピラー32と、Cピラー33と、アッパフレーム34とを含む。Aピラー31と、Bピラー32と、Cピラー33とは、フロア21から上方に延びている。Aピラー31は、第1側面25の前縁に沿って設けられている。Cピラー33は、第1側面25の後縁に沿って設けられている。Bピラー32は、第1側面25において、Aピラー31とCピラー33との間に配置されている。アッパフレーム34は、Aピラー31の上端から後方に延びている。アッパフレーム34は、Bピラー32の上端とCピラー33の上端とに接続されている。第2側面26も、第1側面25と同様のAピラーと、Bピラーと、Cピラーと、アッパフレームとを含む。
【0024】
キャブ6は、ドア35を含む。ドア35は、第1側面25に設けられている。ドア35は、ヒンジ36,37を介して支持されている。ヒンジ36,37は、ドア35の後縁に接続されている。ドア35は、ヒンジ36,37回りに回転可能に支持されている。なお、ドア35は、第1側面25に沿って前後方向にスライド可能に支持されてもよい。ドア35には、ドアハンドル38が取り付けられている。オペレータは、ドアハンドル38を握ることで、ドア35を開閉する。ドアハンドル38は、ドア35の下前部に配置されている。
【0025】
第1側面25には、ドア窓41,42(第2の窓)と側窓43(第1の窓)とが設けられている。ドア窓41,42と側窓43とは、例えばガラスなどの透明な材料で形成されている。ドア窓41,42は、ドア35に設けられている。ドア窓41,42は、キャブ6に対してドア35と共に開閉される。ドア窓41,42は、上ドア窓41と下ドア窓42とを含む。上ドア窓41は、オペレータシート80の座面81よりも上方に配置されている。下ドア窓42は、上ドア窓41の下方に配置されている。下ドア窓42は、キャブ6の側面視において、オペレータシート80の座面81と重なる。上述したドアハンドル38は、キャブ6の側面視において、下ドア窓42の前方に配置されている。ドアハンドル38は、上ドア窓41よりも下方に配置されている。
【0026】
側窓43は、キャブ6の側面視において、ドア35の後方に配置されている。側窓43は、Bピラー32とCピラー33との間に配置されている。側窓43は、Bピラー32の後方に配置されている。側窓43は、Cピラー33の前方に配置されている。側窓43の下方には、サイドパネル44が配置されている。側窓43は、キャブ6の側面視において、シートバック82と重なる。側窓43は、キャブ6の側面視において、ヘッドレスト83と重なる。
【0027】
図3に示すように、側窓43は、上縁45と、前縁46と、下縁47と、後縁48とを含む。上縁45は、アッパフレーム34に沿って配置されている。前縁46は、Bピラー32に沿って配置されている。下縁47は、サイドパネル44に沿って配置されている。後縁48は、Cピラー33に沿って配置されている。
【0028】
側窓43の一部には、遮蔽部51が設けられている。遮蔽部51は、側窓43の縁に沿って設けられている。遮蔽部51は、有色の非金属製である。例えば、遮蔽部51は、黒色のセラミック製である。なお、
図2及び
図3においては、遮蔽部51が有色であることがハッチングによって表現されている。遮蔽部51は、側窓43上に塗布されている。例えば、遮蔽部51は、焼き付けにより、側窓43上に塗布されている。遮蔽部51は、側窓43の内面に塗布されている。或いは、遮蔽部51は、側窓43の外面に塗布されてもよい。
【0029】
遮蔽部51は、上部52と、後部53と、下部54と、角部55とを含む。上部52は、側窓43の上縁45に沿って設けられている。後部53は、側窓43の後部53に沿って設けられている。下部54は、側窓43の下縁47に沿って設けられている。角部55は、側窓43の上縁45と後縁48との間の角に設けられている。側窓43において遮蔽部51と重なる部分の内側は、遮蔽部51によって隠蔽されており、キャブ6の外部から見えなくなっている。
【0030】
側窓43は、遮蔽部51が設けられていない部分(以下、透過部56と呼ぶ)を含む。キャブ6内のオペレータは、側窓43の透過部56を通して、キャブ6の外部を視認可能である。透過部56は、キャブ6の側面視で、オペレータシート80と重なる。詳細には、透過部56は、キャブ6の側面視で、シートバック82とヘッドレスト83と重なる。透過部56の上端560は、オペレータシート80よりも上方に位置する。透過部56の下端561は、ドア35の上ドア窓41よりも下方に配置されている。
【0031】
本実施形態に係る作業機械1のキャブ6は、外部の発信機100からの識別信号を認識することで、作業機械1の使用を可能とする盗難防止システム10を備える。以下、盗難防止システム10について説明する。
図4は、盗難防止システム10の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、盗難防止システム10は、受信機61と、ロック装置62と、コントローラ63とを含む。
【0032】
受信機61は、外部の発信機100からの識別信号を受信する。発信機100は、例えば、オペレータが携帯する作業機械1のキーに内蔵される。受信機61は、電波などの無線通信により、発信機100から識別信号を受信する。ロック装置62は、コントローラ63からの指令信号に応じて、ドア35の解錠と施錠とを行う。コントローラ63は、例えばプロセッサとメモリとを含む。コントローラ63は、受信機61及びロック装置62と通信可能に接続されている。コントローラ63は、発信機100からの識別信号を、受信機61から取得する。コントローラ63は、発信機100からの識別信号に応じて、ドア35の施錠と解錠とを許可する。コントローラ63は、作業機械1に割り当てられた適正な識別信号を受信していない場合には、ドア35の施錠と解錠とを禁止する。
【0033】
例えば、コントローラ63は、発信機100から適正な識別信号を受信している状態で、作業機械1のキーの施錠ボタン、或いは解錠ボタンが操作された場合に、ロック装置62にドア35の施錠、或いは解錠を指令する。或いは、コントローラ63は、発信機100から適正な識別信号を受信している状態で、ドアハンドル38が操作された場合に、ロック装置62にドア35の施錠、或いは解錠を指令してもよい。或いは、コントローラ63は、発信機100からの識別信号により、適正な発信機100が作業機械1の近くにあると判定した場合に、ロック装置62にドア35の施錠、或いは解錠を指令してもよい。
【0034】
なお、
図4に示すように、盗難防止システム10は、作業機械1の始動スイッチ64を含む。始動スイッチ64は、キャブ6内に配置される。オペレータが始動スイッチ64を操作すると、コントローラ63は、始動スイッチ64からの始動信号を受信する。コントローラ63は、発信機100からの識別信号に応じて、駆動源9の始動を許可する。すなわち、コントローラ63は、発信機100から適切な識別信号を受信している状態で、始動スイッチ64が操作された場合に、駆動源9を始動させる。コントローラ63は、作業機械1に割り当てられた適正な識別信号を受信していない場合には、始動スイッチ64が操作されても、駆動源9の始動を禁止する。
【0035】
図3に示すように、受信機61は、キャブ6の側面視において、ドア35よりも後方に配置される。受信機61は、キャブ6の側面視において、ドア窓41,42よりも後方に配置される。受信機61は、オペレータシート80よりも上方に配置される。受信機61は、オペレータシート80よりも後方に配置される。
図1に示すように、受信機61は、駆動源室7の天面700よりも上方に配置される。
【0036】
図5は、第1側面25の拡大側面図である。
図6は、
図5におけるVI-VI断面図である。
図5及び
図6に示すように、受信機61は、側窓43の内側に配置される。受信機61は、キャブ6の側面視において、側窓43の上縁45と後縁48との間の角に配置される。受信機61は、Cピラー33の前方に配置される。
図6に示すように。受信機61は、Cピラー33とキャブ6の前後方向に重なる。受信機61は、ステー65を介して、Cピラー33に取り付けられる。
【0037】
受信機61は、受信機本体66と、コネクタ67と、取付部68-70とを含む。受信機本体66は、上面71と、側面72,73と、底面74とを含む。受信機本体66の側面72,73は、後方、且つ、下方に向かって、傾斜して配置される。コネクタ67は、受信機本体66の底面74から突出している。コネクタ67には、ケーブル77が接続されている。ケーブル77は、上述したコントローラ63と受信機61とを接続する。ケーブル77は、Cピラー33に沿って配置される。取付部68-70は、受信機本体66から突出している。取付部68-70は、例えばネジによって、ステー65に固定される。
【0038】
図6に示すように、遮蔽部51は、受信機61の外側に配置される。遮蔽部51は、側窓43の外側から見て受信機61と重なって配置される。詳細には、
図5に示すように、遮蔽部51の角部55が、キャブ6の側面視で、受信機61と重なる。角部55の縁550は、後方且つ下方に向かって傾斜して配置されている。受信機61は、キャブ6の側面視において、側窓43の上縁45と後縁48との間の角と、遮蔽部51の角部55の縁550との間に配置されている。受信機61の側面72,73は、角部55の縁550に沿って配置されている。
【0039】
図7は、キャブ6内の一部を示す斜視図である。
図7に示すように、キャブ6は、ピラーカバー75を含む。
図7に示すように、ピラーカバー75は。キャブ6内においてCピラー33を覆う。ピラーカバー75は、キャブ6内において受信機61を覆う。詳細には、ピラーカバー75の上部は、膨出部76を含む。膨出部76は、前方に向かって膨らんだ形状を有する。受信機61は、膨出部76内に配置される。ピラーカバー75によって、受信機61がキャブ6内において隠蔽される。
【0040】
以上説明した本実施形態に係る作業機械1では、受信機61は、側窓43の内側に配置される。ドア35を開閉しようとするオペレータは、ドア35の近傍に位置する。そのため、オペレータが持っている発信機100と、受信機61との間で良好な通信が確保される。また、遮蔽部51によって、受信機61がキャブ6の外観において隠蔽される。さらに、遮蔽部51は非金属製であるため、発信機100と受信機61との間の通信が阻害されることが抑えられる。
【0041】
また、受信機61は、側窓43において高い位置に配置されている。従って、受信機61は、発信機100との間で良好な通信を確保しつつも、外部からアクセスしにくい位置に配置されている。それにより、作業機械1の盗難防止の効果が向上する。
【0042】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0043】
作業機械1は、油圧ショベルに限らず、電動ショベルであってもよい。或いは、作業機械は、ブルドーザ、ホイールローダ、或いはモータグレーダなどの他の機械であってもよい。キャブ6の構造は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、オペレータシート80、側窓43、或いはドア窓41,42の配置が変更されてもよい。
【0044】
受信機61の配置は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、受信機61は、ドア窓41,42の内側に配置されてもよい。遮蔽部51の構成は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、遮蔽部51の色は、不透明な色であればよく、黒色に限らず、白色などの他の色であってもよい。遮蔽部51は、セラミックに限らず、樹脂などの他の材料製であってもよい。
【0045】
遮蔽部51の形状は変更されてもよい。例えば、遮蔽部51の角部55は、省略されてもよい。受信機61は、遮蔽部51の上部52、後部53、或いは下部54の内側に配置されてもよい。遮蔽部51は、側窓43に塗布されたものに限らず、例えば、側窓43に取り付けられた板状のカバーであってもよい。或いは、遮蔽部51は、側窓43に取り付けられていなくてもよく、受信機61の外側に配置されていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本開示によれば、キャブの外観において受信機を隠蔽すると共に、外部の発信機と受信機との間で良好な通信を確保することができる。
【符号の説明】
【0047】
25:第1側面
26:第2側面
33:Cピラー
35:ドア
41,42:ドア窓(第2の窓)
43:側窓(第1の窓)
51:遮蔽部
61:受信機
63:コントローラ
75:ピラーカバー
80:オペレータシート