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特開2024-142451照明器具、照明システム及び照明方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142451
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】照明器具、照明システム及び照明方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/11 20200101AFI20241003BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20241003BHJP
   H05B 45/50 20220101ALI20241003BHJP
   H05B 47/20 20200101ALI20241003BHJP
   H05B 45/37 20200101ALI20241003BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20241003BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20241003BHJP
【FI】
H05B47/11
H05B45/10
H05B45/50
H05B47/20
H05B45/37
H05B47/16
H05B47/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054592
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】日高 佑図
(72)【発明者】
【氏名】大市 明伸
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA06
3K273QA27
3K273QA34
3K273QA36
3K273RA02
3K273RA13
3K273SA04
3K273SA05
3K273SA09
3K273SA23
3K273SA35
3K273SA37
3K273SA42
3K273SA50
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA40
3K273TA54
3K273TA57
3K273TA71
3K273UA21
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA27
3K273UA28
(57)【要約】
【課題】光源の点灯及び消灯と調光とを制御するモードを複数有する照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具20aは、光源32と、明るさを検出するセンサ部46と、コントローラ50から出力された光源32の点灯及び消灯を制御する第1信号及び光源32の調光率を指示する第2信号を取得する通信部45と、検出された明るさと取得された第2信号とに基づいて光源32が制御される第1モード、及び、取得された第1信号と第2信号とに基づいて光源32が制御される第2モードを選択的に実行する情報処理部43aとを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
明るさを検出するセンサ部と、
コントローラから出力された前記光源の点灯及び消灯を制御する第1信号及び前記光源の調光率を指示する第2信号を取得する通信部と、
検出された前記明るさと取得された前記第2信号とに基づいて前記光源が制御される第1モード、及び、取得された前記第1信号と前記第2信号とに基づいて前記光源が制御される第2モードを選択的に実行する情報処理部とを備える
照明器具。
【請求項2】
さらに、前記光源の調光率を指示する調光率情報が記憶されている記憶部を備え、
前記情報処理部が前記第2モードを実行している場合に前記第2モードに異常が発生したとき、前記情報処理部は、取得された前記第2信号に代えて、記憶されている前記調光率情報に基づいて、前記第1モードを実行する
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記光源への電流供給のオン及びオフを行うスイッチ部を備え、
前記通信部は、前記光源へ供給される電流値、前記スイッチ部のオン及びオフを示すスイッチ状態、前記情報処理部が実行中のモード、前記情報処理部によって制御されているときの前記光源の調光率、及び、検出された前記明るさのうち少なくとも1つを含むステータス情報を、前記コントローラに出力し、
前記コントローラは、出力された前記ステータス情報を取得し、
前記コントローラは、取得された前記ステータス情報に基づいて前記照明器具の異常を検知する
請求項1に記載の照明器具。
【請求項4】
前記照明器具は、街路灯である
請求項1に記載の照明器具。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明器具と、
前記コントローラとを備える
照明システム。
【請求項6】
照明器具が実行する照明方法であって、
前記照明器具は、
光源と、
明るさを検出するセンサ部と、
コントローラから出力された前記光源の点灯及び消灯を制御する第1信号及び前記光源の調光率を指示する第2信号を取得する通信部と、
情報処理部とを備え、
前記照明方法は、
前記照明器具が、検出された前記明るさと取得された前記第2信号とに基づいて前記光源が制御される第1モード、及び、取得された前記第1信号と前記第2信号とに基づいて前記光源が制御される第2モードのうち前記情報処理部が実行するモードを指示する指示情報を取得する第1ステップと、
前記情報処理部が、取得された前記指示情報に基づいて、前記第1モード及び前記第2モードを選択的に実行する第2ステップとを含む
照明方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具、照明システム及び照明方法に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具が有する光源の点灯及び消灯と調光とを制御する技術が知られている。例えば、特許文献1には、明るさを検出する明るさセンサ部(照度検出部)と、この明るさセンサ部によって検出された明るさに応じて光源(照明器具)の点灯及び消灯と調光とを制御する情報処理部(制御部)とが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-28128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1においては、制御部が光源とを制御するモードとして、検出された明るさに応じて制御部が光源の点灯及び消灯と調光とを制御するモードのみが開示されている。従って、例えば当該モードに異常が発生した場合に、制御部は、光源の点灯及び消灯と調光とを正常に制御することができないなどの問題が発生する。
【0005】
本発明は、光源の点灯及び消灯と調光とを制御するモードを複数有する照明器具などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る照明器具は、光源と、明るさを検出するセンサ部と、コントローラから出力された前記光源の点灯及び消灯を制御する第1信号及び前記光源の調光率を指示する第2信号を取得する通信部と、検出された前記明るさと取得された前記第2信号とに基づいて前記光源が制御される第1モード、及び、取得された前記第1信号と前記第2信号とに基づいて前記光源が制御される第2モードを選択的に実行する情報処理部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る照明システムは、前記照明器具と、前記コントローラとを備える。
【0008】
本発明の一態様に係る照明方法は、照明器具が実行する照明方法であって、前記照明器具は、光源と、明るさを検出するセンサ部と、コントローラから出力された前記光源の点灯及び消灯を制御する第1信号及び前記光源の調光率を指示する第2信号を取得する通信部と、情報処理部とを備え、前記照明方法は、前記照明器具が、検出された前記明るさと取得された前記第2信号とに基づいて前記光源が制御される第1モード、及び、取得された前記第1信号と前記第2信号とに基づいて前記光源が制御される第2モードのうち前記情報処理部が実行するモードを指示する指示情報を取得する第1ステップと、前記情報処理部が、取得された前記指示情報に基づいて、前記第1モード及び前記第2モードを選択的に実行する第2ステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の照明器具等は、光源の点灯及び消灯と調光とを制御するモードを複数有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る照明器具の外観図である。
図3図3は、実施の形態に係る照明システムの動作例1のフローチャートである。
図4図4は、実施の形態に係る照明システムの動作例2のフローチャートである。
図5図5は、実施の形態の変形例に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
図6図6は、実施の形態の変形例に係る照明システムの動作例3のフローチャートである。
図7図7は、実施の形態の変形例に係る照明システムの動作例4のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る照明システム10の構成について説明する。図1は、実施の形態に係る照明システム10の機能構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示されるように、照明システム10は、照明器具20と、コントローラ50と、情報端末60とを備える。照明システム10は、照明器具20を少なくとも1つ備えていればよく、複数の照明器具20を備えていてもよい。まず、照明器具20について図1に加えて図2を参照しながら説明する。図2は、実施の形態に係る照明器具20の外観図である。
【0015】
照明器具20は、屋外に設置される街路灯である。照明器具20は、具体的には、照明器具本体30と、照明器具本体30に取り付けられる通信端末40とを備える。なお、図2の例では、照明器具本体30に通信端末40が外付けされているが、通信端末40は、照明器具本体30に内蔵されてもよい。照明器具20は、照明器具20の動作に必要な範囲で、照明器具本体30が備える構成要素と通信端末40が備える構成要素とを備えていればよく、照明器具本体30と通信端末40とが明確に区別される必要はない。
【0016】
照明器具本体30は、光源32と、電源部33とを備える。
【0017】
光源32は、照明器具20が照明器具20の周囲を照らすために白色光を照射する。光源32は、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子によって実現されるが、半導体レーザ、有機EL(Electro-Luminescence)、または、無機EL等の他の発光素子によって実現されてもよい。
【0018】
電源部33は、系統電源70からスイッチ部42を介して供給される交流電力を光源32の発光に適した直流電力に変換する。電源部33は、例えば、AC(Alternating Current)-DC(Direct Current)コンバータ、及び、DC-DCコンバータなどによって実現される。つまり、電源部33は、電源回路によって実現される。
【0019】
通信端末40は、電源部41と、スイッチ部42と、情報処理部43と、記憶部44と、通信部45と、センサ部46と、電流測定部47と、計時部48とを備える。
【0020】
電源部41は、系統電源70から供給される交流電力を、通信端末40(情報処理部43等)の動作に適した直流電力に変換する。電源部41は、例えば、AC-DCコンバータ、及び、DC-DCコンバータなどによって実現される。つまり、電源部41は、電源回路によって実現される。
【0021】
スイッチ部42は、情報処理部43から出力される信号(点灯指示信号又は消灯指示信号)に基づいて、系統電源70から供給される交流電力の電源部33へのオン及びオフ(つまり、光源32の点灯及び消灯)を行う。スイッチ部42は、例えば、リレー素子によって実現されるが、パワー半導体スイッチング素子によって実現されてもよい。
【0022】
情報処理部43は、第1モード及び第2モードを選択的に実行する。第1モードはセンサ部46によって検出された明るさに基づいて光源32が制御されるモードであり、第1モードを実行中の情報処理部43が光源32を制御する。第2モードはコントローラ50から出力された光源32を制御する制御信号に基づいて光源32が制御されるモードであり、第2モードを実行中の情報処理部43が光源32を制御する。本実施の形態においては、制御信号は、光源32の点灯及び消灯を指示する第1信号を含む。制御信号は、通信部45によって取得される。
【0023】
第1モードでは、検出された明るさが第1閾値よりも低い場合、つまり例えば照明器具20の周囲が暗い場合(時刻が17:00~翌6:00などの時間帯)に、情報処理部43は光源32が点灯するように制御する。また、第1モードでは、検出された明るさが第2閾値よりも高い場合、つまり例えば照明器具20の周囲が明るい場合(時刻が上記以外の時間帯)に、情報処理部43は光源32が消灯するように制御する。第1閾値及び第2閾値は、記憶部44に記憶された値であり、所定の値である。
【0024】
第2モードでは、光源32の点灯を指示する第1信号を含む制御信号が取得された場合に、情報処理部43は光源32が点灯するように制御する。また、第2モードでは、光源32の消灯を指示する第1信号を含む制御信号が取得された場合に、情報処理部43は光源32が消灯するように制御する。第2モードでは、情報処理部43が光源32が点灯するように制御している場合、光源32の消灯を指示する第1信号を含む制御信号が通信部45によって取得されるまでは、情報処理部43は、光源32が点灯する制御を継続する。また、第2モードでは、情報処理部43が光源32が消灯するように制御している場合、光源32の点灯を指示する第1信号を含む制御信号が通信部45によって取得されるまでは、情報処理部43は、光源32が消灯する制御を継続する。
【0025】
情報処理部43は、スイッチ部42へ信号(点灯指示信号又は消灯指示信号)を出力することにより、光源32の点灯又は消灯することができる。
【0026】
情報処理部43が実行するモードは、例えば以下のように決定されるとよい。コントローラ50は第1モード及び第2モードのうち情報処理部43が実行するモードを指示する指示情報を通信部45に出力し、通信部45は出力された指示情報を取得する。情報処理部43は、通信部45によって取得された指示情報に基づいて、実行するモードを決定する。つまりは、情報処理部43は、取得された指示情報が第1モードを示す場合には第1モードを実行し、取得された指示情報が第2モードを示す場合には第2モードを実行する。
【0027】
このように、情報処理部43は、第1モード及び第2モードのそれぞれを実行する機能を有する。情報処理部43は、第1モード及び第2モードを選択的に実行することで、光源32を制御する。なお、情報処理部43が第1モード及び第2モードを同時に実行することはない。
【0028】
また、情報処理部43は、通信部45が応答要求信号をコントローラ50へ出力するように制御する。応答要求信号は、当該信号を取得したコントローラ50が応答信号を通信部45へ出力することを要求する信号である。通信部45が応答要求信号を出力した後、通信部45がコントローラ50から出力された応答信号を取得した場合に、情報処理部43は、コントローラ50と通信部45との通信に障害がないと判断する。また、通信部45が応答要求信号を出力した後、一定時間通信部45が応答信号を取得しない場合に、情報処理部43は、コントローラ50と通信部45との通信に障害があると判断する。つまり、情報処理部43は、応答要求信号と応答信号とを用いて、当該障害を検知している。情報処理部43は、定期的(例えば10分に1度)に、通信部45が応答要求信号をコントローラ50へ出力するように制御する。
【0029】
情報処理部43は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部43の機能は、情報処理部43を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサなどのハードウェアが記憶部44に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0030】
記憶部44は、第1閾値、第2閾値及び情報処理部43が実行するコンピュータプログラムなどの照明器具20の動作に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部44は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0031】
通信部45は、照明器具20が、コントローラ50と無線通信(より具体的には、電波通信)を行うための無線通信回路である。通信部45は、公衆網(Public Network)または自営網(Private Network)を通じてコントローラ50と通信を行う。公衆網を通じた通信の通信規格としては、LTE(Long Term Evolution)及びSigfoxなどが例示される。自営網を通じた通信の通信規格としては、LoRaWAN(Long Range Wide Area Network)、及び、プライベートLoRaなどが例示される。なお、通信規格については一例であり、特に限定されない。
【0032】
センサ部46は、明るさを検出するセンサユニットである。より具体的には、センサ部46は、照明器具20の周囲の明るさを検出する。センサ部46は、例えば、照明器具20に照射された光(例えば太陽光、当該照明器具20以外の他の照明器具20の光源32から照射された光)を受光して、明るさを検出する。明るさは、例えば、光量などの数値である。センサ部46は、例えばフォトダイオードであるが、これに限られず、明るさを検出することができる素子であればよい。
【0033】
電流測定部47は、光源32に供給される電流値を測定する電流センサである。電流測定部47は、スイッチ部42と光源32との電流経路上に配置される。
【0034】
計時部48は、通信端末40(照明器具20)において使用される現在時刻を計測する。言い換えれば、計時部48は、現在時刻を管理する。計時部48は、RTC(Real Time Clock)などによって実現される。コントローラ50がNITZ(Network Identity and Time Zone)に対応している場合、計時部48によって計測される現在時刻は、定期的に補正される。
【0035】
次に、コントローラ50及び情報端末60について図1を参照しながら説明する。
【0036】
情報端末60は、照明システム10の管理者等が、コントローラ50にアクセスするために使用するユーザインターフェース装置である。情報端末60は、具体的には、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、または、タブレット端末などである。
【0037】
コントローラ50は、光源32を制御する制御信号を出力する装置であり、具体的には、サーバ装置(クラウドサーバ)である。コントローラ50は、通信部51と、情報処理部52と、記憶部53と、計時部54とを備える。コントローラ50は、照明器具20と離れた遠隔地に設置される場合がある。
【0038】
通信部51は、コントローラ50が、照明器具20、及び、情報端末60と無線通信(より具体的には、電波通信)を行うための無線通信回路である。通信部51は、公衆網または自営網を通じて複数の照明器具20、及び、情報端末60と通信を行う。
【0039】
計時部54は、コントローラ50において使用される現在時刻を計測する。言い換えれば、計時部54は、現在時刻を管理する。計時部54は、RTC(Real Time Clock)などによって実現される。コントローラ50がNITZ(Network Identity and Time Zone)に対応している場合、計時部54によって計測される現在時刻は、定期的に補正される。
【0040】
情報処理部52は、通信部51が制御信号を通信端末40の通信部45へ出力するように制御する。
【0041】
本実施の形態においては、情報処理部52は、計時部54によって計測された現在時刻が17:00などの照明器具20の周囲が暗くなったときに、通信部51が、光源32の点灯を指示する第1信号を含む制御信号を通信部45へ出力するように制御する。また例えば、情報処理部52は、計時部54によって計測された現在時刻が6:00などの照明器具20の周囲が明るくなったときに、通信部51が、光源32の消灯を指示する第1信号を含む制御信号を通信部45へ出力するように制御する。
【0042】
また、照明システム10の管理者等が情報端末60を用いてコントローラ50にアクセスし、コントローラ50は、管理者から所定の操作を受付けることができる。コントローラ50が所定の操作として光源32の点灯及び消灯の一方を指示する操作を受付けたときに、情報処理部52は、通信部51が、当該一方を指示する第1信号を含む制御信号を通信部45へ出力するように制御してもよい。
【0043】
情報処理部52は、通信部51が第1モード及び第2モードのうち情報処理部43が実行するモードを指示する指示情報を通信部45へ出力するように制御する。コントローラ50が所定の操作として情報処理部43が実行するモードを指示する操作を受付けたときに、情報処理部52は、通信部51が当該モードを指示する指示情報を通信部45へ出力するように制御する。
【0044】
また、情報処理部52は、通信端末40の通信部45から出力された応答要求信号を通信部51が取得した場合に、通信部51が応答信号を通信部45へ出力するように制御する。
【0045】
記憶部53は、第3スケジュール情報、及び、情報処理部52が実行するコンピュータプログラム等、コントローラ50の動作に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部53は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)または半導体メモリなどによって実現される。なお、第3スケジュール情報は、照明器具20を点灯させる時刻、及び、照明器具20を消灯させる時刻を示す情報である。
【0046】
さらに、第1モード及び第2モードと、情報処理部43の処理とについて説明する。
【0047】
第1モードを実行中の情報処理部43は、センサ部46によって検出された明るさに基づいて光源32を制御する。従って、センサ部46が明るさを検出できないなどの異常がセンサ部46に発生した場合に、点灯が不要であるにもかかわらず光源32が点灯を続けたり、点灯が必要であるにもかかわらず光源32が点灯を行えなかったりするなどの問題が発生する。つまりは、センサ部46に異常が生じた場合に、情報処理部43は光源32を正常に制御することが困難になり、換言すると、第1モードに異常が発生していると判断される。
【0048】
一方第2モードを実行中の情報処理部43は、コントローラ50から出力され通信部45によって取得された制御信号に基づいて光源32を制御する。従って、コントローラ50の通信部51と通信端末40の通信部45との通信に障害が発生した場合においても、上記と同様に、情報処理部43は、光源32を正常に制御することが困難になり、換言すると、第2モードに異常が発生していると判断される。
【0049】
そこで、このような異常に対処するため、本実施の形態に係る情報処理部43は、以下のような処理を行う。
【0050】
情報処理部43が第1モード及び第2モードのうち一方のモードを実行している場合に当該一方のモードに異常が発生したとき、情報処理部43は、第1モード及び第2モードのうち他方のモードを実行する。つまり、情報処理部43が実行中の一方のモードに異常が発生した場合には、情報処理部43は、他方のモードを実行する。このため、一方のモードに異常が発生した後においても、情報処理部43が他方のモードを実行することで、光源32を正常に制御し続けることができる。
【0051】
[動作例1]
以下、照明システム10の動作例1について説明する。
【0052】
図3は、実施の形態に係る照明システム10の動作例1のフローチャートである。
【0053】
通信端末40の通信部45は、コントローラ50の通信部51から指示情報を取得する(S10)。指示情報は、第1モード及び第2モードのうち情報処理部43が実行するモードを指示する情報である。
【0054】
通信端末40の情報処理部43は、通信部45によって取得された指示情報に基づいて、実行するモードを決定し、決定された一方のモードを実行する(S12)。上記の通り、情報処理部43は、第1モード及び第2モードのそれぞれを実行する機能を有し、第1モード及び第2モードを選択的に実行する。ステップS12では、情報処理部43は、取得された指示情報が第1モードを示す場合には第1モードを実行し、取得された指示情報が第2モードを示す場合には第2モードを実行する。
【0055】
そして、情報処理部43は、情報処理部43が実行中の一方のモードに異常が発生したか否かを判断する(S14)。情報処理部43は、例えば、以下のように、当該異常が発生したか否かを判断する。
【0056】
まずは、情報処理部43が第1モードを実行中であり、つまりは、情報処理部43はセンサ部46によって検出された明るさに基づいて光源32を制御している例について説明する。この例においては、センサ部46によって検出された明るさが所定の閾値の範囲外であるとき、情報処理部43は、センサ部46に異常が生じ、つまりは実行中の第1モードに異常が発生したと判断する。なお、上記所定の閾値は記憶部44に記憶されており、時刻ごとに異なる所定の閾値が記憶されているとよい。情報処理部43は、計時部48によって計測された現在時刻と記憶部44に記憶されている所定の閾値とを参照し、検出された明るさが所定の閾値の範囲外であるか否かを判断する。例えば、センサ部46の故障、センサ部46への積雪、又は、センサ部46への汚れの付着などにより、センサ部46によって検出された明るさが所定の閾値の範囲外になると想定される。
【0057】
さらに、情報処理部43が第2モードを実行中であり、つまりは、情報処理部43は通信部45によって取得された制御信号に基づいて光源32を制御している例について説明する。この例においては、コントローラ50(通信部51)と通信部45との通信に障害が発生したとき、情報処理部43は、実行中の第2モードに異常が発生したと判断する。例えば、情報処理部43は、応答要求信号と応答信号とを用いて、当該障害を検知している。
【0058】
情報処理部43が、実行中の一方のモードに異常が発生したと判断した場合(S14でYes)、情報処理部43は、第1モード及び第2モードのうち他方のモードを実行する(S16)。例えば、ステップS12において情報処理部43が第1モードを実行し、かつ、ステップS14で情報処理部43が実行中の第1モードに異常が発生したと判断した場合に、ステップS16で、情報処理部43は第2モードを実行する。
【0059】
また、情報処理部43が、実行中の一方のモードに異常が発生していないと判断した場合(S14でNo)、情報処理部43は、第1モード及び第2モードのうち当該一方のモードを実行し続ける(S18)。
【0060】
このように、本実施の形態においては、情報処理部43は、センサ部46によって検出された明るさに基づいて光源32が制御される第1モードを実行することができる。さらに、情報処理部43は、通信部45によって取得された制御信号に基づいて光源32が制御される第2モードも実行することができる。つまり、本実施の形態に係る照明器具20は、光源32を制御するモードを複数有することができる。
【0061】
さらには、情報処理部43が実行中の一方のモードに異常が発生した場合には、情報処理部43は、他方のモードを実行する。このため、一方のモードに異常が発生した後においても、情報処理部43が他方のモードを実行することで、光源32を正常に制御し続けることができる。
【0062】
[動作例2]
次に、照明システム10の動作例2について説明する。
【0063】
図4は、実施の形態に係る照明システム10の動作例2のフローチャートである。
【0064】
上記の通り、動作例1では、情報処理部43が第1モード及び第2モードに異常が発生したか否かを判断(検知)した。そして動作例2では、コントローラ50が、照明器具20の異常を検知する。
【0065】
通信端末40の通信部45は、ステータス情報をコントローラ50の通信部51に出力し、通信部51は出力されたステータス情報を取得する(S30)。ステータス情報は、光源32に供給される電流値、スイッチ部42のオン及びオフを示すスイッチ状態、情報処理部43が実行中のモード、及び、センサ部46によって検出された明るさのうち少なくとも1つを含む情報である。光源32に供給される電流値は、電流測定部47によって計測される値である。スイッチ状態は、系統電源70から電源部33へ供給される交流電力がオン状態であるか、オフ状態であるかを示す。ここでは、ステータス情報は、光源32に供給される電流値、スイッチ状態、情報処理部43が実行中のモード、及び、検出された明るさを含む情報である。
【0066】
コントローラ50の情報処理部52は、通信部51によって取得されたステータス情報に基づいて照明器具20の異常を検知する(S32)。情報処理部52は、例えば、以下のように、当該異常が発生したか否かを判断する。
【0067】
情報処理部52は、ステータス情報が含むセンサ部46によって検出された明るさに基づいて、センサ部46の異常を検知する。センサ部46によって検出された明るさが第3閾値の範囲外であるとき、情報処理部52はセンサ部46に異常が生じたと判断し、つまりは、情報処理部52は当該異常を検知する。なお、上記第3閾値は記憶部53に記憶された所定の値であり、時刻ごとに異なる第3閾値が記憶されているとよい。情報処理部52は、計時部54によって計測された現在時刻と記憶部53に記憶されている第3閾値とを参照し、検出された明るさが第3閾値の範囲外であるか否かを判断する。
【0068】
情報処理部52は、ステータス情報が含む光源32に供給される電流値とスイッチ状態とに基づいて、照明器具本体30の異常を検知する。スイッチ状態がオンを示し、かつ、電流測定部47によって計測された当該電流値が第4閾値未満である場合に、情報処理部52は照明器具本体30に異常が生じたと判断し、つまりは、情報処理部52は当該異常を検知する。この場合とは、スイッチ状態がオンであることから光源32は点灯しているにもかかわらず、十分な電流値が光源32に供給されておらず、光源32が十分な光を照射できていない場合に相当する。
【0069】
情報処理部52は、ステータス情報が含む情報処理部43が実行中のモードに基づいて、通信端末40の異常を検知する。情報処理部52は、通信部51が出力した指示情報によって指示される情報処理部43が実行するモード(以下指示モードと記載する場合がある)と、ステータス情報が含む情報処理部43が実行中のモード(以下実行中モードと記載する場合がある)とを比較する。指示モードと実行中モードとが異なる場合に、情報処理部52は、通信端末40に異常が生じたと判断し、つまりは、情報処理部52は当該異常を検知する。このように、例えば指示モードが第1モードであるにもかかわらず、実行中モードが第2モードである場合に、情報処理部52は通信端末40の異常を検知する。
【0070】
このように本動作例においては、情報処理部52は、照明器具20の異常として、センサ部46の異常、照明器具本体30の異常及び/又は通信端末40の異常を検知する。
【0071】
コントローラ50の情報処理部52が照明器具20の異常を検知した場合(S32でYes)に、情報処理部52は、以下の処理を行う。つまり、情報処理部52は、検知された照明器具20の異常を、照明システム10の管理者等に通知する(S34)。情報処理部52は、通信部51が、検知された照明器具20の異常を示す情報を、情報端末60に出力するように制御する。これにより、管理者等が照明器具20に異常があったことを知ることができる。従って、例えば、管理者等が照明器具20が設置されている場所へ向かって、照明器具20に異常があるか否かを検査する必要が無くなり、省力化が実現される。
【0072】
コントローラ50の情報処理部52が照明器具20の異常を検知しなかった場合(S32でNo)に、情報処理部52は、処理を終了する。また、このステップS32でNoの場合に、情報処理部52は、照明器具20の異常が無いことを、照明システム10の管理者等に通知してもよい。
【0073】
なお、通信部45は、定期的(例えば10分に1度)に、ステータス情報を通信部51に出力するとよい。これにより、情報処理部52は、定期的に上記異常の検知を行うことができる。
【0074】
[効果など]
第1態様に係る照明器具20は、光源32と、明るさを検出するセンサ部46と、コントローラ50から出力された光源32を制御する制御信号を取得する通信部45と、情報処理部43とを備える。情報処理部43は、検出された明るさに基づいて光源32が制御される第1モード、及び、取得された制御信号に基づいて光源32が制御される第2モードを選択的に実行する。
【0075】
これにより、本実施の形態に係る照明器具20は、光源32を制御するモードを複数有することができる。
【0076】
第2態様に係る照明器具20では、第1態様において、情報処理部43が第1モード及び第2モードのうち一方のモードを実行している場合に一方のモードに異常が発生したとき、情報処理部43は、第1モード及び第2モードのうち他方のモードを実行する。
【0077】
これにより、一方のモードに異常が発生した後においても、情報処理部43が他方のモードを実行することで、光源32を正常に制御し続けることができる。
【0078】
第3態様に係る照明器具20では、第2態様において、情報処理部43が第1モードを実行している場合に検出された明るさが所定の閾値の範囲外であるとき、情報処理部43は、第1モードに異常が発生したと判断し、第2モードを実行する。
【0079】
これにより、第1モードの異常が発生したことがより判断され易くなる。
【0080】
第4態様に係る照明器具20では、第2又は第3態様において、情報処理部43が第2モードを実行している場合にコントローラ50と通信部45との通信に障害が発生したとき、情報処理部43は、第2モードに異常が発生したと判断し、第1モードを実行する。
【0081】
これにより、第2モードの異常が発生したことがより判断され易くなる。
【0082】
第5態様に係る照明器具20では、第1~第4態様のいずれか1の態様において、コントローラ50は、第1モード及び第2モードのうち情報処理部43が実行するモードを指示する指示情報を、通信部45に出力する。通信部45は、出力された指示情報を取得し、情報処理部43は、取得された指示情報に基づいて、実行するモードを決定する。
【0083】
これにより、指示情報により、情報処理部43が実行するモードを決定することができる。
【0084】
第6態様に係る照明器具20は、第1~第5態様のいずれか1の態様において、光源32への電流供給のオン及びオフを行うスイッチ部42を備える。通信部45は、光源32へ供給される電流値、スイッチ部42のオン及びオフを示すスイッチ状態、情報処理部43が実行中のモード、及び、検出された明るさのうち少なくとも1つを含むステータス情報を、コントローラ50に出力する。コントローラ50は、出力されたステータス情報を取得し、コントローラ50は、取得されたステータス情報に基づいて照明器具20の異常を検知する。
【0085】
これにより、例えば、検知された照明器具20の異常を示す情報が情報端末60に送信されると、照明システム10の管理者等が照明器具20に異常があったことを知ることができる。従って、例えば、管理者等が照明器具20が設置されている場所へ向かって、照明器具20に異常があるか否かを検査する必要が無くなり、省力化が実現される。
【0086】
第7態様に係る照明器具20は、第1~第6態様のいずれか1の態様において、街路灯である。
【0087】
これにより、街路灯である照明器具20を実現することができる。
【0088】
第8態様に係る照明システム10は、第1~第7態様のいずれか1の態様における照明器具20と、コントローラ50とを備える。
【0089】
これにより、本実施の形態に係る照明システム10は、光源32を制御するモードを複数有することができる。
【0090】
第9態様に係る照明方法は、照明器具20が実行する照明方法である。照明器具20は、光源32と、明るさを検出するセンサ部46と、コントローラ50から出力された光源32を制御する制御信号を取得する通信部45と、情報処理部43とを備える。照明方法は、第1ステップと第2ステップとを含む。第1ステップでは、照明器具20が、検出された明るさに基づいて光源32が制御される第1モード、及び、取得された制御信号に基づいて光源32が制御される第2モードのうち情報処理部43が実行するモードを指示する指示情報を取得する。第2ステップでは、情報処理部43が、取得された指示情報に基づいて、第1モード及び第2モードを選択的に実行する。
【0091】
これにより、本実施の形態に係る照明方法は、光源32を制御するモードを複数有することができる。
【0092】
なお、本実施の形態においては、通信端末40は、計時部48を備えることで、現在時刻を管理したがこれに限られない。通信端末40は、以下の方法で、現在時刻を管理してもよい。例えば、コントローラ50の通信部51は、コントローラ50において計時部54によって管理されている現在時刻を、通信端末40の通信部45に、定期的に出力する。通信部45は出力された現在時刻を取得し、情報処理部43が取得された現在時刻を基準として一定の時間間隔で数をカウントし、経過時間に相当するカウント値を得ることで、通信端末40は、現在時刻を管理してもよい。この場合、通信端末40は、計時部48を備えていなくてもよい。
【0093】
(変形例)
以下、実施の形態の変形例について説明する。以下では、実施の形態との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。本変形例では、第1モード及び第2モードの制御内容が、実施の形態に係る第1モード及び第2モードの制御内容と異なる。
【0094】
[構成]
図5は、実施の形態の変形例に係る照明システム10aの機能構成を示すブロック図である。
【0095】
照明システム10aは、照明器具20aを備える点を除いて、実施の形態に係る照明システム10と同じ構成を備える。また、照明器具20aは、照明器具本体30aと通信端末40aとを備える。
【0096】
なお、本変形例に係るコントローラ50(通信部51)は、光源32の点灯及び消灯を制御する第1信号及び光源32の調光率を指示する第2信号を含む制御信号を通信部45に出力する。
【0097】
通信端末40aは、情報処理部43にかえて情報処理部43aを備える点を除いて実施の形態の通信端末40と同じ構成を備える。また、通信部45は、コントローラ50から出力された第1信号と第2信号とを含む制御信号を取得する。
【0098】
本変形例に係る情報処理部43aは、以下の第1モード及び第2モードを選択的に実行する。本変形例に係る第1モードは、センサ部46によって検出された明るさと、通信部45によって取得された制御信号が含む第2信号とに基づいて光源32が制御されるモードであり、第1モードを実行中の情報処理部43aが光源32を制御する。本変形例に係る第2モードは、通信部45によって取得された制御信号が含む第1信号と第2信号とに基づいて光源32が制御されるモードであり、第2モードを実行中の情報処理部43aが光源32を制御する。
【0099】
本変形例においては、第1モードでは、検出された明るさが第1閾値よりも低い場合に、情報処理部43aは、光源32が点灯し、かつ、光源32の調光率が第2信号によって指示される調光率となるように制御する。また、第2モードでは、光源32の点灯を指示する第1信号及び光源32の調光率を指示する第2信号を含む制御信号が取得された場合に、情報処理部43aは、光源32が点灯し、かつ、光源32の調光率が第2信号によって指示される調光率となるように制御する。つまり、本変形例においては、情報処理部43aが第1モード及び第2モードのいずれのモードを実行している場合でも、第2信号が指示する調光率に従って、光源32が制御される。例えば、情報処理部43aは第2信号を照明器具本体30aに出力し、照明器具本体30aにおいては、光源32の調光率が第2信号によって指示される調光率となるように制御される。
【0100】
なお、光源32の調光率、つまりは、照明器具20aが照射する光の明るさは、時刻によって変更されるとよい。例えば、時刻が17:00~24:00などの時間帯では、照明器具20aが設置された場所の人通りが多いことも予想されるため、照明器具20aが照射する光の明るさがより明るいとよい。また例えば、時刻が24:00~6:00などの時間帯では、照明器具20aが設置された場所の人通りが少ないことも予想されるため、照明器具20aが照射する光の明るさがより暗くてもよい。本変形例においては、照明器具20aが照射する光の明るさを詳細に制御するために、通信部51は、第1信号及び第2信号を含む制御信号を、定期的(例えば1時間に1度)に通信部45に出力する。より具体的には、通信部51は、時刻ごとに異なる調光率を指示する第2信号を含む制御信号を出力する。
【0101】
なお、上記第1モード及び第2モードの制御内容を除いて、情報処理部43aは、実施の形態に係る情報処理部43と同様の処理を行うとよい。
【0102】
照明器具本体30aは、光源32と、電源部33と、情報処理部34とを備える。
【0103】
情報処理部34は、情報処理部43aから出力された第2信号を取得して、光源32の調光率が取得された第2信号が指示する調光率となるように、電源部33から光源32に供給される直流電力を制御する。これにより、光源32の調光率は、取得された第2信号が指示する調光率となる。
【0104】
情報処理部34は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部34の機能は、情報処理部34を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサなどのハードウェアが、照明器具本体30aが備える記憶部(不図示)に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0105】
[動作例3]
以下、照明システム10aの動作例3について説明する。
【0106】
図6は、実施の形態の変形例に係る照明システム10aの動作例3のフローチャートである。
【0107】
通信端末40aの通信部45は、コントローラ50の通信部51から指示情報を取得する(S50)。
【0108】
通信端末40aの情報処理部43aは、通信部45によって取得された指示情報に基づいて、実行するモードを決定し、決定された一方のモードを実行する(S52)。ステップS52では、情報処理部43aは、取得された指示情報が第1モードを示す場合には第1モードを実行し、取得された指示情報が第2モードを示す場合には第2モードを実行する。
【0109】
そして、情報処理部43aは、情報処理部43aが実行中の一方のモードに異常が発生したか否かを判断する(S54)。情報処理部43aは、例えば、動作例1で示した情報処理部43と同様の処理で、当該異常が発生したか否かを判断する。
【0110】
情報処理部43aが、実行中の一方のモードに異常が発生したと判断した場合(S54でYes)、情報処理部43aは、第1モード及び第2モードのうち他方のモードを実行する(S56)。例えば、ステップS52において情報処理部43aが第1モードを実行し、かつ、ステップS54で情報処理部43aが実行中の第1モードに異常が発生したと判断した場合に、ステップS56で、情報処理部43aは第2モードを実行する。また例えば、ステップS52において情報処理部43aが第2モードを実行し、かつ、ステップS54で情報処理部43aが実行中の第2モードに異常が発生したと判断した場合に、ステップS56で、情報処理部43aは第1モードを実行する。このステップS56で情報処理部43aが第1モードを実行する場合について、更に詳しく説明する。
【0111】
上記の通り、第1モードは、センサ部46によって検出された明るさと、通信部45によって取得された制御信号が含む第2信号とに基づいて光源32が制御されるモードである。しかし、ステップS54で、第2モードに異常が発生した場合とは、コントローラ50(通信部51)と通信部45との通信に障害がある場合に相当する。すなわち、第2モードに異常が発生した後においては、通信部45は、第2信号を含む制御信号を取得することができない。
【0112】
そこでこの場合、本変形例に係る情報処理部43aは、第2信号に代えて、調光率情報に基づいて、第1モードを実行する。調光率情報は、光源32の調光率を指示する情報であり、記憶部44に予め記憶されている情報である。つまりはこの場合、第1モードでは、検出された明るさが第1閾値よりも低い場合に、情報処理部43aは、光源32が点灯し、かつ、光源32の調光率が記憶部44に記憶されている調光率情報が指示する調光率となるように制御する。
【0113】
なお、調光率情報が指示する調光率は、高い値で設定されているとよく、例えば、80%以上100%以下の値であるとよい。これにより、第2モードに異常が発生し、情報処理部43aが第1モードを実行する場合でも、照明器具20aは、周囲を明るく照明することができる。第2モードに異常が発生する場合とは例えば災害が発生した場合などが想定され、このような場合に、照明器具20aが周囲を明るく照明することで、安全が確保されやすくなる。
【0114】
このように動作例3においては、第2モードに異常が発生し、通信部45が第2信号を含む制御信号を取得することができない場合でも、情報処理部43aは、第1モードを実行することができる。
【0115】
また、情報処理部43aが、実行中の一方のモードに異常が発生していないと判断した場合(S54でNo)、情報処理部43aは、第1モード及び第2モードのうち当該一方のモードを実行し続ける(S58)。
【0116】
このように、本変形例においては、情報処理部43aは、センサ部46によって検出された明るさと第2信号とに基づいて光源32が制御される第1モードを実行することができる。さらに、情報処理部43aは、通信部45によって取得された制御信号が含む第1信号と第2信号とに基づいて光源32が制御される第2モードも実行することができる。つまり、本変形例に係る照明器具20aは、光源32の点灯及び消灯と調光とを制御するモードを複数有することができる。
【0117】
さらには、情報処理部43aが実行中の一方のモードに異常が発生した場合には、情報処理部43aは、他方のモードを実行する。このため、一方のモードに異常が発生した後においても、情報処理部43aが他方のモードを実行することで、光源32を正常に制御し続けることができる。
【0118】
[動作例4]
次に、照明システム10aの動作例4について説明する。
【0119】
図7は、実施の形態の変形例に係る照明システム10aの動作例4のフローチャートである。
【0120】
上記の通り、動作例3では、情報処理部43aが第1モード及び第2モードに異常が発生したか否かを判断(検知)した。そして動作例4では、コントローラ50が、照明器具20aの異常を検知する。
【0121】
通信端末40aの通信部45は、ステータス情報をコントローラ50の通信部51に出力し、通信部51は出力されたステータス情報を取得する(S70)。ステータス情報は、光源32に供給される電流値、スイッチ部42のオン及びオフを示すスイッチ状態、情報処理部43aが実行中のモード、情報処理部43aによって制御されているときの光源32の調光率及びセンサ部46によって検出された明るさのうち少なくとも1つを含む情報である。情報処理部43aによって制御されているときの光源32の調光率とは、第2信号及び調光率情報に指示される調光率(以下指示調光率と記載する場合がある)ではなく、光を照射している光源32の調光率(以下動作中調光率と記載する場合がある)である。ここでは、ステータス情報は、光源32に供給される電流値、スイッチ状態、情報処理部43aが実行中のモード、動作中調光率及び検出された明るさを含む情報である。
【0122】
コントローラ50の情報処理部52は、通信部51によって取得されたステータス情報に基づいて照明器具20aの異常を検知する(S72)。情報処理部52は、例えば、以下のように、当該異常が発生したか否かを判断する。
【0123】
情報処理部52は、ステータス情報が含む光源32に供給される電流値と動作中調光率とスイッチ状態とに基づいて、照明器具本体30aの異常を検知する。スイッチ状態がオンを示し、動作中調光率が指示調光率と異なる値を示し、かつ、電流測定部47によって計測された当該電流値が第4閾値未満である場合に、情報処理部52は照明器具本体30aに異常が生じたと判断する。つまりは、情報処理部52は当該異常を検知する。動作例2で示した照明器具本体30の異常の検知に比べ、情報処理部52が、光源32に供給される電流値と動作中調光率とスイッチ状態とに基づいて照明器具本体30aの異常を判断するため、当該異常の検知の精度が向上する。
【0124】
また、本動作例においても、情報処理部52は、センサ部46によって検出された明るさに基づいてセンサ部46の異常を検知し、情報処理部43aが実行中のモードに基づいて、通信端末40aの異常を検知する。
【0125】
このように本動作例においては、情報処理部52は、照明器具20aの異常として、センサ部46の異常、照明器具本体30aの異常及び/又は通信端末40aの異常を検知する。
【0126】
コントローラ50の情報処理部52が照明器具20aの異常を検知した場合(S72でYes)に、情報処理部52は、以下の処理を行う。つまり、情報処理部52は、検知された照明器具20aの異常を、照明システム10aの管理者等に通知する(S74)。情報処理部52は、通信部51が、検知された照明器具20aの異常を示す情報を、情報端末60に出力するように制御する。これにより、管理者等が照明器具20aに異常があったことを知ることができる。従って、例えば、管理者等が照明器具20aが設置されている場所へ向かって、照明器具20aに異常があるか否かを検査する必要が無くなり、省力化が実現される。
【0127】
コントローラ50の情報処理部52が照明器具20aの異常を検知しなかった場合(S72でNo)に、情報処理部52は、処理を終了する。また、このステップS72でNoの場合に、情報処理部52は、照明器具20aの異常が無いことを、照明システム10aの管理者等に通知してもよい。
【0128】
なお、通信部45は、定期的(例えば10分に1度)に、ステータス情報を通信部51に出力するとよい。これにより、情報処理部52は、定期的に上記異常の検知を行うことができる。
【0129】
[効果など]
第1態様に係る照明器具20aは、光源32と、明るさを検出するセンサ部46と、通信部45と、情報処理部43aとを備える。通信部45は、コントローラ50から出力された光源32の点灯及び消灯を制御する第1信号及び光源32の調光率を指示する第2信号を取得する。情報処理部43aは、検出された明るさと取得された第2信号とに基づいて光源32が制御される第1モード、及び、取得された第1信号と第2信号とに基づいて光源32が制御される第2モードを選択的に実行する。
【0130】
これにより、本変形例に係る照明器具20aは、光源32の点灯及び消灯と調光とを制御するモードを複数有することができる。
【0131】
第2態様に係る照明器具20aは、第1態様において、さらに、光源32の調光率を指示する調光率情報が記憶されている記憶部44を備える。情報処理部43aが第2モードを実行している場合に第2モードに異常が発生したとき、情報処理部43aは、取得された第2信号に代えて、記憶されている調光率情報に基づいて、第1モードを実行する。
【0132】
これにより、一方のモードに異常が発生した後においても、情報処理部43aが他方のモードを実行することで、光源32を正常に制御し続けることができる。
【0133】
第3態様に係る照明器具20aは、第1又は第2態様において、光源32への電流供給のオン及びオフを行うスイッチ部42を備える。通信部45は、光源32へ供給される電流値、スイッチ部42のオン及びオフを示すスイッチ状態、情報処理部43aが実行中のモード、情報処理部43aによって制御されているときの光源32の調光率、及び、検出された明るさのうち少なくとも1つを含むステータス情報を、コントローラ50に出力する。コントローラ50は、出力されたステータス情報を取得し、コントローラ50は、取得されたステータス情報に基づいて照明器具20aの異常を検知する。
【0134】
これにより、例えば、検知された照明器具20aの異常を示す情報が情報端末60に送信されると、照明システム10aの管理者等が照明器具20aに異常があったことを知ることができる。従って、例えば、管理者等が照明器具20aが設置されている場所へ向かって、照明器具20aに異常があるか否かを検査する必要が無くなり、省力化が実現される。
【0135】
第4態様に係る照明器具20aは、第1~第3態様のいずれか1の態様において、街路灯である。
【0136】
これにより、街路灯である照明器具20aを実現することができる。
【0137】
第5態様に係る照明システム10aは、第1~第4態様のいずれか1の態様における照明器具20aと、コントローラ50とを備える。
【0138】
これにより、本変形例に係る照明システム10aは、光源32の点灯及び消灯と調光とを制御するモードを複数有することができる。
【0139】
第6態様に係る照明方法は、照明器具20aが実行する照明方法である。照明器具20aは、光源32と、明るさを検出するセンサ部46と、コントローラ50から出力された光源32の点灯及び消灯を制御する第1信号及び光源32の調光率を指示する第2信号を取得する通信部45と、情報処理部43aとを備る。照明方法は、第1ステップと第2ステップとを含む。第1ステップでは、照明器具20aが、検出された明るさと取得された第2信号とに基づいて光源32が制御される第1モード、及び、取得された第1信号と第2信号とに基づいて光源32が制御される第2モードのうち情報処理部43aが実行するモードを指示する指示情報を取得する。第2ステップでは、情報処理部43aが、取得された指示情報に基づいて、第1モード及び第2モードを選択的に実行する。
【0140】
これにより、本変形例に係る照明方法は、光源32の点灯及び消灯と調光とを制御するモードを複数有することができる。
【0141】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は、上記実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
【0142】
上記実施の形態及び変形例では、照明器具20及び20aは街路灯であると説明されたが、照明器具20及び20aは、街路灯以外の屋外に設置される照明器具であってもよい。また、照明器具20及び20aは、屋内に設置される照明器具であってもよい。
【0143】
例えば、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0144】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0145】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0146】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0147】
例えば、本発明は、上記実施の形態の照明システム、照明器具、または、コントローラとして実現されてもよいし、照明システム、照明器具、または、コントローラなどのコンピュータが実行する方法として実現されてもよい。本発明は、このような方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録された非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0148】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0149】
10、10a 照明システム
20、20a 照明器具
32 光源
34、43、43a、52 情報処理部
42 スイッチ部
44、53 記憶部
45、51 通信部
46 センサ部
47 電流測定部
50 コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7