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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142468
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】船舶
(51)【国際特許分類】
   B63B 11/00 20060101AFI20241003BHJP
   B63B 25/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B63B11/00 Z
B63B25/00 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054612
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】518022743
【氏名又は名称】三菱造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】三好 翔太
(72)【発明者】
【氏名】大和 邦昭
(57)【要約】
【課題】車両の搭載台数を増加させることが可能な船舶を提供する。
【解決手段】船舶は、船体と、前記船体に設けられて船尾ランプ又は船首ランプを介して車両が乗降する乗込み甲板と、前記船体における前記乗込み甲板の下方に設けられて主機を収容する機関室と、前記乗込み甲板の下方に位置し、前記機関室の天井を形成すると共に、上下に開口する開口部を有する機関室上車両甲板と、前記乗込み甲板と前記機関室上車両甲板との間にわたって設けられ、前記開口部を介して前記機関室に連通する主機直上空間を区画形成するケーシングと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体に設けられて船尾ランプ又は船首ランプを介して車両が乗降する乗込み甲板と、
前記船体における前記乗込み甲板の下方に設けられて主機を収容する機関室と、
前記乗込み甲板の下方に位置し、前記機関室の天井を形成すると共に、上下に開口する開口部を有する機関室上車両甲板と、
前記乗込み甲板と前記機関室上車両甲板との間にわたって設けられ、前記開口部を介して前記機関室に連通する主機直上空間を区画形成するケーシングと、
を備える船舶。
【請求項2】
前記乗込み甲板は、隔壁甲板であって、
船首尾方向に離間して設けられて、上端が前記乗込み甲板に接続された水密隔壁としての一対の横置隔壁を更に有し、
前記機関室上車両甲板及び前記機関室は、前記一対の横置隔壁により区画されている
請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記機関室上車両甲板と、前記機関室上車両甲板よりも船首側及び船尾側の前記乗込み甲板とは、隔壁甲板であって、
船首尾方向に離間して設けられて、上端が前記乗込み甲板に接続された水密隔壁としての一対の横置隔壁を更に有し、
前記機関室上車両甲板及び前記機関室は、前記一対の横置隔壁で区画されている
請求項1に記載の船舶。
【請求項4】
前記乗込み甲板の直下に設けられるとともに、前記機関室上車両甲板よりも船首側及び船尾側に設けられた第一下部車両甲板と、
船首尾方向に離間して設けられて、上端が前記機関室上車両甲板に接続された水密隔壁としての一対の横置隔壁と、を更に有し、
前記第一下部車両甲板と、前記機関室上車両甲板とは、前記船首尾方向で互いに連続する隔壁甲板をなし、
前記機関室は、前記一対の横置隔壁により区画されている
請求項1に記載の船舶。
【請求項5】
前記ケーシングの前記主機直上空間は、前記主機の直上から前記船体の左舷又は右舷に向かって延びている
請求項1に記載の船舶。
【請求項6】
前記乗込み甲板の直下に設けられるとともに、前記機関室上車両甲板よりも船首側に設けられた第一下部車両甲板を更に有し、
前記第一下部車両甲板は、トレーラーを積込み可能なトレーラースペースを形成し、
前記機関室上車両甲板は、前記トレーラースペースよりも上方に配置されて前記トレーラーよりも高さの低い車両を積込む乗用車スペースを形成している
請求項1に記載の船舶。
【請求項7】
前記機関室上車両甲板の直下に前記乗用車スペースを形成する他の機関室上車両甲板を更に備える
請求項6に記載の船舶。
【請求項8】
前記乗込み甲板の直下に設けられるとともに、前記機関室上車両甲板よりも船首側に設けられた第一下部車両甲板を更に有し、
前記第一下部車両甲板及び前記機関室上車両甲板は、トレーラーを積込み可能なトレーラースペースを形成する
請求項1に記載の船舶。
【請求項9】
船幅方向で前記ケーシングを挟むように設けられて、前記乗込み甲板と前記機関室上車両甲板との間及び、前記乗込み甲板と前記乗込み甲板の上方に配置される車両甲板との間を繋ぐ一対の船内ランプを備える
請求項1に記載の船舶。
【請求項10】
前記機関室の内部に収容され、前記主機に対し船首尾方向にずれた位置に配置された補機を備え、
前記機関室上車両甲板は、前記補機と前記船首尾方向にずれた位置に設けられている
請求項1に記載の船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、機関室の天井を形成する乾舷甲板(乗り込み甲板)から、乾舷甲板の上側の甲板に延びる船内ランプを備える船舶が開示されている。この船舶は、船内ランプを機関室真上に固定状に形成して、船内ランプの真下空間を機関室に開放させている。そして、特許文献1では、機関室内に設けられた主機のピストン抜き等の保守作業を行う際に必要となる主機直上の空間として、船内ランプの真下空間を利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-341818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで近年、船舶の燃料が重油から液化ガス等の代替燃料に切り替わっていく動きが加速している。RO-RO(roll-on/roll-off ship)船、PCC(Pure Car Carrier)、PCTC(Pure Car and Truck Carrier)等の船舶では、液化ガス等の代替燃料を用いる場合、復原性の観点等から、燃料タンクを船体の下部に配置する場合が多い。そして、燃料タンク及び燃料タンクに付随する設備を船体の下部に配置した場合、車両の搭載スペースが減じられるという課題がある。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、車両の搭載台数を増加させることが可能な船舶を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために以下の構成を採用する。
本開示の一態様によれば、船舶は、船体と、前記船体に設けられて船尾ランプ又は船首ランプを介して車両が乗降する乗込み甲板と、前記船体における前記乗込み甲板の下方に設けられて主機を収容する機関室と、前記乗込み甲板の下方に位置し、前記機関室の天井を形成すると共に、上下に開口する開口部を有する機関室上車両甲板と、前記乗込み甲板と前記機関室上車両甲板との間にわたって設けられ、前記開口部を介して前記機関室に連通する主機直上空間を区画形成するケーシングと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る船舶によれば、車両の搭載台数を増加させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の第一実施形態における船舶の概略構成を示す図である。
図2】本開示の第一実施形態における機関室の平面図である。
図3】本開示の第一実施形態における機関室上車両甲板及びケーシングの平面図である。
図4】本開示の第一実施形態における乗込み甲板の平面図である。
図5】本開示の第一実施形態の第二変形例における船舶の概略構成を示す図である。
図6】本開示の第二実施形態における船舶の概略構成を示す図である。
図7】本開示の第二実施形態の変形例における船舶の概略構成を示す図である。
図8】本開示の第三実施形態におけるケーシングの平面図である。
図9】本開示の各実施形態の第一変形例における船内ランプの配置を示す図である。
図10】本開示の各実施形態の第二変形例における機関室上車両甲板を示す図である。
図11】本開示の各実施形態の第三変形例における機関室上車両甲板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本開示の実施形態に係る船舶を図面に基づき説明する。本実施形態では、船舶がPCTC(Pure Car and Truck Carrier)である場合を一例にして説明する。
<第一実施形態>
図1は、本開示の第一実施形態における船舶の概略構成を示す図である。図2は、本開示の第一実施形態における機関室の平面図である。
図1に示すように、第一実施形態における船舶100は、船体2と、上部構造3と、を備えている。
【0009】
船体2は、舷側4A,4B(図2参照)と、船底5と、船尾ランプ12Aと、乗込み甲板10Aと、機関室20と、機関室上車両甲板30と、ケーシング40と、を少なくとも有している。舷側4A,4Bは、左右舷側をそれぞれ構成する一対の舷側外板からなる。船底5は、これら舷側4A,4Bを接続する船底外板からなる。船体2の内部には、複数の甲板10が上下に間隔をあけて設けられている。本実施形態の船底5は、二重底となっており、外底板5Aの上方に間隔をあけて内底板5Bを備えている。
【0010】
上部構造3は、船体2の上甲板10C(図1参照)の上に形成されている。上部構造3は、船橋3Aと居住区3Bとを備えている。
【0011】
船尾ランプ12Aは、車両等の貨物を搬入・搬出させるためのショアランプである。本実施形態の船体2は、船尾ランプ12Aのみ備えている場合を例示しているが、船尾ランプ12Aに加えてセンターランプを備えるようにしてもよい。船尾ランプ12Aは、船尾2Aに設けられて、階層状に形成された船体2の甲板10のうち、中間層に配置された甲板10である乗込み甲板10Aに繋がっている。本実施形態では、乗込み甲板10Aが水密構造の隔壁甲板となっており、乗込み甲板10Aの一つ下層の第一下部車両甲板10Bが乾舷甲板となっている。船尾ランプ12Aを倒して展開させると、乗用車やトラック等の車両が岸壁から船尾ランプ12Aを通じて自走して乗込み甲板10Aに乗り込むことが可能となる。なお、船尾ランプ12Aを備える場合に限られず、例えば乗込み甲板10Aに繋がる船首ランプを船尾ランプ12Aの代わりに有していてもよい。また、センターランプを備える場合、乗込み甲板10A又は、乗込み甲板10Aの一つ下層の第一下部車両甲板10Bに乗り込み口を備えるようにしてもよい。
【0012】
船尾ランプ12Aを通じて乗船した車両(図示せず)は、例えば、上下に隣り合う甲板10同士を繋ぐ傾斜路であるランプウェイ13を介して、それぞれ所定の階層の甲板10上の所定の搭載位置まで自走して停車する。そして、停車した車両は、固縛される。隔壁甲板である乗込み甲板10Aよりも下方へ繋がるランプウェイ13は、例えば不使用時に乗り込み甲板10Aの開口を閉塞して水密にすることが可能な、昇降式のランプウェイもしくは、水密扉(カバーを含む)のランプウェイとなっている。
【0013】
図1図2に示すように、機関室20は、船体2内に設けられている。具体的には、機関室20は、乗込み甲板10Aの下方に設けられている。本実施形態の機関室20は、船体2の船首尾方向Daの中央よりも船尾2Aに近い側に区画されている。さらに、本実施形態の機関室20は、乗込み甲板10Aの下方で且つ船体2の最下層に区画されている。機関室20は、主機9を収容している。本実施形態で例示する機関室20は、主機9よりも船尾2Aに近い位置に補機である複数の発電機8を備えている。
【0014】
主機9は、例えば液化ガス又は重油を燃料として駆動可能となっている。主機9の燃料となる液化ガスは、LNG(Liquefied Natural Gas)、LPG(Liquefied Petroleum Gas)、アンモニア(NH)等を例示できる。主機9は、船尾2Aの下方に位置するスクリュー6を回転駆動することで船体2の推進力を発生させる。スクリュー6の後方には、舵7が設けられており、この舵7により船体2の進行方向が制御される。なお、主機9によりスクリュー6を回転駆動する場合について説明したが、この構成に限られない。例えば、主機9の回転エネルギーを電気エネルギーに変換して電動機(図示せず)によりスクリュー6を回転駆動する構成であってもよい。なお、本実施形態では、液化ガスの燃料タンクの明示については省略している。
【0015】
図3は、本開示の第一実施形態における機関室上車両甲板及びケーシングの平面図である。図4は、本開示の第一実施形態における乗込み甲板上のエンジンケーシングの平面図である。
図1図3に示すように、機関室上車両甲板30は、乗込み甲板10Aの下方に位置し、機関室20の天井を形成している。この機関室上車両甲板30は、上下に開口する開口部31を有している。機関室上車両甲板30の上は、車両を搭載可能なスペースであり、本実施形態では乗用車スペースCSとなっている。乗用車スペースCSは、トレーラーを搭載可能なトレーラースペースTS(後述する)よりも天井までの高さが低い。本実施形態の機関室上車両甲板30の真上の乗込み甲板10Aには、上述したランプウェイ13と同様に、昇降式又は、水密扉(カバーを含む)式の水密ランプウェイ14が設けられており、この水密ランプウェイ14を通じて、乗込み甲板10Aから機関室上車両甲板30へ自走により車両を搬入可能となっている。
【0016】
図1から図3に示すように、船体2内には、船首尾方向Daに離間して設けられた一対の横置隔壁21が設けられている。これら一対の横置隔壁21は、水密隔壁である。これら一対の横置隔壁21の上端21tは、乗込み甲板10Aに接続されている。横置隔壁21は、船底5と乗込み甲板10Aとの間にわたるように形成されると共に、左右舷側4A,4Bの間をわたるように形成されている。そして、機関室上車両甲板30は、一対の横置隔壁21の間に形成されている。つまり、機関室上車両甲板30及び機関室20は、一対の横置隔壁21により船首尾方向Daの両側を区画されている。
【0017】
図1図3に示すように、ケーシング40は、乗込み甲板10Aと機関室上車両甲板30との間にわたって設けられている。ケーシング40は、開口部31を介して機関室20に連通する主機直上空間41を区画形成している。この主機直上空間41は、筒状をなすケーシング40の内側に形成され、上下方向Dvにおける開口部31の位置から乗込み甲板10Aの下面に至る。本実施形態のケーシング40は、上方から見て、主機9を外側から囲む矩形状に形成されている。本実施形態の主機9は、多気筒の直列エンジンであり、そのクランク軸が船首尾方向Daに延びている。このような形状の主機9に対し、本実施形態のケーシング40の平面視における輪郭は、船首尾方向Daに長い長方形状をなしている。
【0018】
本実施形態で例示するケーシング40は、船幅方向Dwの中央に配置されて、左右対称の形状をなしている。更に、本実施形態のケーシング40は、左右の舷側4A,4Bの何れからも船幅方向Dwに離間して配置され、一対の横置隔壁21の何れからも船首尾方向Daに離間して配置されている。主機直上空間41は、主機9のピストン抜き等の保守作業を行うことが可能な大きさを有している。ここで、主機直上空間41の天井を形成する乗込み甲板10Aの下面には、主機9のピストンを上方に持ち上げるためのチェーンブロックやクレーン等の吊り上げ装置(図示せず)が設けられている。そして、主機9から乗込み甲板10Aまでの高さは、機関室20に設置された状態の主機9から吊り上げ装置(図示せず)によってピストンを引抜可能な高さとなっている。さらに、本実施形態の主機直上空間41は、主機9から上方に引抜いたピストンを主機直上空間41から取り出すために、ピストンを横向きに寝かすことが可能な大きさを有している。
【0019】
図1に示すように、主機9や発電機8から排出される排ガスは、排ガス管50によってファンネルFに導かれて大気中に放出される。本実施形態のファンネルFは、機関室20の真上に位置すると共に、船幅方向Dwの中央部に位置している。図1図4に示すように、乗込み甲板10Aよりも上方の各階層には、主機9等の排ガス管50をファンネルFまで導くためのエンジンケーシングECが設けられている。これら各階層に設けられたエンジンケーシングECは、それぞれ水密の囲壁であり、ファンネルFの真下に連なるように配置されている。排ガス管50は、乗込み甲板10Aよりも上方のエンジンケーシングEC内の甲板10を上下に貫通している。
【0020】
図4に示すように、本実施形態では、エンジンケーシングECに隣接してエレベータや階段の設けられた水密の区画15が形成されている。また、図1に示すように、本実施形態では、機関室上車両甲板30の船首2F側に、機関室上車両甲板30を船首2F側に延長するように第一下部車両甲板10Bが設けられている場合を例示している。つまり、第一下部車両甲板10Bが乗用車スペースCSを形成している。
【0021】
<作用効果>
上記第一実施形態では、船尾ランプ12Aを介して車両が乗降する乗込み甲板10Aの下方に主機9を収容する機関室20を備えている。さらに、乗込み甲板10Aの下方に位置して機関室20の天井を形成すると共に、上下に開口する開口部31を有する機関室上車両甲板30と、乗込み甲板10Aと機関室上車両甲板30との間にわたって設けられて開口部31を介して機関室20に連通する主機直上空間41を区画形成するケーシング40と、を備えている。
これにより、機関室20の上方へのピストン引き抜き等の作業を可能としつつ、機関室20と乗込み甲板10Aとの間に車両を搭載することが可能となる。その結果、船舶100を大型化することなく、車両の搭載台数を増加させることができる。
【0022】
上記第一実施形態では、乗込み甲板10Aが、隔壁甲板である。さらに、船首尾方向Daに離間して設けられた水密隔壁としての一対の横置隔壁21の上端21tが、乗込み甲板10Aに接続されている。機関室上車両甲板30及び機関室20は、一対の横置隔壁21により区画されている。
これにより、水密隔壁である横置隔壁21と、隔壁甲板である乗込み甲板10Aと、左右舷側4A,4Bと、二重底の内底板5Bと、によって区画された機関室20の上方のスペースの一部に機関室上車両甲板30を設けることができるため、機関室20の上方のスペースを有効利用して搭載可能な車両数を増加させることができる。
【0023】
<第一実施形態の第一変形例>
上述した第一実施形態では、機関室上車両甲板30と、その船首2F側に位置する第一下部車両甲板10Bとの間に、横置隔壁21が配置されて、車両の行き来ができない場合について説明した。しかし、横置隔壁21に水密のスライドドアなどを設けて、車両が第一下部車両甲板10Bと機関室上車両甲板30との間を行き来できるようにしてもよい。この場合、車両を積込み及び積み下ろしの際に複数のルートを用いることが可能となる。また、複数のルートが不要の場合には、機関室上車両甲板30と乗込み甲板10Aとの間を行き来するための専用の船内ランプである水密ランプウェイ14を省略して、部品点数を削減できる。
【0024】
<第一実施形態の第二変形例>
図4は、本開示の第一実施形態の第二変形例における船舶の概略構成を示す図である。
上述した第一実施形態では、機関室上車両甲板30が乗用車スペースCSを形成し、その船首2F側の第一下部車両甲板10Bも乗用車スペースCSを形成する場合を例示した。しかし、機関室上車両甲板30の船首2F側に位置する第一下部車両甲板10Bは、図5に示すように、トレーラースペースTSを形成するようにしてもよい。この場合、第一下部車両甲板10Bは、トレーラーを駐車する高さを確保する必要があるため、機関室上車両甲板30よりも下方に配置されることとなる。したがって、第一下部車両甲板10Bの上下方向Dvの位置よりも上方に、機関室上車両甲板30を設けることができるため、上下方向Dvにおける機関室20内の機器配置の自由度を向上できる。
なお、この第一実施形態の第二変形例において、機関室上車両甲板30と第一下部車両甲板10Bとの間には、乗用車専用のランプウェイ(図示せず)を設けてもよい。
【0025】
<第二実施形態>
次に、本開示の第二実施形態を図面に基づき説明する。この第二実施形態の船舶は、上述した第一実施形態の船舶100に対して、隔壁甲板の位置が異なる。そのため、上述した第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
【0026】
図6は、本開示の第二実施形態における船舶の概略構成を示す図である。
第二実施形態における船舶200は、上述した第一実施形態の船舶100と同様に、船体2と、上部構造3と、を備えている。船体2は、舷側4A,4Bと、船底5と、船尾ランプ12Aと、乗込み甲板10Aと、機関室20と、機関室上車両甲板30と、ケーシング40と、を少なくとも有している。
【0027】
図6に示すように、この第二実施形態の船体2は、機関室上車両甲板30と、機関室上車両甲板30よりも船首2F側及び船尾2A側の乗込み甲板10Aとが隔壁甲板になっている。図6では、隔壁甲板を太い破線で示している。つまり、船首尾方向Daにおける機関室上車両甲板30の位置で、隔壁甲板が下方に向かってリセスするように形成されている。これにより、機関室上車両甲板30と乗込み甲板10Aとの間の区画を非水密にすることができる。その一方で、ケーシング40は水密隔壁となっているため、機関室20及び主機直上空間41は、第一実施形態と同様に水密区画となっている。
【0028】
<作用効果>
上述した第二実施形態によれば、機関室上車両甲板30が隔壁甲板であるため、乗込み甲板10Aと機関室上車両甲板30との間を車両が行き来するための船内ランプを、非水密にすることができる。したがって、第一実施形態と同様に車両の搭載台数を増加させることができる。さらに、乗込み甲板10Aと機関室上車両甲板30との間に船内ランプを設けつつ昇降式や水密扉(カバーを含む)式の水密ランプウェイを設ける必要が無くなるためコスト低減及び荷役効率向上を図ることができる。
【0029】
<第二実施形態の変形例>
図7は、本開示の第二実施形態の変形例における船舶の概略構成を示す図である。
上記第二実施形態では、乗込み甲板10Aの一つ下の階層のうち、機関室上車両甲板30のみを隔壁甲板とする場合について説明した。しかし、この構成に限られない。例えば、図7に示すように、機関室上車両甲板30よりも船首2F側及び船尾2A側に設けられた第一下部車両甲板10Bを隔壁甲板としてもよい。図7では、上記図6と同様に、隔壁甲板を太い破線で示している。第一下部車両甲板10Bは、機関室上車両甲板30と同様に、乗用車スペースCSを形成している。また、機関室20の船首2F側及び船尾2A側を区画する一対の横置隔壁121の上端121tは、機関室上車両甲板30に接続されている。つまり、水密隔壁である横置隔壁121は、機関室上車両甲板30よりも上方の乗込み甲板10Aに至っていない。図7に示す横置隔壁121の鉛直上方に位置する隔壁は、水密、非水密の何れであってもよい。また、図7に示す横置隔壁121の鉛直上方に位置する隔壁は、必要に応じて設ければ良く、省略してもよい。
【0030】
このようにすることで、機関室上車両甲板30と乗込み甲板10Aとの間の水密隔壁としての横置隔壁を省略できる。したがって、水密扉等を用いずに、第一下部車両甲板10Bと機関室上車両甲板30との間を、車両が直接移動可能にすることができ、その結果、利便性を向上することができる。
【0031】
<第三実施形態>
次に、本開示の第三実施形態を図面に基づき説明する。この第三実施形態の船舶は、上述した第一実施形態の船舶に対して、船内ランプの配置を最適化したものである。そのため、上述した第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
【0032】
図8は、本開示の第三実施形態におけるケーシングの平面図である。
第三実施形態における船舶300は、上述した第一実施形態の船舶100と同様に、船体2と、上部構造3と、を備えている。船体2は、舷側4A,4Bと、船底5と、船尾ランプ12Aと、乗込み甲板10Aと、機関室20と、機関室上車両甲板30と、ケーシング140と、を少なくとも有している。
【0033】
ここで、この第三実施形態における船舶300は、乗込み甲板10A及び乗込み甲板10Aよりも上層に、上述した排ガス管50などをファンネルFに導くエンジンケーシングECを備えている。しかし、この第三実施形態におけるエンジンケーシングEC(図8中、二点鎖線で示す)は、左の舷側4Aに沿って上下方向Dvに延びる、いわゆるサイドケーシングとなっている。これは、第三実施形態の船舶300のファンネルFの配置が、上甲板10Cの船幅方向Dwの左舷に近い位置に配置されているからである。
【0034】
図8に示すように、本実施形態のケーシング140は、第一実施形態のケーシング40と同様に、乗込み甲板10Aと機関室上車両甲板30との間にわたって設けられている。ケーシング140は、その下縁の開口部131を介して機関室20に連通する主機直上空間141を区画形成している。この主機直上空間141は、ケーシング140の内側に形成され、上下方向Dvにおける開口部131の位置から乗込み甲板10Aの下面に至っている。
【0035】
ケーシング140は、上方から見て主機9(図8中、破線で示す)を外側から囲む形成をなしている。本実施形態の主機9は、第一実施形態と同じ多気筒の直列エンジンであり、そのクランク軸が船首尾方向Daに延びている。本実施形態では、ケーシング140平面視における船首尾方向Daの長さが、主機9の船首尾方向Daの長さよりも僅かに長い場合を例示している。
【0036】
この第三実施形態のケーシング140は、船幅方向Dwの中央から左の舷側4Aに至っている。言い換えれば、ケーシング140は、第一実施形態のケーシング40を左舷に向かって拡大した形状をなしている。これにより、ケーシング140によって区画形成された主機直上空間141は、主機9の直上から船体2の左舷に向かって延びて、サイドケーシングであるエンジンケーシングECの真下の位置にまで至っている。
【0037】
<作用効果>
第三実施形態によれば、ケーシング140の主機直上空間141が、主機9の直上から船体2の左舷に向かって延びている。これにより、主機9のピストン引き抜き等の作業を可能としつつ、主機9等の排ガス管50を、乗込み甲板10Aの直ぐ下に位置する主機直上空間141を介して、左舷にまで導くことができる。したがって、エンジンケーシングECが船体2の左舷に沿って配置されるサイドケーシングである場合に、主機9等の排ガス管50を、円滑にエンジンケーシングECまで導くことが可能となる。
【0038】
<第三実施形態の変形例>
第三実施形態では、ケーシング140が、左の舷側4Aに至るように形成されている場合を例示した。しかし、ケーシング140は、エンジンケーシングECの真下の位置に至っていればよく、舷側4Aから船幅方向Dwに僅かに離間して配置されるようにしてもよい。
【0039】
また、第三実施形態では、ケーシング140が左舷に向かって延びる場合を一例にして説明した。しかし、この構成に限られない。例えば、ファンネルF及びエンジンケーシングECが右の舷側4Bに沿って設けられている場合には、ケーシング140は、右舷に向かって延びるように形成してもよい。
【0040】
<他の実施形態>
本開示は上述した各実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
図9は、本開示の各実施形態の第一変形例における船内ランプの配置を示す図である。図10は、本開示の各実施形態の第二変形例における機関室上車両甲板を示す図である。図11は、本開示の各実施形態の第三変形例における機関室上車両甲板を示す図である。
【0041】
図9に示すように、例えば第一、第二実施形態の船舶100,200において、船幅方向Dwでケーシング40を挟むように、乗込み甲板10Aと機関室上車両甲板30とを繋ぐ船内ランプ60A,60Bを設けてもよい。船内ランプ60A,60Bは、乗込み甲板10Aと機関室上車両甲板30との間及び、乗込み甲板10Aと乗込み甲板10Aの上方に配置される車両甲板10との間をそれぞれ繋いでいる。この場合、船尾ランプ12Aの近くに船内ランプ60A,60Bを配置できるため、ケーシング40の船幅方向Dwの両側のスペースを船内ランプ60A,60B用のスペースとして有効活用できるとともに、船尾ランプ12Aから乗込んだ車両がすぐに上層や下層の甲板10に移動できるため、車両の動線が複雑化することを抑制できる。
【0042】
図10に示すように、例えば、機関室20内に設けられた発電機8等の補機が設置台70の上などに設けられ、上下方向Dvにおける乗込み甲板10Aに近い位置に配置されている場合、機関室上車両甲板は、発電機8等の補機と船首尾方向Daにずれた位置に設けるようにしてもよい。
【0043】
図10に示す一例では、発電機8の船首2F側にのみ機関室上車両甲板130が設けられている。すなわち、機関室上車両甲板130の船首尾方向Daの長さは、機関室20の船首尾方向Daの長さよりも短い。そして、機関室上車両甲板130の船尾2A側の端縁と乗込み甲板10Aとにわたるように水密隔壁である他の横置隔壁221が設けられている。機関室上車両甲板130は、船首2F側の横置隔壁21と他の横置隔壁221とによって船首尾方向Daの両側を区画されている。これにより、機関室20内の上部に補機が設置される場合であっても、機関室20の上部スペースを有効活用して機関室上車両甲板130を設けることが可能となる。
【0044】
また、上述した各実施形態では、乗用車スペースCSを形成する機関室上車両甲板30を一層だけ設ける場合について説明した。しかし、機関室上車両甲板30は、この構成に限られない。例えば、二重底から乗込み甲板10Aまでの距離が十分にある場合には、図11に示すように、上述した機関室上車両甲板30の直下に、乗用車スペースCSを形成する他の機関室上車両甲板230を設けるようにしてもよい。このようすることで、車両の搭載台数を更に増加させることができる。
【0045】
また、上述した各実施形態では、機関室上車両甲板30が乗用車スペースCSを形成する場合について説明したが、機関室上車両甲板30がトレーラースペースTSを形成するようにしてもよい。そして例えば、第一下部車両甲板10BがトレーラースペースTSを形成している場合には、これら機関室上車両甲板30と、第一下部車両甲板10Bとの間をトレーラーが行き来できるように、船首2Fに近い側の横置隔壁21に水密扉を設けるようにしてもよい。これにより、トレーラーの搭載台数を増加させることができる。
【0046】
さらに、上述した各実施形態ではPCTC(Pure Car and Truck Carrier)を一例にして説明したが、RO-RO(roll-on/roll-off ship)船、PCC(Pure Car Carrier)等の船舶にも適用できる。
また、主機9が液化ガスを燃料とする場合について説明したが、主機9の燃料は液化ガスに限られない。例えば、主機9は、重油焚き等であってもよい。
【0047】
<付記>
実施形態に記載の船舶は、例えば以下のように把握される。
【0048】
(1)第1の態様によれば船舶100,200,300は、船体2に設けられて船尾ランプ12A又は船首ランプを介して車両が乗降する乗込み甲板10Aと、前記船体2における前記乗込み甲板10Aの下方に設けられて主機9を収容する機関室20と、前記乗込み甲板10Aの下方に位置し、前記機関室20の天井を形成すると共に、上下に開口する開口部31,131を有する機関室上車両甲板30と、前記乗込み甲板10Aと前記機関室上車両甲板30との間にわたって設けられ、前記開口部31,131を介して前記機関室20に連通する主機直上空間41,141を区画形成するケーシング40,140と、を備える。
船舶の例としては、PCTC、RO-RO船、PCC等が挙げられる。
【0049】
これにより機関室20の上方へのピストン引き抜き等の作業を可能としつつ、機関室20と乗込み甲板10Aとの間に車両を搭載することが可能となる。その結果、船舶を大型化することなく、車両の搭載台数を増加させることができる。
【0050】
(2)第2の態様によれば船舶は、(1)の船舶であって、前記乗込み甲板10Aは、隔壁甲板であって、船首尾方向Daに離間して設けられて、上端21tが前記乗込み甲板10Aに接続された水密隔壁としての一対の横置隔壁21を更に有し、前記機関室上車両甲板30及び前記機関室20は、前記一対の横置隔壁21により区画されている。
これにより水密隔壁である横置隔壁21と、隔壁甲板である乗込み甲板10Aと、左右舷側4A,4Bと、二重底と、によって区画された機関室20の上方のスペースの一部に機関室上車両甲板30を設けることができるため、機関室20の上方のスペースを有効利用して搭載可能な車両数を増加させることができる。
【0051】
(3)第3の態様によれば船舶は、(1)の船舶であって、前記機関室上車両甲板30と、前記機関室上車両甲板30よりも船首2F側及び船尾2A側の前記乗込み甲板10Aとは、隔壁甲板であって、船首尾方向Daに離間して設けられて、上端21tが前記乗込み甲板10Aに接続された水密隔壁としての一対の横置隔壁21を更に有し、前記機関室上車両甲板30及び前記機関室は、前記一対の横置隔壁21で区画されている。
これにより、乗込み甲板10Aと機関室上車両甲板30との間に船内ランプを設けつつコスト低減を図ることができる。
【0052】
(4)第4の態様によれば船舶は、(1)の船舶であって、前記乗込み甲板10Aの直下に設けられるとともに、前記機関室上車両甲板30よりも船首2F側及び船尾2A側に設けられた第一下部車両甲板10Bと、船首尾方向Daに離間して設けられて、上端21tが前記機関室上車両甲板30に接続された水密隔壁としての一対の横置隔壁21と、を更に有し、前記第一下部車両甲板10Bと、前記機関室上車両甲板30とは、前記船首尾方向Daで互いに連続する隔壁甲板をなし、前記機関室20は、前記一対の横置隔壁21により区画されている。
これにより、機関室上車両甲板30と乗込み甲板10Aとの間の横置隔壁を省略できる。したがって、水密扉等を用いずに、第一下部車両甲板10Bと機関室上車両甲板30との間を、車両が直接移動可能にすることができ、その結果、利便性を向上することができる。
【0053】
(5)第5の態様によれば船舶は、(1)から(4)の何れか一つの船舶であって、前記ケーシング140の前記主機直上空間141は、前記主機9の直上から前記船体の左舷又は右舷に向かって延びている。
これにより主機9等の排ガス管50を、乗込み甲板10Aの直ぐ下に位置する主機直上空間141を介して、左舷又は右舷まで導くことができる。したがって、エンジンケーシングECが船体2の左舷又は右舷に沿って配置されるサイドケーシングである場合に、主機9等の排ガス管50を、円滑にエンジンケーシングECまで導くことが可能となる。
【0054】
(6)第6の態様によれば船舶は、(1)から(4)の船舶であって、前記乗込み甲板10Aの直下に設けられるとともに、前記機関室上車両甲板30よりも船首2F側に設けられた第一下部車両甲板10Bを更に有し、前記第一下部車両甲板10Bは、トレーラーを積込み可能なトレーラースペースTSを形成し、前記機関室上車両甲板30は、前記トレーラースペースTSよりも上方に配置されて前記トレーラーよりも高さの低い車両を積込む乗用車スペースCSを形成している。
これにより第一下部車両甲板10Bの上下方向Dvの位置よりも上方に、機関室上車両甲板30を設けることができるため、上下方向Dvにおける機関室20内の機器配置の自由度を向上できる。
【0055】
(7)第7の態様によれば船舶は、(6)の船舶であって、前記機関室上車両甲板30の直下に前記乗用車スペースCSを形成する他の機関室上車両甲板230を更に備える。
これにより車両の搭載台数を更に増加させることができる。
【0056】
(8)第8の態様によれば船舶は、(1)から(4)の船舶であって、前記乗込み甲板10Aの直下に設けられるとともに、前記機関室上車両甲板30よりも船首2F側に設けられた第一下部車両甲板10Bを更に有し、前記第一下部車両甲板10B及び前記機関室上車両甲板30は、トレーラーを積込み可能なトレーラースペースTSを形成する。
これによりトレーラーの搭載台数を増加させることができる。
【0057】
(9)第9の態様によれば船舶は、(1)から(4)の船舶200であって、船幅方向Dwで前記ケーシング40を挟むように設けられて、前記乗込み甲板10Aと前記機関室上車両甲板30との間及び、前記乗込み甲板10Aと前記乗込み甲板10Aの上方に配置される車両甲板10との間を繋ぐ一対の船内ランプ60A,60Bを備える。
これにより、船内ランプ60A,60Bを船尾ランプ12Aの近くに配置できる。さらに、ケーシング40の船幅方向Dwの両側のスペースを船内ランプ60A,60B用のスペースとして有効活用できる。したがって、船尾ランプ12Aから乗込んだ車両の動線が複雑化することを抑制できる。
【0058】
(10)第10の態様によれば船舶は、(1)から(9)の船舶200であって、前記機関室20の内部に収容され、前記主機9に対し船首尾方向Daにずれた位置に配置された補機8を備え、前記機関室上車両甲板30は、前記補機8と前記船首尾方向Daにずれた位置に設けられている。
補機8としては、発電機等が挙げられる。
これにより、機関室20内の上部に補機8が設置される場合であっても、スペースを有効活用して機関室上車両甲板30を設けることが可能となる。
【符号の説明】
【0059】
100,200,300…船舶 2…船体 2F…船首 2A…船尾 3…上部構造 3A…船橋 3B…居住区 4A,4B…舷側 5…船底 5B…内底板 6…スクリュー 7…舵 8…発電機 9…主機 10…甲板 10A…乗込み甲板 10B…第一下部車両甲板 10C…上甲板 12A…船尾ランプ 12B…センターランプ 13…ランプウェイ 14…水密ランプウェイ 15…区画 20…機関室 21,121…横置隔壁 21t,121t…上端 30,130…機関室上車両甲板 31,131…開口部 40,140…ケーシング 41,141…主機直上空間 50…排ガス管 60A,60B…船内ランプ 70…設置台 230…他の機関室上車両甲板 221…他の横置隔壁
図1
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