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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142476
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】トイレ装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/00 20060101AFI20241003BHJP
   A47K 17/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
E03D9/00 Z
A47K17/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054624
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】石井 克典
(72)【発明者】
【氏名】福永 哲也
(72)【発明者】
【氏名】山中 勝美
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AD14
2D037BA00
2D038JC01
2D038JC11
2D038JF04
2D038ZA03
(57)【要約】
【課題】使用者の便を撮影しつつ、使用者の臀部の撮影を防止する。
【解決手段】トイレ装置1は、大便器2の上方に配置され、大便器2の便鉢21を開放する開口部51が形成された便座5と、大便器2の上方且つ便座5の後方に配置され、便座5を枢支するケーシング41と、大便器2の便鉢21内の便を撮影する画像センサ54と、大便器2の便鉢21内に向けて光を出射させる照明装置であるLED52と、を備える。画像センサ54は、ケーシング41に配置され、LED52は、便座5のうち、開口部51の後端51bよりも前方の部分に配置されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大便器の上方に配置され、前記大便器の便鉢を開放する開口部が形成された便座と、
前記大便器の上方且つ前記便座の後方に配置され、前記便座を枢支するケーシングと、
前記大便器の便鉢内の便を撮影する画像センサと、
前記大便器の便鉢内に向けて光を出射させる照明装置と、を備え、
前記画像センサは、前記ケーシングに配置され、
前記照明装置は、前記便座のうち前記開口部の後端よりも前方の部分に配置されていることを特徴とする、トイレ装置。
【請求項2】
前記照明装置は、前記便座のうち前記開口部の中心点よりも前方の部分に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記照明装置は、前記画像センサの撮影範囲の外側に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記照明装置は、前記画像センサから延びて前記開口部の中心点を通る直線から、左右方向にオフセットして配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のトイレ装置。
【請求項5】
複数の前記照明装置を備え、
少なくとも1つの前記照明装置が、前記直線から左右方向の一方にオフセットして配置され、他の前記照明装置が、前記直線から左右方向の他方にオフセットして配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のトイレ装置。
【請求項6】
前記画像センサは、前記開口部の中心点から左右方向にオフセットして配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のトイレ装置。
【請求項7】
前記画像センサは、前記照明装置よりも下方に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のトイレ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、画像センサ(CMOSセンサ)を用いて大便器の便鉢内の便を撮影する装置(バイオモニタリング・デバイス)を開示している。使用者が便座に着座すると、トイレルームの照明装置の光が便鉢内に到達し難くなり、便の撮影が困難になるおそれがある。このため、特許文献1に開示されている発明は、専ら便鉢内に向けて光を出射させる照明装置(電磁放射源)を備えている。
【0003】
このような撮影機能を備える装置では、例えば、画像センサを便座の下面に配置することにより、便鉢内の便を撮影することが容易になる。しかしながら、男性使用者が小用の際に便座を起立させると、画像センサがその使用者を向き、誤って使用者の身体を撮影してしまうおそれがある。この点、特許文献1に開示された装置では、画像センサ及び照明装置が、便座を枢支するケーシングに配置されている。このため、便座が起立した際にも画像センサ及び照明装置の位置が変化せず、画像センサにより使用者の身体を撮影してしまう事態を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7193526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された装置では、画像センサ、照明装置とも、便座の開口部よりも後方に配置され、その撮影範囲と光の出射範囲とが前方の便鉢に向けられている。このような構成では、例えば、比較的小柄な使用者の臀部が便座の開口部を介して便鉢内に大きく入り込んだ場合に、照明装置から出射した光により使用者の臀部の明度が高まり、画像センサがその臀部を撮影してしまうおそれがある。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用者の便を撮影しつつ、使用者の臀部の撮影を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1態様に係るトイレ装置は、大便器の上方に配置され、大便器の便鉢を開放する開口部が形成された便座と、大便器の上方且つ便座の後方に配置され、便座を枢支するケーシングと、大便器の便鉢内の便を撮影する画像センサと、大便器の便鉢内に向けて光を出射させる照明装置と、を備え、画像センサは、ケーシングに配置され、照明装置は、便座のうち開口部の後端よりも前方の部分に配置されている。
【0008】
この構成によれば、画像センサ及び照明装置は、互いに異なる方向から撮影及び光の出射を行う。これにより、画像センサの撮影範囲において、照明装置から出射した光により使用者の臀部の明度が高まることを抑制し、画像センサによる使用者の臀部の撮影を防止することが可能になる。
【0009】
ここで、「前」とは、便座に着座した使用者が向く側であり、「後」とは、「前」と反対側をいう。また、以下の説明では、便座に着座した使用者から見て左側を「左」といい、便座に着座した使用者から見て右側を「右」という。さらに、鉛直方向上方を「上」といい、鉛直方向下方を「下」という。
【0010】
本発明の第2態様に係るトイレ装置では、照明装置は、便座のうち開口部の中心点よりも前方の部分に配置されている。
【0011】
便座の開口部を介して便鉢内に入り込んだ使用者の臀部の位置は、使用者の体格により異なるものの、臀部の最下点の位置は、開口部の中心点よりも後方となることが多い。本発明の第2態様に係るトイレ装置では、照明装置が、便座のうち開口部の中心点よりも前方の部分に配置されることにより、画像センサの撮影範囲において、照明装置から出射した光により使用者の臀部の明度が高まることをさらに抑制することが可能になる。この結果、画像センサによる使用者の臀部の撮影をさらに確実に防止することが可能になる。
【0012】
ここで、「開口部の中心点」とは、平面視したときの、前後方向における開口部の中心点、且つ、左右方向における開口部の中心点である。換言すると、開口部の前後方向寸法をL、左右方向寸法をWとしたとき、中心点は、開口部の前端及び後端から距離L/2だけ離間し、且つ、開口部の左端及び右端から距離W/2だけ離間した位置にある。
【0013】
本発明の第3態様に係るトイレ装置では、照明装置は、画像センサの撮影範囲の外側に配置されている。
【0014】
照明装置から出射して画像センサに入射する光の量が過度に高まると、画像センサによる撮影に、白飛び等の悪影響を与えるおそれがある。本発明の第3態様に係るトイレ装置では、照明装置は、画像センサの撮影範囲の外側に配置されているため、画像センサに入射する光の量が過度に高まることを抑制できる。この結果、画像センサに過度な量の光が入射することによる、撮影への悪影響を抑制することが可能になる。
【0015】
本発明の第4態様に係るトイレ装置では、照明装置は、画像センサから延びて開口部の中心点を通る直線から、左右方向にオフセットして配置されている。
【0016】
この構成によれば、照明装置から出射して便鉢内で反射し、画像センサを指向する光の量を抑制することが可能になる。この結果、照明装置から出射した光による撮影への悪影響を抑制することが可能になる。
【0017】
本発明の第5態様に係るトイレ装置では、複数の照明装置を備え、少なくとも1つの照明装置が、直線から左右方向の一方にオフセットして配置され、他の照明装置が、直線から左右方向の他方にオフセットして配置されている。
【0018】
この構成によれば、画像センサの撮影範囲を挟んで対向するように配置された複数の照明装置から、便鉢内に向けて光を出射させることが可能になる。これにより、便鉢内の便に陰影が生じることを抑制し、鮮明な便の画像を取得することが可能になる。
【0019】
本発明の第6態様に係るトイレ装置では、画像センサは、開口部の中心点から左右方向にオフセットして配置されている。
【0020】
左右方向におけるケーシングの中央部には、使用者の局部に向けて水を吐出するノズルユニットが配置されることが多い。このケーシングの中央部にノズルユニットと画像センサの双方を配置すると、ケーシングが上下方向に大型化するおそれがある。本発明の第6態様に係るトイレ装置では、画像センサは、開口部の中心点から左右方向にオフセットして配置されている。これにより、画像センサを、ケーシングの中央部に配置されたノズルユニットと左右方向に離間して配置し、上下方向へのケーシングの大型化を抑制することが可能になる。
【0021】
本発明の第7態様に係るトイレ装置では、画像センサは、照明装置よりも下方に配置されている。
【0022】
この構成によれば、画像センサよりも上方に位置する照明装置から、画像センサよりも下方に位置する大便器の便鉢内に向けて光が出射される。また、大便器の便鉢内の便を撮影するため、画像センサの撮影範囲は便鉢内に向けられている。このため、照明装置から画像センサに直接指向する光の量を抑制することが可能になる。この結果、照明装置から出射した光による撮影への悪影響を抑制することが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、使用者の便を撮影しつつ、使用者の臀部の撮影を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、実施形態に係るトイレ装置が設置されたトイレルームを示す斜視図である。
図2図2は、図1のトイレ装置の平面図である。
図3図3は、図2のトイレ装置の側面図である。
図4図4は、第2実施形態に係るトイレ装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0026】
<第1実施形態>
まず、図1から図3を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るトイレ装置1について説明する。図1は、トイレ装置1が設置されたトイレルームRを示す斜視図である。図2は、トイレ装置1の平面図であり、便座5の下方の構成の一部を破線で示している。図3は、トイレ装置1の側面図であり、大便器2の内部の便鉢21や封水部23を破線で示している。
【0027】
図1に示すように、トイレ装置1は、大便器2と、便座装置3と、操作装置6とを備える。
【0028】
大便器2は、トイレルームRの床面F上に設置される。大便器2は、使用者の便を受ける便鉢21と、便鉢21の周囲で立設するリム22と、を有している。例えば、トイレルームRに設けられた洗浄操作部(不図示)が使用者により操作されると、便鉢21に洗浄水が供給され、便鉢21の洗浄及び便鉢21からの便の排出が行われる。洗浄操作部は、トイレルームRに設けられる操作レバーや、後述する操作装置6に設けられたスイッチ等、種々の形態を採用し得る。
【0029】
便座装置3は、この大便器2に適用される。なお、以下の説明では、後述する便座5に着座した使用者から見て前方を「前」、後方を「後」、左方を「左」、右方を「右」という。また、鉛直方向上方を「上」、鉛直方向下方を「下」という。
【0030】
便座装置3は、大便器2の上部に取り付けられ、本体4と、便座5とを備えている。便座装置3は、大便器2に対して着脱可能に取り付けられてもよいし、大便器2と一体となるように取り付けられてもよい。
【0031】
図2に示すように、本体4は、ケーシング41と、ノズルユニット42と、画像センサ43とを有している。ケーシング41は、本体4の外殻をなす部材であり、その内部に種々の部品(不図示)を収容している。ケーシング41は、大便器2の後部の上面に配置されている。
【0032】
図2及び図3に示すノズルユニット42は、使用者の局部の洗浄に用いられる。ノズルユニット42は、機能部42aと、ノズル部42bとを有している。機能部42aは、ケーシング41の内部に収容されており、左右方向におけるケーシング41の中央部に配置されている。ノズル部42bは、機能部42aに設けられている電動モータ(不図示)により前後方向に移動可能であり、且つ、便鉢21内に進退可能に構成されている。ノズル部42bが便鉢21内に位置しているときに電磁バルブ(不図示)が開かれることにより、ノズル部42bは、使用者の局部に向けて水を吐出する。
【0033】
図2及び図3に示す画像センサ43は、外部から光を入射させて撮影を行うカメラ(エリアセンサカメラ)である。画像センサ43は、その撮影範囲が便鉢21内を向くように、ケーシング41の下部に配置され、その集光レンズ(不図示)が便鉢21内に向けられている。画像センサ43の撮影範囲は、平面視で角度θ11(図2参照)、側面視で角度θ12(図3参照)に亘る。図3に示すように、画像センサ43の下端面は、ケーシング41の下端面と略面一となるように配置されている。
【0034】
便座5は、本体4の前方に配置されている。便座5の後端部は本体4のケーシング41により軸支されている。これにより、便座5は、リム22上に載置される姿勢と、リム22から離れて便鉢21を大きく開放する姿勢との間で回動可能とされている。図2に示すように、便座5の中央部には、開口部51が形成されている。開口部51は、便座5をその厚み方向に貫通し、便座5がリム22上に載置されているときに便鉢21を開放する。平面視で、開口部51の前後方向寸法はL、左右方向寸法はWである。換言すると、開口部51の前端51aと後端51bとの間の距離はLであり、左端51cと右端51dとの間の距離はWである。
【0035】
図2に示すように、平面視で、便座5の開口部51の前端51a及び後端51bから距離L/2だけ離間し、且つ、開口部51の左端51c及び右端51dから距離W/2だけ離間した位置を、「開口部51の中心点C」という。図3は、便座5の着座面5aに着座した使用者の臀部Bの輪郭を破線で示している。比較的小柄な使用者の臀部Bは、開口部51を介して便鉢21内に大きく入り込む。臀部Bの最下点B1の位置は、使用者の体格により異なるものの、開口部51の中心点Cよりも後方となることが多い。
【0036】
便座5には、LED52が設けられている。LED52は、電力の供給を受けて光を出射させる装置であり、本発明の「照明装置」の一例である。LED52は、便鉢21内に向けて光を出射させるように、便座5の下部に配置されている。LED52が光を出射させる範囲は、概ね、平面視で角度θ21(図2参照)、側面視で角度θ22(図3参照)に亘る。図3に示すように、LED52の下端面は、便座5の下端面と略面一となるように配置されている。
【0037】
図1に示す操作装置6は、例えばトイレルームRの壁面に設置される。操作装置6は、便座装置3の複数の動作(例えば、局部洗浄の開始や停止)にそれぞれ対応する複数のスイッチを有している。
【0038】
このような構成を備えるトイレ装置1では、便座5に着座している使用者が、局部洗浄の開始に対応する操作装置6のスイッチを操作すると、操作装置6は、このスイッチに対応する信号を生成し、無線で便座装置3に送信する。便座装置3は、この信号を受信し、ノズル部42bをケーシング41から便鉢21内に進出させるとともに、開かれた電磁バルブから供給される水を、使用者の局部に向けて吐出する。
【0039】
便座装置3は、使用者の排便後又は排便中に、画像センサ43により便鉢21内を撮影する。画像センサ43は、撮影した便鉢21内の画像に対応する画像信号を、本体4に設けられている演算装置(不図示)に送信する。画像信号を受信した演算装置は、予め定められたプログラムに基づいて、使用者の大便の有無、大便の色、形、大きさ、及び量のうち少なくとも1つを判定する。便座装置3は、この判定結果に対応する信号を生成し、外部のクラウドサービスに送信する。医療従事者等は、このクラウドサービスにアクセスして上記判定結果を取得することにより、使用者の健康状態を把握し、それに基づく助言をすることが可能になる。
【0040】
次に、引き続き図1から図3を参照しながら、画像センサ43とLED52との位置関係や、それに基づく作用効果について説明する。
【0041】
この構成によれば、画像センサ43及びLED52は、互いに異なる方向から撮影及び光の出射を行う。これにより、画像センサ43の撮影範囲において、LED52から出射した光により使用者の臀部Bの明度が高まることを抑制し、画像センサ43による使用者の臀部Bの撮影を防止することが可能になる。
【0042】
また、画像センサ43及びLED52が互いに異なる方向から撮影及び光の出射を行う構成では、画像センサ43とLED52とを離間して配置することが可能になる。この結果、LED52が発する熱による画像センサ43の劣化や損傷を抑制することが可能になる。
【0043】
ここで、仮に、画像センサ及び照明装置が互いに同一の方向から撮影及び光の出射を行う構成を採用した場合、照明装置から出射して大便器の便鉢内で反射する光は、画像センサから遠ざかる方向への指向性が高いものとなる。このような構成では、鮮明な便の画像を取得するために必要となる照明装置の光量が大きくなるおそれがある。
【0044】
これに対し、画像センサ43及びLED52が互いに異なる方向から撮影及び光の出射を行う構成では、LED52から出射して大便器2の便鉢21内で反射する光を、画像センサ43に適度に指向させることが可能になる。この結果、LED52に要求される光量を抑制することが可能になる。
【0045】
上述したように、臀部Bの最下点B1の位置は、使用者の体格により異なるものの、開口部51の中心点Cよりも後方となることが多い。そこで、LED52は、便座5のうち開口部51の中心点Cよりも前方の部分に配置されている。この構成によれば、画像センサ43の撮影範囲において、LED52から出射した光により使用者の臀部Bの明度が高まることをさらに抑制することが可能になる。この結果、画像センサ43による使用者の臀部Bの撮影をさらに確実に防止することが可能になる。
【0046】
また、図3に示すように、LED52は、画像センサ43の撮影範囲の外側に配置されている。この構成によれば、画像センサ43に入射する光の量が過度に高まることを抑制できる。この結果、画像センサ43に過度な量の光が入射することによる、撮影への悪影響を抑制することが可能になる。
【0047】
また、図2に示すように、LED52は、平面視で、画像センサ43から延びて開口部51の中心点Cを通る直線Sから左方にオフセットして配置されている。この構成によれば、LED52から出射して便鉢21内で反射し、画像センサ43を指向する光の量を抑制することが可能になる。この結果、LED52から出射した光による撮影への悪影響を抑制することが可能になる。
【0048】
また、画像センサ43は、開口部51の中心点Cから左方にオフセットして配置されている。上述したように、左右方向におけるケーシング41の中央部には、ノズルユニット42が配置されている。画像センサ43は、側面視ではノズルユニット42と重なるものの(図3参照)、平面視ではこの機能部42aと重ならない(図2参照)位置に配置されている。これにより、上下方向へのケーシング41の大型化を抑制することが可能になる。
【0049】
また、図3に示すように、画像センサ43の下端面は、LED52の下端面よりも距離Dだけ下方に配置されている。この構成によれば、画像センサ43よりも上方に位置するLED52から、画像センサ43よりも下方に位置する大便器2の便鉢21内に向けて光が出射される。また、大便器2の便鉢21内の便を撮影するため、画像センサ43の撮影範囲は便鉢21内に向けられている。このため、LED52から画像センサ43に直接指向する光の量を抑制することが可能になる。この結果、LED52から出射した光による撮影への悪影響を抑制することが可能になる。
【0050】
<第2実施形態>
次に、図4を参照しながら、本発明の第2実施形態に係るトイレ装置1Aについて説明する。トイレ装置1Aは、照明装置の数や、画像センサ及び照明装置の配置の点で、上述したトイレ装置1と異なる。トイレ装置1Aのうち、トイレ装置1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を適宜省略する。
【0051】
トイレ装置1Aの画像センサ44は、左右方向におけるケーシング41の中央部に配置されている。ノズルユニット(不図示)も同中央部に配置されている場合、画像センサ44は、上面視でノズルユニットと重なるように配置される。画像センサ44の撮影範囲は、平面視で角度θ11に亘る。
【0052】
トイレ装置1Aの便座5には、LED53,54が設けられ。LED53,54は、本発明の「照明装置」の一例である。LED53,54は、便鉢21内に向けて光を出射させるように、便座5の下部に配置されている。LED53,54が光を出射させる範囲は、概ね、平面視で角度θ21に亘る。
【0053】
ここで、LED53は、画像センサ44から延びて開口部51の中心点Cを通る直線SAから左方にオフセットして配置され、LED54は、直線SAから右方にオフセットにして配置されている。
【0054】
この構成によれば、画像センサ44の撮影範囲を挟んで対向するように配置された2つのLED53,54から、便鉢21内に向けて光を出射させることが可能になる。これにより、便鉢21内の便に陰影が生じることを抑制し、鮮明な便の画像を取得することが可能になる。
【0055】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、画像センサ43は、エリアセンサカメラに代えてラインセンサカメラを用いてもよい。すなわち、上記実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0056】
1,1A…トイレ装置、2…大便器、41…ケーシング、43,44…画像センサ、5…便座、51…開口部、52~54…LED(照明装置)、C…(開口部の)中心点

図1
図2
図3
図4